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資料4 - 経済産業省

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資料4 - 経済産業省
資料4
産業構造審議会商品先物取引分科会 資料
Ginga Petroleum (S) Pte Ltd
社長
1.
新村
博道
OTC市場と取引所取引市場
*Gingaは仲介業者として、OTC市場のSwaps,Forward,現物の市
場をカバーする会社であり、日本では、商品先物取引仲介業(IB)の資格を持ち、TO
COMの石油市場もカバーしている。
*OTC市場が、取引所取引の流動性を阻害するとの意見があるが、それについて、以
下の通り考える。
・TOCOM Swapsという商品は、現状、市場には無く、その代わり、RIM
Swapsという商品があるが、それほど活発ではなく、ヘッジに使われたり、一部、
TOCOMとの裁定取引が行われたりしている。
・RIM Swapsの取引がもっと活発になれば、更に裁定取引をするプレーヤー
は、増加する事が考えられる。
・特に、小規模な会社は、TOCOMでヘッジのために、買い持ち、売り持ちをする
事が難しいが、Swapsを売り買いする事により、ヘッジをする事が易しくなる。そ
して、そのSwaps取引の相対になったプレーヤーが、TOCOMで裁定取引のため
売買をすることになる。
・WTIやBRENTもSwaps商品があるが、だからと言って、取引所取引の流
動性が損なわれているということは、聞いたことが無い。むしろ、取引所取引の原油と、
ドバイ原油 Swapsとの裁定取引をするプレーヤーが多く存在し、取引所取引の流
動性をSwaps市場が高めているとも言えると思う。
2.
取引所取引とクリアリングハウス
*取引所取引を活発化させるには、下記の事柄を考える必要がある。
・プレーヤーは、取引所を見て取引はしない。そこにある商品を見て、取引に参加す
る。
・取引に多くの参加が期待できる商品、要するに、魅力のある商品とは何か? はっ
きり言って、答えはない。成功する方程式は、未だ見つかってないのが現状である。
・そうすると、取り敢えず上場して、試してみるしかないが、現状では、上場するの
に、コストと時間が掛かり過ぎる。コストと時間をかけないで、試験上場をしていく手
段を考える必要がある。
・OTCベースでスクリーン(Internet取引)を作るなら、1ヶ月もあれば
出来るし、初期費用も100万円以下で作れる。実際にGingaは、Dojima E
xchangeと呼んでいる関西地方のスポット石油市場(現物)のスクリーンを運営
しているし、シンガポールでは、石炭の市場(現物とSwaps)のスクリーンも持っ
ている。また、J-OIL
Exchangeという、国内の石油スポット市場(現物
とSwaps)のスクリーンもサポートしている。
・OTCで取引していくときに重要なのは、クリアリングシステムである。現状、C
ME,ICE,SGX,LCHなどが、OTC市場のクリアリングを行っており、RI
M
Swapsは、CMEが5月よりクリアリングを開始する。
・日本でOTCクリアリングをするとしたらJCCHであるが、幾つかの問題点があ
る。特に、資本をもっと厚くしなければ、クリアリングメンバーからの与信を貰えない
し、参加者も不安をもってしまう。数年前に(前回の産構審)にも、クリアリングの強
化について指摘があったが、経済事情もあり、実施出来ていない。
・そこで、日本で資金が調達出来ないとしたら、海外資本を入れることも一考ではな
いだろうか。 法的問題等あるかと思うが、是非、検討して欲しい。
*TOCOMも市場活性化のために、更に営業努力をする必要があるが、それ以外に、
我々のようなOTCブローカーと提携して、安いコストで、新しい市場を作ってみるの
も一案であると思う。それで、成功が見えた時点で、TOCOMそのものに上場するス
テップをとったらどうであろう。
3.
先物市場の一般化
*先物市場は、一部のプロのプレーヤー以外の人からは、悪者視されている。確かに、
過去に悪い事実もあったし、最近でも問題のある勧誘をしている業者もあった。また、
ヘッジのためにしたデリバティブ取引で損失を出したと報道される事も多く、デリバテ
ィブを悪者扱いする風潮が一般的である。ヘッジのためのデリバティブで損失を出して
も、それは損失ではなく、その反対で、現物の取引で儲かっているわけであるから、ヘ
ッジをかけた時点で、利益を確定させている。そういう事実は、一切説明されてない。
そのような、マスコミ対策も必要かもしれないし、企業の方々への教育も必要であろう。
*もっと、一般の人に先物市場が悪い物ではなく、株式投資と同じように感じてもらえ
る方法はないかと常々考えている。
*次の表は、一つのアイデアであり、これを実施するとしているわけではないが、この
ように、尐し思い切った方策をとらないと、市場は活性化しないと思うし、このままで
は、衰退してしまうのではないだろうか。
4.
まとめ
*
OTC市場は、取引所取引と補完関係にある。
*
取引所取引を活性化させるための魅力ある商品開発に、OTC市場を利用する。
*
OTC取引の安全化を図るために、JCCHの強力化が必要である。
*
JCCHの強力化のために、外資の導入も検討する必要がある。
*
先物市場活性化のために、一般の人に、先物を身近に感じてもらえる施策が必要。
以 上
商品取引の一般化
少量で取引
(1kg/LOT)
一般
プレイヤー
売買
店頭
取引者
取引所
ブロック取引
販売店・スーパーの
クレジットカ
ドを
クレジットカードを
与信と決裁及び
現物の引渡しに使用
大手
販売店・
スーパーマーケット等
卸売
業者
用
OTC :
語
集
OVER THE COUNTER。相対取引
Swaps : スワップ取引。変動する将来の月間平均価格(変動価格)を固定価格に
置き換える取引
Forward :
IB
Introducing Broker。商品先物仲介業者
:
RIM
:
WTI :
RIM 情報開発。毎日の石油価格をリポートしている。
West Texas Intermediate。米国の代表原油。NYMEX で取引されている。
BRENT :
CME
先渡し取引。期先で引き渡すことを約束した取引
:
ICE :
北海で産出される原油のひとつ。ICE で取引されている。
Chicago Mercantile Exchange 。シカゴ・マーカンタイル取引所
Intercontinental Exchange。インターコンチネンタル取引所(英)
SGX :
Singapore Exchange。シンガポール取引所
LCH :
London Clearing House。ロンドン・クリアリングハウス
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