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2 国際教 育育 神戸らしい特色ある教育

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2 国際教 育育 神戸らしい特色ある教育
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
2 国際教育
神戸らしい特色ある教育
国際都市神戸の環境と、外国人英語指導助手(ALT)を活用することで、児童生徒の英語
によるコミュニケーション力や国際性をはぐくむ。
1 国際教育の目的
・外国の人々や異文化を理解し尊重する態度や、異なる文化をもった人々と共に生きていく資質や能力の
育成を図る。
・自国の文化や伝統に対する理解と関心を深め、豊かな国際性をはぐくむなかで自己の確立を図る。
・世界で広く使われている英語によるコミュニケーション能力の育成を図る。
2 国際教育推進の取組
(1) 英語教育の推進(外国人英語指導助手〔ALT〕の活用)
①「聞くこと」
「話すこと」
「読むこと」
「書くこと」の統合を意識
した英語科の授業の推進
②複数のALTを1校に派遣し、生徒に英語によるコミュニケー
ション能力を育成する「神戸国際人育成プログラム」
インターナショナルデーなど、異文化を生徒に紹介する体験型
のプログラムを提供する。
③ALTや神戸市外国語大学生と、英語等の外国語を使って活動する
「中学生英語サマースクール」
ALT100 人以上がグループに分かれ、英会話、クイズなどのプ
レゼンテーションを通して外国の文化や習慣を英語で紹介する。
また、神戸市外国語大学の学生約 20 人がスペイン語、ロシア語、
中国語のプレゼンーションを担当する。
中学生は小グループに分かれて各教室を巡り、ALTや外大生の
プレゼンテーションを体験する。
④外国人学校の生徒たちも含め、神戸に住む中学生たちが、英語で
発表し合い、交流を図る「神戸イングリッシュ・フェスティバル」
ALT100 人以上が各校での発表練習の指導や、当日の企画運営
にあたっている。
(2)小学校外国語活動の推進
①子供たちが英語を使いたくなるような授業づくりのキーワード
『意味のある場面で 意味のある情報を 意味のある相手に伝える』
②授業改善を促す小学校外国語活動実践事例の作成配付
③3,4年生にも1クラス当り年間7時間にALTを配置し、総合的
な学習の時間のなかでの「国際理解」の授業を実施
③複数のALTを1校に派遣し、授業で慣れ親しんだ英語表現を、
児童が実際に活用する場を提供する「デリバリーサービス」
中学生英語サマースクール
神戸イングリッシュ・フェスティバル
小学校外国語活動
(ALT に国内のおすすめの場所をPR)
(3)教員等の指導力・英語力の向上
①神戸市外国語大学と連携し、マイクロティーチングを通して小学
校教員の指導力向上と、授業への自信の醸成を図る小学校外国語
活動基本研修
-9-
デリバリーサービス
(ALT に英語で校区の市場を案内)
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
②神戸市外国語大学との連携をもとに、他大学からも講師を招き、
使用言語を英語とする研修も取り入れて中高英語教員の指導力の
向上を図るスキルアップ研修
③ALTの資質向上を図る様々な研修
来神直後3日間、神戸の教育制度や学校のしくみ、授業の進め方な
どについて研修。夏季休業の後半には、レベル別の日本語研修。
その他、年2回の指導力向上研修では、小学校外国語活動について
共通理解したり、中高英語教員と授業プランを作ったりして資質の
向上に努めている。
小学校外国語活動基本研修
(4)国際交流事業の推進
①姉妹都市ブリスベン(オーストラリア)やシアトル(アメリカ)
・
友好都市などを中心とした教育国際交流
②JICA関西・兵庫県国際交流協会などとの連携・協力による海
外からの訪問団との交流会やホームステイ受入
③関係機関や大学、企業、NPOとの連携による国際教育・多文化
共生教育
(5)
「こうべ地球っ子プログラム」の推進
神戸市および近隣に在住の外国人を講師として小学校に派遣し、講
師の出身国(地域)の自然や音楽、遊びや食べ物などについて、外国
の方と直接触れ合いながら学習する機会を提供することで、体験的な
国際理解教育を実施
神戸市立高校生シアトル派遣プログラム
3 日本語指導が必要な外国人児童生徒への支援
日本語指導が必要な外国人児童生徒と、他の児童生徒や教員との
コミュニケーションの円滑化を促し、外国人児童生徒の生活適応や
心のケアを図る支援策
①子ども多文化共生サポーターの派遣
日本語指導が必要な外国人児童生徒に対し、生活適応や学習支援、
心の安定を図るなど、学校生活への早期適応を促進するため、その
児童生徒の母国語ができるサポーターを小・中学校に派遣している。
②神戸市外国人児童生徒受入校支援ボランティアの派遣
外国人児童生徒などを受け入れている幼稚園、小中高等学校へ、母
国語を解する通訳ボランティアを派遣し、学校と児童生徒や保護者
との通訳・翻訳、児童生徒の日本語指導の補助などにあたっている。
③神戸生田中学校JSL教室の開催
神戸市立神戸生田中学校及び市内の中学校に在籍する、日本語指導
が必要な生徒に対し、神戸大学留学生センターの協力を得て、日本
語支援ボランティアがカリキュラムに基づいた指導を行い、学習言
語の基礎となる日本語の読む・書く力を付けるよう取り組んでいる。
④日本語指導教室の開催
日本語指導が必要な帰国・外国人児童を対象に、日本語指導を通して、
生活適応や学習支援など学校生活への適応を促進するとともに、母国
語や母文化に触れる活動を通して児童の自尊感情を醸成するため、当
該児童が多数在籍している7校の小学校に対して人材を配置している。
- 10 -
こうべ地球っ子プログラム
子ども多文化共生サポーター
(中学校での入り込み指導)
子ども多文化共生サポーター
(小学校での取り出し指導)
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
3
防災教育
神戸らしい特色ある教育
1『震災』と『復興』の過程で得た教訓を生かす ~神戸の防災教育の目指す方向~
平成7年(1995 年)1月 17 日に発生した兵庫県南部地震では、多くの尊い人命が奪われ、神戸は大
きな被害を受けた。大混乱の中、多くの学校が避難所となる中、教職員は学校再開に向けての努力を重
ねた。そこでの教訓が神戸の防災教育の根底に流れている。
震災以降、神戸の防災教育が目指した方向は、次の3点である。
① 震災体験から学んだ教訓を生かす
震災体験を語り継ぎ、「命の大切さや助け合い・思いやり・家族の絆等の大切さ」を教訓とし
て、よりよい生き方を身に付けること
② 災害による被害を最小化する=減災
自分の命は自分で守れるよう、さまざまな防災課題に対する知識や技能を身に付けること
③ 思いの共有化
新たな防災課題に対しても、思いを共有し、知恵と力を生かしていくこと
2
生きる力を育む防災教育
震災の教訓を学校教育の中で生かし、未来に向かって力強く生きていく子供の育成を図り、一人一
人の子供に「生きる力」をはぐくむため、防災教育をその中心的な柱として位置付け、学校教育の在
り方を問い直してきた。
「生きる力を育む防災教育」として再出発した神戸の防災教育が目指す子供像は次の6つである。
○
○
○
○
○
○
困難な状況に出会った時、自ら判断し、主体的に行動できる子供
自他の命や人権を尊重できる子供
相手の思いに寄り添い、共感的に受け止める優しさをもつ子供
自然を正しく理解し、そのすばらしさに気付くとともに畏敬の念をもつ子供
社会の一員としての自覚をもち、社会に対して積極的にかかわろうとする子供
自らのかけがえのない命を自分で守る子供
3
「幸せ 運ぼう(しあわせ はこぼう)」
阪神・淡路大震災後、わずか 10 カ月で防災教育副読本「しあわせはこぼう(小学校用)」「幸せ運
ぼう(中学校用)」を発行した。震災後の混乱の中、神戸市教育委員会と教員が持てる力を結集して発
行にこぎつけたこの副読本は神戸市の財産である。震災の体験や教訓を教材化し、今後の備えとする
とともに、一人一人の子供たちが将来に向けて「たくましく生きていく」ことを目指して作られた。
災害が起きるたび、記述等に追加を加えてきたが、2011 年(平成 23 年)の東日本大震災を受け、平成
24 年度、大幅改訂した。漢字には全てルビをうち、どの児童生徒も読めるよう工夫した。災害はいつ、
どこで起きるか分からない。児童生徒がいつでも副読本を手に取れる環境を作り、児童生徒の防災マ
ニュアルとして読み込ませることが大切である。
4 校内防災研修の充実
「幸せ運ぼう」「しあわせ はこぼう」を計画的に活用し
たり、重点教材や重点単元を設定したりする等、校内防災
研修を充実させることが大切である。また、阪神・淡路大
震災の被災経験者や東日本大震災への被災地支援者等の
校内外の人材を活用したり、自作資料を作成したりする等、
児童生徒の心に響く防災学習を積極的に実践することが
大切である。それらの授業実践や指導案を蓄積していくこ
とが継続した防災教育の推進につながる。
- 11 -
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
5
6
防災教育カリキュラムの見直し
災害は火災、地震だけではない。津波、洪水、土砂災害、落雷、竜巻等、自然災害は多岐に渡って
おり、それらの自然災害について、児童生徒に教えることが大切である。
中でも、都賀川の水難事故を受け、河川の増水災害については、河川から離れた学校であっても、
指導することが必要である。
また、津波災害については、臨海部にある学校園だけでなく、すべての学校園の子供に対して、
登下校時、校外学習時、家庭、家族旅行等での津波に対する防災意識を高める指導を推進するこ
とが大切である。
防災教育カリキュラムに、河川の増水災害、津波災害の内容を入れ、それぞれの災害からの避
難方法を周知する必要がある。
防災マニュアルの改善
(防災マニュアルの作成・反映)
(防災訓練の実施)
・地域特性に応じた
防災マニュアルの作成
・改善点を防災マニュアル
に反映させる。
・防災訓練に基づいた
防災訓練を実施する。
「防災マニュアル見直しの5つの視点」
・学校園の地域特性に応じた避難場所、避難経路の設定
・学校園の地域特性に応じた避難訓練の計画、実施
・災害発生時における教職員の状況別役割分担の明確化
・避難所の開設準備や役割分担の明確化
・児童生徒等の引き渡し方法の明確化と保護者への周知
(改善点について
の話し合い)
(防災訓練の評価)
・防災訓練についての
評価を行い、改善点を
見つけ出す。
・改善点について
の話し合いを行い
話を行い共通理解する。
7『震災 20 年』『東日本大震災の教訓』から『新たに学ぶ・ともに学ぶ』という基本的スタンス
東日本大震災後、神戸市は、積極的に被災地への支援活動や交流活動を行い、今なお継続している
学校園がある。遠く離れた被災地の思いを共有し、自分にできることを主体的に行う。これこそが、
阪神・淡路大震災後、「生きる力を育む防災教育」を展開してきた神戸の防災教育の成果である。
阪神・淡路大震災の風化が叫ばれる中、他都市出身であったり当時幼かったりして、震災の記憶や
経験をもたない教員が増えてきている。震災での被災体験が無くとも、神戸市の教員として、躊躇せ
ずに防災教育を推進することが大切である。各校園では、先輩教員から若手教員へ、震災から得た教
訓の継承に努め、『新たに学ぶ・ともに学ぶ』という姿勢で、防災教育研修を深め、日々の取組を継
続することが大切である。
震災 20 年を目前にし、今一度、教員がしっかりと震災を見つめ直す必要がある。それこそが、阪
神・淡路大震災の教訓の継承につながるのである。
8
継続した防災教育
子供は、いつ、どこで地震や津波、火災などの災害に遭遇するか分からない。東南海・南海地震は、
今後数十年間の間には必ず起こると言われている。その時にあわてないよう、何よりも児童・生徒の
生命の安全が第一であるという意識を教員自身がもつことが大切である。
「命を守る」だけでなく、「生きる力を育む」防災教育が全ての教育の原点だと考え、教員が常に防
災を意識していることが大事なことである。
- 12 -
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
4
キャリア教育
神戸らしい特色ある教育
今、子供たちには、将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らし
い生き方を実現するための力が求められている。
この視点に立って日々の教育活動を展開することこそが、キャリア教育の実践の姿である。学校の
特色や地域の実情を踏まえつつ、子供たちの発達の段階にふさわしいキャリア教育をそれぞれの学校
で推進・充実させる必要がある。
望ましい勤労観・職業観及び職業に関する知識や技能を身に付けさ
せるとともに、 自己の個性を理解し、 主体的に進路を選択する能
力・態度を育てる。
発達の段階に応じて
小学校段階から教育活動
全体を通じての系統的な
取組の積み上げ
体験活動を通して
職場見学・体験、トライや
る・ウィーク、インターン
シップ等の体験活動の充実
連携・協力して
学校と家庭・地域・産業
界等の連携・協力体制の
強化
キャリア教育が目指すもの
○一人一人のキャリア発達の支援
○学ぶことや働くこと、生きることの尊さの実感と学ぶ意欲の向上
○将来の社会的自立・職業的自立の基盤となる資質・能力・態度の育成
○望ましい勤労観・職業観の育成
<指導のポイント>
・各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動等において「キャリア発達」を促す内容を振
り返り、紡ぎ、つなげ、児童生徒の認識や視野を広げていく働きかけを大切にする。
・キャリア教育を系統的・組織的に推進していくために全体計画や年間指導計画を作成する。
・家庭や地域の人々との連携を図る中で進路指導を進める。
◆小学校段階のキャリア教育
1
目標
2
内容
児童の発達の段階に応じて、社会人として必要な自律性や社会性を
育て、一人一人の児童がそれぞれの進路を探索・選択する力を培う
うえで、重要な基盤を形成する。
○自己及び他者への積極的関心の形成・発展
○身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上
○夢や希望、憧れる自己イメージの獲得
○勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の形成
低学年
中学年
高学年
自分の好きなこと、で
きることを増やし、
様々な活動への興味・
関心を高めながら意欲
と自信をもって活動で
きるようにする。
友達のよさを認め、協
力して活動する中で、
自分の持ち味や役割を
自覚することができる
ようにする。
苦手なことや初めて経
験することに失敗を恐
れず取り組み、そのこ
とが集団の中で自分へ
の自信につながるよう
にする。
- 13 -
中
学
校
へ
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
◆中学校段階のキャリア教育
1
目標
2
内容
一人一人の中学生が、将来の進路と日々の教育活動とを結び付け、
自分と社会をつなぎながら、力強く未来を拓く力を獲得できるよう
にする。
○肯定的自己理解と自己有用感の獲得
○興味・関心に基づく勤労観・職業観の育成
○進路計画の立案と暫定的選択
○生き方や進路に関する現実的探索
1 年生
2年生
3 年生
・自分のよさや個性を
理解し、集団の一員
としての役割を理解
し、果たそうとする。
・将来に対する漠然と
した夢やあこがれを
抱く。
・社会の一員としての
自覚を持ち、社会や
大人を客観的にとら
える。
・将来への夢を達成す
るうえで現実の問題
に直面し模索する。
・自己と他者の個性を
尊重し、人間関係を
円滑に進められる。
・将来設計を達成する
ための困難を理解
し、それを克服する
努力に向かう。
◆高等学校段階のキャリア教育
1
目標
社会・職業の現実的理解を深め、将来の社会への参画のために、生
涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力・態度を身に
付け、望ましい勤労観・職業観を育てる。
2
内容
○自己理解の深化と自己受容
○選択基準としての勤労観・職業観の確立
○将来設計の立案と社会的移行の準備
○進路の現実吟味と試行的参加
1 年生
2年生
3 年生
・新しい環境に適応する
とともに他者との望ま
しい人間関係を構築す
る。
・学習活動を通して自己
の能力適性を理解す
る。
・様々な情報を収集し進
路選択の幅を広げる。
・他者の価値観や個性を
肯定的に認め、受容す
る。
・学習活動を通して勤労
観・職業観を育成する。
・自己の職業的な能力適
性を理解し将来設計を
図る。
・進路実現に向けた課題
を理解し、検討する。
・自己の能力適性を的
確に判断し、卒業後
の進路について具体
的な目標や課題を定
め実行に移す。
・理想と現実の葛藤を
通して困難を克服す
るスキルを身に付け
る。
- 14 -
高
等
学
校
へ
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
5
1
環境教育
神戸らしい特色ある教育
環境教育の目的
○教育基本法「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」
○学校教育法「学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保
全に寄与する態度を養うこと」
○児童・生徒が環境問題やエネルギー問題などについての正しい理解を深め、生命を大切にし、環境を
守るための行動がとれるような態度を育成する。
視 点
豊かな体験活動を通して
環境教育
・ 自然に対する豊かな感受性や生命を尊重する精神を培う
・ 環境に対する関心等を培う
・ 持続可能な社会の構築をめざす態度や能力をはぐくむ
2
学校教育全体で取り組む
環境教育推進の取組
・
・
・
・
環境保全
自然共生社会
循環型社会
生産と消費の
バランス
・ 低炭素社会
・環境教育の年間指導計画を作成し、環境や環境問題についての基本的なことを、各教科で学ぶ。
・生命や自然を大切にしたり環境に優しい取組をしたりして、自然に直接ふれる体験型の学習を行う。
・社会の変化への対応の観点から教科等を横断して進め、環境局や地域社会、NPOなどと連携して、
学校における持続可能な開発のための教育(ESD)の推進を行うようにする。
取組例として
教 科 な ど
環境に関する基礎的・基本的な
知識や技能の習得やそれらを活
用する学習は各教科で行い、総合
的な学習の時間では、教科横断
的、探究的な学習を行う。
①理科 生物と環境とのかかわり
や環境の保全、自然エネルギー
の活用など
②社会科 くらしとごみ、国土の
開発と自然、自然を守る運動な
ど
③家庭科や技術家庭科 自然に
優しいくらし、消費と環境など
④「くらしとごみ」や「わたした
ちの神戸」などの副読本活用
⑤総合的な学習の時間では、例え
ば、地域の希少な生物の保全や
エネルギーや資源の有効活用
など学校や地域に合った内容
を取り入れた取組
⑥学校ビオトープや学習園など
の校内の自然環境を整え豊か
にしたことを生かした学習
囲み
環境局などとの連携
①ごみの分別やリサイクル
などについて、パッカー
車の実演やクイズなどを
通して学ぶ「ふれあいご
みスクール」や、地球温
暖化の防止、CO2削減3
Rやエネルギー問題など
に取り組む「くらしのエ
コチェック」(小4)
②下水処理場やクリーンセ
ンターなどの施設の見学
③「地球温暖化と私たちの
くらし」<環境局ホーム
ページ>をテキストに使
用し、家庭での光熱費・
ごみの削減についての環
境チェック活動(中学校)
④プールのいきもの救出作
戦、環境ポスター展、身
近な生き物調査、学校ビ
オトープ、ミニ田んぼな
ど
は、神戸らしい特色ある教育
- 15 -
環境体験事業
小学校第3学年では、環境
体験事業を神戸市全小学校
で継続して実施し、直接生き
物や自然に触れる体験を通
して、生命の大切さや不思議
さを実感し命や自然を大切
にする心情を育てる。近くの
公園や川、里山などを活用し
たり、環境体験学習が可能な
施設を利用したりして、年間
3回以上実施する。小学校第
5学年では、環境体験事業や
教科等で学んだことをもと
に自然学校を実施する。
学校版KEMS
(神戸環境マネジメントシステム )
各学校園では、環境教育の
年間計画を作成し、ごみを減
らす、電気をこまめに消す、
水を大切にする、植物を植え
る、リサイクルを考える等、
身近なところから「低炭素社
会の構築」(CO2の削減)
に向けての取組を行う。
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
6
1
福祉教育
神戸らしい特色ある教育
福祉教育の位置付けと目標
神戸市教育振興基本計画(平成 26 年3月策定)では、「神戸の子供たちに身に付けてほしいこと」
として、以下のことが規定されており、福祉教育の推進する上での、バックボーンになっている。
(1)人権を大切にし、みんな
とともに生きる
人の命を尊び、違いを認め、
互いの個性を尊重し、助け合
い、共に生きる。
(3)豊かな国際性を身に付け、地域
や国際社会の発展につくす
(2)社会のルールを守り、社会の
一員であることを自覚する
国際都市・神戸の未来を担う人材に
ふさわしい、豊かな国際性を身に付
け、異なる文化や価値観を尊重し、共
に生き、地域の一員として地域やまち
を愛する。
倫理観、規範意識、忍耐力、責任
感など社会の一員としての資質を身
に付け、社会の一員であるという自
覚をもって行動する。
福祉教育とは、国民の社会福祉への関心と理解を深め、ボランティア活動や実習体験などを通して
社会福祉活動への参加を促し、福祉社会の担い手の育成をめざす教育活動である。
・児童生徒の発達の段階に応じて、各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動等において、
社会福祉についての理解を深める指導を行う。
・学校教育の目標と福祉教育の具体的目標との関連を図り、地域と連携をとりながら多様な実践
が行えるよう工夫する。
2
具体的な取組
(1)小学校では6年間、中学校では3年間で一
貫性のある指導計画を立てて指導する。
(2)小中学校での福祉教育の内容の重複を把握
し、有意性のある指導を心掛ける。
(3)UD(ユニバーサルデザイン)学習、シニ
ア体験、車いす体験等の体験学習、特別支
援学校や地域の高齢者等との交流学習を推
進する。
(4)各区社会福祉協議会ボランティアセンター
やNPO及びボランティア団体等との連携
を図り、ボランティア活動や地域行事、ワー
クキャンプ(福祉体験学習)等への参加を推
進する。
- 16 -
教育活動全体を通
して意図的・計画的
に行うようにする。
3
留意点や配慮事項
今後、福祉教育を進めていく過程
で、サービスラーニングや防災教
育・災害教育(災害弱者)の視点
を含めていく。
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
7
人権教育
人権は、人間の尊厳、一人一人の幸せにつながる基本的な理念である。子供たちに人権の意義
やその重要性の理解を図り、日常生活の中で人権尊重の意識が態度や行動として表れるような人
権感覚を身に付けることができるようにする必要がある。神戸市教育委員会では、平成14年4月
1日に「人権教育の推進について」(通知)を策定した。その中で人権教育を進めるために4つ
の目標を掲げ、この目標を具体化し、実践するために、下記のように「目標の内容と取組の手が
かり」と「教職員の役割と研修、実践」をまとめた。
1
目標の内容と取組の手がかり
(1)自己実現の力の育成
①自尊感情をはぐくむ
②基礎学力の定着、向上を図る
③自立・向上心を育成する
・よいところを見付け、自信をもたせ、夢や
希望を育てる。
・子供の実態を把握し、子供によりそい、個
に応じた指導を進める。
・校種間の連携を図り、基礎学力の向上に努
める。
・複数指導等の効果的な学習形態を充実し、
きめ細かい指導を行う。
・情報や資料の活用能力を高める。
・コミュニケーション能力を育てる。
・生涯を通して、学習していく意欲と実行力
を養う。
(2)共生の態度の育成
①「共に生きること」についての理解を深め
るようにする
②違いを認め、協力し合う態度を育てる
・共生するための役割と責任を考えることが
できるようにする。
・男女共同参画の理念を理解し、協力する態
度を育てる。
・校種や年齢をこえて子供たちの交流を進め
る。
・自由に意見が言え、互いの意見が尊重され
る雰囲気をつくる。
・障がい者や高齢者との交流を深める。
・在日外国人の多様な文化、習慣などを理解
し、尊重する態度を育てる。
(3)偏見や差別の解消
①人権尊重の感性をはぐくむ
②人権についての理解を深めるようにする
③人権にかかわる技能・態度を身に付ける
ようにする
・人権課題を自分とのかかわりで考え、解決
しようとする意欲を育てる。
・全ての教育活動を通じて人権尊重の精神に
ついての理解を深めるようにする。
・発達の段階に応じて、偏見や差別に対する
正しい認識が深まるよう、学習内容を工夫す
る。
・参加型学習の手法を取り入れ、子供自らが
「感じ、考え、行動する」ことを通して人権
感覚を磨くことができるようにする。
(4)人権感覚豊かな学習環境の創造
①自立を目指した生活を確立できるよう
にする
②豊かな人間関係を築き責任感を育てる
・安心感のある居場所や意欲をもって登校で
きる環境をつくる。
・互いの立場で考えを認め合い、何でも語り
合える開かれた学級・学校をつくる。
・自分たちの力で学級のルールをつくるな
ど、権利と義務を考える場面や環境をつく
る。
・生命の尊さを学び、いじめや暴言などをな
くす取組を進める。
・遊びや創造的な活動を通して、豊かな人間
関係づくりを進める。
- 17 -
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
2
教職員の役割と研修、実践
人権尊重の意識を高める
人権教育の進め方を工夫する
・人権に関する歴史や現状、課題の認識を深め、
人権尊重の意識や感性を高める。
・
「子供は権利を行使する主体である」
(児童の権
利条約)ことを認識し、子供への共感的な理解
を深める。
・子供同士の認め合い、高め合いがある「分かる
授業」を実践する。
・体罰や不適切な言動、セクシュアル・ハラスメ
ントやパワーハラスメントを許さない環境をつ
くる。
・ネットトラブルが起こらないように、情報機器
の正しい使用方法を指導する。
・人権教育推進委員会の充実と活性化を進め、
人権に関する知識、技能、態度の習得を図
るとともに、社会の変化に対応できる研修
や研究を推進する。
・体験学習や、ボランティア活動、参加型学
習の手法(ディベート、ランキング、ロー
ルプレイなど)について研修を進める。
・研究校園指定事業や区域別学校園人権教育
推進協議会などを活用する。
学校・教職員
家庭・地域・他校種
家庭・地域との連携を進める
校種間の連携を進める
・「開かれた学校園づくり」を進め、家庭・地域
との連携を推進する(学校での人権学習を受け
とめる家庭・地域の基盤づくり)
…地域等による学校教育への参
画や支援
…保護者や地域の人材を活用
交 流 活 動…体験的活動を推進する
・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支
援学校間の協力と連携を進めるために、区域
別学校園人権教育推進協議会の充実を図る。
・課題を共有し、系統的、継続的な教育を実施
する。
校種間連携…発達段階に応じた学習を計
画する。
主な人権課題
①女性 ②子ども ③高齢者 ④障害者 ⑤同和問題 ⑥アイヌの人々 ⑦外国人 ⑧HI
V感染者・ハンセン病患者等 ⑨刑を終えて出所した人 ⑩犯罪被害者等 ⑪インターネット
による人権侵害 ⑫北朝鮮当局による拉致問題等 ⑬その他(ホームレス・性的指向・性同一
性障害者・東日本大震災に伴う人権問題等)(『人権教育・啓発に関する基本計画』より)
すべての教育活動で人権教育を!
『人権教育の指導方法等の在り方について 第三次とりまとめ』では、児童生徒の人権感覚の
育成には、正規の教育課程と並び、
「隠れたカリキュラム」が重要であるとの指摘がある。こ
れは、教育する側が意図する、しないに関わらず、学校生活を営む中で、児童生徒自らが学び
とっていく全ての事柄を指すものであり、学校・学級の「隠れたカリキュラム」を構成するの
は、それらの場の在り方であり、雰囲気といったものである。例えば、
「いじめ」を許さない
態度を身に付けるためには、「いじめはよくない」という知的理解だけでは不十分である。実
際に、
「いじめ」を許さない雰囲気が浸透する学校・学級で生活することを通じて、児童生徒
ははじめて「いじめ」を許さない人権感覚を身に付けることができるのである。だからこそ、
教職員一体となっての組織づくり、場の雰囲気づくりが重要である。
児童生徒の人権感覚の育成には、体系的に整備された正規の教育課程と並び、いわゆる「隠れ
- 18 「隠れたカリキュ
たカリキュラム」が重要であるとの指摘がある。
ラム」とは、教育する側が
意図する、しないに関わらず、学校生活を営む中で、児童生徒自らが学びとっていく全ての事
柄を指すものであり、学校・学級の「隠れたカリキュラム」を構成するのは、それらの場の在
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
8
1
伝統・文化に関する教育
神戸らしい特色ある教育
伝統や文化に関する教育の目的
○伝統や文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う。
国際社会で活躍する日本人の育成を図るうえで、我が国や郷土の伝統や文化
を受け止め、そのよさを継承・発展させるための教育を充実させることが必要
である。グローバル化社会の中では、自分とは異なる文化や歴史に敬意を払う
ことにより、これらに立脚する人々と共存することができる。また、伝統や文
化への深い理解は、他者や社会との関係だけでなく、自己と対話しながら自分
を深めていくうえでも重要である。(平成 20 年 1 月中央教育審議会答申より)
2
視 点
・我が国の伝統や文化
への理解
・地域の文化財や伝統
文化・芸能の継承
・豊かな国際性のはぐ
くみ
各教科などでの我が国の伝統や文化についての理解を深める学習
・国語 昔話や神話、伝承、我が国において長く親しまれている古典(ことわざ・和歌・物語・俳諧・
漢詩・漢文など)や近代以降の物語などの作品に触れ、理解を深める。
・社会 古くから残る建造物、地域の人々が受け継いできた文化財や年中行事、伝統的な工業などの
地場産業の盛んな地域、伝統や文化などの地域の資源を保護・活用している地域、郷土の発展に尽
くした先人の働きなどを地域学習で取り上げる。
・算数、理科 算数ではそろばんを、理科では里山などの自然環境保全や産業史などを取り上げる。
・音楽 歌唱や民謡、郷土に伝わる歌、和楽器などについての指導を充実し、これらの継承と創造へ
の関心を高める。
・図画工作・美術 伝統的かつ創造的な側面をもつ美術文化への関心を高める。
・技術・家庭 衣食住にわたって伝統的な生活文化に親しみ、その継承と発展を図る。また、和服の
基本的な着装や、地域の伝統的な行事食、郷土料理などを扱うことができる。
・保健体育 武道の指導を充実し、我が国固有の伝統や文化に、より一層触れる。
・道徳 日本や郷土の文化と伝統に関する関心や理解を深め、尊重し、継承・発展させる。
・総合的な学習の時間 伝統と文化など地域や学校の特色に応じた課題について学習活動などを行
う。地域の人材や文化遺産などを効果的に活用して取り組む。
・特別活動 地域の伝統や文化に触れる機会を積極的に設定し、地域の理解と郷土に対する誇りや愛
情をもつ。
3
地域教材等を活用した地域学習や、地域の実態に応じた体験的な活動の取組
「わたしたちの神戸」(小学校)・「私たちの神戸」(中学校)の活用
・教師用指導資料「KOBE-ONE」やDVD版副読本を用いて活用促進を図り、地域に関する理
解を深めるとともに興味・関心を高める。
・学校や地域の実態、児童生徒の発達の段階を踏まえ、地域の人材や施設を活用する。
・問題解決的な学習を基軸に、効果的に体験的な学習を取り入れ、自校プランを改善する。
「神戸はかせトライアル」(小学校4年生対象)の実施
・神戸をテーマとする学習問題集「神戸はかせトライアル」を実施。子供が見通しをもって学び、解説
集を読むことで、さらに神戸に対する誇りや愛情がはぐくまれるように支援する。
「ことばひろがる よみときブック」(小学校3~6年生用)の活用
・神戸を題材にしたものや、伝統・文化に関する関連教材が各学年にある。年間指導計画に位置付け、
各教科等との関係を強めて効果的に活用する。
「トライやる・ウィーク」(中学校2年生)を通しての地域理解など
・地域の諸施設での実習を通して、地域理解を深め、地域の一員としての自覚を高める。
・中学校で取り組んでいる情報誌「KOBEこども情報局」の中で、必ず地域の伝統や文化にかかわる
記事を掲載する。
- 19 -
<特色ある神戸の教育の更なる充実に向けて>
9
芸術に関する教育
神戸らしい特色ある教育
1
芸術教育の目的
○芸術の幅広い活動を通して、生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとともに、感性を高め、芸術
の諸能力を伸ばし、芸術文化についての理解を深め、豊かな情操を養う。
・子供たち一人一人が自分の心情や考えを生き生きと表現する活動を推進し、創作活動の喜びを味わ
い、芸術を愛好する心情の育成を図ること。
・芸術に対するとらえ方や考え方を深化させたり、それを自ら表現したりする創造的な能力を高めた
りしていくこと。
・芸術に関わる幅広い活動を展開し、我が国及び諸外国の優れた文化財産や、芸術文化に関心を持ち、
生涯にわたり主体的に関わっていく態度をはぐくむ取組を推進すること。
2
芸術に関する教育の充実を進める各学校における取組
・音楽、図画工作、美術、工芸、書道の授業や文化部活動などを通して、子供たちが創造活動の喜び
を味わい、芸術を愛好する心情や豊かな感性を育てる芸術教育を推進する。
・地域の芸術家や美術館などと連携して、神戸の持つ優れた文化財産や、芸術に親しめる取り組みを
幅広く進めることで芸術文化への理解を深め、生活を豊かにする芸術と生涯にわたって主体的に関
わる態度を育てる。
取組例として
創作活動の喜びを味わう学習
・子供たち一人一人が自分の心情や考えを生き生きと表現で
き、お互いの表現が認められる授業を推進する。
・芸術教育の系統性や繋がりを共通理解し、校種間連携での
研修を行う。
・生徒の主体的な芸術活動の場である文化系クラブ活動の活
性化を図る。
教員対象のギャラートーク研修
見方や感じ方を広げる活動
・表現と鑑賞の一層の関連を図ったり、本物に触れるなど多様な鑑賞体験の場を設けたりして、子供
たち一人一人の感性を刺激し、見方や感じ方を広げ、豊かな情操を育む。
・活動の成果を発表する場所や、子供たちがお互いに鑑賞したり交流したりする場を設け、子供たち
の芸術活動の定着や、活性化を図る。
神戸っ子アートフェスティバル、書初展覧会、神戸こども音楽祭、あじさいコンサート、神戸市立
高等学校芸術祭、校内文化祭、音楽会、学芸会、定時制高校作品展、きらめき造形展、神戸っ子音
楽応援団、本物に触れる体験学習(小磯記念美術館)、美術館出張授業(小磯記念美術館)、おき
しお夢はこぶ号(移動博物館車)の活用、県民芸術劇場の利用、楽団による演奏の鑑賞、観劇など
地域人材・施設との連携
・芸術の専門性を有する外部人材、美術館などと連携した活動を行う。
・地域人材・施設と連携を進め、学校、地域で子供の芸術教育を推進する。
こどもソウゾウプロジェクト(KIITO)、芸術系大学との連携、子どものための美術講座「美術館
大作戦」(小磯記念美術館)、子どもたちのための鑑賞ガイド作成(博物館)、青少年施設を活
用した中高生の参加プログラム、能、狂言体験講座の実施、芸術家派遣事業の利用など
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