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お酒による血糖値の変化
H23 糖尿病ケアチーム通信 第3号 お酒による血糖値の変化 夏の暑さも一段落つき、ビールのおいしい時期も終わりにさしかかってきましたが、糖尿病の方によく 止めましょうとお話しするお酒の栄養についてお話させていただきます。 まず、糖尿病の食品交換表では6つの表の中に含まれていないアルコールですが、なぜ含まれていない のかご存知でしょうか?お酒の主成分のアルコール(エタノール)はエンプティー・カロリーと言われる くらい、エネルギー以外のビタミンやミネラルといった栄養がないのが1つになります。また、低血糖に なったり、合併症の予防上の面で悪影響など弊害があるのもその理由です。 なぜ、お酒で低血糖になるかというと、お酒を飲み過ぎると悪くなるといわれる肝臓に原因があります。 肝臓には、疲労物質など有害なものを解毒する働きや、食事などから摂った栄養を、エネルギーとして使 用できるように代謝したり、エネルギーを使用するまで一時的に蓄えておくなどの働きをしています。ア ルコールも体の中にずっとあると酔ったような状態が続いてしまうため、肝臓で一生懸命に解毒していく ことになります。この解毒の際に、肝臓はその多くの機能をアルコールの分解に費やしてしまうため、な かなか、アルコールやその他の栄養をエネルギーとして利用するために代謝したり、蓄えておいた栄養を 利用することまで手が回りません。この様な状態が続くと、血糖値が上がらないわけですから、徐々に低 下していき低血糖になるわけです。 また、アルコールの分解が終わると、摂った分の栄養は、しっかり吸収されるため、酒の肴を摂り過ぎ たという人はその後に高血糖になってしまうわけです。 では、どのようにお酒と付き合っていったら良いかというと、やはり血糖値のコントロールが 不良な患者さんの場合は、主治医と相談となり、禁酒と言われる場合が多いと思います。安定し ている方でも、飲んで良いとさ 日本酒1合(約 180kcal)に相当する各種お酒の量 れる目安量は日本酒で1合とい われていますので、そんなに沢 めやす量 容量 エネルギー 山ではありません。ですから、 ビール 中ジョッキ1杯 500mL 約 200kcal 節度を持って飲めるという方に 焼酎(25 度) グラス 2/3 杯 130mL 約 180kcal は、この目安を守っていただけ サワー ジョッキ 2/3 杯 300mL 約 180kcal れば良いのですが、どうしても 飲み過ぎてしまう方はやはり飲 ワイン グラス2杯 240mL 約 180kcal まないということが大切になる ウイスキー シングル3杯 90mL 約 200kcal かと思います。 お酒を飲む前に飲むと良いとされるクルクミンやタウリンなどの食品の成分は、アルコールの分解を助 けてくれるというものですが、それを摂ったからといって摂ったエネルギーを減らしてくれるわけではあ りません。やはり普段から、食べ物や飲み物の摂取量に気を配り、血糖値をコントロールしていく必要が あります。ですから、暴飲暴食や、高カロリーの食事に偏るようなことは避けたいものです。 お 知 ら せ 次回の糖尿病チームの勉強会は 9 月12日(月)17時15分から十和田市立中央病院、管理栄養士の 高屋信也が、 「糖尿病の食事療法の基礎~食事指導のポイント~」についてお話しさせていただきます。場 所は十和田市立中央病院別館2階講堂です。資料準備の都合上、事前に出席者数を把握したいので栄養科: 高屋信也(0176-23-8177、内線:2292)までご連絡下さい。申し込みがない場合での参加も受け付け ますのでお気軽に参加下さい。 文責 管理栄養士 高屋信也