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冬のかゆみ かゆみ総論 冬のかゆみの原因の多くは乾燥です。特にお
冬のかゆみ かゆみ総論 冬のかゆみの原因の多くは乾燥です。特にお年寄りでは皮膚の新陳代謝が低下 している事に加え、 空気が乾燥しているため、皮膚が乾燥し、かゆみが起こりやすくなります。 乾燥肌は「乾燥症」といい、皮膚が乾燥してカサカサになり、白っぽく粉を吹いたような状態に なります。特に乾燥しやすいのは、腕の上部から肩にかけて、すね、太もも、脇腹、腰の部分な どです。これらの部位は他の部位と比べ、汗腺や皮脂腺が少ないことから衣類との摩擦が多いた め水分をとられることで、乾燥しやすく、かゆみが起こりやすくなります。 主な対策としては、 ①暖房器具による過度の乾燥を防ぐ 暖房器具を過度に使用すると、空気が乾燥します。加湿器の適切な使用が効果的です。 ②入浴方法を見直す 熱い湯に長く入ると、皮脂膜や角質細胞間皮脂がお湯に溶けだし、皮膚の保温機能が低下します。 温度を38?40℃くらいにして、長湯をしないようにします。保温効果のある入浴剤を入れるのも 良いでしょう。また、入浴後すぐは肌が潤っていますが、その後急速に蒸発し、水分量が減りま すので、体を拭いたら早めに尿素製剤などの保湿剤を塗りましょう。 子どもの乾燥 img1.gif意外かもしれませんが、子供でも乾燥肌になります。実は、子供でも小学生くらいまで の時期というのは、分泌される皮脂量が少なく、生後6ヶ月くらいまでの間は、老齢者よりも少な くなるため、子供の肌(皮脂)といえども乾燥肌になることも珍しくはありません。皮脂分泌の 少ないこの時期には、特にひじや膝などの皮脂の薄い部分で白くカサカサな乾燥肌が生まれやす くなります。そうならないためにも、部屋の暖房の長時間使用を避け、湿度を一定に保つなどの 工夫も必要でしょうし、入浴後は乾燥肌になった患部に保湿クリームをぬってあげる対策も必要 になります。また掻かないようにすることも必要です。 乾燥肌と保湿の役割 木枯らしの吹く季節となってきました。秋から冬にかけてカサカサの乾燥肌に悩まされている人 も多いのではないでしょうか?子どもやお年寄りはもちろんの事、若い人たちの間でもお肌の乾 燥に悩まされている方は意外にも多いものです。お肌も乾燥は、皮脂の減少やそれに伴うバリア 機能(皮脂を保護して細胞の潤いを保つ)の低下によって起こると考えられています。特に冬場は 皮脂が過度に乾燥してしまい、その結果として、わずかな刺激でもかゆみを感じるようになります。 かゆみは不快ですので我慢しきれずに掻いてしまい、そうした事を繰り返しているうちに皮膚が 掻き壊されて状態が悪化してしまいます。 これでは皮膚にとってもダメージが強く、ストレスも感じ悪循環になってしまいます。 それでは乾燥を防ぐためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?img2.gif 最も基本的で一番大切な対応策は、乾燥を避けるために保湿剤を使ったこまめなスキンケアです。 まず、お肌に不足している水分を化粧水などでたっぷりと補給します。そして、それらが十分お肌 になじんでから水分が逃げ出さないように油分(クリーム剤または乳液など)でフタをするよう に不足している皮脂を補います。お肌の弱い人はなるべく低刺激のもので自分のお肌にあったも のを使うことが大切です。万が一かゆみが強くなったり皮膚に合わずに刺激を感じたりしたらす ぐに薬剤師に相談するようにしてください。 乾燥肌対策は保湿剤の適切な使用と食生活の改善です 食生活の注意として 血行が良くなるとかゆみが増すので、血液循環が良くなるお酒や辛い物は、摂りすぎないように しましょう。日常生活の中img3.gifでは保湿剤の使用で乾燥を予防することがかゆみの改善の第 一歩となりますが、かゆみが治まらない、または悪化した場合は、薬物治療も必要になります。 かゆみが全身に広がるようであれば、漢方薬など内服剤の使用も選択肢に入りますので、ご相談 ください。 ひび・あかぎれ、しもやけ、手あれ ひび・あかぎれは、乾いた空気により皮膚の水分が減少してしまう冬に、圧倒的に多くできます。 特に手は空気や水に触れる機会が多いので、女性にひび・あかぎれが多いのもそれだけ手を酷使 しているからといえます。予防は第一に手を保護することです。寒い冬は手袋するとか、水を使う ときはゴム手袋をするといった、寒さ・冷たさからの防御が大切です。また、水仕事などをした 後には必ずよくふき取り、その後ハンドクリームをつけることを習慣づけましょう。 しもやけは、遺伝的な素因をもった人にあらわれます。2℃くらいの気温に皮膚が繰り返しさら されることで、血液の循環障害が起こり、指やかかと、耳たぶ、鼻先など体の末梢部分に発生し ます。予防として、冷たい空気や水に触れないように手足を保護し、濡れたまま寒気にさらされな いようにします。そして、一日数回はマッサージして血行をよくします。治療には、ビタミンE含 有軟膏を塗布し、内服薬としては血行をよくするビタミンE及びK、ニコチン酸、抗ヒスタミン 剤などが使われます。 手あれは、主婦湿疹、手の湿疹、手の皮膚炎などとも言われています。家庭の主婦の他、理容師、 美容師などにもしばしばみられます。手のひら、指などがかさかさして、赤くなりひび割れができ ます。洗剤の使用により、皮膚の油分がなくなり乾燥することと、手を頻回に使うことによる機 械的刺激の二つが主な原因とされています。手あれを治すには原因となることを極力避けることで す。水仕事やシャンプーの際せめてゴム手袋をし、水仕事の回数を減らす工夫やまめに軟膏を塗っ て皮膚を保護することに努めましょう。