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山梨労働局発表

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山梨労働局発表
別添
紛争解決援助事例
Ⅰ 調 停
○ 男女雇用機会均等法(第18条)関係
【事例①】 [職場におけるセクシュアルハラスメント]
職場におけるセクシュアルハラスメントを原因に体調を崩し、休業したとする女性労働
者から職場復帰又は金銭解決を求めて調停申請されたケース
労働者からの申請内容・主張
所属長からセクシュアルハラスメント発言等を受けたため、やめるよう言ったにもかかわらず
やめなかったことから、体調を崩して休職中である。事業主が、所属長のセクシュアルハラスメ
ントを認めてセクシュアルハラスメント対策を講じた上で職場復帰をしたい。または、復帰でき
ないようであれば金銭解決を図りたい。
事業主からの聴取内容
所属長や他の従業員から事実確認をしたが、セクシュアルハラスメント行為の事実は認められ
なかった。
調停会議での対応
調停委員が女性労働者及び事業主から事情や意見を聴き検討した結果、男女雇用機会均等法に
定めるセクシュアルハラスメント対策として雇用管理上必要な措置が一定程度講じられているも
のの、セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針、相談窓口の周知徹底が十分でな
かったことから、
① 女性労働者の雇用契約を終了し、事業主から女性労働者に対し、解決金を支払うこと
② 事業主は、男女雇用機会均等法第11条に基づき、職場におけるセクシュアルハラスメント
対策を徹底すること
等を内容とする調停案の受諾を勧告した。
結果
当事者双方が受諾し、調停は終了した。
[参考]
男女雇用機会均等法
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がそ
の労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよ
う、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他雇用管理上必要な措置を講
じなければならない。
事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置(厚生労働大臣指針)のポイント
1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
(1)職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を
明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(2)セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書
に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(3)相談窓口をあらかじめ定めること。
(4)相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。
3 職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(5)事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(6)事実確認ができた場合は、行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと。
(7)再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
4 1から3までの措置と併せて講ずべき措置
(8)相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
(9)相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、
労働者に周知・啓発すること。
Ⅱ 労働局長による紛争解決の援助
1 男女雇用機会均等法(第 17 条)関係
【事例②】 [妊娠等を理由とする不利益取扱い]
妊娠等を理由に、雇止めになったとして金銭解決を求めて申立てがあったケース
労働者からの申立内容
妊娠したことを事業主に報告し、産前・産後休業、育児休業の取得を希望したところ、休業後
に復帰する場所があるかわからない、余剰人員を抱えられないと言われ、雇止めになった。
「転職希望」とされた離職票の離職理由の訂正と金銭解決を求めたい。
事業主からの聴取内容
雇止めの理由は、労働者の妊娠と産休取得等の申出でなく、小学生の子の育児のための短時間
勤務を希望したことである。小学生の子のための育児短時間勤務制度は導入していないことか
ら、期間満了による雇止めを行った。
労働局長による援助
事業主は、労働者が妊娠を報告した際に、同じ業務に復帰できるかわからない、経営上の理由
で雇えないかもしれないと労働者に告げており、本件雇止めは、妊娠及び産前・産後休業取得申
出等を理由であるおそれがあって、男女雇用機会均等法第9条第3項に抵触する可能性があるこ
とから、女性労働者が希望する、離職理由の訂正及び金銭解決を行うよう助言した。
結果
事業主は、離職理由を訂正するとともに、女性労働者に解決金を支払い、紛争は解決した。

育児・介護休業法上、育児短時間勤務の措置義務は 3 才まで。
[参考]
男女雇用機会均等法
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第 9 条第3項 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和 22 年法律
第 49 号)第 65 条第 1 項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第 2 項の規定による休業をしたこ
とその他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令に定めるものを理由として、当該女性労働者に対
して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
2 育児・介護休業法(第10条)関係
【事例③】 [育児休業取得を理由とする不利益取扱い]
育児休業を取得したところ、復職を拒否されたとして申立があったケース
労働者からの申立内容
育児休業を取得したところ、事業主から復職を拒否された。いったんは事業主から復職させる
との回答を得たが、
その後やはり復職させられないと伝えられたため復職の意思はなくなったが、
育児休業取得を理由とする不利益な取扱いを受け仕事を続けられなくなったことに係る経済的・
精神的な損害に対する金銭補償を求めたい。
事業主からの聴取内容
申立者が休業しても業務が運営できており、経営合理化のため申立者にはいったん退職しても
らい、今後退職者が出たら復職してもらおうと考えたものである。
労働局長による援助
申立者の復職を拒否したことは、育児・介護休業法により禁じられている不利益取扱いに該当
するため、申立内容を検討するよう事業主に助言。
結果
事業主は申立内容を受け入れ、申立者に解決金を支払い、紛争は解決した。
[参考]
育児・介護休業法
(不利益取扱いの禁止)
第 10 条 事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して
解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
Ⅲ 相談事例
1 男女雇用機会均等法関係
【事例④】 [社内結婚を理由とする不利益取扱い]
社内結婚を理由に、退職を強要されているとして相談があったケース
相談概要
社内結婚の報告をしたところ、退職を強要され、回答を保留していたところ、周りから反感を
買うかもしれない、転勤等の圧力がかかるので覚悟するようにと言われた。社内結婚の場合、女
性が退職する慣例がある。法律を知りたくて相談した。
雇用均等室の対応
女性労働者の結婚退職制、結婚を理由とする解雇は禁止されていること(均等法第 9 条)、ま
た、退職の勧奨に当たり、労働者の性別による差別的取扱いが禁止されていること(均等法第 6
条)から、結婚を理由に女性にのみ退職勧奨することは法違反に当たることを説明。
結果
女性労働者は、雇用均等室から男女雇用機会均等法の説明を受けて、会社に仕事を続けたいと
伝えたところ、会社は退職勧奨をやめ、結婚後も継続勤務することとなった。
[参考]
男女雇用機会均等法
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第 9 条第1項 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをし
てはならない。
第 2 項 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として解雇してはならない。
2 育児・介護休業法関係
【事例⑤】 [育児休業の取得]
育児休業等の取得を申出たところ、一旦退職してもらうと言われたとして相談があった
ケース
相談概要
事業主に産前・産後休業、育児休業の取得を申出たところ、一旦退職してもらい子育てが一段
落したら再雇用すると言われた。退職するしかないのか。勤続3年で、雇用契約期間の定めはな
い。
雇用均等室の対応
雇用契約期間の定めがない労働者は、勤続1年未満等の労使協定で育児休業を取得することが
できないと定められた労働者以外は育児休業を取得できることを説明。
結果
相談者が雇用均等室への相談をふまえ事業主に再度取得を申し出たところ、育児休業等を取得
できることとなった。
[参考]
育児・介護休業法
(育児休業申出があった場合における事業主の義務等)
第 6 条第 1 項 事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことはできない。
ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその
労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者と
の書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に
該当する労働者からの育児休業申出があった場合には、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると
認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
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