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子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果の概要

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子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果の概要
調査対象・用語解説
1 調査方法および調査対象について
(1)
調査方法
質問紙法
(2) 調査対象
① 高松市立小中学校(対象児童生徒がいない学校は除く)
小学校回答数
48 中学校回答数
23
計
71
② 高松市立小中学校児童生徒(各学校抽出1学級,対象がいない学校は除く) 小学6年生
1,421 中学1年生
752
中学2年生
643 中学3年生
682
計 3,498 (抽出率23.4%)
③ 高松市立小中学校保護者(上記(2)の児童生徒の保護者)
小学6年生の保護者
1,303 中学1年生の保護者
621
中学2年生の保護者
536 中学3年生の保護者
682
計 3,003 総回答数 6,572
(3)
(4)
調査時期
その他
平成22年6月下旬∼7月中旬
資料内に出てくる全国調査とは,「子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果について」
(文科省:平成21年5月15日公表)を指す。この調査は,小学6年生と中学2年生のみ対象。
2 用語解説
1
チェーンメール
「不幸の手紙」のように,不特定多数の人々の間を増殖しながら転送されていくこと
を目的とした電子メールのこと。いたずら目的のものがほとんどだが,公共回線に過剰に
負荷をかけることを目的としていたり,募金の呼びかけなど善意に基づくものをチェーン
メール化したりする場合もある。
2
電子掲示板
参加者すべてが読み書きできる電子的な掲示板サービスのこと。共通の話題や何か
テーマを持った人が集まって意見を交換することを目的としている。
3
ブログ
「ウェブログ」の略。個人や数人のグループで管理運営され,日記のように更新される
ウェブサイト。携帯電話等を使用して更新するブログは「モブログ」と呼ばれる。
4
プロフ
「プロフィールサイト」の略。パソコンや携帯電話からインターネットを利用して作成するこ
とができる自己紹介サイト。現在は,多くの事業者が無料のプロフィールサイトを公開し
ており,専門的な知識のない小・中学生でも簡単に自分用のサイトを作成できる。
5
「ソーシャルネットワーキングサービス」の略。同じ趣味をもつ人が集まるといったコミュニ
SNS(コミュニティサイト) ティ型の会員制ウェブサイトである。誰でも自由に参加できる掲示板と異なり,会員か
らの紹介でないと,新規会員になれないという方式をとっていることが多い。
6
出会い系サイト
インターネットや携帯電話での電子掲示板やチャットで友人や交際相手を募集し,
メール交換を通して出会いの場を提供するサイトのこと。
交際相手を探している利用者が性別や年齢などの情報を電子掲示板に書き込み,
サイトの閲覧者が気に入った相手にメールを出すというもの。匿名性が高く,中には,
相手を利用して犯罪に巻き込もうとする者も潜んでいる。
学校裏サイト
中学校や高校(最近は小学校も)に通う子どもたちが,学校の公式サイトとは別に,
同じ学校に通う児童生徒間での交流や情報交換を目的に立ち上げた非公式なサイ
トのこと。ほとんどの場合,事業者の提供する無料のサイトを利用して作られており,専
門的な知識のない小・中学生でも簡単に自分用のサイトを作成できる。
昨今は違法ダウンロードサイトの紹介や根拠のない誹謗中傷,個人情報漏洩等で問
題になることが多い。
7
8
フィルタリング
ある特定の内容の情報についてその流通を遮断する仕組みのこと。
特にインターネットには様々な情報があり,教育上不適切なものもあるため,閲覧に適
さないと考えられる情報を見えなくしたり警告を表示したりすること。
ホワイトリスト方式
8のフィルタリングの1つの方式のこと。ホワイトリスト方式の場合,このリストに登録され
ていないサイトへのアクセスは,全て不可となり,限定的なサイト閲覧となる。
ブラックリスト方式
8のフィルタリングの1つの方式のこと。ブラックリスト方式の場合,このリストに登録されて
いないサイトへのアクセスは,全て可能となる。一般的には,このタイプが多い。
1
調査概要
児童生徒の携帯電話等の利用状況や意識
2
1
携帯電話の所有状況(児1)
※
学年が上がるにつれ所有率は高く,全学年で女子が男子を上回る。
※小6 23.0%(全国 24.7%) 中1 30.5%
※女子の所有率
2
中2 40.2%(全国 45.9%)
小6 28.3% 中1 38.4% 中2 49.7%
中3 43.6%
中3 54.2%
携帯電話等の利用状況
(1)通話時間(児3)
携帯電話と言いながら,中学生では約 40%が電話としては利用していない。
※「ほとんど通話なし」
小6 27.0%(全国 42.5%) 中1 41.3% 中2 36.2%(全国 53.1%) 中3 42.8%
(2)メール(児4,5-①∼⑤)
学年が上がるにつれ,メールのやりとり件数は増えるが,家族とのやりとりは減少している。
※「50 件以上のやりとり」
小6 2.5%(全国 2.4%) 中1 9.8% 中2 16.5%(全国 19.5%) 中3 18.9%
※「家族とのやりとりがほとんどない」
小6 22.1%(全国 18.6%) 中1 24.4%
中2 25.8%(全国 23.7%)
中3 35.1%
※「インターネットを通じて知り合った人とのやりとり(ほとんどない以外)」
小6 2.2%(全国 1.7%)
中1 4.0% 中2 10.8%(全国 9.0%)
中3 12.0%
(3)利用時間帯・場所(児6,24)
深夜(午後 11 時以降)に利用する者が中学校入学後大幅に増えるとともに,学年が上がるにつれ,
自分の部屋での利用が増加している。
※「深夜(午後 11 時以降)の利用(よく使う,時々使う)」
小6 10.6%(全国 12.7%)
中1 20.8%
中2 44.3%(全国 46.9%)
中3 54.1%
※「学校の休み時間,部活動,放課後などの授業以外の時間(よく使う,時々使う)」
小6 7.5%(全国 8.9%) 中1 4.6% 中2 8.3%(全国 6.9%)
※「自分の部屋が主な利用場所」
小6 6.8%
中1 13.5%
中3 5.5%
中2 21.8% 中3 27.8%
*利用場所については,携帯電話を持っていない者も含めた全体の中での割合
(4)携帯電話のフィルタリング等の設定状況(児8)
すべての学年で,60%以上がフィルタリングやインターネットが使えない等の安全対策をしている
が,一部フィルタリングを解除している者もいる。
※「フィルタリングを設定またはインターネットが使えない設定」
小6 67.5%(全国 63.3%)
中1 76.2%
中2 68.1%(全国 43.2%)
中3 63.0%
※「フィルタリングを解除した」
小6 2.9%(全国 1.9%) 中1 2.3% 中2 5.6%(全国 5.3%) 中3 5.8%
※( )内は,p91∼の質問用紙を指す。児1は,児童生徒用のQ1の意味
2
調査概要
(5)インターネットの利用状況(児 11 ー①②)
携帯電話,パソコンともにインターネットをしていない者が多いが,1 日に3時間以上利用してい
る者もおり,個人差が大きい。
※「携帯電話:ほとんど使用しない」
小6 18.3%(全国 18.2%) 中1 21.9%
※「携帯電話:3時間以上」
中2 17.8%(全国 19.3%) 中3 17.6%
小6 1.0%(全国 0.6%) 中1 2.0%
中2 4.5%(全国 5.0%) 中3 4.6%
※「パソコン:ほとんど使用しない」
小6 44.6%(全国 41.5%) 中1 39.6%
中2 31.5%(全国 33.7%) 中3 30.6%
※「パソコン:3時間以上」 小6 2.2%(全国 1.5%) 中1 3.2%
中2 4.4%(全国 5.0%)
中3 6.2%
*それぞれ携帯電話・パソコンを持っていない者も含めた全体の中での割合
(6)インターネットの利用内容(児 12)
調べ物やメールの利用が多いが,学年が上がるにつれ,音楽のダウンロードやプロフ,ブログの閲
覧・公開等,多岐にわたる。
※「音楽のダウンロード」
小6 23.9%(全国 24.8%)
中1 34.4%
中2 54.1%(全国 53.7%)
中3 61.1%
※「コミュニティサイトへの参加」
小6 1.1%(全国 2.1%) 中1 3.9% 中2 8.0%(全国 8.9%)
中3 8.9%
※「他人のブログやプロフを見る」
小6 12.5%(全国 13.8%)
中1 20.6%
中2 36.2%(全国 45.4%)
中3 45.3%
※「自分のプロフの公開」 小6 1.7%(全国 1.5%) 中1 2.4%
中2 10.5%(全国 13.9%)
中3 13.4%
※「出会い系サイトを見る」 小6 0.3%(全国 0.3%) 中1 0.1% 中2 0.7%(全国 0.8%)
中3 1.7%
*それぞれ携帯電話・パソコンを持っていない者も含めた全体の中での割合
(7)トラブルの経験(児 18,20)
学年が上がるにつれトラブルの経験が増え,特にチェーンメールの被害が多い。また,チェーンメ
ールを送った経験がある女子が中3では 20%を超える。
※「トラブル被害なし」
小6 91.8%(全国 78.2%)
中1 81.9%
中2 67.9%(全国 48.8%)
中3 61.4%
※「チェーンメールを送られた」
小6 4.6%(全国 6.8%)
中1 4.6%
中2 26.8%(全国 36.4%)
中3 29.6%
※「チェーンメールを送ったことがある」
小6(男子 0.1% 女子 1.6%)
中1(男子 1.4% 女子 8.4%)
中2(男子 4.7% 女子 13.9%)
中3(男子 3.7% 女子 20.1%)
(8)トラブルの相談相手(児 19)
相談相手は全学年で保護者が多いが,だれにも相談しない者もかなりいる。
※「保護者へ相談」 小6 50.7%(全国 54.8%) 中1 60.4% 中2 42.7%(全国 33.4%) 中3 42.6%
※「だれにも相談しなかった」
小6 25.0%(全国 18.1%) 中1 18.7% 中2 31.7%(全国 34.6%) 中3 39.9%
3
調査概要
3
情報モラルに関する意識
全国と比較して,すべての設問で「してはいけない」と回答した者が多い。一方で,ほぼ学年が上が
るにつれ,
「してもよい」「大して悪いことではない」と回答する者が増えている。
また,個人情報に関するモラル意識に比べ,著作権に関するモラル意識は低い。
(1)チェーンメールの転送(児 14-①)
※「してはいけない」 小6 68.6%(全国 52.4%) 中1 73.5% 中2 69.6%(全国 63.2%) 中3 71.3%
※「してもよい・大して悪くない」
小6 3.5%(全国 5.5%)
※「分からない」
小6 27.9%(全国 39.5%)
中1 5.0%
中2 9.3%(全国 12.2%)
中1 21.6%
中3 11.4%
中2 20.3%(全国 22.7%)
中3 17.3%
(2)掲示板等への他人のことの書き込み(児 14-③)
※「してはいけない」 小6 82.6%(全国 73.0%) 中1 84.6% 中2 80.0%(全国 74.6%) 中3 81.3%
※「してもよい・大して悪くない」
小6 1.9%(全国 2.9%)
※「分からない」
小6 15.5%(全国 21.1%)
中1 2.5%
中2 6.1%(全国 6.8%)
中1 12.9%
中3 7.0%
中2 13.9%(全国 16.0%)
中3 11.6%
(3)プロフやブログ等への自分の住所や写真の掲載(児 14-④)
※「してはいけない」 小6 80.3%(全国 72.9%) 中1 83.7% 中2 80.8%(全国 71.3%) 中3 79.1%
※「してもよい・大して悪くない」
小6 2.3%(全国 3.3%)
※「分からない」
小6 17.3%(全国 21.2%)
中1 2.7%
中2 5.7%(全国 9.3%)
中1 13.6%
中3 7.9%
中2 13.5%(全国 17.3%)
中3 13.0%
(4)自分のブログ等への人気キャラクターイラストの掲載(14-⑥)
※「してはいけない」 小6 52.4%(全国 37.9%) 中1 52.3% 中2 48.2%(全国 45.5%) 中3 47.0%
※「してもよい・大して悪くない」
※「分からない」
小6 17.0%(全国 22.4%)
中1 20.2%
中2 26.2%(全国 27.7%)
中3 30.6%
小6 30.6%(全国 37.2%)
中1 27.5%
中2 25.7%(全国 25.0%)
中3 22.4%
保護者の意識・実態と子どもの実態
1
携帯電話を持たせた(持った)理由(児2,保2)
保護者に勧められて携帯電話を持つ子どもが多く,保護者が持たせる理由は「家族間でいつでも連
絡がとれる」「持たせていると安心」が多い。
※「保護者の勧め」
小6 55.6%(全国 46.7%)
中1 49.8%
中2 40.0%(全国 29.6%) 中3 33.2%
※「家族間でいつでも連絡がとれる」
小6保 70.2%(全国 63.4%) 中1保 72.8%
中2保 67.9%(全国 69.2%)
中3保 75.9%
中2保 34.2%(全国 29.5%)
中3保 24.1%
※「持たせていると安心」
小6保 36.1%(全国 35.6%) 中1保 30.0%
4
調査概要
2
携帯電話に関するルール(児7,保4)
子ども,保護者ともにインターネットの利用に関するルールが最も多い。その一方で,特にルール
を決めていないと回答した者の割合は全学年で子どもが保護者を上回る。
※「インターネットの利用に関するルール」
小6児 59.7%(全国 53.9%)
中1生 58.5% 中2生 44.3%(全国 40.4%) 中3生 38.5%
小6保 69.8%(全国 63.1%)
中1保 77.3% 中2保 66.8%(全国 57.0%) 中3保 62.0%
※「特にルールを決めていない」
3
小6児 18.6%(全国 19.5%)
中1生 20.1%
中2生 31.2%(全国 29.4%)
中3生 38.5%
小6保 9.3%(全国 11.0%)
中1保 6.1%
中2保 6.6%(全国 12.1%)
中3保 15.3%
子どもの携帯電話にフィルタリングをしていない理由(保5-2)
子どもを信頼してフィルタリングをしていない保護者が多い。
※「子どもを信頼」
小6 47.4%(全国 47.3%)
中1 75.0%
中2 56.0%(全国 59.8%) 中3 65.2%
中1 25.0%
中2 18.0%(全国 19.0%)
※「特に必要を感じない」
小6 22.8%(全国 19.0%)
4
中3 18.2%
携帯電話の危険性や注意点の説明(保6,6-2,6-3)
携帯電話の危険性等を 80%以上の保護者が子どもに話をしているが,その内容は個人差が大きい。
※「説明を(している・時々している)」
小6 81.2%(全国 82.7%)
中1 88.3%
中2 87.7%(全国 82.7%)
中3 85.0%
※「使用料金を説明」 小6 75.6% 中1 75.0% 中2 78.1% 中3 77.0%
※「インターネットでの書き込み」 小6 20.2% 中1 36.2% 中2 27.8% 中3 35.1%
※「注意・説明を(あまりしていない・していない)理由:子どもを信用している」
小6 18.1% 中1 37.8% 中2 28.9% 中3 34.9%
5
情報モラル等に関する知識(保 14)
インターネット利用に関し,十分な知識が得られていない保護者が多い。
※「プロフ(詳しくは知らない・知らない)」
小6 61.9%(全国 71.2%)
中1 62.3%
中2 60.3%(全国 69.7%)
中3 60.7%
※「フィルタリング(詳しくは知らない・知らない)」
小6 52.4%(全国 58.5%) 中1 49.6% 中2 41.7%(全国 52.3%) 中3 44.8%
6
インターネットの危険性について学ぶ機会(児 22,保 21)
中学生は,80%以上が学校で学んでおり,保護者も学校が大きな情報源になっている。
※「学校で教えてもらった」
小6児 67.3%(全国 52.8%) 中1生 80.0% 中2生 80.3%(全国 79.9%)
中3生 83.8%
※「保護者会や PTA の会合で聞いた」
小6保 27.0%(全国 24.0%) 中1保 46.7% 中2保 40.6%(全国 33.4%)
中3保 36.6%
※「特に学んだことはない」
小6保 19.7%(全国 15.0%) 中1保 12.0% 中2保 15.2%(全国 12.1%)
5
中3保 16.0%
調査概要
7
インターネットの利用内容(児 12,25,27,保 15)
子どもたちがインターネット上でしていることに気づいていない保護者が多い。
※「自分のプロフの公開」 小6児 1.7% 中1生 2.4%
中2生 10.5%
中3生 13.4%
小6保 1.1% 中1保 1.2% 中2保 4.4% 中3保
※「インターネットで買い物」 小6児 12.4%
8.8%
中1生 17.3% 中2生 19.4% 中3生 23.7%
小6保 5.3% 中1保
9.9% 中2保 11.6%
中3保 15.9%
※「他人のブログ等への書き込み」 小6児 4.4%
中1生 7.4%
中2生 19.2% 中3生 28.0%
小6保 2.8%
中1保 3.7%
中2保
9.5% 中3保 16.3%
※「携帯電話で何をしているかを保護者は知っているか(知っている)」
小6 22.8% 中1 26.9% 中2 29.9% 中3 29.9%
※「パソコンで何をしているかを保護者は知っているか(知っている)」
小6 60.1% 中1 51.3% 中2 43.5% 中3 43.9%
*それぞれ携帯電話・パソコンを持っていない者も含めた全体の中での割合
8
インターネットに関する親子の会話(児 31,保 24)
保護者は,中学校に入ってからの方が子どもと話をしていると感じているが,子どもは,学年が上
がるにつれ,話をしていないと感じている。
※「よく話をする・たまに話をする」 小6児 53.8%
中1生 49.0%
中2生 48.3%
中3生 46.0%
小6保 59.9%
中1保 69.5%
中2保 77.8%
中3保 72.6%
携帯電話・パソコン以外のインターネット利用の実態
1
インターネットができるゲーム機・音楽プレーヤーの所有状況(児 28)
ゲーム機・音楽プレーヤーのどちらかでも所有している者は,全学年で 70%を超えており,携帯電
話をはるかに超える所有率である。
※「どちらかでも所有している」 小6 78.9% 中1 74.6% 中2 77.0% 中3 77.4%
2
ゲーム機等でのインターネット利用状況(児 29)
実際にインターネットを利用している者は,20∼30%程度である。
※「インターネットをしている」
小6 21.0%
中1 24.3%
中2 32.0%
中3 29.0%
*インターネットができる機器を持っていない者も含めた全体の中での割合
3
ゲーム機等でのインターネット利用に関する保護者の実態(児 30)
全学年で,子どもがゲーム機等でインターネットをしていることを知っている保護者は,30%台に
とどまる。
※「知っている」
小6 37.4%
中1 36.3%
中2 34.7%
中3 35.2%
*インターネットができる機器を持っていない者も含めた全体の中での割合
6
調査概要
学校における取り組み状況等
1
携帯電話の学校への持ち込みに関するルール(学1)
高松市内全小中学校で,携帯電話の持ち込みに関するルールを設けており,小学校では,家庭から
の申請により認めるケースが多く,中学校では持ち込み禁止が多い。
※「持ち込み禁止」 小 29.2%(全国 57.4%)
中 60.9%(全国 85.3%)
※「家庭からの申請で許可」 小 56.3%(全国 13.6%) 中 21.7%(全国 6.6%)
2
携帯電話の利用に関する児童生徒への指導状況(学2-2)
小学校では授業において指導することが多く,中学校では全校集会での指導や啓発資料の配布が多
い。
※小学校 「授業での指導」 70.0%(全国 54.6%)
「全校集会等での指導」 20.0%(全国 13.9%)
「外部講師による指導」 47.5%(全国 18.3%) 「啓発資料配布」 55.0%(全国 48.6%)
※中学校
「授業での指導」 47.8%(全国 39.6%) 「全校集会等での指導」 78.3%(全国 64.7%)
「外部講師による指導」 43.5%(全国 52.6%) 「啓発資料配布」 87.0%(全国 62.9%)
3 携帯電話の利用に関する保護者との連携の形態(学3-2)
中学校は,全国と比較して保護者会等での啓発に積極的に取り組めている。
※「保護者会等での啓発」 小 40.0%(全国 45.9%) 中 86.4%(全国 65.4%)
※「学校便り等での啓発」 小 52.5%(全国 35.0%) 中 59.1%(全国 56.4%)
4
情報モラル教育の推進(学6)
小学校では情報教育担当教員,中学校では生徒指導担当教員を中心に情報モラル教育を推進してい
る。一方,学級担任が中心となる割合は,小中ともに全国より 20%以上低い。
※「生指担当」 小 52.1%(全国 21.5%) 中 82.6%(全国 62.5%)
※「情報担当」 小 87.5%(全国 64.1%)
中 65.2%(全国 60.2%)
※「学級担任」
中 17.4%(全国 43.7%)
小 52.1%(全国 75.2%)
5 平成 21 年度に起こった携帯電話に関する問題(学 8)
小学校では学校が把握した問題は少ないが,中学校では様々な問題が確認されている。
※小学校 「特に把握していない」 91.3%
「チェーンメール」 4.3%
「掲示板・メール等での児童への誹謗中傷」 4.3%
「個人情報の流出・悪用」 2.2%
※中学校 「掲示板・メール等での生徒への誹謗中傷」 82.6%
「チェーンメール」 65.2%
「インターネットで知り合った人と会う(会いそうになる)」 39.1%
「掲示板等に学校・教員への誹謗中傷」 26.1%
6
「迷惑メール・つきまとい」 17.4%
平成 21 年度の情報モラルの授業実践状況(学 11)
中学校では,すべての学級担任が授業をしている学校が小学校に比べて多い半面,半数以下の教員
しか実践していない学校も見られ,学校間格差が大きい。
※小学校
「全学級担任2回以上」 12.5% 「全学級担任1回」 35.4% 「実践者は半数以下」 2.1%
※中学校
「全学級担任2回以上」 8.7% 「全学級担任1回」 60.9% 「実践者は半数以下」 8.7%
7
調査概要
考
察
本市の場合,携帯電話の所有率やインターネットの利用状況はほぼ全国と同水準であるが,情報モラルに関す
る意識は全国よりも高く,実際,トラブルの経験も全国よりも大幅に少ない。その要因の一つには,学校での
携帯電話等の利用に関する指導が,概ね全国を上回っていることが関係していると思われる。ただ,実態として
は,特に中学校で様々な問題が確認されており,深夜までのインターネット利用や 100 件以上のメールのやり
とり等,携帯電話(インターネット)への過度の依存が危惧される者もいる。今後とも,保護者や教員などの子
どもを取り巻く大人が連携し,子どもの適切なインターネット利用について継続的に指導していく必要がある。
情報モラルに関する設問において,全項目・全学年で 10%以上の者が「わからない」と回答し,特に著作権に
関する意識の低さが目立つ。学校教育においては,情報モラルに関する知的理解の指導を進めるとともに,著
作権を取り上げた授業等の実践が望まれる。また,全設問で男子に比べ女子の方がモラル意識が高いにも関わ
らず,チェーンメールの送信等,行動面での問題が多い。女子のモラル意識を行動化につなげるためには,女
子の発達特性を踏まえた学校と家庭の協調した働きかけが必要である。
義務教育段階までで考えると,メールのやりとりやインターネットの利用,トラブルの状況等,学年が上がる
につれて増加傾向にあるが,中学2年生と3年生ではそれほど大きな差異はないことが分かった。したがって,
学校教育においては,小学校段階から計画的に情報モラル教育を位置づけ,中学校2年生までの段階で,イン
ターネットの危険性等についての安全指導を充実させていく必要がある。
本市の場合,全国よりもフィルタリング等の安全対策や,利用ルールを決めている保護者の割合は高いが,「子
どもを信頼している」ことを理由に安全対策をしていなかったり,携帯電話等の危険性について十分子どもに説
明していなかったりする保護者も見られる。その背景には,保護者自身がインターネットの危険性について十分
理解できていなかったり,子どもたちがしていることを把握できていなかったりすることも要因として想定され
る。保護者は,子どもの実態の把握やインターネットに潜在する危険性等の知識の獲得に努めるとともに,教
育関係機関には,適切な情報の周知と啓発が求められる。
本市の場合,全国よりも保護者の勧めで携帯電話を持つようになった子どもの割合が高い。その保護者は,「家
族でいつでも連絡が取れる」ことを理由の第一に挙げているが,携帯電話を「電話」として利用している子ども
は少なく,メールでの家族とのやりとりも学年が上がるにつれ減少していることから,保護者の意図に応じた
利用実態にはなっていないことが分かる。義務教育段階における子どもの携帯電話の必要性については,子ど
もの実態や課題等を十分に踏まえた上で,家庭において子どもと保護者が話し合い,慎重に検討することが望
ましい。
学年が上がるにつれ,保護者は子どもとインターネット利用に関する話をしているという認識が増加するが,
子どもたちは保護者と話をしているという割合が減少する傾向が見られる。一方,子どもたちは,トラブルの
際の相談相手に保護者を第一にあげていることから,内心は保護者を頼りにしていることがうかがえる。今後,
悩みの早期発見やトラブルの未然防止を図るためにも,家庭では,情報モラルに関する話題を日常会話の中で気
軽に取り上げ,話し合えるような雰囲気作りに取り組むことが求められる。
子どものインターネット利用というと,携帯電話と捉えがちだが,最近はインターネット環境があれば,時間
的・空間的な制約がなく,無線によって簡易にネット接続ができるゲーム機や音楽プレーヤーが市販されてお
り,70%以上の子どもたちが所有している。今後,子どもが適切にインターネットを活用できる能力を習得する
ためには,携帯電話やパソコンに限らず,多様な機能を持つ機器に関する知識も含めて,学校と保護者が情報
共有や連携した上で情報モラル教育を推進することが,ますます重要になる。
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