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液晶 - 富士経済グループ
>> HOME 富士経済 GROUP 第08062号 PRESS RELEASE 株式会社 富士キメラ総研 2008年8月20日 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町 2-5 F・Kビル TEL.03-3664-5841 FAX.03-3661-7696 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL:http://www.fcr.co.jp/ 広報部 03-3664-5697 液晶、有機ELなど世界のディスプレイ関連市場の調査を実施 2013年予測 LCDは、43億9,100万枚(07年比132.5%) 、14兆円超 有機ELディスプレイは、2億1,219万枚(07年の2.8倍) 、2,419億円 電子ペーパーは、2,877万枚(07年の3倍) 、695億円 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03-3664-5841)は、大型化やワイド化、高精細化などが進むディスプレイデバイス市場と主要部品材料市場、 主要パネルメーカーの事業戦略を調査分析した。その結果を報告書「2008 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.1、Vol.2」にまとめた。 <調査結果の概要> ディスプレイデバイス(12品目)市場 2007年 12.3兆円 2008年見込 14.0兆円 2013年予測 15.6兆円 (07年比26.8%増) 2007年のディスプレイデバイス12品目の市場は、前年比16%増の約12兆円(約1.7兆円増加)に拡 大している。LCDで約2兆円、電子ペーパーで100億円増加したが、CPT(TV用ブラウン管)で2,00 0億円以上、PDPで1,000億円以上減少した。 主要デバイス別市場 タイプ LCD(全体) TFT LCD 有機ELディスプレイ 電子ペーパー PDP 2007年 33億1,512万枚 16億8,806万枚 7,556万枚 953万枚 1,220万枚 2008年見込 35億2,957万枚 19億5,748万枚 8,431万枚 864万枚 1,550万枚 2013年予測 43億9,100万枚 29億2,466万枚 2億1,219万枚 2,877万枚 2,500万枚 2007年比 132.5% 173.3% 280.8% 301.9% 204.9% LCDはディスプレイの主力デバイスとして成長を続け、2012年には14兆円を超えると予測される。金額 ベースで年率二桁成長が予測されるのは電子ペーパー、有機EL、無機EL、LCOS(投射型)の4市場である が、1,000億円以上の規模が予想されるのは有機ELのみである。主力のLCD、PDPは一桁成長に鈍化す ると予測される。TV用(LCD&PDP)は、従来パネルの供給過剰を低価格化による需要喚起で切り抜けてき たが、ブラウン管という巨大な代替市場が無くなりつつあるため、今後楽観視は出来ない状況になっている。 2007年のLCD(TFT、STN、TNを含む)市場は、前年比25%増の10.8兆円に拡大した。特に、 低価格化や Windows Vista の導入などによりPCモニタ、ノートPCの需要が喚起され大幅に拡大した。大型TF Tの需給が逼迫したことから汎用パネル(32インチ以下が中心)の価格が上昇し、また、中小型パネルも07年 下期から価格上昇が始まっている。2008年はTV向けの増加が牽引し、前年比17%増の12.6兆円に拡大 する見込みである。2009年はPCモニタの成長率が減速し、ノートPC向け、TV向けが約10%程度拡大す ると予測される。中小型TFT業界は値上げが浸透しつつあり、厳しかった状況が緩和されつつある。特に低温ポ リシリコンTFTは高シェアを持つ日系メーカーの生産能力があまり増加していないことから、逼迫感が強い。 PDP市場では、松下電器産業のP4の1期、2期ラインのフル稼動、Samsung SDI の第4ラインの本格稼動と いうポジティブなニュースと、パイオニアのパネル生産撤退、LG El.の新規設備投資中止、Samsung グループの事 業再編といったネガティブなニュースが話題をさらった。また、これまでは垂直統合型のメリットを生かすべく、 外販比率を抑えて自社ブランドの拡販に注力してきたが、 2008年以降は生産能力に余裕がでてきたため外販比 >> HOME 率を高めていく方向に変わっている。2007年は数量ベースで前年比21%増の1,220万枚、金額ベースで は同16%減の7,410億円となった。パネル価格が大幅に下落し、数量では大幅に増加したものの金額ベース ではマイナスとなった。高精細化が進んでおり、前年1%未満であったフルHD化率は10%を超えた。大画面化 は期待通りに進展せず、30インチ、40インチクラスの需要が堅調であった。2008年は1,550万枚(前 年比27%増) 、7,643億円(同3%増)と見込まれ、フルHD化率は20%に達すると予想される。 OLED(Organic light-emitting diode:有機EL)には、パッシブマトリクス(PM)方式とアクティブマ トリクス方式(AM)があり、現状はPM中心の市場である。 <注目市場> TFT LCD LCDの主力デバイスで、ノートPC向けにSTNを代替しながら成長してきたが、2000年からはPCモニ タ、2005年以降はTV需要が牽引している。2007年は、前年比28%増の10兆3,314億円に拡大し た。2008年は数量で前年比16%増の約20億枚、金額では同18%増の12兆円規模に拡大する見込みであ る。特にTV向けの増加が牽引している。2009年はPCモニタ向けの成長が減速するものの、ノートPC、T Vで約10%の伸びを想定している。しかし、サブプライム問題の影響による世界的な景気後退、PCモニタ向け の在庫増加、TV完成品の在庫増加、北京五輪後のTV需要の低迷などの懸念材料もあり、大きく下振れする可能 性も出てきている。 2007年で、年間1億枚以上の規模がある用途はTV、PCモニタ、ノートPC、DSC(デジタルカメラ) と携帯電話の5用途のみとなる。2008年から2013年に年率10%台で成長すると予測されるのはTV、ノ ートPC、デジタルサイネージ、PDA Phone である。金額ベースでみると、数年前までは、PCモニタとノートP Cへの依存を脱却しようとTV市場の開拓に注力していたが、現在ではTVが最大のTFT需要先となっている。 中型(概ね5∼10インチ未満)市場では Portable DVD 市場が飽和したと見られ、2007年からはDPF(デ ジタルフォトフレーム) 、2008年にはローコストPC向けの需要が拡大している。小型TFT業界(5インチ 未満)では携帯電話への依存度を低下させたいという思惑があるものの、携帯電話の規模があまりにも大きく、携 帯電話に集中するパネルベンダーも多い。2008年は、高成長してきたポータブルオーディオ向けが飽和気味と なり、2010年にはDSC需要の減速が想定されている。 OLED(Organic light-emitting diode:有機EL) 有機ELディスプレイは、電極で挟んだ有機物質に電流を流し、発光させるという単純な現象を利用したシンプ ルな構造で、有機体自体が発光するため、バックライトによる発光を利用する液晶とは異なり、より明るく、鮮明 な画像を実現し、また、バックライトが不要なため、より薄くすることができる。パッシブマトリクス(PM)方 式とアクティブマトリクス方式(AM)があり、パッシブマトリクス方式は、それぞれ水平方向(X電極)と垂直 方向(Y電極)に電流を流す導線を張り、タイミングを合わせて電流を流すことで、その交点にある画素が点灯す る仕組みで、アクティブマトリクス方式は、パッシブマトリクス方式の交点の各画素にスイッチング素子としてT FT(薄膜トランジスタ)などを配置し、EL素子を制御する。 2007年の市場は数量ベースで前年比4%増の7,556万枚、金額ベースで前年比1%増の580億円とな った。PMは、大部分が携帯電話サブディスプレイ、カーオーディオで占められていたが、2005年からは携帯 オーディオ用途が大幅に拡大し、携帯電話サブディスプレイ用途と共に市場を牽引している。2007年は既存ア プリケーションに加え、産業用途、医療機器関連向けの需要が拡大している。AMは、携帯電話メインディスプレ イ、 携帯オーディオなどが牽引しているが、 それ以外のアプリケーションでも今後は搭載が拡大する見通しである。 また、ソニーのTV向けのパネル供給が開始されたことで、中大型パネルに対する期待度が高まっている。特に PCメーカーからの引き合いが強くなってきている。また、産業用、医療用、民生用モニタでの採用も有望視され る。ソニーのOLED−TV投入以来、中大型パネルニーズが拡大傾向にあり、量産計画を前倒しする可能性も強 くなってきている。1−4インチのAMの市場は今後も拡大するものの、金額ベースでは単価の下落と共に伸び率 が鈍化していくとみられる。携帯電話メインディスプレイが中心になっていくと確実視されているが、携帯電話以 外のアプリケーションの取り込みが今後の課題である。 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]) >> HOME 電子ペーパー 電子ペーパーは、紙の長所とされる視認性や携帯性を保った表示媒体のうち、表示内容を電気的に書き換えるこ とができる超薄型のディスプレイである。ディスプレイを軽く、薄くするという流れの延長線上にあるペーパーラ イクディスプレイと専用の書換装置を用いるハードコピーの延長であるリライタブルペーパーの2つに大別され る。ここではメモリー性のあるペーパーライクディスプレイプレイに着目し、外部装置を用いて光や熱を利用し、 内容を書き換えるリライタブルペーパーは対象としない。 2007年は、 数量ベースで前年の6倍以上となる953万枚、 金額ベースでは4.4倍の127億円となった。 電子書籍や携帯電話など、量産アプリケーションなども徐々に立ち上がり始めているものの、まだまだ黎明期を脱 してはいない。現状は電子書籍や電子値札、携帯電話などといった小型のアプリケーション中心に市場が形成され ているが、 電子看板や比較的大型の情報表示端末など大型のアプリケーションも実証実験や試験導入などが盛んに 行われている。数量ベースでは携帯電話向けが800万枚と全体の約90%を占めた。2007年はモトローラ1 社の採用にとどまったが、 2008年には日本でもAUでカシオ日立モバイルコミュニケーションから背面ディス プレイに電子ペーパーを用いた製品が、春モデル、夏モデルと続けて投入されている。また、ヨーロッパでもテレ コムイタリアから電子ペーパーをメインディスプレイに採用した「Readius」の発売が予定されている。金額ベー スでは、電子書籍向けが約70%を占めた。携帯電話などの小型のアプリケーションに比べ、数量は期待できない が、ディスプレイが大きい分、単価が高い。日本ではコンテンツ不足などから浸透しなかったが、欧米では電子新 聞、電子書籍、ワイヤレスLANによるインターネット接続など機能が広がり、数量の拡大につながっている。2 007年末には米大手通販サイトの Amazon から「Kindle」が発売された。 <調査対象> ディスプレイデバイス ディスプレイ応用機器 パネルメーカーケーススタディ 部品材料 LCD、PDP、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ、VFD (蛍光表示管) 、FED/SED、CDT、CPT、DLP、LCOS(投 射型) 、LCOS(直視型) 、電子ペーパー カラーTV、PCモニタ、ノートPC、携帯電話端末など20製品 LCD10社、PDP5社、有機EL5社、電子ペーパー3社、他1社 LCD関連部材 30部材、PDP関連部材 11部材、有機EL関連部 材 8部材、その他ディスプレイ関連部材 9部材、計58部材 <調査期間> 2008年4月∼7月 <調査方法> 富士キメラ総研専門調査員による調査対象・関連企業に対してのヒアリング取材及び富士キメラ総研社内デー タベースの活用による調査・分析 以上 資料タイトル: 「2008 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.1」 「2008 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol.2」 体 裁 :Vol.1:A4判 343頁 Vol.2:A4判 406頁 価 格 :各95,000円(税込み99,750円) 調査・編集 :株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門 TEL:03-3664-5815 FAX:03-3661-5134 発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研 〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル TEL03-3664-5841(代) FAX 03-3661-7696 e-mail:[email protected] この情報はホームページでもご覧いただけます。 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ URL:http://www.fcr.co.jp/ 本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])