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遊佐町戦略的観光施設整備計画(素案) 報告書 平成 26 年 3 月 遊佐町
遊佐町戦略的観光施設整備計画(素案) 報告書 平成 26 年 3 月 遊佐町 目 次 1.本事業の目的 .................................................................................................................... 1 2.鳥海温泉「遊楽里」 ......................................................................................................... 2 (1)現状と課題................................................................................................................. 2 (2)利用者調査................................................................................................................. 3 (3)ミステリーショッパー調査 ...................................................................................... 11 (4)10~15 年後に向けた対応策 ................................................................................... 20 2.道の駅「ふらっと」 ....................................................................................................... 21 (1)現状と課題............................................................................................................... 21 (2)自動車動向調査 ....................................................................................................... 22 (3)利用者調査............................................................................................................... 23 (4)10~15 年後に向けた対応策 ................................................................................... 27 3.大平山荘.......................................................................................................................... 33 (1)現状と課題............................................................................................................... 33 (2)ミステリーショッパー調査 ..................................................................................... 34 (3)10~15 年後に向けた対応策 ................................................................................... 37 4.日帰り入浴施設「あぽん西浜」 ..................................................................................... 39 (1)現状と課題............................................................................................................... 39 (2)利用者調査............................................................................................................... 40 (3)10~15 年後に向けた対応策 ................................................................................... 45 5.四季の森「しらい自然館」 ............................................................................................ 47 (1)現状と課題............................................................................................................... 47 (2)ミステリーショッパー調査 ..................................................................................... 48 (3)10~15 年後に向けた対応策 ................................................................................... 50 6.対応策一覧 ...................................................................................................................... 51 資料.遊佐町環境戦略会議委員名簿.....................................................................................52 1.本事業の目的 遊佐町は海(日本海) 、山(鳥海山)、湧水など豊かな自然観光資源、また十六羅漢岩、 旧青山本邸など豊かな文化観光資源に恵まれ、県内でも屈指の集客力を誇る。しかるに、 遊佐町の地域振興を図る上で観光産業は欠かせない要素である。 しかしながら、町内の観光施設を概観すると、老朽化が進んでいる施設、日本海沿岸東 北自動車道の遊佐町延伸の影響で存続意義が問われている施設、活用目的がいま一つ不明 瞭なために利用状況がはかばかしくない施設など、少なからず問題を抱えている施設も散 見される。 観光とはそもそも“場当たり的”取り組みだけでは不十分であり、遊佐町観光の足場を 固めるためには、10 年、15 年先を見据えた長期的視点でのビジョンも重要である。そのた めには、現施設の現状と課題を明確にし、今後の対応策を示す。 本事業では、 『遊佐町戦略的観光施設整備計画』の対象は以下の施設とした。 ・鳥海温泉「遊楽里」 ・道の駅「ふらっと」 ・大平山荘 ・日帰り入浴施設「あぽん西浜」 ・四季の森「しらい自然館」 なお、 本事業は株式会社フィデア総合研究所と株式会社 TJ ホスピタリティの協同である。 施設利用調査やミステリーショッパー調査等については、主に TJ ホスピタリティが担当 し、現状と課題や今後の対応策の整理、報告書全体の取りまとめ等については、主にフィ デア総合研究所が担当した。 1 2.鳥海温泉「遊楽里」 (1)現状と課題 <施設的な現状と課題> ・16 年前に完成。築 10 年後から直し直し使っている。最近ではボイラー、客室のふすま、 屋根を改修した。来年度は外壁を改修する予定である。今後も随時点検による計画的な 改修が望まれるが、とりわけライフライン(ボイラー本体・地下タンクの配管)の消耗 度には常時点検する必要がある。 ・ボイラーには灯油を使用していると思われるが、重油 95 円・灯油 110 円位と、費用とし てはかなりのウェイトがかかる。例えば、重油用にボイラー関係を入れ替えした場合で も 500~800 万円程の費用が見込まれる。補助金 等が活用できるのであれば、電気(ソーラー) 、ガ ス、ゴミを燃やすなどへの転換も考慮される。 ・外観については、裏庭にやや無駄なスペースが多 い。見栄えを良くする効果も見込んで、近年流行 となっている、宿泊者専用の足湯を整備すること も検討されうる。 <周辺環境変化における現状と課題> ・ホールは法要が月 10 件程度の利用がある。その他、合宿等も含めれば一定の回転率は維 持している。同様に、宴会場(20 畳、80 畳)も、週末は昼夜、平日は夜の利用があり、 一定の回転率を維持している。そうした中、例えば、法要の幹事が遠方から訪れた親戚 などに、自信を持って宿泊施設として勧められるかは利用者拡大の 1 つの契機であり、 その意味では、地元利用者の声も非常に重要といえる。 ・公共施設なので、館内は常に明るい方が良いと利用客の要望があるが、一方で経費削減 も必要であるため、人間感知センサーを設置して電気代を節約するなどの経営努力を行 っている。 ・平成 24 年度の予約割合が一般 71.6%、ネット 16.6%、旅行会社 11.8%とういう理想的 な割合を維持している。平成 24 年度の年間客室稼働率(総客室数に占める利用客室の割 合)50.1%は、良いとも悪いとも言えない水準である。ただし、平成 24 年度の年間定員 稼働率(収容人員に占める宿泊者の割合)34.9%という数値はやや低いといえる。したが って、利用価格の見直しや、宿泊者の中で割合が高い高齢者への対応が求められる。 2 (2)利用者調査 利用者に対して、対面形式のヒアリング調査を行った。 結果は以下のとおりである。 【回答者の男女別 年齢割合】 男性 女性 無記名 (組) 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 0 1 1 1 0 0 3 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 0 1 2 2 1 1 7 10代 20代 30代 40代 50代 60代 0 0 0 0 0 0 3 合計 1 1 4 【施設満足度】 (組) 5 館内案内表示 5 チェッ クイン時の対応 8 お部屋設備 5 お食事内容( 夕食) 6 お食事内容( 朝食) 6 チェッ クア ウト時の対応 5 駐車スペースの数 8 売店 お土産品の充実 3 清潔さ( お部屋内) 9 清潔さ( 大浴場や廊下等) 9 宿泊料金 6 4 3 4 3 6 3 4 2 0 2 1 1 2 2 2 0 0 0 1 0 2 2 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 未 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ※ 5満足、4やや満足、3普通、2やや不満、1不満、未 未回答 満足 やや不満 やや満足 不満 普通 未回答 (※各グラフ上の%は割合を示す) 5 0 0 0 2 0 4 1 2 0 0 2 6 7 (参考) (出所)遊佐町提供 8 【好評コメント例】 サービス 笑顔、元気、清潔である。 ・笑顔でとても気持ちが良いものでした。 ・フロントの方の接客がとてもよく、気持ちよく宿泊できました。 ・フロントの方がとても元気で気持ちよかったです。 ・接客はチックインからチックアウトまですべて丁寧でした。 ・接客対応もよく綺麗な部屋で良かったです。 ・館内含めて清潔な部屋でした。 食事 夕食ボリューム、舟盛り、朝食御粥 ・朝食は非常にバランスよく、美味しくいただきました。 ・料理が豪華。 ・夕食はたっぷりの舟盛りで思っていたより多かったです。 ・夕食は食べきれないほど、大変満足しました。 ・夕食は刺身の舟盛りで食いきれませんでした。 ・夕食はとても美味しくお腹がいっぱいになりました。 ・朝食は豪華で、ご飯と御粥を選べるのも嬉しかったです。 ・価格以上の料理内容だった。 風呂 あぽん無料利用、ホテル内の風呂が空いている ・温泉も隣接する入浴施設を利用でき、露天風呂やサウナ、ジェットバスも あってよかった。 ・隣の施設のお風呂は浴衣移動OK。利便性の高さを感じました。 ・隣の温泉が利用でき良かったです。 ・お風呂はとてもよかったです。 ・朝隣接の温泉を利用できるのもいいですね。 ・風呂前に置かれていた百草茶(ひゃくそうちゃ)は美味しかった。 ・ホテル内の風呂を利用したが空いていて快適であった。 ・風呂の泉質もよかった。 ・温泉も混雑知らずで大満足。 ・ホテルの大浴場が良かった。 施設 レストランからの眺望、夕日が良い、清潔感がある。 ・夕食時のサンセットが魅力な宿です。 ・夕食は遠くの島が見え良い景色のレストランでした。 ・食事会場から眺めた夕日は特別でした。 ・天気がよく展望レストランからの夕日がとても良く日本海を一望できました。 ・建物は比較的新しく清潔で感じが良い ・客室・清掃等は申し分なく満足です。 ・朝、鳥海山より朝日が昇るのが見えた。 ・食事会場は7階で、日本海がよく見え特に夕日がきれいでした。 ・海を見ながらの夕・朝食がとてもよかった。 ・レストランから見える夕日は黄金色に輝き素晴らしいものでした。 9 【要望コメント例】 サービス 部屋からの眺望が期待と違っている。食事内容の説明ができていない。 ・入室したとたん部屋全体に煙草臭が感じられ不快。テーブルは灰皿が用意して あった。 ・窓より外のけしきが悪い、海の見える部屋がほしかった、海が見えず黒松ばかり でした。 ・客室からは、裏庭と防風林しか見えず鳥海山も廊下に出れば見えるという謳い 文句とは大違いのものでした。 ・宿泊室は5階の為、海が見えず残念でした。 ・舟盛りの中の魚名がわからなかったので配膳の方に伺ったのですが、わから ないとの返事でした。 ・部屋からの景色が残念。 食事 料理が冷めている。魚料理に偏っている。 ・お食事は夜、自分の選んだプランのせいですが、もう少しバランスの良いものが よかった、海の幸だけ食べたい人はいいかもしれません。 ・さすがに夕食はこれでもかというくらいの量でした。もう少し量より質に検討された 方が良いのではないかと思いました。 ・あえて言うなら夕食がほとんど冷めていたことです。 ・食事は工夫がなく、食器も地味でべったりした感じ。魚のあら鍋に、魚のあらの 味噌汁には閉口。 ・夕食にお魚が少々多くちょっとだけあきがありました。 ・夕食の干し物焼きカレイの卵が加熱不足でまだ生だった。またカレイ自体も 冷たかった。 ・夕食内容は少し工夫した方がいいと思います。 風呂 あぽんを利用したが混雑していた。 隣りの日帰り温泉施設は混雑していたこともあり残念でした。 施設 部屋にある冷蔵庫からの動作音がうるさい ・隣室のドアの開け閉めが聞こえることと枕元の冷蔵庫のモーター音はやや気に なりました。 ・枕のそばに置かれていた冷蔵庫からイビキのように断続的な動作音がしていて 一晩中気になりました。 ・問題だったのは部屋のユニットバス内が下水の臭いが充満していて入るのに 躊躇するほどであった。 10 (3)ミステリーショッパー調査 ミステリーショッパー調査とは、一般のお客様にまぎれて訪問し、定められた調査項目 に沿って評価をすることである。 本事業では、TJ ホスピタリティのスタッフが“宿泊客”を装うミステリーショッパーと なって調査を行った(あぽん西浜を含む)。 以下に調査結果を示す。なお、評価は調査時点のものであり、その後改善された部分も あることに留意されたい。 調査日:平成 25 年 7 月 16 日宿泊 予約 電話予約・男性 3コール以内で応答・ネットを見て電話をしている旨を伝える。 スムーズに対応・印象は悪くない。 近くの観光地に関しての質問にも暖かな感じで答えてくれた。 予約時点で住所は聞かれなかった。 (地域のみ) 内容の繰り返しも適切であったが最後に担当者の名前を名乗ってほしい気が した。 宿泊日近くになっても予約の確認電話が入らなかったが遊楽里の方針だと考 えられるが、確認が入ったほうが親切なのかあるいはうるさく感じられるの かは検討事項。 到着 ホテル前に着いたがどこに駐車していいのかわからなかった。表記に貴重品は・・ の文言があったので停めていいと勝手に判断したが、もっとわかりやすく停める ことが出来る旨の表記がほしい エントランス 季節の花がきれいにセットされていたが 80 点以上になる花のセットを考えて みてもいいのでは。 ● きれいに花がセットされていました。 プラスワンを目指すなら花や寄せ植えを吟味 してみては。 例えば 木製のプランター等に入れ替える花木で個性 のある花に変える。 11 入ると大量の傘が傘たてにあった。忘れ物と思われるが日常を感じてしまうのである程度 の整理と管理が必要。 ●入口に山のような傘。ウエルカム を感じさせるためには整理や別途 管理を。 フロント 「いらっしゃいませ」の声が聞かれなかった。 対応者は、とてもスムーズな流れではあったがもう少しゆとりのある説明が ほしかった。安心感はあるが急がなくてはならない感じを受けた。 (酒巻さん) ただしアウト時に展示室を速やかに空けてくれたりするところは経験豊かな 感じがして好印象。 隣でチェックイン作業をしていた佐藤さんは、明るく丁寧な説明をしていた。 また充電器を借りようと相談したところとても親切細やかに対応してくれた。 フロントの対応は、全体的に合格点。 フロントカウンターにさまざまなものが置いてあり雑然とした感じがする。 カウンターの上はもっとすっきりさせるべきと思う。近場に情報をおこうと するあまり、なんでもおいてある雑然さはお迎えの場所としてはマイナス点 となる。 ●フロントカウンターの上はもっとすっきりさせたほうがいい。 例えば 物が多すぎますので、お客様にとって必要最低限の 物にした方がすっきりして見栄えが良くなります。 12 ●フロントの夕日の案内はとてもいい ●掃除はとてもよく行き届いている ●浴衣の交換などの気配りは行き届い ているが、せっかくのサービスがアピ ールできていない。 例えば、筆書き等で表記することであ たたかさをもっとアピールできます。 客室 掃除はとても行き届いていた。ベッドメイクもきちんとされていた。 610 号室のベッドルームであったが。広さ設備とも十分に満足させられる。 ベッドのひとつが壁にきちんとついていたがむしろ壁側を 20cm くらいあけ てあげてもいいかもしれない。 圧迫感を減らせ、また布団の使用感が良くなる気がした。 氷水のサービスは高得点。ポットに氷水のシールがあればもっとわかりやす くサービスの良さを訴えられる。 ●ベッドを壁につけたほうがいいか、離し たほうがいいか検討 13 エレベーター 一番目立つところなので何でも張りたくなる気持ちはわかるが、統一感が必要。 禁止事項の告知は難しいが、寛ぎに来たお客様が一番に禁止事項が目に入る ことは問題がある。 POP エレベーター乗り口にいろいろ張ってあったが、歪んで張ってあるものがほ とんどでこうした小さな気配りは意外にマイナスになると思う。 ●ディスプレイに気配りがほしい。 例えば、植物なら植物などグループ化 ●掲示物の張り出しには神経を配った をしてディスプレイをした方か伝わ ほうがいい。浮いています。 りやすくなります。 ●せっかくの作品展示だが作品へとの距 離感があり訴えてこない。 例えば、ガラスケース外の展示も考え てみる。 売店 買いたいメインのお菓子の種類が少ない。 3 点 1,050 円などは目を引く商品と思う。POP は簡単にイメージアップ作戦 を実行できることなので、デザインをもっと重視すべきと感じた。 14 あぽん西浜 つなぎの廊下のところが今回手がまわっていないと感じた唯一のところ。側 溝の枯葉・泥が気になった。また右側のところの雑草は手入れすべき。全体 的にメンテナンスはとてもいいので残念なところ。 ●「あぽん」への動線。全体がとてもよく行き届いたメンテナンスだった。唯一汚れて いたところ。 温泉の効能についての表記がとても弱く感じられた。この温泉のこの成分は ここに効くという表記は、お客様にとってとても気になりまた心に残るもの である。 洗い場中央にあったプラスチックのいすはせっかくの温泉のイメージを損ね ている。吟味したものをおくことでイメージがかなりあがる。 サウナはとてもよく管理されていた。 全体的にはいいのだが何か印象に残るものがない。桶やイスも味気ないもの に感じた。 商品設置が雑な感じがした。 もっと関連性を持たせながらのディスプレイを考えるべき。 宴会場から出てすぐ目の前にごみバケツ(ドリンク用の)があるのはイメー ジが悪い。 15 大浴場 清掃が行き届いていた。アメニティ関係も多くはないが十分と思われる。 温泉の効能がここもうまく表現できていない。 温泉として一番の売りの部分を表記する POP を考えるといい。 ●とても行き届いていた洗面台 ●脱衣箱のさびは残念。 ●考え、手も加えられ ているが何を何のた めにということが伝 わってこない飾り物 (喫煙所) ●表記はいろいろしているが、個性がなく伝わるものがない。 とりわけ効能。 例えば、評判が一目でわかる表現を「肩こり、皮膚炎に効きます!」等ピックアッ プして大きな文字で表現をする。 16 夕食 案内・席とも合格点。 料理の説明がもう少し具体的にあったほうがいい。 可もなく不可もなくという感じであった。やはりここが一番という積極的な 表現が POP・説明とも必要と思う。 お品書きがテーブルにないことは、一番のマイナス点。 目玉の舟盛りは、あまり冷えていなかった。 荒汁味が薄く魚の生臭さだけが残った。 メロン・パイナップル・パセリのアンバランス感。むしろメロンだけで充実 感を出したほうがよかった。 量的なものはちょうどよい。お新香が特別な感じがしたのはよかった。 ●夕食 お品書きはそれぞれにあるほうがいい。 ●パプリカの色が表に出る料理が欲しかった。 ●お新香は個性がありよかった。 ●釜飯はとても美味しかった。 ●量は適正 ●「メインはこれ!」という料理がなかった。 ●プライスと重なった POP。小さな ことですが気になります 例えば、プライス部分はポスターに ●せっかくの舟盛。もっと冷えていて かからないようにして貼る ほしかった。 17 朝食 ご飯が美味しかった。また五穀米いりおかゆもとても美味しかった。商品価 値あり。 産地などの表記は食材の傍にないと効果が出ないのでぜひ近くに。 朝食の満足度は高い。 ●美味しかった朝食。 ●ご飯やおかゆはなかなか絶品 ぜひお品書きなどでアピールを。 和室 ●人員的なこともあ り最初から布団を 敷いていると思う が、うまい表現で 説明をするとお客 様にもご満足して いただけるので は・・。 ●部屋全体はいいのだが、ここま ●細かいゴミ でのシミをみるとマイナス印 の最終チェ 象に。 ックを。部屋 修繕まで時間がかかるのであ にもよると れば、ポスターなどで応急措置 思うが、キシ も効果的では・・。 みもあった。 18 【総 評】 全体的にメンテナンスがしっかりしているのを随所に感じた。総評としては 80 点以上ではあるがオリジナリティが出ていない。 可もなく不可もないという印象。鳥海温泉としての個性がでていない。いろ いろな案内などはしているが、 「おもてなし」のこもった表現にはなっていな い。 95 点を感じさせる表現が必要であろう。例えば館内の案内表現をキャラクタ ーのイラストで統一する。書道文字を使って表現するなど、小さなことから イメージを大きく膨らます手法を使う。 (遊佐町のパンフレットに書かれてい る絵はぬくもりがあり適している) 。 宿泊した日もかなり高年齢のご夫妻が泊まっているように見受けられた。鳥 海山という恵まれた自然をアピールするべき絶対のターゲット層なので、そ ういったゲストに印象を深く残すことが必要である。 【課 題】 1.強みの表現・案内手法の構築 ・展望レストラン「ラ・メール」からの眺望に対する特に夕日の表現方 法を考える ・夕食、朝食の表現、案内方法を考える 2.もう一歩のサービスの意識定着及び提供 ・客室内容の案内方法(特に客室からの眺望事前説明)を考える ・食事内容の把握及び説明知識習得徹底する 3.宿泊客獲得手法の再考 ・インターネットからの申込者拡大を図る 19 (4)10~15 年後に向けた対応策 主としてソフト面での対応が必要であり、とりわけ、①稼働率を上げることと、②リピ ーターを増やすことを目的とした経営改善が重要である。 1.定員稼働率 UP と利用価格設定 年間定員稼働率(34.9%)と利用価格を少しでも上げることが必要である。 【対応策】 ・繁忙期での宿泊単価 100~500 円 UP の挑戦(利用価格 UP) ・宿泊人数毎の宿泊料金設定(定員稼働率 UP、利用価格 UP) ・一般団体取扱旅行会社への営業強化(定員稼働率 UP) ・会議、長期宿泊者獲得の為、近隣企業、工場への営業強化(定員稼働率 UP) 2.高齢者対応 人口減少や高齢化によって今後マーケットが縮小していくと考えられる中、現在も利 用が多い高齢者への更なる拡販が必要である。 一方で、高齢者以外の利用も視野に入れ、インターネットなどを活用した各種プラン の創出が求められる。 【対応策】 ・高齢者の方が利用しやすくするための施設バリアフリー化促進(高齢者拡販) ・高齢者に対する接客、イメージアップのため従業員のサービスケア専門士、サービス 介助士資格取得(高齢者拡販) ・ネット等の宿泊プランでレディスプラン、学生プラン、ファミリープランの設定実施 (高齢者以外の利用促進) ・特色を活かした演出、対応 20 2.道の駅「ふらっと」 (1)現状と課題 <施設的な現状と課題> ・休憩スペースが狭い。また、大型車両が出入りするには出入り口が狭い。 <周辺環境変化における現状と課題> ・国道 7 号線上の好立地にあり、立ち寄り客が多い。前自民党政権時代に改修がほぼ決ま りかけていたが、政権交代で白紙になった。今回の自民党奪回で改修の復活が期待され るが、高速道路建設との絡みで先行きは不透明である。 ・高速道路が遊佐町まで開通すれば(平成 28 年以降)、IC から国道 7 号線に出てすぐの立 地になるため、一層の集客が見込めるが、将来的に秋田までつながるとストロー現象(客 足の減少)が起きることは確実であり、そのあり方が問われかねない情勢である。 ・ 「ふらっと」は産直のはしりであり、会員制をとっている。当初は会員が集まるか不安視 されたが、 「農協よりもうかる」と結果は大売れであった(農協も関わっているので、売 り上げの 1 割弱を農協に払っている)。 21 ・焼きたての魚が好評である。魚介類と野菜との相乗効果で、産直だけで年間 2 億円の売 り上げがある。他の売り上げが 2 億円で、ふらっと全体では 4 億円の売り上げとなって いる。 ・産直コーナーにおいて、正会員は自分の棚を持っているが、準会員は一つの棚を分け合 っている状況である。正会員には高齢化と後継ぎ問題が発生しているが、簡単には棚を 手放さない。したがって、新規入会希望者は多いものの、その要望をかなえ切れないと いう「機会損失」が発生している。 (2)自動車動向調査 平成 25 年 7 月 21 日(日) 、22 日(月)、8 月 16 日(金)、17 日(土)の 4 日間、午前 9 時から午後 4 時までの毎時ちょうどに、駐車場内に停車中の乗用車のナンバープレートを 確認し、そのナンバーの所在都道府県を集計した。 結果は以下のとおりである(単位:台) 。 北海道 青森 岩手 秋田 宮城 山形 福島 新潟 栃木 茨木 群馬 埼玉 千葉 東京 山梨 その他 合計 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 4 日間合計 0 1 1 15 14 44 2 2 2 0 4 1 2 6 0 17 111 0 2 1 23 16 77 7 6 0 5 2 5 2 6 0 14 166 0 7 5 43 23 253 11 5 1 0 3 1 6 5 0 13 376 1 3 14 55 25 216 12 18 5 3 1 7 4 13 0 28 405 1 4 6 49 15 206 20 1 6 3 1 4 11 6 1 14 348 0 1 6 25 13 137 5 5 3 3 1 9 5 8 0 16 237 1 3 9 34 12 145 10 6 1 1 3 8 3 5 0 11 252 3 3 6 29 10 129 8 6 2 1 0 5 1 2 1 6 212 6 24 48 273 128 1,207 75 49 20 16 15 40 34 51 2 119 2,107 全体では山形県が 57.3%と過半数を占めた。以後、秋田県、宮城県と続き、この 3 県で 全体の 76.3%と 4 分の 3 以上を占めていた。 個別の傾向としては、昼食時の午前 12 時にピークに達すること、週末の車両数は平日の 2 倍近くに達することなどが分かった。休日の昼食時は駐車場がほぼ満杯であった。 22 (3)利用者調査 利用者に対して、対面形式のヒアリング調査を行った。 結果は以下のとおりである。 【回答者の男女別 年齢割合】 男性 女性 無記名 (名) 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 6 25 24 16 30 8 109 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 10 11 13 12 17 3 66 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 1 1 0 2 2 1 7 23 24 【 滞在期間】 Q:遊佐町にいらっしゃる期間はどのくらいですか。 人数(人) 割合(%) 134 74.9% 20 11.1% 10 5.6% 8 4.5% 7 3.9% 日帰り 1泊2日 2泊3日 3泊以上 未回答 【 施設満足度】 (人) 5 国道からの入り やすさ 79 施設内の案内表示 67 駐車スペースの数 57 飲食スペースの数 54 お土産品の数 46 施設の清潔さ 40 施設の店員( 接客対応) 55 4 3 34 33 39 48 42 46 40 2 49 66 51 56 69 78 73 1 10 4 20 16 10 7 6 未 1 0 5 2 4 1 0 ※ 5満足、4やや満足、3普通、2やや不満、1不満、未 未回答 満足 やや満足 普通 やや不満 不満 未回答 (※各グラフ上の%は割合を示す) 25 6 9 7 3 8 7 5 26 (4)10~15 年後に向けた対応策 「ふらっと」は、現状において相応の売り上げを出しており、日本海沿岸東北自動車道 が遊佐鳥海 IC(仮称)まで開通すれば一層の集客が見込めることから、短期的には現状維 持で構わないと考えられる。しかし、将来的に高速道路がさらに延伸して秋田側とつなが ることはほぼ確実な情勢にあり、その場合にはストロー現象で「ふらっと」の客足が減少 する。 そのため、遊佐延伸部に建設が予定されているサービスエリア(一般道からも出入り可 能なタイプ)との住み分けが必要である。 1.産直を中心とした新サービスエリアの機能強化 新サービスエリアの機能を強化し、現在「ふらっと」が抱えている課題の解決を図る (29 ページ~32 ページのイメージ図参照) 。 【対応策】 ・新サービスエリアに産直施設を整備し、販売者の促進を図る。それについては大きく 2 つのパターンが想定される。 ①「ふらっと」の産直会員制度を拡大し(必要に応じて参入要件の緩和など制度の見 直しを図る) 、 「ふらっと」から新サービスエリアへの移動希望者や、新たに新サー ビスエリアで販売したい会員に対応する。 ②「ふらっと」とは別の、新サービスエリアの産直施設で販売する会員組織を設立し、 会員を募集する。 ・新サービスエリアに遊佐町の観光情報コーナーを設け、新サービスエリアを核とした 町内の回遊型観光を確立する。 ・新サービスエリアは、鳥海山や日本海などが見渡せる風光明美な場所に建設される可 能性があることから、屋上展望台を設け、来場者に景色を楽しんでもらう。また、そ れを「売り」として、口コミやマス媒体などで景色のよさが PR されれば、新サービ スエリアへの立ち寄り者が増え、産直の売り上げ増加や観光情報の活用者増加につな がることが期待される。 27 2.「ふらっと」の設備の見直し 将来的に高速道路が秋田側につながれば、「ふらっと」の利用者減少は避けられない。 しかしながら、 「ふらっと」もまた、国道 7 号線上の休憩場所(道の駅)として必要だ と考えられる。 したがって、 「ふらっと」は今後も残すことを前提に、高速道路開通後の、国道 7 号 線の交通量の変化に応じて、設備の見直しを図る。 【対応策】 ・国道 7 号線の交通量の減少がそれほど大きくなく、「ふらっと」の売り上げにあまり 大きな影響を与えないのであれば、現状を保持しつつ、不採算部分を閉鎖する。 ・国道 7 号線の交通量の減少が顕著であり、 「ふらっと」の売り上げに大きなダメージ が与えられた場合には、商業機能を縮小し、トイレと自動販売機、座席場所の拡大、 最小限の売店といった、休憩特化型の設備に変更する。 <イメージ> ○交通量の減少 大 小 ○休憩機能(座席可能場所など) 拡大 現状 ○商業機能(売店、産直など) 縮小 現状 28 サービスエリア(SA)の配置イメージ 29 サービスエリア(SA)のフロアイメージ 30 サービスエリア(SA)の建物イメージ A 31 サービスエリア(SA)の建物イメージ B 32 3.大平山荘 (1)現状と課題 <施設的な現状と課題> ・築 30 年以上で 2 年前までは国民宿舎だった。ただし、今も国民宿舎料金なので料金体系 を見直し、コースやプランも柔軟に設定できるようにした方がよいと思われる。 ・改正耐震改修促進法が平成 25 年 11 月 25 日に施行され、耐震基準の強化がなされた。建 物は耐震基準に抵触する可能性が高いが、耐震補強工事は行われていない。このまま使 い続けても違法ではないが、公共性の高い建物ゆえ工事は必要と考えられる。ただし、 耐震補強工事は費用がかかるため、場合によっては建て替えた方が安いこともある。 ・アウトバス、アウトトイレについては、利用客から特に不満は出ていない。 ・昔は団体客が多かったので、全体的に部屋の つくりが大きい。最近は少人数が主流なの で、利用客にとっては部屋が広すぎる。なお、 大人数に対応するため、少人数客は一定ライ ンで制限している。しかし、結果的に大人数 利用者がなく、部屋が余ってしまうこともあ る。部屋を小さくして数を増やしたり、大広 間をつぶして個室にしたりすれば、もっと稼 働率が上がるのではないか。また、高齢者向 けには洋室も必要だろう。 <周辺環境変化における現状と課題> ・そもそも経営する必要があるのかと、議会でも問題になっているが、町としては「ある」 と考えている。 ・フロントやロビーが殺風景で、山小屋らしさ があまり出ていない。 ・かつては大広間でもロビーでも相部屋でもい いから「とにかく寝かせてほしい」という本 格的な“山屋”が多かったが、最近は観光的 な客層に変化している。 33 (2)ミステリーショッパー調査 調査日:平成 25 年 7 月 21 日宿泊 予約 電話予約・男性 3 コール以内で応答。 スムーズに対応・印象は悪くない。 宿泊日当日は混んでおり、30 畳の大広間になるかもしれない旨を伝えられる。 内容の繰り返しも適切であったが最後に担当者の名前を名乗ってほしい気が した。 到着 チェックイン時、通常の和室の鍵を渡された。こちらから予約時は 30 畳になるかも しれない旨だったと話をするまで、特に案内なし。 予約時の方と違うのはわかるが、空きが出たので通常タイプになりましたので等と お声掛け頂くと、お客様の印象もあがる。 エントランス 古い構造なのは仕方ない。 ●フロントカウンタ ーの上はもっとす っきりさせたほう がいい。 何を発信し、ご案 内したいのか・・ を再考。 客室 掃除はとても行き届いていた。山荘とは思えないほど、綺麗である。 広さ設備とも十分に満足させられる。 売店 一番売りたいという商品が伝わってこない。 また、レジが置いてあったがそのまま放置されているようで使用しない時は 何か被せるなどの工夫も必要では・・。 34 大浴場 清掃は行き届いていた。アメニティ関係も多くはないが十分と思われる。 古い構造で、湯船が浅いものになっているが「鳥海山の水源を大切にしてお ります」などの POP を活用することで 顧客満足も得られるのでは・・。 夕食 せっかく地元の食材を利用しているのであれば、料理の説明がもう少し具体 的にあったほうがいい。 マイナス点としては、下膳のタイミング。従業員の方の拘束時間等の問題も あるが、他のお客様が食事されているなかでの 素早い下膳は、ゆっくりと食事できる気持ちにならない。山荘という独特な 位置づけはあるものの、些細な事がクレームに 繋がる現代において例えば山での事故があった際に、昨夜の食事の時から何 か急がされている気持ちになった・・等にもなり得る。 ●ボリュームあり、満足 度が高い夕食内容 ●年間を通じ短い営業日になるので、宿泊料 金の設定含め料金再考も可能では・・。 シーズナリティーの検討・導入 35 【総 評】 全体的に大規模修繕をおこなっており、イメージよりもしっかりしているの を随所に感じた。 鳥海山観光の為にも必要不可欠な施設であり、今後の存続の為にもまずは収 益をあげるシステムを構築することと思われる。 【課 題】 付帯売上の拡販 ・お土産販売方法の再考 料理とお土産品へのつながりを作る ・料飲価格の再考 各飲料品の価格を考える 36 (3)10~15 年後に向けた対応策 「15 年後に現状維持は難しい」という前提に立つ。ただし、解体して更地にするという選 択はしない。その理由について、遊佐町観光戦略会議委員である遊佐町鳥海山観光ガイド 協会の畠中祐之氏は「大平山荘は比較的高所にあるため、ここに宿泊する登山客は、他の ルートからの登山客と比べて高山病の発症が少ない。したがって、この場所に宿泊施設が あることは重要」と指摘する。 一方で、全面的な建て替えも、費用対効果や、冬期のブルーライン閉鎖による工事不可 能期間を考慮すると現実的ではない。そのため、ニーズに合った対応が必要である。 1.ニーズに合わせた改修・改築 登山客は団体中心から個人(少人数)中心へ変化しているという現施設とのギャップ から、少人数対応型に経営方針を転換する。 【対応策】 ・大きく 2 つのパターンが想定される。 ①耐震補強工事を行い、現在のニーズに即した内装工事を行う。 ・主な改修点は、 「大部屋の分割(小部屋化)」 「1F 大広間の客室化」 「高齢者向けの洋 室整備」が挙げられる。 <メリット> ・現在の建物を活用できる。 ・古き良き建物の面影を残すことができる(この点をアピールすることも大切) 。 <デメリット> ・やや延命的な側面があり、超長期的(30 年後など)に維持できるかという課題の先 送り感がある。 ②建物を解体し、現代的なコテージ風の小型宿泊棟を複数建築する。 ・小笠原諸島(父島)などリゾート地に見られ、流行の一形態である。 <メリット> ・斬新さが話題を呼んで、 「山ガール」などの集客につながる。 ・宿泊客のより一層のプライバシーが確保できる。 <デメリット> ・流行はいずれ廃るものであり、話題性が長続きしない危険性がある。 ・近年増えている中高年の登山客に受け入れられるか。 ・冬期は雪に埋もれる可能性があり、耐久性に疑問がある。 ・収支を考えた場合、料金設定において割高になる可能性がある。 ・コテージでの食事は難しいので、食堂を別途建てる必要があるが、大雨など天候次第 37 では移動できないこともあり、集客にダメージを与える危険性がある。 ・最終的には両者の耐久性や利便性などを比較して選択されるが、②はややギャンブル 的な側面があるため、①の方が現実的とも考えられる。 2.山小屋感の演出と営業力強化 登山客に「山に来た」と思わせる雰囲気づくりと、それによる営業力の強化が求めら れる。 【対応策】 ・写真やペナントなどによる装飾。 ・夕食の簡易化(ワンプレートやカレーライスなど)またはセルフ形式(経費圧縮) 。 ・シーズナリティー(休前日料金)の導入や宿泊人数による料金設定(少人数ほど高く なる) (収入増加) 。 ・経費圧縮と収入増加による修繕費用の捻出。 38 4.日帰り入浴施設「あぽん西浜」 (1)現状と課題 <施設的な現状と課題> ・25 年前に完成した。温泉成分で腐食が激しく見えないとこ ろが相当痛んでいるため、毎年 1,000 万円ほどの経費をか けて修繕している。建設当初は、温泉成分による腐食を考 慮しない設計だった。 ・カウンターは正面の方が分かりやすくて良いと考えられる。 ロビーも狭いので改善が必要と思われる。 ・建物奥(別館)にも貸切の休憩室があるが、割高で回転率 が低い。 ・外看板がないので、そもそもここが日帰り温泉施設だと知 らない人も多いのではないかという懸念がある。 <周辺環境変化における現状と課題 ・1 日当たり、平日で 300 人、週末で 500 人、GW だと 1,000 人ほどの利用があるが、売 上金額よりも修繕費用の方がかさむため、慢性的な赤字となっている。 ・高齢者を中心とした常連客が多く、利用者の半分、大広間利用者の 9 割に達するため、 無料の巡回バスを運行している。回数券利用者と入場券利用者はおおむね半々ずつであ る。 ・休憩室である大広間(210 円、時間制なし)は、常連客が弁当持参でくつろいでいるため、 一般の人は入りにくい。 「ここは自分の場所」と決め込んでいる人もいて、まれにトラブ ルが発生することもある。 ・高齢化が進めば自動車で来られない人が増加するため、巡回バスを必要とする人が増え る。しかし、巡回バスを増便すれば経費負担が増し、ますます赤字体質となる。とはい え何もしなければ、人口減少に伴う高齢者の減少で、利用客が減少すると推察される。 したがって、福祉的観点から健康増進をアピールする一方、サービス向上を中心とした 経営改善によって、幅広い年齢層の利用を促す必要がある。 39 (2)利用者調査 利用者に対して、対面形式のヒアリング調査を行った。 結果は以下のとおりである。 【回答者の男女別 年齢割合】 男性 女性 無記名 (名) 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 1 1 4 4 1 4 0 15 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 1 5 0 2 2 1 11 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 合計 0 1 0 0 0 2 1 4 40 41 【 施設満足度】 (人) 5 店内への入り やすさ 10 店内の案内( 表示物) 7 休憩ス ペース の数 5 売店 5 入浴料の価格設定 10 施設の清潔さ 6 施設の店員( 対応・ 接客) 10 4 3 8 10 7 4 7 6 6 2 11 10 8 15 11 14 11 ※ 5満足、4やや満足、3普通、2やや不満、1不満、未 未回答 42 1 0 1 8 4 1 2 0 未 0 0 0 0 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 43 (参考) (出所)遊佐町提供 44 (3)10~15 年後に向けた対応策 「15 年後に現状維持は難しい」という前提に立つ。それに先立って、今以上に使い勝手を 良くする必要がある。 1.使い勝手を良くするためのリニューアル 随時点検による設備の更新と同時に、利用者の利便性を高める必要がある(47 ペー ジのイメージ図参照) 。 【対応策】 ・受け付けカウンターの移設(側面から前面に) 。 ・ロビーや大広間の拡張。 ・奥広間の改良(利用者を増やす) 。 ・露天風呂の改良。 ・身障者の方などが気軽に利用できる家族風呂の設置。 15 年後の対応は、大平山荘と異なり建物が小さく、また温泉成分による腐食が一層 進みほぼ限界に達すると想定されることから、温泉成分に耐えうる設計構造で耐久性の 高い建物への建て替えを検討する。 2.経営改善による赤字体質からの脱却 慢性的な赤字を回避するためには、現状の高齢者中心から、幅広い年齢層に利用して もらい、収入を増加させることが重要である。 【対応策】 ・料金の値上げ(あぽん西浜は福祉的機能も兼ね備えているが、他の日帰り入浴施設と 比べて料金は安いので、やむを得ないながらも利用者に受け入れられると想像され る) 。 ・「大広間は譲り合ってお使いください」の張り紙など、一般客が常連客に遠慮しなく ても済む環境整備。 ・日帰り温泉施設をアピールする外看板の設置。 45 あぽん西浜のリニューアルプラン 46 5.四季の森「しらい自然館」 (1)現状と課題 <施設的な現状と課題> ・小学校の閉校に伴い、昭和 54(1979)年 4 月に「しらい自然の家」として再利用。平成 18(2006)年に建て替えたので、改修等の必要性はあまり生じていない。 ・施設の利用目的が不明瞭である。体験学習の講師は地元の人で、メニューは比較的充実 していることから、対外的に「何ができるのか」を明確にする必要がある。 ・インターネットが使えなければ、学生(サークル・ゼミ合宿など)にとっては魅力的で ない <周辺環境変化における現状と課題> ・最初は公社が運営していたが、公社の解体により、今年の 4 月から遊佐町総合交流促進 施設株式会社に完全移譲した。料金体系等は町の条例で定められているが、経営改善に は条例改正も検討されうる。 ・車でのアクセスが前提であり、公共交通利用者には送迎が 必要となる。教育旅行や大学のゼミ合宿に利用してもらう よう、県内や仙台などにチラシを配布しているが、立地的 な問題があるため、反応は鈍い。 ・冬季閉鎖を通年営業にしたものの、冬期はほとんど利用者がない。稼働率はひとケタ台 で夏場に集中。冬場をどうするかが大きな課題。 47 (2)ミステリーショッパー調査 調査日:平成 25 年 7 月 16 日宿泊 電話予約・男性 3 コール以内で応答。 17 時以降に電話したら明日 9 時以降に・・と言われ、翌日に再度連絡をおこ なう。 予約の可否がすぐに確認できず、折り返し 30 分待ちだった。 声の大きさもぼそぼそと聞き取りにくく、夕食の時刻を聞かれ、「19 時から」 とお願いしたが逆に「18:30 から」と言われた。だったらなぜ、聞くの?? と思う。予約時の対応としてはかなり悪い印象が残った。 到着 電話の印象がよくなかったので、その分、ホッとした。他の宿泊客が 1 組し かいないせいか、落ち着いた雰囲気だった。 支配人が対応してくれたが、明るく笑顔で、ゆっくりとした口調で丁寧な対 応。好印象だった。 エントランス 明るく清潔なイメージで安心できた。 客室 畳の香りが良かった。ただし、畳に少し汚れがあったのは残念。その他は清 掃も行き届いており、エアコンもあり快適な空間であった。 また、お茶セットはあったが氷水がなかったのは残念(8 月の暑い時期くらい は考慮してほしい) 大浴場、洗面所 共に清潔感がありとても良かった。大浴場は風呂の椅子や桶も綺麗で好印象。 洗面所、手洗い場の数が多く充実。 廊下 バリアーフリーで良い。 夕食 少し時間を過ぎてしまい、部屋まで声掛けしにきてくれた。席への案内は特 になく、お膳が置いてあったので座った。 食事内容はとても良かった。(そば、刺身、カキフライ、豚汁、メロン)食事 48 内容に関し、しいてあげるならば「刺身・そば」が冷えていればもっと良か った・・。 マイナス評価として、キッチンと食堂との間のシャッターが閉まった点とご 飯・お味噌汁のタイミング。 すぐに片付けに取りかかりたかったかもしれないが、こちらにもそれが伝わ ってきた。従業員の方とのコミュニケーションもとりにくくなり、ご飯のお かわりも声をかけづらい。開けたままのほうが開かれた感じで、好印象では ないか?? ご飯・お味噌汁のタイミングも宿泊客が多ければしかたないが、他に 1 組し かいないのだから席に着いてからよそってもいいのでは・・?? せっかくの充実した夕食内容もちょっとしたもので総合的にマイナス評価に つながる。 朝食 朝食はイマイチ。昨夜と同じ鮭、ぬるい味噌汁、魅力のないおかず・・。夕 食が充実していただけに残念。 また、夕食と同じようにキッチンのシャッターが閉まっているため、ご飯の おかわりも声をかけづらい。 【総 評】 小中学生の野活、スポ少などの合宿には最適である。とても良い施設で申し 分なし。各市町村の自然の家に比べ、施設が新しく、子供達も満足感を得ら れる。 体験活動をしたかったが、事前申込が必要だったためできなかった。できる ものとできないものを分け、客の要望を臨機応変に受け入れられると良いと 思う。駐車場も広くてよく、施設全体とても綺麗で驚いた。 【課 題】 宣伝・広告の徹底 ・各種少年少女団体への案内、宣伝の実施 ボーイスカウト連盟各団体への案内実施 ・特色をもった提案の模索 ミニバスケット CUP 戦企画、バスケット教室など 49 (3)10~15 年後に向けた対応策 ソフト面での対応が必要であり、集客力を高めることが喫緊の課題である。 1.積極的な PR 立地的にはグリーンツーリズムの拠点となるポテンシャルを持っているので、その点 を前面に出す必要がある。 【対応策】 ・どのような設備があって何ができるのかについての詳細な情報を、ホームページやパ ンフレットなどに掲載し、周知を徹底。 ・冬期だからこそできるプランの設定(クロスカントリーなど) 2.ターゲットの絞り込み 少子化による利用者の減少が懸念されるので、ターゲットを絞り込んで集中的に宣伝 活動を行う必要がある。 【対応策】 ・利用しやすい料金体系等、条例の見直し ・近隣教育機関の生徒数や年間スケジュールのリサーチ(ニーズの発掘) ・一般団体取扱旅行会社への営業強化(教育系団体旅行誘致への売り込み) 50 6.対応策一覧 最後に、各施設の 10~15 年後に向けた対応策をまとめた。ここでは、 短期的課題:できるところから速やかに取り組んでいくもの 長期的課題:関係者間で慎重に議論を行った上で結論を出すもの と定義している。 ただし、スパンの長短にかかわらず、いすれも 10~15 年後の姿を見すえた長期的ビジョ ンに基づく取り組みと位置付けられる。 鳥海温泉「遊楽里」 1.定員稼働率 UP と利用価格設定 短期的課題 2.高齢者対応 短期的課題 道の駅「ふらっと」 1.産直を中心とした新サービスエリアの機能強化 長期的課題 2. 「ふらっと」の設備の見直し 長期的課題 大平山荘 1.ニーズに合わせた改修・改築 短期的課題 2.山小屋感の演出と営業力強化 短期的課題 日帰り温泉施設「あぽん西浜」 1.使い勝手を良くするためのリニューアル 短期的課題 2.経営改善による赤字体質からの脱却 短期的課題 四季の森「しらい自然館」 1.積極的な PR 短期的課題 2.ターゲットの絞り込み 短期的課題 51 遊 佐 町 観 光 戦 略 会 議 委 員 名 簿 組 織 名 役 職 氏 名 1 遊佐町 副 2 NPO法人遊佐鳥海観光協会 専 務 理 事 帯 3 遊佐町総合交流促進施設株式会社 専 務 高 橋 誠 一 鶴屋旅館 4 遊佐町旅館組合 代 会 表 計 斎 藤 恵 子 5 鳥海山大物忌神社 宮 司 髙 橋 廣 晃 6 遊佐町鳥海山観光ガイド協会 会 計 畠 中 祐 之 町 長 本 宮 茂 樹 谷 隆 アドバイザー 東北公益文科大学 准教授 松山 薫 事務局 企画課 課長 池田 与四也 〃 観光物産係長 奥山 仁志 主事研究員 山口 泰史 事業委託関係者名簿 ㈱フィデア総合研究所 営業課長 観光物産係長 ㈱TJホスピタリテイ 52 菊池 英貴(途中よ り今野 起也) 53