Comments
Description
Transcript
東京水道国際展開プログラム
目 次 1 局長からのメッセージ ………………………………………………………………………… P. 2 2 東京水道の強み ………………………………………………………………………………… P. 3 3 国際展開の体系 ………………………………………………………………………………… P. 7 3−1 人材育成 訪日研修 …………………………………………………………………… P. 9 3−2 事業推進 技術協力事業 ……………………………………………………………… P. 11 インフラ整備・運用事業 ………………………………………………… P. 13 3−3 情報発信 国際会議関係 ……………………………………………………………… P. 15 知見の共有等 ……………………………………………………………… P. 19 4 東京水道の体制 ………………………………………………………………………………… P. 20 5 参考資料 我が国の開発協力 ………………………………………………………………… P. 23 東京都の都市外交 ………………………………………………………………… P. 25 東京水道の訪日研修実績・関係機関との連携 ………………………………… P. 26 訪日研修の主な施設 ……………………………………………………………… P. 27 東京都 東京都は、日本列島のほぼ中央に位置しており、人口 と経済活動の拠点が集中する日本の首都です。 総面積約 2,190k㎡、人口約 1,340 万人で、それぞれ日 本の総面積の約 0.6%、総人口の約 10%を占めています。 (2014 年 10 月1日現在) 東京都水道局は、東京都のほぼ全域に給水しており、 日本最大規模の水道事業体です。 給水区域面積 給水人口 普及率 給水件数 配水管延長 施設能力 年間総配水量 一日最大配水量 1,235.01k㎡ 12,948,248人 100.00% 7,146,953件 26,613km 6,859,500㎥/日 1,523,491千㎥ 4,632,200㎥/日 主なデータ(2014 年3月現在) 1 1 局長からのメッセージ 現在、途上国の大都市では、急激な経済成長や人口増加等に伴い、水不足や水質汚染が顕在化し ていますが、これらの課題の多くは、まさに東京水道が歩んできた長い歴史の中で直面し、解決し てきたものです。 東京水道では、主にアジアの諸都市からの要請に応じ、訪日研修や講師派遣などにより、これま で培ってきた技術・ノウハウを提供するとともに、近年では、民間企業と連携し、政府開発援助(O DA)を活用しながら、海外諸都市の水道事情改善のための技術協力やインフラ整備を進めています。 東京水道では、今後とも、自らの事業運営の中で培った実践的な技術力・事業運営力を活かし、 途上国の水道事情の改善に貢献してまいります。 この「東京水道国際展開プログラム」は、東京水道が進める国際展開を総合的、体系的に取りま とめたものです。アジア諸都市等の水道事業者をはじめ、多くの関係者の方々に御活用いただけれ ば幸いです。 東 京 都 水 道 局 長 吉田 永 水道水源林 2 1 局長からのメッセージ 東京水道は、近代水道創設以来、百十数年にわたり都民生活と首都東京の都市活動を支えてきま した。この長い事業運営の中で、急激な水需要の増加や原水水質の悪化など様々な課題を克服し、 いまや、世界有数の事業規模と技術水準を有する水道事業体となっています。 2 東京水道の強み 東京水道の歴史 ∼様々な課題の克服∼ 東京水道は、1898 年に近代水道として通水を開始しました。開始当初の施設能力は 17 万㎥ / 日であり、 現在の約 40 分の1の規模でした。 110 年を超える歴史の中で、様々な課題に直面しましたが、一つ一つ困難を克服しながら東京の発展 とともに成長し、現在では、世界有数の施設規模と技術水準をもつ水道事業体となっています。 第二次世界大戦後 漏水防止の取組 第二次世界大戦により、水道施設は相当な被害を受けましたが、中でも各家庭の給水装置は、壊滅 的な被害を受けました。終戦直後は、漏水率が 80%にまで達していましたが、応急的漏水防止の結果、 わずか3年後の 1948 年には、30%程度にまで低下させています。 その後も、計画的かつ精力的に漏水防止対策に取り組んだ結果、現在の漏水率は、3%程度と世界トッ プレベルに達しています。 1950 ∼ 1970 年代 急激な需要増への対応 高度経済成長に伴う人口や産業の集中などにより、水道需要が急増しました。さらに、東京オリンピッ クが開催された 1964 年は、異常な少雨による大渇水に見舞われました。そのため、水源の確保に努め るとともに、利根川系水道拡張工事により、14 年間で 380 万㎥ / 日の施設能力を増強するなど、急激 な水道需要の増加に対応してきました。 14年間で380万㎥/日 拡張 施設能力の推移 東京オリンピック開催年(1964 年) の渇水時に給水車で水を配給 1950 ∼ 1970 年代 財政難の時代 大規模な施設拡張工事と、高度経済成長による急激な物価上昇は、経営を著しく圧迫しました。そ のため、業務の効率化を図るなどの様々な経営努力を重ねつつ、必要の都度、都民の理解を得て、料 金改定を実施し、財政難を乗り越えてきました。 現在では、長期的視点に立って施策の方向性を定めるとともに、おおむね3年程度の経営計画を策 定し、安定的な経営を実現しています。 1990 年代以降 原水水質の悪化への対応 都市として発展する過程で、河川水質が悪化し、かび臭等の問題によって、多くの苦情が寄せられ ていました。そこで、かび臭原因物質等を年間を通じて安定的に除去するため、オゾン及び生物活性 炭吸着処理による高度浄水処理を導入し、現在では、安全でおいしい水道水を実現しています。 将来に向けて 今後も、老朽化が進む浄水場等の更新、気候変動の進行に伴う豪雨・渇水等リスクへの対応、多様 化する水質対策等、新たな課題への挑戦を続けていきます。 3 安全と安心の追求 ∼水道水を直接飲む∼ 河川などの水源において、定期的に水質調査、パトロール等を行 い、実態把握と水質異常の早期発見を図っています。 浄水場でも浄水処理の工程ごとに水質計器による常時監視や水質 試験などを行い、適切な浄水処理の実施に努めています。 また、給水区域内に自動水質計器を設置し、色や濁り、消毒の残 留効果を常時監視するなど、定期的に精密検査を行うことで、安全 性を何重にもチェックしています。 2 東京水道の強み 自動水質計器 通常の処理では十分に除去できないかび臭等への対策として、高 度浄水処理を導入しています。高度浄水処理は、急速ろ過方式に、 ൦ᢊ ޅ0 オゾン処理及び生物活性炭吸着処理を組み込んだもので、かび臭原 因物質をはじめとした有機物などの処理に効果を発揮しています。 ൦ᢃဇdzȳȈȭȸȫ このようにきめ細やかな水質管理と高度浄水処理により、さらに 安全でおいしい水の供給が可能になりました。 ႸႎᲴ൦เƔǒ̓ዅέƴᐱǔ൦Ʒ්ǕǛјྙႎƴࠝdzȳȈȭȸȫ お客さまに実施した水道水とミネラルウォーターの飲み比べにお オゾン接触池 いて、半数の方が水道水の方がおいしいと回答するなど、そのおい ۑ᪥ࠎࡢỈ㐨㟂せࡢኚືᑐࡋ࡚ࡶຠ⋡ⓗ࡛Ᏻᐃⓗ࡞Ỉ㐨Ỉࢆᖖ౪⤥ しさが実証されています。 ۑᖖ┘どࡼࡾࠊᨾࡸỈ㉁␗ᖖ➼ࢆ᪩ᮇ࢟ࣕࢵࢳࡋࠊ㎿㏿࡞ᨾᑐᛂࢆᅗࡿ ȷʩ්ܱጚᣃࠊᲴӨ҅ࠊŴȇȪȸࠊ ಒᙲᲴᙹٻƳ࠼؏൦ᢊǛዮӳႎƴdzȳȈȭȸȫƢǔ൦ᢃဇǷǹȆȠ ۑᗈ⠊ᅖཬࡪ⤥Ỉ༊ᇦỈ㐨ỈࢆᏳᐃⓗ౪⤥ࡍࡿࡓࡵࠊỈ㔞࣭Ỉᅽ࣭Ỉ㉁࡞ࡢሗࢆ୍ඖⓗ㞟 日々の安定供給 ∼24時間体制でコントロール∼ ࡋࠊỈ㔞࣭Ỉᅽ࡞ࢆ⥲ྜⓗ㐠⏝ࢥࣥࢺ࣮ࣟࣝࡍࡿࢩࢫࢸ࣒ 広範囲に及ぶ給水区域に水道水を安定的に供給するために、24 時間体制で、水量、水圧、水質など の情報を一元的に収集し、水量、水圧などを総合的に運用しています。 このように貯水池から配水管までの総合的な水運用を実施することにより、日々の需要変動に対し قฅऊैଦଵऽदभ়ऩઈ৷॑ৎ৬दৰك て、効率的で安定的な供給を実現しています。また、常時監視により、事故や水質異常を早期に把握し、 迅速な事故対応も行っています。 ઈ৷७থॱش 監視室 ᣦ ♧ Ỉ㔞䜔Ỉᅽ䜢㐺ṇ䛻䝁䞁䝖䝻䞊䝹 Ỉ※ 指示 㞟 ྛタ䛾Ỉ㔞䞉Ỉᅽ䞉Ỉ㉁ሗ 収集 㟁Ꮚィ⟬ᶵᐊ 電子計算機室 ┘どᐊ ᨭᡤ 䝔䝺䝯䞊䝍 ㈓Ỉụ ᕝ ίỈሙ 東京都水道局の水運用関係図 ⤥Ỉᡤ ᮏ⟶ ᑠ⟶ 4 バックアップ機能の充実 ∼災害時にも水を届ける∼ 災害や事故により個別の施設が停止しても給水できるよう、代替施設の整備や管路の二重化、ネッ トワーク化等を進め、水道施設全体としてのバックアップ機能の強化を図っています。 また、震災時における水道施設の被害を最小限にとどめ、給水を可能な限り確保するため、取水か ら給水に至る水道システム全体の耐震化も推進しています。 凡 例 浄水場 給水所 送水幹線 整備中の幹線 ※ 配水管の総延長は、約2万 7,000km に及びます。これは、地球の約3 分の2周に相当する長さです。 送水管ネットワーク(イメージ図) 世界トップレベルの漏水率 ∼経験に基づく高い技術力∼ 配水管等の計画的な取替えや漏水の早期発見・修理、職員の高い技術力の確保等により、現在、世 界トップレベルの漏水率約3%を実現しています。 漏水防止対策は、限られた水資源の有効利用だけでなく、出水不良や道路の陥没、建物への浸水等 の二次的災害防止、浄水や送配水過程でのエネルギーの省力化などにも寄与しています。 (%) 100 (千㎥/日) 6,000 80% 90 5,000 80 60 配水量(千㎥/日) 3,000 2,000 50 漏水量(千㎥/日) 40 漏水率(%) 30 3%程度 1,000 20 10 0 0 1945 1970 1990 配水量、漏水量及び漏水率の推移 5 1995 2000 2005 2010 (年度) 漏水率 配水量・漏水量 70 4,000 長期的視点に基づく経営 ∼安定経営を支える財政基盤∼ 2 水道料金 回収 東京水道の強み 持続的な経営を実現するためには、強固な財政基盤が 不可欠です。これは、適切な投資により、給水サービス を提供した対価として、お客さまから水道料金を回収し、 さらに回収した料金で再投資するといった経営サイクル を実現することにより可能になります。 また、将来を見据えて経営計画や施設整備計画などを 策定し、方向性を具体化するなど、長期的視点に基づい た事業運営をすることも必要です。 これらの計画は、ホームページで公表し、お客さまへ わかりやすく説明しています。 さらに、多様な支払方法をお客さまに選択いただける ほか、適切な徴収システムを確立することで、局の最終 徴収率※1は、99.9% を実現し、この経営サイクルを支え ています。 投資 給水サービス お客さま (建設改良・維持管理) 提供 水道事業の持続可能な経営サイクル (イメージ図) (左) 『東京水道経営プラン 2013』(2013 年2月) (右) 『東京水道施設整備マスタープラン』 (2015 年2月改定版) http://www.waterprofessionals.metro.tokyo.jp/pap.html ※2 国際水協会 (IWA) プロジェクトイノベーションアワード (P I A) を連続受賞! 東京都水道局は、IWAが表彰する世界各地の革新的で優れた水関連技術プロジェクトを称える賞 を 2012 年、2014 年に2回連続で受賞しています。 年度 プロジェクト名 内容 漏水防止対策として、以下の具体的な取組を実施 ・水道管の計画的な取替と管材質の向上 漏水率3%への挑戦 ・漏水の発見・早期修理を行うための作業 ・漏水調査機器の開発と漏水発見技術の維持及び継承 2012 年 東京都における人材 ベテラン職員の大量退職時代における技術継承及び若手職員の危機 育成への新たな取組 管理能力の確保を目的に、危機管理対応シミュレーターを開発 トロフィー 「蛇口から直接水道水を飲む」という日本が誇る水道文化を次世代 小学校に対する訪問 に伝えていくため、子どもに対する教育を重視する観点から、小学 授業 校に対して訪問授業を実施 2014 年 安全でおいしい水 プロジェクト 安全でおいしい水をつくり、届けるとともに、水道水のおいしさを お客さまに分かりやすく伝える取組を実施 多摩川水源森林隊 手入れの行き届いていない民有林の森林保全活動をボランティアが 実施 ※1 最終徴収率=100%−欠損率にて算定 ※2 国際水協会(IWA(International Water Association))は、水の効率的な管理と水処理技術の向上を通して、世界 における安定かつ安全な水の供給及び公衆衛生に寄与することを目的として、1999 年に設立された協会 6 3 国際展開の体系 都市外交の一環として、東京水道の技術力を活用した国際展開を推進しています。 人材育成 東京水道の優れた技術・ノウハウを伝え、 海外水道事業体の職員の育成に貢献 主な内容 実 績 訪日研修 •2012 年度 51 か国 460 名 •2013 年度 54 か国 381 名 •2014 年度 64 か国 506 名 目 標 訪日研修 年 400 名程度 ◆ 訪日研修 東京水道の国際展開 ◆ 講師派遣 事業推進 東京水道の技術力で海外都市の水道事情を 改善 主な内容 ◆ 技術協力事業 • 技術協力プロジェクト • 草の根技術協力事業 ◆ インフラ整備・運用事業 • 無収水対策事業 • 施設整備・運用事業 情報発信 ◆ 国際会議関係 • 国際会議の開催 • 国際会議における プレゼンテーション ◆ 知見の共有等 • 先進事例の蓄積 • 先進都市との連携 P.11 ∼ 14 実 績 技術協力事業 •ベトナム(ハノイ)、マレーシア 草の根技術協力事業 •インド(デリー)技術協力プロジェクト インフラ整備・運用事業 •タイ(バンコク)、ミャンマー(ヤ ンゴン)無収水対策事業 目 標 技術協力事業 年1件 東京のプレゼンス向上のため、東京水道の 先進的な取組を広く国内外に発信 主な内容 P.9∼ 10 P.15 ∼ 19 実 績 国際会議関係 •IWAアジア太平洋地域会議※1 の東京開催 •IWA世界会議※2参加 知見の共有等 •ホームページ上に情報掲示板開設 目 標 2018年IWA世界会議の東京開催 2020年東京オリンピック・パラリンピック競 技大会に向けた情報発信 ※1 IWA アジア太平洋地域会議(IWA-ASPIRE)は、国際水協会(IWA)のアジア太平洋地域における会議 世界及びアジア太平洋地域の水問題の解決を図ることを目的に、2年に一度開催されている。 7 ※2 IWA 世界会議は、水分野における関係者が2年に一度、一堂に会する上下水道の分野では世界最大規模の会議 国際展開のスキーム 【情報発信】 (1) 国際会議におけるプレゼンテーションの場を通じて、東京水道の技術、ノウハウ等の情報を国内 外の関係主体へ広く発信します。 (2) 先進都市等と最新の知見を共有するとともに、東京のプレゼンスを向上させます。 〈国際展開のスキーム(イメージ図)〉 ※2 支援・連携 国・政府関係機関等 ② 働きかけ ・ODAなど、国際協力に関する 資金を活用した案件形成 東京水道 (1)国際会議における プレゼンテーション ① 取組メニュー 発信 (2)知見の共有 国内外の関係主体 ※1 支援要請 途上国の水道事業体 情報発信 人材育成・事業推進 プレゼンス向上 水道事情の改善 ③ 取組実施 ・訪日研修 ・講師派遣 ・民間企業と連携した 事業推進 など ※1 東京都水道局への御連絡は、下記メールアドレスまでお願いします。 なお、渡航、滞在等の費用については、当局では負担しません。 【問合せ先】international_aff[email protected] ※2 国際協力に関する資金等を活用できる場合もありますので、御相談ください。 8 3 国際展開の体系 【人材育成・事業推進】 ① 途上国を中心とする世界の国々に向け、東京水道の取組メニューを発信します。 ② 途上国の水道事業体からの支援要請を基に、国際協力を進める国・政府関係機関等と連携しなが ら、政府開発援助(ODA)などの国際協力に関する資金を活用した案件形成に取り組みます。 ③ 訪日研修や講師派遣、民間企業と連携した事業推進など、海外の水道事業体のニーズに即した取 組を実施していきます。 3-1 人材育成 ∼訪日研修∼ 東京水道では、貯水施設の機能、漏水防止対策、給水装置管理など、水源から蛇口に至るまでの水 道事業の全般について、海外水道事業体を対象とした研修を行っています。 それぞれの分野で、講義のほか、浄水場等の施設見学や研修・開発センターのフィールドを使った実 習を行っており、講師は、東京水道で長年経験を積んだ職員が務めます。 研修期間は、1日から1週間を超えるものまで様々です。また、希望の科目を選択し、それぞれの 水道事業体が抱える課題に応じたメニューを作成することが可能です。 【研修メニュー】 分野 研修科目 貯水施設の機能 水源 水源林の機能 [ 講義 ] 水道水源林の役割、管理実務 [ 見学 ] 東京都水道局が所有する水道水源林 [ 実習 ] 森林保全活動 浄水処理 [ 講義 ] 各浄水場の概要 [ 講義 ] 高度浄水処理、急速ろ過、緩速ろ過、膜ろ過方式 [ 実験 ] 凝集沈殿、オゾン処理 水質管理 [ 講義 ] 総合的な水質管理 [ 講義 ] 水源及び浄水場、給水栓の水質検査 [ 講義 ] 水質事故対応 水運用 [ 講義 ] 総合的な水運用のしくみ [ 講義 ] 運転計画策定方法 [ 講義 ] 水運用状況の常時監視、浄水場等への運転指示実務 配水管取替計画 [ 講義 ] 優先度に基づいた管路更新計画 配水管の維持管理 [ 講義 ] 配水管の整備状況、維持管理手法 配水管布設替工事 [ 講義 ] 施工管理、品質管理、安全管理 [ 見学 ] 配水管布設替工事現場 [ 見学 ] 橋りょう添架管布設事例 [ 実習 ] 配水管接続 水道マッピングシステム [ 講義 ] システムを活用した効率的な水道管路データの管理 漏水防止対策 [ 講義 ] 漏水防止業務の実務 [ 講義 ] [ グループ討議 ] 漏水防止計画策定手法 [ 実習 ] 音聴棒、電子式漏水発見器を用いた漏水探知 [ 実習 ] 漏水修繕 給水装置管理 [ 講義 ] 給水装置に関する基礎知識、審査制度、審査実務 水道メータ管理 [ 講義 ] 水道メータの管理手法 [ 見学 ] 水道メータ検査施設 震災対策用応急給水槽 [ 講義 ] 震災対策用応急給水槽の構造、管理 [ 見学 ] 公園などに設置された震災対策用応急給水槽 浄水 配水 漏水防止 給水装置 その他 9 内容 [ 講義 ] 小河内ダムの概要及び歴史 [ 講義 ] 貯水池の役割、管理実務 [ 見学 ] 小河内ダム堤体内部 ※ 研修受講を希望される場合は、下記までメールで御連絡ください。ただし、業務上の都合等 により、御要望にお応えできない場合がありますので、あらかじめ御了承願います。 なお、渡航、滞在等の費用については、当局では負担しませんが、ODAを含め、日本の国際 協力に関する資金等を活用できる場合がありますので、御相談ください。 【問合せ先】international_aff[email protected] 研修フィールドを活用した実習 東京水道では、浄水場等の施設見学だけでなく、研修・開発センターの研修フィールドを活用する ことで、実際に手を動かしながら水道技術の習得を図る実践的なメニューを提供しています。 3-1 ・音聴棒を用いて、管の材質や漏水位置の違いに よる漏水音の聞き分けを体験します。 ・電子式漏水発見器を使用して、管材質の違いに よる漏水音の聞き分けや漏水箇所の特定を行い ます。 漏水探知の様子 漏水修繕の実習 ・露出配管された配水管(φ100)を使用し、漏水 を発生させた状況からの応急修理など、臨場感 のある実習を行います。 漏水修繕の様子 配水管接続の実習 ・実際の現場を模した曲がりと段差のあるピット 内で、大口径(φ500)の配水管の接続を行います。 ・別のピットでは、小口径(φ100 ∼φ150)の配 水管を用い、管設置及び分岐、ピット内から地 上部への接続、切り回し配管等を行い、管路完 成後の通水試験まで実施します。 配水管接続の様子 10 人材育成 漏水探知の実習 3-2 事業推進 ∼技術協力事業∼ 水道専門家の派遣 水道事業に関する専門知識や技術を持つ専門家を現地に派遣しています。 派遣された専門家は、東京水道サービス株式会社などと協働で、現地での課題抽出や東京水道の経 験と知見を活かした改善提案、現地セミナーの開催などを行います。 現地セミナーでは、無収水削減、アセットマネジメント、水道料金制度など様々な分野において、 東京水道が持つノウハウをプレゼンテーションやディスカッションを通じて提供し、公共事業体の立 場から海外水道事業体の能力強化を支援します。 また、ODA 事業の準備調査やマスタープランの策定のための専門家派遣も行います。 セミナーでのプレゼンテーション ディスカッションの様子 水道専門家の育成 海外の水道事業体職員を対象に、現地でのセミナーや訪日研修を通じて、水道専門家の育成を行っ ています。 訪日研修では、ダムや浄水場など東京を支える様々な水道施設を見学し、高度な水道技術を学ぶ機 会を提供します。また、研修・開発センターの研修フィールドでは、世界トップレベルの漏水率を維 持する漏水防止技術などを実際に体験、実習することができます。 これらの訪日研修等を通じて、水道事業の運営・維持管理能力強化に必要な知識とノウハウの習得 を支援します。 研修フィールドでの体験、実習 11 浄水場の見学 研修フィールドにおける研修講師育成 継続的に人材育成を行っていく拠点として、協力相手国内に研修フィールドを整備します。 また、電子式漏水発見器等の整備や研修マニュアルの作成を行います。 さらに、整備された研修フィールドを活用し、水道専門家を育てる研修講師の育成を支援します。 これにより、東京水道による支援終了後も、持続的な人材育成が可能となります。 東京都水道局の研修・開発センターを参考に、漏水防止実習フィールドを整備した事例もあります。 3-2 事業推進 漏水防止実習フィールド全景 講師育成研修の修了生による 電子式漏水発見器の実演 覚書の締結 訪日研修や専門家派遣により、長年の協力 関係を構築した結果、人材育成や技術協力に 関する覚書を海外水道事業体と締結した事例 もあります。 覚書の具体的内容の例は以下のとおりです。 ・交流による技術、経験、知識等の向上 ・無収水対策、震災対策、浄水処理などの 水道技術の向上に関する協力 ・啓発活動、教育活動、文化活動など、お 客さまのサービス向上に関する協力 覚書締結式の様子 ※ 技術協力に伴う費用については、当局では負担いたしません。 また、業務上の都合等により、御要望にお応えできない場合がありますので、あらかじめ御了承 願います。 12 事業推進 ∼インフラ整備・運用事業∼ 無収水対策事業 人材育成や技術協力で築いた協力関係を発展させ、実際に現地の水道事情を改善する無収水対策事 業を、東京水道サービス株式会社が民間企業と協力して実施しています。 このページでは、無収水対策事業の取組事例を紹介します。 無収水対策事業実施に至るまでのプロセス(一例) 訪日研修の実施 現地セミナーの開催 13 無収水対策等に関する訪日研修の実施や現地セミ ナーの開催を通じて、東京水道の技術やノウハウに対 する理解及び相互交流を促進 交流を深めた結果、人材育成や技術協力に関する覚 書を締結する場合もあります。 〔 〕 無収水対策事業の提案 現地セミナー等を通じた交流により信頼関係を築い た上で、現地の水道事情を改善するための具体的な事 業案を提案・協議 事業計画の検討・調整 相手国側で事業のための財源を確保することが困難 な場合は、国・政府関係機関等と協議し、ODA等を 活用した事業計画を検討・調整 無収水対策事業の契約締結 契約を締結し、事業に着手 必要に応じて、東京水道サービス株式会社と日本企 業、場合によっては現地企業も含めたコンソーシアム を形成 無収水対策事業の実施プロセス(一例) ① 給水区域設定、配水量の把握 ② メータの設置、故障メータ取替 →盗水及びメータ誤差の解消 3-2 事業推進 ③ 漏水箇所の特定 ④ 修繕作業、水道管の取替 →漏水量の減 ⑤ 多数の小口径給水管から統合管への切替 →水圧の増、漏水量の減 漏水対策として水道管を取替 成果事例 日本製の電子式漏水発見器 【成果事例における無収水削減効果】 東京水道サービス株式会社と民間企業 が設立した合弁会社が、無収水対策事業 を実施し、対象地域の無収水率を短期間 で大幅に削減した事例があります。 㻡㻜 㻥㻜㻘㻜㻜㻜 㻠㻜 㻞㻤㻚㻟 㻢㻜㻘㻜㻜㻜 ↓Ỉ⋡䜢 ᖜ䛻๐ῶ 㻟㻜 㻞㻜 㻟㻜㻘㻜㻜㻜 㻞㻚㻥 ↓Ỉ⋡ 䠂㻔 㻕 ౪⤥Ỉ㔞叉Ỉ⏝㔞 ੑ㻔 ᭶ 㻛 㻕 㻢㻜 㻝㻞㻜㻘㻜㻜㻜 㻝㻜 㻜 㻜 㻟᭶ 㻠᭶ ౪⤥Ỉ㔞 㻡᭶ 㻢᭶ Ỉ⏝㔞 㻣᭶ 㻤᭶ ↓Ỉ⋡ 14 3-3 情報発信 ∼国際会議関係∼ 国際会議におけるプレゼンテーション 国内外で開催される国際会議へ積極的に参加し、論文発表や展示会を通じて、東京水道の技術やノ ウハウを、世界に向けて広く発信しています。 論文内容は、浄水・水質などの水道技術をはじめとして、財政・事業運営、環境対策、人材育成な ど多岐にわたり、各国共通の課題解決に寄与しています。 また、他の国や都市の発表論文などから、世界の先進的な取組を学んでいます。 【主な発表論文】 分野 施設の再構築 浄水・水質 環境対策 震災対策 財政・事業運営 人材育成 論文タイトル 概 要 大規模水道施設の着実な更新による 安定給水の確保 大規模水道施設の更新にあたり、代替設備を整備することで、 更新に伴う能力低下を補完し、安定給水を維持 東京都水道局におけるアセットマネ ジメント導入への取組について 水道施設の状態把握や中長期的な補修時期の予測による、効率的な 施設管理・運営手法として、 アセットマネジメントのシステム化を推進 東京都における高度浄水処理への取 組 原水中の臭気物質を除去するためのオゾン処理と微生物の汚濁物質 分解作用による生物活性炭処理を組み合わせた高度浄水処理を導入 高層建物への直結給水の拡大 高層建物に「増圧直結給水方式(直列多段型)」を導入し、 水道水の安全性やおいしさを向上 電力モニタリングシステムを活用し た使用電力の削減 電力の使用状況とお客さまの水需要予測に基づき必要な電力を予 測する電力モニタリングシステムを開発し、使用電力の削減に成功 電力原単位回帰式を用いた送配水 エネルギーの最小化 ポンプの電力原単位を回帰式で表し、送配水に係るトータル 電力量を求めることで、省エネに配慮した水運用計画を作成 東京都水道局の震災対策 震災時の被害を軽減するため、施設の耐震強化を進めるとともに、断 水区域・時間縮減のためのバックアップ機能の強化などの施策を推進 水道管路の計画的な更新について ∼水道管路の耐震継手化緊急10カ年事業∼ 震災時の断水被害を最小限にとどめるため、抜け出し防止機 能を有する耐震継手管への取替を計画的に実施 大規模浄水施設更新に向けた財政運 営 今後、料金収入の大幅な増加が見込めない状況下で、投資の平準化、 事業の効率化等により健全経営を保持しつつ、大規模施設を更新 安全できれいな飲み水のための企業 経営と料金体系 社会経済情勢に応じた、持続可能な水道事業運営のための適 正な料金設定と財政運営 OJTの更なる推進 ∼少数精鋭体制を目指して∼ 全ての職場の組織力や各職員の能力向上を目的としたOJTの計 画的な実施に向けた支援・管理と指導者の育成及び職員の意識醸成 IWAアジア太平洋地域会議※1 での論文発表 (韓国・大田) 15 IWA世界会議※2での論文発表 (ポルトガル・リスボン) ※1 IWA アジア太平洋地域会議(IWA-ASPIRE)は、国際水協会(IWA)のアジア太平洋地域における会議 世界及びアジア太平洋地域の水問題の解決を図ることを目的に、2年に一度開催されている。 ※2 IWA 世界会議は、水分野における関係者が2年に一度、一堂に会する上下水道の分野では世界最大規模の会議 【展示会出展ブースにおけるPR】 3-3 情報発信 出展ブース パネルによる東京水道の取組紹介 水道機器類の展示 (電子式漏水発見器、音聴棒) 東京水(高度浄水処理水)の試飲 【主な参加会議】 参加会議名 参加年度 開催場所 第8回IWA世界会議 大韓民国 (釜山) 第1回国際水サミット アラブ首長国連邦 (アブダビ) 2012 年度 第5回IWAアジア太平洋地域会議 2013 年度 大韓民国 (大田) IWA経済及びアセットマネジメント国際会議 スペイン (マルベーリャ) 第9回IWA世界会議 ポルトガル共和国 (リスボン) 2014 年度 第6回シンガポール国際水週間 シンガポール共和国 (シンガポール) 16 2018年に第11回IWA世界会議を東京で開催します IWA世界会議が 2018 年9月に東京で開催されます。 会議では論文発表 350 編、ワークショップ等 90 件、展示会出展 200 団体を予定しており、過去最大 級の規模になる見込みです。開催都市として会議を成功させるとともに、会議を通して優れた技術や ノウハウを世界に発信し、世界の水道の改善に役立つ東京水道の魅力をアピールします。 世界各国から集まる専門家と知見を共有し、最先端の技術に触れる良い機会となりますので、多く の皆様のご参加をお待ちしています。 開催場所 東京ビッグサイト 展示会のイメージ 開催時期 2018 年9月 参加人数 合計 6,000 名(海外 2,000 名、国内 4,000 名) 開催場所 東京ビッグサイト(東京国際展示場) ∼∼∼ 皆様の御参加をお待ちしています∼∼∼ 第4回IWAアジア太平洋地域会議の開催 2011 年 10 月、「持続可能な水供給・循環システムの実現を目指して」をテーマとした第4回 IWA アジア太平洋地域会議 (IWA-ASPIRE) を東京で開催しました。 36 の国・地域から 1,400 人以上が参加し、「少子高齢化社会と低炭素社会における水道事業の展開」 と題した基調講演が行われたほか、819 件の論文が発表されるなど、各国の専門家が知見を交換する有 意義な場となりました。 第4回IWAアジア太平洋地域会議 17 ワークショップの様子 アジア水道事業体人材育成ネットワーク(A1−HRD) アジア水道事業体人材育成ネットワークは、アジア諸都市の水道事業体が、人材育成や研修手法に 関する知識やノウハウについて情報交換を行い、アジア全体の水道事業のレベルアップに寄与するこ とを目的として、2008 年度から活動を行っています。 現在、5か国7事業体がメンバーとなっており、ウェブサイト運営やニュースレター発行を通じた 情報交換のほか、毎年会議を開催し、各事業体の取組事例の紹介や意見交換を行っています。 【アジア水道事業体人材育成ネットワーク参加事業体】 韓国 タイ ベトナム 日本 3-3 韓国水資源公社 情報発信 台湾 ソウル特別市上水道事業本部 台北自來水事業処 台湾自來水公司 タイ王国首都圏水道公社 ベトナム建設省建設第二大学校 東京都水道局 第4回会議(東京)開催の様子 A1-HRD ホームページアドレス http://www.waterprofessionals.metro.tokyo.jp/network-1.html 18 情報発信 ∼知見の共有等∼ 世界へ向けた東京水道の技術やノウハウ、知見の発信と共有 海外水道事業体の実務者などに向けて、東京水道の取組を紹介するホームページを開設しています。 ホームページを通じて、東京水道の概要、技術やノウハウ、国際関連施策に関する取組について情 報を発信するとともに、海外水道事業体や研究者等からの質問などを広く受け付けています。 また、2014 年度からは、各国の水道事業体等が取り組んでいるエネルギー・環境対策に関する計画 や事例などを紹介する情報掲示板を新たに開設し、知見の共有を図っています。 海外実務者向けホームページ 東京水道の概要 水道局の事業、施設、水質基準 などについて紹介 東京水道の技術・ノウハウ 水道局の事業経営、浄水技術や 漏水防止技術、震災対策や技術継 承などの取組を紹介 東京水道の計画・方針 水道局の経営計画や施設整備計 画など、中長期的な計画を掲載 情報掲示板 Click! エネルギー・環境対策に 関する各国水道事業体の取組 東京をはじめとして、海外 の水道事業体等が取り組んで いるエネルギー・環境対策に 関する計画や事例などを掲載 ☆☆☆皆様からのアクセスをお待ちしています☆☆☆ http://www.waterprofessionals.metro.tokyo.jp/ 19 4 東京水道の体制 東京都水道局は、東京水道サービス株式会社、東京水道インターナショナル株式会社及び株式会社 PUC と連携して、海外の水道事情の改善に向けた取組を進めています。 東京都水道局 本 局 国際施策推進担当窓口 E-mail international_aff[email protected] 4 水道管布設、漏水探知、電気点検、浄水処理など 体験型の研修を実施する国内最大規模の施設 研修・開発センター 水 源 施 設 小河内貯水池、水道水源林など 浄 水 場 東村山浄水場、金町浄水場、朝霞浄水場、三園浄 水場など P R 施 設 水道歴史館、水の科学館及び奥多摩 水と緑のふ れあい館 等 出資 51% 出資 56% 東京水道サービス株式会社 株式会社PUC 出資 100% 東京水道インターナショナル 株式会社 20 東京水道の体制 < 主な事業所・施設等> 東京水道サービス株式会社 TSS Tokyo Water Co., Ltd. 東京水道サービス株式会社(TSS)は、東京都水道局の監理団体としての公益的使命感と民間企 業ならではの事業展開力を駆使して、各国の期待に応えられる海外事業に取り組んでいます。 TSSは、東京都水道局の国際施策の一環として海外事業を進めるために、2010 年度にプロジェク ト推進部を発足させました。その後、2012 年4月には、TSSの 100%子会社となる「東京水道インター ナショナル株式会社(TWI)」を、同年 12 月には、台湾に TWI の現地法人となる「東京水道國際 有限公司」を設立して海外事業推進体制を強化してきました。 一方、海外研修生を対象とした現地・訪日研修を積み重ねるとともに、国際会議・展示会への参加 や現地調査を積極的に推進し、各国水道事業体との対話を進めることにより、相手国が抱えている課 題とニーズの把握に努めてきました。 これらにより、各国との信頼関係が構築され、当社の技術への理解が進んだ結果、マレーシア、ミャ ンマー、タイ等の東南アジアを中心に、世界各国で主に無収水削減技術を活用した事業などを展開し ています。 主な海外事業実績 本社所在地 東京都新宿区西新宿六丁目14番1号 設立年月日 1987年2月2日 URL http://www.tssk.jp/eng/ 主要事業 水源施設の保全管理 浄・配水施設の運転・保全管理 管路の設計・施工管理・維持管理 漏水調査・漏水防止対策 給水装置の工事受付・審査・検査 水道技術研修 海外事業 など 社員数 1,289名(2015年4月現在) 資本金 1億円 売上高 14,338百万円(2013年度) TSリークチェッカー (TSSで開発した水道メータ等に当てるだけで 漏水のチェックが可能な漏水検査器) 21 国 事業内容 事業期間 マレーシア ベトナム(ハノイ) 研修事業 2011.8 ∼ 2014.3 タイ (バンコク) 無収水対策 事業 2013.3 ∼ 2013.8 インド(デリー) 技術協力 2013.6 ∼ 2016.5 プロジェクト マレーシア (ペナン) 研修事業 2014.1 ∼2016.11 ミャンマー (ヤンゴン) 無収水対策 事業 2014.10∼ 2015.3 TSSによる海外事業 (無収水対策として、漏水 している水道管を取替) Public Utility Services Center Co.,Ltd. 株式会社PUCは、およそ半世紀の永きにわたり、水道料金徴収業務のノウハウと高度なITを活 用し、東京都水道局の水道料金最終徴収率 99.9%の達成などに貢献してきました。 現在は、東京都水道局の監理団体として、水道料金徴収システムの開発・運用に加え、サービスステー ションやコールセンターの運営により、東京都水道局の安定的かつ効率的な事業運営と、お客さまサー ビスの向上をサポートしています。 これからも、「確かなサービスで水と人の未来を創る」というスローガンのもと、多様化する国内外 のお客さまのニーズに応え、高い評価・信頼が得られる企業を目指して努力していきます。 本社所在地 東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 創業年月日 1966 年8月 24 日 設立年月日 2004 年4月5日 http://www.puc.co.jp/english/ 主要事業 営業所、サービスステーションの窓口・検針・徴収整理業務 お客さまセンター(コールセンター)の運営業務 水道料金徴収システムなどの企画、開発、運用 経営及び情報処理システムのコンサルティング 受注実績 4 東京水道の体制 URL 【東京都水道局】 ・区部4営業所、多摩地区 12 サービスステーションの運営(2015 年4月現在) ・お客さまセンター(区部)、多摩お客さまセンターの運営 ・水道料金ネットワークシステム、財務会計システム、人事給与システムの企画、開発、運用等 【その他】 昭島市・水道包括業務 羽村市・水道料金システム 秋田市・上下水道局お客様センター業務 社員数 611 名(2015 年4月現在) 資本金 1億円 売上高 12,037 百万円(2013 年度) サービスステーション業務 お客さまセンター業務 水道料金等の収納業務 各種申込、問い合わせ対応 水道料金徴収システム 料金徴収システム(メインフレーム) 検針(ハンディターミナル) 22 5 参考資料 ∼我が国の開発協力∼ 開発協力大綱 【開発協力の目的】 我が国は、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献することを目的として開 発協力を推進する。 こうした協力を通じて、我が国の平和と安全の維持、更なる繁栄の実現、安定性及び透明性が高く 見通しがつきやすい国際環境の実現、普遍的価値に基づく国際秩序の維持・擁護といった国益の確保 に貢献する。 その際、政府開発援助(ODA)は、開発に資する様々な活動の中核として、多様な資金・主体と 連携しつつ、様々な力を動員するための触媒、ひいては国際社会の平和と安定及び繁栄に資する様々 な取組を推進するための原動力の一つとしての役割を果たしていく。 【基本方針】 ア 非軍事的協力による平和と繁栄への貢献 イ 人間の安全保障の推進 ウ 自助努力支援と日本の経験と知見を踏まえた対話・協働による自立的発展に向けた協力 独立行政法人国際協力機構(JICA)の取組 JICAは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協 力を行っています。 1 グローバル化に伴う 課題への対応 2 公正な成長と貧困削減 使命 使命 気候変動、水、食料、エネルギー、 感染症、金融などのグローバル 化に伴う課題に対応 格差に配慮した成長を通じた持 続的な貧困削減を追求 3 ガバナンスの改善 ビジョン すべての人々が 恩恵を受ける、 ダイナミックな開発 4 人間の安全保障の実現 使命 使命 開発の基盤となる政策・制度・ 組織・人材の強化を後押し 人々を武力紛争や災害その他の 脅威から守り、尊厳ある生命を 全うできる社会づくりを目指す 23 国・政府関係機関等のODA事業 【草の根技術協力事業】 草の根技術協力事業とは、日本のNGO、地方自治体等による、途上国の地域住民を対象とした協 力活動を、JICAがODAの一環として促進し、助長することを目的に実施する協力のことをいいま す。 東京水道の実績 実施期間 国・都市 内 容 マレーシア(全土)、 水道運営・維持管理能力の強化 ベトナム(ハノイ) (現地での技術指導、訪日研修など) 2014年1月∼2016年11月 無収水対策に係る能力強化 マレーシア(ペナン) (研修フィールド整備、訪日研修など) 5 参考資料 2011年8月∼2014年3月 【技術協力プロジェクト】 技術協力プロジェクトとは、途上国の経済社会の発展に寄与するため、JICAが相手国と共同で特 定の目的、内容・範囲・期間を設定し、専門家派遣、研修員受入、機材供与等の投入要素の組合せや 投入規模、協力機関を事業の目標・成果に応じて柔軟に選択する協力のことをいいます。 東京水道の実績 実施期間 2013 年6月∼ 2016 年5月 国・都市 インド(デリー) 内 容 水道運営・維持管理能力の強化 (現地での技術指導、訪日研修など) 【無償資金協力】 無償資金協力とは、開発途上地域の開発を主たる目的として同地域の政府等に対して行われる無償 の資金供与による協力のことをいいます。供与された資金は途上国・地域の経済社会開発に資する計 画に必要な資機材、設備及びサービスの購入に当てられます。 東京水道は、無償資金協力のスキームの一つを活用し、ミャンマー・ヤンゴンにおいて無収水対策 事業を実施しました。 24 参考資料 ∼東京都の都市外交∼ 東京都都市外交基本戦略 2014 年 12 月、東京都は、都市外交の基本的な考え方と政策の方向性を示す「東京都都市外交基本戦略」 を策定しました。 2020 年東京大会成功と世界一の都市を実現する都市外交 ●以下の3目的を達成する手段として都市外交を戦略的・包括的に推進 1 2020 年大会の成功 2 大都市に共通する課題の解決 3 グローバル都市東京の実現 都市外交の推進の基本的方針 ○東京の発展に資する施策を効果的に実現する手段として展開 ○都庁全体で総合的に取り組み、都民生活を向上させメリットを都民に還元 ○国との連携・協力の下に進め、国際社会にも貢献 都市外交の進め方 ○過去の成果を活かしつつ、見直しや再活性化を図り、二都市間・多都市間外交を国内外で積極的 に展開 ○知事による外国訪問、国際会議参加等を、優先度を踏まえ計画的に実施 ○知事の訪問、相手都市首長の来日等により、既存の友好都市等を含め、2017 年までに 15 都市、 2020 年大会までに 30 都市との関係構築を目指す。 戦略的な二都市間外交の推進 ○協力関係を構築する都市を戦略的に選定(オリンピック・パラリンピック開催都市、アジア の主要都市、各種世界都市ランキング上位の先進国諸都市、その他新興地域の有力都市等) ○双方の都市の関心が一致し、東京都の施策に資する実質的な内容の協力・交流を実施 ○連携協力の形式を柔軟に選定(姉妹友好都市、政策連携等) ○重要な都市との間では首長の相互訪問により、合意文書を締結。定期的に相互交流 効果的な多都市間外交の実施 ○アジアの大都市等の共通の課題解決や連携・交流促進に資する、実務的協力事業を推進 ○課題解決に向けた多都市間の国際会議への積極的対応(主体的な参加、東京主導の開催、誘致、 会議における東京の情報発信等) 都市外交を支える環境整備 ○世界一の都市にふさわしい要人接遇の充実 ○都庁全体で都市外交を実施するための体制の強化 ○国際貢献等で国との連携を強化 25 参考資料 ∼東京水道の訪日研修実績・関係機関との連携∼ 訪日研修実績 (人数) 600 アジア 506 500 アフリカ 460 410 中東 381 400 欧州 329 北米・中南米 300 大洋州 5 参考資料 200 100 0 2010 2011 2012 2013 2014 (年度) 民間企業との連携 ∼国際貢献ビジネス民間企業支援プログラム∼ 日本には、最先端の水道技術を持った企業が多数存在しています。 東京都水道局では、ニーズに応じた多様かつ持続的な途上国への協力を行うため、民間企業支援 プログラムを運用し、日本企業と連携した国際展開を推進しています。 2015 年6月現在、63 社が当プログラムに登録しています。 < 主な取組 > ・マッチング機会の提供 海外水道事業体等からの協力要請に対し、登録企業へのマッチング機会の提供を行います。 ・東京都水道局施設への視察受入れ 登録企業からの申込みにより、海外水道事業体等からの視察の受入れを行います。 他自治体との連携 ∼自治体水道国際展開プラットフォーム∼ 国内の 20 水道事業体と日本水道協会が連携・協力して、国際展開を推進するための協議・調整の 場を設置し、事業体間の情報共有・意見交換等の促進を図っています。 < 主な取組 > ・情報共有の促進 ・国及び政府機関に対する政策提言に向けた協議・調整 ・人材の相互活用に向けた調整機会の提供 ・民間企業等との意見交換など 26 参考資料 ∼訪日研修の主な施設∼ 研修・開発センター 水道専用の研修と研究開発を行う国内最大規模の施設で す。水道管布設、漏水探知、浄水処理など、体験型の研修 を受講できる施設を多数整備しており、水道技術に関する 実践的な能力を身につけることができます。 1 2 3 4 5 1 研修・開発センター外観 2 水質分析室 3 大口径配管実習施設 4 漏水探知実習エリア 5 漏水修繕実習エリア 27 小河内貯水池と水道水源林 小河内貯水池(東京都奥多摩町)は、水道専用としては国内最大の規模であり、有効貯水量は 185,400千㎥、東京都で使用される水道水約40日分の原水を蓄えることができます。東京都の独自水源 として、利根川水系の渇水時や事故時には放流量を増やすなど、都民への安定給水の確保に重要な役 割を果たしています。 また、水道局は、約23,000haの水道水源林を有しています。水道水源林は、水源かん養機能、水質の 浄化機能、土砂の流出防止機能等があり、多摩川水源域の安定した河川流量の確保と小河内貯水池の 保全のために、重要な役割を担っています。 5 参考資料 水道水源林 小河内貯水池 28 浄水場∼あらゆる水質に対応できる様々な浄水方式∼ 東京都の主要な浄水場は 11 か所で、その施設能力は日量 686 万㎥です。これらの浄水場では、急速 ろ過方式、緩速ろ過方式、膜ろ過方式などに加え , オゾン処理と生物活性炭吸着処理による高度浄水処 理を導入しています。また、多摩地区に小規模な浄水所を多数保有しております。 オゾン接触池 【浄水場の概要】 水系 利根川・荒川水系 (2015 年4月現在) 浄水場 施設能力(㎥ / 日) 金町 三郷 朝霞 三園 東村山 多摩川水系 相模川水系 地下水 29 小作 境 砧 砧下 長沢 杉並 1,500,000 1,100,000 1,700,000 300,000 880,000 385,000 280,000 315,000 114,500 70,000 200,000 15,000 比率(%) 浄水場別 水系別 21.9 16.0 24.8 4.4 79.9 18.4 4.1 4.6 1.7 1.0 2.9 0.2 17.0 2.9 0.2 処理方式 急速ろ過方式、高度浄水処理 急速ろ過方式、高度浄水処理 急速ろ過方式、高度浄水処理 急速ろ過方式、高度浄水処理 急速ろ過方式、高度浄水処理 急速ろ過方式 急速ろ過方式 緩速ろ過方式 膜ろ過方式、緩速ろ過方式 膜ろ過方式、緩速ろ過方式 急速ろ過方式 消毒のみ 水道局のPR施設 〈東京都水道歴史館〉 江戸時代の人々と上水との関わりや近代から現代までの水道事業の取組について学ぶことができま す。なお、音声ガイダンス(日・英・中・韓)の貸出を無料で行っております。 http://www.suidorekishi.jp/ 〈東京都水の科学館〉 参加体験型の展示設備により、楽しみながら水と水道への興味を深めることができます。 http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/eng/science/index.html 〈奥多摩 水と緑のふれあい館〉 奥多摩の豊かな自然、ダムの仕組み、水の大切さなどをわかりやすく紹介しており、3Dシアターで は迫力ある立体映像を楽しむことができます。 1 2 3 1 東京都水道歴史館 2 東京都水の科学館 3 奥多摩 水と緑のふれあい館 30 5 参考資料 これらのPR施設では、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、多言語対応 に取り組んでいます。 2015年6月(平成27年度 第157号第4類) 東京都水道局総務部国際施策推進担当 〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 TEL.03‐5320‐6336