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京都市立伏見工業高等学校 マイクロ水力発電グループ
学 校 名:京都市立伏見工業高等学校 活動団体名:マイクロ水力発電グループ 活 動 名:水車プロジェクト 活動の目的 水資源は私たちの生活に欠かせないものです。飲料、 私たちが製作している水車 農業、産業用はもとより、環境やエネルギー、資源利用 においても、化石燃料など他のエネルギー資源と比べグ ローバルに循環し永久に利用することができる資源とし ても捉えることができます。私たちが取り組む水車プロ ジェクトは、水資源でも特に灌漑用水を利用するマイク ロ水力発電を活用したものであり、用水路にエネルギー 螺旋水車1号機 螺旋水車2号機 小型螺旋水車 創出という新たな付加価値を与え地域資源とすることで エネルギーの地産地消を実現するとともに、里山再生を はじめとする地域づくりを目指す活動です。 中山間地域といわれている多くの地域では、過疎化、 高齢化、耕作放棄地の拡大、森林荒廃、地域産業の衰退 琵琶湖疏水螺旋水車 吊り下げ式螺旋水車 クロスフロー水車 など様々な構造的な課題を抱えています。さらに公共機 関やガソリンスタンドなど地域生活を支えるインフラの 低下が深刻な問題となってきています。しかし一方で、環境やエネルギー、地域防災などに対する関心の高まりと ともに、地域にある資源を活かした地域づくりに取り組みたいという気運が各地で高まってきています。私たちは 「環境再生に工業技術が果たす役割」というテーマで、水質浄化や地域資源を活かしたエネルギー創出に関わる活 動を行っており、その中の一つに水車プロジェクトがあります。 「自然エネルギーを生み出すのは人のエネルギー」 という掛け声のもと、地域の人々とともに、元気な地域づくりの取り組みの一端を担っています。 活動内容 Ⅰ 私たちが取り組んでいるマイクロ水力発電 【用水路で発電する可搬式水車の研究】 螺旋水車を中心とする開放型可搬式水車、目的に合わせた発電システムの研究 螺旋水車実験 木製螺旋水車実験(間伐材利用) 琵琶湖疏水でのマイクロ水力発電 岡崎地域小水力発電実証協議会 国土交通省琵琶湖河川事務所 京都市産業観光局 京都市上下水道局 京都市立伏見工業高等学校 2014.3.28 岡崎琵琶湖疏水扇放水路 Ⅱ 水車プロジェクト(水車を地域づくりに活かす) 1. 基本的考え方 ①エネルギーの地産地消を目指す ②地域にある農業用水路を利用する ③水車は地域で作る(維持管理が不可欠) ④手に入れやすい材料で水車を作る 耕作放棄地と用水路の現状 用水路利用の目的と効果 用 水 路 農 地 農業 設置しやすい! 発 電 耕作が放棄された田畑 水路の清掃作業 子供たちもお手伝い 壊れたままの用水路 用水路の補修 水路環境が良くなる 発電 用水路に付加価値! 2. 水車の主な目的・用途 ①道具としての利用(獣害から農作物を守る電気柵や外灯、通信機器の電源) ②地域防災・福祉としての利用(災害時の非常用電源、常夜灯、避難施設の電源) 地域防災・福祉としての水車 奈良県吉野町殿川 奈良県吉野町殿川 集会所の防災電源・外灯 1 2 防火用水の排水を利用 殿川集会所 3 4 常夜灯水車 系統電源⇔独立電源切換え ③地域デザインの核としての利用(水車が地域のシンボルとなり用水路や周辺が整備される) 地域デザインの核として 奈良県十津川村 動力・地域施設の電源として 奈良県十津川村谷瀬 谷瀬集落 長さ297メートル 高さ54メートル 谷瀬の吊り橋 ④モチベーション奮起としての利用(水車を通して、大人から子供まで夢中になれる、能力の発掘、人々のつな がり、新たな地域コミュニティが生まれる) 3. 水車プロジェクトで大切なこと ①現地で水車の説明 現地で水車の説明 ②水車、電気回路の製作指導 水車、電気回路の製作指導 ③水車のメンテナンス ④水路の掃除と補修 水路の掃除と補修 水車のメンテナンス 活動成果 水車プロジェクトの地域連携は、地域にある 農業生産団体、地域振興協議会、NPO、自治会、 関係行政機関など様々であり、水車設置後に必 要となる水車の維持管理やメンテナンスが地域 で可能となるよう、地域住民を対象とした水車 京都府農業団体総会で発表 環境フェスタに展示 子供たちの環境学習 学習会、地域水路を使った水車デモンストレー 地域に広がる水車プロジェクト 地域に広がる水車プロジェクト ション、水車作りワークショップなど、水車利 用から水車製作、水車利用までを地域住民が主体となって 取り組める支援体制をとっています。生徒たちはその都度 地域と交流を重ねながらプロジェクトに取り組んでいま す。2012 年度から始めた水車プロジェクトも、近畿一 円に 18 地域を超え、 約 50 基の水車が回り始めています。 活動を通して最も顕著な成果は、生徒たち自身がマイクロ 水力発電と向き合うことでエネルギーを作り出すことの難しさや自然からエネルギーを作り出すことの喜びを直接 的に学ぶことができたことです。地域との交流の中で育んだ連帯感や責任感などが上げられます。また、地域の人々 自身にも連帯感や達成感が生まれ、地域にある環境や資源を再認識するとともに協力して地域づくりに活かそうと する意識に変わってきたことや、水車を通して新たなコミュニティが生まれています。 福知山市夜久野町 福知山市三和町 兵庫県篠山市大芋 南丹市園部町 南丹市美山町 滋賀県長浜市杉野 京都市右京区小野郷 京都市左京区静原 京都市左京区八瀬 京都市左京区岡崎 奈良県吉野町三茶屋 奈良県吉野町殿川 奈良県野迫川村北今西 奈良県十津川村上湯川 計画中 奈良県川上村北塩谷 奈良県十津川村谷瀬 奈良県十津川村重里