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5月ユーロ圏PMI指数(速報)

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5月ユーロ圏PMI指数(速報)
EU Indicators
欧州経済指標コメント:5月ユーロ圏PMI指数(速報)
発表日:2014年5月22日(木)
~期待と実態の乖離~
第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 田中 理
03-5221-4527
・ 5月のユーロ圏のPMI総合指数(速報値)は53.9と、直近ピークを記録した前月(54.0)から僅か
に減少したが、高水準を維持している。国別・業種別には、ドイツでユーロ高基調や中国景気の先行
き不安などが重石となり製造業の改善モメンタムが鈍化したものの、サービス業の改善が加速し、全
体では前月から横這いで今次サイクルのピークに近い水準を維持した。フランスでは製造業とサービ
ス業がともに3ヶ月振りに業況判断の分岐点である50を下回り、ユーロ圏全体の足を引っ張った。同
国では税・社会保障改革の発表や新内閣の発足を受けて、3・4月にかけて改革前進への期待が高ま
ったが、期待が早くも萎んでいる。その他ユーロ圏は、製造業が前月から微減、サービス業が微増と
なった模様で、何れも50超を維持し、今次サイクルのピーク近辺で推移している。
・ 発表元のMarkitによれば、同指数の水準からは4-6月期のユーロ圏の成長率が前期比+0.5%程度に加
速したことが示唆される。1-3月期の成長率(速報段階で同+0.2%)は、PMIが示唆する水準(同
+0.4%程度)を大きく下回った。同期の成長率は、ドイツが暖冬による建設活動の好調で高成長を記
録した一方、オランダ、ポルトガル、フィンランド、イタリアなどがマイナス成長を記録した。
・ このうちオランダは暖冬によるガス輸出の不振が影響。ポルトガルのGDP統計は四半期毎の振れが
大きく、4-6月期には両国ともにリバウンドが予想される。一方で天候要因で上押しされたドイツの反
動が予想されるうえ、フィンランドは主力の携帯電話産業の凋落が尾を引いている。PMIが50を安
定的に上回っているイタリアがマイナス成長に転落したことも気懸かり。新政権発足に起因した企業
マインドの改善が期待先行で、必ずしも成長率の改善に結びついていない様子が窺える。こうした事
情に鑑みると、4-6月期についてもPMIの改善を額面通りに受け止めることはできないだろう。
■ユーロ圏:PMI総合指数と実質GDP成長率
PMI総合(左)
実質GDP(右)
65
■ユーロ圏:PMIサービス業指数
(%)
10
65
60
60
5
55
55
50
50
0
45
45
-5
40
40
35
-10
06
07
08
09
10
11
12
13
ドイツ
フランス
その他ユーロ圏
35
14
30
06
注:実質GDP成長率は前期比年率。
出所:Markit、Eurostat
07
08
09
10
11
12
13
14
出所:Markit
■PMI指数(季節調整済み)
ユーロ圏
ドイツ
フランス
総合産出指数
製造業PMI指数
サービス業業況指数
総合産出指数
製造業PMI指数
サービス業業況指数
総合産出指数
製造業PMI指数
サービス業業況指数
2013
2014
2013
2014
2Q
3Q
4Q
1Q
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
47.8
51.4
51.9
53.1
51.9
51.7
52.1
52.9
53.3
53.1
54.0
53.9
47.9
50.9
51.9
53.4
51.3
51.6
52.7
54.0
53.2
53.0
53.4
52.5
47.5
50.9
51.3
52.1
51.6
51.2
51.0
51.6
52.6
52.2
53.1
53.5
49.9
52.9
54.5
55.4
53.2
55.4
55.0
55.5
56.4
54.3
56.1
56.1
48.7
51.2
52.9
55.0
51.7
52.7
54.3
56.5
54.8
53.7
54.1
52.9
49.9
52.6
54.0
54.0
52.9
55.7
53.5
53.1
55.9
53.0
54.7
56.4
45.4
49.5
48.6
49.5
50.5
48.0
47.3
48.9
47.9
51.8
50.6
49.3
46.4
49.7
48.2
50.4
49.1
48.4
47.0
49.3
49.7
52.1
51.2
49.3
45.3
49.5
48.9
49.2
50.9
48.0
47.8
48.9
47.2
51.5
50.4
49.2
出 所 : Markit
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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