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Ultriumメディアの品質評価とテスト

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Ultriumメディアの品質評価とテスト
HP Ultrium デー
タ・カートリッジ
—貴重なデータを
保護するのに最適
なメディア
white paper
Ultrium メディアの品質評価とテスト
HP が業界基準より厳しいテストを行なう理由
Ultrium フォーマット仕様は、異なる LTO 製品間での互換性を確保することに主眼を置
いています。これは非常に重要です。なぜなら、これによって、この仕様に適合するサ
プライヤから購入したカートリッジはすべて、自社製のドライブで使用できること、ま
た、テープに書き込まれたデータは異なるハードウェア・メーカ間で転送できることが
ユーザに保証されるからです。
HP は実際のビジネス・シチ
ュエーションに近い条件下
でテストを実施しています。
メディアに関する Ultrium フォーマット・コンプライアンス・プログラム(1999 年 3 月
17 日 発 行 の The Technology Provider Companies Ultrium Generation1 Specification
Document (U18)、リビジョン C)では、環境または動的なテストの条件について詳細に
規定されていません。ただし、多くのベンダは、当然、何らかの品質評価を実施します。
HP は、HP ブランドのメディアに関するテスト・プログラムが、業界で最も徹底的かつ
包括的であると確信しています。HP ブランドを保証するために、HP 指定のカートリッ
ジは、真のデータと真のビジネスが問われる実際の使用条件に近い条件下で実施される
徹底的な追加手順を通過しなければなりません。
図 1: HP メディア − 環境テスト研究所
Page 1
たとえば、メディアをある場所で使用した後、条件が大きく異なるまったく別の環境に
転送した場合、どうなるでしょうか。また、テープは、今日の 24 時間×7 日間稼動す
るハイ・アベイラビリティ・ネットワーク・システムで通常見られるような最も要求の
厳しい構成で繰り返し使用した後でも高い信頼性を維持できるでしょうか。
1999 年には 170,000 余りのバックアップジョブを行い、テスト継続時間が 130 万時
間にもおよぶ HP のプログラムが、これらの疑問にお答えします。HP ブランドのメディ
アは、最も厳しい条件下でも最大の信頼性を提供します。英国 Bristol を本拠地とする
HP のエキスパート・チームは、HP ブランドのメディアの品質を常時監視および評価し、
継続的な改善と技術開発の点で業界をリードしています。
リール・ロックの
ロッキング・
パッド
粗動アライメント・
データム・ノッチ
B/C データム・シ
ステム
ライト・プロテクト・
マシン・センサ
磁気クラッチ用
スチール製挿入口
図 2: HP Ultrium データ・カートリッジの特長
これは、HP ブランドのメディアには、他社製品に比べて注目すべき差別化要素がある
ことを意味しています。この white paper では、HP ブランドのメディアに関する仕様が、
LTO コンプライアンス検証テストよりも広範かつ詳細である点について説明します。
メディアおよびドライブ − 標準性能
業界のソリューション
30 カートリッジを対象に初期フォーマット・コンプライアンス(適合性)テストを実
施します。再評価は、1 年ごとに行われます。
HP のソリューション
3 つの異なるロットから選んだ 600 カートリッジを対象に最初の HP ブランド品質評価
テストを実施します。品質の監視は、継続して行われます。
ほかの LTO 認定メディアは、HP 製ドライブと他社製ドライブ間でのインターチェンジ
を保証されますが、LTO ロゴは、最小限の整合レベルの品質を保証するものではありま
せん。
Page 2
環境のインターチェンジ
業界のソリューション
インターチェンジは、次にリストする 1 つ以上のテスト条件下で、単一ドライブ上の単
一のカートリッジを使用した場合に限られます。
HP のソリューション
IT データセンタなどの制御
された環境だけでなく、あ
らゆる状況での持続的な使
用に対して耐久性がある。
次のすべての条件下で、複数ドライブ上の複数のテープ間で完全なインターチェンジが
可能です。
• 10℃、相対湿度 80%
• 10℃、相対湿度 10%
• 45℃、相対湿度 10%
• 45℃、相対湿度 24%
• 29℃、相対湿度 80%
ボリューム全体の読み取りおよび書き込みパス後、エラー率は、指定されたレベル内に
収まります。
ユーザには、ドライブおよびメディアが、IT データセンタなどの制御された環境だけで
なくあらゆる状況での持続的な使用に対して十分に耐えられる堅牢さを備えているとい
う利点があります。さらに、HP のテストでは、単一のカートリッジを使用した、範囲
の狭い「カスタマイズされた」テストではなく、複数のドライブおよびメディアを使用
して広範囲にわたる性能を調べ、結果が完全に一致することを確認します。
図 3: テスト中の HP Ultrium メディア
Page 3
落下テスト
業界のソリューション
LTO フォーマット仕様では、落下テストに関する要件は規定されていません。
HP のソリューション
日常的な使用および輸送に
対して耐久性があり、損傷
やデータの消失がない
0.5m 上からコンクリートの床に落下させた場合でも、カートリッジは目に見える損傷
を受けたり、機能を損なうことはありません。カートリッジの 6 つの面、12 個のエッ
ジ、および 8 つの角を 1 つずつ連続して落下させた場合も、この要件は満たされます。
また、別のテストで、カートリッジを単独で、ライブラリ・ケースに入れて、またはパ
ッケージングして落下させた場合も、この要件は満たされます。
ユーザには、カートリッジが、損傷したり、データを消失したりすることなく、日常的
な使用および輸送(たとえば、別の場所での保管)に十分耐えられる堅牢さを備えてい
るという利点があります。
ロード/
ロード/アンロード
業界のソリューション
LTO フォーマット仕様には、ロードまたはアンロードに関する要件は規定されていませ
ん。
効果的で信頼性の高い性能
を確保する堅牢なカートリ
ッジ・リーダ・メカニズム
HP のソリューション
HP は、この分野の LTO テクノロジーの開発をリードし、ロード/アンロード操作のコ
ア・コンポーネントであるリーダ・ピン・アセンブリの信頼性を向上するためのフォー
マット変更をいくつも提案してきました。[ロード、リーダ・ピン・アセンブリ(LPA)
の捕獲、スレッド(巻き取りリールに数 m テープを巻いて)、アンスレッド、LPA の停
止、アンロード]というメカニズム・サイクルを自動化して、20,000 サイクルを実行し
ます。
ユーザには、カートリッジのリーダ・メカニズムは、予想されるあらゆる使用方法全般
で効果的に機能し、故障によって損傷を受けたり、ドライブが破損することはないとい
う利点があります。したがって、バックアップの反復やドライブ修理中のコストの高い
ダウン時間は必要ありません。
図 4: 信頼性の高いリーダ・ピン捕獲機構
Page 4
ロケーション/
ロケーション/リワインド/
リワインド/アペンド
業界のソリューション
このテストでは、テープの断面が、要求の非常に厳しいお客様の環境(29℃、相対湿度
80%)で繰り返されるストレスに耐えられるかどうかを測定します。テープの約 3 分の
2 が、ドライブを 250 回通過します。
HP のソリューション
最も厳しい日常的な条件下
でも信頼性の高い性能
テープはドライブを 2,000 回通過するため、HP のテストではストレスが 800%多いと
いう点を除いて、条件はロゴ・テストと同様です。
ユーザには、カートリッジが最も厳しい日常的な条件下でも機能し、バックアップおよ
びリストアの失敗回数を削減し、ネットワークが破壊する可能性を最小限に抑えるとい
う利点があります。
熱によるエージング
業界のソリューション
LTO コンプライアンス手順では、熱によるエージングの測定について規定されていませ
ん。
HP のソリューション
カートリッジを 60℃の中に 100 時間以上放置した後、24 時間動作させます。この後で
も、テープは通常どおり読み取り/書き込みを実行し、次の機械的な特長が仕様に準拠
していることを確認します。
• ケースの寸法を測定して、反りやねじれがないことを確認します。
• リーダ・ピン・アセンブリからテープを引き出す力を測定して、このメカニズムが正
常に機能していることを確認します。
• ドアやライト・プロテクト・スイッチが、はさまったり、止まったりしないで自由に
動くことを確認します。
輸送および保管
業界のソリューション
テープの一部分だけの集中
的な使用に対して耐久性が
ある
輸送および保管に関する規格では、単一のカートリッジが輸送、保管、および 1 回限り
の使用が可能であるかどうかを測定することだけが規定されています。テストは、単一
ドライブ上でメディアの一部分だけを使用して実施されます。
HP のソリューション
HP の品質評価プランは、メディアが輸送可能であること、および反復使用が可能であ
ることを確認します。これは、次の環境条件を備えた試験庫内の 5 つのテストベッド・
ドライブで実施されます。
•
•
テスト用カートリッジを 10℃、相対湿度 10%の環境で 2 日間保管します。
テスト用カートリッジを 49℃、相対湿度 15%の環境で 2 日間保管します。
ボリューム全体の読み取りおよび書き込みパス後、エラー率は指定されたレベル内に収
まります。
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シューシャイン
業界のソリューション
LTO コンプライアンス手順では、「シューシャイン」テストに関して規定されていませ
ん。
HP のソリューション
このテストでは、過度の再ポジショニングやテープの一部に対するエラー・リカバリを
シミュレートして、メディアが、テープ・ヘッドを繰り返し通過するのに耐えられるか
どうかを測定します。これは、特に、メディアがオペレーティング・システムによって
頻繁にロードまたはアンロードされる可能性のあるライブラリ環境に関係があります。
まず、テープの短い範囲(約 3m)にデータを書き込みます。テープを巻き戻して、デ
ータを読み取り、エラー・チェックを実行します。この「巻き戻し−読み取り−エラ
ー・チェック」手順を 40,000 回繰り返しても、最終的に性能は低下しません。
ユーザには、テープが、一部分だけを集中的に使用しても耐えられるという利点があり
ます。これは、特に、ライブラリ環境で、特定のアプリケーションに名前付きのテープ
を使用する可能性のあるお客様、およびデータを書き込むたびにテープの同じ部分だけ
を使用するお客様に関係があります。
詳細について
HP のテープ製品に関する最新情報は、WWW サイト
(http://www.jpn.hp.com/go/surestore)でご覧いただけます。
HP SureStore 製品のハードウェア・コネクティビティおよびソフトウェアの互換性に関
する最新情報は、http://www.hp.com/go/connect でご覧いただけます。
Linear Tape-Open、LTO、LTO のロゴ、Ultrium、および Ultrium のロゴは、IBM、および
Seagate の米国における商標です。
DLTtape のロゴは、Quantum Corporation の米国およびその他の国における商標です。
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