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Title ドイツ倒産法における物上代位 - 慶應義塾大学学術情報リポジトリ

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Title ドイツ倒産法における物上代位 - 慶應義塾大学学術情報リポジトリ
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ドイツ倒産法における物上代位 : 倒産管財人の処分による代位物の規律
水津, 太郎(Suizu, Taro)
慶應義塾大学法学研究会
法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and sociology). Vol.81, No.12 (2008. 12)
,p.231- 268
Journal Article
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20081228
-0231
ドイツ倒産法における物上代位
「基本状況」
川特別財産の維持
倒産管財人の処分に対する類推適用
山代位条項伺小括
2
日強制執行における物上代位規定の類推適用
川執行客体上の帰属関係の維持
-強制執行における物上代位規定
倒産管財人の処分に対する類推適周
川代位条項削小括
2
囲総括
付要約
五結語
口比較法的示唆
郎
ドイツ倒産法における物上代位
||倒産管財人の処分による代位物の規律||
什二つの方法
処分の有効性の問題
新倒産法の立法過程
-特別財産における物上代位規定
口特別財産における物上代位規定の類推適用
太
一問題の所在
j幸
二ドイツ法における物上代位概念一般
付意義
口規定
日性格
1
付対象 の 限 定
三倒産法における物上代位の基礎
2
口解釈 と 立 法 の 経 緯 の 概 観
2
新倒産法における議論状況
-旧破産法および旧包括執行法における議論状況
3
臼管財 人 の 法 的 地 位 論 と の 関 係
四倒産管財人の処分に対する物上代位規定の類推適用
2
3
1
水
問題の所在
)
1
l
スでは結論それ自体にも問題が生じる。すなわち、管財人が私人または他の倒産財団の管財人と
)
(
一般に意
これらの問題は、倒産法における物上代位の基本問題とみることができる。しかし、わが国ではこの間いにつ
該倒産財団に帰属すべきなのか、帰属すべきとしたらその結論はどのように基礎づけられるのか。
して、あるいは当該倒産財団のためにする意思を有することなく処分するとき。こうしたケl スでも代位物は当
他方、次のケ
はない。しかし、その根拠はどこに求められるのか。管財人の法的地位をめぐる議論で十分に説明できるのか。
団のためにする意思で処分を行うときには、処分により取得されたものが当該倒産財団に帰属すべきことに争い
る。その際、管財人が(複数の倒産手続を手掛けている際には適切な)倒産財団の管財人として、かっその倒産財
倒産手続において管財人が選任される場合、管財人はその職務の遂行のために倒産財団に属するものを処分す
(
l
ダ
l
4
の包括的・体系的研究が登場し、問題全体の構造が明瞭になっている。
(
)
以下では、予備的作業としてドイツ法上の物上代位概念を概説したあと(二)、倒産法における物上代位、さ
るという形式をとりたい。問題の所在をクリアにするにはそれが適当と思われるからである。
平板な紹介ではなく、物上代位によりすべての問題を処理すべきとする立場から他説を批判し、自説を基礎づけ
本稿ではこうした状況を踏まえ、問題提起として、ドイツにおける議論状況を整理・分析する。その際には、
には、ハ
3
320)時代から、簡単にではあるが、この問題につき議論がなされてきた。そして、新倒産法(H50)施行後
これに対して、わが国の倒産法制に大きな影響を及ぼしてきたドイツでは、旧破産法(KO)・旧包括執行法
)
き立ち入った考察を行ったものはみあたらない。というより、そもそもこうした問題があること自体、
識されていないようである。
2
(
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
2
3
2
ドイツ倒産法における物上代位
らに右に掲げた問題に焦点を絞って考察し(三、四)、最後に、考察の成果を要約するとともに、若干の比較法
)
)
的示唆を析出することにしたい(五)。
ドイツ法における物上代位概念一般
5
(
位。ロ)それ自体に関する明文の規定は存しない。この意味で、物上
円
gmm
いる理解を適切に集約したものとみられるからである。
8
代位は学理上の概念である。ここでは M ・ヴォルフの定式を引いておこう。かれの定式は現在一般に共有されて
Zの
E
ドイツ法上、物上代位(色Em--
6
(
意
義
)
(
)
B)、商法(HGB)、民事訴訟法(ZPO )など。けれども、倒産法( H50
)には明文の規定が存しない。後述
(9)(叩)
物上代位という概念により把握される諸規定は、ドイツ法上あらゆる法領域に散らばっている。民法(BG
同規定
ら、物上代位と呼ぶことが適切である」、「物上代位の機能は存立保護(回gSERER )の担保にある」。
窓口問 ω24司2σ)なくして行われる。代位物上の権利取得は特別な移転行為なくして法律により直接的に生ずるか
続は異なる意思表示を顧慮することなく法律により生ずる、間取得は第三者の財産を介した経由的取得(UE 各・
「物上代位は、次のメルクマールによって特徴づけられる。川従前の権利状況が代位物上に継続される、凶継
(
するように、そこでは類推適用の可否が争われている。関連諸規定の詳細についてはその考察のなかで触れるた
め、ここでは全体像を示すにとどめよう。
2
3
3
7
(
)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
制定法の状況は、次の三つの視点から整理することができる。
分される。
第三は、代位問題領域である。物上代位は一般に、「特別財産(
0
に属する(第一二)
の定式をもたず(第一凶)、法律行為的代位のみを把握し(第二)、個別執行の局面であるから個々の対象の領域
代位を把握し(第二)、 いうまでもなく特別財産の領域に属する(第三)。これに対して、後者の諸規定は、固有
前者の諸規定は、通例条項および資力条項または関係条項を含み(第一川
ω同)、法律的代位および法律行為的
本稿の文脈上重要なのは、「特別財産における物上代位」と「強制執行における物上代位」である。
∞ωの
-
仏)」という三つの領域に区分して考察される。
FEZmE民)」「個々の対象(何N百
o
mom828
ω。
E2425kg)」「集合物(R
∞Fmos任
B命洋一
岳ω
民己主 5ERagEロ)」に区
-
E5 宏司。msz
ロ)」と、「法律行為的代位(おF
のZmo
して、「法律的代位( mgZN
第二は、代位物発生原因である。物上代位の諸規定は、代位物発生原因が「法律」か、「法律行為」かに相応
以外のものは固有の定式を持たない。
は、「特別財産に関する法律行為によって取得されるものは、特別財産に帰属する」である。そして、凶これら
凶の定式は、「特別財産の資力を用いた法律行為によって取得されるものは、特別財産に帰属する」、川のそれ
. σωWEg-
Zの
82 2
o )」、後者は「代償条項(g
-)」と呼ばれる。
(悶ゅ
開mRWEgo
て取得されるものは、特別財産に帰属する」という定式である。これはさらに分解され、前者は「権利取得条項
川は、「特別財産に属する権利に基づき、または特別財産に属するものの滅失、損傷もしくは侵奪の代償とし
wEgo
-)」、同「関係条項(
回宮ロmωES
巳ω
)」、凶その他に分けられる。
力条項(宮室。-
R宵
g閃
CRamZSEgs-)で
」 ある。これは、川「通例条項(円高己自営位向E
。
己)」、川何事「資
第一は、「代位条項(∞
2
3
4
ドイツ倒産法における物上代位
同性格
通説の理解を総合すれば、物上代位は、典型的には次のような性格を有するものとみられる。
物上代位とは、客体が交替する場合(代償)に、法律に基づき(法律)、当事者の意見を顧慮せず(当然)、かっ、
H
直接」性を導き出し、こうして財貨帰属を担保する。その際には、意思(当店。)も、
経由的取得なくして(直接)、財貨帰属を代位物上に確保するものである。すなわち、「代償」性を起点として、
「法律 H当然」性と「法律
形式( EEESFOB 早急一。窓口EE 釘宮町)も、いずれも顧慮されない。具体的には、①当事者意思を無視し、
(日)
②公示いかんを問わずに帰属変動をもたらし、③顕名なくして他人効を生じせしめる。
巳 285EO
)、②物権法における公示原則(EEESZ
gEE
司ER --。民
-
85 胃 EN
仲間})、③代理
m-
だから、物上代位では、本質上、私法の一般原理との矛盾衝突が生じる。すなわち、①法律行為法における私
的自治( PZ
l
スが問題となるが、重要なも
一つひとつ個別に吟味して
(ロ)
55vso)」にとどまる。だから、明
付ems-同省江N
法における顕名主義(。窓口 Z5mgES 件児。窓口g
仲
口間】)といった諸原理を、物上代位は破壊する。
したがって、物上代位は一般原理ではありえない。あくまで「例外事
(臼)
いくつかのケ
文なくして当然に認められるものではない。そうした場合には、類推適用の可否を、
倒産法における物上代位の基礎
いかなければならないのである。
対象の限定
「基本状況」
さて、物上代位は倒産法上どのようなかたちで問題となるのか。
2
3
5
(一)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008:
のは次の三つであると考えられる。
たは意思は役割を演じるのかが問題となる。
二つは、倒産管財人が取戻権・別除権に服するものを処分した、というケ
l
l
l
l
l
スである。
スである。つまり、取戻権・別除
l
スである。問題の所在は、
(日)
スが倒産法における物上代位の「基
スに焦点を合わせるものである。倒産法における物上代位の基礎を理解する
スを取り上げることで十分であろう。というのは、このケ
(日)
スについては、次の点に留意しなければならない。すなわち、①管財人の処分に焦点を合わせるた
(口)
めに、「法律的代位」は考察の対象から除外されること、②「処分(志江m口
gmこ概念につき、「取立て(回ロ包0・
当面のケ
本状況(のEEwgEo --巳宮口)」であり、他の二
ケは変則的ないし応用的なものとみられるからである。
lス
には、このケ
これらのうち、本稿は最初のケ
に帰属すべきではないか、という点にある。
取戻権者・別除権者に帰属すべきではなく、したがって、反対債権は取戻権・別除権の負担を受けずに倒産財団
債務の履行に財団の積極財産が用いられた以上、同時履行の抗弁権の消滅による反対債権の実質的な価値増大は、
者の権利が設定されていたところ、倒産管財人が債務者の債務を履行した、というケ
三つは、倒産手続開始前に債務者が双務契約を締結し、債務者の反対債権に取戻権・別除権が認められる第三
としたらその要件はどのようなものかが問題となる。
権を侵害する処分がなされた場合である。この場合には、取戻権・別除権が代位物上に存続するのか、存続する
l
ここでは、代位物帰属の根拠として物上代位を援用することが必要か、代位物帰属いかんにつき管財人の態度ま
一つは、倒産管財人が(取戻権・別除権に服さない)倒産財団に属するものを処分した、というケ
)
l
スが念頭におかれること、③無償処分は代位物の発生をもたらさないため、ここで
FC
ロ肉)」が含まれるかどうかには争いがあるが、ここでは取立ても含む広義の処分概念を使用し、「譲渡および
取立て」という典型的なケ
2
3
6
H
(
ドイツ倒産法における物上代位
の処分は「有償(
g
高島出島)」処分に限定されることである。
処分の有効性の問題
2
(日)
-
gEE 畑町)」を基準とすることで、手続関与者の利益と法的取引
250 一六四条)、ただその手続目的に明白に反する場合に限って、無効になるにとどまる。このように
倒産財団のためにする意思で処分するケ
l
ス(以下「正当」ケ
l
l
ス(同様に「不当」ケ
l ス)
スと呼ぶことがある)のみならず、管財人の態度
または意思が適切でなく、この意味において不当に処分したと評価されるべきケ
(幻)
であっても、処分は有効となりうる。
たとえば、次の事例を想定されたい。ω複数の倒産手続を手掛けている管財人が過失により他の倒産財団に属
2
3
7
したがって、倒産管財人が、(複数の倒産手続を手掛けている際には適切な)倒産財団の管財人として、そうした
の保護が双方適切に顧慮されるのである。
「明白な手続目的違反(。民gg 同志止各店ロ向調
であり
(5
阿0 八 O条一項)、管財人の処分は原則として有効である。管財人がその義務に違反し処分した場合ですらそう
この間いにつき、支配的見解は次のように理解している。倒産管財人は包括的な管理処分権を有するから
(却)
したがって、倒産管財人の処分はいかなる場合に有効なのかをまず確定しなければならない。
有効処分の場合には、処分は有効である以上、このような限定は問題とならず、つねに代位が問題となる。
場合には、権利者が追認した場合あるいは善意取得が成立した場合に限って、代位が必要となる。これに対して、
たものはなお特別財産に帰属しているため、代位を認める必要が存しないからである。したがって、無効処分の
一般的にいえば、無効処分の場合には代位は問題とならない。というのは、処分が無効である以上、処分され
である。
)
FW
最後に、重要な問題を検討しておく必要がある。それは、処分の「有効性(巧庄内】
片S)」と物上代位の関係
2
M
(
)
l
スでも、 ωωωのように処分が有効になる場合がある。だから、不
2
3
8
するものを処分した場合、間倒産管財人が意図せずして自己の弁護士としての職務の一環として処分した場合、
ωω
ω倒産管財人が管財人資格の開示により足元をみられるのを防ぐためにあえて開示を控えて処分した場合。
ω の際には管財人自身が意識的に管財人資格を秘匿しているが、その目的はあ
では倒産管財人のほか、事務員の過誤が考えられよう。各々の資格が印刷されている便筆を取り違えて使用して
しまうのはありうることである。
くまでより高額な代金を手に入れるためである。これらの処分はたしかに不当かもしれないけれども、手続目的
に明白に反するとまではいいきれない。処分は有効になる。これに対して、次の事例では事情は異なる。
ω 倒産
管財人が自己または第三者のために反対給付を取得する旨を相手方に示して処分した場合。明白な手続目的違反
スのみならず不当ケ
スにおいても代位が問題となりうる。では、 ω のようにやはり処分が無効となる場合はどうか。追認は観
l
であることはいうまでもなく、処分は無効となる。
l
要するに、正当ケ
当ケ
念できず||倒産管財人が追認したとしても無効||、また、手続目的違反の明白が前提となるから善意取得の
成立も想定しにくい。もっとも、例外的に善意取得が成立する場合があれば、その際には代位が問題となろう。
ω
次の点を補足しておく。印ωω における処分の有効性がどのように根拠づけられるのか、という問題には本稿
は関心を有さない。これは、管財人の法的地位をめぐる議論において応答されるべき問題である。もとより、
ωωのうちのいくつかにつき処分はやはり無効である、という立場も考えられる。しかし、その際には、善意取
得が認められる場合に限って代位が問題となるというだけである。そうした立場がありうることは、本稿の考察
にとって本質的な問題ではない。
m
(
解釈と立法の経緯の概観
(司
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号( 2008:
ドイツ倒産法における物上代位
旧破産法および旧包括執行法における議論状況
(お)
ここで、従来の議論を簡単に振り返っておこう。旧破産法(KO)時代には、次のような議論がなされていた。
旧破産法では、破産手続開始時に債務者が有する財産が原則として破産財団となった(KO一条)。これに対
して、手続開始後に取得された新得財産は、破産者の自由財産となった。
そうすると、破産管財人の処分により取得されたものは、管財人の固有財産に帰属するのか、破産財団に帰属
するのか、あるいは債務者の自由財産に帰属するのか、という問題が生ずる。
破産管財人が正当に処分した場合には、代位物は破産財団に帰属する。この結論にはもとより意見の一致がみ
られた。しかしながら、その根拠づけについては争いがあった。これに対して、破産管財人が不当に処分した場
合に代位物が破産財団に帰属するかどうかは、あまり意識的に議論されなかった。
こうした状況は、旧包括執行法(の 20)下においても同様であった。
2
新倒産法の立法過程
としては、特別財産あるいは強制執行における物上代位の規定が引き合いに出された。
は切り離されていた。その際には一般に、財団の代位物はおよそ財団に帰属する、と説かれた。類推適用の根拠
(幻)
援用する有力な論者がいた。これに対して、物上代位論の側では、代位物をめぐる議論は管財人の法的地位論と
(部)
がここでも引き継がれることになる。もっとも、倒産法学においても、||適用範囲はともかく||物上代位を
地位の枠内で解決するあるいは解決しようとする態度がみられた。この見方にしたがえば、そこでの学説の争い
(お)
聞いの捉え方という観点からは、議論は次のように整理できる。倒産法学の側では、この問題を管財人の法的
)
(鎚)
では、新倒産法( H50)の立法者は、倒産管財人の処分により取得されたものにつき、どのような規律を企図
していたのか。
2
3
9
M
(
(却)
新倒産法は、倒産財団の範囲につき大きな変更をもたらした。倒産法委員会第一報告書(
EB
)(一九八五年)
は、倒産財団は手続開始時の債務者財産のみを把握するとしたが、事後に提出された、討議草案(DE)(一九八
2
4
0
(初)
八年)、参事官草案(同広明)(一九八九年)、政府草案(岡高明)(一九九一年)はいずれも、倒産財団はその範囲を
超えて、手続開始後に取得された新得財産も把握することを予定した。このようにして新倒産法では、「倒産手
続は、手続開始時に債務者に帰属し、かつ、債務者がこの手続中に取得する全財産を対象とする」と規定される
(幻)
ことになった(同50 一二五条)。このように膨張主義を採用した理由は、固定主義は比較法的に特殊な地位を占め
ており、旧破産法が用いた債務者および新債権者保護という論証は説得的でない、ということにある。
、(担)
しかしながら、立法理由は、「現行破産法とは反対に手続中の債務者のも財団に算入される。:::これに対し
て、倒産管理人が財団の資力により取得するものは、この意味における新得財産ではない」とする。これによれ
(犯)
ば、倒産管財人の処分により取得されたものは、旧破産法と同じく、本来であれば倒産財団に帰属しないことに
なる。
(制)
けれども、さらに続けて次のようにいうのである。「これらのものもまた||代位(∞ロ円
8mmt。ロ)により||
(部)
財団に帰属するということは、これまでにすでに破産財団の限界づけにつき承認されている」。そして、とくに
代位の規定を設けることはしなかった。
立法者による旧法下の議論状況の認識が正当であるかどうかは疑わしいが、いずれにせよ、立法者が当面の問
題につき、次の解決を企図していたことははっきりしている。すなわち、倒産管財人の処分によって取得された
(部)
代位物は本来的には倒産財団に帰属しないけれども、代位に基づき倒産財団に帰属する、という解決である。
新倒産法における議論状況
新倒産法でも、旧破産法および旧包括執行法と同様の状況が継続している。すなわち、倒産法学の側では、管
3
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
ドイツ倒産法における物上代位
(訂)(羽)
(却)
財人の法的地位論に還元するもの、物上代位を援用するものがみられ、物上代位論においては、管財人の法的地
(却)
位いかんにかかわらず、物上代位の類推適用が主張された。もっとも、倒産法学のうち、物上代位を援用するも
のが旧法に比して増加している。こうした変化が生じたのは、さきの立法資料の影響とみることができよう。
管財人の法的地位論との関係
ならない。
)
(必)
ての問題を適切に解決しうるのか。もしもこの間いが肯定されるなら、物上代位の出る幕はないといわなければ
そうすると、問題は、次の点に集約される。管財人の法的地位論は、代位物の倒産財団への帰属をめぐるすべ
たかも一般法と特別法の関係のように理解されるというわけである。
的なものであるゆえに、管財人の法的地位論で対処できない場合に限って、その適用が問題となる。つまり、あ
かなければならない。この間いへの一般的な応答は、次のとおりであろう。すなわち、物上代位はあくまで例外
このような議論の展開をみると、物上代位と管財人の法的地位をめぐる議論の関係を、あらかじめ分析してお
(司
(叫)(必)
l
スについて。倒産管財人が正当に処分した場合に代位物が倒産財団に帰属するという結論に
見解につき考察する。以下の論旨をみればそれで十分であることが明らかになろう。
機関説は、倒産財団を独立の法主体、倒産管財人をその機関と規定する。この見解によれば、正当ケ
l
スでは
は争いがない。では、管財人の法的地位論はこの結論を基礎づけることができるのか。代表的・典型的な三つの
第一に、正当ケ
という理由はこうである。
(却)
だが、事実はそうではない。「倒産管財人の法的地位をめぐる争いはこの問題との関連では役割を演じない」。
(
代位を援用する必要はなくなるだろう。というのは、倒産管財人の正当な処分により取得されたものの倒産財団
2
4
1
MU
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
(必)
への帰属は、管財人が権利能力ある倒産財団の機関として処分したことによって基礎づけられるからである。し
かし、問題はまさに倒産財団の法主体性を受け容れる点にある。倒産財団の法主体性を根拠づける明文はない。
裏側からいえば、債務者は財産の担い手たる地位を失わず(登記簿参照)、たんに管理処分権を制限されるにすぎ
ない( H50八 O条)のである。
これに対して、職務説(判例・通説)、債務者代理説は、倒産財団の法主体性の否定を前提とする。職務説によ
れば、倒産管財人は自己の(私的)職務に基づき、自己の名において債務者の有利にも不利にも行為できる。債
務者代理説は、倒産管財人は債務者の(法定)代理人であるという。しかし、両見解ともにさきの結論を基礎づ
けることができない。なぜなら、倒産財団の法主体性の否定を前提とする以上、代位物が非主体的な倒産財団の
いずれに帰属するのかが確定されなければならないが、両見解にはこれを確定する論理は含まれていないからで
スについて。倒産管財人が不当に処分した場合に代位物は倒産財団に帰属するのか、という
(訂)
ある。つまり、両見解は、倒産管財人の正当な処分により取得されたものが債務者に帰属する点を正当化できる
l
だけであり、そのうちの自由財産ではなく倒産財団に帰属する点を正当化することはできないのである。
第二に、不当ケ
問題についてはあまり意識的に議論されていない。
管財人の処分が不当ではあるが有効な場合、代位物は処分対象が属していた倒産財団に帰属するとみるのが相
l
スにおいて異なる結論を受け容れる理由は
当である。管財人の固有財産にも、(複数の倒産手続を手掛けている際には)他の倒産財団にも帰属すべきではな
(姐)
い。なぜなら、正当ケ l スですらそうなのだから、いわんや不当ケ
どこにもみあたらないからである。この論理は、管財人の処分が明白な手続目的違反に当たるために無効である
l
スの際には、倒産管財人に対して
が、にもかからわず、善意取得により処分が有効になる場合にはより一層妥当する。代位物は同じく処分対象が
属していた倒産財団に帰属するとみるべきであろう。以上に対して、不当ケ
2
4
2
ドイツ倒産法における物上代位
(川崎)
’(印)
義務違反に基づく損害賠償責任を追及しうる 250六 O条)のだからそれで対処すればよい、と応じることはで
l
スにもまして困難である。な
きない。倒産管財人の固有債権者との競合を考えればこうした債権的救済では不十分だからである。
しかしながら、この結論を管財人の法的地位論により基礎づけるのは、正当ケ
ぜなら、機関説・職務説・債務者代理説のいずれも、代位物の帰属先につき倒産管財人の態度または意思を基準
(日)
とするほかない(代表行為・職務行為・代理行為の一般理論)ために、不当処分によって取得された代位物は管財
人の固有財産あるいは誤った倒産財団に帰属するとみざるをえないからである。
、自立
第一・第二ともに、上記分析に異を差し挟み、一般理論のほうを修正・査曲し、あるいはあらたなドグマをた
て、なんとか管財人の法的地位の枠内ですべての結着をつけようとするものがあるかもしれない。しかし、そう
した試みにどれだけの意味があるかは疑わしい。物上代位による基礎づけよりも説得力があるとは思われない。
ちなみに、少しでも説明困難な部分が残る限り、物上代位の出番が生じる。だから、たとえば、第一のみは管財
倒産管財人の処分に対する物上代位規定の類推適用
人の法的地位により対処する、という立場がありうることは、以上の論旨に対する本質的な懐疑とはなりえない。
二つの方法
提唱されていた。すなわち、第一に、特別財産における物上代位規定の類推適用、第二に、強制執行における物
し、「立法者は代位がどこから導き出されるべきなのかを示さなかった」。他方、学説上は、次の二つの可能性が
(臼)
倒産法の立法者は、倒産管財人の処分により取得されたものは代位によって倒産財団に帰属するとした。しか
四
上代位規定の類推適用である。
2
4
3
(一)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008:
そこで、以下では、この両者につき立ち入った考察をくわえる。
(日)
特別財産における物上代位規定の類推適用
2
4
4
(日)
及ばない子の自由財産(BGB一六三八条二項)、例組合財産(BGB七一八条)。
gω8
Zロ何色
特別財産上の物上代位の意義は、一般に、特別財産に属するものの代位物を、特別財産を所持・管理する者の
(印)
一般財産ではなく、当該特別財産に直接的に帰属させることによって、「特別財産の維持(開岳巳
代位条項
含 22ECmo)
g」を確保するところにあるといわれる。以下、具体的な規律を概観しておこう。
ω
同全体像通例条項は、その名のとおりほぼすべてに規定されている。川のみ例外であるが、通説は類推
条項は「法律行為的代位」を規定するからである、と。
両規律の関係はこう説明される。通例条項は主として「法律的代位」を規定するのに対して、資力条項と関係
できる。
と、通例条項は他の条項と並存的に規定されうるが、資力条項と関係条項は選択的に規定される、ということが
適用を肯定している。他方、資力条項は川刷、関係条項は凶凶間同に規定されている。各条項の関係を整理する
・
財産(BGB一四一八条二項一二号)、同財産共同制終了後における合有財産(BGB一四七三条)、川両親の管理の
条)、ω 共同相続財産(BGB二 O四一条)、川先位相続財産(BGB一一一一一条一項)、凶財産共同制における留保
特別財産における物上代位は、次のものに規定されている。川表見相続人の有する相続財産(BGB二O 一九
川特別財産の維持
特別財産における物上代位規定
に)
ドイツ倒産法における物上代位
川通例
通条
例条
項項
は、「権利取得条項」と「代償条項」を合成したものである。
一般的な理解によれ
ば、権利取得条項は、①債権取立てにより取得されたもののほか、②付合・混和・加工により取得されたもの、
③取得時効により取得されたもの、④物の産出物、⑤埋蔵物発見により取得されたものなどを把握する。他方、
代償条項は、⑥損害賠償請求権、⑦保険金請求権、⑧補償金請求権、⑨費用償還請求権、⑩不当利得返還請求権
などを把握する。
(町)
このように、通例条項は、おおむね法律により生ずる代位物を把握する。例外は、「取立て(開吉区ovgm)」
(①)である。取立ては、弁済の法的性質論にもよるが、いずれにせよ法律行為的に取得されることは疑いない。
(団)
そうすると、なぜ取立てにより取得されたものが権利取得条項により把握されるのか、反対からいえば、どうし
て資力条項または関係条項により把握されないのかが問題となる。
(印)(
ω)
この間いには、一般に、次のように応答されている。取立てにより取得されたものは、「権利規定内容に相応
回25m
(臼)
)」を原因として取得されるものとは性格が異なる。シュトラウフは、前者を「実現処分(〈色町ロ宮
E
する」、簡単にいえば、「権利内容を実現する」ものであるゆえに、法律行為により取得されるもの一般、「譲渡
2E
(〈
dsgRS 止Sgm )」といい、両者の区別を定式化している。
認可昆包括)」、後者を「組替処分(
本稿との関係では、取立てにより取得されたものの特別財産への帰属の際に、取立行為者の態度および意思は
(位)
役割を演ずるのかが問題となる。この点については、さきに述べた物上代位の性格規定がそのまま当てはまる。
すなわち、行為者の態度および意思といった主観的側面は顧慮されないとすることに異論はみられない。
2
4
5
判資力条項と関係条項そうすると、次に問題となるのは、資力条項と関係条項の関係である。両者は同
じく、典型的には、譲渡によって取得されるものを把握する。とするなら、なぜ異なる定式が用いられているの
台、
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
この問題は、物上代位論のもっとも重要な論点に位置づけられ、はげしい議論が展開されている。しかし、本
稿の文脈では次の点を確認しておけば十分である。
(臼)
資力条項の際には、条文上はっきりしているように、もっぱら譲渡のために資力が用いられたことのみが基準
となる。譲渡行為者の主観的側面いかんは問題とならない。
l
スとの関係ではそのようには理解されていない。
では、関係条項についてはどうか。異なる定式が用いられている以上、異なる規律がとられるべきなのか。し
かし、当面のケ
(臼)(臼)(侃)(前)
関係条項の解釈につき、資力が用いられる場合を念頭におくと、譲渡行為者の主観的側面の顧慮をめぐり、次
の三つの学説が存する。①肯定説、②否定説、③折衷説。①が伝統的通説、現在では通説は②、③は有力説とみ
ることができよう。
H
①によれば、関係条項はこの限りで少なくとも典型的な物上代位とはいえない。この見解は、両定式の相違を
H
譲渡行為者の主観的側面を無視する
次のように説明する。特別財産は「他人の特別財産」と「自己の特別財産」に類型化される。前者では第三者
譲渡行為者の主観的側面を顧慮することは相当でないが、後者では所有者
ことは相当でない。だから、法律は、前者については資力条項、後者については関係条項という異なる定式を設
?た。
しかしながら、倒産管財人が債務者の財産を管理する場合は、「他人の特別財産」の類型に属する。したがっ
て、「自己の特別財産」の際の主観的側面の顧慮に関する上記言説は意味をなさない。
H
譲渡行為者のみの利益が顧慮されるときには主観的側面
②は、関係条項と資力条項の定式の相違を解釈論上解消しようと志向する。これによれば、譲渡行為者の主観
的側面が顧慮されないのはいうまでもない。
③に与するものはおおむねこう考えている。所有者
2
4
6
ドイツ倒産法における物上代位
50 三八条)。だ
が顧慮されるべきであるけれども、合有財産における債権者のように、第三者の利益も顧慮されるときには、資
力条項と同じく、行為者の主観的側面は顧慮されるべきではない。
倒産財団の管理は倒産管財人個人のためではなく、主として倒産債権者のために行われる(同
l
(槌)
スとの関係では、譲渡により取得されたもの
から、この見解に従っても、管財人の主観的側面は顧慮されるべきではないということになる。
以上を要するに、次のことが確認される。少なくとも当面のケ
小括
の特別財産への帰属につき譲渡行為者の態度および意思を顧慮すべきとするものはみられない。
ω
l
スとの関係では、行為者の態度および意思いかんは問題とされない。
特別財産における物上代位規定によれば、取立て・譲渡により取得されたものは特別財産に帰属する。その際
には、少なくとも当面のケ
倒産管財人の処分に対する類推適用
特別財産における物上代位規定は、倒産管財人の処分に類推適用されうるか。両者の利益状況の類似性が肯定
l
島・
N42
ルに服する場合に存する。こ
(
ω)
。昆
されれば、所問もまた肯定されよう。そして、この類似性の存否は、理論的には、倒産財団は「特別ω財
産2(・
)」であるか、という問題に昇華される。
gcmg
40 円
特別財産は、ある人の特定の財産が他の一般財産から区別され、法上特別のル
の特別取扱いの根拠は、責任(志向同gm )、管理(52mpgm)の範囲を規定するといった「目的拘束(
(河)
σ宮島gm)」にある。相続財産・留保財産・自由財産・合有財産が特別財産といわれるのは、以上の意味におい
てである。
では、倒産財団はどうだろうか。倒産財団もまた特別財産とみなされる。なぜなら、倒産財団は、倒産債権者
の引当て( H50三八条)、倒産管財人の管理(H50八 O条一項)のために、他の一般財産から法上区別した取扱
2
4
7
2
)
強制執行における物上代位規定
強制執行における物上代位規定では、①金銭執行における換価方法としてなされる、②差押目的物の譲渡と差
押目的請求権の取立てが考察される。その際には、③執行客体における執行債権者・債務者以外の者の物権の取
扱いは顧慮されない。というのは、倒産債権者はつねに金銭により満足をえる(H50四五条)(①)。そして、本
l
スが念頭におかれる。
稿では、倒産管財人が取戻権・別除権に服さないものを(③)、譲渡・取立てした(②)ケ
l スが問題となるか
らである。以下、「強制執行における物上代位」という際には、こうしたケ
では、強制執行における物上代位は、どのような意義を有するのか。総じて、次のようにいうことができよう。
qL
代位条項
a 全体像
o
というより、明文上代位の生ずることが明らかでない場合のほうがむしろ多い。以下、差押目的物の譲渡、差押
強制執行における物上代位には、特別財産におけるようなまとまった定式があるわけではない。
法上当然に、代位物上に直接存続させるところにある、と
(花)
RFZEgga 岳民件)、川執行機関の処分権(
(同
2〈
2mgmωBRZ)(およびこれに対応する債務者の処分権制限)を、
準ずるものと規定されうる)満足権(回えEg 釘 g 怒号各件)(不動産執行)、川執行債務者の財産の担い手たる地位
想文言骨ゅの宮)(動産・債権執行)、(物権に
執行客体上の帰属関係、すなわち、同執行債権者の差押質権(司窓口S弘
2
4
8
いを受けるからである。したがって、特別財産としての倒産財団を維持するべく、特別財産における物上代位規
定が類推適用されなければならない。
(
強制執行における物上代位規定の類推適用
n
川執行客体上の帰属関係の維持
(三)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号(2008
ドイツ倒産法における物上代位
て
し
る
差押目的物の譲渡
(九)
(
η)
差押目的物の譲渡による換価につき、強制執行法は、川動産、凶権利、同不動産を
目的請求権の取立ての順に考察していく。
区
(河)
場合に、権利上の帰属関係が法上当然に売得金上に直接継続するかどうかについては、明文はなく、具体的な議
(円)
論もされていない。しかし、権利の譲渡による換価の際には動産のそれに関する規定を特則なき限り参照すべき
とされているから、動産の換価の場合と同様に、所問は肯定されるものと思われる。すなわち、ここでも売得金
代位が生ずるのである。
最後に、聞について。不動産の換価は、強制競売により行われる(ZPO八六六条一項)。執行裁判所は最高価
競買人に競落する(ZVG八一条一項)。支配的見解によれば、直接の明文はないけれども(なお、ZVG三七条五
(苅)
号、九二条一項参照)、動産競売の場合と同様に代位が生じ、不動産上の帰属関係、すなわち債権者の満足権、債
務者の所有権、執行裁判所の処分権は、原則として法上当然に、競落金上に継続すると理解されている。
以上を要するに、差押目的物の譲渡では、目的物上の差押質権・満足権、担い手たる地位、処分権関係は、代
位により法上当然に、売得金上に直接継続する。譲渡行為者が各々執行債権者、執行債務者、執行機関のために
2
4
9
当該権利が譲渡可能である限り、譲渡という手段もとられうる(ZPO八四四条、八四六条、八五七条五項)。この
次に、 ω について。権利の換価は、原則として債権者への移付により行われる(ZPO八三五条、八三七条)が、
すなわち債権者の差押質権、債務者の所有権、執行官の処分権は、法上当然に、売得金上に直接継続する。
けれども、一般に、「売得金代位(開己宏
gRa 巳芯ロ)」が生ずると説かれている。その結果、動産上の帰属関係、
(河)
執行官は最高価競買人に競落する(ZPO八一七条一項)。その際、明文の規定はなく、根拠には若干争いがある
まず、川について。動産の換価は、原則として執行官により公の競売をとおして行われる(ZPO八一四条)。
別( b)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号( 2008:
する態度を示し、また、そうした意思を有していることは必要とされない。
(叩)
l
i
スが存する。 一つは、第
ス、もう一つは、第三債務者が債務
例差押目的請求権の取立て差押目的請求権の取立てには、一般に、次の二ケ
三債務者が執行債権者に対して直接給付し、執行債権者が満足を受けるケ
者のために行為する第三者に給付し、債務者が給付物を取得するケ l スである。典型例は、前者については金銭
請求権の移付における取立て(ZPO八三五条、八三七条)、後者については所有権移転請求権の取立て(ZPO
八四七条、八四七 a条、八四八条)である。ここでは、後者のケ
l
l
(剖)
スは観念することができないからである。
スのみが考察される。倒産法上、倒産債権者は
直接給付を受けることできず、したがって、前者に対応するケ
a
条二項二文によ
所有権移転請求権の取立ては、川不動産または登記された船舶、凶動産に関するそれに区別される。
川の際には、明文上、代位が規定されている。すなわち、zpO 八四八条二項二文、八四七
れば、第三債務者が不動産または登記された船舶の所有権移転につき、裁判所により選任された債務者を代理す
る保管者または受託者(ZPO八四八条一項・二項一文、八四七 a条一項・二項一文)と物権的合意および登記を行
(創)
う場合、代理の効果として所有権が債務者に移転するとともに、債権者は所有権移転請求権上の差押質権の代わ
りに、法上当然に、不動産または船舶上に保全抵当権を直接取得する。ただし、処分権関係は当然には不動産ま
八四八条二項二文、八四七
条三項、八四八条三項、ZVG二 O条一項、 一四六条一項、 一六
a
zpO
a
たは船舶上に継続しない。すなわち、執行裁判所は、債務者処分権を制限すべく、あらためて不動産または船舶
を差し押さえなければならない(ZPO八四七
条)。
他方、凶の際には、代位の明文規定は存しない。 zpO 八四七条一項は、
(位)
条二項二文と異なり、動産は債権者の委任する執行官に引き渡されなければならないとするにとどまる。しかし
ながら、根拠には若干争いがあるものの、一般にはこう理解されている。すなわち、第三債務者が動産の所有権
2
5
0
ドイツ倒産法における物上代位
(部)
移転につき執行官と物権的合意および引渡しを行う場合、代理の効果として所有権が債務者に移転するとともに、
債権者は差押質権の代わりに、法上当然に、動産上に差押質権を直接取得する。のみならず、処分権関係もまた
当然に、再度の差押えを要することなく、動産上に継続する。こうした取扱いは、凶では川と異なり、受領者が
首尾よく代位物上の管理権を有する執行官であった(ZPO八四七条二項、八一四条以下)、という事情に基づく
ものである。
以上を要するに、差押目的請求権の取立てでは、目的物上の差押質権・満足権、処分権関係は原則として、代
位により法上当然に、給付物上に直接継続する。取立行為者が各々執行債権者、執行機関のためにする態度を示
し、また、そうした意思を有していることは必要とされない。
同小
gmB
言。-
Z 店長 gm )といわれるように、両者は、執行に際して債権者
--
第一に、抽象的なレベルでは、両者の利益状況の同質性が肯定される。というのは、強制執行は個別執行aENo
ロ鬼門
2wgm
)、倒産手続は包括執行(の
第二に、より具体的に分析してみても、結論は変わらない。まず、同執行債権者の差押質権・満足権は、倒産
および目的物を個別的に規律するか包括的に規律するか、という点のみを異にするにすぎないからである。
g
利益状況を対比しなければならない。
(剖)
強制執行における物上代位規定は、倒産管財人の処分に類推適用されうるか。この間いに応えるには、両者の
倒産管財人の処分に対する類推適用
が生じる。その際には、行為者の態度および意思いかんは問われない。
強制執行における物上代位規定によれば一般に、法上当然に、執行客体上の帰属関係の代位物上への直接継続
括
債権者の権利と類似するものとみられる。なぜなら、差押質権・満足権の機能は、事後に差し押さえた者に対す
2
5
1
2
類推適用されうる。
O 四条三項、ZVG一 O条一項五号、二条二項)ところ、倒産債権者もまた、
スではあるが
(舗)
二つの方法の関係はこう理解される。両者は相互に関係なく、倒産管財人の処分への類推適用を基礎づける。
もしも要件または効果に差異があるなら、双方の関係を考察する必要が生じよう。だが、これまでの分析から明
らかなように、当面の問題に関する限り、そうした事実は存しない。したがって、もしも類推適用に反対したい
なら、両者のいずれにも類推の基礎がないことを論証しなければならない。
2
5
2
る優位を確保する点にある(ZPO八
手続開始後に生じた新債権者に対する優位を確保されている(H50三八条)からである。次に、川執行債務者の
i
財産の担い手たる地位と倒産債務者のそれは、同等と理解されなければならない。というのは、強制執行手続上
各債権者の満足後の残額が執行債務者へと帰属すべきというのと同じ意味において、||講壇ケ
||倒産手続上全債権者への弁済後の残額は倒産債務者へと帰属すべきだからである。最後に、例執行機関の処
分権は、倒産管財人の処分権と同質とみられる。その理由は、執行機関の処分権は、事後に行われる換価のため
(回)
に付与されるが、倒産管財人の処分権もまた、事後に行われる換価のために付与されるものだからである。
したがって、強制執行における物上代位規定は倒産管財人の処分に類推適用されなければならない。
総
括
総じて、特別財産における物上代位規定も、強制執行における物上代位規定も、いずれも倒産管財人の処分に
(四)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号( 2008
ドイツ倒産法における物上代位
五
キ古
三五
日日
l
スと区別して、代位物を管財人の固有財産あるいは誤った倒産財団に帰属させる理由は
前者は特別財産の維持を目的とし、そのために、行為者の態度および意思いかんを問わず、取立て・譲渡によ
つは、強制執行における物上代位規定の類推適用である。
その方法としては次の二つが考えられる。一つは、特別財産における物上代位規定の類推適用であり、もう一
らを問わずに代位物を当該倒産財団に帰属させるには、物上代位を援用するほかない。
ない。いずれの見解も代位物の帰属先につき、管財人の態度または意思を基準とするほかないからである。これ
的請求権では救済として不十分だからである。以上の結論を、管財人の法的地位論により基礎づけることはでき
みあたらない。これに対して、倒産管財人の損害賠償責任で対処すればよい、という反論は成り立たない。債権
うした場合に、正当ケ
目的に明白に反しない限り、処分は有効である。そうでなくても善意取得が成立するならば有効処分となる。こ
倒産管財人が不当に処分した場合にも、代位物は同じく当該倒産財団に帰属すべきである。不当処分でも手続
由財産ではなく倒産財団に帰属する点を正当化することができないからである。
ら、機関説は倒産財団の法主体性を前提とする点でとりえないし、また、職務説・債務者代理説では代位物が自
である。この結論は物上代位により基礎づけられる。管財人の法的地位をめぐる議論では解決できない。なぜな
倒産管財人が倒産財団に属するものを正当に処分した場合、その代位物はもとより当該倒産財団に帰属すべき
以上の考察の成果をまとめると、次のとおりである。
要
約
り取得されたものを特別財産に帰属せしめる。この規定は倒産管財人の処分にも類推適用されなければならない。
2
5
3
(ー)
1
2
)
法学研究 81 巻 12 号( 2008:
倒産財団も責任・管理の点で他の一般財産から法上区別した取扱いを受ける特別財産であるところ、同じく代位
によりこれを維持する必要が存するからである。
後者は一般に、執行客体上の帰属関係、すなわち執行債権者の差押質権・満足権、執行債務者の財産の担い手
たる地位、執行機関の処分権を法上当然に代位物上に直接継続せしめる。当該規定の類推適用も肯定されなけれ
ばならない。倒産手続も執行の一形式であるし、また、執行客体上の帰属関係の維持という要請は機能的にみて
倒産手続にも等しく妥当するからである。
両者は相互に無関係に類推適用を基礎づけるから、双方ともに退けられない限り、類推適用を肯定することが
できる。
同比較法的示唆
わが国倒産法学の観点からは、以下の点が注目される。
第一に、倒産管財人が正当に処分した代位物が倒産財団に帰属する根拠はなにか、不当処分の際には財団に帰
属すべきか、帰属すべきとしたらどのように基礎づけられるか、という問題が議論されていたことそれ自体であ
る。わが国ではそもそもこうした問題は共有されていない。しかし、とくに正当処分の問題は深刻とみられる。
この間いに応えられなければ、管財人の正常な職務が法理論上の基礎づけなく行われていることになってしまう
l
スにおいて代位物は倒産財団に帰属すべき、という価値判断が提示されていた点である。
からである。膨張主義が採用された新倒産法下ですら、議論が継続していたことを強調しておきたい。
第二に、不当処分ケ
このことは、不当処分の際には処分の有効性と管財人の損害賠償責任を論じるだけでは十分でなく、代位物の帰
属先にも目を配らなければならないことを示している。もっとも、右の論旨が直接に妥当するのは管理型ないし
2
5
4
ドイツ倒産法における物上代位
管財人型に限られることに注意しなければならない。 つまり、後見型ないし
DIP
型については留保が必要であ
る。「他人の特別財産」と「自己の特別財産」を区別する見解が主張されていたことを想起されたい。
第三に、代位物の帰属を基礎づける法律構成として、物上代位が援用されていた点である。管財人の法的地位
をめぐる議論では問題を適切に解決できない、という批判は傾聴に値する。わが国では管理機構人格説が有力で
あるが、同説も財団の法主体性を否定する以上、職務説・債務者代理説に対するのと同一の批判が当てはまる。
ただし、かりにこの批判を受け容れたとしても、物上代位による解決を採用しうるかどうかは別問題である。わ
が国には、制定法上「代位条項」が少ないという基本的な障害がある。また、物上代位の基礎理論研究に乏しく、
概念に関する学問上のコンセンサスが存しない。しかし、これらの問題性を認識せしめたことまさしくそれ自体
のうちに、もっとも重要な比較法的示唆をみてとるべきであろう。
(1)わが国現行倒産法制上、管財人が選任されるのは、管理型ないし管財人型に属する、破産(清算型)と会社更生
250)は、わが国とは異なり、複数手続型ではなく単一手続型を採用し
(再生型)である。民事再生(再生型)と特別清算(清算型)は後見型ないしDIP 型であり、原則として管財人は
選任されない。他方、ドイツ現行倒産法
ており、原則として倒産管財人が選任される。ドイツ倒産法一般につき、概説書として、吉野正三郎『ドイツ倒産法
一郎『ドイツ倒産法研究序説』(成文堂、一九九九年)参照。
入門」(成文堂、二OO 七年)、研究書として、三上威彦『ドイツ倒産法改正の軌跡」(成文堂、一九九五年)、木川裕
H
ル破産法』一一二六l 一三九頁[高
Ol 一
林屋礼二編『注解破産法上巻〔第三版〕』七三l 七四、七八|八
(2)倒産法学における議論状況につき、中田淳一「破産法・和議法(法律学全集三七)』八七|八九、一七六 l 一八
H
l
中殿政男](青林書院、一九九八年)、伊藤員『破産法・民事再生法」一O
四|一四五、一七
一頁(有斐閣、一九五九年)、斎藤秀夫 H麻上雅信
四頁[小室直人
八一、四七九!四八二頁(有斐閣、二 OO 七年)、竹下守夫編代『大コンメンタ
山崇彦]、三三 Ol 三三二頁[田原睦夫](青林書院、二 OO 七年)、および、松田二郎『会社更生法(法律学全集三
2
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(日)引用は、国〉河口Y何
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(げ)この問題については他の文献を含め、否定説を主張する、富皆F
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て取り込む、という点にある。しかし、本稿では不当処分の際にも処分は有効になりうることを確認すれば十分であ
適用しようとする。両者の相違は、前者が「明白」に焦点を合わせるのに対して、後者は「相手方保護」を要件とし
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g・本文の基準も代理権濫用原則との調和を念頭においていたが、近時の見解はさらに進めてこれを「直接」
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(却)判例・通説である04
事態はそもそも観念できない。だから、以上の議論は本稿との関係では意味をなさない。
一参照。しかしながら、倒産管財人の処分における物上代位の際には、原権利者である倒産債務者による追認という
物と代位物の双方を喪失する危険が生ずる、という実質的な考慮にある。水津・前掲注(5)理論的基礎付五O頁注二
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(問)たしかに、処分が無効の場合にも物上代位が生ずべきではないか、という問題が、とくに相続回復請求権におけ
る物上代位( BGB 二 O 一九条)をめぐって議論されており、そこでは肯定説が支配的見解である。こうした議論の
基礎には、理論的根拠から処分の有効性、したがって事前の追認を代位の要件とすると、事実上、原権利者が原目的
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(HλSEMEYER; ]AEGER-lns0/WINDEL 〔~E;~ 組(お)偽墜〕。布 .;q"' ]AEGER-lnsO/HENCKEL 当事悔E堂々ヘ ~Kti 鍾求拘
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~\1,.lJ~ ’ a皿iti( <(~斑宕調i己申脅し〈「い古紙報込奪三主J い二時心 fJ 《ゾ鰹縄 e 剖側主tj,.lJ J二小題担~-R ♂士主’宅起蓉
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~~iti(JE革委自主主盟会1 ’試皿iti( <(~型i己~~トエ ..lJti 届~~~!l"' ど起 ~It!~票当 !l 吋~~単認。士 i-0 fJ ムJ 込斗件〉ニ士包 P 間程:m~ト
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(与)
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1'l{d 繍盤。醤総漏 e 盤以乞記入J
s, 小型車世与己主主国相手-''\♀
信手段毒~'\{<) ... …荊悩-< !l~ - ~i-0 軍事訴 Q 醤幽~小~~10!.lQそ届~i-O~:Q~ 起草制今年J '主~~記~ ~-R!.l!iミペ工、必エ」。連立制
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0fJ 心申請雇掴4眠時わ〈昔話や’去三 e 吋小:」♀小。「 fJ 兵 !l ι-6 \\ ν4ポヤ託皿~-<ゐ託皿醤-< .lJ ....) νlと時~i-0 単~4D!.l~毒蛇守"'- l-0~~
鴬え小平-' ti'
早-' tifJ~~正問為霊鍾杓 £ν ;二時。
~’握骨組長占召耳喧羽詰制下-' ti~ポ〉醤jfil!_l ~ r毛嘩~i-0~ 会込漏$れ)~二時 ~t--' '\♀時」 0 ~布吟 !l' J
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(等)
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388 当 P 毒字斗乞4記'\{<) ru:;・哨ti4D エ !l 坦 ...J('\ 0~~Dll按-<~制民会Jj亜聖母~''( ,柿tl.lJ ;エ P ~~~~fil ・~自n@!l;i 喧 .lJ ....) ν ’ま血~
f時鎖込 ~-=1 杓~ i-0.lJ ;二小兵士 h~ 時。 ...J-R...J ’ fJ 小....)~劇団主持寝込 ~l冨:.L.;qv~~rく P 令指 4ミ~~皿~-<ゐ益回以由主
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Je 吋小指 ~!l!田制緩 -R & ’ E挙制ド !.l 吋 !::' i毒蛇杓~~~~包母i&:-R蝶田柄引当~~蝶1部 !..l .
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組( L!) )間程詔欄香~I 1
(1-1(11l眠組 gj 1 総監。 J 会 .....J" Zミド-~,毛時吋小 !.l" *寝入j ~~~~tiJJ ~~!l!国立制 4-0 ベ 1-Q~
~:t主布;二。
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一
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一四七三条・ニ O 四一条および一六四六条の類
(権利取得条項・資力条項・関係条項の類推適用)一項E目・2 司55ghpm-E18 〔BGB 二 O 四一条の類推適用〕一
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ロ。件。
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-wω・50lSN (BGB
ロ。Zω
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hso
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(BGB
一六四六条は管財人の意思の必要を基礎づけるために援用〕)山出回白冨忠臣
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(BGB 二 O四一条の類推適用)一∞冨巴\
B∞
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ω・Nお lN
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∞・
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ロ。件。
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七一八条も引き合いに出す〕)一回m
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四一六条・一四七三条・二
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UE 一巧何回初を引用〕一回国自宮
ロタ ω・23M ・匂〔出〉
g間
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と同様)一γ
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ω・
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ー
。
・品∞い
∞∞(旧版と同様)・次の点を補足しておく。まE
ずg
、 mEznEF一
ω ミ HZUF2350ω み∞OWE
胃
ω ロ。Zω ・河口-
EgmlHg。連盟ロ戸のように、BGB 一六四六条(前掲注(日)参照)を引き合いに出して管財人の意思の必要を
FE
胃 ω ロ。ZAP
-ω・印印)規定されたものだから、
基礎づけることに対しては、次の批判がある。同条は、①一般財産の代位を念頭に(国〉河口開
HHym
∞・河口・己ω
印
・g
)、②親子関係の特殊性に基づき(項目 Efg
・ω
・h
m)という観点からは結論的に
倒産財団への類推の基礎がなく、③「責任財産の維持」(巧何回 Mfmasgghp
-E
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スの際には代
gpω ・5NlHaL8lH・4
2mFω
胃 ω ロ。
-
EωlZHは、当面の問題につき物上代位の類推適用を否定している。その理由は要するに、①正当ケ
も相当でない。次に、物上代位論の側では少数説であるが、冨思良一思4・2
位の規定がなくても代位物は財団に帰属すること、②不当ケ l スの場合にはこの限りでないが、利益状況の相違にか
んがみれば類推の基礎となる規定はみあたらないことにある。①には三日で述べた批判があてはまるが、この点には
定める
BGB
二 O 一九条および一六四六条であるが、いずれも管財人が財団を管理する場合とは問題状況が異なって
応答されていない。②はこういう意味である。対比されうるのは他人が財産を管理するケ l ス、すなわち資力条項を
河口・
ω。dzo
いる。なお、通例条項の類推適用は認めるが、かれは権利取得条項から取立てを排除する少数見解(前掲注(路)参
照)に与しているため、取立てについても代位は否定されることになる。
ω町
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ω・
ω・何回・白山
AF
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色一河口・
戸・
、
引 岱]ケ河口・一
河、
口戸
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〕 KE;; 吋小指 r,;hl端会'~
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) 組事む酎斗~ _;い豆~<Ri込布杓£均単~4n.'.1 。ニいさ主押 ~~i-00 >
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