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ロシア 紀行(第 3 回)
❇ ロシア 紀行(第 3 回) ルク港は、貨物船から降ろされたコンテナ や荷物は、鉄道及びトラックでロシア国内 へ輸送されています。 ロシアの港、空港事情 ちなみに極東にはナホトカ港とウラジオ ストック港の中間点にヴオストーチヌィ港 一般社団法人日本・ロシア連邦チュヴァ シ共和国友好協会の田村文彦です。 ロシアは確かに広すぎる国土を持ってい ます。西はフィンランド国境から東はカム が完成して極東の代表的な港として運営さ れ、極東、シベリア全域に陸路中心で輸送 されています。 黒海沿岸にもノヴオロシースク港があり、 チャッカまでありますが、全人口は 1 億 4 ロシア三大港として知られています。春、 千万人しかいません。そこで今回は貿易に 夏、秋の季節に限られており、黒海のノヴ 欠かせない港、空港事情についてご説明し オロシースク港から人口湖や、いくつかの ます。 運河を経由しカスピ海の北端まで移動し、 ボルガ河の上流を目指すこともできますが、 最大の港はサンクトペテルブルグ港 冬場の季節は大河そのものが凍りついてい 私は、フィンランド国境そばのサンクト るので、どうしてもサンクトペテルブルグ ペテルブルグ港からからウラジオストック 港やフィンランドの港に輸入品が集結して 港まで現地のありのままの姿を、この目で しまうのです。 確認して来ました。サンクトペテルブルグ 港に立って、港や沖合を見ると数えきれな いほどの貨物船が目の中に飛び込んで来ま す。 この港は全ロシアが輸入する貨物の 40% を取り扱っています。このおびただしい船 が停泊している光景は日常茶飯事です。 5 キロメートル先の対岸まで凍りついたボ ルガ河 余談ですが、カスピ海に行き、海水浴を しました。カスピ海は、外海の海より水面 極東の玄関であるウラジオストック港 が低く、海抜マイナス約 27 メートルで、流 れ出る川がありません。流入する川でカス ロシアと国境を接するフィンランドの港 は、世界からロシアへ輸入される貨物基地 と化していて、コトカ港、ハミナ港、トゥ ピ海の水面維持を特に保っているのが、ボ ルガ河です。ロシアで 5 番目に長い代表的 な河ですが、実は源流がモスクワ郊外から 始まるのです。全長は 3,690 キロメートル ブルグや、各地方都市及び観光地に足を入 で、最終地点がカスピ海なのです。 れる事をお勧めします。ビジネスにしても カスピ海の貯水量は、琵琶湖の 2,792 倍 観光にしても同じです。 あるそうです。日本全域の面積と思っても らえばわかりやすいかもしれません。中心 部で泳いで見ると塩分は少なめでしたが、 南部では塩分が濃くなります。 入国時より出国時に注意 モスクワには、シェレメチェボ国際空港、 ドモジェドボ国際空港、ヴヌコヴァ国際空 港があり、シェレメチェボとドモジェドボ には空港ターミナルまで鉄道が入り込んで いますので、できれば鉄道を利用し、市内 中心部まで移動されるよう私は勧めていま す。日本航空の場合は、成田空港から新潟 ~ハバロフスクの上空を通過して、モスク ワ・ドモジェドボ国際空港までのフライト です。この空港が一番利用しやすい空港で す。大韓航空の場合は、インチョン空港か 流れ出る川がないカスピ海 ら中国のゴビ砂漠の上空を経由してモスク ワ・シェレメチェボ国際空港となります。 格段に少ない日本人 ロシアへの入国はさほど問題はありませ モスクワには日本人が 1,500 人前後しか んが、ロシアから出国の際、私は良く呼び 滞在していません。今後、増えることにな 止められました。現金の場合は持ち込み上 るのでしょうが、なぜこんなに少ないのか 限が 1 万ドルで、出国時には 3 千ドルです。 寂しい気持ちにもなります。逆に日本から もちろん申告すれば別です。 見た場合、何でもできるチャンスと取って 頂いた方が良いかと思います。 私は心臓のカテーテル手術を行った 1 週 間後にモスクワへ旅立ったことがありまし ロシアを訪れる外国人で一番多いのがト た。入国は問題なかったので安心していま ルコ人(100 万人以上)です。二番目が中 したが、出国時に大きな警告のベルが鳴り 国人(70~80 万人) 、三番目がポーランド ました。メンバーの誰かが金属をバッグに 人(45 万人前後) 、四番目がフィンランド 入れているのだろうと注意をしました。み 人(40 万人前後)です。日本からは約 5 万 んなはその位置から離れました。しかし、 人ですので、格段の差です。ロシア人が日 警告音が鳴り続け、結局私だとわかりまし 本へ入国するのが、2 万人弱ですので、人 た。心臓部に入れたコイルだったのです。 的な交流もこれからというところでしょう。 証明書もなく慌てた事を思い出します。 ロシアを知るためには、まずモスクワを訪 *11 月第一週は、ロシアから重鎮達 21 名 問するべきでしょう。ロシアは日本以上に が来福し、経済交流を行うようにしていま 中央政権であり、全ての動きはモスクワか す。 ら始まります。その上で、サンクトペテル