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IBM i 徹底解説
IBM i 徹底解説 パワーシステムズ製品企画 安井 賢克 © 2008 IBM Corporation AS/400 の進化 2008年 IBM i 宣言 アプリケーション資産を継承し ながら年率平均 63.8%で成長 CPU能力 19,516 倍 メモリー容量 43,690 倍 ディスク容量 25,072 倍 2005年 イノベーション宣言 2002年 POWER4 2000年 業界初の SOI テクノロジー 1995年 48 ビット CISC から 64 ビット RISC へ 2007年 POWER6 2004年 POWER5 2006年 System i5 Systems Agenda 2004年 eServer i5 仮想化エンジン搭載 2000年 eServer iSeries eビジネス・オンデマンド対応 1997年 AS/400e シリーズ インターネットをサポート 1994年 AS/400 アドバンスト・シリーズ クライアント・サーバー機 • • 1988年 AS/400 オフコンとして登場 2008年 Power Systems 新ブランド登場 • • TIMI による仮想マシンの実現 単一レベル記憶によるディスク・パフォーマ ンスの最適化と管理の手間削減 オブジェクト指向によるセキュリティー 高いお客様満足度 © 2008 IBM Corporation 基幹システム(アプリケーション)の 平均寿命は14年 稼動開始時期 11~20年前 ○ 18% 21年以上前 ○ 8% http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Research/20080717/311015/ より (2008/8/1掲載) © 2008 IBM Corporation 世代を超えたアプリケーションの 活用 一度開発されたアプリケーションを永続的 に利用するには? アプリケーション ライセンス料金 アプリ構築 ハード、ソフト ERP構築費用内訳 IBMの推測 ~ 2000年 © 2008 IBM Corporation Global Technology Outlook ~創業者達の先見(?)の明 I think there is a world market for maybe five computers. There is no reason anyone would want a computer in their home. Ken Olson, president, chairman and founder of Digital Equipment Corp.,1977 640K ought to be enough for anybody. Thomas Watson, chairman of IBM, 1943 Bill Gates, chairman and founder of Microsoft, 1981 I predict the Internet will soon go spectacularly supernova and, in 1996, catastrophically collapse. Bob Metcalfe, co-inventor of Ethernet and founder of 3Com Corporation, 1995 © 2008 IBM Corporation PCにおけるアプリケーション稼 動の仕組み コンパイルによって、プロセッサー命令セッ トを生成する ソース・ プログラム 稼動する? 実行コード © 2008 IBM Corporation ハードウェア・マシンの限界 プロセッサーの互換性が失われると、実行 コードは稼動しなくなる プロセッサーに互換性が保たれたとしても、 新しいテクノロジーの恩恵を受けることは できない 32ビット・プロセッサーにおける、16ビット互換 モード など メモリにおけるアドレス境界の差異により、か えって負荷がかかる場合がある © 2008 IBM Corporation ソフトウェア・マシンの例 OS, アプリケーションなど TIMI Technology Independent Machine Interface SLIC マイクロコードに匹敵 仮想マシン プロセッサーと仮想マシンと の間の緩衝域として機能 ハードウェア © 2008 IBM Corporation ソフトウェア・マシンの考え方 アプリケーションを、ハードウェア・テクノロ ジー(プロセッサー)から独立させる テクノロジーの変化は、アプリケーションに 影響を及ぼさない 世代を超えたアプリケーション資産の継承 が実現できる 長期的にはコスト削減に大きく寄与する © 2008 IBM Corporation ソフトウェア・マシンにおける プログラム生成と実行 ソース・ プログラム プログラム テンプレート TIMI SLIC 外部からは見えない (カプセル化されている) トランスレータ ハードウェア依存 実行コード 組み込み 実行 ハードウェア © 2008 IBM Corporation 新しいハードウェア上での プログラム実行 (1) 実行コードは有効ではないことが判明 TIMI SLIC ハードウェア プログラム テンプレート ハードウェア依存 旧実行コード X 実行不可 テクノロジーの刷新 © 2008 IBM Corporation 新しいハードウェア上での プログラム実行 (2) トランスレータが自動的に起動され、新実 行コードを生成する TIMI プログラム テンプレート ハードウェア依存 旧実行コード トランスレータ SLIC ハードウェア テクノロジーの刷新 © 2008 IBM Corporation 新しいハードウェア上での プログラム実行 (3) 新実行コードを組み込んでから、プログラ ムを実行 TIMI プログラム テンプレート ハードウェア依存 新実行コード 組み込み 実行 SLIC ハードウェア テクノロジーの刷新 © 2008 IBM Corporation OS の脆弱性に関する報告件数 比較 Windows Server 2003 の場合 i5/OS V5Rx の場合 非常に深刻 どちらでもない 深刻でない オブジェクト指向型 OS の効果 かなり深刻 あまり深刻でない 166 件発生 7% は未解決 http://secunia.com/product/1174/?task=statistics より 深刻ではない報告が1 件あり 既に解決済み http://secunia.com/product/13949/?task=statistics より 件数は2008年10月8日現在 2008年1月26日時点では147件、未解決7% © 2008 IBM Corporation システムの安全性を高める仕組み アプリケーションの視点 テクノロジーの視点 製品番号 • 参照や検索は可能 • 算術演算は不可 価格 • 算術演算は可能 ディレクトリと ビット配列 • 技術的にはあらゆる 演算が可能 • 「製品番号」×5% ? • 価格の数値を命令と みなして実行 ? © 2008 IBM Corporation オブジェクト指向 データに対して実行できる演算を限定する エラーによる不正演算を防ぐ オブジェクトの構造 メソッド メソッド データ メソッド メソッド © 2008 IBM Corporation 仮想マシンが実行するのは オブジェクトのみ OS, アプリケーションなど 仮想マシン プロセッサーと仮想マシン との間の緩衝域 安全なコードのみ 実行 © 2008 IBM Corporation ウィルス耐性の違い ウィルス:実行プログラムに見えない実行 プログラム オブジェクト指向型 通常のシステム • データの意味が考慮さ れ、動作に制約がある • データの意味は考慮され ず、あらゆる動作が可能 実行ファイル? テキスト・ファイル? Excel? Word? © 2008 IBM Corporation 高速化の追求 複数ユーザー・複数アプリケーション 単一ユーザー・単一アプリケーションとは視点 が異なる 多ユーザーが利用する基幹業務システム マルチ・プロセスにおけるスループットの向上 プロセス切り替え時間の短縮化が必要 ファイル I/O 負荷の軽減 © 2008 IBM Corporation プロセス切り替えにおける負荷 各プロセスにはそれぞれプライベートなメ モリ空間が割り当てられる プロセス毎の メモリ空間 メモリ・アドレスはそれぞれ独 立している プロセス切り替えは使用するメ モリー空間の切り替えを伴う 共用メモリがないので、プロセ ス間通信に負荷がかかる 一般に1,000~1,200ステップ のプログラムが必要 © 2008 IBM Corporation コンテキスト(CPUの状態)・ スイッチの例 プロセス数とコピーされるメモリ・サイズが大き くなると、タスク切り替え時間が大幅に伸びる Xeon 搭載 PC + SLES-8 © 2008 IBM Corporation プログラミングの考慮点 スレッド・プログラミングによって、複数プロ セス間の切り替え負荷を軽減できる プロセス間通信に関わるデバック負荷が大き くなる しかしながら、従来からある業務アプリケー ションをスレッド化することは困難 メモリ空間の切り替え処理の高速化は避 けられない要件 © 2008 IBM Corporation 単一化されたメモリ空間による プロセス切り替えの高速化 メモリ空間を単一化することで、プログラ ム・コール並みの負荷に抑える プロセス毎の メモリ空間 メモリー空間の独立性は 低い プロセス切り替えの高速 化が期待できる メモリー共用が可能なの で、プロセス間通信の負 荷が小さい 二倍の性能を実測 © 2008 IBM Corporation ファイル I/O の検討 典型的なシステムの記憶域管理 実メモリ 作業用に読み込み 仮想メモリ ディレクトリ ファイル・オープン © 2008 IBM Corporation 典型的なシステムにおける記憶域 管理の問題点 二重化された管理の仕組みが必要 ファイル・オープンが必要 ディレクトリとメモリ 実質的にディスク上のファイル・コピー プロセッサーの I/O 待ちが発生しやすい 同一ファイルについて3つのコピーが作成 される可能性がある ディスク、ディスク上の仮想メモリ、実メモリ © 2008 IBM Corporation 単一レベル記憶 仮想マシンよりも上位層では、ディスク空 間を仮想化して、全体をメモリとして扱う 仮想アドレス空間 OSは各オブジェクト の名前を扱う 仮想マシンは各オブ ジェクトへのポイン ターを扱う ポインター長は128 ビット 現在は64ビッ トのみ使用 仮想マシン 4KBページ © 2008 IBM Corporation ポインター保護 全てのユーザーが同一のメモリ空間内にある ポインターの不正な変更は、データ漏洩・改ざん につながる可能性がある ポインター毎に、タグビットを設定 タグビットが0ならば、不正アクセス OSより上位層でのポインター変更が発生すると、 タグビットは常に0にセットされる マイクロコードだけがポインターを生成・変更でき、 その場合タグビットは常に1にセットされる © 2008 IBM Corporation 他OS用実行コードの稼動 AIX プログラム 実行用空間 (PASE) タグビット無効 単一レベル記憶内のプライベートなメモリ空間 AIXそのものではない AIX用実行コードが稼動 IBM i 用 仮想アドレス空間 タグビット有効 プロセッサー IBM i と AIX とで共通 タグビット有効・無効モード © 2008 IBM Corporation 単一レベル記憶の特徴 プロセス切り替えの高速化 仮想マシンから上位層の記憶域管理が単 純になる ファイル・オープンがない メモリ管理、ディスク管理はマイクロコード (SLIC)に委ねられる 実メモリは全てキャッシュとして機能する ディスク・アクセスを省略できる © 2008 IBM Corporation ディスク管理の特徴 ファイル(オブジェクト)の各ページの配置 はマイクロコード(SLIC)に委ねられる ディスク(ボリューム)を明示指定できない、考 慮する必要がない ディスクの使用率をモニターしながら、各 ページの書き出し先を決定する 容量 または ディスク・アームのビジー率 全ディスクの負荷が平準化される © 2008 IBM Corporation IBM i 宣言 ~ Power of i • IBM i は今後もPower Systemsの主力OSとしてご提供 – IBM i 6.1を含むPOWER6の開発に2,000億円以上を投資 – IBM Rochesterでは2010年予定のIBM i次期リリース開発進行中 • IBM i でのアプリケーション品揃えも進化中 – 400社以上のISVの1200本以上ものアプリケーションがIBM i 6.1を サポート完了 – IBM i 6.1出荷から30日以内にOracleとSAPのサポート完了 – 発表以来2年間で1万件以上ものPHPの導入実績 • IBM i の人材育成への取り組み ~アカデミック・イニシアティブ – 全世界で200超の大学で毎年2万人以上もの学生にIBM i の教育を実施 © 2008 IBM Corporation IBM i 宣言 ~ Power of i 現在Webに公開中の Power事業部GM Ross Mauriによる IBM i に対するIBMの 取り組みをお知らせする レターもごらんください。 http://www.ibm.com/systems/jp/ i/history/rossmauri/ © 2008 IBM Corporation IBM i まとめ マシンの仮想化により、アプリケーション 資産を継承 オブジェクト指向設計により、システムの 安全性を向上 単一メモリ記憶により、プロセス切り替え の高速化と、ディスク領域管理の簡素化 を実現 将来への継続投資 © 2008 IBM Corporation