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伝統文化学習ニュース 第7号 [PDFファイル/351KB]

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伝統文化学習ニュース 第7号 [PDFファイル/351KB]
平成25年12月26日
田村市伝統文化学習推進委員会
第7号
師走も押し迫り、もうすぐ平成25年が終わろうとしています。皆様にとって今年はどんな年だっ
たでしょうか。
さて、
今年最後の伝統文化学習に関する実践を小中それぞれから1校ずつ紹介させていただきます。
船引中学校では、工夫を凝らした古典や和歌、短歌や俳句の紹介活動を行っています。紹介するこ
とで作品に愛着を持つとともに、季節を表す言葉に敏感になり、まさしく伝統文化に親しむ活動とな
っています。
滝根小学校では、民話の読み聞かせ、詩の暗唱、絵に表現する活動を通して、言葉から場面の様子
をイメージする力を育成する活動を行っています。分からない言葉も既知のものを頼りに想像するこ
とで、将来的に国語や英語等の文脈の中で言葉の意味を想像する力の素地を作るものとなっています。
古典や近現代の名作に親しませるための取り組み
田村市立船引中学校
【活動のねらい】
季節ごとに、古典や近現代の和歌や俳句、短歌を、解説を加えながら紹介する。その後、自身で
創作活動を行う。
図書委員会による昼の放送での本の紹介時に、古典や近現代の名作を紹介する。
【活動の実際】
1 国語の授業での名作の紹介
(1) 春夏秋冬、それぞれ担当を決め(各グループ7~8名)
それぞれ気に入った和歌や俳句、短歌を紹介する。
(2) 教師によるそれぞれの和歌、俳句、短歌の解説をする。
(3) 季節に合わせて俳句を作り、教室に掲示して、お互いの
作品を鑑賞する。
季節ごとに紹介することで、国語の資料集に触れる機会が
増え、作品に興味を持つ生徒が増えた。また、自分で創作するときに、歳時記から季語を探すなど、
前向きに創作に取り組んでいた。
2 図書委員会による「名作」紹介
図書委員会では、今年度から毎週昼の放送時に本の紹介を
しているが、その際に、古典や近現代の名作を紹介する。紹
介した本は図書室内にコーナーを設け、実際に手に取り、作
品にふれやすく展示する。
放送後、昼休みに図書室を訪れた生徒の中には、実際に本
を手に取るなど興味を示す生徒もいた。ふだんあまりなじみ
のない本でも、紹介されれば興味がわくようである。
【期待される効果や留意点】
1 国語の授業での名作の紹介
○ 季節に対する感覚が鋭くなり、季語など季節を表す言葉に敏感になったと感じている。自分の
紹介する作品に愛着をもち、口ずさむ生徒も多く見られた。
2 図書委員会による「名作」紹介
● 図書委員会による紹介の原稿は国語科教師が担当してしまったが、今後、生徒が作成していけ
るようになるとさらに作品に対する関心が高まると考えられる。
古典や近現代の名作に親しむ活動
田村市立滝根小学校
【活動のねらい】
古典や近現代の名作に親しむ活動を通して、古典や近現代の名作に対する興味・関心を高めるとと
もに、言葉から場面の様子をイメージする力を育む。
【活動の実際】
30(民話)の日のお話会
写真
○ 毎月30日を民話の日と決め、ボランティアの方をお呼
びして、民話のお話会を実施している。11月までに、計
7回実施した。左の写真は6月28日実施の、
『つばめの鳴
き声が「つちくってむしくってしぶーい」と聞こえるわけ』
の昔話を話していただいているところである。地域で受け
継がれてきた話し方は理解しにくいところもあるが、子ど
もたちはわりとすんなり理解している。
○ 学習発表会のオープニングに向けて、全校児童で詩の
暗唱をした。くどうなおこさんの「のはらうた」から、
1年生は「とべてんとうむし」
2年生は「おれはかまきり」
3年生は「ぼくはかぜのこ」
4年生は「うちゅういるか」
5年生は「うみよ(よびかけのうた)
」
6年生は「わたぐもよ(おへんじのうた)
」
の詩を暗唱し、学年ごとに音読(群読等)をした。練習
のために何度も読むことで、自分なりに詩の世界を解釈
していった。
絵に表現する活動
学習発表会オープニング
写真
○ 今年度、古典や近現代の名作から、場面の様子を想像し、絵に表す活動
に取り組んだ。
1年生は「とべ、てんとうむし」
(詩)
3年生は「島ひき鬼」
(絵本・昔話)
6年生は「俳句・短歌等」
から、想像を膨らませ、絵に表した。
左の作品は、6年生の作品で、石川啄木「空にすわれし十五の心」から、
場面の様子を想像して絵に表した作品である。
【期待される効果や留意点】
○ 民話の読み聞かせは、昔の言葉と現在の似ている言葉をつなぎ合わせ、分からない言葉も意味を
想像して場面を想像するので、将来的に、国語・英語等の文脈の中で分からない言葉の意味を想像
する力の素地が身につくものと考えられる。
○ 詩の暗唱を学習発表会で取り組んだことにより、
何度も何度も声に出して音読する機会があった。
その中で、場面の様子を想像し、自分なりの読み方を考えていた。1人で読むところでは、その担
当児童たちの読み方が、練習のたびに少しずつ上達してきているのが分かった。
○ 絵に表現する活動では、言葉から場面の様子を想像する力が大変鍛えられた。
○ 民話の読み聞かせ、詩の暗唱、絵に表す活動を通して、言葉から場面を想像する力が少しずつ育
まれてきた。
● 全体で取り組む活動も大切だが、それぞれの先生方が素晴らしい取り組みをしているので、それ
らを拾い上げ、全職員に紹介していくことが推進員として大切だと感じた。
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