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防災まつりガイド

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防災まつりガイド
防災まつり 2015 in 代々木公園
http://www.bousai-v.net
NPO まつり in 代々木公園
(2015.11.14~15)
災害NPO&ボランティア
防災まつりガイド
ICS(緊急事態対応システム)入門資料
Incident Command System
NPO まつり実行委員会・NPO 防災まつり世話人会
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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防災まつり参加者の皆様に ShakeOut 訓練へのご協力のお願い!
ShakeOut(シェイクアウト)防災訓練とは何か?
地震が発生した時に、あなたはどこにいるかわかりません。家、職場、学校または旅
行中かもしれません。その時どのように行動するかによって、地震が発生した後の私
たちの人生を大きく左右します。あなたはケガすることなく、次の行動が取れますか?
シェイクアウトは、まず自分の命を守る
(自助)行動を訓練します。それは、地震の際の安全確保行動 1-2-3「まず低く、頭を
守り、動かない」を身につける機会です。さらに、シェイクアウトはあなた自身、あなた
の地域、学校、職場などの組織が、非常時対策の見直し、防災グッズを確認、ケガを
防ぐための身の回りの安全対策をとるように促すことも目的としています。
【実施日】2015 年 11 月 14 日(土)・15 日(日)午後2:15~2:30(両日共)
※会場で「地震警報」(20 秒)後、「地震発生」の合図が出ます。行動は1分間
【参加方法】実施日のどちらかに参加できる方ならどなたでも参加できます。
【実施方法】
ShakeOut 訓練は、日時が来ると、地震警報が拡声器やメールで知らされます。20
秒間に安全な場所を探して移動、地震発生のアナウンスが流れますので、3つの安
全行動をとってその場で 1 分間じっとし”Drop,Cover,Hold on”(日本語訳:まず低く、
頭を守り、動かない)という避難訓練です。
会場では、セミナー中やイベント参加中でも、合図があったら「身体を低く
し、机の下など、あるいはバックなどで頭を守り、1 分間動かない」安全行動
のご協力をお願いします。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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Ⅰ.会場案内図
イベント広場・第1会場(防災まつり会場)配置図
キャンプ協会テント
防災まつり本部テント
(炊き出し会場)
サブステージ(防災まつり会場)
参加者席 参加者席
参加者席 参加者席
第1会場:原宿・代々木公園イベント広場。
会場では近くで「東京都食育フェア」と「秋田・茨城 発酵食イベント 納豆フェスタ」
や NPO まつり、フリーマーケット、が同時開催されており、混雑が予想されますのでお
早目のご入場をお願いします。
本会場は JR 山手線
「原宿駅」から徒歩 8
分の代々木公園イベ
ント広場です。原宿
駅集合の避難訓練コ
ースにもなります。
第2会場:渋谷勤労福祉会館(渋谷区神南 1-19-8 電話:03-3462-2511)
第二会場は、JR 山手線 渋谷駅・ハチ公口を出て、
公園通りを NHK 方面へ。渋谷区役所隣です。
14 日・15 日セミナー午前中参加の方は、こちらが会
場です。本会場までの避難訓練は、スタッフが誘導
します。公園通りを原宿方面へ徒歩 20 分です。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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Ⅱ.会場別プログラム
当日は、野外ステージをメインにする NPO まつりとフリーマーケット近くのサブステー
ジを本会場とする「NPO 防災まつり」
。渋谷勤労福祉会館の第2会場と別れてあります。特
に、災害セミナーは両日共第2会場で開始時間が早く、異なりますのでご注意ください。
各時間帯の詳しいプログラム内容に関しては次項をご参照ください。
※両日共、午後2:25に ShakeOut 訓練の「地震です」の案内が流れますので、会場参
加者にも安全行動を呼びかけのご協力をお願いします。
11/14
メインステージ
防災会場
09:00-10:00
10:00-11:00
第2会場
本部設営&ボランテ
09:30-11:30
ィア・ミーティング
(勤労福祉会館)
開会挨拶
10:00-12:00
災害に備える地域協働
秋田・茨城発酵食+東京都
サブステージ
セミナー「東京都帰宅
食育フェア、NPO まつり実行
<応援出し物>
困難者対策条例につい
委員会
ラフターヨガ、メグバ
て」&「パネルディスカ
和太鼓一人打ち(矢澤啓史) ンド、南三陸語り部、 ッション」
11:00-11:30
音楽、パズルショー
NPO アイデアツリーヒラメ
キ
会場へ
11:30-11:45
避難誘導訓練災害救助犬同
(原宿駅 11 時
行、のぼり目印→メインス
集合⇒会場)
テージ前に到着・講評
11:45-12:15
みらい東北「笑顔でつなが
トークセッション(留
る地球」プロジェクト
学生・外国人池本修吾)
12:15-12:30
NPO 活動団体紹介
炊き出し昼食(NPO 他
12:00-13:00
12:30 ハーモニカ演奏
関係者 500 円)
13:00-13:30
音楽演奏
東日本大震災メモリ
アム
13:30-15:00
健康体操(-14:00)
災害に備える(ICS 講
14:15-14:30
災害対応訓練 shakeout
習会)
救助犬デモンストレーショ
ン
15:00-16:00
16:00-17:00
避難誘導訓練→メイン
制服向上委員会(アイドル
ご近所防災マッピン
出演―15:30)
グ使い方、発表
JAZZ 演奏
アフリカ太鼓 演奏
メランコリカ&グラフィッ
クアート
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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11/15
メインステージ
防災まつり会場
09:30-11:00
09:30-11:00
<10 時開場>
(勤労福祉会館)
10:00-参加団体紹介・挨拶
11:00-11:30
第2会場
10:00-(サブステ
災害に備える地域協
10:30-和太鼓(日本太鼓協会) ージラフターヨガ、
働セミナー:米国の自
メグバンド、
主防災組織 CERT の
10:30-笑いヨガ
訓練の現状
オカニナ
南三陸語り部、音楽、 災害に備える地域協
NPO 未来に向かって助け合い
パズルショー
働セミナー:情報伝達
アプリ説明
11:30-12:00
NPO 団体紹介
情報伝達アプリを使
って移動、(福祉会館
帰宅困難者到着→防災会場へ
⇒会場)メインステー
ジ前に到着
12:00-12:30
ブラジルダンス
東日本大震災メモリ
アム
12;00-13:00
ブラジルダンス
炊き出し昼食
JAZZ 演奏
13:00-14:00
早稲田大学軽音楽部 演奏
避難所運営シュミレ
ーションゲーム
和太鼓(日本太鼓協会)
14:00-15:00
NPO 団体紹介
マッピング使い方、
発表
ヘリ運用発表(台風
14:15-14:30
14 : 30 -
災害対応訓練 shakeout(メイン 18 号等)
ステージ)
救助犬位置確認訓練
救助犬デモンストレーション
発表
制服向上委員会(アイドル登
物資仕分け訓練
15:00
15:00-15:30
場!)
15:30-16:30
ギター弾き語り
-16:00
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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Ⅲ.防災まつり内容別プログラム
■ Day1am
帰宅困難者対策フォーラム in 防災まつり
11 月 14 日(土)9:30-11:30
場所:第 2 会場 渋谷区立勤労福祉会館 第一洋室
※会場が異なりますのでご注意ください。
〒150-0041 渋谷区神南 1-19-8 渋谷区役所の手前、パルコの筋向い
定員:90 名(先着順)
★テーマ:予想される首都直下大地震など巨大災害の発生に備える
開 会 : 河口博行(NPO まつり実行委員長)
挨 拶 : 後藤真太郎(市民キャビネットスマート ICT 部会/立正大学環境システム学科教授)
シェイクアウトについて:宮崎賢哉(日本シェイクアウト提唱会議事務局次長)
★講演:(敬称略)
東京都帰宅困難者対策条例について(40 分)
森永健二 東京都防災部 事業調整担当課長
★パネルディスカッション(50 分)
テーマ 「渋谷区域の帰宅困難者・避難誘導」
パネラー ・国副 隆 渋谷区課長(危機管理部・帰宅困難者対策担当)
・後藤真太郎(市民キャビネット/立正大学環境システム学科教授)
・天野徹(市民キャビネットスマート ICT 部会/明星大学人文社会学科教授)
・森永健二 東京都防災部 事業調整担当課長
コーディネーター 河口博行(NPO 法人 ニッポン・アクティブライフ・クラブ)
★地域・避難誘導の演習(帰宅困難者避難誘導訓練)
フォーラム終了後 11:30 から代々木公園イベント広場会場に移動
(渋谷区立勤労福祉会館⇒NPO まつり会場)コース
■Day1pm
ICS 入門・ご近所防災マッピングセミナー
11 月 14 日(土)13:00-16:00
場所:防災まつり本会場(@代々木公園イベント広場内)
プログラム:
13:00-13:30
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in 防災まつり
防災まつり 2015 in 代々木公園
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東日本大震災メモリアム
村上 タカシ(MMIX LAB/市民キャビネット/宮城教育大学)
メディアを融合させ、アートと地域を結びながら創造的芸術活動を行い、自然の驚異を一
つの資源と捉え、復興の“想像力”へと変えていった過程を紹介。
13:30-15:00
災害に備える(ICS 入門講習会)講師:山上千花江(防災教育コンサルタント)
司会:山中邦久(市民キャビネット災害支援部会/災害ボランティア)
※山上千花江:札幌生。看護師経験後、国内外の紛争・災害活動援助を行う。
2013 年 、 ア メ リ カ で 災 害 ・ 危 機 管 理 (Master of Disaster and Emergency
Management)を学び修士号取得。現在、北海道で危機管 理・災害マネージメントを広
げるため活動中。
(*ICS:災害時に指揮系統の統一・情報共有をおこなうしくみ)
※14:25 位に ShakeOut 訓練の案内があります。会場内のどこにいても、
「地震警報」
合図がったら、1-2-3行動で自分の身の安全確保にご協力ください。
(1分間です)
15:00-16:00
ご近所防災マッピングワークショップ
後藤真太郎・木村恵輔(市民キャビネット/Code for SAITAMA/立正大学)
■ Day2am
CERT に学ぶ防災・帰宅困難者避難誘導セミナー in 防災まつり
11 月 15 日(日)9:30-11:30
場所:第 2 会場 渋谷区立勤労福祉会館 第3洋室
※会場が異なります。
〒150-0041 渋谷区神南 1-19-8 渋谷区役所の手前、パルコの筋向い
定員:50 名(先着順)
大地震発生時に対応する ICS 研修
講師:山上千花江 (防災訓練トレーナー)
米国の自主防災組織(CERT)における ICS を使用した訓練の現状を紹介。
(*ICS:災害時に指揮系統の統一・情報共有をおこなうしくみ)
情報伝達アプリ使って帰宅困難者の避難所誘導・実地演習
講師:天野徹 (市民キャビネットスマート ICT 部会/明星大学教授)
スマホを活用して、ネオポスターによる被災者プル型の避難誘導を訓練により体験。
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(*ネオポスター:防災情報を街かどに貼付できるツール(外国語数カ国=対応可能)。こ
れを利用しながら避難誘導を行います。説明会終了後、渋谷の街から本会場を目指します。)
■ Day2pm
避難所運営・緊急時マッピングセミナー in 防災まつり
11 月 15 日(日)12:00-16:00
場所:防災まつり本会場(@代々木公園イベント広場)
プログラム:
12;00-12:30
東日本大震災メモリアム
村上 タカシ(MMIX LAB/市民キャビネット/宮城教育大学)
メディアを融合させ、アートと地域を結びながら創造的芸術活動を行い、自然の驚異を一
つの資源と捉え、復興の“想像力”へと変えていった過程を紹介。
13:00-14:00
避難所運営「シュミレーション」ゲーム(HUG)
上村貴広(社会福祉協議会災害ボランティアセンター/市民キャビネット災害支援部会)
避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館
や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来
事にどう対応していくかを模擬体験するゲーム。プレイヤーは、思いのままに意見を出しあ
ったり、話し合ったりしながらゲーム感覚で避難所の運営を学びます。
14:00-15:00
市民防災ヘリコプター用・救助犬位置確認用マップワークショップ
後藤真太郎・友弘匠(市民キャビネットスマート ICT 部会/Code for SAITAMA/立正大)
マッピング成果発表
復興 IT 支援ボランティア・長洞村チームなど
15:00-16:00
支援物資仕分け訓練
天野 徹(市民キャビネットスマート ICT 部会/明星大学)
スマホ・アプリの活用でトレーサビリティのある支援物資の集積と分配など新しいシス
テムに挑戦します。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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Ⅳ.災害ボランティア活動の未来へ向けて
「公助」から「自助」「共助」能力向上の仕組み作り
平成25年12月の中央防災会議「首都圏直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」
では、同じく「首都直下のM7クラスの地震及び相模トラフ沿いのM8クラスの地震等の震
源断層モデルと震度分布に関する報告書」を基に報告されています。
被害想定は東京湾内で3mの津波ですが、神奈川、千葉では10mを超す場合を想定し、揺
れによる全壊家屋約 175,000 棟、その死者最大約 11,000 人。揺れによる建物被害に伴う要
救助者最大約 72,000 人。市街地火災の多発と延焼で最大 412,000 棟が焼失。火に囲まれた
火災旋風の発生により、火災による死者は最大 16,000 人となっています。
ライフラインは寸断され、上水道復旧は数週間を要する地区を想定、下水は 1 カ月以上を
要するとされます。固定電話は 1 週間以上の不通。携帯電話は通信規制が 2 日目以降に緩
和されたとしても停電、燃料不足により利用ができないエリアが拡大。インターネットは遅
配が想定されるも概ね利用可能であるが、同じく停電が長期化する困難が見込まれます。東
京都内には交通規制が引かれ、都内からの帰宅難民の流出、都内への車や市民の流入も 3 日
間は制限されることになります。自己完結型の災害NPOが関係機関と連携して都外から
入れるかどうかも状況次第で、震災後 3 日間は自力での救助活動かも知れません。
予想される首都圏大震災や南海トラフ大震災は、国家的な中枢の破壊や大規模での大きな
対応能力の限界が考えられます。全国の消防、レスキュー、警察、海上保安庁や自衛隊の総
力を上げてもどこまで対処できるでしょうか?
例えば、自衛隊員総数 20 万人での対応で間に合うでしょうか。それらいわゆる「公助」に
は限界があります。そのためには市民自
らが生き延びる力(自助)を身に着け、近
隣や公助の支援が来るまで共に助け合う
(共助)コミュニケーションが大事にな
ります。その規模は災害当事者としてだ
けでなく、全国、世界各地から支援に来て
くれる仲間と有効に協力できる「受容力」
も必要であり、駆けつける各地のボラン
ティアも自己完結され、組織化やある一
定のコントロールされたものでなければ
なりません。
「自助7:共助2:公助1」といわれる広域な大規模災害では原則はまず自分
が生き残ること。そして、目の前の人々と協働して自分たちが生き残ることにあるといって
いいでしょう。災害対応を行う NPO の使命は、その中心的役割を組織的に担う民間機関で
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あり、地域リーダーであります。同時に、国や行政といった公的機関の欠点でもある柔軟性
のなさや目の届かない隙間を埋めることにあります。あくまでも「現場」
「市民」優先での
自分たち自身が共に助け合うことが基本です。
3つの活動目標
そのために私たちは国や行政に対して①「協働型大規模災害」対応の協働訓練、連携体
制、調整会議などを提言してきました。同時にそれらを有効にするマネジメントに米国か
らの②ICS(インシデント・コマンド・システム)の導入を推進しています。さらに、全
国各地の災害ボランティア組織にこのマネジメント・システムを普及させようと活動して
います。同時に、NPO やボランティアの連携を深め、国民の「自助力」と「公助力」向
上のために③国民総ファースト・レスポンダー(CFR)化を組織化し、学習の推進を目標
としています。
このガイドは今回の
「NPO 防災まつり」
に参加する多くの来場者の案内であるだけでなく、
この機会に開かれるセミナーなどを通じて NPO、ボランティア養成のためのものとして必
要事項をまとめたものです。また災害支援 NPO の標準化された行動規範のガイドにもなる
よう作られています。
東京首都圏直下での地震をモデルに居合わせた市民間の連携、帰宅困難者や集結する災害
ボランティアの「協働」支援をスムーズに行う目的で、NPO に対する災害支援の標準化を
アメリカのマネジメント法でもある Incident Command System(ICS)
「緊急事態対応シス
テム」をベースに学習、普及することにあります。
そのために大規模災害とともに、その時の国や行政機関、様々な NPO がどう動くかのイメ
ージを擦り合わせ、掘り下げての役割ゲームのような動きでイメージトレーニング(DIG 方
式)として実施するものです。ですからこのガイドは、その用語や使用に関して簡単な案内
をする目的で書かれています。
1.ICS 学習の目的
この「防災まつり」では、まず地震が発生した時の自分の身を守る安全行動を ShakeOut 訓
練として学び、災害のイメージを得ることに目的があります。そして、都会に通勤・通学、
観光や買い物に来た住民でない市民が、その場に居合わせた者同士がどう協力して帰宅難
民にならずに、東京都や渋谷区との連携で「帰宅困難者」として指定された「避難場所」
「避
難所」へ移動できるか、コントロールされたNPOやボランティアの組織化、各救援機関や
NPOがバラバラで活動する非効率、いわゆるムリ・ムダ・ムラをなくして相互補完的に総
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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力を結集できる管理システム(ICS)で運用できるかの問題提起です。そのいくつかのプロ
グラムや実証実験が準備されています。まずは NPO 側がこのシステムを理解し、習得する
ための学習が今回の大きな目標であるのです。そのための各 NPO リーダー研修を目的にし
ています。これを持ち帰り、各NPOで拡散、活用できることが今回の成果です。
それではその ICS とは何か、簡単に知識として紹介しておきましょう。これらに関しては
14日の午後、15日の午前中にセミナーも用意されています。ぜひ、受講をお願いします。
2.ICS(インシデント・コマンド・システム)とは何か?
ICS は 70 年代にアメリカの山火事災害対応から、
各自治体、州やカナダとの境界を超え、
組織を超えたマネジメントが研究されることからスタートしたと言われています。その動
機は、現場での以下のような混乱の反省から生まれています。
② 一度に多くの人が、一人の監督者に報告するので処理しきれない。
②それでいて関係機関がそれぞれ異なった組織構造になっており、組織的な対応が困難。
③信頼のおける情報が流れてこない。
④通信装置や通信手順が統一化されていない。
⑤関係機関の間で共通の計画を策定するシステムがない。
⑥指揮命令系統が不明確。
⑦関係機関が使用する用語が統一化されていない。
⑧目標が不明確。等の多くの問題に直面したため、1979 年に消防大学校(Fire Academy)
が次のコンセプトの下で「ICS」を開発したのです。
A.小規模なものから大規模なものまで、緊急事態の大小や種類を問わず使用できる柔軟
性のあるシステムであること。
B.日常的な事故から大規模な災害まで、あらゆる緊急事態対応に使用できるものである
こと。
C.全国から駆けつけてくる多種多様な機関の職員が、すみやかに溶け込めるような共通
のマネジメント構造になっていること。
D.費用対効果の良いシステムであること。
現在、アメリカでは、連邦緊急事態管理庁(FEAM)のバックアップでこのプログラムは、
全米 50 州で採用されていて、災害ボランティアの学習に e ラーニングもあります。
このプログラムは、自治体が実施主体で警察または消防機関が管理運営し、米国の地方政府
レベルでの自主防災組織(Community Emaergency Responce Team)CERT メンバーとの
連携強化と予算、支出管理までを行いますが、連絡調整や運営は、CERT が雇用する専門職
員と、メンバーの多くは NPO やボランティアで構成されています。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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その組織的な役割は、自身のコミュニティが災害時に対応するだけでなく行政などが緊急
時に不足する補完機能であり、広範囲に及ぶ大災害や大規模被災地に、消防や警察などを派
遣した穴を埋め、早急に対応できる体制づくりに活用されるの
です。そのための装備や訓練プログラム、活動の領域指定など
が想定されています。
※詳しく知りたい方は、saigai-v.net のサイトを参照下さい。
3.ICS組織と役割
ここでは本部組織と、各分担(部隊・班)の組織とそれぞれの
役割について簡単に示しておきます。
大規模災害支援では、それ
ぞれの役割の明確化と機能、
そして統制、コントロール
された活動が大切です。実
際、多種多様なボランティ
アのネットワークだからの
システムが求められました。
多くの災害現場で組織化されないボランティアと犯罪者が混在しては無用な混乱を広げる
ことにもなっています。不要でムダな支援物資が山積みにされたこともありました。SNS
(ソーシャルネットワーク)の無責任情報で活動が阻害されたこともあります。
そのためにコマンド(指示・命令)
、人員(役割・任務)の統一性:が ICS の基本となります。
つまり、以下の原則です。
・どの組織、チームも情報は 1 つだけ とし、その ICS の組織的上位者に報告します。
・ICS の上司は、報告は自分の組織、チームからのみ受信します 。
・活動は 2 名(バディ)が原則で、1 チーム 5 名程度の班。5 チーム程度で 1 部隊。
・現場対応の小さな組織(CFR)は、よりスキルのあるリーダーや上位レベルの部隊が到着
したらスムーズに権限を渡し、より大規模な組織に再編されます。
4つの役割別の部隊で1つの ICS 組織となり、この基本構造が連結して臨機応変に組織拡
大します。つまり、大規模なボランティア組織が有機的に連携するためには。各 NPO の基
本がこのシステムを採用し、熟知、トレーニングされることが必要だという訳です。
大規模災害では、沢山の組織や部隊が現場参集し、混成して救助や捜索活動、避難誘導や避
難所開設、物資集積・配布や避難所運営などに当たります。中には火事場泥棒や性的被害な
どの犯罪、流言飛語や物資の横流しなども想定できます。
ですから ICS では各団体が発行する身分証とともに、必ず所属と役割を担い、そのチーム
12
防災まつり 2015 in 代々木公園
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編成は 2 人 1 セットのバディでの行動と5人程度の班で作られます。6人以上になると出
来るだけ 2 班に分けるようにし、コントロール不能にならない組織を作るのです。個人の
責任を明確にしつつ、バディ(相棒)が担保・サポートしながら、チームプレーを重んじる
という訳です。
大規模な集団や混成部隊でも原則はこの小さな集団を積み重ねていくような感じで大きな
組織を形成します。ICS の大きな目標は以下の 3 点です。
1.生活の安全性(被災者とボランティアの安全≒自助、共助の原則)
2.災害支援の安定化(計画的、継続的な支援の実施)
3.資源や情報・ツールの確保(後方支援や財務、募金までを含めて上記の 2 点を支える仕組)
<本部機能>
本部はこれらの目標のために、外部との関係者会議や資源(リソース:人・物・金)を調達
し、物資の流通(トレーサビリティ)がありコントロールされた配分を計画、実施します。
そのために、そのセクションは情報計画や政府や行政との折衝、情報交換などスタート前の
準備が大事ですが、想定された計画(Plan)が訓練を始まるためにはコマンド(状況伝達や
実行指示)をいかに効果的に出せるかにその力量がかかっているといえるでしょう。そして、
各部隊が実行(Do)し、報告と評価でチェックし、さらに改善された行動や結果へと、いわ
ゆる PDCA サイクルで進められます。
本部自体が小さな ICS 組織として機能して、各 NPO 団体もそれぞれが ICS 組織体として
どんどん連結して増大していくイメージでしょう。それぞれが ICS をマスターして独自に
機能しつつ、上意組織に連結、協働していく部隊となります。だから、報告、連絡・命令の
マネジメントが重要なのです。
これは軍隊での作戦行動と同じです。戦略本部で戦線の状況と持っているリソース(兵力)
をマッチングさせ、効率的・効果的に実行させる作戦と命令を出すのです。映画にあるよう
に大きな地図での作戦参謀からの説明を今度は部隊の各小隊長に伝達するシーンです。ICS
では、そのために決められた書式があり、まずは災害の状況報告(ICS201)と組織図、兵
力を 1 枚のシートにして情報を共有します。次にそれぞれの部隊の戦略目標(ICS202)や組
織ごとの割当リスト(ICS203~204)、ラジオ(通信)コミュニケーションツールに関する
もの(ICS205)
、医療計画(ICS206)
、組織のチャート図(ICS207)、チェックリスト(ICS211)
など各書式によって標準化されるのです。
これらが現場に降りて行き実行され、その効果や過不足、要請となって本部に戻ってきます。
それを精査、評価すると共に募金や財務、後方支援部隊の物資調達、支援人増員などに流す
ことでそれぞれが孤立することなく、効率的な再行動で現場を改善し作戦を成功させると
いうマネジメントです。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
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<各部隊の機能>
次に各部隊の役割と機能を簡単にまとめておきます。
今回の部隊編成は左の組織図にあるよ
うに、計画情報部隊、実行部隊、後方支
援部隊、財務・総務部隊の 4 つのセクシ
ョンとなっています。
ICS では、
実行部
(Operation Section)
が作戦行動の実行部隊。
計画情報部(Planning Section)
が人員配置や補給などの前線での支援計画化部隊。後方支援・物流部(Logistics Section)
がまさに支援物資集積や増員、兵站部隊(補給部隊)となります。そして、それらの資金的
な対応や経理を財務・総務部隊(Finance Section)という会社組織のような編成となって
います。
またそれらの場所から次の施設分類がなされ、頭文字のマークで示します。それは災害対応
の施設や設備として、本部指揮所のことを Incident Command Post(ICP)と呼び、人員の待
機場所を Staging Area(SA)、支援物資集積場所を Base(B)、人員の休息・就寝や食事場所
を Camp(C)、ヘリコプターの基地を Helibase(H)で表し、ヘリの一時的な離着陸場所を
Helispot と呼び、地図上では●で表示し、例えば第 3 スポットを「H-3」といった具合に表
現します。
4.計画的な支援活動
ICS では各隊や各ボランティアが勝手にバラバラで活動しての重複や混乱を避けるため
に、必ず作業計画あるいは現場作業計画(Incident Action Plan(IAP)
)を作ります。ま
た、様式が統一化されていないと混乱を招くため、IAP は統一化された用紙を使用しま
す。
主として次の書類があり、FEMA サイトからもダウンロード可能です。(ICS Forms)

目標シート (Statement of Objectives): 達成すべき目標を記載したもの。報告
書にもなります。目標は、測定可能なものでなければなりません。(様式:ICS
Form 202)

組織図(Organization): 組織構成を、どのようにするかを記載したもの。
(様
式:ICS Form 203)
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防災まつり 2015 in 代々木公園
http://www.bousai-v.net

戦術及び勢力配備(Tactics and Assignments): 目標達成のための戦術及びどの
ような人員や資機材を割り当てるかを記載したもの。(様式:ICS Form 204)

参考文書 (Supporting Material): 通信計画(ICS Form 205)、医療計画(ICS
Form 206)
、地図、輸送計画、気象情報、特殊警報、安全警報等。なお、通信計画
と医療計画以外は、標準化された様式はなく、適宜作成されます。
5.統一化されたルール
ICS では災害現場にいる全ての者が共通に従わなければならないルールとして次の事項が
定められています。

基本的に全ての指示を自分の所属する ICS 組織から受けること。
(自分が報告すべ
き場所、報告すべき時刻、任務遂行時間、割り当てられた任務の内容、通信方法
等)

自分の任務遂行に必要な消耗品や資機材は、自分で持ってくること。
(長期の任務
遂行の場合は日常品等も)

現場に到着したら、必ずチェックインをすること。チェックインをする場所は、場
合によって異なりますが、訓練では会場受付。実際の現場では、ICP(現場指揮
所)内の受付係、SA(待機所)
、IB(基地)、キャンプ、ヘリベースまたは地域隊
長や班長とすることになります。実際にはまだ行政や社協との共有は出来ていませ
んから、多くは社協の災害ボランティアセンター(VC)になるでしょう。

無線交信の際は、
誰にでもわかるように明
瞭に話し、無線コールサ
イン等は使用しないこ
と。施設名称は、災害の
名称や場所の名称を付加
して呼称すること(
「△○
事故現場指揮部」、「△○
公園待機所」のように)
。
人の呼称は ICS の役割呼
称を使用すること(
「△○
班長」、
「△○隊長」のよ
うに)
。
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防災まつり 2015 in 代々木公園
http://www.bousai-v.net

直属の上司から緊急事態の概要に関するブリーフィングを受けること。自分の役割
を確実に理解すること。

必要な文書を受け取り、自分の作業場所は自分で探し設置すること。

自分の部下は自分で組織し、自分でブリーフィングすること。

交代の者が来た場合には引継ぎのブリーフィングを実施すること。任務を離れる前
に自分が担当している書類を作成し、上司または文書係に渡すこと。
6.編集後記に代えて
今回は「防災まつり」という、言ってみれば楽しみながらいくつかの新しい仕組みや IT
活用での試みを披露し、多くはシュミレーション、図上訓練となります。時間軸ではバラバ
ラな展示やスケジュールですが、イメージ・トレーニングとしては自分でストーリーを想像
しながら、リーダーとしての課題を発見しましょう。私たちは問題を提起し、今後の NPO
やボランティア養成の題材を提供できればと考えています。来る、東京オリンピックではよ
り大勢のボランティアが養成されますが、こうした機会にもこの ICS や CFR の考え方が啓
発できたとすれば、今回のイベントは大成功だと思います。これらの仕組み、考え方がうま
く機能するためには、偶然居合わせた人間同士のコミュニケーションが一番大切です。どん
なに効果的なシステムや IT、マネジメントがあっても、普段づきあいや誰とでも仲良くで
きる人柄を作ることが現代社会では案外難しいのかもしれません。
このガイドは会場の案内だけでなく、
ICS セミナー入門のための資料ともなっています。
今回はそれを非日常的な意味で「お祭り」に例え、2日間のコミュニティを作ることができ
れば幸いです。
<その他の>用語の説明:
DIG(Disaster Imagination Game=災害イメージゲーム)※Dig=掘り起こす、探究する、
理解するという意味もある。
HUG(避難所・運営・ゲーム)頭文字のローマ字から名付けられたもの。
その他、不明な用語があれば、お気軽に各会場でご質問ください。
災害NPO&ボランティアの防災まつりガイドーICS入門資料―
発行年月日:2015 年 11 月 14 日
頒布:100 円(印刷代カンパをお願いします)
発行責任者:市民キャビネット災害支援部会・防災まつり世話人会
山中邦久(災害ボランティア)
※このガイドは「NPO 防災まつり世話人会」メンバーのNPO法人ワーク埼玉が作成・印刷しました。
内容に関しては同団体の責任のものとに編集されています。ご質問・お問い合わせは以下のメールへお
願いします。[email protected]
ホームページ
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http://www.saigai-v.net
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