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乳牛の搾乳性について
期 ヒ農 業研究 -75- (Ъ hoku AgHc Res)25,75-76(1979) 乳 牛 の 搾 乳 性 に つ い て 河 西 直 樹・ 大 山 宏・ 山 口 博 司 (秋 田県畜産試験場 ) Milkability in Dairy Cattie Naoki KAwANISHI,Hiroshi OHYAMA and HirOshi YAヽ 嘔ヽOUCHl (Akita Prefectural I,Ve― stock Experiment Station) 1は 分析手法 :最 適な測定時期 をみつ ける方法 として,一 泌 し が き 乳期測定値 に対する各測定 月の値の相関 を求めた。 また , 子L牛 の搾乳性 とは多頭飼育 にお ける棒乳作業能率 を考慮 した形質であ り,こ の中 には搾乳所要時間,平 均搾乳速度 , 各月の平均搾乳速度 の経時的変化 については,W00D4)の 泌乳曲線実験式 をあては めた。 最高搾乳速度,前 後乳 房乳量比 と云 つた形質があげられる。 なお,分 折 に供 した材料牛 の一泌孝t期 乳量 (8カ 月間 ) また, これに関連 した形質 として乳頭孔径,乳 頭括約筋抵 および搾乳性形質の平均値お よび標準偏差は表 1の とお り 抗な どがあ り, これ らの形質 の遺伝支配 がかな り強 い とい である。 う報告 が数 多 くの研究 者によって示 されて いる。 しか し , 3 これ ら形質 の測定時期,す なわち一泌予L期 の中で いつ測定 結 果 お よび 考 察 を実施 した らよい力、 また,何 回実施 した らよいか, と云 1 つた問題につい ては充分検討 されていないように思 える。 各月 1回 測定 した搾乳性形質 の一 泌乳期 にお ける反復率 本報告は ,搾 乳性形質 の 中で棒乳所要時間,平 均搾乳速 は表 2の とお りである。 3形 質 ともに朝 の反復率 が夕方 よ 度,前 後乳房乳量比 を取 り上げ,一 泌乳期 の 中で最適な測 り高い値 を示 した。 また, 3形 質 の中では前後乳房乳 量比 定月お よび測定回数 をみつ ける と同時に,平 均搾乳 速度 の が一番 高い反復性 を示 した。 1日 平均搾乳速度および搾 rt 経時的変化 を数量化す ることを試みた。 所要時間の反復率は過去の研究者たザ'2,3)の 06と おおむ 2 搾乳性形質の反復率 ね一致 した値 である。 材 料 お よ び 分析 方 法 表 2 搾yt性 形質 の反復率 分析 に供 した材料牛は,昭 和 52年 10月 か ら53年 1月 まで の間 に当試験場 で分現 した初産牛 20頭 である。搾乳性,す なわ ち搾乳所要時間,平 均搾乳速度,前 後乳房乳量比は , 毎月朝夕 1回 ,一 泌乳期 8回 実施 した。 表現方法 :1日 平均搾乳速度 (協 /分 )― (朝 孝L量 +タ 形 一泌乳期平均搾乳速度 (″ /分 )― (月 1回 測定 日予L量 1 日 ア 夕 サ 068 041 0 67 搾乳所 要 時間 061 068 0 52 前後乳 房乳 量比 0 84 0 80 0 67 2 乳量 )/(朝 搾乳所要時 rBl+夕 搾乳所要時 FR3)。 質 平均搾 乳 速 度 搾乳性形質 と泌乳量 との相関 搾乳性形質 と泌乳量 の相関 を一泌平t期 の平均値 と 8カ 月 の合計 (8回 合計 )〕 /〔 月 1回 測定 日の搾孝t所 要時 間の 間の一泌乳期総乳量で調べ た結果は表 3の とお りである。 合計 (8回 合計 )〕 。 この結果 ,平 均搾乳速度 の大 きい もの程,泌 乳量 が多い こ また, 1日 搾乳所要時間は朝 夕の合計 ,一 泌乳 期は測定 日 8回 の平均 とし, 1日 の 前後乳房予L量 比 は朝 夕合計 した 割合,一 泌乳期は測定 日乳量を 8回 合計 した割合 とした。 表 1 とが伺 えるが,搾 乳所要時間 と泌乳量は負の相関,前 後乳 房乳量 と泌乳量 はあま り関係がない ことがわか った。 表3 搾乳性形質 と泌乳量 との相関 各形質 の平均値お よび標準偏差 形 8カ 月 間 乳 量 平均 L士 l● 相 標準偏差 34720± 4685(り 朝 の搾乳 所要 時 間 169± 047(ん θ/分 ) 490± 202(分 ) 夕の搾手L所 要時間 442± 187(分 前 後 乳 房 手t量 比 444± 1日 平均 搾予L速 度 63(¢ 8カ 月間予し 量 ) ) ) 3 関 値 平均 搾 乳 速 度 064 搾乳所 要時間 -036 前後乳房乳量比 0 06 搾 乳 性 形質 の 一泌乳 期 平均値 と各 月 の値 との相関 搾手し 性 形 質 とくに平均搾乳 速 度 お よび前後乳 房乳 豊比 に つ い て 一泌乳 期 平均測 定値 と各 月測 定値 との相関値 は表 4 -76- 東北 農 業 研 究 第 25号 (1,79) の とお りである。各月 とも 08以 上 の相当高 い値 を得る こ ここで ,tは 1月 日の 1日 平均搾乳速度 の推定値である。 とがで きたが,特 に, 1日 平均搾平t速 度 では分娩後 3カ 月 この 曲線 は図 1の とお りである。なお ,こ の回帰式 の適合 目が 093と 最 も高 く,前 後乳房乳量比 では分娩後 4カ 月 日そ して 6カ 月 日に 0'6∼ 2,3, 度,す なわち全平方和に対する回帰 の寄与率は 097の 高 い相関が得 ら あっ た。 さらに,こ の実験式よ り導 びかれた 1日 平均搾乳速度 の最高量 および最高量 に,1達 す る月数 ObO′ を参照 )は れた。 表4 '6%で それぞれ 187″ /分 , 25カ 月であ つた。 -泌 乳期平均値 と各 月の測定値 との相関 分娩後経過 月 平 均搾 乳 速 度 , この経時的変化 にお ける最高量 に到達す る月が 25カ 月 前後乳房乳量比 であ つた ことは,前 述 の 3カ 月 目が一番相関が高か つたこ 0 32 092 090 0 96 0 ,3 0 ,7 0 82 0 96 0 79 0 87 0 78 0 97 後乳房乳量比 を測定 し,一 泌學L期 における最適測定時期 0 80 0 91 測定回数 を検討 した。 082 0 93 ととおおむね一致 し興味深 い。 4要 約 20頭 の初産牛 を用 いて搾乳所要時間,平 均搾乳速度,前 , 1 3形 質 は高い反復率 を示 した。 とくに前後乳房乳量 比は 08以 上であった。 以 上のことよ り,平 均搾乳速度 を中心 とした搾乳性形質 の測定時期お よび回数 を毎月 1回 の 1日 平均測定値 のデ ー 2 8カ 月間泌乳量 と一 泌乳期平均搾乳速 度の相 関は 06,ま た,搾 乳所要時間 とは負,前 後乳房乳量比 とは無 タか ら検討す ると,分 娩後 3カ 月 目が一泌子L期 を代表 し得 相関に近 かった。 る最適な時期 と考 える。また,よ り正確性 を望 んで 一泌乳 3 -泌 乳期平均搾乳速度な らびに前後乳房予L量 比 と各 期 2回 の測定 を試 みる場合,分 晩後 6∼ 7カ 月 日に再度測 月 1回 の 1日 測定値 との相関は,3カ 月日が最 も高く,前 後 定す ると良いで あろう。 乳房乳量 比では 2,3,4カ 月日および 6カ 月目が高か つた│ 2`Ю 0 4 1日 平均搾乳速度 の経時的変化 4 1日 平均棒乳速度の経時的変化 は Yt-192t° cxp(-009852t)で あらわ された。 最高の 1日 平均搾乳 一泌乳期 における 1日 平均搾乳速度 の経時的推移 は泌乳 曲線 と類似 した ガンマ型 曲線 を描 くことが予想 されたので 速度は 187し /分 , これに到連す る月は分娩後 25カ 月で 既成 の実験式をあてはめた。その結果 ,材 料牛 の平均搾乳 あ つた。 , 速度 の推移は次 のよ うに あらわされた。 241∞ 引 eXP(-0098521 用 文 献 1)DoNAI,D H P Cenetical aspects of nlaximum '1-1921・ fate of flow during milking.J Dairy Res 27. 搾 361-371(1960) 宇し 」OHASSON 速 l.and P.` lALVEヽ Thc influence oF yicld udder preSSure. Sizc of teats and of 1 9-192t° 度 24● し,(Ю ?n,x-187(ヽ /分 ,m ax-25(月 ) ) 09852つ ll)c teat orifice on the ratε Of milking Z. Tierzucht Zuchtgsbi01 74, 1-13(1960) WILSON C.F.Some asPccts of machinc mil― 経 図 1 過 月 徴 搾 乳 速 度 曲線 (・ 印 は 実測 値 ) king rate J Dairy Res 30, 191-196(1963) V00D P D P Algebraic model of the lactat― ` ion cu″ c in cattle Nature 216,164-165(1967).