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説明資料(周辺動向調査) - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
第1回「即効的・革新的エネルギー環 境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃 料化技術開発」(事後評価)分科会 資料7-2 「即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ 再資源燃料化技術開発」(事後評価) 周辺動向調査 株式会社 三菱総合研究所 1 目次 1.我が国の廃プラスチックリサイクル及び古紙リサイクルの現状 1.1 廃プラスチックリサイクルの概要 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況 1.3 古紙リサイクルの概要 1.4 国内の古紙リサイクル有効利用の状況 2.技術開発戦略と技術体系 2.1 国家戦略における可燃ごみ再資源化技術開発の位置付け 2.2 プラスチック再資源化技術に関する研究開発の体系 2.3 本プロジェクト(RPF技術開発)の位置付け 3.RDF技術の動向 3.1 国内の関連プロジェクト及び研究開発 3.2 海外の関連プロジェクト及び研究開発 4.波及効果及び環境保全への効果 4.1 ごみ焼却技術との効果の比較 4.2 廃棄物処理の広域化とRDF発電による市場への効果 5.関連特許数の推移 2 1.1 廃プラスチックリサイクルの概要 ① 樹脂輸出量 424万t 生産・加工ロス排出量 88万t 液状樹脂等量 (塗料・接着剤等) 144万t プラスチック材料 樹脂生産量 1457万t 加工ロス 生産ロス 製品輸出量 45万t プラスチック製品製造 プラスチック加工 (1次、2次加工) プラスチック製品 消費 廃棄 国内樹脂製品消費量 1081万t 使用済製品排出量 976万t 製品輸入量 再生樹脂(ペレット等) 82万t 投入量 再生加工品 108万t 処理・処分 樹脂輸入量 112万t 有効利用廃プラ 452万t 再生樹脂輸出量 14万t 未利用廃プラ 524万t 産業廃棄物 490万t 処理・処分 再生利用:124万t 再生利用:10万t 油化/高炉原料:4万t 油化/高炉原料:不明 固形燃料:8万t 固形燃料:3万t 発電付焼却:8万t 発電付焼却:161万t 熱利用焼却:97万t 熱利用焼却:39万t 単純焼却38万t 単純焼却:168万t 埋立213万t 埋立:105万t 注)1999年データ 出所)(社)プラスチック処理促進協会資料より作成 一般廃棄物 486万t 図 プラスチック製品・廃棄物・再資源化フロー図 3 1.1 廃プラスチックリサイクルの概要② 生産・加工ロス その他 9.0% 農林水産 2.2% 輸送 5.2% その他 20.7% 5.1% ポリエチレン 29.5% 容器包装 43.6% 建材 5.6% 家庭用品他 13.0% 使用済製品 91.0% 電気・機械 15.3 塩化ビニル樹脂 12.8% ポリスチレン 17.2% (分野別内訳) ポリプロピレン 19.8% (樹脂別内訳) 注)1999年データ 出所)(社)プラスチック処理促進協会資料より作成 図 廃プラスチック排出量の内訳 4 1.1 廃プラスチックリサイクルの概要③ 万t 500 万t 1000 400 800 300 600 200 400 100 200 熱利用焼却 固形燃料 発電付き焼却 再生利用 19 99 19 97 19 95 19 93 0 19 91 19 89 0 油化・高炉原料 総排出量 年 注)総排出量は右軸、その他は左軸 出所)(社)プラスチック処理促進協会 図 廃プラスチックの有効利用状況 5 1.1 廃プラスチックリサイクルの概要④ (千トン) 236 250 PETボトル 200 プラスチック 150 150 97 100 56 67 (財)日本容器包装リサイクル協会推計値 再商品化能力(現在) ・材料リサイクル:42千t ・高炉還元:90千t ・油化:28千t ・コークス炉:80千t ・ガス化:40千t 合計28万t 36 50 14 0 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 (平成13年度は申込み量) 出所) (財)日本容器包装リサイクル協会資料より作成 図 市町村から引き取り量推移(指定法人ルート) 6 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:再商品化等① 表 廃プラスチックの有効利用技術(その1) 有効利用技術 概要 加工工場:グレード・色等一定の 品質のものを溶融再生 再生加工品へ の再生利用技 産業系及び事業系廃プラスチッ 術 ク:再生加工業者により直接再 生加工品に再生利用。 ・プラスチック製容器包装の再商 品化事業 ・熱分解油化:選別・粉砕→脱塩 油化 化水素→熱分解→分留→精製・触 媒処理→生成油 ・超臨界水利用は研究レベル ・実績:7施設 ・プラスチック製容器包装の再商 品化事業 ・フィルム系プラスチック:切断 →溶融造粒→原料化プラスチッ プラスチック ク高炉吹き込み 高炉原料化 ・固形プラスチック→一次破砕 →二次破砕→粉砕→原料化プラ スチック高炉吹き込み ・海外でも商用化。国内実績:4 施設 ・プラスチック製容器包装の再商 品化事業 ・サーモセレクト方式、加圧2段 ガス化方式、部分酸化炉を用い た方式 プラスチック ・熱分解により生成した生成物 ガス化 燃焼による灰分溶融、塩ビ等処 理対象の裕度が大、発生ガスを 改質・精製 ・海外でも商用化。国内実績:2 施設 用途先 経済性 - - 土木建築資材や棒 杭が中心。 - 課題 ・再生時の溶融・混練条件の判 断、使用履歴によるブレンド比 率の決定等品質管理技術 ・同上 ・JIS規格化が困難 生成油:自家消 費、公共用暖房用 燃料等 80円~120円/kg 程度 (原料ベース) 高炉還元剤 ・触媒処理による油化:脱塩化水 素処理必要 ・プラスチック高炉原料化技術、 プラスチックコークス炉化学原 料化技術に比べ初期設備投資が 大きい ・生成油のコスト競争力が低い 20円~50円 ・産業廃プラが主流、脱塩素技術 /kg(産業廃棄 研究中 物、原料ベース) ・全てをコークス代替とするこ 程度 とは不可能(代替限界40%)、代 60円~80円 替上限1297万t/y /kg(一般廃棄 物、原料ベース) 生成ガス:発電・ 産業用燃料やアン モニア等産業用原 料 ・生成ガス利用施設がプラント 近傍にあることが事業化の条件 ・海外からの導入技術が多い。 60円~80円/kg程 度 (原料ベース) 7 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:再商品化等② 表 廃プラスチックの有効利用技術(その2) 有効利用技術 プラスチック コークス炉化 学原料化 モノマーへの 開重合 粉体燃料化 スラリー燃料 化 RDF燃料化 概要 ・プラスチック製容器包装の再商 品化事業 ・廃プラスチックを石炭と一緒に コークス化 ・炭化水素油4割・ガス分4割・ コークス分2割(廃プラスチック のほぼ全量が有効利用) ・実績:2施設 ・コンタクトレンズ原料のメタク リル酸への開重合は既に実用化 ・海外事例有り ・超臨界水利用は研究レベル ・廃プラスチックを選別・粉砕し 粉体燃料とする。 ・事例無し。 ・廃プラスチックを選別・粉砕し 水・油等の液体と混合しスラリー 燃料とする。 ・事例無し。 ・選別(磁選)→破砕→機械選別 →破砕・混合(石灰等添加)→圧縮 成形 ・米国大規模焼却処理施設でも 実績有り(ただしフラフレベルの RDFが中心) ・実績:43施設 用途先 経済性 課題 コークス:高炉、 ・生成物利用施設がプラント近 軽油留分・ター 傍にあることが事業化の条件 ル:化学原料、ガ 50円~80円/kg程 ス:発電燃料 度 (原料ベース) - - - - - - ・セメント原燃 料、製紙用燃料、 公共施設(風呂、 冷暖房、融雪)・ 発電・一般家庭へ の熱供給燃料 20円(産業廃棄 物、原料ベース) ~75円/kg(一般 廃棄物、原料ベー ス) ・一般的には重合反応の方が開重 合反応よりエネルギーが小さい ・製造・利用面ともコスト高 ・用途開拓が未進捗 ・製造・利用面ともコスト高 ・用途開拓が未進捗 ・塩素含有RDFの場合、燃焼条件 によってダイオキシン類発生 ・RDF保管・管理・輸送コストが発 生 ・専焼炉が高価、運営費用が高い ・用途開拓必要 出所)工業材料 20ページ 2001 4月、NEDO資料等より作成 8 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:発電① 表 RDF発電事業事例 事業主体 住所 参加市町村 現在人口 事業開始 RDF処理能力 発電効率 発電出力 総事業費 売電単価 RDF処分委託費 鹿島共同再資源化 センター 桑名郡多度町力尾 福岡県大牟田市 石川県志賀町矢駄 茨城県神栖町東和 築 田 22市町村 県・市・電源開発、 24市町村 1市2町・住友金属 21町村 工業他65社第3セク ター(民活法第16 条) 280000人 500000人 356000人(1996年 144000人(1996年 度) 度) 2002年度 2002年4月 2002年12月 2001年4月 160t/d(80t×2 200t/d(100t×2 200t/d 240t/d 基) 基) RDF+産業廃棄物 約27% 30% 21~24% 13.50% 14000kW(7000kW 13400kW 5000kW 3000kW ×2基) 約89.6億円 約70億円 70~80億円 45.5億円 約9.7円/kWh 8.4円/kWh 7~8円/kWh 未定 検討中 5000円/RDF-t 2万円/RDF-t 未定 注) 三重県企業庁 大牟田リサイクル発電 石川県環境安全部 注)補助金により異なる 出所)週刊廃棄物新聞2000.1/10 等より作成 9 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:発電② 表 廃棄物発電技術の概要 技術の種類 概要 発電効率 事例等 従来型廃棄物発電 従来のストーカ炉、流動床炉から 10~15%程度 スーパーヒーターの高温腐食の問題があり 蒸気温度は300℃が上限。 可燃廃棄物燃焼により得た熱回収 による発電。蒸気温度は300℃以 事例多数 下に設定 埼玉県東部清掃組合第一工 場: 蒸気 条件 380℃・37気圧、発電効率20.6%(95年) 十勝環境複合事務組合: 蒸気条件400℃・40 気圧、発電効率20.6%(96年) スーパーごみ発電 化石燃料でガスタービンを駆動、 20~30%程度 群馬県高浜クリーンセンター:蒸気条件 395℃・1.6Mpa、発電効率34.3%(96年) 高温排ガス(500~600℃)で可燃 廃棄物焼却により得 た蒸 気を 堺市クリーンセンター:蒸気条件378℃・ 400℃まで加熱、蒸気タービンの 2.3Mpa、発電効率21.1%(96年) 発電効率・出力を向上。 北九州市新皇后崎工場:蒸気条件350℃・ 2.1Mpa、発電効率26.5%(96年) RDF発電 RDF燃焼で得た高温蒸気による発 15~30%程度 福岡県大牟田リサイクル発 電: 発電 効率 30%、発電単価:7~8円/kWh(02年4月) 電 注)比較の為提示 石川県環境案全部: 発電効率21~24%、発 電単価:8.4円/kWh(02年12月) 廃棄物ガス化溶融 廃棄物中の有機分を熱分解 ガス 30%(目標値) NEDO「廃棄物ガス化溶融発電技術開発」研 発電 化、チャ-(可燃固形分)生成ガス 究:平成10~12年、財団法人エネルギー総 により1300℃以上で燃焼ガス化。 合工学研究所+焼却炉メーカ各社 微粉炭火力発電 37~38% 発電単価:10円/kWh程度、蒸気条件:538℃・ 注)比較の為提示 246kg/cm2 高効率廃棄物発電 従来型廃棄物発電の改良。 スー パーヒータの開発、スーパーヒー タ配置・ボイラ構造の適正化。 20%程度 注)RDF発電単価が低いのはRDF処理費を徴収するため。 出所)NEDO資料等より作成 10 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:燃焼炉① 表 従来からの焼却炉技術 概要 特徴 ストーカ(火格子)炉 耐熱鋳物材のストーカ(火格子)上方からごみ投入→乾 ・金属等不燃物の混入、ごみの形状・大きさに対する裕度が大き 燥→燃焼→おき燃焼とする方式。ストーカ種類により い 往復動式、回転式、移床式がある。 ・プラスチック・水分・油泥には不向き ・駆動部分が炉内にありコスト高 流動床炉 炉底部から導入された余熱空気により流動媒体がベッ ・均一粒径物が適する。 トを形成、上部から投入されたごみが流動媒体の接触 ・運転操作が容易 噴流で燃焼 ・駆動部が無いためコンパクトな設計が可能、比較的安価 回転式炉 長時間低温で高温燃焼に適さない油泥・プラスチック ・ストーカ炉との組み合わせが多い 等を燃焼(空気不足下での低温熱分解) ・駆動部分があるためややコスト高 灰溶融によりダイオキシン類対策を行う。 分離型溶融炉 ・エネルギー多消費のためランニングコストが高い 電気式(プラズマ、アーク、電気抵抗炉、誘導過熱 炉)、表面溶融式(化石燃料使用)がある。 表 焼却炉技術開発動向(ガス化溶融炉技術) 概要 動向 直接型熱分解溶融方 乾燥・熱分 解ガ ス化 ・溶 融を ・発電設備を付設した実機が導入 式 コークスを助燃剤として縦型 ・鉄鋼関連業界を中心に開発(新日本製鉄、川鉄技研。住友金属工業、日本鋼管、日立 溶融炉(シャフト炉)で行う方 金属等) 式。生成ガスは独立燃焼させ 発電や蒸気として利用 直結型熱分解溶融方 廃棄物の自己エネルギーで熱 <ロータリーキルン法式> 式 分 解 ・ 溶 融 を 行 い 助 燃 剤 不 ・タクマ/三井造船:独シーメンスから技術導入(実機有り) 要。燃焼と溶融が同一系内で ・東芝:独PKAから技術導入 進行。ロータリーキルン方式 ・日本碍子:独NOELL社から技術導入 と流動床方式がある。 ・日立・バブコック日立:仏ティド社より技術導入 小規模施設で有利 ・IHI・クボタ:両者技術の組み合わせシステム ・月島機械:内燃式キルン溶融システム(実機有り) ・川崎製鉄:スイスサーモセレクト社より技術導入 <流動床方式> ・荏原:旋回流型流動床ガス化炉+旋回溶融炉のシステム(実機有り) ・日立造船/日本碍子/川崎重工/神戸製鋼所:流動ガス化炉+旋回溶融炉のシステム ・三菱重工:流動床熱分解炉を熱分解炉とチャ-燃焼炉で構成 ・住友重機工業:独UHDE社より技術導入、部分酸化熱分解炉+ロータリーキルン溶融炉 その他:三機工業・ユニチカ・東レエンジニアリング・栗本鐵工所等 11 1.2 国内の廃プラスチック有効利用の状況:燃焼炉② 表 海外における燃焼炉技術開発動向 欧州:ガス化溶融炉 方 式 機 能 配 分 シーメンス 乾燥 熱分解 着火 ガス化 チャー燃焼 ガス燃焼 溶融 (ロータリーキルン) (高温燃焼炉) 開 発 経 過 ・1987年より独ウルムにてパイロットプラントを運転 (200kg/hr) ・1994年より日本(三井造船)にてパイ ロットを運転(1t/h) ・1996年末より独フェルトにて最初の商 用プラントが稼動(100,000t/年) ルルギ ・1987年よりバーク用のCFBガス化炉 (6t/h) ・都市ごみ用のベンチスケールCFBガス化炉 ・1983年より独ザルツギッターにて熱分解 デモプラントを運転(5t/h) ・1988年より独シュバルツェプンペでガス化炉を運転(25t/h) ・1992年より伊ベルバニアにてデモプラント を運転(4t/h) ・1999初より独アンスバッハにて最初の商用プラントが稼動(75,000t/年) 乾燥 熱分解 着火 ガス化 チャー燃焼 ガス燃焼 溶融 (循環流動床) (高温燃焼炉) ノエル 乾燥 熱分解 着火 ガス化 チャー燃焼 溶融 ガス燃焼 (ロータリーキルン)(ガス化溶融炉)(e.g.ガスタービンガスモータ) サーモセレ 乾燥 熱分解 着火 ガス化 チャー燃焼 溶融 ガス燃焼 クト (熱分解炉) (シャフト溶融炉) (e.g.ガスモータ) 出典)福永勲、欧州における都市ごみ処理技術の動向、廃棄物学会誌、Vol.9,No.7,p493-494,1998 米国:外部流動床炉 プロジェクト推進主 体・事業場所 Foster Wheeler Robbins都市 ごみ資源化・ Power Systems,Inc. 米国イリノイ州 発電複合施設 Robbins 名称 概要 都市ごみ受け入れ量:1600t/d、資源(鉄・アルミ・ガラス・コンポスト)回収率:25%、発電単:5万kW、 蒸気発生:104t/h×2基、蒸気条件:443℃・63kg/cm2 概要:1次・2次トロンメルスクリーン+磁選機で鉄分分離→渦電流選別機でアルミ分分離→シュレッダ で裁断(RDF化、3470kcal/kg)→ボイラ供給→加熱蒸気発生→発電 RDF発電:循環流動床ボイラ600t/d×2基 環境装置:非触媒式選択ガス処理システム(SNCR)、乾式排ガススクラバ、バグハウス、連続モニタリ ングシステム採用 運開:1996 12 1.3 古紙リサイクルの概要① 1996年 パルプ輸入 342万トン 原材採取 約3751万m2 3000万トン パルプ製造 紙製品製造 71万トン 輸出 紙・紙製品輸出 156万トン 1190万トン 再生工場 流通・販売 43万トン 古紙輸出 2万トン 1602万トン 古紙輸入 再資源化 最終処分 消費3074万トン その他の用途16万トン 中間処理 収集・運搬 1497万トン 人間活動 自然界 回収率:51.3% 古紙利用率:53.6% 出所)古紙余剰問題に関する調査報告書(七都県市廃棄物問題検討委員会 平成10年) 図 古紙再資源化フロー 13 1.3 古紙リサイクルの概要② 古紙利用率推移 古紙回収率推移 (%) ( 千t) 35,000 30,000 100 90 繊維原料(千t) 35,000 (千 t) (% ) 100 紙・板紙国内消費(千t) 30,000 80 80 25,000 70 古紙利用率(%) 20,000 60 25,000 20,000 70 古紙回収率(%) 50 15,000 40 古紙(千t) 30 10,000 10 60 50 15,000 40 古紙回収量(千t) 30 10,000 20 5,000 90 20 5,000 10 古紙パルプ(千t) 0 0 0 0 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 (年度) (年度) 出所)紙・パルプ統計年報より作成 図 古紙利用率推移及び古紙回収率推移 14 1.3 国内の古紙リサイクル有効利用の状況 (t) 25,000 20,000 (t) 固形 燃料 30.5% 120,000 平成12年度 44.4% (10,230t) 100,000 80,000 15,000 60,000 10,000 40,000 5,000 0 製紙 原料 25.1% 固形燃料 製紙原料以外の材料 製紙原料 受託量 引取量 20,000 0 平成12年度 平成13年度 平成14年度 注)受託料は特定事業者からの受託量、引き取り料は市町村からの引取量 出所)(財)日本容器包装リサイクル協会データ 製紙原料 以外の材料 固形 燃料 20.7% 製紙原料 5.7% 平成13年度 (20,793t) 以外の材料 73.6% 製紙 原料 図 古紙の再商品化状況 15 1.3 国内の古紙リサイクル有効利用の状況:製紙原料 〔古紙品種名〕 上物古紙 新 聞 〔古紙再利用先〕 衛生用紙(トイレットペーパー、ティッシュ等) 49.8% 新聞巻取紙 50.6% 包装用紙(紙袋、紙ヒモ等) 5.4% マンション等のチラシ 週刊少年ジャンプなど コピー用紙 0% 100% (不明) 印刷情報用紙合計 18.7% 印刷情報用紙 段ボール 雑誌等 〔古紙利用率〕 段ボール原紙 紙器用板紙(菓子箱、靴箱) 製紙原料としての古紙利用の限界 ・低品質古紙は再生に適さない ・ユーザーの再生紙への品質要求 ・バージン価格との競合 ・再生紙利用への食品衛生法等の制約 ・技術限界(上質系古紙と低品質古紙 の分別不徹底) 都市部では雑誌等低品質古紙を中心に 古紙余剰問題、古紙問屋の経営を圧迫 99.0% 84.3% 出所)古紙余剰問題に関する調査報告書(七都県市廃棄物問題検討委員会 平成10年) 欧州では燃料利用と再生紙製造のLCA 比較研究で燃料利用の方か環境面より 好ましいとの結論 図 古紙の品種と再生用途 16 1.3 国内の古紙リサイクル有効利用の状況:その他利用 技術名称 セ ル ロ ース ファイバー パ ル プ モー ルド パ ル プ 強化 成形素材 建築用断熱材 表 古紙のその他リサイクル技術 技術の概要 技術レベル 商用化 古紙溶解後金型で成形。梱包用充填財の代替。 実用化 鶏卵パック等梱包資材で一部実用化 古紙と熱可塑性樹脂でのコンポジット成形素 実用化 材。車輌内装・耐熱容器・園芸用品等で一部実用 化 課題 競合品と比べて高価 金型成形は成形時間が長 くコスト高 用途により製造技術開発 が必要 再 生 紙 マル 有機自然農法において、除草剤を用いず水田表 商品化 チ 面に再生紙マルチを敷き詰め苗を移植する方 法。再生紙マルチは土壌還元肥料となる。 高価 需要量が小さい 敷料 新聞以外での検討が必要 新聞残紙を利用した家畜の敷藁代替利用 実用化 汚 泥 脱 水助 下水・し尿処理で発生する脱水ケーキの含水率 検討レベル 剤 の改善 覆土代替材 繊維状粉砕古紙+バインダーの混合物。処分場 実用化 では散布によりごみの飛散・臭気拡散等を防 止。のり面緑化では種子と混合して散布 古 紙 利 用活 粒状炭、粉末炭ヘ加工。過去に事業事例があ 研究レベル 性炭 り。 破砕・選別が必要 収集運搬加工コストが課 題 紙以外の混入物質の環境 影響評価 炭価格の低下 出所)古紙余剰問題に関する調査報告書(七都県市廃棄物問題検討委員会平成10年)等より作成 17 2.1国家戦略における可燃ごみ再資源化技術開発の位置付け 表 我が国におけるプラスチックリサイクルに関連する施策動向 施策名称 廃棄物処理法一部改正 容器包装リサイクル法 国等による環境物品等調達 の推進等に関する法律(グ リーン購入法) 資源の有効な利用の促進に 関する法律(改正リサイク ル法) 特定家庭用機器 商品 化法 (家電リサイクル法) 循環型社会形成推進基本法 概要 1991.10と1997.6の2回、廃棄物処理法(1970.2公布)を一部改正し規制強化を行った。主な 内容は、廃棄物減量化・リサイクルの促進、廃棄物処理に関する信頼性・安全性の向上、不法投棄 対策(マニュフェスト制度の導入・適用範囲の拡大、罰則強化等)である。 容器包装(缶、ビン、紙、プラスチック)リサイクルを、自治体、事業者、消費者が各々の立場で 推進するために1997.4に施行された。 容器包装を利用した中身メーカや容器包装の生産・販売事業者に再商品化を義務付けた。 1997.4にPETボトル・ガラス瓶、2000.4からは適用対象が紙容器、プラスチック容器まで拡大さ れた。 環境物品等への需要転換を促進するため、国・地方自治体、国民の基本的な責務を規定して いる。2000.5に公布された。 特定調達品の判断基準として、再生プラスチックの使用率等も規定される。 「再生資源利用促進法(1991.4公布)」を改正し「資源の有効な利用の促進に関する法律」 とし、2001.4より各種省令が施行された。具体的には「使用済物品の発生抑制」「再生資源・ 再生部品の利用促進」「事業系使用済PCの自主回収と再資源化」が義務付けられた。 回収した使用済PCの再資源化目標は重量比、ノートPC:20%、デスクトップPC:50%を平成 15年度までに達成することである。 再利用促進対象品目は、飲料用PETボトル、農業用フィルム、発泡スチロールである。 テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目を小売業者が有料で回収し、メーカがリサイク ルすることを義務付ける法律で2001.4に施行された。 生産者が製品製造から輩出まで一定の責任を負う「拡大生産者責任(EPR)」を原則とし、廃 棄物の最終処分量を削減することを目的としている。2003.10までに基本計画を政府が策定 し、計画内容を5年毎に見直す。 廃棄物の削減方法は、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse) 、再生利用(Recycle)、 適正処分の4項目からなる。 18 2.2 プラスチック再資源化技術に関する研究開発の体系 リサイクル方法 として優先度大 廃プラスチック リサイクル技術 再生利用(マテリアルリサイクル) ●一般廃棄物からの分別廃プラスチックのリサイクル ・選別・分別技術 ・PETボトルのリサイクル(繊維原料化等) ・PSトレイのリサイクル ・超臨界水による分解(研究レベル) ●産業系廃プラスチックのリサイクル ・再生原料へのリサイクル技術(ペレット化等) ・再生加工製品へのリサイクル技術 ・各種使用済みプラスチック製品のリサイクル技術 ・微粉砕再生利用技術 ・熱硬化性プラスチックの再生利用技術 化学分解(ケミカルリサイクル) ・化学分解によるモノマー回収技術 ●熱分解 ・油化技術 ・ガス化技術 ・モノマー回収技術 ●高炉原料化技術 ●コークス炉化学原料化技術 焼却・エネルギー回収(サーマルリサイクル) ・燃料化(固形燃料化、粉体燃料化、スラリー燃料化)技術 ・専焼炉、混焼炉技術 19 2.3 本プロジェクトの位置付け ・RPF技術はサーマルリサイクルに位置付けられる。 ・「環境基本計画」、「容器包装リサイクル法」ではリサイクル手法の優先順位 におけるサーマルリサイクルの位置付けは低い。 ・「容器包装リサイクル法」では、 -プラスチック容器包装の再商品化手法に固形燃料化は含まれていない。(現在 ある手法:材料リサイクル、高炉還元、油化、コークス化、ガス化) -紙製容器包装の再商品化手法には固形燃料化は含まれる。 ・「ごみ処理に係わるダイオキシン類発生防止等ガイドライン」では、 -ダイオキシン類の排出が少ない連続炉の導入(焼却能力300t/d以上、最低100 t/d以上) -焼却残渣の高度処理対策の推進(煤塵、焼却灰等の溶融固化等の高度利用) -マテリアルリサイクルの推進、サーマルリサイクルの推進(リサイクル量確保 、余熱利用の効率化) -最終処分場の確保対策、公共事業コスト削減 ・その他広域化施策(ごみ処理の広域化) -「広域市町村圏構想(旧自治省、1969)」地方自治法改正(1994)による広域 連合制度 20 3.1 国内の関連プロジェクト及び研究開発:RDF製造① 表 RDF製造技術の概要 混合 圧縮 成形 圧縮 成形 乾燥 乾燥 選別 RDF ・ 不燃物 金属回収 J-カトレル方式 ・ 不燃物 RDF ・ 混合 反応 都市ごみ 生石灰 選別 粉砕→金属等 不適物の除去 →調整(生石 灰添加)→生 石灰の反応熱 スイスのカト で固形化→乾 レル社から技 燥 術導入 都市ごみ 破砕 伊藤忠燃料の 共同出資。9 9年以降は減 資してメンテ ナンス会社。 設備の販売・ 開発は川崎製 鉄が担当。 J-カトレル J -カ トレ フジタ・石川 ルシステム 島播磨重工・ 方式 荏原製作所・ 三菱商事の4 社共同出資。 消石灰 RMJ方式 破砕 技術名称 技術の概要 プラントメーカ RMJ方式 ㈱日本リサ 川崎製鉄・伊 粉砕→金属等 イクルマネ 藤忠商事・ 川 不適物の除去 ジメント 崎重工業・東 → 調 整 → 京ガスエンジ 600 ℃ で 乾 燥 ニアリング・ →圧縮固形化 金属回収 21 3.1 国内の関連プロジェクト及び研究開発:RDF製造② 従来のRDF製造技術の課題(製造施設導入普及の課題) ・都市ごみの分別形態が欧米と異なり、生ごみが混入し、乾燥の為の投入エネルギ ーが多い。(欧米では生ごみは堆肥化、ディスポーザー普及の度合いによる) ・RDF需要とRDF供給のミスマッチング。 ・廃掃法により、他事業所からゴミを原料として受け入れることは、周囲の住民の 同意等厳しく制限されている。RDFを利用施設へ持ち込む場合も住民の理解が必要。 ・RDF製造事の悪臭問題や乾燥時(500~600℃)の分解ガス発生(塩ビ可塑剤のフタル 酸エチル等)の懸念 ・乾燥・脱臭・熱交換工程でのダイオキシン類の発生(ほぼ解決) ・RDF製造コスト高(原料処理コスト(製造コスト)3万円程度/t(原料引き取り収入は含 めず)、販売価格2000~20000円/t) ・かさ比重が低いことによる原料収集・運搬高、消防法による貯留コスト、RDFの運搬 コスト高 ・RDF性状によっては、ダイオキシン対策を施した専焼炉や環境設備が必要で利用面で の用途が限られる。(ダイオキシン類の排出基準は0.1ng-TEQ/Nm3) 22 3.1 国内の関連プロジェクト及び研究開発:RDF利用① 表 RDFの利用特性・用途、RDF燃焼炉の種類 利用特性 利用用途 課題 ご み :100t/d( 人 口 10 万 ) で 中 小 設 備 で の利 用( 温水 プー 熱利用設備費用、維持管理費用 温熱利用 RDF:50t/d製造とすると約3000 ル、病院、浴場、公共施設、融 が必要 世帯へ24時間給湯可能 雪、等) 地域熱供給利用 同上+まとまった熱需要と需要 密度が必要(地域が限定) RDFをRDF製造の乾燥・ 熱脱臭工 RDF製造効率悪化 程で利用 発電 ごみ:53t/d(人口6~7万)で 石炭火力での混焼、ごみ発での 経済性( 自動運転が困難、環境 EDF:24t/d製造とすると約 混焼、専焼発電 装置必要、灰処理必要) 1200kWの24時間電力供給可能 セメント原燃料 セメント原燃料として利用、灰処理不要、製品は塩素分を含む エコセメントの需要は小さい エコセメント RDF乾留により生成ガスを乾燥用熱源へ利用、生成炭化物を高 廃プラの高炉還元剤化等競合技 炭化 炉用還元剤へ利用 術多い。 出所)環境にやさしい資源循環型ごみ発電 エネルギー33巻4号 2000等より作成 形式 構造 噴流床 内部循環式 外部循環式 空気を炉底より導入、噴流層を形 炉底より空気を導入し、炉内で熱 流動床炉と併設サイクロンより構 成、灰はサイクロン等で捕集する 媒となる灰を循環させる構造、排 成、熱媒である灰は炉とサイクロ 構造 ガスは上部より排出 ンを循環 流 動 床 温 度 制御 層温度は負荷により変動 方式 燃料投入量等外部条件による制御 特徴及び用途 小・中容量向き スラッジ処理等に適する 制約条件 高カロリー燃料に不向き 処理物の大きさ、異物混入に弱い 熱回収伝熱管により冷却される循 環灰量を制御 小・中容量向き 高カロリー燃料向き 容量に限界がある。 サイクロンで捕集される中温循環 灰を制御 大容量向き 高カロリー燃料向き 循環用の灰を多く必要とする。 23 3.1 国内の関連プロジェクト及び研究開発:RDF利用② 従来のRDF利用技術の課題 ・固形燃料のため自動運転が困難で運営コストが高い。 ・保管・管理(サイロが必要、悪臭・腐敗等の問題)や輸送コストが高い。 ・煤塵対策、残渣対策等環境装置が必要である。 ・塩素によるボイラ加熱器チューブ腐食対策が必要となる。 ・熱利用の場合はまとまった熱需要及び需要密度が必要となる。 ・発電利用の場合は、微粉炭火力発電と比較すると発電効率が低い。 プロジェクト及び対応策 ・「新型廃棄物固形化燃料利用発電技術開発」:電源開発北九州市の若松総合事業 所 、外部循環式流動層ボイラを用い、蒸気条件540℃、圧力100ata、発電効率約 35%を目指し 実証試験、排煙処理試験 を実施。 ・「先進型廃棄物発電フィールドテスト事業」:実機規模で運用実績が乏しい先進型 廃棄物発電システムについて、実機の実証試験により導入促進を図る 。例:京都 府綾部市 ・RDF利用のためのJIS化検討、標準情報 (TR:テクニカルレポート)制度に基づき平 成11年5月にTR公開 (総発熱量3000kcal/kg以上、水分10%以下、灰分20%以下、 塩素分等は表示、燃焼条件等) 24 3.2 海外の関連プロジェクト及び研究開発① 表 日・米・欧の一般廃棄物処理の状況 国 カナダ デンマーク ドイツ オランダ スウェーデン アメリカ 日本 名 人口 (百万人) 29 (1995) 5.2 (1995) 82 (1995) 15 (1995) 8.9 (1995) 263 (1995) 125 (1994) 一般廃棄物 33.76 2.3 43.5 12.0 3.2 207 50.2 (100万t) (1992) (1993) (1993) (1993) (1991) (1993) (1992) リサイクル率 (%) 1.88 50 50 15 20 (リサイクル 22 10.7 (コンポと (リサイクル) (分別回収) (リサイクル) 内 2はコンポ (コンポと リサイクル) リサイクル) スト) 焼却 (%) 14.2 23 25 23 53 16 74.3 埋立て (%) 83.9 26 45 50 27 62 14.9 1997年に有 コンポスト コンポスト コンポスト 41.3万t 約300万t 機系ごみの 約6万t 備 考 直接埋立て 禁止 出所)産業と環境(1996.5) 欧州: ・生ごみ分別収集→飼料化・メタン発酵堆肥化、埋め立て ・焼却ごみからの熱回収、給湯パイプライン整備(デンマーク:1.7万km、独:1.3万km)独では75% のエネルギー回収義務付け ・RDF技術開発は1980年代が中心。現在は熱分解・ガス化溶融技術へシフト 米国: ・ディスポーザーの普及 ・焼却は大規模焼却処理(Mass Burning)が一般的、RDF採用の場合は処理過程においてRDF化し 発電利用事例あり。ただし廃棄物処理は民間経営であるためRDFはフラフレベル。 ・古紙については、圧縮成形した環境燃料等が一般工業ボイラ、製紙業界向けに製造利用。 ・RDF技術開発は1975年前後が中心。外部流動床炉の開発等へシフト 25 3.2 海外の関連プロジェクト及び研究開発② 表 RDFのASTM分類と日本の廃棄物再生燃料との対応 RDFのASTM分類 RDF-1 RDF-2 RDF-3 RDF-4 RDF-5 RDF-6 RDF-7 廃棄された形で燃料として使われる廃 棄物 6 インチ( 約15cm) 角の メッ シュ スク リーンを95%重量通過する粗い粒度に 前処理(未選別を含む)された廃棄物。 フラフRDF。 都市ごみ(MSW) を破砕し、金属、ガラ ス、その他無機物除去した燃料で、2 インチ( 約5cm) 角メッシュスクリーン を 95 % 重 量 通 過 す る も の 。 フ ラ フ RDF。 10メッシュ( 約2mm) スクリーンを95重 量%通過できるまでに破砕加工された 可燃廃棄物。粒状RDF。 ペレット状、キュウブ状、ブリケット 状に成形したRDF 液体燃料に加工された可燃廃棄物。液 状のRDF。 気体燃料に加工された可燃廃棄物。ガ ス状のRDF。 日本の廃棄物再生燃料との対応 従来の焼却炉へ供給される可燃廃棄物 粗破砕し焼却される可燃廃棄物 粗大ゴミは破砕処理施設等で破砕・選 別により粒度調整された可燃廃棄物。 チップ、おがくず状に前処理された可 燃廃棄物 固形燃料 オイル、或いはスラリー化状に加工さ れた液体燃料 ガス化状の加工された気体燃料 出所)NEDO資料等より作成 26 4.1 ごみ焼却技術との効果の比較 表 RDF化技術とごみ処理(焼却)技術諸元の比較 (その1) RDF製造・利用施設 エネルギー特性 ・立地条件、規模にかかわらずRDF化して 集荷し、いつでもどこでも利用できる。 ・発熱量、形状がほぼ均一で、燃焼特性、貯 留性、輸送性、取扱性に優れる 環境特性 残さの特性 ○ R D F 発 電 の 発 電 効 率 が 高 い 。 ( 20 ~ 30%) ・乾燥、脱臭用に灯油を用いた場合、排ガス 処理が容易 ・ごみ滞水の処理は乾燥炉にて蒸発処理する が、そのための熱源(燃料)が必要 ・RDF利用施設では、ごみ焼却施設と同等 の公害防止施設が必要 ・ダイオキシン類の発生抑制が可能 ごみ焼却施設 ・中小規模施設においては境内の温水利用程 度に限られる。 ・電力回収 は可 能で ある が、 発電 効率 が低 く、(10~15%)、大規模(200t/日以上) の施設に限られる △高度排ガス処理対策が必要 ・ごみ汚水は焼却炉の熱を利用して蒸発処理 できる ・排ガス性状が逐次変動するので排ガス対策 が高度化する ・ダイオキシン類の発生量が多く、対応が難 しい。特に、機械ハッチ、準連方式では困難 ・RDF工程で不燃物等の残さが発生し、適 ・ごみ量の約10~20%程度であるが、炉型式 正処分が必要。(1~8%) によって差異がある。 ・石灰を添加するので添加量により灰分が多 ・選別工程がないので、残さやダストの性状 くなることもある は悪い傾向にある。 ・RDF燃焼残さ等は通常焼却灰よりも少な く、かつクリーンである。(8~25%) 出所)環境計画センター「第7回ごみ固形燃料化に関するセミナー」 鍵谷司 より作成 27 4.1 ごみ焼却技術との効果の比較 表 RDF化技術とごみ処理(焼却)技術諸元の比較 (その2) RDF製造・利用施設 維持管理の特性 ・高温部がないので損傷が少ない(600 ℃以 下)→施設寿命が長いと考えられる ・故障時の点検、補修が容易で、期間が短い ・系列等を少なくすることができる ごみ焼却施設 ・高温でのハンドリングが多いので、炉や煙 突の損傷や磨耗が激しい→炉の寿命が短い △炉の定期補修には、2~4週間程度と長い ・処理能力ごとに稼動時間や稼働率が規定さ れているので、運営体制を合わせなければな らない ○感染性廃棄物等の処理が容易である △廃プラスティックの多量混入は支障がある △乾焼用燃料(灯油、重油等)を必要とする ・指針外施設であり、稼動時間や稼働率を運 営管理件制に基づいて設定できる △不適物の処理が必要になる ○廃プラスティックが混入しても支障がない 建築構造物の特 ・乾燥、脱臭熱風用に灯油を用いた場合、排 ・排ガス量が多く、大気汚染物質の排出量が 性 ガス量が少なく、クリーンである 多いので、拡散による希釈が必要である。こ のため高い煙突を必要とする。 ○煙突は小口径で、高さが低い(建屋程度) ・炉構造に もよ るが 、上 載荷 重が 大き いの で、より大きな地盤強度を必要とする ・配置にもよるが、上載荷重が小さいので支 持地盤の強度が小さくてよい 社会的な特性 ・廃棄物循環型社会の意向に適合している ・膨大な費用と労力を費やして、ただ単に燃 やすにすぎない ・排ガス等の問題が無いので、地元同意が得 ・排ガス等の問題があり、地元同意が得られ られやすいこと、立地条件が緩和される 難く、建設が困難 ・ごみに関心が高まり、減量、分別、リサイ ・ごみ処理に対する関心が高まらず、住民参 クル等が徹底しやすい 加が進まない △RDFを使用する施設の整備が必要 出所)環境計画センター「第7回ごみ固形燃料化に関するセミナー」 鍵谷司 より作成 28 4.2 廃棄物処理の広域化とRDF発電による市場への効果 (万kW) 500 500 450 (億円) 1,400 対策ケース→ 一般廃棄物 400 産業廃棄物 1,200 1,200 合計 350 1,000 300 213 200 ←基準ケース 150 100 50 0 800 800 250 54 46 8 平成6 年度 64.9 76 81.5 65.8 10.7 9.1 55.8 10.2 平成7 年度 平成8 年度 93.3 78.6 70.8 平成9 年度 出所)NEDO資料より作成 図 廃棄物発電能力の推移と目標 400 400 200 14.7 平成10 年度 600 0 平成22年度 目標 200 100 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 出所)月刊エコインダストリー RDF発電技術の実用 化動向と市場 5巻.10号2000. 図 廃棄物発電プラント関連市場の予測 29 5. 関連特許数の推移 180 160 その他 RDF等熱利用 コークス炉原料化 高炉原料化 ガス化 油化 再生化工・利用 成形材の開発・製品設計 収集・破砕・分別・減容・脱塩素 140 120 100 80 60 40 20 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 0 年 注)リサイクル・プラスチック両方を含む公開特許を検索、特許内の分類は要旨により判断した 出所)特許庁データ-ベースより検索 図 特許(公開)件数推移 30