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H27 年度機器・分析および実験・実習技術研究会参加報告

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H27 年度機器・分析および実験・実習技術研究会参加報告
H27 年度機器・分析および実験・実習技術研究会参加報告
○石川薫代 東京工業大学 技術部 すずかけ台分析支援センター
高橋久徳 東京工業大学 技術部 精密工作技術センター
1
はじめに
機器・分析技術研究会(以下 機器・分析)および実験・実習技術研究会(以下 実験・実習)は、全国の技術職員
による自発的な技術研究会である。東工大では全学集約間もない 2010 年に機器・分析を開催したことが記憶に新し
い。和田 選 氏が実行委員長を務め、各センターから実行委員を選出して組織し、技術部と東工大が実質の後援を
した。
発表者らは H27 年度より機器・分析および、実験実習の地域代表者委員を委任された。以下に、技術研究会とはど
のようなものであるかの説明と、地域代表者会議出席の報告を行い、機器・分析と実験・実習で発表したポスター発表
の内容にも簡単に触れる。
2
技術職員による「技術研究会」とは
2.1
全国の国立機関の技術職員が開催する技術研
究会は大きく分けて 3 種(図 1)
①
名称:機器・分析技術研究会
H7 年度(1995)に分子研で第1回独立開催。毎年開
催。
②
+
H17 年度(2007)鳥取大で第1回独立開催。隔年開催。
③
名称:実験・実習技術研究会
名称:総合技術研究会(以下 総合)
H14 年度(2003)東京大学で第1回開催。隔年開催。
2.2
機器・分析は任意団体
本旨と運営、組織については次の様である。(実験・実習
もほぼ同様であるため機器・分析のみ記載する。)
①
図1
全国国立機関の技術職員による技術
研究会の概略
本旨:文部科学省所轄の大学共同利用機関法人、国
立大学法人および独立行政法人国立高等専門学校機構に所属する技術系職員が技術研究発表、討論
を通じて技術の研鑽、向上を図りさらには相互の交流と協力により技術の伝承をもふまえ、わが国の学術
振興における技術支援に寄与することを目的として毎年全国各地の大学等において開催される。
②
運営:過去の開催校の実行委員長、将来開催を検討している機関の代表者等で構成されている「機器・分
析技術研究会地域代表者会議」により行われている。
③
組織:地域代表者会議と運営協議会(抜粋)
機器・分析技術研究会を開催した技術組織または実行委員会の代表者と、開催予定の技術組織等の代表
者。運営協議会の協議員は若干名とし、地域代表者会議の協議により選任され、地域代表者会議の重要
事項を審議する。
(大阪大学の Web ページ http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/tew/kikibunseki/ よ
り抜粋)
3
H27 年度機器・分析地域代表者会議につ いて
3.1
議事概要
地域代表者会議は、会期 2 日目の 11 日 12 時から山形大学工学部 C 教室で昼食をかねて開かれた。出席者
は、33 名で各大学・国立研究機関の代表とオブザーバーである。議長は本会実行委員長 佐藤 氏、他に運営
協議会委員の大阪大学 田中氏、同 三重大学 中村氏が務めた。始めに、名簿に従い委員の交代や新規委員
の承認、次いで前年度の北大総合の実行委員長 山口 氏から、機器・分析分科会として、開催総括と収支報告、
佐藤氏からは本会の出席人数などの現況報告、H28 年度開催予定の名古屋大学から準備状況報告と、議題に
従って型通りに進行した。
報告で特筆したいのは、次である。
①
北大での H26 年度総合において、田中氏(阪大)による、「機器・分析技術研究会 20 周年祈念特別講演」
で、当分科会が他分科会より圧倒的に多くの聴講者を集めた。
②
本会が、前日からの大雨による交通障害により、参加登録数 206 名のうち 35 名程度が参加できなかったが、
このような場合の参加費の払い戻しなどの運営上の対策を検討した。
③
H28 年度開催の名古屋大学では、新しい試みとして技術職員の「国際化」と「設備・機器の共用化」をキー
ワードにしたセッションがあり、海外の技術職員の参加も計画されている。加えてノーベル賞を受賞した天
野氏の特別講演が決定した。
④
3.2
H29 年度以降の開催予定機関について報告と議論があり、詳細は 3.2 に記載する。
技術研究会開催予定
表 1 今後の開催予定
表 1 に今後の開催予
定を示す。なお、国立研
機関(3 研究所)で行わ
れている学術研究重視
の「技術討論会」も、歴
史ある技術職員固有の
研究会で相互に関連が
深く、近年分を参考とし
て記載した。表 1 では
H31 年まで開催希望校
図 2 今後の開催案内ポスター
の予定が埋まっている。
「総合」は H32 年度に東北大学が名乗りを上げている。現時点ではあくまで希望であるが、仮に東工大が実験・
実習を開催したいと表明しても H33 年度が最も早い開催年となりそうである。傾向として実験・実習は参加校が
多く、候補の中から開催校を決定するのに苦労するほどであるが、機器・分析は、積極的な開催希望が出てい
ない。理由として、実験・実習の内容は主に、学生実験や社会貢献・教育に関与する創意工夫で分野も多岐に
わたり、開催したい機関が多くなる。比べて機器・分析は、創意工夫や社会貢献では分野と発表内容が限られて
くること、加えて既に主要な分析機関のある大学が一通り開催済みということが挙げられる。地域代表者会議で
は、開催予定機関がポスターを持参して配り、広報する。図 2 に会議で配布された、今後の開催案内ポスターを
示す。
4
実験・実習地域代表者会議につ いて
実験・実習の開催は、表 1 に示すように 3 月 3 日〜4 日が会期であり、本要旨には提出期限の関係で記載できない
ため、ポスターで報告する。
5
H27 年度機器・分析発表参加報告、他につ いて
本会は、記録的な局所豪雨という悪天候のため交通機関が停止し、多くの参加者が米沢キャンパスにたどり着けな
かったというアクシデントに見舞われた。発表者は幸いなことに機器の見学を予定していたため、前日に約束より 1 時
間遅れながらも到着できた。10 日のポスターセッションでは「初めての利用者のために〜光散乱検出器システムを導
入して〜」と題する発表を行った。(写真 1)当センターで H25 年に多角度光散乱検出器
システム(Multi Angle Light Scattering System、 以下 MALS システム)を導入し、発表者
が管理者となったことから、利用講習の時に分かりやすい操作や測定のコツを提示したい
と考えた。ポスターセッションでは、京大で学生に化学実験教育を支援している技術職員
と意見交換をした。学生教育に対する熱意が感じられた。
同日に催されたキャンパス内の生協での情報交換会では、学長と工学部長の挨拶で始
まり、同じ日に企画していた学術会議は中止になったのに、こんなにたくさん集まった皆さ
んの熱意に敬意を表するという、技術職員へのエールがあった。山形の銘酒樽で鏡開き
のパフォーマンスで、会場は大いに盛り上がった。
その裏では実行委員が、悪天候で欠席となった多くの欠損を調整するべく奔走したとの
ことであり、アクシデントに対応する実行委員の苦労が忍ばれた。この奮闘の様子は、
http://kiki2015.yz.yamagata-u.ac.jp トップページおよび note-1 に詳しい。
写真 1 ポスター発表
また、山口大学で 3 月 3〜4 日に開かれる実験・実習では、さらにサイズ排除クロマトグラフィー(以下 SEC:Size
Exclusion Chromatography)-MALS と DLS の比較測定を行い、ポスター発表「光散乱検出器システム~初心者講習
のための SLS と DLS 基礎測定」で、具体例を示して説明する。今後もさまざまな測定例を示し、ユーザーが適正な測
定操作と正しい結果の解釈を導きだす一助としたい。詳細はポスターで紹介する。
6
まとめ
機器・分析の地域代表者会議では、H28 年 3 月の山口大学で実験・実習、同月の東大のプレ総合、同年 9 月に名
大で機器・分析、H29 年 3 月の東大での総合、同年 8 月長岡技科大主催の機器・分析、H30 年 3 月信州大での実験・
実習、同年 9 月秋田大の機器・分析、H31 年 3 月九大主催の総合と、今後の技術研究会を開催する大学が続々と名
乗りを上げて、各機関で実行委員会を組織している状況が報告された。
東工大では 2010 年に機器・分析を主催しているが、技術研究会という組織自体が任意団体であるためか、技術部と
しては、地域代表者という役目も「任意」扱いであった。今年度から、技術部の役割として地域代表者を位置づけるこ
とができ、参加報告もできた。東工大技術職員の皆様に、開催予定校のポスターを見てもらい、多くの人が関心をもっ
て発表や聴講参加されることを期待する。
今後は、地域代表者の位置づけとして、やる気のある者に立候補して選出することを提案する。また、各センターで
代表を決めて準備委員会を組織できることが望ましい。東工大が初めての「実験・実習」あるいは「総合」を開催するた
めに、地域代表者を継続して会議に送り、情報収集を行いつつ学内での開催気運を充実させていくことが鍵となる。
地域代表者の役割を果たすべく、さらに情報を全体に提供して、関心を持ってもらえるよう広報していきたい。
7
謝辞
地域代表者会議出席旅費の措置について審議し取りはからっていただいた、技術部長および福島センター長、技
術部委員会委員ならびに技術企画室に心より感謝いたします。
ポスター発表では、MALS 運用および測定技術に関し、東京工業大学 資源化学研究所 無機資源部門 石割文
崇 助教、および、昭光サイエンティフィック株式会社 理化学機器事業本部 営業部 鶴田英一 氏(Wyatt Tech.
社製品 セールススペシャリスト)、同 研究開発グループ(当時) 渡邉一輝 氏に多大なご協力およびご助言をいた
だきました。心より感謝いたします。
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