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禁煙コーナー - 一般社団法人広島県医師会

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禁煙コーナー - 一般社団法人広島県医師会
昭和
年
月
日 第
種郵便物承認
広島県医師会速報(第
号)
年(平成
年) 月
日(
)
スイスの喫煙事情
広島県医師会禁煙推進委員会 津谷 隆史
月 日、中央アジアの旧ソ連の共和国、ウズ
ベ キ ス タ ン がWHOた ば こ 規 制 枠 組 条 約
(FCTC)に批准した。 ヵ国目となるが、
WHOのWe
bを見ていると、なんとWHOのお膝
元、スイスが未だに批准していないことを知っ
た。FCTCとはWHOの下で策定された、保健分
野における初めての多数国間の国際条約である。
主な内容はタバコによる健康に及ぼす悪影響か
らの保護、未成年者対策、受動喫煙防止対策、
健康警告表示・広告規制、社会経済的な観点か
らの対策、価格および課税対策などの取り決め
である。
年 月にWHOで採択され、
年
月から発効されている。日本は
年 月に批
准している。
ちょうど時期を同じくして、 月初旬、スイ
ス、ジュネーブを訪問する機会があった。国際
連合の独立監査官I
氏から、スイス人マルセル・
ジュノー博士の生き方をテーマにした“アニ
メ・ジュノー”のスイス上映依頼をいただいた
ためである。
ジュネーブは、レマン湖を手前にし、遠くか
なたにモンブランを仰ぐ、美しい自然に囲まれ
た国際都市である。しかし町を歩くと、必ずだ
れかのタバコ煙に辟易してしまう。日本よりは
るかに歩きタバコが目立ち、路上には吸い殻の
ポイ捨てが氾濫している。
スイスは、ジュネーブのある南はフランス語
圏、チューリッヒのある北部はドイツ語圏、東
はイタリア語圏で、それぞれ法律も人々の性格
も考え方も州により異なっているらしい。その
ためFCTCの批准に必要な法整備にはまだ時間
がかかるようだ。また、タバコの価格は 箱
円とヨーロッパの中では安く、税率が %で近
隣諸国の %〜 %に比べると低い方だ。それ
ゆえ、ヨーロッパの中ではスイスは禁煙後進国
との汚名を着せられている。
しかし、タバコパッケージには、
年より
警告文として「喫煙は健康に被害を与えます」
と ヵ国語で記載され、
年 月 日から受動
喫煙から国民を守る連邦法が発効され、公共施
設内、飲食店内での喫煙が禁止になっている。
国民の喫煙率も、 %強で日本と比較するとは
るかに少ない。(図)
図 男女別喫煙率の国際比較
(注) 歳以上の毎日喫煙者の比較。男性喫煙率の低い順。
(資料) OECD Heal
t
hDat
e
〜
年の最新年。
(
)
年(平成
年) 月
日
広島県医師会速報(第
FCTCにすでに批准している日本が、今後進
めていかなければならないことは、受動喫煙か
ら国民を守るため、公共施設内、飲食店内での
喫煙を完全に禁止することである。神奈川県に
続き、広島県、広島市へ受動喫煙防止条例の整
備に向けて、これから広島県医師会のリーダー
シップが問われるであろう。
ちなみに、スイスがタバコに対して甘いのは
号)
昭和
年
月
日 第
種郵便物承認
「日本たばこ(J
T)
、ブリティッシュ・アメリカ
ン・タバコ(BAT)やフィリップモリス・イン
ターナショナルなど多くの外国たばこ産業の欧
州本部がスイスにあるからだ」との声もある。
特に日本たばこインターナショナルはジュネー
ブに本部を構えている。今年の世界禁煙デーの
WHOテーマは、まさしくお膝元のメーカーに
対しての警告であろう。(写真)
世界禁煙デー WHOポスター
WHO本部(当日は日曜日で職員はほとんどいなかった)右:WHO玄関入り口
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