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〔総説〕小児の蛋白質所要量
nJ qu nu 大阪市立大学生活科学部紀要・第4 0巻 ( 1 9 9 2 ) 〔総説〕小児の蛋白質所要量 平野久美子 Therecommendedp r o t e i na l l o w a n c ef o rc h i l d r e n KUMIKO HIRANO 物の蛋白質と人体の蛋白質のアミノ酸組成か著しく異な 1.はじめに ると,折角摂取した蛋白質か十分利用されないことにな 現在,わが国の食生活は豊かになり,数十年前までの る。ヒトも動物であるので動物性蛋白質の方が植物性蛋 栄養改善の主目標が,蛋白質摂取の量と質に向けられて 白質よりも, ヒトのからだの蛋白質に近いアミノ酸組成 いた状況は解決された。しかし,蛋白質栄養はいかにあ からなり効果的に利用される O このような蛋白質は良質 るべきかという理論的な問題については,なお未解決な ) これは必須アミノ酸組成により決 蛋白質と呼ばれる 5。 点が多くあり,乳幼児の蛋白質の必要量についても,適 まる。先に述べたように,体蛋白質は常に分解と合成を 正値についてまだ議論が続いている。 1)2)3)4) 繰り返している。分解により放出されたアミノ酸は体蛋 以下,はじめに蛋白質の栄養学的意義を述べ,次いで 白合成に再利用される。しかし, この再利用過程は完全 わが国の小児の蛋白質所要量か,どのように決められて ではなく,ある程度のアミノ酸は酸化分解され,アミノ いるか,また,その決めかたをめぐる問題点を述べ,最 酸からはずされたアミノ基は尿素として排池される。ア 後に,小児の蛋白質摂取に関するわれわれの調査研究の ミノ基除去後残っているケト酸は,エネルギー源として 結果を述べる。 直接利用されるか,炭水化物や脂肪に変化する。(図 l また体蛋白合成に必要とされる以上の,余剰のアミ ) 6) l l . 蛋白質の栄養学的意義 ノ酸も分解され窒素化合物となり,尿や便,汗,体分泌 私達の身体は,ほぼ2/3は水分であり,残り 1/3の大 物,皮膚,毛髪,爪などを介して体外に失われる。した 部分は蛋白質でできている。この体蛋白質は絶えず分角毛 がって成長が完了した後も,これらの窒素損失量を取り 排池され,一方では新しく食物として摂取した蛋白質を 戻すために,食物蛋白質の不断の補給か必要である。食 材料にして合成され補充されている。 物蛋白質は以上のように体蛋白合成のためのアミノ酸を 0種類余りのアミノ酸の複雑な組み合わせに 蛋白質は 2 供給する他に,ホルモンや酵素,神経伝達物質,抗体な よってできている。このうち 9つのアミノ酸ーヒスチチ ン,イソロイシン,ロイシン, リジン,メチオニン,フ ェニルアラニン, スレオニン, トリプトファン,ノてリンー 槍質 脂質 はヒトでは合成されない。したがってヒトにとって必須 COatHaO の栄養素であり,必須アミノ酸と呼ばれている。 〈呼気,尿 食物中の蛋白質は,腸管で消化液によりアミノ酸にま 食物からの m ア主ノ酸 で分解され吸収される。吸収されたアミノ酸は門脈を経 て肝臓に運ばれ,肝臓で代謝されるか,あるいは血中に 核酸,ホルモン 酵素. ビタミンなと 放出される。循環血中に放出されたアミノ酸は,各種の 組織に運ばれ細胞内に取り入れられ,あらためて遺伝子 図 1 アミノ酸代謝 の支配で人体特有の蛋自に再合成される。したがって食 (1) -3 0 4- 人間福祉学 と重要な窒素化合物のアミノ酸を供給し,身体の正常な 成人の場合,第四次改定では 1 9 8 5年の FAO/WHO 活動を維持調節し,免疫力の保持,ストレスに対する抵 /UNU (Food and Agrlculture Organization, 抗性をつけるなどに役立っている。さらに成長期では組 World Health Organizatlon, United NatlonS 織や細胞を増やさなけれはならない。体蛋自の分解量を Un lV e r S lt y)7) の基本的な考え方を取り入れ,エネルギー 補充する以上に,成長のためにも蛋白質か必要である。 摂取量か十分な条件下で実施された窒素出納法により得 食事の蛋白質か少なかったり,必須アミノ酸か欠乏する られた数値を基にして,良質蛋白質の平均必要量を求め, と,体組織の蛋白質量も減少し正常な機能が営まれなく これに安全量を加味して算定されている。 なる。そして様々な環境の変化に対する適応かわるくな 9 7 9年発表の栄養所要量以来,変更され 小児の場合は 1 り,病気になったり,死に至ることさえある。一方,過 ていない。乳児と 1才以降成長期小児に分けて算定法か 剰摂取もまた生体に不利をもたらす。蛋白質は必要量以 示されている。 上でも,中等度であれは過剰の害は証明されていない *乳児 。7)むしろ,高蛋白食によって身体か大きくなり,成熟 母乳栄養児の場合は,特に所要量を定めなくても,体 が早くなり筋肉か発達する 8)。また手術前の高蛋白摂取 重か正常に増加し健康であれば蛋白質その他の栄養素も は,その後に生ずる食事蛋白欠乏に対して窒素を供給し, 十分であると判断される O したかつて乳児の蛋白質所要 栄養的援助効果かあることか認められている 9) 。 しかし 量として示されているのは,人口栄養児を対象としたも 高度の過剰は,アミノ酸分解によって生じたアンモニア のである。乳児では窒素出納をはじめ安全量に関する研 を尿素に転換して無毒化するために,肝臓に負担をかけ, 究か少ないので,現行の育児用ミルクの成分組成を是認 尿素を排池するために腎臓に負担をかける。また高蛋白 し,育児用ミルクや離乳食で晴育されている健康な乳児 摂取は身体のカルシウムバランスを乱し,骨からカルシ の,平均蛋白質摂取量から逆算して求められている O l)2〉 ウムか溶け出て,骨粗緊症を引き起こすことになるかも *成長期 も不足 しれないと警告されている l九蛋白質の取り過き、 1才以降成長期小児については,成人の場合と同様 と同様,健康を促進するものではない。よりよい成長と FAO/WHO/UNUの考え方が基礎にある O そこでま 健康を保障する適切な蛋白質摂取量,アミノ酸バランス ずFAO/WHO/UNUの算定法の概略を述べ,次に日 。 のとれた食事があるに違いない II) 本の算定法,および P e l l e t e2) か最近, i l l . 小児の蛋白質所要量算定法 アメリカ合衆国 の小児に対して提案している算定法について概略を示す。 1) FAO/WHO/ UNU報告 ( 1 9 8 5) 日本人のための栄養所要量 5)とは,健康の保持増進の FAO/WHO/UNU報告 7 )では,小児の窒素必要量 ためと,小児で、はさらに健全な発育発達のために必要な を窒素平衡維持量と成長のための必要量に分けて算出し, 各栄養素の摂取量の目安を,年齢別,性別,生活強度別 これに 2SDをプラスして安全摂取量としている。 1日あたりの数値で示したものである。それぞれ年 して決めている。栄養必要量は個人によっても,状況に O .75~ 1歳児の算定例 13) を以下に示す。 A B C D E F [ 1 2 0+( 3 0x1 .5x100/70)]x1 .2 9x6 . 2 5; 1 0 0 0 よっても異なるが,栄養所要量の本来の目的は集団を対 =1 .48g/k g/ d 象としたものであり,年齢,性か閉じグループ別に個人 A 窒素平衡維持必要量:1 2 0 m g/k g/ d 差を考慮して,グループのすべての人の必要量が,なる B 窒素増加量:30mg/kg/d べく満たされる範囲を目標として,その量が決められて C 成長に必要とする増加分,理論的に計算された窒素 に , 齢別,性別の平均体位(身長,体重)を持つ人を基準と 蓄積量の 50% 増 :50% いる。わか国の栄養所要量は,栄養発育状態の実情や栄 養学の新しい知見に対して,厚生省審議会により約 5年 D 全卵および牛乳の利用効率:70% 毎に見直しか行われ, 1 9 8 9年 1 0月に発表された第四次改 E 2SDプラス(変動係数 14.5%):29% 定か最新のもである。第四次改定 5) では成人病の予防な 0 0 0で除して m gを g F 窒素量を蛋白質に変換, これを 1 どの目的で,個人を対象にしたものが必要だという社会 に変換 の要請に応えて,個人にも適用できるように考慮されて このようにして算定された小児の蛋白質安全摂取量は表 いる。 1に示す通りである。 2 ) 日本 蛋白質についても蛋白質に関する栄養学の進歩に伴っ てその方策が検討され,改定毎に内容が改められている。 日本における成長期の算定法は,成人の場合と同じ方 (2) ﹁ ハ U υ h ηベU 平野:小児の蛋白質所要量 表 1 小児の蛋白質所要量 ( FAO/WHO/UNU)* a 年齢 b bx1 .5 窒素増加量 維持量 d c; .0 . 7 C e a+d 所要 量 eX6 . 2 5/1 0 0 0+2SD ャ ー ・町 Nmg/k g/d 9 6 4 7 3 5 1 5 9 8 1 2 0 1 2 0 1 2 0 1 1 9 1 16 1 1 1 0 29mo 3 59mo 6 1 19mo 1Y 5Y 9Y 蛋白質 g/kg/d 1 4 4 7 0 5 1 2 5 1 3 1 2 2 0 6 1 0 0 7 3 3 6 1 9 1 7 3 2 6 2 2 0 1 9 3 1 5 5 1 3 5 1 2 8 20 0 1 .7 3 1 .5 1 1 .2 1 1 .0 5 1 .0 0 *Am.J.Clin.Nutr.51,723-37,(1990) 表 2 小児の蛋白質所要量(日本) 女 男 年齢 体重基準値 漸減値 ( k g ) (g/k g ) 2 3 4 5 1 0 . 9 5 1 3 . 2 4 1 5 . 0 4 1 6. 9 7 1 9 .0 4 2 . 9 0 2 . 7 2 2 . 6 4 2 . 5 7 2 . 4 9 31 .8 3 5. 9 3 9 . 6 4 3 . 6 4 7 . 4 6 7 8 9 1 0 2 1 . 3 5 2 3. 8 5 2 6 . 7 0 2 9 . 7 6 3 3 . 2 1 2 . 41 2 . 3 5 2 . 3 0 2 . 2 1 2. 1 2 1 .5 5 5 6 . 0 1 .4 6 6 6 . 1 7 0. 4 (歳) 計算値 〉 (g/日 体重基準値 漸減値 ( k g ) 3 0 3 5 4 0 4 5 5 0 5 5 6 0 6 5 6 5 7 0 所要量 (g/ 日) (g/k g ) 計算値 (g/日) 所 要量 (g/ 日) 1 0 . 3 5 1 2 . 7 4 1 4 . 7 0 1 6 . 6 9 1 8 . 7 8 2 . 9 0 2 . 7 2 2 . 6 4 2 . 5 7 2 . 4 9 3 0 . 0 3 4 . 7 3 8 . 8 4 2 . 9 4 6 . 8 3 0 3 5 4 0 4 5 5 0 2 1. 0 4 2 3. 4 4 2 6 . 2 4 2 9 . 5 0 3 3. 5 4 2 . 41 2 . 3 8 2 . 3 1 2 . 2 2 2 .1 1 5 0 . 7 5 5 . 8 6 0 . 6 6 5 . 5 7 0 . 8 5 0 5 5 6 0 6 5 7 0 式で算定されているので,まず成人の算定式 5)を以下に x6 . 2 5; .1 0 0 0=2 . 9 1 0 示す。 A 良質蛋白質の平均窒素平衡維持量 :1 4 4 m g/k g/d A B C • D B 体重維持のための卵蛋白質利用効率:70% C 体 重 1k g当たり 1日当たり窒素蓄積量:2 1 .9 m g/k g 0. 6 4x1 0 0/8 5x1 .1 x1 .3= 1 .0 8 g/kg/d /d D 窒素蓄積のための卵蛋 白質の利用効率:4 0% A 良質蛋白質の平均窒素平衡維持量(平均蛋白質必要 量):0 . 6 4 g/k g E ストレスに対する安全率.1 0% B 日常摂取蛋白質の 良質蛋白質に対する相対的利用効 F 日常摂取蛋白質の卵蛋白質に対する利用効率:80% 率 :85% C ストレス等に対する安全率:1 0% G 個人差による安全率:30% D 個人聞の変動係数の 2倍 :15%x2=30% すなわち,成人の蛋白質所要量は 1 . 0 8 g/k g/dで、ある。 窒素量を蛋白質に変換, 次ぎに, これを 1 0 0 0で除して m gを gに変 換。この ようにして算定された 1歳児の蛋白質所要量 は 2 . 9 g/k g/dてある。 1歳児について, Hungらか測定した 1歳 児 の全卵および牛乳蛋白の利用効率の数値を用いて,成人 2歳以降成長期については, 1歳児の 2 . 9 g/k g/dと の場合と同じ方式で算定している。ただし小児の場合は 2 0歳の1.0 8 g/k g/dの数値の聞に,年齢か進むにした 成長のための必要量か加えられている。以下に算定式14) がう漸減曲線を,栄養調査成績を参考にして描き,表 2 を示す。 に示すように体重 1k g当たりの蛋白質所要量を推定て算 A B C D E F G 定している。これを用いて年齢別,↑生別の平均体重によっ ( 1 4 4x1 0 0/70+21 .9x1 0 0/4 0 )x1 .1x1 0 0/8 0x1 .3 て成長期の蛋白質所要量を計算し, (3) これをさらに円滑化 -3 0 6- 人間福祉学 表 3 小児の蛋白質安全量 (USA)* b :NPU axO. 9 a s c o r e 年齢 1 .0 0 0. 8 1 0 . 7 8 0. 8 2 0 . 9 9 0 . 9 9 1 .0 0 1 .0 0 0 2 . 9 m o 3 5. 9mo .9mo 6 11 .9y 1 -1 2 3 . 9Y 4 5 . 9Y 6 7 . 9Y 89 . 9Y 甲 C d;安全量 FAO/WHO/UNU c ; . b 念$ g/kg 2. 0 0 1 .7 3 1 .5 1 1 .2 1 1 .1 2 1 .0 5 1 .0 2 1 .0 0 0. 9 0 0. 7 3 0 . 7 1 0 . 7 4 0 . 9 0 0. 9 0 0. 9 0 0 . 9 0 2 . 2 2 2 . 3 7 2 . 1 3 1 .6 4 1 .2 4 1 .1 7 1 .1 3 1 .1 1 *Am.J.Clin.Nutr.51 .7 2 3 3 7( 1 9 9 0 ) **NPU :Ne tP r o t e l nU t i l i z a t l o nの略 e l l e tの策定したアミノ酸評点パタ ーン・ 表4 P ヒスチジン イソロイシン ロイシン リジン ‘ メチオニン+シスチン フエニノレアラニン +チロシン スレオニン トリフ。トファン ノぐリン 2-5歳用 1歳用 アミノ酸 1 7 0 3 3 6 5 4 0 4 3 2 1 9 5 5 2 5 2 5 2 7 5 3 6 9 m g /gN 1 6 9 3 3 8 5 0 4 4 3 4 2 1 7 5 0 3 2 4 8 7 4 3 5 0 10-12歳用 牛乳 1 6 9 3 3 2 5 0 1 4 3 4 2 1 6 5 0 2 2 4 9 7 4 3 5 1 1 6 9 2 9 4 5 9 4 4 8 8 2 0 6 6 3 8 2 7 5 8 8 4 0 0 * A m.J.C l i n .N u t r .5 1,7 2 33 7,( 1 9 9 0 ) 表 4はP e l l e t tが用いたアミノ酸スコア算定用評点パタ ー し,年齢別,性別の蛋白質所要量として定めている。 ヘ 3 ) アメリカ合衆国 C P e l l e t t,PL) Pel l e t t l ) 2は,アメリカ合衆国の平均的食事のアミノ 酸組成と消化率を考慮して, ンである l • アメリカ合衆国の 1日の蛋白質安全量は,生後 1年 間 FAO/WHO/UNU /k gから青年の 1g/k gの間にある。 の 2g ( 1 9 8 5 )報告の値を修正し,これをアメリカ合衆国の小 図 2は日本 5) とFAO/WHO/UN U( 1 9 8 5 ) 報 告 7) 児の蛋白質安全量として示している。つまりアメリカ合 とアメリカ合衆国 12) の小児の蛋白質所要量を比較しもの 衆国の平均的食事の実態調査から導いた年齢別アミノ酸 である 。 日本は他の二つに比べてかなり高値である。ま . 9を掛けた値を正味蛋白質利用率とし, スコアに消化率0 た表 5に 1歳児の蛋白質所要量の変遷の一例を示した へ /WHO/UNU( 1 9 8 5 ) 報告の値 を 除 し この値で FAO 9 5 9年の栄養所 年代とともに減少している。わが国では 1 1九尚, 一 般 に ア ミ ノ 酸 ス コ て 算 定 し て い る ( 表 3) 5 g,女児4 0 g,1 9 7 5年は男児3 5 要量では 1日当たり男児4 ア 6) は,食品蛋白質の必須アミノ酸のうち,算定用評点 g,女児3 0 g,1 9 7 9年 16) からは,男女児とも 3 0gと徐々に パタ ーンと比べて最も不足しているア ミノ酸,すなわち 減少し,その後は現在まで変わっていない。 第一制限アミノ酸の充足率(%)である。次式により算 I V . 蛋白質所要量算定をめぐる問題点 出される。 1)乳児の蛋白質所要量について 食品蛋白質の第一制限ア ミ ノ 酸含量(昭/gN) アミノ酸スコア= アミノ酸スコア評定パタ ーン当該アミノ 酸含量 ( 昭/g N ) わが国乳児の蛋白質所要量は 0 . . 2カ 月 児 で は 3. 3 g . . -6カ月児では 2 . 5 g/k g, 6. . 1 2カ月児では /k g, 2- (4) L -307- 平 野 :小 児 の 蛋 白 質 所 要量 表 5 小児の蛋白質所要量 の 変 遷 (1歳 児 Y 年代 ←ー→日本 o oUSA X Source 蛋白質 g/kg X FAO/WHO/UNU 1 9 4 8 1 9 5 7 1 9 6 4 1 9 6 5 1 9 6 8 1 9 6 9 1 9 7 3 1 9 7 4 1 9 8 5 言3.0 質 所 霊2.0 (g/kg /日〉 1 . 0 USA FAO USA FAO/WHO USA UK FAO/WHO USA FAO/WHI/UNU 3 . 3 2 . 0 2 . 5 1 .1 1 .8 1 .3 1 .2 7 1 .3 5 1 .2 1 * J.N u t r i t l o n .1 1 6 .1 3 6 41 3 7 0( 1 9 8 6) 喧 的に窒素出納の測定に基ついている。しかし,窒素出納 法には,限界かあることか指摘されている 17)18)19)2九 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 年令(歳〉 窒素出納法は 「 摂 取 窒 素 量」 と 「尿,糞およひ汗に排 池される窒素量にその他の経路による少量の窒素損失量 図 2 小児の蛋白質所要量比較 を加えたもの」との差を測定するものである。そしてこ 3 . 0 g/k gで、ある。これらの値は,先に図でも示したよ の値か正の時は体内に窒素か蓄積されたことを示し,負 うに先進諸国の値に比べて著しく高いという批判があ の時は体蛋白質か分解,排池されていることを示す。発 る l}2) 。 B eatonと Chery4)は FAO/WHO/UNU 育期は通常,窒素出納は正を示し,消耗性疾患などでは ( 1 9 8 5 ) の値でも高すぎるとし, 3, _ .4カ月児に対し1.1 負を示すことが多い。正常成人では窒素出納はほぼセロ 土0 . 1 0 .2g/k gが最も適切であると報告している。もっ となる。この時窒素出納は平衡を維持しているという 21)。 ともこの結論に対して Millward3) は疑問 を 投 げ か け て 蛋 白質所要量算定の基礎になっている窒素平衡維持量 いる。 の限界として述べられていることは以下の点である。 FAO/WHO/UNUやアメリカでは母乳晴育を基準 * 体内窒素の体外への損失量のすべてを測定すること にして決められているが,わが国の所要量は現行の育児 は不可能である。したがって摂取量と損失量か等しく 用ミルクや離乳食で晴育された乳児の平均蛋白質摂取量 なる量か必要量であるとするなら,それは過少に算定 から求められている。このために,つまり育児用ミルク することになる。 * 窒素平衡は必ずしも体蛋白栄養状態を反映しない。 の場合は母乳に比 べて利用効率が低いために高くなって いる 13)。 しかしそれにしても,かなり高値である。 なぜなら, ところで,育児用ミルクの組成は母乳の粗化学的組成 この方法によって組織蛋自の分布や,体内 の蛋白含量を明らかにすることはできない。 を模倣し,栄養所要量を参考にして決められている。栄 * 窒素平衡は食事蛋白質の摂取量ならびにその質以外 養所要量と成分組成とが互いに影響しあうといった今日 に,エネルキー摂取量ならひに消費量,食事組成,対 の状態が続くかぎりミルクの蛋白質濃度あるいは乳児の 象の栄養状態,生理状態,病理状態,感染などによっ 。 蛋白質所要量の変更は出来ない 1) て変化する。したかつて窒素出納の成績だけで食事蛋 最近,竹迫ら )は蛋白質濃度を1.63g/d lに 下 げ た 白質の必要量とすることはできなし、 1)2 試作乳汁で乳児を晴育し,発育その他に問題かなかった *窒素平衡は低蛋白摂取量に適応する現象かあらわれる。 という結果を得,乳児の蛋白質所要量として 2カ月児ま 生体は摂取する蛋白質量に応じ,尿中窒素排/世量を調 .0+0.2g/k g, 2, _ .6カ月児は 2 .4+0.2g/k g, 6 では 3 節し,窒素出納をゼロ平衡に維持することかできる。 , _ .1 2カ月児は 2 . 8+0. 2g/k gに下げる案を提唱している。 ある摂取量の範囲内て,蛋白質摂取量か減少しただけ 今後,検討が続くと思われる。 排池窒素量も減少する 7) ヘ 2 ) 窒素出納法に関して 体蛋白質は常に分解と合成を繰り返し,食事性のア 1歳以降成長期の蛋白質所要量の算定は直接的,間接 ミノ酸と交替しながら定常状態を維持している。窒素 (5) F ハ 6 n u ベ nυ 人間福祉学 平衡維持量以下の蛋 白質摂取に適応すると,体蛋白質 かあることが知られている。したがって, の代謝回転速度は減少し,体蛋白質は蛋白質摂取減少 タミンなと他の栄養素と関連して食事蛋白質の質や利用 に見合う新しい定常状態に到達する。ただし,摂取量 効率について考える必要かある O また蛋白質はその質的 かより減少すると,適応の限界を越え栄養失調を起こ 違いによって,それぞれ異なった有効性を示す。例えは いついには死に至る。したかつて蛋白質必要量の測 動物性蛋白質は血圧上昇抑圧作用がある 紛ことや, 免疫 定に関して重要な問題は,との程度適応できるかとい 能におよほす作用か,蛋白質の種類により大きな差かあ うことである O また,低蛋白摂取と高蛋白摂取におけ ることか報告されている 2九 蛋 白 質 の 質 に つ い て は , 窒 る定常状態の聞に,機能的な違いかあるかとうか,さ 素の体内蓄積のみにより判定する従来の方法は再検討す らに最適の機能を維持できる損失の程度などか, 明ら へきであるという意見がある。 かにされていない事である。 4)エネルギー必要量と蛋白質必要量の相互関係に関し *また最近 Youngl 仰)らは,安定同位元素を用いたア て ミノ酸酸化法により,成人のアミノ酸必要量を測定し, 現在認められている値は低すぎると述べた。これはそ ミネラルやビ 蛋白質代謝はエネルキー摂取量によって影響されるこ 0年の聞に知られるようになった 2九 とが,最近 1 の後窒素出納法によって測定された値の妥当性につい 蛋白質合成と分解の過程はエネルキーか必要であり, て疑問と議論を巻き起こしたヘ エネルキー摂取量は食事蛋白質の利用に影響を与える。 以上のように窒素出納法による蛋白質所要量の理論的 蛋白質必要量と関連してエネルギー摂取量が重要なのは, 背景には,なお問題か残っている。 窒素出納を必要量の尺度としているからである。窒素出 3) 食事蛋白質の利用効率について 納はエネルギー摂取量によって変化する。井上ら仰は, 蛋白質所要量算定に際し,次きに問題になるのは,食 適正エネルギー摂取量で,卵蛋白質の窒素平衡維持量か, 事蛋白質の利用効率がどの程度であるか,よくわかって 0 . 6 5/k g/dで、あったのが,より高エネルギ ー摂取量で いないことである。 9つの必須アミノ酸の必要量か食事 は0.46g/hg/dで、窒素平衡を維持することかで、きたと から供給されなけれはならなし 1。したかつて蛋白質の質 c a l当 たり 1" " '2mg 報告している。付加エネルキ - 1k は,そのアミノ酸組成て規定される。健康や発育が保障 の窒素保留効果があるといわれている 7)。一般に 摂取エ されるためには,食事の蛋白質量か適当であると同時に ネルギ ーか十分であれは,蛋白質は少量で足りるとされ, アミノ酸バランスがとれていることが重要で、ある。動物 蛋白質の節約作用として,糖質については古くから知ら 性蛋白質の多くは必須アミノ酸を十分に含んでいるか, れていた現象である紛。ただし,食事蛋白質が極端に少 ヒトのアミノ酸必要量に適合するアミノ酸パターンを持 なすぎると,摂取エネルギーを付加しでも,窒素出納の つために,質か高いとされている 。そして質の低い 蛋白 改善は見られなしザヘ健康が保障されるためには, 質は利用効率も低いという証拠が示されている 2ヘまた, 程度以上の蛋白質か必要であることはいうまでもない。 蛋白質所要量の基準となる最少蛋白質必要量は,適当量 一方エネルキー摂取量が少ない場合は,蛋白質の利用か の必須アミノ酸を含み,かっ消化吸収率の高い蛋白質に 低下する。 ある Iyengarら31) は,就学前 の小児を対象に蛋白質は安全 対するものである。これに相当する蛋白質として, FAO/WHO/UNU( 1 9 8 5 )報告では,以前の卵蛋白 量で,エネルキー摂取量のみを変えた食事を与え,窒素 質か最高であるという考え方から,卵の他に牛字し牛肉, 出納値に及ぼす影響を調べ, 1 .7 5 g/kg蛋白質摂取量で, 魚など動物性蛋白質を一括して良質蛋白質とみなしてお 4 0 m g/k g窒素保留のためのエネルギー最少必要量は, り,蛋白質の質の評価が変わってきている 24)。 一 般 に 蛋 3 2 6 . 2 + 4 5 . 4 k j/k gで、あり ,これ以下では安全量とされ 白質の栄養学的な質は,幼若ラットを用いた成長や窒素 ている蛋白質摂取量は不適当であると述べている。この 保留量についての研究から,間接的に測定されている。 ように,蛋白質と同時に摂取するエネルギーか,蛋白質 このような手法は, ヒトのア ミY酸必要量を満たす蛋白 所要量決定に重要な役割を果たすことが認識され,わが 質の質についての概算値を与えるに過きないとして,蛋 国の第四次改定では,維持エネルギー摂取条件を考慮し 白質の質を評価する方法を検討する必要があることか指 て算定されているヘしかし,エネルギー摂取量がどの 摘されている 2九いずれにしても,現在は,蛋白質の利 程度不足すると蛋白質の利用に影響がおよぶのか,また 用効率は必須アミノ酸の含量と,蛋白質の消化性で考え エネルギーか不足しでも, 一定量の蛋白質を補足すると られているか,仔'tJえば鉄の利用率は,動物性蛋白食品に 蛋白質必要量か充足できるのかなど,蛋白質必要量をエ 含まれる鉄と,植物性蛋 白食品に含まれる鉄とでは,差 ネルギ ー摂取量と関連して利用できる情報は少ない。そ (1 6) ハヨ ハU ηぺ υ 平野:小児の蛋白質所要量 表 6 性別年齢別 1日エネルキーおよひ蛋白質摂取量 エネルキ ー摂取量 蛋白質摂取量 性別 年齢 男 1歳 3歳 4歳 5歳 1 02 2 . 3+1 4 7 . 9 1 4 2 4 . 8+2 6 1 . 7 1 3 3 6 . 4+3 5 6. 4 1 4 64 . 3+4 0 4. 1 1 08 . 7 + 2 0 . 6 1 03 . 7+1 8 . 6 8 4 . 7 + 2 2 . 8 91 .0+26.3 3 84+9.2 3 7 . 6+6. 9 3 9 . 9+1 02 41 .4+8.7 1 1 9 . 4+3 3. 0 9 7. 8+1 9 . 4 91 .3+24 . 2 8 7 . 5 + 1 8 . 6 女 1歳 3歳 4歳 5歳 9 7 8 . 9+1 3 7 .1 1 3 3 0 . 7+2 3 5 . 6 1 4 31 .6+387.5 1 3 3 9 . 0 + 3 2 9 . 1 1 1 2.5+30. 8 1 0 3 . 6十 2 7. 5 9. 1 9 9 . 6十 2 9 2. 3+25. 4 3 1 .0+9. 0 3 6 . 1 + 6 . 6 4 0 .6+1 0 . 2 3 9 . 5+8 . 5 1 0 9. 9+3 0 . 3 9 6 . 5+2 3 . 9 9 7 . 4+2 7. 5 8 7. 3+2 2 . 2 1 3 1 7. 8+359. 1 97.6+26. 6 3 8 . 7+9 . 2 9 6 . 4+2 65 全対象 kc a l/d 高エ不ルキー高蛋 白食 ( 80%) g/d 充足率% 表 7 エネルキーと蛋 白質摂取配分パターン別身長 ・体 重比(%)・ 低エネ ルギ ー低蛋白食(142%) 高エネルキー中蛋 白食 ( 105%) 高エネ ルキー低蛋 白食 ( 11%) 中エネル ギー高蛋 白 食 (75%) 中エネ ルギー中 蛋白 食( 347%) 充足率 % 低蛋 白食 低 エネ ルギー中蛋 白食 (1 19%) 中蛋白食 高蛋白食 8 6 . 3+6 . 2 9 5 . 6+1 0. 8 高エネルキ ー食 1 04 . 1+4 . 9 1 02. 0+1 0. 51 0 0 . 5+9 . 2 低エネルキー食 1 01 .6+1 0. 0 9 6 . 4+8 . 4 5 中エネルギー食 1 0 4 . 0+7 . 5 99.4+8. 低エネルギ ー高蛋向 食 (07%) 中エ不ルキー低蛋 白食 (114%) 図 3 蛋白質・エネルギー摂取配分パ ター ン別頻度 *身長・体重比二個人の体重/性別,年齢別身長適正体 重 x1 0 0 1 0 0を標準値とし,数値の大きいほど肥満傾向,小さい ほど痩せ傾向を示すとした。 こで我々は,現在のわが国の幼児の蛋白質摂取量の実態 示すように, I 低エネルギ ー ・ 低蛋白食J ,I 中エネルギ-・ を調査し,エネルギー摂取量 との関連を検討した。 ,I 高エネルギ ー・ 高蛋白食」群ではほほ標準 中蛋白食J 値を示した。これに対し,エネルキーか多く蛋白質か少 V. 幼児の蛋白質摂取量の実態ならびに所要量の 検討 ーエネルギー摂取量と関連して- ない 「 高エネルキ ー・ 低蛋白食」群では肥満傾向か見 ら れ,反対にエネルキ ーか少な く蛋白質が多い 「 低エネル 対象は 1 5歳児4 3 8名である。身長,体重の平均値 ギー ・高蛋白食」群では痩せ傾向か見られた。エネノレキー は厚生省値 ( 1 9 9 0 ) 以上で良好な発育であった。 エネル か多く蛋白質か少ない摂取パ ターンでは,エネルギー の ギーおよび蛋白質摂取量の平均は,所要量(第四次改定) 蛋白質節約作用とともに,エネルキー摂取量か,蛋 白質 とほとんど差かなかった〈表 6)。蛋白質摂取量とエネ 代謝に必要とされる 量 よりも過剰になり肥満を招くので ルギ ー摂取量との相互関係を検討するために,蛋白質, はなし、かと思われた。高 エネルギー ・超低蛋白食事を摂 エネルギ ー摂取量の両値を,それぞれ所要量に対する充 取している人々では,体脂肪が増加しているという報告 足率によって低 (80% 未満),中 (80% 以上 120%未満), かある 23)。 高 ( 120%以上〉の 3群に分類し,低,中,高エネルギー 食事エネルギー の過剰摂取は肥満を招 くこと,反対に 摂取の 3群と低,中,高蛋白質摂取の 3群を組み合わせ 食事エネルキ ーか不足すると,痩せを招 くことはよ く知 て 9つの摂取配分パターン群を作り,各群の身長・体重 られているか,その他に低エネルキ ー摂取では,高蛋白 比を比較した。 摂取でも窒素出納か負にな ってしまうこと が観察されて 普通の食事では, エネ ルギ ー摂取量か少なければ蛋白 いる 3ヘ また,食物を摂取すれは,エネルギ一代謝か冗 質も少なく,また反対にエネルギー摂取量か多くなれば 進する特異動的作用 〈 産熱効果)がみられるか, この現 高エネルギー ・低蛋白食」 や 蛋白質も多くなるので, I 象は,蛋白質を摂取した時に,最も大き くなることか知 「低エネルギー・ 高蛋白食」という組み合わせは少なかっ られている 紛 。 したかつて,蛋 白質摂取量か多い時は, た(図 3)。摂取配分パターン別身長・体重比は表?に エネルギーの必要量か高まり,エネルギ ー摂取量か蛋白 (7) - 310- 人間福祉学 代謝に必要とされる量よりも少なくなり,痩せ傾向か生 1 2 )P e l l e tP L,Proteinrequlrementsi nhumans, するのではなし、かと思われた。いずれにしても食事蛋白 A mJC l i nNu t r,5 1,7 2 3 7 3 7( 1 9 9 0 ) 1 3 ) 岸 恭一,成長期のタンパク質必要量,必須アミノ酸 質の利用はエネルキー摂取量に影響されることを確認し o . 11 9,5 9( 1 9 8 8 ) 研究, N f こ 。 1 4 )川村信一郎 , 栄 養 一 所 要 量 と 摂 取 量 一,三共出版, V I . おわりに 1 7 8 1 7 9( 1 9 8 2 ) 以上,小児の蛋白質所要量の算定方法とその決め方を i s t o r yo fenthusismf o r 1 5 ) CarpenterK J,Theh 1 6,1 3 6 4 1 3 7 0( 1 9 8 6 ) p r o t e i n,JNutrltion,1 めくって問題点かあること,現在もなお議論か続いてい ることを述べた。しかし,当面,わが国の小児の蛋白質 1 6 ) 厚生省保健医療局健康増進栄養課,第三次 改 定 日 本 所要量については,現行の体重 kg当たりの所要量を目途 人の栄養所要量,第一出版, 5刷り, 1 5 2 1 6 5( 1 9 8 5 ) にし,摂取エネルキーに過不足かないようにすることか, rD M ,Whole 1 7 ) YoungV R,Scrimshaw N S,Bie 正常な発育のために大切であると考える。 文 bodyp r o t e i nandaminoa C l dmetabolism:r e l a t i o nt op r o t e i nq u a l i t ye v a l u a t l o ni n human 献 9,4 4 0 4 4 7( 1 9 81 ) n u t r i t i o n,JAgrlcFoodChem,2 1)守田哲郎,わが国乳児の蛋白質所要量の現状と問題 u t r l t i o n a l balance S t u d l e s: 1 8 ) YoungV R,N 点,日本小児科学会誌, 9 1,2 7 3 3 2 7 3 6( 1 9 8 7 ) i n d l c a t o r so fhumanrequirementsoro fadaptive 2) 竹迫憲次,乳児の蛋白質所要量に関する研究,日本 mechanisms?,JNutrltion,1 1 6,7 0 07 0 3( 1 9 8 6 ) 5,1 0 4 9 1 0 5 7( 1 9 9 1 ) 小児科学会誌, 9 e l l e t t P L,A 1 9 ) YoungV R,BierD M ,and P fi n 3) Mlllward D J,Protein requlrements o t h e o r e t i c a lb a s i sf o r increasing c u r r e n te s t i - 0,4 0 5( 1 9 8 9 ) f a n t s,A mJChnNutr,5 mates o f t h e amlno acidrequirements l n e q u i r e 4) Beaton G H and Chery A,Proteln r adultman,with experlmental support, A m J C l i nNutr,5 0,8 0 9 2( 1 9 8 9 ) mentso fi n f a n t s:areexaminahono fconcepts andapproaches,A mJChnNutr,4 8,1 4 0 31 41 2 2 0 ) Theu n i t e dnationsu n l v e r s l t y,Proteln-energy ( 1 9 8 8 ) requirementsandconditionprevailngi nd e v e l - 5)厚生省保健医療局健康増進栄養課監修,第四次改定 oping c o u n t r i e s :c u r r e n t knowledge and r e - 2 7 3( 1 9 8 9 ) 日本人の栄養所要量,第一出版, 5 n i t e d nations u n i v e r s i t y search needs, The u 6)菅野道虞,長修司,石橋源氏,女子大生の栄養学, world hunger programme food and n u t r i t l o n 8 6 0( 1 9 8 8 ) 槙書庖, 1版 4刷り, 4 b u l l e n t l nsuplement1 ,1 6 5( 1 9 7 9 ) 7) 井上五郎訳,必須アミノ酸研究委員会編,エネルキー・ t r i t i o n a lbalances t u d i e s: 2 1 ) JeeJeebhoyK N,Nu 蛋白質必要量:FAO/WHO/UNU 委員会報告,医 I n d i c a t o r sofhumanrequirements or adaptive 1 9 8 9 ) 歯薬出版 ( mechanisms,JNut r i t i o n,1 1 6,2 0 61 2 0 6 3( 1 9 8 6 ) ta l,Growth,n u t r i e n t 8) KashyapS,SchulzeK,e u t r i 2 2 ) YoungV R,Protein metabohsm and n r e t e n t i o n,andmetabohcresponsel nlowb i r t h t i o n a ls t a t ei nman. ProcNu t rs o c .4 0 .3 4 3 3 5 9 weighti n f a n t sf e dvaringl n t a k e so fp r o t e i nand ( 1 9 8 1 ) 2 3 ) 木村修一,小林修平翻訳監修,最新栄養学(第 6版) energy,JPediatr,1 1 3,7 1 3 7 2 1( 1 9 8 8 ) n t a k e 9) CarraroF,WolfeR R,High-protein i a l t e rt h eresponseo ff a s t i n gi nnormalhuman 一専門領域の最新情報-,建吊社, 1 0 7 1 2 5( 1 9 9 1 ) 2 4 )‘井 上 五 郎 , た ん ぱ く 質 , 臨 床 栄 養 , 7 5,6 8 2 6 8 8 ( 1 9 8 9 ) s u b J e c t s,A mJC l i nNutr,5 5,9 5 9 9 6 2( 1 9 9 2 ) ta l,Human 1 0 ) MillwardD J,JacksonA A,e 2 5 ) 小川博,村上哲郎,食質による脳血管障害発症抑制 amino acidand p r o t e l n requirements :c u r r e n t へのアプロ ー チ -SHRSP の 栄 養 実 験 か ら 蛋 白 質 の dilemmasandu n c e r t a i nt i e s . Nut r it i o nReserch 有効性を探る一,医学のあゆみ, 1 5 8,8 0 3( 1 9 9 1 ) 2 6 ) 山口賢次,免疫能とタンパク質,必須アミノ酸研究 0 9 1 3 2( 1 9 8 9 ) Revlews2,1 N o . 11 9,2 0 2 5( 1 9 8 8 ) e l l e t tP L,Proteini n t a k eand 1 1 ) YoungV R,P requirementswithr e f e r e n c ed i e tandh e a l t h,A m 2 7 ) Chiang An-Na, Huang Po-Chao, Excess JC l i nNutr,4 5,1 3 2 3 1 3 4 3( 1 9 8 7 ) energyandnitrogenbalancea tp r o t e i ni n t a k e s (8) -3 1 1- 平野:小児の蛋白質所要量 abovet h erequirementl e v e l l nyoungmen,A mJ metabolisms t u d i e dwith [ l c Jl e u c i n eand(α- ChnNu t r4 8.1 0 1 51 0 2 2( 1 9 8 8 ) N)l y s i n e:responsei nh e a l t h yyoungmeng i v e n 2 8 )井上五郎,タンパク質の栄養,栄養学読本,からだ 03 5( 1 9 7 0 ) の科学増刊, 3 2 9 )井上太郎,栄養素の小児栄養学的意義,新小児医学 579( 1 9 8 6 ) 大系 3巻 A (小児栄養学 1),中山書活, 5 e x c e s s energy i n t a k e,Metabolism,3 0,7 8 3 7 9 1 ( 1 9 8 1 ) 由 3 1 ) IyengerA K,NarasingaRao,Nitrogenb a l ancei nIndianpreschoolc h i l d r e nr e c e iv i n gt h e 3 0 )MotilK J,BierD M,MatthewsD E,BurkeJ E,YoungV R,Wholebodyl e u c i n eandl y s i n e s a f el e v e lo fp r o t e i na tvaryingl e v e l so fenergy, BrJNu t r4 6,2 9 5 3 0 0( 1 9 8 1 ) (平成 4年 1 0月1 2日受理) Summary Therei sc o n t i n u i n gc o n t r o v e r s yaboutt h ed e s i r a b l el e v e l so fi n t a k eo ft o t a lp r o t e i ni nhumans. Thist h e s i si sw r i t t e naboutproblemso ft h erecommendedp r o t e i nallowancef o rc h i l d r e n . Thec o n t e n t sa r easf o l l o w s: 1 .N u t r i t i o n a lv a l u eo fd i e t a r yp r o t e i n. n .Themethodologyofassessmentoftherecommendedproteinallowanceforchildren. i l l .G eneralp r i n c l p l e sf o ra s s e s s i n gp r o t e i nallowanceandt h eproblemsf o rthem. 1)Theproblemso ft h erecommendedp r o t e i nallowancef o ri n f a n t s 2)Nitrogenbalances t u d i e sandmaintenancer e q u i r e m e n t s . 3)Q u a l i t yandd i g e s t i b i l yo fp r o t e i n s . 4)P r o t e i n e n e r g yi n t e r r e l a t i o n s h i p s . I V .P r o t e i ni n t a k e sandrequirementso fpreschoolc h i l d r e n .re l a t i o n s h l pt oenergyi n t a k e s - (9)