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AIST-SHANEL Ver. 1.0 操作マニュアル

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AIST-SHANEL Ver. 1.0 操作マニュアル
AIST-SHANEL
Ver. 1.0
操作マニュアル
シナリオ
地理情報
システム
排出量
推計モデル
暴露解析
流域
モデル
リスク
多媒体
モデル
独立行政法人
産業技術総合研究所 化学物質リスク管理研究センター
1
AIST-SHANEL Ver.1.0 操作マニュアル
目次
1
AIST-SHANEL VER.1.0 の動作環境とインストール ...........................................................................2
1.1
動作環境 ......................................................................................................................................................2
1.2
インストール.................................................................................................................................................2
1.3
アンインストール ........................................................................................................................................2
1.4
AIST-SHANEL Ver.1.0 の起動と終了 ............................................................................................3
2
AIST-SHANEL VER.1.0 を用いた解析のながれ..................................................................................4
3
AIST-SHANEL VER.1.0 の仕様と計算に利用した数値情報 ............................................................5
3.1
AIST-SHANEL Ver.1.0 の対象水系....................................................................................................5
3.2
AIST-SHANEL Ver.1.0 の計算に利用した数値情報 ....................................................................6
4
AIST-SHANEL VER.1.0 の操作方法 ...........................................................................................................7
4.1
条件の設定.......................................................................................................................................... 42
4.2
計算の実行.......................................................................................................................................... 42
4.3
結果の表示.......................................................................................................................................... 45
付録1 AIST-SHANEL VER.1.0 ソフトウエア使用同意書.......................................................................... 56
付録2 AIST-SHANEL VER.1.0 のフォルダ構成........................................................................................... 59
付録3 AIST-SHANEL VER.1.0 のファイル構成 ............................................................................................ 60
付録4 AIST-SHANEL VER.1.0 のハードディスクの必要空き容量 ........................................................ 62
付録5 対象水系の代表年の設定 ..................................................................................................................... 63
付録6 AIST-SHANELを使用するために必要な情報源について........................................................ 64
1
1
AIST-SHANEL Ver.1.0 の動作環境とインストール
AIST-SHANEL Ver.1.0 を使用するために必要な環境やインストール方法について説明します。
1.1
動作環境
AIST-SHANEL Ver.1.0 を使用するために必要な動作環境は、以下のとおりです。
OS: Microsoft Windows XP (SP1 / SP2) または Microsoft Windows 2000
CPU: Intel PentiumⅣ(1.6 GHz)以上のプロセッサを推奨
メモリ: 256MB 以上の RAM(512 MB 以上推奨)
HDD: 10GB 以上のハードディスク空き容量を推奨
その他:CD-ROM ドライブまたはインターネット接続環境(ダウンロード用)
1.2
インストール
AIST-SHANEL Ver.1.0 のインストールについて説明します。
・ CD-ROM から起動する場合は、まず AIST-SHANEL Ver.1.0 の CD-ROM をコンピュ
ータの CD-ROM ドライブに入れます。CD-ROM が自動的に起動され、インストール
の準備を開始します。(自動的に起動しない場合は、CD 内の setup.exe をダブルクリッ
クしてください。)
・ ダウンロードファイルからのインストールを行う場合は、インストール先フォルダ内の
setup.exe をダブルクリックしてください。
インストーラが起動したら、インストーラの指示に従ってインストール作業を行って下
さい。途中、ライセンスに関する同意を行っていただく必要があります。記載事項に同意
していただける場合のみ、インストールが可能となります。
インストールを開始すると、約 5~10 分間、ファイルをコピーする状態が続きますが、
フリーズではありませんので、ご注意下さい。
1.3
アンインストール
AIST-SHANEL Ver.1.0 をアンインストールするには、Windows の“コントロールパネ
ル”の“プログラムの追加と削除(アプリケーションの追加と削除)
”を利用することがで
きます。
もし、正常にアンインストールすることができなかった場合は、計算結果などの必要な
ファイルのバックアップをとった後、インストールしたフォルダ(例:C:¥Program
Files¥Shanel_Ver.1.0)ごと削除して下さい。また、デスクトップ上に作成されたショート
カットも削除してください。
2
1.4
AIST-SHANEL Ver.1.0 の起動と終了
1.4.1 AIST-SHANEL Ver.1.0 の起動
AIST-SHANEL Ver.1.0 を起動するには、“スタートメニュー”→“プログラム”
→”SHANEL”を選ぶか、インストーラによって作成されるデスクトップ上のショートカッ
トをダブルクリックしてください。
AIST-SHANEL Ver.1.0 を起動すると、次のような初期画面が表示されます。
図 1-1 SHANEL 起動時の画面
1.4.2 AIST-SHANEL Ver.1.0 の終了
AIST-SHANEL Ver.1.0 を終了するには、“ファイル”→“終了”を選ぶか、ウィンド
ウ右上の「×」ボタンをクリックしてください。
3
2
AIST-SHANEL Ver.1.0 を用いた解析のながれ
AIST-SHANEL Ver.1.0 の構成と解析のながれについて説明します。
AIST-SHANEL Ver.1.0 の計算は、以下の図のように、「条件の設定」→「計算の実行」
→「結果の表示」の一連のながれで行われます。
Start
条件の設定
No
新規作成?
yes
新規作成
水系の選択
物質の選択
既存ファイルを開く
排出量等の入力
サンプルファイルを開く
物性パラメータの入力
設定条件の保存
主な計算条件
面的分布図などの確認
計算の実行
No
代表年または計算済みの年?
Yes
流量データの読み込み
流量解析の実行
物質動態解析の実行
物質動態解析の実行
計算結果ファイル
結果の表示
面的分布
物質収支
時系列
生態リスク評価
統計値
保存
End
図 2-1 AIST-SHANEL Ver.1.0 の解析のながれ
4
3
AIST-SHANEL Ver.1.0 の仕様と計算に利用した数値情報
AIST-SHANEL Ver.1.0 の仕様や計算可能な範囲について説明します。
3.1
AIST-SHANEL Ver.1.0 の対象水系
AIST-SHANEL Ver.1.0 では、以下の 13 水系を解析の対象としています。
表 3-1 AIST-SHANEL Ver.1.0 の対象水系および計算範囲
計算範囲
流域名
石狩川
阿武隈川
利根川・荒川
多摩川
信濃川
木曽川
淀川
太田川
吉野川
筑後川
大聖寺川
日光川
石津川
140
139
138
138
137
136
135
132
133
130
136
136
135
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
59
57
23
46
33
16
17
2
9
16
10
42
26
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
経度(東経)
15 ″ - 143 °
0 ″ - 140 °
15 ″ - 140 °
30 ″ - 139 °
0 ″ - 139 °
30 ″ - 137 °
15 ″ - 136 °
15 ″ - 132 °
0 ″ - 134 °
30 ″ - 131 °
30 ″ - 136 °
0 ″ - 136 °
15 ″ - 135 °
11
56
50
47
18
50
27
48
39
18
30
54
33
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
15
15
15
15
45
15
45
45
0
45
0
45
0
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
42
36
35
35
35
35
34
34
33
32
36
35
34
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
°
40
59
30
31
48
1
25
20
38
59
7
4
25
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
緯度(北緯)
30 ″ - 44 °
30 ″ - 38 °
30 ″ - 36 °
0 ″ - 35 °
30 ″ - 37 °
0 ″ - 36 °
30 ″ - 35 °
30 ″ - 34 °
30 ″ - 34 °
30 ″ - 33 °
30 ″ - 36 °
0 ″ - 35 °
30 ″ - 34 °
29
10
54
54
57
9
42
48
13
33
19
22
34
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
′
0
0
30
0
0
0
30
30
0
30
30
30
0
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
″
注)計算範囲には、汽水域も含まれていますが、汽水域では潮位変動を考慮せず、河川水と同様の流量
計算を行っています。
これらの対象流域における1×1km メッシュの月単位の流量および河川水の暴露濃度
の計算結果を出力します。解析の対象となる環境媒体は、河川水、河川底泥、土壌であり、
さらに、河川底泥については液相と固相、土壌については気相、液相、固相に分けたモデ
ル化を行っています。さらに、大気への揮発、大気からの湿性沈着および乾性沈着も濃度
の計算に入れています。
計算の対象期間は、1991 年から 2003 年となっており、このうち任意の年について計算
することができます。流量の計算時間を省略するため、各水系の代表年 1 を設定し、これら
については、既に計算した流量データを備えています。したがって、代表年については、
流量解析を行う必要がありません。各水系の代表年については、付録 5 を参照して下さい。
流量の解析において、利根川・荒川、淀川、多摩川、吉野川の 4 水系については、ダム
の放流を考慮した計算を行っています。
1
一般に、平年値は 1971-2000 年までの 30 年間の平均で定義されますが、ここでは、1991-2000 年に
おける平年値相当の年降水量の該当年としています。
5
3.2
AIST-SHANEL Ver.1.0 の計算に利用した数値情報
計算に利用した数値情報のデータについては、表 3-2を参考にして下さい。
表 3-2 AIST-SHANEL Ver.1.0 の計算に利用した数値情報
データ分類
名称
流域界、水路網
流域界・非集水域界位置
データ
流路位置
土地利用メッ
1/10 細分区画土地利用
データ年度
KS-273
KS-272
1977
発行
国土地理院(注 2 )
1977
KS-202-1
1989
シュデータ
標高メッシュ
数値地図 250m メッシュ(標高)
1993
データ
人口メッシュ
ター
国勢調査
地域メッシュ統計
1995
データ
工業統計メッ
財)日本地図セン
財)統計情報開発
研究センター
工業統計メッシュデータ
1995
シュデータ
財)通商産業調査
会経済統計情報セ
ンター
気象データ
AMeDAS
1991-2003
センター
(降水量、風速、
地上気圧、地上
財)気象業務支援
SDP
1991-2003
財)日本気象協会
気温、日照時
間、水蒸気圧)
(2)
AIST-SHANEL Ver.1.0 で表示した土地利用データは、国土地理院
を表します。
6
国土数値情報を使いました。ここに記して謝意
4
AIST-SHANEL Ver.1.0 の操作方法
AIST-SHANEL Ver.1.0 の操作方法について説明します。
AIST-SHANEL Ver.1.0 で解析を行うには、「条件の設定」-「計算の実行」-「結果の
表示」という一連のステップが必要となります。
4.1
条件の設定
条件の設定では、流域、物質、排出量データ、物質のパラメータを設定します。ここで
設定した条件は、SHANEL PROJECT ファイル(以下 spj ファイル)に保存されます。
条件の設定では、新規に spj ファイルを作成する場合、既存の spj ファイルを開く場合、さらに
AIST-SHANEL Ver.1.0 にあらかじめ搭載されている各水系のサンプルファイルを開く場合の 3 つ
があります。
4.1.1 サンプルのプロジェクトを開く
AIST-SHANEL Ver.1.0 でどのような結果が出力されるのかについては、サンプルのプロ
ジェクトを開くことによって見ることができます。サンプルには、各水系の代表年(にお
けるノニルフェノールエトキシレート(NPnEO)の計算結果が入っています。
「条件の設定」ボタンをクリックすると、
「条件設定方法の選択」ダイアログが開きます。
ここで「サンプルを開く」をクリックします。
図 4-1 条件設定方法の選択ダイアログ (サンプルを開く場合)
7
サンプルのプロジェクト名はすべてアルファベット 3 文字でつけられています。「サンプルのプロ
ジェクト名」をクリックすると、各プロジェクト名がどの水系のサンプルを示しているかを参照すること
ができます。
図 4-2 サンプルプロジェクトの選択画面
図 4-3 サンプルのプロジェクト名一覧
「サンプルのプロジェクトファイルを開く」ダイアログからプロジェクトの名前を選択
し、
「開く」ボタンをクリックします。必要なファイルがコピーされる間、この画面のまま、
プログレスバーだけが動いている状態が続きます。ただし、ダウンロードファイルには、
淀川水系のサンプルファイルしか入っておりません。
8
ファイルのコピーが終了すると、以下のような画面になります。
図 4-4 サンプルのコピー完了後
これ以降の操作については、4.3以降の手順と同様ですので、そちらをご参照ください。
4.1.2 解析対象物質の spj ファイルを新規に作成する
1) 条件設定方法の選択
「条件の設定」ボタンをクリックして「条件設定方法の選択」ダイアログを開きます。ここで、「新規
作成」をクリックします。
図 4-5 条件設定方法の選択ダイアログ (新規作成の場合)
9
2)対象流域の選択
「多摩川」をクリックして反転させると多摩川水系が選択された状態になります。
ここをクリックして選択
し、「次へ」をクリック
図 4-6 流域の選択ダイアログ (多摩川水系を選択する場合)
3)対象物質の選択
①
登録されている物質を解析する場合
インストールした時点で、ノニルフェノールエトキシレート(NPnEO)とクロロホルム
(Chloroform)の物性情報はすでに登録されているので、ダイアログボックスにはNPnEO
とChloroformが選択できる状態になっています。ここでは、Chloroformを選択します。
「Chloroform」をクリックして選択し、
「次へ」をクリックし、次の「4)点源排出量デー
タの入力方法」へ進んで下さい。
ここをクリックして選択
し、「次へ」をクリック
図 4-7 物質の選択ダイアログ (Chloroform を選択する場合)
10
②
新規物質を解析する場合
ここでは、まだ登録されていない新規物質の情報を入力する場合について説明します。
「物質の選択」ダイアログを開いた状態で、「追加」ボタンをクリックします。
図 4-8 物質の選択ダイアログ (新規物質を追加する場合)
「新規物質項目の追加」ダイアログが表示されますので、分解経路、親物質名、代謝産
物名を入力します。
分解経路については、代謝物の有無によって選択します。実際の分解経路は、物質によ
っては複雑な場合もありますが、ここでは、親物質と代表的な代謝産物の2つに絞り込み、
次の2つの経路から選択してください。
分解経路1:物質が分解するとすべて二酸化炭素(CO2)と水(H2O)になる〔経路1〕
分解経路2:物質が分解するとすべて二酸化炭素(CO2)と水(H2O)になる〔経路1〕
物質の代謝によって代謝産物が生成される〔経路2〕
その代謝産物が分解され二酸化炭素(CO2)と水(H2O)になる〔経路3〕
物質の選択画面にある「分解経路図」ボタンをクリックすると、これらの分解経路図を
確認することができます(図 4-10)。分解による代謝産物を考慮しない場合には分解経路
1、分解代謝物を考慮する場合には分解経路2を選択して、親物質名と代謝産物名を入力
します。
11
図 4-9 新規物質項目の追加ダイアログ
図 4-10 分解経路図
例えば、NPnEO の場合には、親物質を NPnEO、代謝産物にはノニルフェノール(以下
NP)を入力します。
入力が終わったら、OKボタンを押して、
「新規物質項目の追加」ダイアログを閉じます。
図 4-8の画面に戻り、
「次へ」ボタンをクリックし、次の「4)点源排出量データの入力方
法」へ進んで下さい。
12
4)点源排出量データの入力方法
ここでは、対象とする化学物質の排出量データを入力します。
まず、点源排出量に関する入力方法について、①全国 PRTR の届出、届出外排出量(裾
切り)を関連指標を用いて割り振る方法と、②任意地点の公共用水域への排出量および下
水道への移動量を自由入力する方法のうち、いずれかを選択します。
非点源排出量に関しては、全国 PRTR の届出外排出量(非点源)を、関連指標を用いて
割り振ります。
①
②
図4-11 点源排出量データの入力方法選択画面
13
①
全国 PRTR の届出、届出外排出量(排出量)を関連指標を用いて割り振る方法
「全国 PRTR から関連指標割り振り」を選択すると、業種別の排出量の入力画面が表示
されます。
■
登録されている物質の排出量を入力する場合
インストールした時点で、NPnEO と Chloroform の情報が登録されます。これらの情報
を参照するには「参照」ボタンをクリックします。
図 4-12 排出量等の入力ダイアログ
すでに登録されている NPnEO と Chloroform のファイルを選択することができます。
ここでは、”Chloroform.prt”をクリックして選択し、「開く」ボタンをクリックします。
図 4-13 物質ごとの PRTR データファイルの選択画面 (Chloroform を選ぶ場合)
14
排出量データが入力され、次のような画面が開きます。
「PRTR 届出排出量」タブ、
「PRTR
届出外排出量(裾切り)」タブ「PRTR 届出外排出量(非点源)」タブをクリックし、数値
が入力されたことを確認して下さい。
文字の上付近をクリックして、タブを前面
に出し、数値データを確認します
図 4-14 PRTR データファイルを開いた後の排出量等入力ダイアログ(Chloroform のファイルを開いた場合)
データの入力が完了したら、「次へ」をクリックし、「非点源排出量の推計方法の選択」
(共通)へ進みます。
15
■
新規物質の排出量を入力する場合
登録されていない新規物質の排出量等を入力する場合について説明します。新規に入
力する項目は、以下に示す A~C の3つです。
B
C
A
図 4-15 排出量等の入力ダイアログ
A
PRTR届出排出量・移動量:
「PRTR届出排出量・移動量」タブを最前面に出した状態で入力します(図 4-15の状
態)。ここでは、付録6に記載されている資料からPRTRの集計値を調べ、業種ごとに公
共用水域への排出量と下水道への移動量を入力します。PRTRの集計結果が空欄であった
場合には、0(ゼロ)を入力します。PRTRは㎏/年で記載されていますが、ここではt
/年で入力するので注意してください。
B
PRTR届出外排出量(裾切り):
「PRTR 届出外排出量(裾切り)」タブを最前面に出した状態で入力します。
裾切りの届出外排出量は、大気、水域、土壌、埋立への総排出量として報告されていま
す。したがって、水域への排出量を計算する必要があります。付録6に記載されている
資料にしたがって、水域への排出率(PRTR届出外排出量公共用水域の構成比)と業種別
の裾切り排出量を入力します。PRTRは㎏/年で記載されていますが、ここではt/年で
入力するので注意してください。これらの業種別の裾切り排出量に水域への排出率を乗
じることによって、水域への排出量となります。ただし、PRTRの裾切りのデータについ
ては、下水道への移動量が推計されていないので、AIST-SHANELでは、各メッシュの
下水道普及率を考慮することによって、公共用水域への排出量と下水道への移動量を算
出します。
16
図 4-16 排出量等の入力ダイアログ (PRTR 届出外排出量(裾切り)入力画面)
C
PRTR届出外排出量(非点源):
「PRTR 届出外排出量(非点源)
」タブを最前面に出した状態で入力します。
PRTR届出外排出量(非点源)については、用途によって、環境(大気、水域、土壌、埋
立)への届出外排出量として推計されているものと、公共用水域への排出量および参考値
としての下水道への移動量が推計されているものがあります(付録 6 参照)。環境への届出
外排出量が推計されている用途については、どのくらいの割合が水域へ出るかを考慮して
「水域への排出率」を設定します。入力した届出外排出量と水域への排出率を乗じたもの
を水域への排出量として計算します。また、公共用水域への排出量と下水道への移動量が
推計されている用途については、「水域への排出率」を1と入力して、排出量や移動量を入
力します。PRTRは㎏/年で記載されていますが、ここではt/年で入力するので注意して
ください。なお、ここで表示されている用途名は、平成 13 年度のPRTR届出外排出量の推
計方法にしたがっています。
17
図 4-17 排出量等の入力ダイアログ (PRTR 届出外排出量(非点源)入力画面)
以上の手順で入力したデータシートを PRT ファイル(テキスト形式)として保存するこ
とができます。
まず、「保存」ボタンをクリックします。
図 4-18 排出量等の入力ダイアログ (データの保存)
「名前をつけて保存」ダイアログでファイル名をつけ、「保存」ボタンをクリックします。
18
PRTR データはここでつけた名
前で保存されます。物質名.csv
がわかりやすい付け方です。こ
の例のように全角文字を使用し
てもかまいません。今回保存し
たデータを、再度読み込みたい
場合には、図 4-12 で「参照」
ボタンをクリックすると、ファ
イル選択することができます。
図 4-19 排出量等データの保存ダイアログ
以上の操作が完了したら、「次へ」をクリックし、「非点源排出量の推計方法の選択」(共
通)へ進みます。
②
任意地点の公共用水域への排出量および下水道への移動量を自由入力する方法
図4-11で「自由入力」を選択して次に進むと、次のような入力画面が現れます。
D
A
C
B
図 4-20 点源排出量の入力画面
入力の方法には、新規に地点情報を入力する方法と既存の地点情報が格納されたファイ
ルを読み込む方法があります。
19
■
新規に地点情報を入力する場合
A
追加
図の「追加」ボタンをクリックすると、「点源排出量データの新規追加」画面が表示され
ます。地点名の欄には全角もしくは半角で名前を入力します。経度、緯度、公共用水域へ
の排出量(t/年)、下水道への移動量(t/年)の欄には、数値を半角で入力します。
図 4-21 地点の追加
B
編集
地点情報を編集したい場合は、一覧から編集したい地点をマウスで選択し、「編集」ボタ
ンをクリックして下さい。表示された編集画面上で、追加の場合と同様に、地点名や数値
を編集し、「OK」または「キャンセル」で終了して下さい。
図 4-22 地点の編集
20
C
削除
削除したい場合は、一覧から該当する地点をマウスで選択し、「削除」ボタンをクリック
してください。
D
保存
地点情報の入力が終了したら、「保存」をクリックすることによって、ファイル保存する
ことができます(拡張子:psd、内容は csv 形式と同様)。任意のファイル名をつけて「保
存」ボタンをクリックしてください。
図 4-23 地点情報の保存ウィンドウ
■
既存の点源ファイルを読み込む場合
前述の操作によって過去に保存された点源排出量データがあるときは、これを参照する
ことができます。
点源排出量の入力画面において、「参照」ボタンをクリックすると、地点情報が格納され
たファイル(拡張子:psd)を開くウィンドウが表示されます。
図 4-24 既存のファイルを開く
21
参照したい psd ファイルを選択して「開く」ボタンをクリックすると、図 4-22 のように、
点源排出量の入力画面に地点情報が出力されます。
図 4-25 既存の psd ファイルを読み込んだ場合
■
非点源排出量の入力(共通)
地点情報の入力が完了し、「次へ」進むと、非点源排出量の入力画面が表示されます。
非点源排出量に関しては、p.17の「C
PRTR届出外排出量(非点源):」の方法と同様に入
力してください。
図 4-26 非点源排出量の入力画面
22
5)非点源排出量の推計方法の選択
非点源の届出外排出量について、用途ごとに、各メッシュに割り振るための指標を選択
します。この割り振り指標には、人口と土地利用面積(国土地理院が発行している国土数
値情報の土地利用区分の定義による面積)があります。用途ごとに、排出量と最も関係が
ありそうな割り振り指標を選択します。
例えば、農薬の用途の場合、該当する土地利用項目として、その農薬の「田」「畑」「果
樹園」「その他の樹木畑」があります。農薬の種類によって、水田用であれば「田」、畑地
用であれば「畑」にチェックを入れます。
図 4-27 非点源排出量の推計方法ダイアログ (用途が農薬の場合)
すべての入力が完了したら、「次へ」をクリックし、次の「(物質のパラメータの入力」
へ進みます。
23
6)パラメータの入力
入力パラメータは、以下の6つのタブ項目に分類されています。
表 4-1 入力パラメータの一覧
タブ項目
入力パラメータ
「下水処理」
備考
生活排水量(㍑/日/人)
流量の計算で使用。デフォルトは300(㍑/日/人)
下水処理除去率(-)
対象化学物質の下水処理場における平均的な除去率
蒸気圧(Pa)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
分子量(g/mol)
「物性」
対象化学物質の物性値(付録6参照)
3
水溶解度(g/m )
有機炭素水分配係数(㍑/kg)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
有機炭素含有率(-)
デフォルトは、0.05
対象化学物質の物性値(付録6参照)
「反応分率」反応分率(-)
「半減期」
分解経路に基づいた各経路の反応分率
河川水の半減期(day)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
河川底泥(液相、固相)の半減期(day)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
土壌(気相、液相、固相)の半減期(day)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
3
「沈着」
大気濃度(mg/m )
乾性沈着速度(m/s)
流域全体の大気濃度の代表値(平均値など)
洗浄比(-)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
対象化学物質の物性値(付録6参照)
ダムの放流に伴う化学物質の負荷
ダムを考慮している利根川・荒川、淀川、多摩川、
吉野川水系のみ入力が必要
「ダム濃度」 ダム濃度(mg/m3)
①
新規物質のパラメータを入力する場合
z
下水処理:一人当たりの生活排水量(㍑/日/人)と下水処理除去率(-)を入力し
ます。
図 4-28 物質のパラメータ入力画面 (新規物質の排水に関する情報を入力する場合)
24
z
物性:蒸気圧(Pa)、分子量(g/mol)、水溶解度(g/m3)、有機炭素水分配係数(㍑
/kg)、有機炭素含有率(-)を入力します。
図 4-29 物質のパラメータ入力画面 (新規物質の物性情報を入力する場合)
z
反応分率:分解経路図(図 4-35)を参考にして、各経路の反応分率(分解が起こる
割合)を入力します。
分解経路1の場合、経路1のみであることから、反応分率は 1.0 を入力します。
図 4-30 物質のパラメータ入力画面 (新規物質の反応分率を入力する場合)
25
分解経路2の場合、親物質の分解では経路1と経路2の2つが起こるため、経路1と
経路2の反応分率の和が 1.0 となるように入力します。代謝産物の分解は経路3のみであ
るため、経路3の反応分率には 1.0 を入力します。
図 4-31 物質のパラメータ入力画面 (分解経路 2 の場合)
図 4-32 分解経路図
26
z
半減期:分解経路図を参考にして、各経路の河川水、河川底泥(液相、固相)、土壌
(気相、液相、固相)における半減期について、それぞれ入力します。
図 4-33 物質のパラメータ入力画面 (新規物質の半減期を入力する場合)
z
沈着:大気からの湿性沈着および乾性沈着の量を計算するため、流域全体の大気濃
度、乾性沈着速度、洗浄比を入力します。
図 4-34 物質のパラメータ入力画面 (新規物質の大気からの沈着を入力する場合)
27
z
ダム濃度:ダムの放流に伴う化学物質の負荷を「ダム濃度」として設定します。ダム
を考慮している利根川・荒川、淀川、多摩川、吉野川流域のみ、ダム濃度の入力が
必要となります。その他の流域については、濃度をゼロにして下さい。
図 4-35 物質のパラメータ入力画面 (ダム濃度を入力する場合)
最後に、「保存」ボタンをクリックすると、入力したパラメータ設定を保存することができます。
図 4-36 物質の入力パラメータ設定の保存
条件の入力がすべて完了したら、「次へ」ボタンをクリックします。
28
図 4-37 物質のパラメータ入力画面(すべての情報が入力された状態)
29
②
登録されている物質のパラメータを入力する場合
AIST-SHANEL Ver.1.0 には、NPnEO と Chloroform のデータを登録しています。これ
ら2つの物質については、「参照」ボタンからデフォルトのパラメータを読み込むことがで
きます。
文字の付近をクリックして
各タブを前面に出すと、数値
を確認できます。
図 4-38 物質のパラメータ入力画面 (すでに登録されている場合)
すでに登録されている NPnEO と Chloroform のファイルを選択することができます。こ
こでは、Chloroform.che をクリックして選択し、
「開く」ボタンをクリックします。
図 4-39 パラメータファイルの参照
30
7)条件の保存
ここまでに行った条件の設定をファイルに名前を付けて保存します。「設定条件の保
存」ダイアログで「名前を付けて保存」ボタンをクリックします。
図 4-40 設定条件の保存ダイアログ
「名前を付けて保存」ダイアログが開きます。ここでファイル名を指定し、「保存」ボ
タンをクリックします。ファイル名は自由につけることができますが、河川名、解析物
質名、解析期間などを使って、後からみたときにわかりやすくなるようにファイル名を
つけておくことをお勧めします。
保存が終わると以下のようなダイアログがでます。よければ「OK」ボタンをクリック
して、条件の設定ウィザードを終了します。
99
図 4-41 確認ダイアログ
31
終了すると、以下のように、「主な計算条件」画面が表示されます。
図 4-42 条件設定が終了し、主な計算条件が開いた状態
4.1.3 保存した spj ファイルを開く
すでに保存した物質の spj ファイルを開く場合について説明します。
まず、「条件の設定」ボタンをクリックして「条件設定方法の選択」ダイアログを開き、
「ファイルを開く」をクリックします。
図 4-43 条件の設定から既存の spj ファイルを開く画面
32
ファイルを選択し、「開く」ボタンをクリックします。
図 4-44 spj ファイルの選択画面
以下のように、「主な計算条件」画面が表示されますので、対象流域や対象物質などの設定
条件が正しく反映されているか、確認して下さい。
図 4-45 spj ファイルを開いた後の画面
33
4.1.4 主な計算条件で設定条件を確認する
これまでに保存した spj ファイルの内容を確認する方法について説明します。ここでは、
解析対象物質の物性や排出量などの情報を確認することができます。また、対象流域の流
域関連メッシュデータを面的分布図で確認することもできます。
1)面的分布図
まず、spj ファイルを開きます。画面の下方にある「面的分布図」では、対象流域の水流
次数、標高、人口、下水道普及率、土地利用、水域への総排出量(点源+非点源)、地先か
らの点源排出量、地先からの非点源排出量の面的分布図を表示します。表示したい項目に
印をつけて「表示」ボタンをクリックするとグラフィックウィンドウが開き、面的分布図
が表示されます。
例として、対象流域の水流次数を面的分布図で表示します。
水流次数とは、以下の定義に基づいて決定したものです。
¾
流域最上流端より流れる河川で、最初に他の河川と合流するまでの河道区間を次
数1とします。
¾
次数 u と次数 v の河道の合流によってできる河道区間の次数nは、u=v のとき u+1、
u>v のとき u と定義します。
図 4-46 面的分布図 (水流次数)
「表示」ボタンをクリックすると、分布図オプションダイアログが表示されます。ここ
では凡例レベルと地点情報の表示についての設定ができます。凡例レベルの値は分布図の
34
項目に応じて自動設定されていますが、自由に変更することもできます。ただし、レベル 1
を最大値とし、レベル 5 まで降順に入力してください。
ランドマーク表示では、下水処理場、流量測定地点、水質測定地点、その他(ユーザー
設定)の 4 項目があり、チェックボックスにチェックを入れた項目について、分布図上に
地点と名前が表示されるようになっています。
チェックの入った項目だけを分布図上に表示
上から大きい値を順に入
れてください。
図 4-47 分布図オプションダイアログ(水流次数の例)
「OK」をクリックすると、面的分布図が表示されます。
図 4-48 面的分布図 (水流次数の表示結果)
同様に、標高、人口、下水道普及率、土地利用 3 、水域への総排出量(点源+非点源)、地
先からの点源排出量、地先からの非点源排出量を表示することができます。
水域への総排出量(点源+非点源)では、「地先」、「下水処理場」、「合計(地先+下水処
理場)」について表示します。
3
土地利用項目別の土地利用面積比率を表示します。
35
「地先」では、PRTR データによる排出量のうち、各メッシュにおいて下水道を経由せ
ずに水域へ排出される量が表示されます。
図 4-49 面的分布図 (総排出量>地先の表示結果)
「下水処理場」では、PRTR データの排出量をもとに、物質が下水道を経由して下水処
理場で除去された後に、下水処理場から水域へ排出される量が表示されます。
図 4-50 面的分布図 (総排出量>下水処理場の表示結果)
「合計(地先+下水処理場)」では、「地先」と「下水処理場」の排出量を合計した水域
への総排出量が表示されます。
36
「地先からの点源排出量」では、地先からの点源排出量を業種別に面的分布図で表示し
ます。
「地先からの点源排出量」にチェックを入れると、業種一覧が表示されます。例えば、
化学工業を選択すると、図 4-51の面的分布図が表示されます。
図 4-51 面的分布図 (点源排出量>化学工業の表示結果)
「地先からの非点源排出量」では、地先からの非点源排出量を用途別に面的分布図で表
示します。「地先からの非点源排出量」にチェックを入れると、用途一覧が表示されます。
例えば、「水道」の用途を選択すると、図 4-52の面的分布図が表示されます。
図 4-52 面的分布図 (非点源排出量>水道の表示結果)
37
1) 排出量推計値
「排出量推計値」のボタンをクリックすると、業種別の地先からの点源排出量および下
水処理場からの点源排出量、用途別の地先からの非点源排出量および下水処理場からの非
点源排出量の推計結果が表示されます。
図 4-53 排出量推計値を選択
表示させた排出量推計結果は、左上の「保存」
「印刷」ボタンで、テキスト形式で保存や
印刷ができます。
図 4-54 排出量推計結果
38
2) 地点情報の追加・編集
「地点情報リスト」のボタンをクリックすると、ユーザーが追加した地点の情報を面的
分布図に表示させたり、すでに表示された地点名の位置や名前を変更・削除したりするこ
とができます。また、追加した地点については後で計算結果を表示したり、保存したりす
ることもできます。
図 4-55 地点情報リストを選択
対象流域における地点名とその位置(緯度/経度)などの一覧が確認できます。属性に
は下水処理場、流量測定地点、水質測定地点、ユーザー設定の 4 つがあり、初期状態では、
ユーザー設定以外の 3 種類について表示します。
図 4-56 地点情報リスト表示
39
①
地点情報の追加
表示したい地点を新たに追加する場合は、「追加」ボタンをクリックします。
図 4-57 地点情報リスト(地点の追加を選択)
表示したい地点名、位置(緯度/経度)、属性の種類を入力します。
図 4-58 地点情報の新規追加ダイアログ
地点情報リストを閉じて、面的分布図の表示を行います。このとき図 4-47のオプション
で、「その他」にもチェックを入れると、追加した地点が表示されます。
40
②
地点の編集
面的分布図上で地点名を表示させた場合、地点が重なり合って見づらい場合があります。
そのような場合、位置を調整したり、名前を変更したりすることが可能です。
編集したい地点を選択し、「編集」ボタンをクリックします。
図 4-59 地点情報リスト(地点の編集を選択)
横方向(X 補正)、縦方向(Y 補正)の値を変更し、「OK」をクリックします。
図 4-60 地点情報の編集ダイアログ
地点情報リストを閉じ、再び面的分布図を開くと、表示位置が変更されています。
41
4.2
計算の実行
「計算の実行」では、流量および物質動態解析を行います。
4.2.1 代表年および計算済みの年の解析(物質動態のみの解析)
各水系の代表年(付録 5 参照)および既に流量計算を行ったことがある年については、
すでに計算を行った流量データを読み込んで、物質動態解析から実行します。計算時間は、
流域や分解経路の数、さらにパソコンの環境によっても異なりますが、多摩川水系で約 10
分、利根川・荒川水系で約2時間となります。
これまでと同じ要領で「条件の設定」-「ファイルを開く」ボタンをクリックし、ファ
イルを開きます。
次に「計算の実行」-「計算実行オプション」ダイアログを開き、「計算済みの年」の一
覧から動態解析を行いたい年を選択します。ここでは 1999 年を選択しています。
「計算対
象年」のリストから選択しても構いません。計算対象年が「1999」になっていることを確
認し、「実行」ボタンをクリックします。
図 4-61 計算の実行 (計算済みの年選択)
実行されると、次のような計算画面が開き、解析を実行します。このとき、タスクバー
には最小化したコマンドプロンプトが表示されますが、このウィンドウで計算を行ってい
るため、計算実行中はコマンドプロンプトのウィンドウを閉じないでください(ウィンド
ウ表示をアクティブにすることは可能です)。
計算の実行を終了すると、結果を表示させることができます。結果の表示については、
次の4.3以降で説明します。
42
4.2.2 代表年を除く流量および物質動態解析
各水系の 1991 年から 2003 年までの任意の年(代表年および計算済みの年を除く)を選
択し、流量解析から物質動態解析までを行います。この場合の計算時間は、流域や分解経
路の数、さらにパソコンの環境によっても異なりますが、多摩川水系で約 2.5 時間、最大は、
利根川・荒川水系で約2日かかります。
条件設定ファイルが開いていることを確認したら、「計算の実行」ボタンをクリックし、
「計算実行オプション」ダイアログを表示します。
図 4-62 計算の実行>計算実行オプションダイアログ
計算対象年のリストボックスから、
対象年を選択します。ここでは 2001 年を選択します。
図 4-63 計算実行オプション(計算対象年の選択)
43
計算が実行されると、図のプログレスバーに計算の進行状況が表示されます。
図 4-64 計算実行中の画面
計算を中断したい場合は、「中止」ボタンをクリックします。「中止」ボタンをクリック
してもコマンドプロンプトがタスクバーに残り、計算が進行している場合は、コマンドプ
ロンプトの画面を表示し、「Crtl+C」キーを入力して画面を閉じてください。
解析が終了すると、次のようなメッセージがでます。ここで、「閉じる」ボタンをクリッ
クすると、計算は終了します。
図 4-65 計算実行画面(計算終了)
44
4.3
結果の表示
結果の表示では、面的分布、時系列、統計値、物質収支、生態リスク評価、保存の 6 種
類の操作を行うことができます。
まず、「条件の設定」-「ファイルを開く」でファイルを開きます。(計算の実行終了直
後に結果を表示する場合は、条件ファイルを開く必要はありません)
。
以下の画面が表示されます。ここで、プロジェクトファイル名や河川名、物質名を確認
できます。ファイルが正しいことを確認したら、「結果の表示」ボタンをクリックします。
図 4-66 プロジェクトファイルを開いた画面
45
4.3.1 面的分布
「結果の表示」をクリックすると、次のような画面が表示されます。左上には計算対象
年と対象流域が表示されます。「面的分布」のタブでは、計算した流量や物質の濃度につい
て月別の分布図を表示させることができます。
図 4-67 結果の表示ダイアログ
1)
流量
流量の結果を見るためには、項目から「流量」を選択し、表示したい月をリストから選
択して「分布図」ボタンをクリックします。
図 4-68 結果の表示ダイアログ (面的分布>流量>月>表示ボタンをクリック)
46
表示ボタンをクリックすると、分布図オプションダイアログが開きます。ここでは、
凡例レベルとランドマーク(地点名)表示について設定することができます。p.38で説明
した地点情報リストに基づき、その属性ごとに表示/非表示を設定することができます。
地点名や位置などの詳細な編集については、p.38を参考にしてください。これは面的分布
タブ内で共通です。
面的分布図の表示ボタンをクリックすると、「分布図オプション」ダイアログが開きま
す。ここで凡例のレベル、ランドマーク表示のチェック項目を変更し、「OK」ボタンを
クリックすると、分布図に反映されます。凡例レベルのデフォルトでは自動設定(対象
月における各メッシュの最小値から最大値の範囲で等間隔に配置)になっています。変
更する場合、必ずレベル 1 から降順になるように数値を入力してください。
図 4-69 分布図オプションダイアログ
「OK」ボタンをクリックして、面的分布図を表示します。
図 4-70 流量の面的分布表示
47
2)
濃度
動態解析を行った物質の河川水濃度を面的分布図に表示するには、項目から解析した物
質名を選択します。ここでは「Chloroform」を選択します。流量の場合と同様に、表示さ
せたい月を選択し、「表示」ボタンをクリックします。
図 4-71 結果の表示ダイアログ (面的分布>物質名>月を選択)
分布図オプションが開き、
「OK」ボタンをクリックすると、河川水における Chloroform
濃度の面的分布図が表示されます。
図 4-72 面的分布表示
48
4.3.2 時系列
時系列では、河川流域における地点ごとのデータを月別に表示します。地点はp.38に示す
地点情報リストに登録された各地点が含まれるメッシュの時系列データが参照できます。
まず「時系列」タブを最前面に出した状態にしておきます。
図 4-73 結果の表示ダイアログ (時系列タブを選択)
1)
流量
流量の時系列変化を表示させるには、まず左の項目から「流量」を選択し、右の「地
点」のリストから地点を選択します。
図 4-74 結果の表示ダイアログ (時系列>流量>地点の選択)
「表示」ボタンをクリックするとグラフオプションダイアログが表示されます。
グラフオプションダイアログが開くと、デフォルトでは「目盛線」タブが最前面にある
状態です。このタブでは、目盛線や補助目盛線の表示または非表示を設定することができ
ます。目盛線にチェックを入れた場合、次のような図が表示されます。
49
図 4-75 時系列のグラフ表示(流量)
Y軸を変更する場合は、
「目盛」タブをクリックして最前面に出します。チェックボック
スのチェックをはずして、最小値と最大値をそれぞれ入力し、「OK」ボタンをクリックしま
す。なお、X軸の目盛は、1月~12 月に固定されています。
2)
濃度
物質名を選択すれば、その物質の河川水濃度の月別変化が折れ線グラフで表示されます。
流量の場合と同様、「地点」のリストから地点を選んで「表示」ボタンをクリックします。
ここでもグラフオプションダイアログが開き、Y軸を自由に変更することができます。
「OK」ボタンをクリックすると河川水濃度の時系列グラフが表示されます。
図 4-76 時系列のグラフ表示 (Chloroform の河川水濃度)
50
4.3.3 統計値
統計値では、選択した地点における河川水濃度の累積頻度分布をグラフ表示することが
できます。また、統計値として、その地点における河川水濃度に関する 5%、25%、50%、
75%、95%のパーセンタイル値を表示することができます。さらに、水系暴露濃度が対数
正規分布に従うと仮定して、幾何平均と幾何分散を表示します。
まず、「統計値」タブをクリックして最前面に出した状態にしておきます。次に、物質と
地点をリストから選択します。最後に「表示」ボタンをクリックします。
図 4-77 結果の表示ダイアログ (統計値タブでの条件設定)
グラフオプションダイアログが開くので、p.49と同様の手順で、目盛線や目盛を設定し、
「OK」をクリックします。選択した地点における河川水濃度の累積頻度分布のグラフが表
示されます。X軸 4 は濃度、Y軸はパーセンタイル値を示しています。図の右側に、河川水濃
度の各パーセンタイル値と幾何平均濃度、幾何分散濃度の値も表示されます。
図 4-78 統計値のグラフ表示 (河川水濃度のパーセンタイル値)
4X軸は自動的に対数設定になりますが、X軸のオプションで最小値=0 に設定すると対数表示ではなくなります。
51
4.3.4 物質収支
ここでは、対象流域へ入ってきた排出量(地先および下水処理場からの排出量)と、河
川水、地下水層、取水によって流域から出た流下負荷量、大気からの沈着量、大気への揮
発量、残存負荷量について計算し、さらに、排出量に対する流下負荷量の比率(流出率)
を求めます。これらの結果から、対象流域へ排出された物質が、移流や拡散、分解などの
メカニズムにともなって消失した割合や、流域内に残存している量の割合を考察すること
ができます。これらの結果を表示するには、
「物質収支」タブを最前面に出した状態で、
「表
示」ボタンをクリックします。
図 4-79 結果の表示ダイアログ (物質収支>表示ボタンをクリック)
図 4-80 物質収支の結果表示画面
物質収支の結果は、テキスト形式で保存、印刷することができます。
52
4.3.5 生態リスク評価
生態リスク評価では、対象流域において、暴露濃度の計算値が閾値濃度 5 を超過した月数
を超過確率として求め、その面的分布を表示します。
「生態リスク評価」タブを最前面に出した状態で、物質とコンパートメントを選択し、
閾値濃度を入力します。項目を選択し、閾値濃度を入力した後、「表示」ボタンをクリック
します。
図 4-81 結果の表示ダイアログ (生態リスク評価タブ)
例えば、Chloroformを選択し、閾値濃度を 1.0mg/m3として表示させると分布図オプシ
ョンダイアログが開き、
「OK」をクリックすると以下のような結果が表示されます。
図 4-82 生態リスク評価のグラフ表示 (Chloroformの河川水における閾値濃度を 1mg/m3にした場合)
5閾値濃度としては、無影響濃度等を参考にして下さい。
53
4.3.6 保存
「保存」のタブでは、地点リスト内の任意の地点(複数選択可)の計算結果を CSV ファ
イルに保存することができます。
データを保存するには「保存」タブを最前面にした状態で、「地点」の一覧から保存した
い地点を選択します。選択した地点がすべて青く反転されていることを確認して、「保存」
ボタンをクリックします。
図 4-83 結果の表示ダイアログ (保存タブ)
CSV保存をクリックすると図 4-84のような画面が表示されます。ここで指定したフォ
ルダ(デフォルトでは、Shanel_1.0 のResultフォルダになっています)に名前をつけてフ
ァイルを保存することができます。保存するファイル名は自由につけることができます。
ファイルの名前を入力したら、「保存」ボタンをクリックします。
図 4-84 ファイル名の指定ダイアログ
54
保存が終了すると、以下のような「ファイルの保存が終了しました」というメッセージ
が表示されます。
図 4-85 結果の表示ダイアログ (保存終了時)
55
付録1 AIST-SHANEL Ver.1.0 ソフトウエア使用同意書
独立行政法人産業技術総合研究所(以下甲という)は,本ソフトウェアの使用者(以下乙という)
が,以下の使用許諾条件を注意深く読み,乙が全ての事項に同意した場合のみ使用を許可します。
ソフトウェア使用許諾条件
<
管理責任者,名称,管理番号の表示 >
第1項
甲は,本ソフトウェアの管理責任者を「石川百合子」
,名称を「産総研-水系暴露解析
モデル(AIST-SHANEL),national institute of Advanced Industrial Science and Technology Standardized Hydrology-based AssessmeNt tool for chemical Exposure Load」
,開発コードを
「CRM-02-102」,管理番号を「H17PRO404」と定め,乙は本ソフトウェアの使用に際し独立
行政法人産業技術総合研究所著作物,管理責任者,名称,管理番号を表示するものとします。
<
著作権 >
第2項 本ソフトウェアに関するプログラム及びドキュメント等の著作権は,甲が有しておりま
す。乙は,著作権法及び著作権に係わる国際条約等関連法規を遵守して下さい。
第3項 甲は,乙による本ソフトウェアに対するリバースエンジニアリング,逆コンパイル,逆
アセンブル及びその他の改変は一切禁止します。
第4項 甲は,乙が本ソフトウェアに内蔵されているプログラム及びデータ類を,本ソフトウェ
ア以外で使用することは一切禁止します。
第5項 乙は,本ソフトウェアを使用した成果を学会・雑誌等に発表する場合は,発表文に以下
の日本語又は英語の引用文を入れるとともに,発表文の別刷りを送付して下さい。
引用文例:「本計算には独立行政法人 産業技術総合研究所で開発された AIST-SHANEL
Ver.1.0 を使用しました。
」
「The AIST-SHANEL Ver.1.0, which was developed by National
Institute of Advanced Industrial Science and Technology, was utilized for this calculation.」
第6項 本ソフトウェアに含まれる図化機能の一部に Grwin グラフィックス・ライブラリを利
用しています。Grwin グラフィックス・ライブラリの著作権は溜渕 継博氏が有しています。
56
<
責任の制限 >
第7項 本ソフトウェア及びドキュメント等は,現状有姿のみでの提供となります。甲は乙に対
してバージョンアップや不具合に対する対応の責任を一切負いません。
第8項 甲は,本ソフトウェアの仕様及びドキュメントを改良のため乙に予告なく変更すること
があります。
第9項 甲は,乙が本ソフトウェア及びドキュメント等を使用し計算した予測結果の評価及び整
合性等に対して,本プログラム使用の引用を明記する,しないに関わらず保証するものでは有り
ません。なお,本プログラム内容に関するお問い合わせに関しては,お答えしかねることがあり
ます。
第10項 乙による本ソフトウェアの使用,または使用不能によって発生する損害及び当ソフト
ウェアに含まれるデータに関して発生する損害に対する責任は,いかなる場合においても甲は一
切負わないものとします。
第11項 Grwin グラフィックス・ライブラリ部分の免責に関しては Grwin グラフィックス・
ライブラリの規定に従います。
<
本ソフトウェアの配布の制限 >
第12項 甲は,営利目的の個人,法人,団体等が,利益を得る目的で本ソフトウェアを配布,
または他の製品と合わせて配布することを原則的に一切禁止します。ただし,甲が認めた場合に
おいて,乙が本ソフトウェアを製造・販売,技術指導,サポートなどの業務を行う場合には,甲
の指定する「指定技術移転機関」を介して実施契約を締結し定められた実施料を支払うものとし
ます。指定技術移転機関」とは,甲が所有する知的財産権の専用実施権の設定又は譲渡を受け,
甲以外の者に許諾,知的財産権の譲渡を行うが,自らは実施しない機関をいいます。
第13項 Grwin グラフィックス・ライブラリ部分の配布に関しては Grwin グラフィックス・
ライブラリの規定に従います。
<
裁判管轄の合意 >
第14項 甲及び乙は,本同意書に関する訴訟の第1審の管轄裁判所を東京地方裁判所と定める
ことに合意します。
57
<
発表文の別刷り等の送付先 >
第15項 発表文の別刷り等及びプログラムバグ情報は以下の送付先まで御連絡下さい。お問い
合わせに対する個別の返答は,基本的に行うことができませんので予めご了承下さい。受付は書
面または E-mail のみとし,電話でのお問い合わせはご遠慮いただくようお願いします。
〒305-8569 茨城県つくば市小野川 16-1
独立行政法人 産業技術総合研究所
化学物質リスク管理研究センター
AIST-SHANEL 宛
E-mail: [email protected]
URL: http://www.riskcenter.jp/SHANEL/
<Grwin グラフィックス・ライブラリに関する情報>
http://spdg1.sci.shizuoka.ac.jp/grwinlib/ (日本語情報)
http://spdg1.sci.shizuoka.ac.jp/grwinlib/english/ (英語情報)
58
付録2
AIST-SHANEL Ver.1.0 のフォルダ構成
例えば、利根川流域の2003年の流れ解析が正常に終了すると[\CAL\TNG\2003\TMP]が新規に作成される
SHANEL_VER1.0
COMMON
CAL
ABK
1995
SHANELの起動および
GrWin関連ファイル等を
格納
共通データを格納
流域別年次別の流れ解
析に必要なデータを格
納
阿武隈川
1995年
DIS
1991
大聖寺川
1991年
ISK
1998
石狩川
1998年
ISZ
1996
石津川
1996年
KSG
1997
木曽川
1997年
NKK
1997
日光川
1997年
OOT
1999
太田川
1999年
SNN
1995
信濃川
1995年
TKG
1998
筑後川
1998年
TMG
1999
多摩川
1999年
TNG
1992
利根川
1992年
YDG
1999
淀川
1999年
YSN
1991
吉野川
1991年
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT:結果の表示に必要な
ファイルを格納
TMP:流れ解析に必要な
ファイルを格納
CHE
物質別のパラメータを
格納
DIR
流域別の計算諸元を格
納
INP
ABK
DIS
ISK
ISZ
KSG
NKK
OOT
SNN
TKG
TMG
TNG
YDG
YSN
流域別の入力データを
格納
PLT
ABK
DIS
ISK
ISZ
KSG
NKK
OOT
SNN
TKG
TMG
TNG
YDG
YSN
流域別の地点データを
格納
PRT
物質別のPRTRデータを
格納
PSD
点源排出量の自由入力
データを格納
SDP
観測地点別の気象デー
タを格納
SMP
サンプルプロジェクト
(NPnEO2物質)の情報を
格納
SPJ
プロジェクト別の情報
を格納
例えば、新規に[TEST]というプロジェクトを作成すると[\SPJ\TEST.SPJ]が作成される
PROJECT
プロジェクト別の計算
結果等を格納
例えば、新規に[TEST]というプロジェクトを作成すると[\PROJECT\TEST]が作成され、この下位フォルダに[INP][OUT][SPJ][TMP]が作成され
る
RESULT
CSV形式の計算結果を格
納
SOURCE
計算プログラムの起動
ファイルを格納
凡例
ユーザーが新規に作成したプロジェクトに関係するデータを格納するフォルダ(初期状態は未格納)
サンプルプロジェクトや既存の流れ解析結果を追加するフォルダ
59
付録3 AIST-SHANEL Ver.1.0 のファイル構成
例1)新規にプロジェクト名[TEST]を追加し、化学物質動態解析を実行した場合
SHANEL_VER1.0
COMMON
CAL
CHE
DIR
INP
PLT
PRT
PSD
SDP
SMP
SPJ
PROJECT
TEST.SPJ
TEST
INP
入力データ
OUT
出力データ
SDP
気象データ
TMP
流れ解析に必要なデー
タ
RESULT
SOURCE
凡例
新規に追加されるファイルとフォルダ
プロジェクト名[TEST]を別のAIST-SHANEL Ver.1.0に移動したい場合には、
黄色の部分をコピー&ペーストして下さい
60
例2)利根川流域の2003年の流れ解析結果を追加した場合
SHANEL_VER1.0
COMMON
CAL
ABK
1995
DIS
1991
ISK
1998
ISZ
1996
KSG
1997
NKK
1997
OOT
1999
SNN
1995
TKG
1998
TMG
1999
TNG
1992
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
OUT
TMP
2003
TMP
2003年
流れ解析に必要なファ
イルを格納
YDG
1999
YSN
1991
OUT
TMP
OUT
TMP
CHE
DIR
INP
PLT
PRT
PSD
SDP
SMP
SPJ
PROJECT
RESULT
SOURCE
凡例
新規に追加されるファイルとフォルダ(初期状態は平年の流れ解析結果と結果の表示必要なファイルを格納)
利根川流域の2003年の流れ解析結果を別のAIST-SHANEL Ver.1.0に移動したい場合には、
ベージュの部分をコピー&ペーストして下さい
61
付録4
AIST-SHANEL Ver.1.0 のハードディスクの必要空き容量
1プロジェクト当りのハードディスクの必要空き容量
流域名
HDD必要空き容量MB
石狩川
303
阿武隈川
102
利根川・荒川
428
多摩川
40
信濃川
248
木曽川
183
淀川
200
太田川
34
吉野川
98
筑後川
55
大聖寺川
6
日光川
8
石津川
4
最小
4
最大
428
合計
1,709
注)NPnEO(2物質)の場合
システム(初期状態)
プロジェクト合計
合計
1,071 MB
1,709 MB
2,780 MB
62
付録5
対象水系の代表年の設定
水系別代表年の降水量:mm
降水量mm
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1991年
1090.00
1065.50
1330.50
1240.50
1099.00
石狩川
972.50
1065.50
1307.00
925.00
1103.00
755.50
阿武隈川
1612.50
1299.50
1407.58
1015.75
1188.42
1035.67
利根川
1701.92
1346.75
1600.75
963.00
1032.50
1099.25
多摩川
1847.25
1166.38
1381.00
939.63
1244.63
1067.13
信濃川
1527.13
1657.60
2183.10
1307.00
2004.60
1697.80
木曽川
2149.10
1287.50
1786.83
920.67
1475.50
1438.00
淀川
1625.50
1400.50
2299.50
1023.25
1503.00
1331.75
太田川
1715.25
1664.75
2179.50
1051.63
1401.13
1210.75
吉野川
1630.88
1551.50
2307.75
952.25
1724.75
1436.25
筑後川
2259.25
2010.00
2421.50
1528.00
2587.50
2023.00
大聖寺川
2236.50
1521.25
2009.25
1134.50
1550.00
1407.25
日光川
2068.25
1220.50
1635.00
744.00
1379.00
1281.50
石津川
1433.00
平年値は1971-2000年までの30年間の平均
1)平年値の定義
平年は1991-2000年における平年値相当の該当年を選定
2)代表年の選定
流域名
63
1997年
1015.00
1077.50
1175.17
1105.25
1226.38
1967.40
1545.00
2116.00
1435.25
2217.50
2137.00
1727.75
1337.50
1998年
1155.00
1525.50
1627.25
1547.75
1672.50
2239.90
1739.33
1584.25
2241.00
1793.25
2578.50
2112.50
1605.00
1999年
1094.50
1403.00
1350.92
1324.75
1356.88
2009.80
1478.50
1613.75
1892.88
1884.00
2374.50
1802.25
1365.50
2000年
1444.50
1291.00
1327.25
1541.00
1280.75
1798.30
1335.50
1288.00
1451.13
1527.25
1976.00
1707.50
1163.50
平年値
1127.55
1105.00
1257.90
1288.18
1238.31
1965.94
1490.41
1626.25
1641.03
1760.19
2262.15
1739.77
1306.13
代表年
1998
1995
1992
1999
1995
1997
1999
1999
1991
1998
1991
1997
1996
付録6
AIST-SHANEL Ver.1.0 を使用するために必要な情報源について
ただし、以下の情報源情報を利用される際には、各自、精度等を判断してください。
(1)
①
PRTR データ
PRTR 届出排出量・移動量
PRTR 届出データの公共用水域への排出量および下水道への移動量は、以下の情報源か
ら入手することができる。
・経済産業省製造産業局化学物質管理課・環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
「平成 13 年度 PRTR データの概要―化学物質の排出量・移動量の集計結果―」
「平成 14 年度 PRTR データの概要―化学物質の排出量・移動量の集計結果―」
「平成 15 年度 PRTR データの概要―化学物質の排出量・移動量の集計結果―」
・環境省のPRTR集計・公表システム
②
http://www.prtr-info.jp/prtrinfo/
PRTR 届出外排出量(裾切り)
PRTR 届出外排出量(裾切り)については、大気、水域、土壌、埋立の環境への排出量
のみが推計されている。公共用水域への排出量および下水道への移動量としてのデータが
ないため、AIST-SHANEL では、ユーザが排出量と水域への排出率を入力することによっ
て、その積を水域への排出量とする。下水道への移動量は、AIST-SHANEL のプログラム
内で、下水道普及率に基づいて推計を行う。
PRTR 届出外排出量(裾切り)の情報は、以下の資料から入手することができる。
・経済産業省製造産業局化学物質管理課・環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
「平成 13 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の詳細」
「平成 14 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の詳細」
「平成 15 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の詳細」
に届出外排出量の推計方法に関する補足説明資料のうち
排出量は、業種別・物質別排出量推計値(推計A+B)
水域への排出率は、媒体別構成比(公共用水域)を入力する。
③
PRTR 届出外排出量(非点源)
PRTR 届出外排出量(非点源)については、用途ごとに、対象業種を営む事業所、非対
象業種を営む事業者、家庭、移動体の4つの分類で推計されているが、移動体に関しては、
水系への排出量は該当するものがないとして省略する。
なお、PRTR 届出外排出量(非点源)については、表1に示すように、用途によって、
公共用水域への排出量および参考値としての下水道への移動量が推計されているものと、
64
環境(大気、水域、土壌、埋立)への排出量として推計されているものがある。環境への
届出外排出量が推計されている場合は、PRTR 届出外排出量(裾切り)の場合と同様に、
水域への排出率を設定して、水域への排出量を求める。公共用水域への排出量と下水道へ
の移動量が推計されている場合には、それらの値を入力する。
PRTR 届出外排出量(非点源)の情報は、以下の資料から入手することができる。
・経済産業省製造産業局化学物質管理課・環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
「平成 13 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の概要」
「平成 14 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の概要」
「平成 15 年度
PRTR 届出外排出量の推計方法の概要」
表 付録6-1 PRTR届出外排出量(非点源)の入力項目
用途
水域への
届出外排出量または
下水道への
排出率
公共用水域への排出量
移動量
(デフォルト)
対象業種
非対象業種
家庭
(参考)
農薬
0.1
-
○
○
-
接着剤
0
-
○
○
-
塗料
0
-
○
○
-
漁網防汚剤
0
-
○
-
-
医薬品
1.0
-
◎
-
◎
洗浄剤・化粧品
1.0
◎
◎
◎
(界面活性剤)
洗浄剤(中和剤)
1.0
-
-
◎
◎
防虫剤・消臭剤
0
-
-
○
-
水道
1.0
◎
◎
◎
◎
◎:公共用水域への排出量および下水道への移動量を入力
○:届出外排出量を入力
-:データなし
(2)
生活排水量および下水処理除去率
生活排水量と下水処理場除去率に関しては、以下の資料を参考にすることができる。
生活排水量:「流域別下水道整備総合計画調査
社団法人
日本下水道協会
65
指針と解説
平成 11 年版」
下水処理場除去率:「下水道統計
行政偏」社団法人
日本下水道協会(毎年発行)
BOD、COD、SS、T-N、T-P などの下水処理場の水質試験成績を参考にして、
対象物質の除去率を設定する。
(3)物性
①
推定法を記載した書籍
以下の書籍には、物性や速度定数の各種推算法の適用範囲や基礎データ等が収録されて
います。
・Warren J. Lyman, William F. Reehl and David H. Rosenblatt (1990) Handbook of
Chemical Property Estimation Methods, American Chemical Society.
・土木学会、
「環境工学公式・モデル・数値集」
、2004 年
②
パラメータ推定のために公開されているソフトウエア
物性、環境パラメータを推定するソフトウエアを提供するサイトとして、次のものがあ
ります。EPI Suite の中で関連のあるプログラムを以下に抜粋いたします。
Estimation Program Interface (EPI) Suite
http://www.epa.gov/opptintr/exposure/docs/episuite.htm
KOWWINTM:オクタノ-ル水分配係数の対数値を推定するプログラム
HENRYWINTM:ヘンリー則定数(大気/水分配係数)を推定するプログラム
MPBPWINTM: 有機化合物の融点、沸点、蒸気圧を推定するプログラム
BIOWINTM:有機化合物の好気性分解性を推定するプログラム
PCKOCWINTM: Koc を推定するプログラム
WSKOWWINTM:オクタノール水分配係数を推定するプログラム
HYDROWINTM:加水分解による半減期を求めるプログラム
BCFWINTM: オクタノ-ル水分配係数から生物濃縮係数を求めるプログラム
WVOLWINTM: 河川、湖沼から化学物質の揮発速度を求めるプログラム
STPWINTM:下水処理における化学物質の除去率を求めるプログラム
(除去=生分解+汚泥への吸着+大気への揮発・ストリッピング)
③
関連する数値データベース
独立行政法人
製品評価技術基盤機構
化学物質管理センター
http://www.safe.nite.go.jp/japan/prtrmsds/PRMS_db_index.html
日本の PRTR 制度対象物質についての物理化学性状や毒性情報を見ることができます。
66
国立環境研究所
http://w-chemdb.nies.go.jp/
化学物質データベース
化学物質安全情報提供システム(KIS-NET、神奈川県)などの化学物質データベ
ースにいくつかのファイルを追加して作成した化学物質データベースです。
独立行政法人
産業技術総合研究所
化学物質運命データベース
http://www.aist.go.jp/RIODB/dbefc/
化学物質のリスク評価の基礎となる特定の化学物質データベースです。
独立行政法人
産業技術総合研究所
化学物質安全性データベース
http://www.aist.go.jp/RIODB/CSD/
化学物質の発ガン性・生分解性の情報を提供するデータベースです。
67
独立行政法人 産業技術総合研究所 化学物質リスク管理研究センター
産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL)Ver.1.0 操作マニュアル
2005 年 11 月 1 日
独立行政法人
産業技術総合研究所
化学物質リスク管理研究センター
〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1
TEL. 029-861-8257
本誌掲載記事の無断転載を禁じます。
68
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