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二次電池の性能向上とビーズミルによる微粒子化技術

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二次電池の性能向上とビーズミルによる微粒子化技術
微粉砕・分散機の総合メーカー
アシザワ・ファインテック株式会社
第5回 国際二次電池展
■取扱品目
日時:2014年 2月27日(木) 13:40~14:40
湿式および乾式ビーズミル(微粉砕・分散機)
脱泡機、攪拌・混合機、混練機
会場:西展示棟 展示会場内 セミナー会場
出展者による製品・技術セミナー
■事業内容
ビーズミルをはじめとする産業用粉体機械の開発・製作・メンテナンス
ビーズミルなどを使用する受託加工
微粒子の開発、生産または利用されるお客様に対する技術コンサルティング
二次電池性能向上と
ビーズミルによる微粒子化技術
■所在地
アシザワ・ファインテック株式会社
微粒子技術研究所 主任研究員
技術コンサルタント
石井利博
本社、工場
千葉県習志野市茜浜
試作テスト施設、受託加工施設
大阪支店
大阪府豊中市曽根東町
微粒子技術研究所 栃木県小山市
1
機種選定目安表
2
本日の内容
(
マイクロ)
1.粉砕と分散 (ビーズミル)
2.原材料の粗粉砕 (乾式ビーズミル)
3.原材料の微粉砕 (湿式ビーズミル)
4.粉砕・分級 (分級機内蔵型 乾式ビーズミル)
5.スラリー化 (インラインミキサー)
6.分散 (メディアレスミル)
(マイルド分散)
7.脱泡 (インライン脱泡機)
8.研究・開発向けビーズミル
3
正極材の製造工程例
4
粉砕と分散
粉砕とは1つの大きな粒子を砕くこと
分散とはもともとの微粒子の凝集体をほぐすこと
5
6
1
微粉砕機・分散機の特徴
乾式ビーズミルと湿式ビーズミル
乾式微粉砕機
ビーズミル
ジェットミル
ボールミル
湿式微粉砕・分散機
ビーズミル
ボールミル
高圧
ホモジナイザー
ロールミル
超音波
ホモジナイザー
7
乾式ビーズミルと湿式ビーズミルの比較
乾式ビーズミル
8
ビーズミルの選択方法
・乾式ビーズミル or 湿式ビーズミル
△ 集塵装置などの周辺機器が必要
○ 粒度分布がシャープ(分級機能)
△ ナノ領域は困難(サブミクロンオーダーが限度)
前後工程により決定
湿式ビーズミル
・乾式ビーズミル
△ 脱水・乾燥工程が必要
○ ナノ領域が可能
開回路粉砕
閉回路粉砕
・湿式ビーズミル
パス方式
循環方式
9
機種選定目安表
10
原材料の粗粉砕
(
マイクロ)
<特長>
*連続式の乾式ビーズミル
*1パスでシングルマイクロ
*エネルギーコスト極小
(対ジェットミル1/10)
*大量処理可能
(対ボールミル80倍の効率)
*サイクロン、バグフィルター不要
(エアー消費は軸シールのみ)
*耐摩耗性抜群
(対湿式1/10の磨耗率)
11
12
2
乾式粉砕例)ケイ砂 [モース硬度:7]
乾式粉砕例) アルミナ [モース硬度:9]
13
原材料の粗粉砕
14
SDA-Lシステムのフロー図
• 電池材料の応用例
– 原料単体の粉砕のほか異種混合や複合化にも応用
•
•
•
•
•
二酸化マンガン
リン酸鉄リチウム
水酸化リチウム
カーボン
金属シリコン
など
15
16
スターミル LMZ
原材料の微粉砕・混合
オールマイティな機種
あらゆる用途での粉砕・分散
原料
数十μm
17
LMZ処理後
サブミクロン~ナノ
18
3
スターミル LMZ
湿式ビーズミルの運転方法
対象物
パス方式
パス方式
循環方式
粉砕・分散が容易なもの
粉砕・分散が難しいもの
(ナノレベルまで)
ポンプ供給量
小
大
温度
高い
低い
到達粒子径
サブミクロン
ナノレベル
粒度分布
ブロード
シャープ
設備
パス回数に応じて増える
循環系のみ
LMZは循環方式
流量:大 パス回数:多
19
パス方式
循環方式
20
粉砕工程の効率化 “エコ粉砕”
スターミル LMZ の構造
エコ粉砕とは
従来の湿式粉砕(湿式ビーズミル)に、乾式ビーズ
ミルを組み合わせることで、今までより少ない電力
量で目標まで微粉砕すること
エコ粉砕の利点
・投入電力量を削減 ・ビーズミルの部品消耗の減少
・粉砕時間の短縮
・従来よりシャープな粒度分布
21
エコ粉砕
22
粉砕工程の効率化 “エコ粉砕”
エネルギー効率向上のポイント:
「粒子サイズに合った適切な力を与える」
・粗大粒子は粒子欠陥を多く含むため、その欠陥を
起点に粉砕が起こる
→乾式ビーズミルが有効
・微粒子は粒子欠陥が少なく理想強度に近づくため、
表面粉砕が主な粉砕形態となる
→強力なずりを利用した湿式ビーズミルが有効
23
粗粉砕
~10μmまで
仕上げ粉砕
10μmをサブミクロン~ナノメートルに
24
4
エコ粉砕 データ(正極材料)
乾式粉砕のメリット
接粉部品の摩耗が少ない
乾式の摩耗は湿式の約1/10
理由:微粉がビーズ、アジテータ、
ベッセル等の表面に付着し、ビーズ
が直接に衝突しないため
摩耗の激しい粗粉砕は、乾式
で処理した方が良い
運転後のベッセル内部(粉が付着)
投入エネルギーを85%削減
25
粉砕工程の効率化 “エコ粉砕”
エコ粉砕 データ(正極材料)
粗粒子が減り、シャープな粒度分布になる
26
27
金属シリコンの粉砕例
・
・
・
・
動力原単位:
85%削減
(同じ粒子径の場合)
運 転 時 間:
67%削減
(同じ粒子径の場合)
部品消耗の削減
シャープな粒度分布が得られる
28
粉砕・分級
湿式
ビーズミル
乾式
ビーズミル
ロール
クラッシャー
29
30
5
シグマドライ SGDの特徴
•
•
•
•
•
シグマドライ SGD
速やかに排出
粉砕限界粒度の最小化 シングルマイクロ
粗粒カット(7~10マイクロ)
粉砕エネルギー効率の大幅な改善
粉砕助剤量の低減
設置スペースの極小化
高い遠心場
分散
ゾーン
1次粒子に分散
強力粉砕
粉砕助剤投入
理想の粉砕操作を単体機械で実現
粉砕された粒子は直ちに回収されるため、粉砕室には粗粒のみが充填され効
率的に粉砕される。(自由粉砕)
31
粉砕の過程で微粉が増加すると、微粉自体が緩衝剤となり、粉砕速度や粉砕のエネルギー効率が低下する。
そこで、微粉を除去して砕料に十分な力の伝達が可能な状態で粉砕する操作。
32
金属シリコンの粉砕
シグマドライのフロー図
分級機回転数、ブロアー周波数
12
d50=2.55μm
dmax=13.1μm
10
頻度( % )
8
d50=1.48μm
dmax=7.78μm
6
原料
7000rpm,
7000rpm,
5000rpm,
3000rpm,
d50=3.65μm
dmax=18.5μm
d
D50=515.7μm
d50=6.10μm
dmax=37.0μm
4
40Hz
20Hz
40Hz
40Hz
dmax=1408μm
2
0
0 .1
1
10
100
1000
10000
粒子径( μm )
33
シグマドライ SGDの用途
• 電池材料
(正極材、負極材)
• フェライト
• 各種ガラス
• 各種セラミックス
(アルミナ、窒化ケイ素など)
• カーボン
•
•
•
•
•
•
34
スラリー化
セメント
鉄鋼スラグ
フライアッシュ
シリカ
無機物全般
食品
など
35
36
6
プシミックスの原理
粉体の“ぬれ”の促進
通常の攪拌では、粉体・液体に空気も含んでしまうため粉体のぬれが悪く、
均一な固液混合ができないという課題を解決する
溶媒の浸透
①凝集した粒子の隙間には
気泡が存在する
①表面積の広い液体
空気
②減圧状態にすると、気泡は
膨張する
②真空中で粉をふるう
(乾式解砕)
粒子の凝集体
③膨張した気泡は、常圧状態
に戻すことで急収縮する
振動スクリーン
2
③液体に粉をのせる
3
1
表面積の広い液体
④負圧からから常圧へ
(気体の収縮、ぬれ促進)
4
⑤理想的な固液混合の実現
一次粒子
粒子の隙間に液体が入り
込む
液体
真空室
5
37
38
分散
プシミックス
一般的な機種の半分以下の圧力のため
■温度上昇が抑えられる
■コンタミレス
■大量生産
39
オメガ
40
オメガ
ビーズミルと比較して
■よりマイルドな分散が可能
■適応粘度が高い(~150,000mPa・s)
■コンタミレス
■ハンドリングが容易
一般的な機種と比べ
■半分以下の圧力のため温度上昇が抑えられる
■洗浄性向上(分解・組立に30分)
41
42
7
オメガ分散例
オメガ分散例
多層カーボンナノチューブ (CNT)分散例
顔料ペースト (固形分濃度:60 %)
セルロース
溶媒:ポリオール
43
溶媒:水系
44
44
オメガ分散例
タルク処理前
タルク処理後
グラファイト処理前
グラファイト処理後
マイルド分散
45
46
ビーズミルによる粉砕・分散技術
マイルド分散
• 粉砕
一次粒子のサイズ、形状、結晶構造、表面状態などを
– 対象物の粒子径と硬度に合わせて適切なエネル
ギーを与える
維持したまま分散させる技術
• 分散
– 作用点を増やす
– 1次粒子を破壊しない
※マイルド分散
47
48
8
湿式微粉砕と分散
マイルド分散と従来の分散の比較
粉砕
強力な
「ずり」
分散
「転がり」
49
50
マイルド分散における理想のビーズ流動
マイルド分散における理想のビーズ流動
粉砕室全体で均一に存在 (マクロ的均一)
全てのビーズが均一に働く
ビーズが一部の特定部位に集中しない
局部的に衝撃力や強シェアをかけない
スラリ流れで出口に偏る
局部的な強衝撃
重力で下部に偏る
理想のビーズ流動を阻害する例
51
マイルド分散における理想のビーズ流動
(ミクロ的均一)
遠心力による押付け
理想のビーズ流動を阻害する例
52
理想的なビーズの動き
『単段らせん層流』
ビーズの動きが単段で乱れがなく、
層流の状態で動いている
ビーズの作用頻度を増やす
働かない共回りビーズをなくす
同じ速度、方向に動く
層流
共回り=仕事せず
理想のビーズ流動を阻害する例
53
乱流
54
9
理想的なビーズの動き
『単段らせん層流』
理想的なビーズの動き
『単段らせん層流』
ビーズが『らせん流』となって動いている
ビーズがらせん流となって動いている
軸を中心に周方向に回転する1次流れ(旋回流)と
軸径方向に回転する2次流れ(軸流)の組み合わせ
粒子径
旋回流
軸流小
軸流中
軸流大
軸流が大きいほど
効率よく微細化
エネルギー
55
56
マイルド分散対応ビーズミル
マイルド分散
理想的なビーズの動き
『単段らせん層流』
57
マイルド分散例
処理前
D50=400nm
BET値 111.8㎡/g
58
導電カーボンのマイルド分散
針状酸化チタンの分散例
お困り点
導電性を保つために、導電
カーボンの量を減らせない
マイルド分散処理
D50=29nm
BET値 114.4㎡/g
従来の分散処理
D50=19.6nm
144.3㎡/g
カーボン添加により、電極
スラリーの粘度が上がる
塗工スラリーのバリ発生
要因になる
粘度調整用に、希釈用溶媒
が余分に必要
59
マイルド分散による改善
凝集体を分散することにより、
導電材料を適正量まで減らすこと
ができる
分散により、カーボンペーストの粘度を
抑えられます。電極スラリーの粘度が
下がり、塗工時の不良発生を削減できる
溶媒の使用量の削減も期待できる
60
10
研究・開発向けビーズミル
脱泡
61
62
まとめ
ラボスターミニ
1台3役 目的に合わせて粉砕室構造を換えることができる
63
目的に合わせて、機種を選定することで、高付加価値・
高品質、省エネルギー、省コストなどが可能になる
64
ご清聴ありがとうございます
ご質問は弊社ブースにて個別に対応します
西2ホール
出入口
セミナー
会場
(現在地)
VIPラウンジ
INCHEM TOKYO 2011
65
当社ブース W10-2
66
11
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