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糖尿病

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糖尿病
糖尿病
はじめに
糖尿病とは血液中の高血糖値状態とそれに伴う全身の血管障害に起因して症状が発現する病気です。発症早期の糖
尿病の自覚症状は乏しいため、病気の進行が気付かれずに長期間放置されることが多いのです。健診などで、よう
やく、血糖値が高いことを指摘され、初めて気付くことも多いのが現実です。
2002 年 11 月に行われた厚労省の糖尿病実態調査によると、糖尿病と診断され治療を受けている患者、もしくは糖
尿病が強く疑われる人(ヘモグロビンA1C*≧6.2%)が約 740 万人、(1997 年の初回調査時には 690 万人)、
糖尿病の可能性が否定できない人(5.6%≦ヘモグロビンA1C≦6.1%)が 880 万人(1997 年の初回調査時には
680 万人)、両者の総計は、約 1,620 万人と推計されています。2002 年において、病院・診療所(クリニック)に
通院している糖尿病患者は 30 万人にも達しています。しかし、糖尿病が強く疑われる人のうち、糖尿病の治療や
指導を受けている人は、おおよそ、その半分(45%)でした。
糖尿病は、早めに気づき生活習慣の改善や適切な食事指導を実践すれば糖尿病でない人と同じ生活の質(クオリ
ティライフ)得て、長生きすることが可能です。
(*ヘモグロビンA1Cとは何か? 後でご説明いたします)
糖尿病とは・・・
血糖値とは血液中の糖(グルコース)の濃度を示します。通常、食事によって摂取されたグルコースは、腸管から
吸収され、肝臓で代謝され、さらに血液中に入り血糖値が高くなります。血糖値が高くなると、膵臓から“インス
リン”というホルモンが分泌されます。インスリンの作用によって血糖値が低下します。血液中のグルコースはイ
ンスリン分泌の調節によって、通常100~140mg/dlにコントロールされています。したがって、慢性の
血液中の高血糖値状態から引き起こされる糖尿病は、インスリンの分泌不足(2~3%の頻度)か、インスリンが
よく効かない状態(インスリン抵抗性亢進、95%の頻度)を原因として発症します(その他、妊娠糖尿病、遺伝
的なものがあります)。
高血糖の慢性的な持続は、特徴ある症状(口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感)をもたらします。放置すると
2~3年で神経症(糖尿病性神経症;しびれ、感覚低下、勃起障害など)、10年で50%の頻度で網膜症(糖尿
病性網膜症;白内障、眼低出血、失明など)、30~40%の頻度で糖尿病性腎症(微量アルブミン尿→たんぱく
尿)をもたらします。
心筋梗塞、脳梗塞は、比較的早い段階からでも発症します。
糖尿病には、Ⅰ型(インスリン依存型、)糖尿病と、Ⅱ型糖尿病(非インスリン依存型)があります。
Ⅰ 型糖尿病(インスリン依存型)は幼児期あるいは少年期に発症するもので若年型とも呼ばれ、インスリンの絶対
量が不足して起きるものです。自己免疫反応といって自分の体の細胞を自分の抵抗力(抗体)が攻撃してしまう反
応や、ウイルス感染によって膵臓が破壊され絶対的なインスリン不足によって発症します。このタイプの糖尿病は
ヤセ型の人が多いのです。
Ⅱ 型糖尿病(非インスリン依存型)はわが国の糖尿病患者の 95%を占めていて、その発症率は成人の 10 人に 1 人
です。その誘因は遺伝的に糖尿病になりやすい素質に加え、食事の取り過ぎや運動不足、アルコール取りすぎ、肥
満、精神的ストレスなどです。Ⅱ型糖尿病は生活習慣病といわれ、いつ発症したかはわからず徐々に進行していき
ます。インスリンが活躍する筋肉でインスリンの感受性が低くなっていて(インスリン抵抗性亢進と言います)、
細胞内でインスリンが効果を表さない病態です。2型糖尿病の方の40%では、直系の父、母に糖尿病があります。
Ⅱ型糖尿病に なりやすい人とは・・・
以下のような要素、生活習慣を持っている人です。
・家族や親類に糖尿病の人がいる
・最近肥ってきた
・お酒をたくさん飲む
・甘いもの、脂っこいものが好き
・生活が不規則で、睡眠時間も少ない
糖尿病
・運動不足がある
・ゆっくり休息がとれない
いかがですか、思い当たる節はありませんか?
糖尿病の症状とは・・・
糖尿病が正しく治療されないまま放置され場合には我々の体にどんな変化が起こってくるのでしょうか?
先に述べたように、糖尿病とは、単に尿にグルコースが出現する病気ではなく、血液中に糖があふれること(高血
糖状態)によって、主に神経と細少動脈、中動脈の血管障害に起因する症状が出現する病気です。
のどが渇く(特に夜間のどが渇いて目をさます)、空腹感がいつもある、疲れやすい、だるいなどの症状がありま
すが、さらに気がつかないで放置してしまうと発症から3~5年で“手先のしびれ”という神経障害が起こります。
それと“脚の筋肉のつり”、“ふくらはぎの痙攣”もおこします。怖いのは知覚神経が麻痺していくと“しびれ”さえなく
なり、靴擦れ、やけど、けがなどをしても“痛み・違和感”がないため発見と治療が遅れてしまうことです。
10 年くらいたつと網膜症が起こります。“目がかすむ”ことから始まり、眼底出血から失明の危険がでてきます(わ
が国の失明の原因の第 2 位で、年間3000人以上います)。白内障の発生頻度も高いのです。
10~15 年くらい放置したままでいますと、腎臓障害がでてきます(早期には尿中微量アルブミンが検出されま
す)。さらに適正な治療が行われなくて腎不全まで行きますと、老廃物を尿から出せなくなり透析療法をしなくて
はなりません。糖尿病から新たに透析療法を開始する人は年間 14,000 人も存在します。尿中微量アルブミンの定
量は、早期の糖尿病腎症を発見するマーカーとなります。すべての人が、透析になるわけではありませんので、ご
安心ください。血糖と血圧コントロールさえ、しっかりやっていけば大丈夫!透析にはなりません。
(*尿中微量アルブミンとは何か? 後でご説明いたします)
さらに、長期になると重症の足病変(胃潰傷・壊そ)を生じてきます。手足の切断を余議なくされる人は、年間
3000 人もいます。その成因には糖尿病による神経障害、細小血管障害、血管閉塞などが関与しています。
そのほか、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞も併発します。糖尿病患者さんの死亡のなんと4 0~5 0%が心筋梗塞、脳
梗塞に起因しています。その頻度は非糖尿病の人々の約3倍の頻度です。循環器科医師は、日々、狭心症・心筋梗
塞の方たちの治療を行っていますが、その50%の人は糖尿病・あるいは境界型糖尿病を有しています。
脳梗塞は健常者の2~4倍高頻度です。無症状の小さな梗塞を多発する傾向があり、一過性脳虚血発作や軽い麻痺
を繰り返し徐徐に脳血管性痴呆に至ります。
それ故、糖尿病、早期診断・早期治療が重要視されており、診断からフォローアップまでの一貫した診療体制が求
められています。
糖尿病の診断基準は・・・・・
1.空腹時の血糖値 126mg・dl 以上
2.随時(食後のいずれの時間)採血において、血糖値が 200mg・dl 以上
3.75 gぶどう糖負荷試験(OGTT)での2時間値が 200mg・dl 以上
4.口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感などの糖尿病の症状があり、ヘモグロビン A1C>6.5%
境界 型糖尿病とは
75 gぶどう糖負荷試験(OGTT)で、糖尿病パターンでも、正常パターンでもない人を言います。すなわち、
(1)空腹時血糖110~125mg・dl
(2)OGTT 2 時間値が 140~199mg・dl の場合です
(3)その混合
境界型糖尿病が糖尿病に移行する割合は、男で半分程度、女性で3/4程度の人です。
糖尿病
空腹時血漿値および 75gOGTT による判定区分図
わが国での疫学調査で心血管疾患による死亡率はで境界型糖尿病(1)で2倍、(2)で 3 倍と示されました。な
んと、心血管疾患による死亡率は空腹時高血糖値の高い方より食後高血糖値の高い方の方が高いことがわかったの
です。したがって、はっきりした糖尿病の方のみならず、食後の血糖値が高い方たちも心血管疾患の危険集団とい
う認識が生まれました。したがって、空腹時血糖値のみにとらわれず食後2時間後の血糖値を知ることがとても重
要です。
境界型の中には、糖尿病の発症過程、改善過程にある症例が存在します。その、病態として、インスリン分泌障害
が主たるものと、インスリン抵抗性の増大が主たるものとがあり、後者にはメタボリックシンドローム(内臓脂肪
症候群)を示す方が多いのです。
境界 型糖尿病に 対する考え方
境界型糖尿病に関して重要な研究が 3 つあります。すべて空腹時血糖値が110~125mg・dlの患者を用い
た大規模比較試験です(フィンランドの DPS、アメリカの DPP、多国籍研究である STOP-NIDDM)。その研究の
目標は、境界型糖尿病を治療することで、糖尿病への進展防止を防止できるか?です。DPS 研究は生活習慣介入に
よって糖尿病発症を 52%リスク減少できることを示し、さらに経口糖尿病薬(メトホルミン)の投与によって糖尿
病発症リスクを 31%も減少できることを示しました。STOP-NIDDM では、糖吸収阻害薬(α グルコシダーゼ阻害
剤)であるアカルボースにて糖尿病発症リスクを 25%減少できることを示しました。
最も効果的なことは生活習慣の改善ですが、ある種の経口血糖低下薬もこの時期から有効であることがわかりま
した。境界型糖尿病の時期はインスリンを分泌する膵臓の β 細胞を休めることが重要であり、インスリン分泌を鼓
舞して、結局膵臓を疲弊させてしまうタイプの経口糖尿病薬(SU 薬;オイグルコン、ダオニール、ラスチノンな
糖尿病
ど)、は効果的でないどころか、返って有害とされています(同様の理由で高脂肪食もよくありません)。
75グラムブドウ糖負荷試験(OGTT)検査
糖尿病の診断で重要な75グラムブドウ糖負荷試験検査手順は以下のごとく行います。
(1)前夜から14時間以上絶食の後、朝9時ころまで空腹のままご来院する。
(2)空腹のまま採血し血糖値を測定する。
(3)75グラムブドウ糖液(トレーランG)を飲用していただく。
(4)その後30分、1時間、2 時間に採血し、血糖値を測定する。
(5)検査中のクリニック内で、静かにしていていただきますので、読書かテレビをみるかでお過ごしください。
糖尿が疑われたら、糖尿病の可能生が否定できなかった、らぜひ75グラムブドウ糖負荷試験を受けてください。
糖尿病と診断されたら・・・
糖尿病は残念ながら完治することはありません。あせらず糖尿病としっかり・ゆっくりと付き合っていくことが大
事です。専門医、栄養士さんとともに病気と共生していく生活にきりかえ実践していきましょう。まず、実践する
べきは食事・運動療法などで自己管理し血糖値のコントロールをすることです。
食事療法の実践
糖尿病の治療の基本は食事療法です。摂取エネルギーを必要最低限にします(摂取エネルギーは性、年齢、肥満度、
身体活動度、血糖値、合併症の有無で決めます)。例えばデスクワークの人、家庭の主婦などは、標準体重×25 カ
ロリー、肉体労働が主体の人は、標準体重×30カロリーです。
標準体重は、身長(m)×身長(m)×22 の式で求めてください。例えば身長170cmの方の標準体重は、
1.7×1.7×22=64Kg です。そしてデスクワークの方の、一日の接取する予定カロリーは64 Kg×25=1600 カロ
リーです。栄養の取り方は、糖尿病食品交換表をご参考ください。
食事療法のポイントは・・・
1、腹8分目の食事とする。
2、食品の種類はできるだけ多くする。
3、脂肪は控えめにする。
4、食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこ)をとる。一日 20~25グラム以上
5、朝、昼食、夕食をきちんととる
6、ゆっくる、よくかんで食べる
7、指示エネルギーの45~50%を炭水化物で摂取する。
なお、高血圧の方は塩分6グラム以下にして下さい。高脂血症の方は飽和脂肪酸(動物性脂肪)を制限し、中性脂
肪の高い方は、アルコール、蔗糖、果糖など果物の接取も控えめにしてください。
厳格すぎるエネルギー制限は、糖尿病の方の心理的プレシャーを高め、生活の質を落とします。食欲を満たされな
いで生きることはつらいことです。 そのプレシャーを楽にする方策は、以下に述べる運動療法を併用する事です。
運動療法の併用
中程度の運動(壮年者では1分間の脈拍が138-(年齢÷2)程度になるような運動)を毎日最低30分、3~
6回/週おこなうとよいでしょう。ダイエットとともに一日300カロリー程度消費する運動を行うと、効果があ
ります。血糖、脂質、血圧にも好影響をもたらします。ただ、運動を行う前に主治医にご相談することが必要です。
急な中程度以上の運動は膝を痛め、体調を壊します。また、コントロールの悪い糖尿病では眼底出血など悪いこと
も起こることがあります。 さまざまの時間、チャンスに運動してください。運動というと『スポーツ』と考えが
ちですが、“まず歩くこと”から試みてください。歩くことが一番、めざそう、1 日 1 万歩。
運動療法には、次のような効果があります
糖尿病
1、急性効果としてブドウ糖、脂肪酸の利用が促進される。
2、インスリン抵抗性が改善される
3、加齢や運動不足による筋委縮や、骨そしょう症の予防に有効である。高血圧や、脂質異常の改善に有効である。
定期的に検査を受け合併症の早期発見をしましょう。
毎月通院し血糖値、ヘモグロビン A1c(エイワンシー)、グリコアルブミン、1,5AG(イチゴエイジー)、腎機能
(BUN/クレアチニン)、尿糖、尿ケトン体の有無、尿中微量アルブミンなどを定期的にチェックしましょう。心
電図は 3 ヶ月に一度、眼底検査は少なくても年一回、その他、閉塞性下肢動脈硬化症を早期発見するための上肢と
下肢の血圧差、大動脈の硬化度の測定(CAV I),頚動脈エコー検査も年一度は必要です。
(1)血糖値
最も基本的な検査です。採血時の血液中のグルコース濃度(m mg/dl)が分かります。空腹時の血糖値測定が一
般的ですが、空腹時以外でも、朝食後1~2時間の血糖値を知ることも重要です。たまには、食後血糖値を測定し
ます。
(2)自己血糖測定
日々の生活の中で、血糖値の変動パターンを知ることにより、高血糖、低血糖をある程度、予想することができ
ます。最近では、摂取した食物中の炭水化物に相応するインスリンの注射単位を決めるためにも必要です。この栄
養指導の方法をカーボカカウンティングと言います。糖尿病の栄養指導が、カロリー制限から炭水化物制限の変わ
ろうとしています。なぜなら、『血糖値を上昇させるのは、摂取した炭水化物の量であり、摂取総カロリーではな
い』との事実からです。これを、ロー・カーボ・ダイエットと言います。このダイエットは、主にⅠ型糖尿病にお
ける、インスリン量を決めるやり方です。食品中の炭水化物含有量を予測して、炭水化物15gあたり、(超)速
効型インンスリン1単位を皮下注する方法です。
(3)ヘモグロビン・エーワン・シー(HbA1C)
過去1~2か月くらいの、平均の血糖値を評価うるための、検査です。ヘモグロビンは血液中の赤血球中に多く
存在し酸素を体の隅々まで運び、二酸化炭素を体外に排出するために働いているタンパク質です(その交換は肺で
行われているのは承知のとおりです)。へモグロビンは、血液中でグルコースと自然に結合します。その結合体を
ヘモグロビン・エーワン・シー(HbA1C)と呼びます。その高値は血糖値が高いことを意味します。ヘモグロビン
の寿命は約3か月なので、HbA1C は過去1~2 か月の平均の血糖状態をよく反映しています。 当クリニックでは、
空腹時(随時)血糖値とHbA1Cで経過観察・指導させていただきます。
(4)グリコアルブミン(GA)
糖尿病
過去1~2週の血糖値を表す検査です。グルコースとアルブミン(タンパク質)が結合したものです。
(5)1,5‐アンヒドログルシトール(1,5 AG)
イチゴエイジーと呼びます。グルコースと似た構造を持っています、グルコース増えると減り、減ると増えます。
数日前の血糖値を反映しています。
尿検査をしよう!
糖尿病では、尿糖は通常、血糖値160~180mg・d以上で、尿糖陽性となります。高齢者、インスリン使用
中の人の尿糖陰性は低血糖を心配しなくてはなりません。たんぱく尿では顕性腎症への進行を疑い、ケトン体陽性
は、高血糖による代謝異常あるいは栄養不十分を疑います。糖尿病では尿路感染症が多くの方で発生します。尿潜
血(±)~(+)では、尿路感染症を疑い、尿沈渣を疑います。
尿中微量アルブミンとは
糖尿病性腎症の早期発見に必須の検査です。尿たんぱく陽性に先立って検出されるので尿たんぱく(-)もしくは
(±)の人で実施します。3ヶ月に一回程度おこなうのが良いでしょう。糖尿病腎症前期もしくは早期に行います。
尿中アルブミン/尿中クレアチニン(mg/g Cr)30以下は正常、30~300は早期腎症、300以上で蛋
白尿(+)で、顕性腎症と診断されます。微量アルブミンの排出は、将来の増殖性網膜症や心血管系疾患で死亡す
るリスクファクターとしての意義も注目されています。
食事・運動療法で血糖値が低下し なかったら・・・・・・
患者さんの症状にあわせ、5 種類の薬が使われます。
1.血糖降下薬として、スルフォニル尿素(SU)薬、ビグアナイド薬があります。
前者はすい臓のベータ細胞に働きかけインスリンの分泌を刺激します。後者は筋肉、脂肪での糖の代謝を盛んにし
ます。その結果、血糖値が低下します。
2.腸管からの糖吸収阻害薬として α グルコシダーゼ阻害薬があります。食後の高血糖を予防します。先に、境界型
糖尿病では、食後の高血糖が、血管に悪さをすることを述べました。その意味で、この薬の重要性が増しています。
3.インスリン分泌促進薬
4.インスリン抵抗性改善薬
5.インスリン注射治療・・・経口糖尿病薬でコントロールが不十分の時におこないます。
インスリン治療開始に際しては、入院し、医師と看護婦さんの指導を受けた後、自宅において自分でインスリン
注射を行います。なお、当クリニックでは、インスリン治療は行っておりません。糖尿病の早期発見と合併症の予
防に重点をおいておりますので、この点をご了承ください。
インスリン治療の適応は以下の人です。
インスリン依存型(Ⅰ型)糖尿病
インスリンの分泌が非常に低下してしまって、経口糖尿病薬の併用でも空腹時血糖値 200mg/dl 以上の人。70歳
以下で、HbA1cがいつも8%を超えている人
肝臓や腎臓病の人
感染症にかかっている人
妊娠・出産を望んでいる人
最近では、速効型インスリンを併用した、低炭水化物ダイエットにて栄養指導されることが多くなってきました。
これだと、カロリー制限の呪縛から解放されて、自己血糖測定によって血糖値をコントロールすることができます。
糖尿病
おわりに
糖尿病は残念ながら完治することはありませんが、コントロールすることのできる病気です。糖尿病としっかり、
ゆっくりと付き合っていくことが大事です。医師、栄養士さんとともに“病気と共生していく生活”へと意識を切り
替え、この生活をともに実践していくことです。悪しき生活習慣を是正し、元気で長生きしましょう。
出典:日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイド」文光堂
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