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週刊経済指標
週刊経済指標 経済の動きをグラフで見てみましょう。 毎週火曜日夕方発行 発行日 金上昇原油下落 : 2017/3/28 3月27日のNY金4月限は+7.2ドル高の21255.7ドル。トランプ米大統領の政策実現能力に対する懸念や、ドル安、 米株価指数先物の下落で年初来高値に接近した。ただ、ドル安一服や原油急落で上げ幅を削った。時間外取引を 1259.1~1245.5ドルのレンジで推移、前週末比9.6ドル高の1258.1ドルとなった。4月限は、安寄りしたが、ド ル安や米株価指数先物の下落をはやして反発に転じ、金曜高値(1251.9ドル:立会時間終了後の電子取引)や先週 高値(1253.3ドル)を突破した。先週金曜、トランプ米大統領がヘルスケア法案の下院採決を断念したため、選挙 公約の実現に対する懸念が広がり、逃避買いを誘った。 ただ、原油反落で上昇は一服した。 立会時間は、ドル安加速をはやして時間外取引の高値を突破し、2月27日以来の高値となる1261.0ドル(12.5ド ル高:1.0%)まで値を飛ばした。米下院の票が集まらず、最重要課題であるヘルスケア法案の採決を断念したため、 トランプ米大統領の政策実行能力に対する懸念が広がり、逃避買いを集めて年初来高値に接近した。 米10年債利回りの低下や米株価指数先物の下落も支援材料。ドルが反発、米株価指数先物が戻り歩調となったため、 利食い売りで1252.3ドルまで後退したが、原油の戻りで反発に転じた。英国のEU離脱交渉が始まることや、仏大統 領選挙を控えることから、押し目買いを誘った。 今日の材料 ・大口投機家の金の先物建玉は11万6252枚の買い越しに拡大。 ・大口投機家の銀の先物建玉は7万9112枚の買い越しに縮小。 ・1─2月の中国工業部門企業利益は前年比31.5%増の1.01兆億元。 ・2月の中国サービス部門の貿易赤字は176億ドルに縮小。 ・中国上海総合指数は前週末比2.49安(0.08%)の3266.96。 ・3月の独IFO業況指数は112.3に上昇、予想の111.0を上回る。 ・ECBラウテンシュレーガー専務理事、成長見通しは良好、予想が実現すれば政策スタンス変更に関する協議を促す と指摘。 ・ECBプラート専務理事、ユーロ圏経済成長は継続、刺激策なお必要と発言。 ・ECB理事会メンバーのスメッツ・ベルギー中銀総裁、金利や資産買い入れプログラム、フォワード・ガイダンスを 含め、金融スタンスはこれまでの決定通りとした。(つづく) - 1 - 27日のNY原油5月限は▲0.24ドル安の47.73ドル。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国が7月以降の協調 減産延長の可能性を示唆するも、引き続き懐疑的な見方は根強く、供給過剰が長引くのではとの懸念が重しとなった。 5月限は、夜間取引開始後に48.28ドルで頭打ちとなると下げに転じ、立会い開始後は下げ幅を拡大。26日にク ウェートで行われた減産順守監視委員会の閣僚会議でOPECと非加盟国が4月に開く専門家会合で減産の延長に関する 提案を策定する方針が決定され、減産合意の期限延長の可能性が高まるものの、市場の反応は極めて限定された。ロ シアのノバク・エネルギー相が、市場、在庫と米国と非OPEC加盟国の生産状況を評価するための時間がさらに必要 だとし、減産延長の判断は時期尚早との見方を繰り返すなか、減産延長でコンセンサスが固まっている状況にはない ことや、減産延長で合意に至っても減産順守に懐疑的な見方は根強く、需給バランスに大きな影響を与えることがで きるのかどうかも不透明なことが重しとなった。24日現在の米石油リグ稼動数は2015年9月11日以来の高水準とな り、原油価格の下落後も稼動数数の増加傾向に変化が見受けられず、先行きのシェールオイル生産の拡大観測も引き 続き嫌気され、一時、47.08ドルまで下押された。22日付けた期近ベースで昨年11月30日以来の安値(47.01ド ル)を一気に割り込めなかったことから、その後は持ち直したものの、戻りは限られた。 石油製品は続伸。序盤は原油につられ売り圧力に押されたが、その後は一転して買い戻されることとなり、ヒーティ ングオイル4月限は引け際にプラスサイドを回復し、改質ガソリン4月限は期近ベースでほぼ1週間ぶりの水準へ切り 上がった。 ブレント原油5月限は小反落。米市場に追随するなか、取引開始後に51.10ドルで頭が押さえられると下げに転じ、 一時、50.03ドルまで下落した。しかし、節目の50ドルを割り込まなかったことから、その後は持ち直した。 今日の材料 ・OPECと一部の非加盟国、減産延長を支持 ・クウェート石油相、減産延長にはすべての産油国の合意が必要。減産順守できなければ需給再均衡は後ずれも 50- 55ドルの原油価格は生産国には良い水準・ロシア・エネルギー相、 減産延長の判断は時期尚早・カタール・エネル ギー相、需給均衡はもうすぐ OPECは第3四半期も減産が必要 (日本先物情報ネットワーク) TOPICs 米国の経済指標 景況指数 2月のシカゴ地区購買部協会景気指数は57.4(予想:53.0)、前月は50.3。2月の米製造業活動は2014年8月 以来の速いペースで拡大した。受注や生産が伸びた。米供給管理協会(ISM)が1日発表した2月の製造業総合景況 指数は57.7と、6カ月連続の上昇。前月は56。2月の非製造業総合景況指数は、2015年10月以来の速いペースで 拡大した。 - 2 - 3月の米フィラデルフィア地区連銀業況指数は32.8(予想:30.0)、前月は43.3。3月のニューヨーク連銀製造業 景況指数(季節調整済み)は16.4だった。前月より▲2.3ポイント低下したが、5カ月連続でプラス圏の数値となり、 市場予測(14.5程度)を上回った。 米国家計の負債比率 24日米連邦準備制度理事会(FRB)により2016年第4四半期のThe Fed's Household Debt Service比率が公 表された。住宅ローン返済額や消費者金融の返済額を家計の可処分所得で割ったものである。 2007年Q4に負債比率は頂点(18.2%)に達していた。 2005年Q2に家計の住宅ローンの負債比率が消費者金融の負債比率を上回っている。 その後2013年Q1に住宅ローン負債比率は消費者金融負債比率を下回った。 3月の米自動車販売台数予想 好調を持続か 米国の自動車メーカーは、3月の自動車販売台数を4月4日に公表する。3月の販売日数は前年と変わらずの27日 だった。 WardsAutoは、米国の3月の自動車販売台数は17年振りに多い161万台と予想している。1日の販売台数では5万 9,776台で27日間の販売日数としては過去最大となり、これは昨年に比べると+2.6%多い。今年になって初めて昨 年を上回る販売台数となる。季節調整済み年間販売台数は1720万台となる。1月と2月は1740万台ペースだったの で、これよりは下回っているが前年同期は1660万台なので、これよりは良い。 JD Power and LMC Automotiveによれば、米国の3月の自動車販売は前年同月比+1.9%増だという。値引きが 過去最高水準にあるという。同社は、最初の16日間の売り上げから推定して、前年3月の159万台に対して+1.9% 増の162万台を予想している。季節調整済み年間販売台数は1730万台という。自動車販売は引き続き好調のようだ が、値引きは記録的となり、在庫は多い。 - 3 - 3月のテキサス州の製造業活動指数は強い 企業経営者が答えるTexas Manufacturing Outlook Surveyによれば、テキサスの製造活動は3月も9カ月連続 で操業が向上している。同州の製造業の状態を示す主要な指標である製造指数は+2ポイント上昇して18.6となり 生産活動が今月も良くなっていることを示している。 テキサスの製造業の活動状況を表すその他の指数も、新規受注指数は少し下落して9.5となったが、受注の伸び 率は3.2に上昇。3ヶ月連続の上昇だった。設備稼働率と出荷指数は、下がったがまだプラス圏内にあり、それぞれ 13.2と6.5だった。 より広範囲の事業状況を示す指数も改善を見せている。一般事業活動指数は▲8ポイント下落したが、まだプラ ス圏内の16.9を示している。企業概観指数は大きな変化は無く17.9、3月の両指数はそれぞれ、その6ヵ月及び7 カ月プラスとなったことを示している。 労働市場は、雇用が増加し、雇用期間も伸びた。雇用指数は89.6から8.4に落ちたものの、3ヶ月原則でプラス 圏内にある。全企業の19%が雇用を拡大し、10%はネットレイオフであった。労働時間指数は1ポイントアップ の8.7であった。 3月のリッチモンド連邦製造調査は明日公表されるがISM指数は3月は再び好調であるという。 米国では2007年~2016年の間に780万戸の住宅が、抵当流れで失われた。 Core Logic US Residential Crisis 10 Years Laterというレポートには、いくつかの興 味深いグラフや表がある。 下のグラフは上位十州の州別の抵当流れの住宅数で、赤の棒グラフはピーク時の抵当流れ割 合、グレーの棒グラフは2016年12月の抵当流れの割合である。ネバダ州やフロリダ州は、 ピークから大きく改善している一方、ニュージャージー州やニューヨーク州では回復の割合 が遅い。 右の表は、CoreLogicのレポートによる年ごとの抵当流れ住宅件数である。 10州の州別抵当流れ住宅 軒数割合のピークと昨年末 ピークの抵 当流れ住宅 2016年12 月の抵当流 - 4 - Calculated Risk 抵当流れ住宅軒数 2000年 191,295軒 2001年 183,437軒 2002年 232,330軒 2003年 255,010軒 2004年 275,900軒 2005年 293,541軒 2006年 383,037軒 2007年 592,622軒 2008年 983,881軒 2009年 1,035,033軒 2010年 1,178,234軒 2011年 958,957軒 2012年 853,358軒 2013年 679,923軒 2014年 608,321軒 2015年 506,609軒 2016年 385,748軒 2月の単一家庭債務不履行率は2008年6月以 来の低率に Calculated Risk 単一家庭債務不履行率(3ヶ月以上の返済滞納) Freddie Macによ2月の単一家庭債務不履行率は0.98% であった。1月の0.99%より少し減少した。2016年2月 は1.26%だった。債務不履行率は2010年2月にピークの 4.20%を付けたが、今年の㋁は2008年6月以来の低い率 だった。この率は3ヶ月以上の返済不履行を言う。 Fannie Mae Freddie Mac - 5 - - 6 - 輸入 輸出 百万ドル 百万ドル 米国の輸出 米国の輸入 50,000 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 0 8 年 7 月 0 9 年 1 月 0 9 年 7 月 1 0 年 1 月 1 0 年 7 月 1 1 年 1 月 1 1 年 7 月 1 2 年 1 月 1 2 年 7 月 1 3 年 1 月 1 3 年 7 月 1 4 年 1 月 1 4 年 7 月 1 5 年 1 月 1 5 年 7 月 1 6 年 1 月 1 6 年 7 月 1 7 年 2 月 1 7 年 1 月 1 6 年 8 月 1 6 年 2 月 1 5 年 8 月 1 5 年 2 月 1 4 年 8 月 1 4 年 2 月 1 3 年 8 月 1 3 年 2 月 1 2 年 8 月 1 2 年 2 月 1 1 年 8 月 1 1 年 2 月 1 0 年 8 月 1 0 年 2 月 0 9 年 8 月 0 9 年 2 月 出所:米財務省 出所:米財務省 貿易収支 貿易収支(前年同月比) 百万ドル 百万ドル 米貿易収支(赤字) 0 -10,000 -20,000 -30,000 -40,000 -50,000 -60,000 -70,000 -80,000 米貿易収支(前年同月比) 1 1 1 0 0 0 0 0 -1 -1 1 7 年 1 月 1 6 年 7 月 1 6 年 1 月 0 8 年 8 月 1 5 年 7 月 1 5 年 1 月 1 4 年 7 月 1 4 年 1 月 1 3 年 7 月 1 3 年 1 月 1 2 年 7 月 1 2 年 1 月 1 1 年 7 月 1 1 年 1 月 1 0 年 7 月 1 0 年 1 月 0 9 年 7 月 0 9 年 1 月 0 8 年 7 月 0.095130 918 1 7 年 1 月 出所:米財務省 1 6 年 7 月 1 6 年 1 月 1 5 年 7 月 1 5 年 1 月 1 4 年 7 月 1 4 年 1 月 1 3 年 7 月 1 3 年 1 月 1 2 年 7 月 1 2 年 1 月 1 1 年 7 月 1 1 年 1 月 1 0 年 7 月 1 0 年 1 月 0 9 年 7 月 0 9 年 1 月 0 8 年 7 月 0 8 年 1 月 0 7 年 7 月 0 7 年 1 月 0 6 年 7 月 0 6 年 1 月 0 5 年 7 月 出所:米財務省 今後の予想 米国の経済指標を見ると、景気は悪くはないように見受けられる。自動車販売も好調で、住宅販売も底を打ったよ うだ。個人小売り売上高や個人消費支出も伸びている。米国株価の上昇にはこうした背景がある。ただ、トランプ政 策に対する期待は今後剥がれるものと思われ、上がり過ぎた株価の是正があれば、証券市場から逃避した資金は安全 資産としての金を買うことになるだろう。 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作 成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つも のでもありません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物 に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または 減少することもあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が 発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 発行元 : 株式会社コモディティー インテリジェンス 〒103-0014東京都中央区日本橋蛎殼町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: [email protected] - 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