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2007年1月 第376号のPDFをダウンロード(1.6MB)
News
JIKEN CENTER
自研センターニュース
1
January 2007
平成19年1月15日発行 毎月1回15日発行(通巻376号)
昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
C
O
N
T
E
N
T
S
2007年を迎えて ・・・・・・・・・・・・・・・・2
リペアリポート ・・・・・・・・・・・・・・・・3
ホンダ CR-V
(RE3、RE4系)
インストルメントパネル脱着作業
調査・研究報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・8
アルミニウム合金製外板パネル修理方法調査
第47回ボデーリペア懇談会開催 ・・・・・・・・11
リペアインフォメーションS ・・・・・・・・・・12
クォータパネル・リヤバンパの補修塗装作業事例
輸入車インフォメーション ・・・・・・・・・・15
BMW X3(PA25)の合成樹脂部品の補給形態
リサーチング ザ スケルトンズ ・・・・・・・・・16
ダイハツ ムーヴ・ムーヴカスタム
(L175S・L185S系)
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・18
お客様相談室レポート ・・・・・・・・・・・・19
脱着・取替指数について
別冊 新型車情報
1 ∼□
20
1トヨタカローラ アクシオ/フィールダー(140系) ・・□
1 ∼□
8
2スズキ セルボ(HG21S)・・・・・・・・・・□
【お知らせ】
今月の[テクノセミナー]はお休みさせていただきます。
2007年を迎えて
代表取締役
皆様、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
自然災害について、昨年はいろいろありましたが、今年も大地震などを含めて引続
き充分な警戒が必要でしょう。経済面では、順調な回復が続いており、昨年11月には
「いざなぎ景気」を越えて戦後最長の58ケ月の景気上昇となりました。今年も、米国
や中国等の動向に急変がなければ、設備投資を主因に更なる景気持続が期待できると
の楽観的な見通しが語られています。グローバル化の著しい進展の中で、IT革命や人
口減少を伴う超高齢化社会の到来など時代の潮流は確実に変化しつつあります。
さて、これら事業環境の変化を踏まえて、昨年、若手社員を含めて社内各層の意見
を取り入れて「中期計画」をはじめて策定いたしました。中期の業務目標を明らかに
する一方、システム投資など諸々の社内インフラの整備に大いに注力していくことに
しています。
また、昨年秋にRCARの東京総会を主催しましたが、弊社と同様な事業形態を持
つ各国センターの活動は、直接、間接に参考となることが多く、特に、英、米、独な
ど先進国センターとは本年以降、一層交流を深めていくことにしています。
本年も、弊社は指数作成業務、研修業務、技術開発業務や調査業務を中心に関連業
界との良き連携の下に、カーユーザのより快適なカーライフの実現に向けて、着実に
実績を積み上げてゆく覚悟であります。何卒よろしくご指導ご鞭撻を賜りますようお
願い申し上げます。
最後になりますが、皆様とご家族の益々のご健康とご多幸をお祈り申し上げまして、
新年のご挨拶といたします。
2
自研センターニュース 2007年 1月号
REPAIR REPORT
リペア リポート
ホンダ CR-V(RE3、RE4系)
インストルメントパネル脱着作業
1.はじめに
ホンダ CR-V:RE3、RE4系(2006年10月発売)のインストルメントパネルの脱着作業を実際に行い
ましたので紹介します。インストルメントパネル脱着作業が必要なフロントピラーやダッシュパネルが
損傷している事故車修復の参考としてください。
2.作業方法
脱着作業はステアリングコラムAssy、両側フロントシート取外状態からの作業としています。
作業前
作業後
[脱作業]
①センタコンソールAssyを取外す。
②フロントピラーガーニッシュAssyを取外す。
ボルト
コネクタ
ボルト
ツメ
クリップ
クリップ
自研センターニュース 2007年 1月号
3
③フロントサイドインナガーニッシュAssyを取外す。
④カウルサイドライニングAssyを取外す。
クリップ
クリップ
⑤パッセンジャアンダカバーAssyを取外す。
⑥グローブボックスAssyを取外す。
はめ込み
はめ込み
ボルト
クリップ
⑦メータバイザAssyを取外す。
クリップ
クリップ
ツメ
4
⑧センタアッパリッドAssyを取外す。
自研センターニュース 2007年 1月号
REPAIR REPORT
⑨ドライバアウトレットCOMPを取外す。
⑩アッパバイザAssyを取外す。
ツメ
クリップ
クリップ
コネクタ
クリップ
⑪ドライバインサイドリッドAssyを取外す。
⑫ドライバ(パッセンジャ)サイドヒータカバー
Assyを取外す。
クリップ
クリップ
コネクタ
クリップ
ツメ
はめ込み
⑬センタロアカバーCOMPを取外す。
クリップ
⑭オートエアコンディショナコントロールAssyを取外す。
クリップ
スクリュ
ツメ
コネクタ
自研センターニュース 2007年 1月号
5
⑮エスカッションパネルAssyを取外す。
⑯トランスミッションコントロールワイヤを取外す。
ツメ
クリップ
⑰左側インストルメントサイドリッドAssyを取外す。
⑱リヤヒータジョイントダクトAssyを取外す。
クリップ
ツメ
はめ込み
ツメ
⑲配線類の縁切りを行う。
コネクタ
コネクタ
助手席側
運転席側
コネクタ
中央部(センタロアカバーCOMP内側)
6
自研センターニュース 2007年 1月号
REPAIR REPORT
⑳ステアリングハンガビームCOMPとボデー側との固定ボルトを取外す。
ボルト
ボルト
助手席側
運転席側
ボルト
ボルト
中央部(下部)(センタロアカバーCOMP内側)
運転席側下部
取外状態
はめ込み
表側
裏側
[着作業]:取付けは取外しと逆の手順で作業を行います。
[作動点検]:セレクトレバー、エアコン、オーディオ、メータ類のスイッチ、ランプ等の全ての機能
について作動点検を行い、本体の取付状態(緩み・ガタ)の確認を行います。エアバック
等の重要部品の点検については整備編の指示に従ってください。
3.まとめ
今回紹介しましたCR-Vのインストルメントパネルは、トリム類、グローブボックスAssy、コンソー
ルボックスAssy等の周辺部品を取外し、ステアリングハンガビームCOMPと一体で脱着する方法です。
両側フロントシートについてはインストルメントパネル出し入れの作業性確保のために取外状態として
います。作業前に整備編等の手順書を読み、作業内容を熟知することで効率の良い作業が行えます。
参考資料:整備書:サービスマニュアル シャシ整備編(下巻)60SWA00B
(指数部/蛭間貴幸)
自研センターニュース 2007年 1月号
7
調査・研究報告
アルミニウム合金製外板パネル修理方法調査
はじめに、アルミニウム合金(以下アルミ合金)製外板パネルの修理方法について調査に至った背景を簡単
に説明します。
自動車の軽量化は、燃費の向上に大きく影響を及ぼすため、エンジン・足回り部品から艤装部品に至るま
で様々な部位において構造や材質の変化が多く見られます。その軽量化対策として高張力鋼板が採用され、
また実用金属の中で軽量なアルミ合金もこれまで車両のいたるところに採用されてきました。
しかしその採用部位は、足回り
(サスペンション、ホイール)やエンジン部品の材料としての役割が多く、車
体の材料としては大型車(トラック)のリヤボデー、乗用車では一部の高級車やスポーツカーの外板パネルと
比較的採用範囲の狭い分野でした。
近年では自動車の安全性確保や操縦快適性を高めるため、各種機能部品点数が増え、車両重量も増加の
傾向にあります。よって軽量化を目的としたボデーへのアルミ合金採用は拡大しつつあり
(グラフ1 単位年毎
発表車アルミ合金外板パネル採用数)
、こ
グラフ1 国産新型車のアルミニウム合金製外板パネル採用状況
れまでのような高級車などの「一部車種」
だけではなく、アルミ合金製外板パネルが
50
45
拡大するものと予想されます。
以上のような背景からアルミ合金製外板
パネルの修理作業も、これまでのような一
部の特別な作業ではなく、広く修理市場
41
40
35
30
部
品 25
数
20
に受け入れられなくてはならないと考え、
拡大するものと
予測される
21
15
10
10
アルミ合金製外板パネルの修理に有効な
情報と、損傷パネルの修理作業事例を紹
介していきます。
5
0
1990∼1994年
1995∼1999年
2000∼2005年
2006年∼
備考:単位年毎新型車へのアルミ合金製外板パネル採用数
(自研センター調査)
アルミ合金外板修理使用工具・材料解説
ここでは我々が実際にアルミ合金製外板修理に使用し
た工具や材料を中心に説明していきます。
ハンマ
1.ハンマ&ドリー
板金修理作業において最も一般的な手工具で、基本的
ドリー(当て盤)
には鋼板の修理作業に使用するものと同様ですが、アル
ミ合金の打出しに使用する場合には以下の点に注意する
必要があります。
《ハンマ&ドリー表面の傷、付着物の除去》
アルミニウム素材表面の“硬さ”が鋼と比較すると非
常に軟質であるため、ハンマ&ドリーの傷(凹凸)がパネル表面に転写され易く、結果表面の凹凸歪と
して残る場合があります。また同様の理由から工具表面に鉄粉が付着していた場合、ハンマリング時に
8
自研センターニュース 2007年 1月号
調査・研究報告
素材表面へ押し込まれ、異種金属間腐食を引き起す原因となるため注意する必要があります。よって鋼
に使用する工具とアルミニウムを扱う工具を完全に分離することも有効な手段です。
(備考:アルミ製ハンマ&ドリーや、木ハンマなどを使用するケースもあります。)
アルミ製ハンマ&ドリー
木ハンマ
2.研磨材&サンダ
板金修理中の塗膜剥離作業、凹凸歪確認など様々な場面で使用されるもので、アルミ合金製外板パネ
ルの研磨作業において注意することは以下のとおりです。
《適切な研磨材料の選定》
通常鋼製外板パネル表面の塗膜を研磨するにはある程度粒度の粗い研磨材を使用するが、アルミ合金
製外板パネルの場合はそれ自体が柔らかいため、素材の削り過ぎに注意しなければなりません。その対
応策としてある程度柔軟性がある研磨材を使用することで、必要以上の切込みを防ぎ、削り過ぎを抑え
ることが可能となります。
不織布研磨材
●不織布研磨材
例1
メーカ名
製品名
3M
スコッチブライト メタコンディスク
防錆処理なし 一年後結果
仕様(メーカ表記)
グレード
仕上がり相当
色
サイズ
XCS
#80
こげ茶
C※
#120
茶
100mm
(外径)
×
16mm
(内径)
M
#180
赤
VF
#320
青
SF
#400
灰
#60
#240
※今回使用したグレード
例2
メーカ名
製品名
三共理化学
ケンマロン
仕様(メーカ表記)
粒度
色
#60
こげ茶
#120
茶
#240
赤
サイズ
130mm
(外径)
#120
ケンマロン
自研センターニュース 2007年 1月号
9
調査・研究報告
●樹脂製研磨材
例
ブリッスルディスク
メーカ名
製品名
3M
ロロックブリッスルディスク
仕様(メーカ表記)
グレード
色
#50
緑
#80
黄
#120
白
サイズ
50mm
(外径)
#120相当
#80相当
●サンドファイル
通常使用しているサンドファイルで作業をおこ
なう場合は、粒度#120程度(鋼板より細目)で
発泡剤などで裏打ちされたパッドを使用します。
これによってファイルがたわみ、先に説明したよ
うに切込み過ぎ(削り過ぎ)を抑止することがで
きます。
柔軟なパッドに取替
いずれの研磨材を使用しても、アルミニウム素地が露出した部分を必要以上に研磨することは避け
てください。
《適切な工具回転数での作業》
素材が軟質なため研磨材に目詰まりを起しやすく、そのアルミ素材が高速回転のサンダによりパネル
面のアルミニウム素材を凝着して摩耗を促進するため、鋼板での工具回転数の7∼8割程度に抑えて作業
を行います。(使用する研磨材の種類によって、適正な工具回転数があるため注意してください)
《摩擦熱による影響》
摩擦熱によりパネル表面温度が高くなると、凝着摩耗が促進されるとともに、熱膨張が鋼の約2倍で
あり熱歪が発生し易いため連続的な作業を避けます。
30
24
×10-6℃
25
20
12
15
10
5
0
高純度アルミニウム
軟鋼(SS41)
溶接全書「アルミニウムとその合金の溶接」より
次回は、外板修理作業に有効な引出し工具とその作業事例を紹介します。
(技術開発部/松浦茂之)
10
自研センターニュース 2007年 1月号
第47回ボデーリペア懇談会開催
11月30日、自研センターにおいて自動車メーカ9社28名の出席をいただき、
「ボデーリペア懇談
会」を開催いたしました。(当日は、自動車事故修理費アセスメントカーメーカ懇談会と合わせ
て開催しました。
)
自動車業界と損保業界をつなぐ自研センターにとって、最も重要な会議の一つとして当懇談会
は運営されています。自研センターが行っている各種の調査・研究結果を発表し、自動車メーカ
に改善提案を行っていく場として、また、自動車技術に関する情報収集、交換の場としても機能
しています。
当日は、自研センター 代表取締役 鈴木 稔の挨拶に始まり、その後各テーマに沿って懇談
を行いました。
(主なテーマ)
¡2006年度RCAR総会・衝突テストワーキング報告
¡D&R調査 活動結果の総括とデザインガイドの作成
¡自動車防盗性能評価の取組みについて
¡ボデー修理書について
2006年度RCAR総会報告につきましては、10月に自研センターがホストとして開催した東京総
会の論議内容や衝突テストワーキングの活動を紹介いたしました。
毎回恒例の発表テーマであります「損傷性・修理性(D&R)調査」につきましては、過去の
調査結果を集約して総括するとともに、これらを踏まえたデザインガイド作成の計画について説
明しました。
自動車防盗性能評価の取組みにつきましては、現在までの取組み状況・今後のスケジュールに
ついて説明いたしました。
ボデー修理書につきましては、各メーカの過去の取組み状況を整理して示すとともに、今後の
更なる取組みをカーメーカに依頼しました。
また、懇談会後の懇親会においても情報交換が活発に行われ、メーカの皆様からも有意義であ
ったとの感想をいただきました。
自研センターは、各種の調査・研究とその展開を通じて、全ての自動車ユーザのメリットとな
るような活動を、今後も皆様とともに進めていきたいと考えております。
(総務企画部/藤井大作)
自研センターニュース 2007年 1月号
11
REPAIR Information S
リペア インフォメーション S
クォータパネル・リヤバンパの
補修塗装作業事例
クォータパネルとリヤバンパに損傷があり、補修作業を行いました、その作業について以下3点を紹介します。
ホンダ アコード 型式:CL9
年式:H14
1.クォータパネル補修塗装(下処理作業)について
2.クォータパネル補修塗装(上塗り作業)について
3.リヤバンパ補修塗装について
1.クォータパネル補修塗料(下処理)について
ホンダ アコード(CL9)のクォータパネルの2箇所について損傷がありました。(写真1青円)
損傷範囲
写真1
写真2
(1)使用塗料
使用塗料(材料)……関西ペイント LUC
FS
アプローチパテ・LUCパテ
共通硬化剤・HSフィラ・HSフィラ硬化剤
使用塗料配合比………ポリパテ 100:2 プラサフ 100:20:25
(2)補修範囲
損傷範囲(写真1青枠)……左クォータパネルホイールアーチ前部1d㎡ 後部1d㎡
ポリパテ範囲(写真2)……2d㎡ プラサフ範囲…3d㎡
(3)塗料使用量(参考)
ポリパテ:4g、プラサフ:17g
プラサフ塗布後の状態(写真3)
写真3
12
自研センターニュース 2007年 1月号
REPAIR Information S
2.クォータパネル補修塗装(上塗り作業)について
(1)使用塗料
カラーNo.……………ホンダ・NH623M(サテンシルバメタリック)
使用塗料(材料)……関西ペイント PGHB・PGHB硬化剤・HXクリヤ
・HXクリヤ硬化剤
・PGHBボカシレベリング剤
(2)補修範囲
クリヤベース
塗装範囲
カラーベース
カラーベース
塗装範囲
塗装範囲
プラサフ範囲
写真4
写真5
プラサフ範囲…(写真4緑点枠)
カラーベース塗布範囲…(写真4水色点枠)
クリヤベース塗装範囲…(写真4青点枠)
上塗り後の状態(写真5)
(3)カラーベース
(調色済塗料)の内訳
原色名
カラーベース(調合済塗料)の内訳
製品名
配合割合(%)
調合割合(%)
調色済塗料
100
208
サンメタリックコンク極粗目
50.4
835
メタリックフラッシュホワイト
24.1
842
スターダストメタリック
16.1
400F
ディープブラック
4.6
636F
ニューストロングレッド
2.2
HXクリヤ硬化剤
50
PGHBシンナ
20
003
スカシコントロール剤
1.8
659
ニューファインホワイト
0.4
672
ラピスブルー
0.4
PGHB硬化剤
20
PGHBシンナ
80
クリヤベース(調合済塗料)の内訳
製品名
HXクリヤ
調合割合(%)
100
ボカシレベリング剤(調合済塗料)の内訳
製品名
PGHBボカシレベリング剤
PGHB硬化剤
調合割合(%)
100
2
※PGHBシンナはクリヤベースをぼかすための希釈剤として使用し
ました。
(4)塗料使用量(参考)
カラーベース:
95g
クリヤベース:
230g
ボカシレベリング剤: 52g
シンナ(ぼかし用): 62g
自研センターニュース 2007年 1月号
13
REPAIR Information S
3.リヤバンパ補修塗装について
(1)使用塗料 使用塗料
(材料)
……イサム塗料
バンパプライマ
関西ペイント
HSフィラ・プラスチック用マルチ硬化剤
使用塗料配合比……バンパプライマ
100(エアゾール)
プラサフ
100:20:25
(2)補修範囲
今回作業したアコード(CL9)のリヤバンパは
分割式バンパで、リヤバンパフェイス(写真6①)
q
とリヤバンパロアフェイス(写真6②)にそれぞ
損傷範囲
れ損傷がありました。ただし、大きな変形や深い
擦過傷もなかったため、プラサフ工程から作業を
w
行いました。
写真6
写真7
写真8
フェザエッジ後のリヤバンパフェイス(写真7)
フェザエッジ後のリヤバンパロアフェイス
(写真8)
写真9
写真10
プラサフ塗布後のリヤバンパフェイス
(写真9)
(3)バンパプライマの内訳
製品名
バンパプライマ
プラサフ塗布後のリヤバンパロアフェイス
(写真10)
プラサフ
(調合済塗料)の内訳
調合割合(%)
100
(4)塗料使用量(参考)
製品名
HSフィラ 主剤
調合割合(%)
100
プラスチック用マルチ硬化剤
20
PGHBシンナ
25
バンパプライマ:4g、プラサフ : 32g
(技術開発部/島田東一)
14
自研センターニュース 2007年 1月号
輸入車インフォメーション
BMW X3
(PA25)
の合成樹脂部品の
補給形態
BMW X3(PA25)の合成樹脂部品の材質と補給形態情報をお知らせします。
なお、2007年1月発行予定の「No.J−461構造調査シリーズ」BMW X3にも他の情報と共に掲載されて
いますので是非ご利用ください。
合成樹脂部品の使用個所
7.ドアミラーカバー
キャップ(外板色)
6.フロントホイールハウス
カバー
5.ドアシールカバー
4.牽引フック
カバー
1.フロントアッパバンパ
トリムパネル(外板色)
3.ライセンスプレート
用ベース
2.フロントロアバンパ
トリムパネル
11.リヤバンパカバー
10.牽引フックカバー
9.リヤホイールハウスカバー
8.キャップおよびハンドル
ホルダ(外板色)
(2006年9月登録)
番号
部品名
材質記号
材質
補給形態
1
フロントアッパバンパトリムパネル
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
プラサフ済
2
フロントロアバンパトリムパネル
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
3
ライセンスプレート用ベース
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
4
牽引フックカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
5
ドアシールカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
6
フロントホイールハウスカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
7
ドアミラーカバーキャップ
ABS
ABS樹脂
プラサフ済
8
キャップおよびハンドルホルダ
−
−
プラサフ済
9
リヤホイールハウスカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
10
牽引フックカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
11
リヤバンパカバー
PP/EPDM
TV20
ポリプロピレン−EPDMゴム
無塗装
*EPDMは、エチレンプロピレンジエン三元共重合体のことで、耐老化性、耐オゾン性、耐寒性、熱安定性に優れる合成ゴムです。
エチレンプロピレンゴムとも言われます。
(指数部/小林さと美)
*無塗装は、素地色のまま装着するものです。
自研センターニュース 2007年 1月号
15
Researching The Skeletons
リサーチング ザ スケルトンズ
ダイハツ ムーヴ・ムーヴカスタム
(L175S・L185S系)
この「Researching The Skeletons」では外部からは確認することができないフロントサイドメンバおよびリヤサイドメンバ内側のリインホースメント等
の位置や板厚を分かり易く紹介していくもので、データは実際に自研センターで調査した内容をまとめたものです。
今回は2006年10月に発売されたダイハツムーヴ・ムーヴカスタム
(L175S・L185S系)
を取り上げます。
概要
フロントサイドメンバ、リヤサイドメンバなどの主要骨格部位には590Mpa級および440Mpa級の高張
力鋼板を採用しています。(ダイハツ工業株式会社発行のボデー修理書より)
フロント上部
0.8mm
1.2mm
qラジエータサポートアッパ
eフロントサイドメンバプレート
(差厚鋼板)
wラジエータサポートロワ
①ラジエータサポートアッパはラジエータサポートにボルトで締結されています。
②ラジエータサポートロワはラジエータサポートおよびフロントサイドメンバにボルトで締結されています。
フロントサイドメンバ左外側
r1.8mm
フロントサイドメンバ右外側
u1.7mm
u1.7mm
r1.8mm
③フロントサイドメンバプレートは差厚鋼板が採用されています。
④エンジンマウンティングインシュレータ取付用のリインホースメントが配置されています。
⑤フロントサイドメンバプレートの単品補給は無く、フロントフェンダエプロン(タワー部)と一体で
補給されます。また、フロントフェンダエプロンとフロントサイドメンバが一体となった補給部品が
設定されています。
16
自研センターニュース 2007年 1月号
Researching The Skeletons
フロントサイドメンバ左内側
フロントサイドメンバ右内側
y
u
u
y
⑥ボデー修理書によるフロントサイドメンバ半裁作業カット位置です。
⑦フロントサイドメンバはフロントフロアパン下部まで伸びていますが、ダッシュパネル手前にて取替
作業が可能です。
⑧フロントフェンダエプロンおよびフロントサイドメンバは2WD車、4WD車共通の部品を使用しています。
※差厚鋼板:厚さの異なる鋼板を突き合わせて溶接し、一枚の鋼板にしたもの
リヤ
リヤ正面(ボデーロワーバックパネル取付状態)
リヤフロアサイドメンバ取付位置
リヤ上側(2WD)
リヤフロアサイドメンバ取付位置
リヤ上側(4WD)
自研センターニュース 2007年 1月号
17
Researching The Skeletons
リヤ上側(2WD)<リヤフロアパン取外状態>
リヤ上側(4WD)<リヤフロアパン取外状態>
1.3mm
o
1.3mm
o
o
!0リヤフロアクロスメンバNo.2 1.3mm
o
1.5mm
リヤ下側(2WD)<リヤフロアパン取付状態>
リヤ下側(4WD)<リヤフロアパン取付状態>
⑨リヤシートベルト取付用のリインホースメントが配置されています。
⑩リヤフロアクロスメンバNo.2は4WD車のみの設定です。
※リヤフロアサイドメンバには差厚鋼板が採用されていません。
※板厚は自研センターによる測定値です。
(指数部/池田浩和)
「構造調査シリーズ」新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元修理
No.
車 名
型 式
459
トヨタ カローラフィールダー
460
ホンダ ストリーム
461
BMW X3
140系
の立場から見た車両構造、部品の補給形態、指数項目とそ
の作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構造調
RN6・7・8・9系
査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊をご案内
いたしますので、是非ご利用ください。定価は1,120円です
(税込み、送料別)
。ただし、J-461のみは、2,160円(税込み、
送料別)です。
18
自研センターニュース 2007年 1月号
PA25
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL
047-328-9111
FAX
047-327-6737
Customer Relations Department REPORT
お客様相談室レポート
脱着・取替指数について
今回は、脱着・取替指数の中から、最近お客様相談室に寄せられたご質問と回答を取り上げます。
Q
指数項目B040のヘッドランプ脱着または取替指数に掲載されている数値についてですが、たとえば、
アルトラパン(HE21S系)の脱着数値と、取替数値およびユニット取替数値を比較すると下図に示さ
れているように、ヘッドランプ取替数値がユニット取替数値より大きくなるのはなぜですか。
また、他車種の指数項目B040ヘッドランプ脱着または取替指数では、ユニット取替数値より、ヘッ
ドランプAssy取替数値のほうが小さい数値になっ
B040
ています。
脱着
片側 0.30
両側 0.40
取替
片側 0.40
両側 0.50
ユニット取替
片側 0.30
両側 0.40
通常、ヘッドランプAssy取替えのほうが簡単で、
ユニット取替えのほうがランプ類の組み換えがあり
作業時間もかかると思いますがなぜでしょうか。
A
ヘッドランプ脱着または取替
取外し状態
・フロントバンパ
(含)作業および部品の脱着または取替
・バルブ
・焦点調整
・付属品
【備考】
※ユニット取替とはバルブを再使用し
てユニットのみを取替る作業。
脱着作業時qグループは一体で脱着
掲題について内容を整理しますと、問い合わせ車
qバルブ
qヘッドランプユニット
qソケットカバー
種の指数値は、脱着数値 < 取替数値 > ユニ
qターンランプソケット
ット取替となっており、他車種の例では・・・・・脱着
数値 ≦ Assy取替数値 <
qバルブ
qポジションランプソケット
ユニット取替になっ
qバルブ
ているということです。
既に気づかれたと思いますが、お尋ねの指数値の
片(両)側
ヘッドランプユニット
ユニット取替
違いは、取替作業内容の違いによるものです。
その原因は、車種により補給部品の形態に違いが
あり、これにより作業内容も違ってくることから指
数値も違ってきます。
たとえば、ヘッドランプのAssy補給部品がある車種の場合は、
“Assy取替数値”が表示されます。
しかし、ヘッドランプにAssy補給の設定がない場合は、ヘッドランプユニットやバルブ、ソケットな
どそれぞれの組替える作業が必要となり、これらの作業が“取替数値”で表示されます。ご質問のアル
トラパンの場合がこのケースに該当します。
主な作業内容の相異は次のようになります。
“ヘッドランプAssy取替数値”
*ヘッドランプの各ランプ部からハーネスプラグを差し替える作業。
“ヘッドランプ取替数値”
*ヘッドランプの各ランプ部からハーネスプラグを差し替える作業。
*各ランプのバルブとランプソケットとの組替える作業。
指数の運用に当たっては、指数の表示内容“Assy取替”
、
“取替”や当該部品の補給部品形態に注意願
います。なお、指数は作成時点での補給部品形態をもとに作成しています。
また、ここに掲載した指数の例で“脱着数値=ユニット取替数値”となっているのは、指数が0.1単位
であることによる四捨五入の結果によるものです。
(研修部/金子正己)
自研センターニュース 2007年 1月号
19
http://jikencenter.co.jp/
【お詫びと訂正】
●2006年11月号のテクノセミナーの参考文献に関し、
日経BP社「日経Automotive Technology」のみを
あげておりましたが、それに加え
(独法)新エネル
ギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
、ボッシュ・
イン・ジャパン、
(株)デンソー各社のホームページ
からの引用、転載もしております。
ここに訂正し、お詫び申し上げます。
自研センターニュース 2007.1(通巻376号)平成19年1月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 発行人/鈴木 稔 編集人/小林吉文 C 発行所/株式会社自研センター 〒272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
⃝
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