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中期経営計画2016

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中期経営計画2016
中期経営計画2016
~ 鉄道事業の黒字化を実現 ~
平成26年3月
目次
目次
・・・1
5.鉄道事業
安全の確立
・・・9、10
1.計画策定にあたって
安定輸送の確保、コンテナ輸送品質の向上 ・・・11
外部環境
中期経営計画「飛躍」の振り返り
2.将来ビジョン
3.目標
・・・2
輸送力再編と商品力強化
・・・12
収入増加策
・・・13
国際物流への取組み
・・・14
情報システムの再構築
・・・15
・・・3
・・・4
・・・5
6.総合物流事業の強化
・・・16
7.関連事業の収益・利益最大化
・・・17
8.グループ戦略
・・・18
9.主要データ
・・・19
4.事業基盤の整備
マトリクス経営管理の導入
・・・6
経営資源の戦略的活用
・・・7
設備投資計画
・・・8
1
1.計画策定にあたって
外部環境
○ 経済情勢
26年度
消費税増税の駆け込み需要による反動減、消費税率引き上げによる実質所得の目減りによる個人消費・住宅投資の落ち込み、
緊急経済対策と震災復興需要関連の公共投資の押し上げ効果の剥落等による景気下押し要因がある一方で、経済対策の着工・
進捗に伴う公共投資の押し上げ、企業向け減税や家計支援による内需の下支え、堅調な米国景気や金融緩和などを通じた円安
による輸出環境の改善等により景気押し上げ要因がある。(参考:実質GDP+0.2~1.5%(5社調べ))
27年度以降
公共投資が減少に転じるものの、投資・法人減税などが企業部門に対してプラスに作用するほか、家計部門も所得雇用環境の
緩やかな改善を受けて、底堅く推移する見込み。27年10月に予定されている再度の消費税率引き上げが下押し要因になるものの、
均してみれば景気回復局面が続く。様々な不安要素を抱えつつ、「政策効果による回復局面」から「自律的な回復局面」へと徐々
に移行していく見通し。(参考:実質GDP+0.9~1.5%(5社調べ))
○ 物流の動き
「総合物流施策大綱(2013-2017)」(平成25年6月25日閣議決定)
・ 産業活動と 国民生活を 支える効率的な物流の実現
・ さらなる環境負荷の低減に向けた取組(鉄道・内航海運の輸送力強化とモーダルシフト推進・省エネ化、輸配送共同化)
・ 安全・安心の確保に向けた取組
「物流政策アドバイザリー会議」(平成26年3月3日国土交通省設置)
学識経験者、物流事業関係者、荷主企業関係者等が物流を取り巻く現状と課題を議論し、物流政策の企画立案に反映
トラック
・
・
・
・
運転手人手不足感 25年7~9月:46%、10~12月:53% → 見通し:59%
大型トラック運転手の高齢化(40歳以上割合) 18年度:66.6% → 23年度:72.7%
登録車両数の減少 18年度:1,131千両 → 23年度:1,074千両
軽油価格の高騰(ローリー渡し) 18年度:91.66円 → 25年度:107.75円
内航海運・航空
・ 船舶更新の進捗、航空機の小型化・多頻度化
2
中期経営計画「飛躍」の振り返り
1.計画策定にあたって
○ 中期経営計画「飛躍」( 23~25年度)〔
23~25年度)〔23年2月策定〕
23年2月策定〕
鉄道事業における営業収益と営業費用
(億円)
鉄道事業営業利益と経常利益
(億円)
1,460
1,431
1,440
1,428
1,421
1,420
1,408
1,400
1,393
1,403
1,380
1,391
1,380
1,360
1,357
1,340
1,320
1,330
1,321
1,312
1,300
H23
H24
H25
○ 「飛躍」の反省
目標と施策それぞれが明確になっていなかったこと、計画の実行に現場の力が十分に発揮されな
かったことなどの理由から、計画が大幅に未達となりました。
そこで、本中期経営計画では、トップダウン(目標の明確化)とボトムアップ(職場の活性化と各人
の自発的な力の発揮)の手法を組み合せ、鉄道事業の黒字化を達成します
鉄道事業の黒字化を達成します。
鉄道事業の黒字化を達成します
3
2.将来ビジョン
JR貨物が目指す方向
○ 安全最優先の企業風土のもと、鉄道貨物輸送が中長距離輸
送のトップランナーとなること
○ 鉄道輸送を基軸とした総合物流企業となること
○ 社員一人ひとりが働きがいを感じ、働ける企業となること
○ 事業活動を通じ、荷主・利用運送事業者等の期待に応えるとと
事業活動を通じ、荷主・利用運送事業者等の期待に応えるとと
もに、安定輸送、環境負荷の低減など社会に貢献すること
平成30年度に「経営の自立」を果たし、5年後10年後・・・ 確か
な発展をし続けるため、28年度までの3ヶ年で、まずは鉄道事業
の黒字化を実現します。
4
3.目標
~平成28年度に私たちが達成する数値目標~
鉄道事業の黒字化を実現します。
○ 営業収益
○ 営業利益
関連
鉄道
(億円)
2,000
(億円)
2,000
関連
鉄道
1,800
1,600
1,400
1,200
1,587
1,516
1,800
1,948
150
240
100
1,829
107
98
237
50
1,600
0
190
194
1,400
1,396
1,321
1,707
1,591
0
H25見込
1,200
H28計画
単体
H28計画
-50
鉄道
関連
-58
1,000
1,000
H25見込
(億円)
(億円)
H25見込
-100
H28計画
連結
○ 経常利益(全事業)
単体
○ 長期債務残高(年度末)
(億円)
(億円)
2,000
1,786
1,890
1,916
○ 連単倍率(営業収益)
1,994
1.25
1.20
1,263
1,500
連結
1,368
1,185
1,265
連結 有利子
1.15
連結 無利子
1,000
単体 有利子 1.10
単体 無利子
500
521 521
731 731
1.21
1.23
H25見込
H28計画
1.05
1.00
0
H25見込
H28計画
5
4.事業基盤の整備
マトリクス経営管理の導入
マトリクス経営管理
全社員の知恵と努力により、安全の確立、安定輸送を確保し、利益の最大化を目指すため、「支社
別利益管理」と「部門別管理」を有機的に結びつけた「マトリクス経営管理」を導入します。
【支社別利益管理】 各支社が売上、売上原価、粗利益に責任を持ちます。
鉄道事業、関連事業の各部が施策とコストを管理します。
【部門別管理】
各支社 北海道支社
東北支社
関東支社
東海支社
関西支社
九州支社
全社計
横断的役割
各部
安全推進本部
安全に関する基本事項の決定
営業統括部
粗利益極大化のためのマーケティ
ング、販売戦略施策
運輸部
ダイヤ設定、運行の施策、運行経
費の管理
車両部
車両の更新計画、車両修繕費の
管理
保全工事部
設備の更新計画、一般修繕費の
管理
事業開発本部(鉄道)
鉄道附帯、鉄道補完収入、経費の
管理
計
事業開発本部(関連)
粗利益
に責任
粗利益
に責任
粗利益
に責任
粗利益
に責任
粗利益
に責任
粗利益
に責任
鉄道事業
粗利益
関連事業
関連事業収入、経費の管理
粗利益
管理部門
(総務部、財務部、調
達部、投資計画室)
総計
人件費、減価償却費、租税公課の
経費を管理
全事業
利益
6
4.事業基盤の整備
経営資源の戦略的活用
【ヒト】
・各現業機関の業務の精査と体制の見直し
働き度の向上
・運転士の勤務体制見直し
・総務・経理業務を中心とした業務の抜本的見直し、作業の集約化
人事管理制度の見直し
(人事委員会)
・賃金、人材育成(社員教育、技術継承等)の抜本的な改定及び要員計画の
見直し
・JR貨物グループ全体のモチベーション向上のための人事管理制度の確立
【モノ】
・投資の編成方針策定と優先順位付け、効率的な実施
投 資
(投資管理委員会)
・投資回収コストの明確化、設備投資計画の継続的チェックによるPDCAサイ
クルの確立
【カネ】
調 達
(調達委員会)
・調達部の設置
・これまでの調達構造の見直し
・調達コストの削減と持続的な原価低減
【組織】
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンス
(コンプライアンス委員会)
・コーポレート・ガバナンスに関する研修の実施
・コンプライアンス室の設置、社員教育の充実、内部通報制度の導入
7
4.事業基盤の整備
設備投資計画
3年間で総額810億円の投資を行います。
鉄道施設の整備にあたっては、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定におけ
る利益剰余金等による支援措置(無利子貸付等)を活用します。
「投資管理委員会」、「調達委員会」において、設備投資を総合的にチェックします。
【鉄道事業:640億円】
(1) 老朽対策(70億円)
連動装置の更新、鉄まくらぎの交換、土木・電気設備設備の更新、車両所機械の更新 等
(2) 安全・防災対策(50億円)
連続速度照査機能の付いたATS車上子、地上子の新設、運転状況記録装置の整備、運転士養成シミュレータ
の開発、建物・橋梁耐震対策 等
(3) 業務改善(100億円)
エフ・プラザ新設、通運事務所新設、東京貨物ターミナル駅プロジェクト、駅改良(架線増設、構内改良)、
新会計システムグループ展開、青函共用走行対応設備整備、検修設備改良 等
(4) 車両(280億円)
機関車の新製、青函共用走行対応機関車の新製、コンテナ車の新製 等
(5) その他・リース資産(140億円)
コンテナ、荷役機械 等
【関連事業:150億円】
新規開発(隅田川、八王子)、関連事業施設のリニューアル 等
【グループ会社:20億円】
8
5.鉄道事業
安全の確立1
(件)
現状認識
「安全最優先の職場風土」の確立に向け取組んできて
いるが、事故対策の風化や正しい報告が行われないこ
とと、正しい作業が実行できていないことにより事象
が発生していることから、引き続き、全社員の安全意
識の向上を図り、安全のレベルアップに取組むことが
必要である。
安全についての認識
「安全」は、JR貨物グループがお客様の荷物を無事お届けすることを使命とする鉄道事業を継
続・発展させ、社会に貢献していく上で最大の基盤となるものである。
理念
「安全」は、鉄道事業の最大の基盤である
安全の目標
社員一人ひとりが安全について自発的に考え行動し
「安全最優先の職場風土」の確立
具体的な目標
●列車事故などの重大な事故とそれに繋がる6つの特定事故の絶滅
●列車事故などの重大な事故とそれに繋がる6つの特定事故の絶滅
●触車、感電、墜落、交通事故などの重大な労働災害の絶滅
●触車、感電、墜落、交通事故などの重大な労働災害の絶滅
9
5.鉄道事業
安全の確立2
安全の確立に向けた実施項目の概念
常に、人命に関わる事故を発生させないことを第一に考え
常に、人命に関わる事故を発生させないことを第一に考え、
人命に関わる事故を発生させないことを第一に考え、
PDCAサイクルに基づき以下のことに取組む
サイクルに基づき以下のことに取組む
具体的な事故防止活動(3つの柱)
1.安全最優先の
意識の向上
2.安全を管理する 3.事故・
事故・事象の再発
仕組みの定着
防止、
防止、未然防止
安全を支える基盤の強化策(2つの柱)
4.教育・
教育・訓練の充実と 5.ハード対策の推進
人材育成
10
5.鉄道事業
安定輸送の確保、コンテナ輸送品質の向上
お客様の信頼獲得のために
定時性の向上
・ 正しい作業の実行
安定輸送の確保
輸送障害発生時の対応力強化
輸送障害を未然に防止する取り組み
・ 輸送障害からの早期復旧
・ 輸送障害時の連絡体制整備
・ トラック、船舶代行の強化
・ 車両故障の削減
・ 老朽車両の取替
+
コンテナ輸送品質の向上
貨物事故防止のため、発生原因の究明、品質向上に向けたハード・ソフト対
策の深度化
11
5.鉄道事業
輸送力再編と商品力強化
毎年のダイヤ改正において輸送力を再編し、商品力を強化していきます。合わせて、車両運用の効
率化を図ります。
幹線系列車 90グループ
(412本)
粗利益黒字 44グループ
粗利益赤字 46グループ
26春ダイヤ改正 改善
12グループ
27春ダイヤ改正 改善
34グループ
ダイヤ改善・営業拡大
列車再編
列車の増発
27春ダイヤ改正における、商品力を強化した新たな列車ダイヤ
28春ダイヤ改正において、さらなる商品力の強化
12
5.鉄道事業
収入増加策
運賃体系の見直し
インセンティブの導入
予約制度の見直し
マーケティングの強化
・マーケットや利用実態等を総合的に勘案した運賃体系の見直し
・利用運送事業者との取引額に応じたインセンティブ(販売促進施策)の導入
・コンテナ運送申込の早期化(7日前から1か月前における予約確定)
・マーケットや利用実態等を総合的に勘案した予約制度のあり方の見直し
・貨物地域流動調査の分析を基にしたターゲットの選定
・積合せ貨物、化学品・危険品、食品・飲料等、鉄道特性の高い貨物の取込み
・流通業、倉庫業等の新たなターゲットへの積極的営業展開
往復実車化
・低積載区間への競争力のある戦略的運賃の提案
・空コンテナ回送方向の営業強化、コンテナの回転率向上
・中継貨物の余席への取り込み
商品ラインナップの充実
・業種、品目に応じた専用列車の設定
・JR31フィートコンテナの増備、温度管理コンテナの活用
・駅構内積替え施設の活用
静脈物流
営業部門の強化
・自治体からの焼却灰・飛灰(セメントリサイクル用)、水銀含有廃棄物、高濃度
PCB含有廃棄物の安全・安定輸送
・新規開発チームの設置 (本社及び各支社)等による営業力の強化
・トップセールス、オールセールスの推進
・品目別、顧客別の利益管理を強化した営業施策の展開
13
5.鉄道事業
国際物流への取組み
(凡例)
コンテナ船航路
フェリー・
RORO船航路
盛岡
国際海上コンテナ列車の
収支改善
SEA&
SEA&RAIL輸送の充実
RAIL輸送の充実
青島
ソウル
儀旺ICD
儀旺
より効率的な形態での輸送
の構築、良質な販路の拡大
新規航路への接続、国際海
上コンテナの取扱い拡大
東京
釜山鎮
釜
馬 山
山
神戸
大阪
下関
門司
博多
蘇州
太倉
クロスドック機能の充実
上海
海上コンテナと鉄道コンテナ
間の積替えサービスの普及
現地資本フォワーダーとの
連携強化
港湾との結節強化
SEA&RAILサービスや海上コンテ
ナの国内鉄道輸送販売を中国・韓
国等海外で展開
貨物駅と港湾の結節強化による
陸海一体の物流システムの検討
東海道線等による
海上コンテナ輸送の拡大
14
5.鉄道事業
情報システムの再構築
経営管理
・経営状況の早期把握と迅速な対応実施に向けた利益管理、予算実績管理
・原価管理システムの構築、業務実績データと財務データとの連携、経営指標の見える化
収益拡大・効率化
・輸送力の有効活用、需要に応じた柔軟な販売の仕方
・業務の効率化
安定輸送
・輸送障害発生時における情報提供の充実
・気象情報等を活用した列車運行上のリスク軽減
15
6.総合物流事業の強化
(1) 東京貨物ターミナル駅用地高度利用化の推進
陸、海、空の結節点という立地を活かし、海上コンテナ及びトラックと
鉄道との相互積み替え、保管、荷裁き機能の拡大を図るため、東京貨
物ターミナル駅において土地の高度利用を推進し、総合物流施設を建
設します。
(2) 鉄道輸送とのシナジー効果を生かした総合物流事業の強化
鉄道利用のインセンティブによる賃料スキームの導入(東京貨物ター
ミナルエフ・プラザC2棟)、駅頭におけるコンテナ積み替え施設の整備を
推進します。
(3) トラック、船舶利用の拡大
ロジスティクス会社のトラック所有を拡大し、代行輸送へ展開します。
また、輸送障害対策など、船舶代行輸送の利用区間を拡大します。
(4) 貨物駅と港湾の結節強化による陸海一体の物流システムづくりの検討
今後の物流における国際化の一層の進展と港湾地区における物流効
率化の必要性に鑑み、貨物駅と港湾の結節強化による陸海一体の物流
システムの検討を進めます。
※東京港海上コンテナ鉄道輸送活性化検討会を設置(25年12月)
(メンバー:東京都、国土交通省、日本貨物鉄道㈱ 等)
東京貨物ターミナル駅
16
7.関連事業の収益・利益最大化
(1) 遊休資産の活用、低収益物件の再開発、
鉄道機能見直しにより用地を生み出します。
(西湘貨物、小山、長崎 等)
(2) 建物貸付、分譲マンション等の新規開発を
積極的に推進し、現行の賃料収入規模を維持
します。
(隅田川、八王子、神戸港、中里、北王子 等)
(3) 安定的に収入を確保するため、
既存物件のリニューアルを推進し
ます。
(4) 都市計画事業との関わり
(松山駅移転、仙台貨物ターミナル駅移転の検討)
17
8.グループ戦略
総合物流企業グループとして、持てる経営資源を有効活用し、グループ62社の総合力
を発揮します。
(1) グループ会社の再編
・ ミッション別・地域別に会社を再編成、出資比率見直し
・ 地域別業務委託会社の一元化
(2) グループ会社の役割(ミッション)の明確化
・ グループ外収入(キャッシュイン)の拡大
・ 効率化・コストダウン(キャッシュアウトの縮小)の徹底
JR貨物
(3) グループ各社の諸機能連携(トラック事業、倉庫事業、
業務受託)
(4) 業績評価制度の見直しとインセンティブ制度の確立
(5) 連結決算の実施
18
9.主要データ
○ 列車キロ
○ 社員数
○ 輸送トンキロ
(年度末:人)
(千km/日)
(億トンキロ)
○ 機関車数
○ コンテナ車数
(年度末:両)
○ 設備投資額(26
設備投資額(26~
26~28年度計)
28年度計)
(億円)
(年度末:両)
700
626
1,000
567
600
800
150
150
500
600
400
関連
鉄道
300
400
640
660
200
200
100
0
0
H25見込
H28計画
単体
連結
19
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