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ホワイトシェパード・スタンダード

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ホワイトシェパード・スタンダード
ホワイトシェパード・スタンダード
c
⃝2010
日本ホワイトシェパード犬協会
2010 年 11 月 6 日 初版制定
1
歴史
20 世紀前半ドイツ人のマックス・フォン・ステファニツが多くの犬を掛け合わせてジャーマン
シェパードを生み出した際に,白い牧羊犬も繁殖に使われました.そのため,初代のジャーマン
シェパードの兄弟たちの中には白い犬も含まれていました.この白いシェパードを代々受け継ぎ,
血統を守ってこられた理由の一つには,毛色が白かったため軍事目的に使用されなかった事も挙げ
られます.その後,この白いシェパードはヨーロッパから各国へと渡り,国や地方ごとの目的にあ
わせた変化をしてきました.米国では早期にスタンダードが決定されたため,安定した体型の仔が
多く見られます.また,欧州では長らく雑種扱いであったため,被毛の長さや体格等多様な仔が多
く存在しました.ただし,欧州でも比較的早期に単犬種として確立されたため,その多様な容姿に
合わせたショーが開催されております.
日本では 1998 年頃に米国から輸入され,ジャーマンシェパードになじんでいる日本の人々に急
速に広まって行きました.この状況を受け 2001 年 12 月に日本ホワイトシェパード犬協会が設立
され,血統の管理が続けられてきました.昨今,日本での飼育目的・体型・好みなどがはっきりし
てきたため,米国ユナイテッドケネルクラブ (UKC) 等のアドバイスをもとに,日本におけるホワ
イトシェパードのスタンダードが決定されました.
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一般外貌
ホワイトシェパードは中位大の大きさで,均整の取れた筋肉質の犬である.体長は体高よりもや
や長く約 10 : 8 の長さである.輪郭は角張らず,なだらかな曲線で形成される.性別による違いと
して,雄は筋肉質で力強く,雌はなだらか曲線が際立っている.また雌は雄よりも一回り小さい.
被毛は純粋な白色であり,耳は直立する.尾は低い位置から付き,なだらかな外向きのカーブを描
き,長さは飛節まで届く.被毛は白色だが鼻・口吻・アイライン・パッドは黒色である.
習性/性格
ホワイトシェパードは自然な上品さがあり無理のない滑らかな動きと使役犬としての能力を兼ね
備え,服従心と運動能力では群を抜く優秀な犬種である.性格は落ち着いているが,必要とあれば
熱心かつ俊敏であり,どんな能力においても役目を果たす姿勢を示す.日頃は慎重でかつ従順で愛
らしい家族の一員として振舞い,飼い主と親しい人かどうかの判断ができ,子供を擁護出来る位の
寛容さも兼ね備えている.
歩様
ホワイトシェパードにとって健康であり,かつ素早く急な動きが可能であることは,本質的に重
要である.速歩 (トロット) の際,後躯から生み出される力強い推力により,効率的な広い歩幅で
歩く.後脚は,前方へ動くのに伴い,前脚の下を通り,前足があった位置に着地する.後脚が後方
へ動くのに伴い,胴体は前方へと推進される.その際脚をはね上げず地面近くをスムースに移動す
る.速歩の際,背中は安定し水平を保つ.速歩のスピードが上がるにつれて,単線歩様 (シングル
トラッキング) になる.適切な歩様は前脚と後脚からだけでなく,側面からも評価される.
体長/体高/体重
体長は前胸部から臀部の端までを被毛を抑えた状態で計り,オスは 79cm,メスは 73cm を基準
とする.また,体高とはキ甲の上部から垂直に地面まで下ろした高さのことであり,オスは 63cm,
メスは 58cm を基準とする.したがって,体長と体高との比率は約 10 : 8 の比率が理想的な体型
といえる.許容範囲は基準値から ±2cm とする.体重はオスは 36kg,メスは 29kg を基準とし,
±2kg を許容範囲とする.
頭部
頭部の大きさは(額から鼻先まで)体高の約 40% の長さが好ましく犬体の大きさと釣り合いが
取れている.オスは粗野でなくしっかりした外見を持ち,メスは美しく優しい外見を持つ.顔全体
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を上からみてくさび状になり鼻先で止まる,額はわずかに膨らみ中央溝はほとんど無い,ストップ
も同様にわずかに分かる程度で鼻梁に続く.額から鼻梁まではほぼ直線になる.頬は咬力を示し,
わずかに膨らみを持っている.口吻は力強く,唇は黒く引き締まり合わされている.歯は上顎 20
本,下顎 22 本で合計 42 本のしっかりした歯が隙間なく揃い,上前歯がわずかに出ている (シザー
ズバイト).犬歯は上下がしっかり咬み合わさり隙間が無い様でなければならない.鼻は常に黒く,
季節,体調による退色 (スノーノーズ) は許容範囲であるが,好ましくない. 目は黒色で中位の大きさであり,アーモンド形でやや斜めに付いている.より黒い色の目が 好ま
しい.目縁は黒色で,顔全体を引き締めている.耳は直立し,程良く尖っており,中位の大きさで
ある,また根元が広く,付く位置も高い,通常時は耳の中心線は地面に対し垂直であり,互いに平
行の位置にある. 頸部
長さは頭の大きさと釣り合いが取れている.頸部は強く,筋肉質であり,引き締まってすっきり
している.立止時は水平線に対して 45 度の角度を保っている.
前躯
肩甲骨は長く,垂線から約 35 度の角度で後ろに傾き,胴体に対し平行に位置し,左右の骨が上
部で接近している事.上腕は肩甲骨の長さと等しく,約 102 度の角度で肩甲骨と接続する.前胸
部は充分せり出しており力強さを感じさせ肘に達する.
胴体
背は腰部も含め真直ぐで臀部に向かいやや傾斜している.臀部は水平線より 23 度の角度から始
まり徐々に傾斜し低い位置に付く尾に向かってなだらかに流れる.腹部は引き締まり,腰に向かう
曲線 (タックアップ) はほどほどにアップしている肋骨は骨が充分発達し,長く楕円形で胴体を包
んでいる.肋骨が扁平や丸型の場合歩様が不自然になる可能性がある.
後躯
後躯は幅広で筋肉質でかつ前躯とバランスが取れている.骨盤は水平から約 35 度の角度で後ろ
向きに傾斜している.大腿骨は臀部のへこみからほぼ垂直に落ち込み,骨盤と約 125 度の角度で
接続する.
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脚部
上腕骨は約 20 度の傾斜で付き肘に向かう.左右の前足は前から見て真直ぐ地面に向かい,X 脚
や O 脚は好ましくない.後脚の股関節に異常がなく大腿部はたくましい筋肉を持ち幅広い事また
側面からみて斜めに付いている脚は丸みを帯びコンパクトで,爪先はアーチ状である.またパッド
は厚く丈夫で,黒色である.爪は丈夫であり,前脚に狼爪がある場合はそのままでも良いが,後脚
の狼爪は切除する.
尾部
尾は傾斜した尻の自然な延長として低く付きなだらかな外向きのカーブを描く.長さは飛節まで
届く.理想的な尾の姿勢は,尾の根元からの延長線と同じか,それよりもやや下に位置し,ふさふ
さした被毛におおわれている.
被毛
色は全体が白く耐候性の二枚毛 (ダブルコート) である.外毛 (アウターコート) は密に生えてお
り,直毛で,あらく,体にぴったりとしている.下毛 (アンダーコート) は短く密に生えており,き
め細かい質感を持つ.首の部分で,特にオスの場合は被毛がやや長く太い.脚の後側の毛は前側の
毛よりもやや長い.臀部と尾の下側の被毛は胴体の被毛よりも長く密である.脚および足がやや粗
い質感の毛に覆われているのに対し,頭と耳はなめらかで幾分柔らかい毛で覆われている.
欠点 — ドッグショーでの減点対象
成犬で臆病や攻撃的な犬.鼻・目縁・口唇・パッドの色素の退化.過度に長く狭い頭部.不揃い
な歯並びと上顎前出 (オーバーショット).円形または突き出た目及び斑点のある色素沈着.滑ら
かでない歩様.頸背線が窪んでわん曲した頸.垂れさがった頸の皮膚 (咽喉垂皮).キ甲の後ろの
窪み.及び背線の湾曲.長く開いた指.短すぎる尾.下毛の不足.ベージュ色の被毛.
失格 — ドッグショーへの出陳不可
下顎前出 (アンダーショット).先天的色素欠乏症 (アルビノ).茶か黒以外の目.断尾.垂れた
耳及断耳.体高・体長が ±5cm の範囲を超えるもの.体重が ±5kg の範囲を超えたもの.片方な
いし両方の陰睾丸.巻き尾.
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