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【バーチャル口述試験:パターンG】 Q1:では,これから土地家屋調査士
【バーチャル口述試験:パターンG】 Q1:では,これから土地家屋調査士口述試験を行います。氏名,生年月日と受験番号をお願いします。 A1:日建七美です。生年月日は,平成〇年〇月〇日,受験番号は 77 番です。 Q2:土地家屋調査士法からお伺いします。土地家屋調査士が受任できる業務を3つ答えてください。 A2:一,不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量。二,不動産の 表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理。三,筆界特定の手続につ いての代理。以上です。 Q3:土地家屋調査士は正当な理由なく依頼を拒むことはできませんが,それはなぜだと思いますか。 A3:国から独占業務資格を付与されている土地家屋調査士は,公共的役割を担っており,土地家屋調査 士の趣味嗜好によって依頼を拒むことは相当でないからです。特に,表示に関する登記には,不動産の所 有者に申請義務が課されているものもあるため,土地家屋調査士がその依頼を拒むことにより,不動産登 記制度そのものの信頼や安定が損なわれる可能性があるからだと考えます。 Q4:土地家屋調査士が依頼を受けようとする際の報酬に関して,受ける前と後でやらなければならない 事柄をお答えください。 A4:土地家屋調査士は,土地家屋調査士法第3条第1項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には, あらかじめ,依頼をしようとする者に対し,報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければなり ません。また,報酬を受けたときは,領収証正副2通を作成し,正本はこれに記名し,職印を押して依頼 者に交付し,副本は,作成の日から3年間保存しなければなりません。 Q5:領収証について,他にしなければならないことはありませんか。 A5:領収証には,受領した報酬額の内訳を詳細に記載しなければなりません。 Q6:土地家屋調査士に対する懲戒処分を3つ全てお答えください。 A6:戒告,2年以内の業務の停止,業務の禁止です。 Q7:その懲戒処分はだれが行いますか。 A7:処分の対象となる土地家屋調査士の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長です。 Q8:土地家屋調査士に業務を依頼した者以外の者であっても,当該土地家屋調査士について,懲戒処分 を求めることが可能でしょうか? A8:可能です。 Q9:それはなぜですか? A9:土地家屋調査士法第 44 条第1項において, 「何人も,調査士又は調査士法人にこの法律又はこの法 律に基づく命令に違反する事実があると思料するときは,当該調査士又は調査士法人の事務所の所在地を 管轄する法務局又は地方法務局の長に対し,当該事実を通知し,適当な措置をとることを求めることがで きる。 」と規定されているからです。 Q10:土地家屋調査士が業務の禁止処分を受けた場合には,どのような効果が発生しますか? A10:土地家屋調査士法第5条の欠格事由に該当し,登録が取り消されます。 Q11:土地家屋調査士法第 56 条に注意勧告に関する規定がありますが,この注意勧告について説明してく ださい。 A11:調査士会は,所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めると きは,会則の定めるところにより,当該会員に対して,注意を促し,又は必要な措置を講ずべきことを勧 告することができます。 Q12:では,この注意勧告と懲戒処分との関係について説明してください。 A12:この注意勧告がなされることにより,懲戒処分を予防することができます。 Q13:ここからは,不動産登記法について質問します。登記所に備え付けられている土地に関する図面を 全て答えてください。 A13: 地図,地図に準ずる図面,土地所在図,地積測量図,地役権図面です。 Q14:では,地図は,不動産登記法第何条の規定に基づき備え付けられているのでしょうか。 A14:第 14 条です。 Q15:地図の記録事項をお答えください。 A15:地番区域の名称,地図の番号,縮尺,国土調査法施行令第2条第1項第1号に規定する平面直角座 標系の番号又は記号,図郭線及びその座標値,各土地の区画及び地番,基本三角点等の位置,精度区分, 隣接図郭との関係,作成年月日です。 Q16:電磁的記録に記録する地図についてはどうでしょう。 A16:電磁的記録に記録する地図にあっては,先ほど掲げた記録事項のほか,各筆界点の座標値を記録す るものとされています。 Q17:地図は,不動産登記制度においてどのような役割を果たすべきでしょうか。 A17:地図は,登記された各筆の土地について,これらの筆界線を基準に地球楕円体面上に水平投影して 図上に表示し,一筆地の地球上の位置及び形状を明らかにし,登記記録の表題部に記録された事項ととも に,権利の客体となる土地自体に関する公示機能を果たすことです。つまり,登記されている権利の客体 である土地が現地のどこに位置し,どのような形状を有するかを明らかにし,もって不動産取引の安全と 円滑に資することが,不動産登記制度における地図の果たすべき役割といえます。 Q18:地図として備え付けることができる図面にはどのようなものがありますか。 A18:登記所において作成するもののほか,国土調査法第 20 条第1項の規定により送付を受けた地籍図や 土地改良登記令第5条第2項第3号又は土地区画整理登記令第4条第2項第3号の規定に基づく土地の所 在図その他これらに準ずる図面があります。 Q19:建物の合併の登記の意義についてお答えください。 A19:建物の合併登記とは,表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする 登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若 しくは附属建物に合併して1個の建物とする登記のことをいいます。 Q20:では,建物の合併の登記と建物の合体の登記の違いについてお答えください。 A20:建物の合併の登記は,建物の物理的現況の変化に伴いなされる登記ではなく,いわゆる形成的登記 に分類され表題部所有者等に申請義務は課されておりません。一方,建物の合体による登記等は,建物の 物理的現況の変化に伴いなされる登記であり,いわゆる報告的登記に分類され表題部所有者等に申請義務 が課されています。 Q21:所有権等の登記以外の権利に関する登記がされている建物の合併の登記は可能でしょうか。 A21:いいえ,所有権等の登記以外の権利に関する登記がされている建物の合併の登記は原則としてする ことができません。 Q22:例外は? A22:合併しようとする両建物にされている所有権等の登記以外の権利に関する登記が,担保権の登記で あって,登記の目的,申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であれば,合 併の登記をすることができます。 Q23:それだけですか? A23:合併しようとする両建物にされている所有権等の登記以外の権利に関する登記が,信託の登記であ って,不動産登記法第 97 条第1項各号に掲げる登記事項が同一のものであれば,合併の登記をすることが できます。 Q24:それでは,土地の地積の変更の登記と土地の地積の更正の登記との違いについてお答えください。 A24:土地を構成している筆界が移動したことにより登記記録に記録されている地積を変更させるための 登記が地積の変更の登記であり,筆界の移動によることなく,登記記録に誤って記録されている地積を正 しいものとする登記が地積の更正の登記といえます。 Q25:土地の分筆の登記を申請するに当たり,分筆前の地積と分筆後の地積が相違している場合,どのよ うな手続をとるべきでしょうか? A25:分筆の登記を申請する場合において,分筆前の地積と分筆後の地積の差が,分筆前の地積を基準に して不動産登記規則第 77 条第5項の規定による地積測量図の誤差の限度を超えるときは,地積の更正の登 記の申請をしなければなりません。 Q26:では,その定められている誤差の限度の内容についてお答えください。 A26:一,市街地地域については,国土調査法施行令別表第4に掲げる精度区分甲2まで。二,村落・農 耕地域については,同精度区分乙1まで。三,山林・原野地域については,精度区分乙3まで。とされて います。 ~パターンG:各解答における参照条文等~ 解答番号 参照条文等 A1 - A2 土地家屋調査士法第3条 A3 テイハン刊「一問一答新司法書士土地家屋調査士法」126 頁参照 A4 土地家屋調査士法施行規則第 27 条第1項 A5 土地家屋調査士法施行規則第 27 条第2項 A6 土地家屋調査士法第 42 条 A7 土地家屋調査士法第 42 条 A8 土地家屋調査士法第 44 条第1項 A9 土地家屋調査士法第 44 条第1項 A10 土地家屋調査士法第5条第5号 A11 土地家屋調査士法第 56 条 A12 土地家屋調査士法第 55 条・第 56 条 A13 不動産登記法第 14 条,不動産登記規則第 76 条・第 77 条・第 79 条 A14 不動産登記法第 14 条 A15 不動産登記規則第 13 条第1項 A16 不動産登記規則第 13 条第2項 A17 日本加除出版刊「新版Q&A表示に関する登記の実務第2巻」339 頁等参照 A18 不動産登記規則第 10 条第5項・第6項 A19 不動産登記法第 54 条第1項第3号 A20 不動産登記法第 54 条・第 49 条 A21 不動産登記法第 56 条第5号 A22 不動産登記規則第 131 条第1項 A23 不動産登記規則第 131 条第2項 A24 日本加除出版刊「新版Q&A表示に関する登記の実務第2巻」92 頁参照 A25 不動産登記事務取扱手続準則第 72 条第1項 A26 不動産登記規則第 77 条第5項・第 10 条4項