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[980KB : PDF] JAL 新・JAPAN PROJECTの1年を振り返る
◆ 青 森 との協 業 青 森 県 と の タ イ ア ッ プ は、 新 J APA N 年の開発期間を経 PROJ ECT と な っ て 初 め て の プ ロ ジ ェ クトでした。青森県は、 て 世 に 送 り 出 し た、 同 県 初 の 特 A ラ ン ク 米 へきれき 「青天の霹靂」や、天然の染料として知られ あい は、この地域紹介をさらに進化させ、 「J AL 新・J APAN PROJ ECT」( 以 下、 新 J APAN PROJ ECT)としてリニュー ア ル し ま し た。 こ れ は、 「観 光 促 進 」 と「 農 水 産 物 の 次産業化(※ ) 」を柱として、 地域と一緒になって、地域の 振興に取り組んでいく、息の 長いプロジェクトです。 単に地域の名所や銘品の 紹介にとどまらず、まだ知ら れていない観光資源や特産 品 を 積 極 的 に 発 掘・ 開 発 し て い き ま す。 商 品 を J A L が購入するだけでなく、外部 へ の 販 路 拡 大 に も か か わ り、 バリューチェーン全体で支 援することで、地域経済が活 性化し、雇用が生まれ、定住人口を増やして いくことを目指しています。 日本は、少子・高齢化に伴って人口の減少 が見込まれています。そうした環境下で、私 J AL で は 2011 年 か ら「J APAN づくりのお手伝いをしたいと考えています。 活性化し、地域が元気になるような良い環境 たちは地域と一緒になって人とモノの流れを PROJ ECT」 と し て、 機 内 誌 や ホ ー ム いてご紹介します。 の出てきた青森、宮崎、北海道での活動につ 域で推進しています。今回は、少しずつ成果 J A P A N P R O J E C T をさまざまな地 こ の 基 本 的 な 考 え の も と 、J A L は 新 回を数え、皆さまにご好 月に ◆ 宮 崎 県の九州 本 格 焼 酎 日 本 の 國 酒 と い え ば 日 本 酒 と 焼 酎。 し か し 残 念 な こ と に、 海 外 で は 焼 酎 は 日 本 酒 に比べてまだまだ知られていないという 事 実 が あ り ま す。 そ こ で、 新 J A P A N PROJ ECT で は 九 州 本 格 焼 酎 に ス ポ ッ イディアを出し合った結果、JAL グループ ブランド化については、青森県の皆さまとア 生み出しています。これらの県産品の PR・ 藍フィナンシェ」という素晴らしい県産品を める人へ」「知られていない銘品を、広く世の 製 品 を 企 画 中 で す。「 良 い モ ノ を、 本 物 を 求 り 藍 産 業 協 同 組 合 と J AL に よ る 共 同 開 発 あ り ま せ ん。「 藍 」 に つ い て は 今 も、 あ お も しかし、プロジェクトはこれで終わりでは した。選ばれた銘柄は、作り手の思いをご紹 施し、 にて、同県酒造組合のご協力のもと公募を実 的には、焼酎の出荷量が日本一である宮崎県 るお手伝いをさせていただいています。具体 トライトを当て、ブランド化して世界に広め では、機内やラウンジで開発秘話や背景をご 中へ」という志のもと、単発・短期間の企画 介 し つ つ、 6 月 か ら カ 月 間、 成 田、 ラウンジでご提供した宮崎県の九州本格焼酎 54 銘柄、準グランプリ 月の 銘柄を選出しま 銘柄の応募の中から、グラン 紹 介 し な が ら 提 供 す る な ど、J AL な ら で で終わらせることなく、地域の皆さまと一緒 さらに、モノ以外にも取り組みを広げてい 3 3 19 3 蔵元 はの強みを活かして PR に取り組みました。 になって人を呼び込み、製品を売って、地域 れ生産規模を拡大されると伺っています。地 ます。地域での農林漁業体験型民泊の宿泊予 次産 8 プリ この協業の様子は多くのメディアに取り上げ 評 い た だ い て お り ま す。2015 年 月の高知県特集で こ の 地 域 紹 介 の 取 り 組 み は、2016 年 を 通 じて、地 域の 魅 力 を 発 信 して き ま し た。 ページ、国内線の機内食での地元食材の提供 ◆ 新 しい地 域 創 生のかたち 6 の活性化に結び付けていきます。 る「藍」を使った健康的なお菓子「あおもり 1 ていただき、売り上げも大きく伸び、それぞ 域の銘品のブランディング・販路拡大などを 約サービスを展開する株式会社百戦錬磨、収 お手伝いする地元産品の みも、良いスタートができたと言えます。 ) をテーマと 社コラボレーション 県七戸町をご紹介しています。 このように「観光促進」「農水産品の も展開していきたいと考えています。 取り組みをモデルケースとして、他の地域に 業化」の両面で青森県と協同して進めてきた 6 トを立ち上げ、その最初の地域として、青森 した「週末ふるさと Trip」のウェブサイ で、 グ リ ー ン・ ツ ー リ ズ ム(※ 式会社農協観光との 穫体験などを盛り込んだツアーを企画する株 次産業化の取り組 「青天の霹靂」 14 明日の翼 Vol.07 明日の翼 Vol.07 15 2 3 6 (※1)農水産物の6次産業化:1次産業としての農水産業 と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業な どの総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用し た新たな付加価値を生み出すことです。 (※2) グリーン・ツーリズム:農山漁村地域で自然、文化、 人々との交流を楽しむ、特に欧州で普及している滞在型 の余暇活動です。日帰りの場合から、長期的または定期 的・反復的な滞在まで、さまざまなケースがあります。 10 芳川 礼子(西日本担当) 64 2015年9月にリニューアルしたJALグループの地域のための取り組み「JAL新・JAPAN PROJECT」。 構想から現在に至るまで、 どのように活動を推進し、実を結んできたのか。 推進役の経営戦略部の矢﨑昌二と芳川礼子がこの1年を振り返りながらご紹介します。 地域と ともに 10 9 経営戦略部 JAL 新・JAPAN PROJECTの 1年を振り返る 羽田両空港の国際線ファーストクラス・ラウ ジ( (※3)観光立国ショーケース:国の日本再興戦略に基づ き、多くの外国人旅行者に選ばれる観光地域を作り、訪 日外国人旅行者を地方へ誘客するモデルケースを形成 しようとするものです。 / p j . o c . l a j . w w w / / : p t t h )の 国 内 線 ト ッ プ ペ ー ジ 下 部 に、 書 家 の 紫 舟 さ ん に よ る ロ ゴ 「 新 JA P A N PR O J E C T」 の バ ナ ー を貼り付け、よりアクセスしやすいように工 夫しています。ここでは、地域との取り組み の内容や観光名所・名産品について、わかり やすくご紹介しています。 年 と、 ま だ 始 ま っ た ば か 新 J A P A N P R O J E C T は、 本 格 的 に着手してから り。これは、地域と協力しながら、長い時間 軸で進めていくプロジェクトです。事実、今 回ご紹介した例は、行政はじめ、地域の皆さ まのご協力なしには実現できないものでし た。今後も、地域の声に耳を傾けながら、地 域の皆さまとともに活性化に汗をかいていき たいと思います。 これまで紹介してきたものの他でも、プロ ジ ェ ク ト が 着 実 に 進 行 し て い ま す。「JA L 新・JA P A N P R O J E C T」では、今 後もさまざまな地域の皆さまとコラボレー ションし、一緒に日本を元気にしていきたい と考えています。 16 明日の翼 Vol.07 ンジ、同じく国際線サクララウンジでご提供 させていただきました。 今 後 は、 海 外 地 区 の ラ ウ ン ジ に も 展 開 し、 日本の焼酎の素晴らしさを世界中の皆さまに 知っていただくために、さらにプロジェクト ポットライトを当てた機内放映用の番組制作 月に専用ウェブサイ 1 を推進していきたいと思います。 ◆ 北 の大 地から 月、 包 括 連 携 協 北海道とは、新J APAN PROJ ECT の 一 環 と し て 2015 年 定を締結し、観光や食など、北海道ブランド を広めるお手伝いをしています。なかでも、 ) のひとつに いただきました。ここで得られた示唆や課題 国 の 観 光 立 国 シ ョ ー ケ ー ス(※ 指定されている釧路市とのコラボレーション をふまえ、道東地域の注目度を高める活動を 推進していきます。 に注力し、道東地域の観光促進に力を入れて います。 市の皆さまの全面的なご協力のもと有識者と も進めています。道東地域の新たな魅力をた さ ら に、 地 域 お こ し に 取 り 組 む 人 々 に ス 地元関係者によるシンポジウムを開催しまし くさんの人に知っていただき、実際に足を運 月、 釧 路 た。観光戦略立案に詳しいデービッド・アト んでいただけるよう、観光資源の開発に努め そ の 一 例 と し て、2016 年 キ ン ソ ン 氏( 小 西 美 術 工 藝 社 社 長 ) 、日本の たに ていきます。 も る よ う、20 1 6 年 これらの取り組みをいつでもご覧いただけ ◆ 地 域の皆さまとともに 地方経済の研究者 藻谷浩介氏(日本総合研究 所主席研究員) 、国土交通省より観光カリス マとして認定された大西雅之氏(鶴雅ホール ディングス代表取締役社長)といった地域観 光促進のスペシャリストであるお三方にパネ リストとして参加いただき、釧路市を中心と 4 ト を 立 ち 上 げ ま し た。J A L の ホ ー ム ペ ー 矢﨑 昌二(東日本担当) 3 7 した道東地域の観光促進策について議論して 経営戦略部 12 2016年11月から12月に機内で放映予定の番組「里山カフェストーリー」