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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
第 2 部(再配置戦略編)
第7章
再配置プロジェクト07
Relocation Project 07
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業
1 幡豆いきいきセンター(1階)
再配置施設
2 佐久島海釣りセンター管理棟
再配置施設の現在の位置
鶴城中学校地区
東部中学校地区
平坂中学校地区
寺津中学校地区
西尾中学校地区
福地中学校地区
吉良中学校地区
一色中学校地区
幡豆中学校地区
1
佐久島中学校地区
2
合併に伴う重複施設化による低利用施設(1)と当初の設
再配置方針
置使命を終えた未利用施設(2)について、民間企業等へ
の貸付事業を行う。
再配置目的
官民連携による資産運用の提案を広く公募することにより
未利用・低利用施設の有効活用を図る。
- 97 -
⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
7-1 ◆ 再配置施設の現状と課題 〜未利⽤・低利⽤施設〜
公共施設が抱える課題の一つに、とても豪華な建物を建設したが、ほとんど利用
されていないという利用実態に関する問題があります。これは、景気浮揚のために
公共施設が「建設することを目的」にして事業が進められてきたことや、社会情勢
が大きく変わったことでハコモノの当初の設置目的の使命を終えたことなど、さま
ざまな理由が考えられます。また、西尾市のような合併自治体では、同じ機能・目
的を有する施設が重複した結果、その利用形態が大きく変わり、低利用施設になる
場合があります。
西尾市はファシリティマネジメント(略称:FM)と呼ばれる民間の経営管理方
式の考え方を踏まえて公共施設再配置を進めていますが、FMでは建物や土地など
の不動産が遊休資産であっても経営資源として捉えて有効活用を図ることを基本と
します。今回、本プロジェクトで対象としたのは、重複施設による低利用施設であ
る幡豆いきいきセンター(1階の一部)と当初の設置使命を終えた未利用施設の佐
久島海釣りセンター(管理棟)の2施設です。
1 幡豆いきいきセンターの現状と課題
施設外観
民間貸付を予定している1階の場所
検診・相談室(177 ㎡)
幡豆いきいきセンターの現状データ(H24)
建 築:平成14年12月(耐震性有)
敷 地:10,100.90㎡(幡豆支所敷地と共有。
このうち借地は4,581.00㎡)
貸付可能面積:1,000㎡程度
延 床:1,547.68㎡(RC・3F)
貸付可能面積:約300㎡(1階)
利用者数:20,074人/年、56人/日
コスト:9,683,103円/年
⇔利用料等:136,750円/年
所在地:西幡豆町仲田14番地2
待合広場(68 ㎡)
すこやかルーム(55 ㎡)
現状の施設機能
幡豆いきいきセンターは合併時に(福)西尾市社会福祉協議会幡豆支所事務室を
除き無人施設になりましたが、育児相談などの保健事業については吉良保健センタ
ーの保健師が出向いて実施しているほか、貸室事業(有料貸室数=5、無料貸室数
- 98 -
⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
=3)を行なっています。
幡豆いきいきセンターは幡豆支所(平成26年度から消防署幡豆分署が2階に機
能移転)の建物と接続されており、駐車場を共用しています。また、平成26年度
から5年間は(福)西尾市社会福祉協議会幡豆支所が指定管理者として幡豆いきい
きセンターの管理を行う予定です。
施設の問題点
○1階部分が低利用施設であること
2佐久島海釣りセンター管理棟の現状と課題
佐久島海釣りセンター管理棟の現状デー
タ(H24)
建
築:昭和61年10月(耐震性有)
敷
地:521.00㎡
貸付可能面積:521.00㎡
延
床:156.05㎡(RC・3F)
貸付可能面積:156.05㎡
利用者数:全館閉鎖中のためデータ無
コスト:1,036,460円/年
所在地:一色町佐久島大島地内
現状の施設機能
佐久島海釣りセンターには管理棟と釣り桟橋があり、当初は職員を配置して海釣
客のための収益施設として利用していましたが、平成13年度から無人施設です。
現在は、管理棟は閉鎖していますが、釣り桟橋は海釣客のために無料開放しており、
利用時間の開閉については委託しています。
なお、佐久島海釣りセンターは国と県の補助金を活用して建設されているため、
建物を貸付する場合は、国と県に貸付料の一部を返還する義務が生じます。
また、佐久島は三河湾国定公園内にあるため、景観保護を目的として、建物の外
観や用途などの一定の行為に規制がかかります。
施設の問題点
○管理棟が未利用施設(閉鎖中)であること
○建物が著しく老朽化していること
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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
7-2 ◆ 再配置施設に対する⻄尾市の考え⽅(⾏政の視点)
■未利用・低利用施設に対する西尾市の考え方
再配置基本 計 画
総合 計画
○【第7次西尾市総合計画・第3編基本計画・第6章4・基本目標】P140
公共施設再配置の推進の施策内容として「ファシリティマネジメントの考え方
に基づいた再配置を推進するため、公民連携(PPP)の可能性を探りながら、
(中略)市有財産の効率的運用などのさまざまな取り組みを全庁的に展開しま
す」と示しています。
○【基本計画・本編】P76(図表4-6)公共施設再配置の検討材料
「施設存続が確定した段階においても、更新時までに空きスペースがある場合
は賃貸などの有効活用を進めます」としています。
○【基本計画・本編・西尾市公共施設再配置基本方針3】P80
「公共施設のマネジメントを一元化することで、未利用財産については、経営
資源として積極的に有償賃貸、譲渡を行うこと(最適資源管理)ができる」とし
ています。
○【基本計画・本編・未・低利用財産の効率的運用】P81
マネジメントの一元化で広がる公共施設再配置のさまざまな取り組みとして
「公有財産を経営資産として捉えて、未・低利用財産は積極的に有償の賃貸、譲
渡を行い、施設更新費用に充当します」としています。
■本プロジェクトの再配置方針案を立案するときの西尾市の視点
x○【再配置WG検討資料⑧再配置方針案立案の視点】(第3部P89)
○合併による組織変更等に伴い発生した庁舎等の空きスペースの貸付けを進める。
(→行政財産の貸付け)
○執務スペースの見直しにより貸付けスペースを確保する。(→庁舎の有効利用)
○官民一体の施設利用による地域活性化を図る。(→民間への貸付け)
○企画競争により民間のアイデアによる効果的な公共施設の活用を図る。
(→企画提案による選定)
○【経費削減は目的ではないのですか…E モニター質問の回答】(第3部 P90)
「未利用・低利用の公共施設の貸付は、公共施設再配置として、より効果的な維持・管理
・運営方法を目指すもので、その結果として、施設維持費の削減や貸付賃料収入による財政
効果が期待できるものです」と回答しています。
○【民間のどの事業範囲まで賃貸可能か…E モニター質問の回答】(第3部 P90)
「建物全体を貸し付ける場合は、公序良俗に反しない限り、大抵の事業への貸付けは可能
ですが、建物の一部を貸付ける場合は、その建物の用途や目的を妨げない限度において、適
正な方法による管理を行う上で適当と認める方のみ貸付け可能です」と回答しています。
○【賃料収入はどの程度の金額を想定しているのか…E モニター質問の回答】(第3部 P90)
「貸付料は、それぞれの建物に応じて適正な金額を算定します。参考までに、行政財産目的
外使用料は建物の価格に対して 100 分の6を乗じて得た額に 100 分の 105 を乗じて得た額
に、土地の評価額に 100 分の3を乗じて得た額を加算した額となります」と回答しています。
- 100 -
⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
7-3 ◆ 再配置WGにおける検討状況(市⺠の視点)
■再配置WGには2つの再配置方針案を提示
本プロジェクトについては、低利用施設の一つである幡豆いきいきセンターで平
成25年3月28日に開催しました第9回再配置WGで、市が提示しました2つの
再配置方針案(第3部P87)を検討しました。Eモニターからの事前質問は7問
(第3部P90)でした。
再配置WGでは当初、4つの未利用・低利用施設(子育て支援センターいっし
き・一色健康センター・佐久島海釣りセンター・幡豆いきいきセンター)を検討し
ましたが、子育て支援センターいっしきと一色健康センターについては、貸付より
も売却あるいは多機能化などを支持する声が多くあったことから、いずれの施設も
一色地区の新公共空間創造を目的とする再配置プロジェクト02(第2章P21
~)の対象施設としました。
■方針案に対する市民の声(再配置WG委員・Eモニターの意見)
佐久島海釣りセンターについては「民間貸付」の再配置方針案が支持されまし
たが、幡豆いきいきセンターについては「新しい施設だが1階が吹き抜けになっ
ているので民間への貸付は無理だと思う」、「1階の一部を貸し付けることで施設
全体の運営、管理に支障をきたさないか」など、方針案以外の意見が多く出され
ました。
また、佐久島海釣りセンターでは佐久島の活性化のための再配置を期待する声な
ど、未・低利用施設の有効活用だけで終わるのではなく、そのことを地域の活性
化につなげていくべきだという意見もありました。
再配置WGで出された意見の中で、最終的な再配置プランの参考にさせていただ
いたもの、またプラン実現に向けて検討していきたい提案について列挙します。
市民
の声
市民
の声
地域活性化を前提に
ムダな建物を作らないために
地域活性化を前提に、今、何に困ってい
貸付するしかできないような未利用・
るのか、何が必要なのかを地域の住民の
低利用施設を作らないために、将来の
意見をしっかり聞いて、貸付後の姿を検
人口ピラミッドを見据えた判断基準に
討しなければならない。
基づく施設の配置が必要。
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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
市民
の声
民間のアイデアを公募プロポーザルで募集
民間に貸し出すにしても収益が見込める方法を考えないと貸し出すメリットがない。民間
側からのプロポーザル方式の提案を検討し、民間の良いアイデアを募集してメリットのあ
る活用をしてはどうか。
市民
の声
市民
の声
大学生の合宿所として活用を
幡豆支所と一体利用を考えて
幡豆いきいきセンターは新しい施設だ
幡豆いきいきセンターは幡豆支所に併
が、民間利用は難しいと思う。大学生の
設しているため、支所と一体利用が望
合宿所として活用したらどうか。その場
ましい。地域の拠点として、支所の将
合はアプローチの方法を替えて、愛知県
来像を視野に入れた利活用を期待す
外にも声をかけるべき。
る。
こうした意見を踏まえて、再配置WGでは、アドバイザー(恒川和久名古屋大学
大学院工学科研究科准教授)から次のようなコメントをいただきました。
■アドバイザーの講評要旨
なぜ、民間貸付を行う施設は、この施設なのか。手をつける施設と全体の施設を見
るということを並行して行わなければならないと思う。
人口ピラミッドなど地域の将来像、全体像を踏まえた上で、こうした計画を策定す
るのが望ましいと思う。
佐久島海釣りセンターはいったん売ってしまうと戻らなくなってしまう。民間の良
いアイデアによる貸付で有効利用を図ると良いと思う。
幡豆いきいきセンターは貸す場合には、できる限り制約を外すことが必要と思う。
また、民間業者が改修した場合でも、現状復帰はしなくて良いのではないかと思う。
地域にメリットとなるような業者に借りてもらうように、できる限り制約をなくし、
借りやすい状況を作ることが大事だと思う。
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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
7-4 ◆ 未利⽤・低利⽤施設の貸付事業の再配置プラン
ここでは、行政の視点で立案した再配置方針案に対して、市民の視点での意見を
反映させた最終的な再配置方針とプランを示します。
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業の再配置⽅針と⽬的
未利用・低利用施設であり、かつ諸事情により売却や施設機能を変更
できない公共施設については、民間企業等への貸付事業を行う。
未利用・低利用財産の効率的運用
=未利用・低利用財産の効率的運用(公有財産を経営資産としてとらえ
て、未利用・低利用財産は積極的に有償の賃貸、譲渡を行い、施設更新
費用に充当する【基本計画本編P81】
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業の具体的な再配置プラン
施設名称
再配置プラン
(定性的)再配置効果
1階の低利用室である健診・相談室、待合広
場、すこやかルームと駐車場の民間貸付を公
幡豆いきいき 募する。
セ ン タ ー 貸付料については駐車場も含めて年間390
(1階)
万円程度を見込んでいる。
①未利用・低利用
土地・建物の一部または全部の民間貸付を公
佐久島海釣り 募する。
セ ン タ ー 貸付料については駐車場も含めて年間100
管
理
棟 万円程度を見込んでいる。
ムラ・ムダ)の解消
1
2
①民間が借りやすい状況を作るために、公募
条件の制約をできる限り少なくなるように
1・2の
努める。
民間貸付にあ ②借り主を公募する場合は、企画提案である
たり留意する
プロポーザル方式で行い、契約期間は「西
事項
尾市財産管理規則」に基づき5年間を上限
とするが、更新も可能である。
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施設の効率的運
用による公共施
設の3M(ムリ・
②民間アイデアに
よる効果的な公
共施設の活用
⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業の再配置イメージ図
資
1階の低利用室である検診・
相談室、待合広場、すこやか
ルームと駐車場の民間貸付を
公募する
産
1幡豆いきいきセンター(1階)
運
用
土地・建物の一部または
全部の民間貸付を公募する
2佐久島海釣りセンター管理棟
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業の年次計画(■は再配置⼿法)
施設名称
26年度
27年度
1
○企画提案によ 貸付
幡豆いきいき
る公募プロポ
セ ン タ ー
(1階)
ーザルで借受
28年度
29年度
30年度
貸付
貸付
貸付
31年度
貸付
※契約満了
(更新可)
者を募集・選
2
佐久島海釣り
セ ン タ ー
管理棟
定
↓
○貸付契約
※年次計画は、民間業者公募、貸付契約などの手続きの調整および諸事情などに伴
い変更される場合があります。
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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業に伴う(定量的)再配置データ
項
目
( 定 量 的 ) 再 配 置 デ ー タ
○再配置しない場合の30年間のLCC総額
=約1億7,400万円
……①
○再配置した場合の30年間のLCC総額
=▲約8,500万円
財 務 効 果
……②
(貸付料490万円/年を反映している)
●再配置を行うことによる30年間のLCC削減効果額
=約2億5,900万円
供 給 効 果
……① ― ②
○貸付数=2施設(2棟)延床面積=456.05㎡
敷地面積=1,521.00㎡
総 事 業 費 約2,200万円
( 概 算 額 ) (積算根拠)施設改修費など
※上表の数値データにつきましては、今後の調整により大幅に変更される場合がありますので、
ご承知ください。
再配置した場合(
1
2
)と再配置しない場合(
)の施設別LCCの比較
幡豆いきいき
セ ン タ ー
1
階
約8,400万円(収入)
佐久島海釣り
セ ン タ ー
管
理
棟
約100万円(収入)
-10
約7,800万円
約9,600万円
-8
-6
-4
-2
0
2
4
6
8
10
12
千万円
※上記の収入は、幡豆いきいきセンターの場合、年間貸付料390万円、佐久島
海釣りセンターの場合、年間貸付料100万円で積算した金額から施設改修費を
除いた金額。
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⻄尾市公共施設再配置実施計画○第2部
ひと⽬で分かる再配置プロジェクト07
①事業名
② 再 配 置
施設と課題
③再配置
方
針
【第2部第7章のまとめ】
未利⽤・低利⽤施設の貸付事業
1幡豆いきいきセンター(1階)→低利用施設
2佐久島海釣りセンター管理棟→未利用施設
未利用・低利用施設であり、かつ諸事情により売却や施設機能を
変更できない公共施設については、民間企業等への貸付事業を行
う。
再
1階の低利用室(健診相談室・待合広
配
場・すこやかルーム)と駐車場の民間
置
貸付を公募する。
プ
1幡豆いきいきセンター
(1階)
ロ
ジ
ェ
ク
④再 配 置
プラン
○建築年月:平成14年12月
○建物構造:鉄筋コンクリート造3階建
○敷地面積:10,100.90 ㎡(幡豆支所敷地含む)
貸付可能面積:1,000 ㎡程度
○延床面積:1,547.68 ㎡
貸付可能面積:約 300 ㎡(1階)
ト
0
土地・建物の一部または全部の民間貸付を
公募する。
7
の
概
要
2佐久島海釣りセンタ
ー管理棟
⑤再配置数
○建築年月:昭和61年10月
○建物構造:鉄筋コンクリート造3階建
○敷地面積:521.00 ㎡
貸付可能面積:521.00 ㎡
○延床面積:156.05 ㎡
貸付可能面積:156.05 ㎡
貸付数1・2 =2
(貸付可能面積)土地:1,521.00㎡
建物:約456.05㎡
H26=企画提案によるプロポーザルにより借受者を公募・選定
⑥年次・
予 算
貸付料=2施設で年間約490万円を想定
H27~H31=貸付契約(最大5年で更新も可能)
総事業費(概算額)(注1)
約2,200万円
⑦再配置効果
LCC(注2)=約2億5,900万円/30年
⑧再配置手法
資産運用(貸付)
⑨特記事項
貸付料は貸付事業が円滑に進むように今後、設定を検討する
(注1)総事業費…施設改修費など
(注2)LCC(ライフサイクルコスト)…再配置しない場合のLCCから再配置した場合のLCCを差し引いた額(削減効果額)
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