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東京学芸大学附属幼稚園
平成26年度 No.285 東京学芸大学附属幼稚園 :幼稚園のけやきの庭では樹齢50年以上のけやきの木が子どもたちを見守っています0 :それがこの通信「けやき」の名前の由来となっています。 :幼稚園では、学期に一度この紙面「けやき」の発行と、ホームページの「けやきのにわのこどもた :ち」を更新し、子どものたち姿をお伝えしています。どうぞあわせてご覧ください。 l_______●_____________________】一一一■一■■■■■一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 「卒園・進級に向けて」 園長 岩立京子 まだまだ、寒い日が続きますが、3月はもう間近。春を感じる季節になりました。日本では旧暦の3 月を弥生(やよい)と呼びますが、萌えいずる草木がいよいよ生い茂り盛んになることを意味するそう です。若葉の緑、桃や桜のピンク、レンギョウの黄など、鮮やかな色のなかに、新たな出発へ向けての 期待感が高まる時期です。 幼児教育においては、この時期を移行期と呼び、とても大切にしています。年長児については、自信 と誇りをもって卒園し、滑らかに小学校へ移行できるように、少しずつ、自ら考え、自覚的に行動でき るように指導・援助されていきます。これまでの幼稚園での遊びや生活を振り返り「一人で、または仲 間と遊びを楽しむ自分」「物事について考え、工夫する自分」、「上手くいかないときも、いろいろと 試す自分」「仲間と協力してやり遂げた自分」など、いろいろな自分を思い出すこと、そして、小学校 生活を思い浮かべることを通して、過去から現在、未来へと自分の姿をつなぎ→ 自己認識や自尊心を高 めていきます。また、年長児としての自分を自覚し、それにふさわしい行動を取っていきます。 年中児については、4月から年長組さんになるのだという期待感を高めること、動物当番を少しずつ 引き継ぐことなどを通して、年長組としての誇りや自信を高めて行くことが保育のねらいとなります。 年少児は、進級という意味を自覚的にとらえることがむずかしい時期ですので、年中組との間に自然に 交流が生まれるような機会が提供されています。 このように、幼稚園では卒園、進級に向かって、それぞれのアプローチカリキュラムが進行していま す。新たなスタートに多少の戸惑いを感じながらも、より大きな期待感をもって生活し、変化を遂げて 行く子どもたちの姿を見守り、支えていただきたいと思います。 もうすぐ 緑バッジになるね あひる組。うさぎ組 3学期に入り、4歳児数名が「ネイル屋さんにきませんか?」とお誘いに来て くれました。「なんだろう?」ウクワクとドキドキの入り混じった気持ちで緑バッ ジの拙市さんたらについていくと、ネイル(爪の形切った紙にカラーペンで色や 模様を描いたものを貼ってくれる)透してくれました。うれしい気持ちで帰って さだ子どもをみて他の子も出かけて行ったり、ネイルだけでなくオ二劇場(オ二 の人形劇)に誘われて見に行ったり、他のことでも遊ば世てもらったりしました0 また、青バッジの5歳児は中庭の池に張った分厚い氷を見せてくれたり、節分 の日に魔除けの飾りを届けてくれたり、女の子たらが数人やってきて毛糸のネッ クレスの作り方を教えてくれたりしました。 度々かかわる機会をもった後は、年中年長児が3歳の園庭にやってきたり、 管擾棟前の広場で出会ったり、見かけた時には「あ!」と憲哉したり、親しみを もって「おーい!」と声をかけたりすることも見られるようになってきました0 秋に植えたチューリップの芽が出てきたり、園庭の河津桜のつぼみが膨らんだ り、少しずつ近づいてきた香を見つけては喜ぶ子ども思教師が「チューリップ の芽力でたねえ。春になったら咲くね」と言うと「そうだよ!その時はゆりぐみ中 ももぐみになるんだよ!」「緑バッジになるよ∼」と二コ二コ顔でうれしそうで訊 お家の方にとっても初めての幼稚園生活で親子にとって初めてのことがたくさ んあったことでしょう。入園の頃のそれぞれの様子や緊張した表情を思い出すと、 幼稚園で泣きたい時には泣いて、笑いたい時には笑って、困ったことがあっても それを教師に伝えて‥そんなふうに安心して過している今の姿に成長を感じ嬉し い思いがしています。 一年間様々なことにご協力いただき、ありがとうございました0 ◎㊨竃ぎ㊨①㊥琶汐㊥◎㊨◎命⑤㊥篭芦㊨◎ もうすぐお別れ会 ∼プレゼント作りと動物当番∼ もも組・ゆり組 暖かな日差しを感じるようになった今日この頃、子どもたらの心も身体もリ ウリワ、ウキウキ、外へ外へと向いているように感じます。1月の寒い日には、 外に出ず、多くの子が保育室で遊んでいた日が懐かしいくらいです。新しい冒 険小屋やクライムホールドが、ますます子どもたちの心に弾みをつけているの でしょう。 一方、心がしんみりすることとして、年長児とのお別れがあります。「大きい 組は小学生になるんでしょ」「もうすぐお別れの白がくる」ということを学級で も話題にして、「お別れ会」で渡すプレゼント作りをしています。そのプレゼン トの一つにマグネットがあります。子どもたらは、オーブン陶土という粘土に 年長児が遊んでいた砂場の砂を混ぜ、こねて、伸ばして、型をとって星形や月 形を作ります。「難しいかもしれない」と教師が言うと、「大丈夫!」と頼もし い返事。好きな遊びの時間に5∼8人程度が集まって作ったのですが、教師が 一人一人への対応に忙しくしていると、「土をいれるの、スプーン1杯でいいか ら」「これで、伸ばして」など、やり方を知っている子が知らない子に教え合っ ています。また、子ども同士で「○○もってる?」「これ、貸して」「はい、使 っていいよ」と、道具を貸し借りしているのです。教師が仲介しなくても、互 いのことを見合いながら気遣える姿が微笑ましく、子どもたらの成長を感じま した。作り終えると「いつ渡すの?明日?」と、年長児に渡す白を楽しみにし ているようでした。 動物当番は、グループ毎に行っていて、年長児に教えてもらっています。当 番バッジをつけるのは、照れながらもとても嬉しそうです。しかし、いざ当番 に行くと、アヒル、カモ、ニワトリが近くに采で怖くて動けなくなってしまっ たり、年長児に言われるがまま動いてみたり…それでも、最後に工サをあげた 時には、「できた!」という喜びで、満足気です。 このように、年長児と直接的、間接的にかかわりながらも、憧れをもって過 ごしてきました。きっと子どもたらの中には、一緒に遊んだことや話したこと、 年長児が行事で取り組んでいたことなどが、心の中に残っているはずです。こ れが心の肥料となって来年度、花を咲かせてくれることでしょう。あと少しで すが、年長児とのかかわりを楽しめたらいいなと思います。 修了に向けて 竜三竜三 ほし組・つき組 修了式まで、あと数えるほどになりました。ほし組つき組の子どもたらは、 少しずつ、修了に向けての準備を始めています。 その中の一つに動物当番の引継ぎがあります。一年間取り組んできた動物当 番を、もも組ゆり組の子どもたらに教えてあげるのです。 子どもたちに引継ぎの話をしたら、「前の年長さんにおしえてもらった!」と、 自分たらが一年前に引継ぎをされたことを覚えている子も何人かいました。自 分たらが小学校に行ったらお世話をする人がいなくなるから、今のうらに教え ようと、現在は、5歳児と4歳児が一緒に動物当番を行っています。 「ここで靴を履き替えて」「こっちのブラシのほうが短いから、こっちを使っ てね」「羽をとるのはちょっと難しいよ」などとこれまでに自分たらが経験した ことを、何とか言葉や動きで伝えようとしています。ただ、どんなに必死に教 えようとしても、動物小屋そのものが目新しい4歳児は、アヒルに追いかけら れたり、ニワトリを追いかけたり、引継ぎどころではない場面もあり、そんな 時は、「…仕方ないね、私たちでやっとこう」と余裕も見えます。 自分たらがいなくなったあとの幼稚園のことを考えることも、修了に向けて の準備のひとつです。 もう一つ、2月半ばに、小金井警察署の方を招き、交通安全指導を行いまし た。子どもたらだけで東門の前の横断歩道を渡り、1区画歩き、また横断歩道 を渡って帰ってくるというものです。 巡査さんの注意事項を真剣に聞いていました。特に横断歩道の渡り方に関し、 ては、これまでの親子での徒歩通園の効果もあり、ほとんどの幼児が身につい ていました。一方で、歩道の歩き方に関しては、道幅いっぱいに広がって歩く、 走る、など、今後改善していかねばならない点もでてきました。 登降園できる目は残り少ないですが、その際に、親子で考える機会ももって いただき、一緒に子どもたらの安全を考えていかれたらと思います。 最後は、友達との遊びです。仲間と誘い合ったり、同じ瞬間を面白が ったり、相手のしていることを一緒に考えたり、心配したり、相談した り…。毎日一緒に遊んだ友達との日々もあと少し、その少しの時間を噛 みしめるように、子どもたちは友達と一緒の生活を楽しんでいます。