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大型陶磁器の鋳込み成形における内面盛上り

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大型陶磁器の鋳込み成形における内面盛上り
13.大型陶磁器の鋳込み成形における内面盛上り
および乾燥割れの防止
塑性加工研究室 片田 由人
(a)セラミックス
原料粉砕
(b)泥漿攪拌
鋳込み口
(d)乾燥
(c)鋳込み成形
(e)焼結
(f)製品
モデル洗面器に発生する内面盛上りおよび乾燥割れ
乾燥前
乾燥後
ウェルドライン
乾燥割れ
鋳込み成形体
拡大
A
A’
10mm
◎研究目的
内面盛上り 10mm
(AーA’断面)
・ 内面盛上り発生挙動の解明
・ 内面盛上りおよび乾燥割れの防止
安価で実用性が高い取付け型振動鋳込みを考案
製品に発生する内面盛上りの問題点
A’
内面盛上り発生箇所
A
水
内面盛上り
排水性能が低下
排水
AーA’断面
鋳込み成形実験方法
粉末:水:分散剤=20:10:0.1
泥漿作成
撹拌:12h
基準粘度 : 1800mPa・s
鋳込み成形
乾燥
鋳込み時間:約360秒
室温:3日間
モデル洗面器用鋳込み成形装置
泥漿タンク
380
300
1500
石膏型
(b)凸型
モデル洗面器石膏型
300
(a)凹型
380
ホース(φ22)
300
380
内面盛上り発生時の泥漿流動挙動の観察
ウェルドライン
拡大
鋳込み口
石膏型
着肉時間が内面盛上りにおよぼす影響
内面盛上り
200
乾燥前の平板成形体
H2
H2−H1
内面盛上り率(%)=
H1
内面盛上り率 / %
平板石膏型
H1
10
50
10mm
70
60
50
40
30
20
10
0
乾燥後
乾燥前
20
40
60
80
着肉時間 / min
100
石膏型の吸水性調査
0.2
合流部 通常部
吸水重量 / g
アクリル
7
石膏型
A
30
B
30
0.15
0.1
0.05
C
0
30
(A)
0
(B)
30
(C)
測定箇所 / mm
(a) 吸水重量測定方法
(b) 通常部と合流部の吸水重量
着肉時間:30分
内面盛上り成形体断面の微構造観察結果
内面盛上り
石膏型表面
(A)
(B)
AーA’断面
10mm
5μm
5μm
(A) 通常部
(B) 合流部
粒子配向が吸水性におよぼす影響
攪拌棒
7
0.2
石膏型
X
80
Y
5μm
5μm
(X) 通常部
吸水重量 / g
アクリル板
(Y) 攪拌部
(a) 実験方法
0.15
0.1
0.05
0
(X)
20
40
60
測定箇所 / mm
80
(Y)
(b) 攪拌部吸水重量
内面盛上り発生挙動
通常部
合流部
板状粒子
泥漿
内面盛上り
着肉層
吸水
石膏型
(a) 着肉層形成前
(b) 着肉層形成後
取付け型振動鋳込みによる成形体の欠陥防止
A
300
380
100
100
40
振動装置
減速機
モーター
偏心重り
18
90
190
100
回転数変化
ウェルドライン
A部詳細
周波数変化
取付け型振動装置
装置取付け図
欠陥防止をした成形体(f=70Hz)
合流部
合流部
A
10mm
A’
(b) 乾燥前(AーA’断面)
拡大
合流部
100mm
(a) 乾燥前成形体
10mm
(c) 乾燥後
まとめ
内面盛上りは,着肉層形成時に局部的な
吸水が起こるために形成される.
局部的な吸水性の向上は,粘土粒子が不
均一に配向するために起こる.
取付け型振動鋳込みによって成形体の内
面盛上りおよび乾燥割れを防止できる.
内面盛上り防止成形体における微構造観察結果
合流部
合流部
A
A’
石膏型表面
(c)
(b)
(a)A-A’断面
10mm
100mm
内面盛上り防止成形体
5μm
(b) 通常部
5μm
(c) 合流部
周波数の違いによる成形体の乾燥割れ(基準粘度)
乾燥割れ
(a) f=8.3Hz(共振周波数)
(b) f=27Hz
乾燥割れ防止成形体の含水率分布
26.1
25.9
26.6
25.4
26.2
26.6
26.1 26.0
26.4
26.3 26.3
26.5 27.0
27.1
25.2 26.9
26.1
26.7
27.1
25.9
/%
26.6
26.7
26.8
26.6
26.7 26.6
26.7 26.7
26.5
26.7 26.4
26.7
26.5
26.6
26.6
26.7
26.7
26.5
/%
26.4 26.3
ウェルドライン
ウェルドライン
26.4 26.3
27.3 26.1
(a) 振動無し
.
(b) f=27Hz
ウェルドライン形成挙動
ウェルドライン
吸水
吸水
:低含水率層
:着肉層
粒子形状が内面盛上りにおよぼす影響
A
A’
10mm
B
合流部
(b)
(b) 通常部
5μm
(c) 合流部
球状アルミナ成形体
(c)
(a) BーB’断面
(a)AーA’断面
5μm
10mm
内面盛上り
(c)
(b)
石膏型表面
B’
5μm
(b) 通常部
5μm
(c) 合流部
板状アルミナ成形体
流量の違いによる合流時の泥漿の流れ込み
300
380
210
A
凸部
10°
50
A’
110
210
(a) 正面断面図 (b) AーA’断面図
Δh
300
380
210
水位差Δhの発生およびその対策
10°
凸部を除去
(a) 合流時の水位差Δh
(b) 対称な流れを持つ石膏型
石膏型角度θと内面盛上り率の関係
θ
θとθ の関係
30
60
内面盛上り率
20
50
40
30
10
20
ウェルドライン角度
0
10
20
30
40
石膏型角度 θ / °
10
0
50
内面盛上り率 / %
ウェルドライン角度 θ / °
ウェルドライン角度θ
振動周波数と乾燥割れ(基準粘度)
5
着肉厚さ / mm
4
3
2
割れ発生
.
1
割れ無し
割れ有り
共振
0
8.3 10
20
周波数 f / Hz
30
40
振動鋳込み中の泥漿流動挙動の観察(共振)
振動鋳込み中の泥漿流動挙動の観察(f=36Hz)
泥漿粘度μと乾燥割れ(f=8.3Hz)
5
着肉厚さ / mm
4
3
2
1
0
割れ発生
割れ無し
割れ有り
500
基準粘度
1000
1500
泥漿粘度 μ / mPa・s
2000
泥漿粘度μの違いによる成形体の乾燥割れ(f=8.3Hz)
乾燥割れ
(a) μ=1500mPa・s
(b) μ=1760mPa・s (基準粘度)
振幅:大
振幅:小
泥漿の振動モデル
投入エネルギー:小
投入エネルギー:大
含水率分布:不均一
含水率分布:均一
乾燥割れ発生
(a) f=8.3Hz(共振周波数)
乾燥割れ防止
(b) f=27Hz
石膏型の振動実験
25
渦電流式変位測定装置
金属板
1
振幅 / mm
0.8
振幅測定
方向
振動装置
板ゴム
(a)振幅測定方法
0.6
0.4
0.2
0
20
30
8.310
周波数 f / Hz
40
(b)石膏型の振幅と周波数の関係
鋳込み成形前の泥漿の含水率と粘度の関係
50
40
含水率 γ / %
36.8
30
20
基準粘度
10
0
500
1000
1500 1800 2000
泥漿粘度 / mPa・s
乾燥割れ発生時の泥漿流動挙動の観察
B
A
石膏型
鋳込み口
欠陥防止をした成形体
合流部
A
A’
100mm
合流部
10mm
AーA’断面
10mm
(a) 乾燥割れ防止(f=27Hz) (b) 内面盛上り防止(f=70Hz)
成形体の乾燥割れ
鋳込み成形体
乾燥後
乾燥前
拡大
乾燥
ウェルドライン
乾燥割れ
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