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10号
平成27年度 日吉津小学校 研究だより 平成27年5月28日(木)・第10号 [文責・川上] 何のために説明文を学ぶのか③ (第9号より続きます。) 本号では、説明的文章の「美しいしくみ」について お話しします。 小部屋の名前を付け終わると、次のような内容の 板書になります。(高学年では文章構成図です) 「いろいろなふね」のしくみ (東京書籍 1年上) はじめ (1) *話題の提示 *はじめのまとめ 説明 (2)・(3)・(4) *きゃくせんの役目と どんな説明文にも筆者がいて、筆者は読者 にわかってもらいたくて、わかってもらうために 「美しいしくみ」(高学年では文章構成図)を考 えながら書いています。 ですから、その説明文の「美しいしくみ」に子 どもたちが気づき、「そういうことだったのか」 と納得した子どもたちの満足した表情や姿に 出合えるような学習の流れをしくんでいきたい ものです。 さらに、「いろいろなふね」の「説明の大部屋」 (本論)の展開についても学ばせておきたいこ とがあります。 それは、本論の展開のしかたです。 「いろいろなふね」では、①客船②フェリー ボート③漁船④消防艇の順番に並んでいます。 筆者は、なぜ、この順番に小部屋を並べた のか、その理由についても考えさせてみたい ことの一つです。 「筆者は、なぜ、この順番に並べたのだろう」 と問えば子どもたちはどのようなペア対話をす それに合うつくり (5)・(6)・(7) *フェリーボートの役目と それに合うつくり (8)・(9)・(10) *ぎょせんの役目と るのでしょうか。ぜひ、させてみたいですね。 「もし、筆者が反対に並べたらどうでしょう。 消防艇⇒漁船⇒フェリーボート⇒客船の 順に並べて説明したらどうでしょう。」 1年生でも知っていること、知っていることか ら説明していけば、知らないことでも想像でき それに合うつくり (11)・(12)・(13) *しょうぼうていの役目と それに合うつくり おわり (14) *おわりのまとめ る。 こうして、読者の身近な例から説明していく という論の展開のしかた(「一般から特殊へ」) の基本を1年生で学ぶことができると思います。 「いろいろなふね」だけでなく、どんな説明文でも その文章を書いた筆者がいます。 筆者は、自分の伝えたい事実や考えを読者にわ かってもらうために、さまざまな工夫をしながら文章 を書いています。 その最も重要な工夫が「美しいしくみ」です。 できます。 さて、国語学習の基本はやはり「読み」です。 音読する力は、あらゆる言語活動の基礎と なる大切な「言葉の力」です。音声表現力の みならず、文学作品や説明的文章の読解に おいても欠かせない必須能力です。 長文で時間がかかるからという理由などで 優れた説明文は、どれも「美しいしくみ」をもって いるということです。 ですから、ちょっと見て、難しそうな説明文でも読む ことを恐れてはいけないということです。 実は、小部屋の並べ方が説明文の「美しい しくみ」を支えていることにも気づかせることが 読みの時間を省略していることはないでしょう か。それは本末転倒です。(11号に続きます) (参照:「二瓶弘行の説明文一日講座」文渓堂)