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左 房 粘 液 腫 : そ の 4 症 例 における心音図,心機図

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左 房 粘 液 腫 : そ の 4 症 例 における心音図,心機図
臨床心音図第5巻2号(論文N0.198〉
左房粘液腫:その4症例
Leftatl ialmyxoma:Pho­
における心音図,心機図,
UCG,とくに僧帽弁狭窄症
cardiographicandechocardi­
との対比について
ographicf(?aturesin4
nocal(1i()graphic,mechano­
(2ases,withspecial:t`eference
tocomparisonofmitral
st(E?nosis
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Yoshihiko
小 松 行 雄
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中 村 憲 司
KenJI
長 井 靖 夫
1
Yasuo
阿 部 光 樹
Mitsuki
水 庭 弘 進
Hironobu
渋
谷
実
Minoru
広沢弘七郎
Koshichiro
ATSUCHI
KOMATSU
NAKAMURA
NAGAI
ABE
MIZUNIVVA
SHIBUYA
HIROSAVVA
Summary
Fourcasesofleftatrialmyxomawerepresentedto(lescribethephonocardiographic,
mechanDcarclic)graphicandechocardiographic弛aturescomparedwith50casesofpuremitralstenosis
whichwereprovedbyssulgery.lnours5eries,ear117.diastolicor tumorplop̈soundoccurring
from0.07to0.nsecondafterS1,V山ratory介stsoundoccupyingtheisovolumeticperiodan(t
2ttつsenceofbothatrials5ystolicmurmurandsnappyorlligh­pitchedopeningsnapweremostconstant
findings.lnthreecaseschangingintensityofanlurnlurindudingabeattobeatchangeof
thevibratoryfirstsoundwasnoted.The趾standpulmonicsecondsoundwerenotedtobeaccen.,
tuatedinpatientswithleftatrialmyxomaaslc?portedpr(2vi()usly。
Anotchonthesystolicup欧rokeoftheap匹cardiogramwasnotseeninourcases.A
simplenochoccurinthenormalandmitrals5化nosis(16%inour5sereis)andisnotofdiagnostic
sign旧cance.However,therapidmlingwaveintheapE!xcardiograminleftatrialmyxoma,r)robably
duetothedelayedobs;tructionofthemitralorificebythe行eelymovingtumor,israrelyseenin
mitrals;tenosis(only2%inouriseries)andmightgiveacluetodiagnosis。
ln(?chocardiogramlinedorwaxyechoesweremc()rdedl:〉()5steriortotheanteriorleafletof
themitralvalveduringtheventl・iculardiastole.Abnormalanteriormotionofthemitralleanet
東京女子医科大学,日本心臓血圧研究所
TheHeartlnstituteJapan,TokyoWomen sMedica1
東京都新宿区河田町10(〒162)
(2oHege,Kawada­cho10,Shinjuku­ku,Toky0,162
­ 3 2 9 ­
厚地,小松,中村,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
inearlydiastolewasseeninboth(:ases.lncase1,themaximumpointofopeningofthe
,anteriorleanetisfollowed0.09secondlaterbyamoreanteriorpeakwhichlel〕resentsthearrestof
thetumorintheventricle.lncase2,thepassageofthetumorthroughthemitralvalveinterrupting
normalsemklosingmotion,actuallyabuttedontheseptalwallinearlydiastole.Thesemotionswere
con5sideredtocoincidewiththeearlydiastolicsoundandneverseeninmitralstenosis.
Keywords
leftatrialmyxoma
tumorplop sound
vibratoryfirstsこ)und
echocardiogram
abnormalmotionoftheanteriormitralleanet
はじめに
(1例)などであった.心電図はいずれも洞調律で
原発性心臓腫瘍の20∼40%を占める左房粘液腫
,左房負荷(3例),右室肥大(2例),ST­Tの変
は,1)その多彩な症状のため術前a今断は心血管造
化(2例)を症例1ではH,m,avE,V3∼67症
影に待たねばならなかったカ乳echocardilgrphy(心
例 4 で は H , m , a v パ こ 認 め た . 胸 部 レン ト ゲ ソ
エコー法,UCG)の発達により,その診断も比較
写真では,心拡大,肺野のうっ血Z,13例に認めら
的容易となってきた.2)また心音図,心機図につ
れた.血行動態では,肺動脈喫入圧,あるいは左
いても従来より多くの報告がなされ,3∼5)リュー
房圧はいずれの症例でも上昇し,それらの波型は
マチ性僧帽弁狭窄症(MS)との鑑別について論議
MSのそれと異なり,急峻なydescentを認め,4)
がなされており,外科的に根治できる左房粘液腫
症例4においてはc波が顕著であった.腫瘍はい
の有力な手段となっている.
ずれも病理学的に粘液腫で,有茎性であった.な
今回,われわれは4症例の左房粘液腫について,
心音図,心機図,UCGの面より検討し,前2者
お,腫瘍による僧帽弁の破壊はなく,4症例とも
に正常であった.
については手術で確認されたMS50症例の心音図,
心音図記録は,フクダ電子製ポリグラフMCM­
心機図と鑑別診断的見地より対比検討した.また
8 0 0 0 に 加 速 度 型 マイク M A ­ 2 5 0 を 接 続 して , 心 機
尖後者については従来より報告されている僧帽弁
図と同時記録し,一部ポリグラフRM­150を使用
前 後 方 の 腫 瘍 エ コ ー の み な ら ず, 腫 瘍 の 動 態 を 反
した.UCG装置は三栄測器製Ultl21sosnicCar・
映した拡張早期の僧帽弁前尖の異常運動が,MS
(h()graphWM­09型を使用した.トラソスジュー
との鑑別点の1つになりうると思われたので報告
サーは2.5MHz,直径12mmのものを用い,繰
する.
り返しパルスは1000Hzである.
症例と方法
成
症例は,東京女子医科大学付属日本心臓血圧研
症例1.T.F.40才,女性
績
究所において,過去14年間に経験した左房粘液腫
入院5ヵ月前より労作時の息切れを覚え,咳囃
4例である.その臨床所見,心音図,心機図の所見
血痰を認めている.その後一過性に歩行困難,言
は各々TableL
語障害を訴えご入院前日ベッド上で突然呼吸困難
ら45才まで,性別は男子1例,女子3例であった.
症状は呼吸困難(3例),塞栓症状(3例),徴熱
となり,顔面蒼白,四肢の冷感を伴い,1973年12
月7日に入院した.
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Tablel.Chnicalfeaturesin4caseswithleftatrialmyxoina
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sinusrhythm
palpitation
P­snistrccardiale
lowgradefever
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palpitation
P­sinistrccar6iale
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CTR:Cardiothoracicratio,PCW:Pulmonarycapmarywedge,PA:Pulmonaryartery,*LApressure,RVH:rightventricularhypertrophy
Table2 PhonocardioFaphic6ndi_ngsin4glllse?._withatrialmyxoma______・___.__.________‥
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厚地,小松,中村,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
た . 6 ) な お Q ­ 1 時 間 は 0 . 0 9 秒 と 延 長 して い た .
理学所見では,収縮期圧90mmHgで拡張期圧
心尖拍動図(ACG)の頂点に結節を認めるが,こ
は測定できなかった.脈拍は120/分で整.聴診上,
の 結 節 は I 音 主 振 勁 よ り 0 . 0 4 秒 遅 れて 記 録 さ れて
心尖部に強盛なi音が聴かれ,n音に引き続いて
僧 帽 弁 開 放 音 ( o y ) に 頬 似 して ト る が, や や 低 調
いる.またク急峻なRFWは重症なMSにはみられ
な拡張早期過剰心音を聴取し,第4肋間胸骨左縁
ないものである.術後の心音図,心機図(:Figure
に2/6度の高調な収縮期雑音を聴取した.H音肺
2)ではI音の九進はなく,Q­1時間は0.06秒
Ilt川爪成分はプL2進していた.なお,体位変換による
と 正 常 で あ り , T P S も 消 失 して い る .
心音および心雑音の変化は認められなかった.心
UCGでは僧帽弁前尖および左室後壁を見込む
音図上ではげigure1)この過剰心音は,低・中
じ7引句において(I゛igure3a),前尖の拡張期後方に
音領域で記録さ且,2つの成分よりなり前成分は
層状の強いエコー反射を認め,収縮期には消失し
n ハ よ り 0 . 0 9 秒 朧 れて 生 じ , 心 尖 拍 動 図 の O 点 に
ている.大動脈・左房を見込む方向では(:F`igure
ほぼ一致し,後成分は急速流入波(RFW)の頂点
3b),収縮期に左房のほぼ全領域を,拡張期に
に一致してトだ.これらの過剰心音は聴診上,
は前半分を占める異常エコーを認め,心周期に伴
11泌h­pitchでなく,また高音領域では記録され
い,腫瘍が左室・左房間を急速に移動しているこ
てトないことより,腫瘍の動きによって生じる
tumorplop 1;ound(TPS)であると思わ九
とがうかがえた.拡張早期の前尖は最大開放後,
f l ! 功 ヽ に 遅 れて 左 室 に 陥 入 し た 腫 瘍 に よ り , 再 度 前
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Figurel.Preoperativephonocllrdiogram(PCG),apex(・ardiogram(ACG)andcarotidpulsetracing
(CPT)incasel
TheTPS,consistingoftwocomponents,wasbestrecordedatlowandmediumfrequency.Thenrstand
secondcomponenlofTPScoincidedwiththeopointandtheprominentrapidnllingwaveinthe
ACG,respectively.AlthoughasmallnotchwasseenatthetopoftheACG,thisnotchwasdelayed
fromthemainvibrationofthefirstsoundandnotreproducible.TheQ­lintervalwasprolonged,
measuring0.09second.TPS: tumorplop̈sound.
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左房粘液紋
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Figure2.PostoperatjvePCG,ACGandCPTinc£se2
TheQ­lintervalisnow0.06second.NOTPSwasrecordedinthePCG.
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(
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(
b
)
Figure3.Echocardiogramincase1
Themaximumpointofopeningoftheanteriorleanetisfollowed0.09secondlaterbyamoreanterior
peakwhichrepresentsthesuddenarrestof山etumorintheventride(left).Duringthesystole,the
12ftatrialcavityisfilledbythetumorechoesandp21rtiallyindiastole(right).
方へ押し.しげられ結節を形成し,以後プラトーに
動き,心房収縮後
とが一致するものと推察された.
かに再開放し収縮期に移行し
肺1助脈注入による左房造影(:Figure4)では,
ている.UCGと心音図の同時記録はしていなト
左房のほぼ80%を占める2つに分葉した腫瘍を認
が,この結節と心音図上の tumorl)lor) sound
め , 拡 張 期 に はそ の 一 部 が 僧 帽 弁 輪 を 越 えて 左 室
­ 3 3 3 ­
厚地,小松,中村,長井バ呵部,水庭,渋谷,広沢
Figure4.Cineangiographyincasel
Theprj)jestioloftheheadofthetumつrthrこ)ughmitralvalveringintoth21eftventrideindiastole
(right).lnsystole(1eft)apartofthetumorisdisengagedfrommitralringanddisplacedbackwardinto
theleftatrium.
に 陥 入 して い る .
の平均肺動脈樹入圧は14mmHgで,症例1の31
症例2S.1.7才,男子
mmHgに比して軽度であり,前尖の動きや,腫
生来健康であったが,掃除中に急に倒れ,意識
瘍の septalcontact 現象の有無により,腫瘍の
消失し,右片麻庫を来たした.この時心尖部に雑
大 き さ や, 血 行 動 態 を あ る 程 度 推 擦 しえる 可 能 性
音のあることを指摘され,その精査のために1974
があると思われた.
年1月25日入院した.
腫動脈注入による左房造影(:Figure7)では腫
理学所見では,血圧U4/70mmHg,脈拍90/分
で整であった.聴診上,心尖部でI音は九進し,
瘍は左房の前半分を占め,拡張期にはその一部が
左 室 へ 嵌 入 して ト だ .
低調性の拡張早期過剰心音と,それに続くrumble
症例3.S.H.30才,女性8)
を聴取した.心音図および心機図(UFigure5)で
入院約半年前より階段の昇降に際して動悸を訴
は,この過料ら音は2つの成分よりなり,低音お
えるようになり,3ヵ月前より易疲労,徴熱が出
よび中音領域で記録され,前成分はn人よりoyo7
現し,僧帽弁狭窄兼閉鎖不全として治療を受けて
秒離れ,ACGのO点よりやや早期に生じ,後成
いたが,軽快しないので手術目的で1950年10月26
分はほぼRFWに一致していた.これらの過剰心
日に入院した.
音も症例1と同様 tumorplop soundと思われ
聴診上,心尖部で3/G度の収縮期雑音を聴取し,
た.なお,ACGの上行脚の結節は認めていない.
拡張期雑音は不明瞭であった.I音およびnpは
UCG(Figure6)では症例1と異なり僧帽弁前
完 進 して い た . 拡 張 早 期 過 剰 心 音 ( T P S ) は 心 音
尖の動きは比較的良く保たれていた.腫瘍エコー
図上(F泌ure8)記録され
は 前 尖 の 後 方 に 蝋 状 の エ = 1 ­ と してと ら え ら れて
た
.
いる.前尖は最大開放後正常な後退速度(90mm/
s e c ) で 半 閉 鎖 に 向 う が, 遅 れて 左 室 に 陥 入 し た 腫
なおこの患者は本邦で始めて人工心肺を使用し
て外科的に根治しえた1例である.
瘍は正常の閉鎖運動を中断し,さらに前尖を越え
症例4.T.T.45才女性9)
て心室中隔に接している.このような現象は茎が
入院約3年前より夜間呼吸困難,咳囃を訴え,
長く,また僧帽弁口を容易に通過しうる小さな腫
突 然 舌 や, 口 唇 の 右 半 分 が し び れ , 口 が き け な く
瘍に認められると思われる.7)ちなみにこの症例
なることがあった.動悸,労作時呼吸困難が増強
­ 3 3 4 ­
左房粘液腫
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oftheACG.
し,19(55年4月僧帽弁狭窄症の手術目的で入院し
左 房 粘 液 腫 の 1 つ の 特 徴 を 示 して い る . な お T P S
た
.
の前成分はnハより0.11秒離れて記録されてい
聴診上,心尖部でI音は完進し,拡張期ラソブ
た
.
ルを聴した.聴診で前収縮期雑音と思われた雑音
考
は,心音図上(Figure9)心電図Q波より後で始
案
まり,プ亡進したI音に向う収縮期漸増性の雑音
左房粘液腫の血行動態は,腫瘍の発生部位,大
で,MSにみられる心房収縮による前収縮期雑音
きさ,茎の有無などにより多少とも変化がみられ
(:F`igure10)とは明らかに異なるむのであった.
るカvo)その主なる血行動態の異常は,拡張期に
ま た こ の 症 例 の I 音 は 各 心 拍 毎 に 変 化 して お り ,
おける僧帽弁口の流入障害であり,その点に関し
­ 3 3 5 ­
厚地,小松,中吋,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
LVPW
Figure6.Echocardiongramincase2
Thepassageofthetumorthroughthemitralvalveinterruptingnormalsemi.dosingmotion,
actuallyabuttedontheseptalwallinearlydia3tole.
Figure7.Cineangiographyincase2
For­andbackwardmotionofthetumorisseenduringcardiaccycle
­ 3 3 6 ­
左房粘液腫
PREOi゛ERAnⅥノ\…………ト……=­jjfしノ\‥‥‥‥‥☆
ぐト丿二・」二4.二ここ。こ二二二jLjj_i,Jニ二。,う ュyj]ス:二1
T ̄コAPEX\し\ゲ……[/TS………jylニニ犬↑ノ
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Figure8.Pre・andpostoperativephonocardiogramincase3
The tumorplop̈soundwasrecordedpreoperative】yanddisappearedpostoperatively
IAPEX
杵
叫いl?ぺ弟岬i卜
l
Figure9.Thephonocardiogramincase4
PCGshow2daloudanddelayednrstsoundwithcontinuingvibrationsthroughouttheisometric
contractionperiod.Noteabeattobeatchangeofthenrstsound.
­ 3 3 7 ­
厚地,小松,中村,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
:
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油川
Figure10.PCG,ACG,andCPTin
mitralstenosis
 ̄¬押『TTT▽T 77?ヤ;4fF ト……トjjy=1j……… 1111`= =フy叩Noteanotchontheupstrokeofthe
j トゾケ\ \☆ノ‥‥‥‥‥‥‥::…………上=ソケ………… …………\………:ACG.0S:()1〕eningsnap,PSM:pre­
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.
てはMSと同一である.したがって聴診および心
る
.
拡張早期過剰心音は,腫瘍が拡張早期に前方
音図所見も共通した所見を呈する.すなわち,強
運動を起こすため,僧帽弁,左室壁,あるいは
勢なI音,I音の遅れ,n音肺動脈成分のプE進,
拡張中期ラソブル,などがしばしばみられる.し
Fjgure6でもみられるように心室判届への衝突,
かしながら左房・左室間を心周期に伴い腫瘍が急
また腫瘍の茎の緊張により生じるとされており,
tumorplopsound,3)6)earlydiastolicsound4)1o)
速に移動する現象はMSと異なった聴診,心音図
あるいはvc・ntriculargallopsound5)として呼ば
上の変化をもたらすもの,とニ思われる.すなわち,
1)拡張早期過剰心音,3)∼5)2)等容収縮期中,あ
れている.この心音は聴診上低調で,MSにおい
るいは等容拡張期中の雑音,5)`11)3)MSにおけ
て聴かれるOSの如き高調でなく,心音図上も低
る如きOSや前収縮期雑音の欠除,3)4)体位によ
音および中音領域で最もよく記録される.またし
る心音の変化,3)などがそれにあたると考えられ
ばしば2つの成分よりなり,僧帽弁開放点より急
­ 3 3 8 ­
左房粘液言
内 の 残 存 血 液 量 は 多 く な い 可 能 性 を 示 唆 して い る ,
速流入期に時間的に一致している.したがって臨
床 的 に は 重 症 な M S が 疑 わ れ る に も 拘 ら ず, H A ­
ま た 一 方 , 腫 瘍 が 左 房 へ の 流 入 障 害 を 来 た すよ う
OS間隔が長い場合には左房粘液腫を疑う必要が
であれば,すなはち肺静脈口の閉塞をもたらして
あると思われる.われわれの症例においては全て
おれば,左房そのものへの流入量も減少しており.
乙7)例にTPSを記録しており(Table2),また症
当然心房収縮期の左房内血液量は減少しているも
例1,3,4の如く,HA­TPS間隔0.09∼0.11秒は
の,と思われる.また腫瘍が小さく,僧帽弁口の閉,
重症なMSに合致しない所見と云える.
yJ勘;
かであれば,当然前収縮期雑音は生じえた
等容収縮期中の振動音は,拡張期と左室に陥入
いと考えられる.ちなみに手術によって確認され
していた腫瘍が,収縮早期に左房へ強く押し戻さ
たMS50症例中,洞調律であったものは24例であ,
れ,その際,個帽弁輪や左房壁に衝突して生じる
ったが,前収縮期雑音を欠いていたものは4例,
ものと思われる.聴診上はしばしばMSの前収縮
(17%)であり,MSとの絶対的な鑑別点とはなり一
期雑音と誤られることがあるが,心音図上では必
之ないが,洞調律で前収縮期雑音を認めない症例
ず心電図のQ波より後で始まり,漸増性であり
では左房粘液腫も考慮して検索を進めるべきと思
ヽ乙il)ratoryfirstsoundとして記録される(Figure
われる.
9).なお,Zitnikら11)は等容拡張期におトても同
体位変換や目によっての雑音の変化はMSと異
なる重要な所見として従来より強調されているが.
様な雑音を2症例に認めている.左房粘液腫にお
MSにおいて左臥位でOSやラソブルが明瞭にな
いてMSに聴かれる如きOSが記録されるかど
ることは日常経験していることであり,体位変換
うかは議論の多い点てあるが,Wasserrni11,12)
I.(2fcoe13)らは僧帽弁の器質的変化がなくて乱大
による雑音の変化は極端な場合を除いてあまり強
き な 房 室 圧 較 差 が 存 在 す れ ば 出 現 す る と して お り ,
調されるべきではないと思われる.しかしながら
事 実 聴 診 上 認 め ら れ る O S や, 心 音 図 上 明 瞭 な O S
Figure9の如く,仰臥位,呼吸停止の記録にお
の記録された症例,12)13)またTPSとOSの両者を
いて 心 音 の b e a t t o b e a t の 変 化 は , 明 ら か に
記 録 し た 症 f 列 1 4 沁 報 告 さ れて い る . し か し な が ら ,
可動性の腫瘍による血行動態の変化を反映してい
例え時間的にはOSの発生時点と一致して過剰心
るものと思われ,左房粘液腫の存在を強く示唆す
音が記録されて乱聴診上低調であり,また心音
るものである.
心 尖 拍 動 図 ( A C G ) 上 の 特 徴 と して は 従 来 よ り ・
図上高音領域で記録されていない場合はOSより
上行脚の結節がしばしば強調されてきたzり1,3)6)17)
むしろTPSと考えるのが妥当に思われる.
18)しかしながらこの結節は正常人19),MS2o)におー
洞調律でありながら前収縮期雑音をしばしば欠
くことは,左房粘液腫の1つの特徴としてあげら
いてもみられることや(Figure10),またわれわ・
れており,3)14)またわれわれの4症例においても認
れの症例の如く結節を欠く症例も報告されてい
めていない.前収縮期雑音の発生にはi)狭窄した
る . 1 4 ) 5 0 症 例 の M S に お いて 結 節 の 有 無 を 検 討 し
弁口,ii)心房収縮期に左房圧が左心圧を凌抗し
たところ16症例(32%)に結節を認めている事実
ている,iii)心房収縮が良好,iv)心房収縮期に
は,左房粘液腫の診断根拠としての価値に疑問を
残存血液量が多い,などの条件が必要である.し
残すものである.しかしながらぐ急速流入波の存
かしながら症例1,2のUCG(:Figure3,6)にみ
在は重症度にもよると思われるが,MSにおいて
られるように腫瘍は僧帽弁開放に遅れて左室に陥
は 稀 と さ れて お り , 2 1 ) わ れ わ れも 5 0 例 中 2 例 ( 4
入してお川広張早期の心室充満はある程度達成さ
%)に認めたのみであり,左房粘液腫との重要な
れており,また左室充満の大部分は拡張早期に行
鑑別点になると思われた.左房粘液腫において急
われることを考えると,心房収縮期において心房
速流入波がみられることは,前述した如く僧帽弁
­ 3 3 9 ­
厚地,小松,中村,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
2)比較的左房粘液腫に多く認められるもの
伺放に遅れて腫瘍が左室に陥入すること,あるい
OMSにみられる如きOSを欠くこと
は腫瘍が小さく,弁口の狭窄が軽度である時に生
ii)洞調律で前収縮期雑音を欠くこと
じると思われる.
iロ)心尖拍動図上急速流入波を認めること
本症のUCG所見として僧帽弁前尖後方の多層
­エコー,あるいは朝漫性なエコーの存在は従来よ
り多くの報告がなされているZ,気2)22)∼27)拡張早期
B.UCG
・ の 前 尖 の 異 常 運 動 に 関 して は あ ま り 注 目 さ れて い
i)左室・左房間を心周期に伴い移動する
ない.14)心音図およびtime­motionUCGを同時
異常エコー
ii)拡張早期の僧帽弁前尖の異常運動
l記録すると,拡張早期にE点(心音図上のOSに一
iii)前尖開放に遅れ左室側に陥入するエコ
致 ) よ り 遅 れで d l ­ o p ­ o u t を 生 じ , こ の 点 が 心
一 音 図 上 の T P S に 一 致 す る と さ れて い る . 2 3 ) わ れ
超音波倹査室の足立文子技師の御陰ブJに感謝します.
われの症fjgりでは結節,あるいは前尖後退の中断現
象を認めており,この点がTPSに時間的に一致
文
するものと思われた.また収縮早期において乱
献
l)PrichardRIV:Tumoroftheheart;Review
腫瘍が左室より左房へ急速に押し戻される際に
ofthesubjectandreportof150cases.Arch
UCG上 drop­ouẗを生じ,この点が心音図上の
Patho151:98,1951
強 勢 な I 音 に 一 致 す る と さ れて い る . 2 7 ) こ の よ う
2)FeigenbaumH:Echocardiography.Lea&
Febiger,Philadelphia,1973,p155
lな収縮初期,あるいは拡張早期の僧帽弁前尖の動
3)NasserWK,DavisRH,DillonJC,TavelM
きは有茎性の左房粘液腫に特徴的であり,弁性の
E,HelmanCH,FeigenbaumH,EishC:Atrial
僧帽弁狭窄症にはみられない現象である.弁尖や
myxom.II.Phonocardiographic,echocardiographic,
hemodynamicandangiographicfeaturesinnine
索 の 肥 厚 , 癒 合 し た も の や, 石 灰 化 の 強 い M S
cases.AmerHeartJ83:810,1972
娯おいては前尖後方にしばしば腫瘍エコーと紛ら
4)PittA,PittB,55(ごhafferJ,CrileyMJ:Myxoma
おしい多層エコーをとらえるが,上述した前尖の
oftheleftatrium.Hemodynamicandphonocar­
diographicconsequencesofsuddentumormove.
動 き や, さ ら に 腫 瘍 エ コ ー は 心 周 期 に 伴 い 左 室 ・
ment.Circuation36:408,1967
左房間を移動していることを把握すれば,僧帽弁
5)PennyJL,GregoryJJ,AyresSM,GiannemS,
狭 窄 症 の エ コ ーパ タ ーン と 容 易 に 鑑 別 で き る も の
RossiP:Calcifiedleftatrialmyxomasimulating
乏思われる.
mitralinsumdency.Hemodynamicandphono.
cardiographiceffectsoftumormovement.
Circulation36:417,1967
まとめ
6)AbottA0,へへ々1rshawskiEF,CobbsWB:Primary
有茎性の左房粘液腫4例の心音図,心殴図,UCG
・の特徴について述べ,僧帽弁狭窄症との鑑別点に
tumorsandpseud()tumorsofthehea比Ann
,Surglfi5:855,1962
71)IMoscovitzHL,PantazopoulosJ,Bgdenheimer
ついて考4察した.両者の.鑑別点をまとめると以下
M,SteierM,GelbIJ.:Simulatedleftatrial
の 如 く な る と 思 わ れ る . ぃ , 卜 ・ プ ,
tumor.Ahemodynamk.{きchoc21rdi()graphicand
A . 心 音 図 お よ び 心 機 図 尚 二 ソ … … へ
cineangi()glaphicstudy.AmerJCElrdio134:63,1974
8 ) 叫 原 斤 , 林 久 恵 , 服 部 淳 , 岩 淵
1)左房粘液腫のみに認められるもの卜千:
i)拡張早期過剰心音
江 左 心 房 粘 液 腫 の 手 術 治 験 例 ( 本 邦 第 1 例 ) . 臨 床 の
ii)等容収縮期中あるいは等容拡張期中の
雑
音
, 石 原
昭 , 田 中 孝 , 清 水 寿 子 , 伊 野 照 子 . 橋 本 明 政 :
一
iii)心音の beattob(・a(;の変化
宍ご日本6:411,1960
9 ) 関 口 守 衛 , 今 野 草 二 : 心 臓 腫 乳 肺 と 心 1 9 : 1 1 7 ,
1 。 j
jコ
て1972
1())谷口興­:心房粘液腫.呼吸と循環121:69,1973
340­
左房粘液腫
11)ZitnikRS,GiulianiER,Burche11HB:I.eftatrial
25:353,1970
myxoma.Phonocardiographiccluestodiagnosis.
19)TafurE,CohenSL,LevineDL:Thenormal
AmerJCardio123:588,1969
apexcardiogram.ltstemporalreJationshipto
12)WassermilM,WarkentinLD,RavinA:Myxoma
electrical,acousticandmechanicalcardiacevents.
oftheleftatrium.Phonocardi(4Jraphicstudyof
Circulation30:381,1964
threecases.Cニil7culation25:50,1962
20)BecherCL,Klaus,AP,HumphriesOJ:Early
systolicnotchinthe叩excaMiograminmitra1
13)LefcoeMN,BrienFS,ManningGW:Anor)ening
snaprecordedinacaseoftumoroftlleleftatrium.
15tenosis.AmerHeartJIS6:582,1973
NewEng1JMed257:178,1957
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22)S51­ivastavaNT,FletcherW:The耽hoca❹iogram
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15)GhahramaniAR,ArnoldJR,mldnerFJ,Som­
23)WolfeSB,PoppPL,Fe汝enbaumH:D池grlosis
merLS,SametP:Leftatrialmyxoma.Hemo­
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myxoma.Di2lgrlosiswiththehelpofthephono­
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diogramandphonocardiograminthediagnosisof
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leftatrialmyxoma.Reportofacase.JapHeart
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myxomawithbacteremia.Reportofacasewith
PerssonS:Left21trialmyxomadiagnosedby
abifidsystolicapicalimpulse.AmerJCardio1
ultrasoundcardiography.Angiology24:554,1973
一
一
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一
一
­
‥
一
一
­
一
一
一
一
一
一
一
討論(司会:松浦徹)
吉川(神戸中央市民病院内科):トまのご報告
ことと,それに拡張早期にこういった過剰心音が
で,特に心尖拍動図の上昇脚のnotchがあまり診
記録されるということは,ほかにはあまりないも
断的でないということ,またrapidnllingwave
の で す か ら で す.
がMSとの鑑別で非常に有用なことは,われわれ
吉川:われわれのjlE例では,後者のtumorplop
も各所で発表しておりまして,先生の御意見には
soundはですね,ポリグラフで心音とエ=­を同
賛成なんてすげれど乱心音図で示されましたn
時 記 録 して み ま すと , 僧 帽 弁 前 尖 と t u n l o r の 衝
激の時点と,後者のplopsoundとrapidfilling
音のすぐあとにtumorのplopsoundらしいのが
2つありまして,その後の方はrapid剛ingwave
w a v e が 時 間 的 に は 一 致 し て お り ま す. す べ て の
に 一 致 して お り ま し た け れ ど 乱 そ の 前 の 方 の
例 で そ う で す. そ れ で に 内 科 」 に 投 稿 し た の で す
plopsoundの機序はどうお考えになりますか.
げ れ ど も ( 内 科 5 月 号 , 1 9 7 4 ) , そ の 機 序 と して ,
前の方七後の方乱両方ともplopsoundと考え
悪性腫瘍にもそのような心音が認められるので,
ていいわげでございますか.
そうトう僧帽弁前尖と腫瘍とのイソパクトじゃな
いかと考えたわけですげれど乱先生のお考えは
演者(厚地):ええ.2つともtumorplopsound
ど う で し ょ う か.
と 考 え た の は , ま ず 低 ニ i l i 成 分 に 富 んで お る と い う
­
3
4
1
­
一
厚地,小松,中村,長井,阿部,水庭,渋谷,広沢
演者:tumorの動きというのは,結局そういっ
になりました心音図を見てみますと,pr(2i;5/stolic
た 瞬 間 的 な も の じ ゃ な い と 思 わ れ る の で す. と い
m u r m u r は 全 例 に 見 ら れ な か っ た よ う に 思 い ま す.
うのは,拡張早期においても一緒にばっと動くの
それから(hastolicmurmurにつトての項目が残
で は な く て , ダダダダッ と 勤 いて い く と 思 わ れ ま
念ながらなかったようですけれど乱丿企例2では
す の で , 1 ヵ 所 に 限 ら ず, 拡 張 早 期 に お い て は ど
M1,つまりnledium­pitchでしょうかね,それ
の部分においても過剰心音が出ておかしくはない
にmid­(liastolicのmurmurが明らかに記録され
のじゃないかと思っているのですが.
ておりましたのですが,それもやはり何かtumor
吉川:それはよく分るのですが,どういう成因
の………
が考えられますでしょうか.
演者:ええ,tumorの勤きによる心音の変化を
演者:tumor自身の軽度の緊張とか,あるいは
tumor自身が壁にあたるとか,そういったものを
全例に認めておりますし,そういった心音の変化
は 出 て も よ ろ し い と 思 い ま す.
山本:私どもの病院ではmyxonlaの例は1例
考えておりますけれど払
魚住(愛知県総合保健センター):いまの所見
なんですげれど乱その例では,全拡張期にわた
をor)eningsoundとm音と考えてはいけないの
るhol(油astolicbhvingmurmurとでもいうよ
で し ょ う か.
う な , ジュ ー と ト う m u r m u r が き れ い に 記 録 さ
演者:やはり一番最初考えたことは,高音成分
れ た と い う こ と を 経 験 し て お り ま す. こ う い う よ .
に 富 んで な い と い う こ と で, い わ ゆ る わ れ わ れ が
うに,たくさんのミキソーマの症例を各病院のい
MSに聞くようなsnappyな音でないということ
ろトろなものを持ち寄って,はじめてmyxoma
で,openingsoundとは……
の心音図所見の全貌が得られてくるのだろうと言
魚主:MSのように弁が動くかというと,また
いますが,そういう意味では,先生の症例で,
問題をむしかえすことになりますけれど乱いわ
pr(・systolicmurnlur;う丿例もなかったというの・
ゆるOS,()r3eningsnapというものではなくて,
はおもしろいことだと思いました.
正常者でも見られるようなor)eningsoundがござ
演者:r)I(・systolicmurmurに関して,われわれ
いますね.そういうものであれば,弁の動きとい
の症例では,スライドでお見せしましたように,
うとまた反論されますけれど乱そういう低調な
t u m o r が 入 る 場 合 , お くれて 入 って ト る わ け で す
音であったようなことは解釈できないでしょうか.
ね.だからrapid剛lingにbloodvolumeのほと
それともと2番目の音もrapidfillingwaveに一
んどが左室側に移行していて,心房収縮期に伴っ
致しておりますから,本来からいえばm音という
て流れる(2nd­diastoleの血液というのですか,そ
こ と に な り ま す. で す か ら 所 見 的 に は j 隆 い 僧 帽 弁
れはほとんどなくて,そのためにpr(・i;ystolicmur­
狭窄の所見がmyxomaの心音図,心機図的な所
n T l u r は な か っ た の じ 9 な い か と 思 っ て お り ま す.
もし拡張期に弁尖と同時に左室内に入るような
見ということになりませんか.
演者:それと拡張早期だけでなくて,収縮期の
tumorでしたら,弁口は必ず狭くなりますし,そ
開始にI音に向かう雑音が記録されております
れだけ血液は左房側に残っておりますので,前収
が,これはtumorが左室から左房ヘワッと抑し
縮 期 雑 音 が あ っ て も い い の じ ゃ な ト か と 思 い ま す.
出 さ れ る 瞬 間 に 出 る 雑 音 で , すべ て の j j ] と 例 で 記 録
そ の 点 , こう い っ た 所 見 は x / a r j a 川 e だ と 思 う の
さ れ て お り ま す. そ の 点 も ほ か の い わ ゆ る 正 常 者
ですげれども………
平川(岐阜大内科):素人ですので変なことを
との鑑別点になり得るめじゃないかなと思ってお
お聞きするかもしれませんけれど乱第1音が4
ります.
山本(九州厚生年金病院内科):先生のお示し
例とも1oudであったといいましたが,それは
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左房粘液腫
mitralclosuresoundが出ると思われるところが
すIHSSなどの開放音,そ;紅に類似した音じゃな
inclモaseして,そのうしろにより大きな振動があ
いかと思いますが,もう一度ご検討いただければ
る,そういう意味でございますか.それとlt,mitra1
,と:,11よヽます
.
・(:1osuresoundは正常で,そのうしろの後成分が
ブ [ 進 して ト る と い う 意 味 で ご ざ ト ま す か.
坂本(東大第二内科):2つのplopsoundが出
ていて,その最初のは,私もよくわかりませんけ
演者:mitraldosureの成分が九進しているわ
廿 で す.
れど乱僧帽弁の開くとき,正確にいえば開き終
り の 音 じ ゃ な ト か と い う よ う な 気 が し ま す. と 中
平 川 : 4 例 と もで す か. そ れ か ら 第 : E S 例 は ち ょ
しますのは,小さな子供,とくに胸壁の薄い子供
っと興味がございましたけれど乱con匹sti()nが
ないと書いてございましたが,あれは肺のうっ血
では,ああいう音はnormalの人でも幾らでも出
・のことでございますね.
るので,tumorがなくても必然的に出てきてもい
ト 音 じ ゃ な い か と 思 う の で す. た だ t u m o r が あ
演 者 : そ う で す.
ると,それが何らかの意味でaccentuateされて,
平川:それで,PAの(nastolicpl(・ssureが高
ああいう音になるということであって,tumorそ
うざいますね.mainPAが80/32mmHgでござ
のものの動きと全然無関係とはトいませんけれど
いますね.wedgeが大体30くらトはあると,Qリっれ
乱norma1のmitralvalveでも出ていいのでは
て肺うっ血がなかったということですか.
なトかという.ら似こ二思うのですげれども.それか
演者:非常な肺高血圧症を示していたわげです
らaμ・xcal diogramでのnotchは,あれはたし
廿れど乱PHの所見はx­rayではあって乱肺
かにoveremphasizeされている所見であって,
の う っ 血 像 は み ら れ な か っ た わ げ で す.
僧帽弁狭窄で乱多少時定数の短い装置,たとえ
平川:肺動脈側の所見のことでござトますか.
ば1.5秒ぐらトの時定数のむので書きますと,
演 者 : P A 圧 が 上 昇 し て い た わ け で す.
loudなI音がありますとき,みんなnotchが出
平川:うっ血像がなかったというのは,I)ulmo一
て し ま い ま す. 時 定 数 を 4 秒 ぐ ら い に 延 ば し ま す
万naryveinのほうのうっ血像がなかったというこ
とですね.それは両側なかったということですか.
と , そ れ が 消 え る と い う わ け で す. そ れ で 用 い る
器 械 の 差 と ト う の が き っ と あ る の だ と 思 い ま す.
演者:ええ.
apexcar(liogramを記録しながら亜硝酸アミルな
吉川(神戸中央市民病院内科):先ほどちょっ
どをやりますと,例数は少ないのですけれども,
と魚住先生がいわれましたけれど乱われわれの
I音が非常に九進してくると,はっきりしなかっ
症例では魚住先生のお考えどおりに,2例ともn
たnotchが明らかに出てくるというのは,これは
音のあと非常に早期に(Uastolicsoundカ鴇己録さ
日常の経験ですから,そういったことでnotchが
九ておりました.それは僧帽弁エコーのIE点にほ
出 た り 出 な か っ た り す る こ とを 考 えて お か な い と .
ぼ一致しておりまして,やはりMSのOSじゃな
つ ま り 排 ? ? U 敲 こ 違 い が 出 る と い う こ と を 考 えて お
くて,トわゆる僧帽弁の開放音,()peningsound
かなくちゃいげない,そういう。jjうに思うのです
でたとえば坂本先生から報告されたことのありま
げれども.
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