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超音波検査の基礎

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超音波検査の基礎
超音波検査の基礎
検査室1課
高野英樹
エサの魚がいる方向や距離、大きさなどを判別
仲間同士でコミュニケーションをはかる
イルカのこうした能力を「エコーロケーション」という
超音波検査の基礎
Ⅰ・超音波とは
Ⅱ・超音波の歴史
Ⅲ・検査部ワークショップから
Ⅳ・当院の超音波検査
超音波検査の基礎
Ⅰ・超音波とは
Ⅱ・超音波の歴史
Ⅲ・検査部ワークショップから
Ⅳ・当院の超音波検査
超音波
超音波検査 = エコー
音波が壁・射面などで反射し返って来る現象。やまびこ、こだま
やまびこ = 音波のエコー
心エコーや腹部エコー = 超音波のエコー
反射波を画像化したもの
ヒトの可聴域(音波) 約20~20000Hz
これより周波数の高い音を
超音波 (定義:聞く事を目的としない音)
これより周波数の低い音を
超低音
一般的な超音波装置
3~20MHz前後が一般的に用いられる。(3.5~18×10⁶Hz)
超音波検査
Ⅰ・超音波とは
Ⅱ・超音波の歴史
Ⅲ・検査部ワークショップのアンケートから
Ⅳ・当院の超音波検査
1880年
人間が超音波を作り出せるようになる。
1912年
豪華客船のタイタニック号の沈没事故がきっかけ
1914年
3km先の氷山を見つけられるようになった
第一次世界大戦では潜水艦の位置を知る目的に利用
20m
氷山の一角で おそらく 50万t
タイタニック号
4.6万t
この時に作られた超音波が現在の医療用超音波の基礎になった
医療用 超音波
1950年代より各診療科で用いられるようになった
心臓エコー
1967(昭和42)年
米国Indiana州立Indiana大学医学部
Mモード法による左心房径(LAD)計測法や
Mモード法による左心機能の評価法としての心室径の計測法を確立
心内圧の評価
血流評価(逆流など)
壁運動の評価
感染性心内膜炎
IVCの評価
産婦人科エコー(胎児)
1976年1月に鹿児島で日本ではじめて出生した、「山下さんちの5つ子」のため
に開発されたらしい
大きく膨れた体内にごちゃごちゃに入った胎児を観察できる高性能超音波
エコーでは4人確認できたが・・・
お産をしたその場ではじめて五つ子だったことが判明した
超音波検査
Ⅰ・超音波とは
Ⅱ・超音波の歴史
Ⅲ・検査部ワークショップから
Ⅳ・当院の超音波検査
4月
A班:微生物
A班:エコー
B班:エコー
B班:微生物
終了
終了
5月
A班:輸血
A班:エコー
B班:エコー
B班:輸血
終了
終了
6月
A班:血液
A班:エコー
B班:エコー
B班:血液
終了
終了
7月
終了
A班:検体検査 B班:エコー
B班:検体検査 終了
A班:エコー
8月は新規ワークショップを企画? また要望に応える予定
平成27年度検査部ワークショップ
日程
第1回検査部ワークショップ
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
4月21日
4月27日
5月18日
5月26日
6月8日
6月23日
7月16日
7月27日
研修内容
グループA
グループB
微生物検査
腹部エコー
腹部エコー
微生物検査
輸血検査
心エコー
心エコー
輸血検査
血液検査
血管エコー
血管エコー
血液検査
生化・血清
エコー総合
エコー総合
生化・血清
参加数
18
18
18
18
18
16
14
13
参加率
100%
100%
100%
100%
100%
88.88%
77.77%
72.20%
参加率 92.4%
平成27年度第1・2回検査部ワークショップ
4月21日・4月27日
微生物検査
腹部エコー検査
平成27年度第3・4回検査部ワークショップ
輸血検査
心臓エコー検査
5月18日・5月26日
平成27年度第5・6回検査部ワークショップ
6月8日・6月23日
血液検査
血管エコー検査
平成27年度第7・8回検査部ワークショップ
7月16日・7月27日
検体検査
エコー検査
アンケートの集計結果
感想を抜粋
・エコーの重要性と難しさを改めて感じることができよかった。
・今後も楽しみです。
・実際にエコーを積極的に使いたいと思う。
・非常にためになるワークショップでした。
・プローブの当て方が分かってよかったです。
・実践で使えるように練習していきたいです。
・カルテでは画像を見るだけなので、実際に触ってみてイメージしやすくなりました。
・とてもわかりやすい説明で、勉強になりました
・土日とかにもワークショップの実施をしてほしい。
・来月から循環器内科へ研修に行くので、本日の知識を生かしていきたい。
・とてもわかりやすい説明で、勉強になりました
・頸動脈エコーの重要性をt-PAガイドラインと併せて教えて頂き、実技も集中できた。
・救急対応で役立ちそうなので使いたい。
・実際にエコーを当ててみたことで、ある程度できそうに感じた
・救急部を回っているので今度やってみようと思う。
・救急で役立てていきたい。
・非常にわかりやすかった。
・病棟や救外でエコーを使う機会も増え、2回目のレクチャーでいい復習になった。
・描出のコツを教えてもらい、綺麗に描出することができました。実践で扱えるように頑張
りたい。
・救急部を回っているので今度やってみようと思う。
・救急で役立てていきたい。
・非常にわかりやすかった。
超音波検査機器の使用にあたり
①プローブ選択
コンベックス; 腹部、骨盤内臓器、深部の血管
リニア; 血管、表在臓器、消化管(腸管、膵臓、胆嚢など)
セクタ; 心臓、腎動脈狭窄などの高速血流
②ゲイン調整
様々な強度の信号から必要な強度を選び調整する。
③ダイナミックレンジ(DR)
ゲイン調整する信号強度の幅
④STC
同じエコー源でも深さにより強度は変わるので一定にする
⑤フォーカス
観察したい深さにピントを合わせる
⑥ボディーマーク
どの部位をどの体位で撮影したかを表示
1 プローブ選択
コンベックス;
腹部、骨盤内血管・臓器、深部の血管
FASTでは心臓も
リニア;
血管、表在臓器、消化管(腸管、膵臓、胆嚢など)
セクタ;
心臓
腎動脈狭窄、仮性動脈瘤などの高速血流
プローべ はガラスのように繊細です!! 慎重に扱ってください
当てたり、落としたら壊れます・・・ 1本 定価150~200万円
コンベックス
深度が4㎝程度までなら是非 リニアも!!
(胆嚢底部、膵臓、虫垂など)
リニアプローべがいい仕事をしてくれます
リニア
2 ゲイン調整
高輝度
低輝度
GAIN調整
3 ダイナミックレンジ(DR)
窓の幅を調整
DRレンジ調整
DRを狭く設定
パリッと硬いイメージに・・・
DRを広く設定
ボヤっと軟らかいイメージ
機種により異なる
★DR 60~70で設定している
4 STC
均一に
同じエコー源でも深度が違うと
5.6 フォーカス、ボディーマーク
見たいと
ころへ
FAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)
外傷後早期に生じる重篤な循環障害の評価
ショックの認識
★ショックの原因★
●出血性ショック
大量血胸、腹腔内出血、後腹膜出血など
●非出血性ショック
緊張性気胸、心タンポナーデ
上記の有無を迅速に評価 (繰り返し行う事が大切)
心嚢液貯留(心タンポナーデ)
心嚢内の液体貯留
30歳女性
高所より落下
多発外傷
少量(60~100ml程度)の血液や
凝血塊でも発症する
心嚢液は厚みが1cm未満なら予想貯留量は300ml 未満、1-2cmなら500ml未満、2cm
越えれば700mlと見積もれる。
腹水・胸水貯留 (モリソン窩)
大量の腹水、胸水
ダグラス窩/膀胱直腸窩
膀胱
子宮
ごく少量の腹水(生理的範囲内?)
超音波検査
Ⅰ・超音波とは
Ⅱ・超音波の歴史
Ⅲ・検査部ワークショップのアンケートから
Ⅳ・当院の超音波検査
当院の超音波検査
検査室
・心臓エコー
・頸動脈エコー
・下肢動脈/静脈エコー
・腎動脈エコー
・関節エコー
・シャントエコー
・乳腺エコー
・腹部エコー(健康管理センター)
・病棟ポータブルエコー (腹部エコー、甲状腺エコーなども対応)
★入院中の患者(基本的に午後対応です)★
放射線科外来
・上腹部エコー
・頚部/甲状腺エコー
検査オーダ上のお願い
★検査目的を明記
(臨床症状や観察部位)
ポータブルエコー検査の依頼法
検査の問い合わせ
☎ 内線 2269
心エコー室
☎ 内線 2739
神経機能検査室
下肢動脈/静脈エコー
頸動脈エコー
腎動脈エコー
関節、シャントエコー
病棟ポータブルエコー
超音波検査士
心臓領域
4名
消化器領域 4名(+1)
血管領域
3名(+1)
表在臓器
2名
健診領域
1名
血管診療技師(CVT) 2名
症例1
年齢 : 79歳 性別 : 女性
傷病名:変形性膝関節症、頚椎椎間板症、末梢神経障害
術前検査(○/11)
RBC
344
WBC
57.8
Hb
10.4
Ht
32.2
血小板 24.8
AST
18
ATL
11
LDH
185
Glu
120
CRP
0.10
D-ダイマー 0.94
手術(○/26)
術後(△/6)
4.9
13.59
(△/13)
2.42
13.48
右ヒラメ静脈に血栓あり!!
症例2
年齢 : 77歳 性別 : 女性
主訴 : 右下肢 むくみ(+)、だるさ(+)、こむらがえり(+)、痛み(+)
色素沈着(-)、かゆみ(-)、潰瘍(-)
病歴 : DM(-)、HT(-)
DVT(疑)で連携紹介により血管外科受診(○/9)
D-ダイマー 0.3μg/ml
【エコー所見】
両下肢に明らかな血栓(-)
右GSV SFJ以下全長逆流あり、右SSV逆流なし
念のため、一か月後にD-ダイマーのチェック
正常であればEVLTへ
症例3
年齢 :79歳 性別 : 男性
主訴 :間欠性跛行(+)、安静時疼痛(+)、潰瘍(+)
病歴 : DM(-)、HT(+)、脳梗塞(6年前に)、心臓に特記所見なし
喫煙歴(+)
ASO(疑)で連携紹介により血管外科受診(○/13)
Rt
1.15
Lt
0.75
SPP
D-129
P-73
D-14
P-27
F
P
AT
PT
+
+
+
-
+
±
-
-
ABI
■D-dimerが上昇する疾患や病態
・DIC(播種性血管内凝固症候群)
・深部静脈血栓症(DVT)
・肺血栓塞栓症(PE)
・悪性腫瘍
・肝硬変症
・大動脈瘤
・手術後
・妊娠中、妊娠中毒症
・重症感染症、心筋梗塞、脳梗塞、膠原病
・他、血液凝固亢進状態 など
DVT除外診断に有用
D-ダイマーが正常であれば陰性的中率98~99%、DVTを否定可能である
下肢静脈エコーの前にD-ダイマー
下肢動脈エコーの前にSPP/ABI検査の評価をお願いします
今年度も一緒に勉強しましょう
よろしくお願いします
ご清聴 ありがとうございました。
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