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(もくぞうにょいりんかんのんはんかぞう)/1躯(PDF:26KB)

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(もくぞうにょいりんかんのんはんかぞう)/1躯(PDF:26KB)
県指定有形文化財
彫刻の部
■木造如意輪観音半跏像(もくぞうにょいりんかんのんはんかぞう)
名 称
員数
所有者
所有者の住所
木造如意輪観音半跏 1躯 法輪院(ほ 大津市石山寺一
像(もくぞうにょいりん
うりんいん) 丁目1番1号
かんのんはんかぞう)
所在地
同左
●法量:
像高58.3cm
●法量:
檜(ひのき)材、寄木造(よせぎつくり)、内刳(うちぐ)り、玉眼
嵌入(ぎょくがんかんにゅう)、漆箔(しっぱく)
●時代:
平安時代
●説明:
如意輪(にょいりん)観音は、一切衆生(いっさいしゅじょう)
の願望を満たし、苦しみを救う菩薩として奈良時代以 降盛
んに信仰されてきた。わが国では二臂(にひ)像と六臂(ろっ
ぴ)像とが多い。
石山寺山内の法輪院持仏堂(じぶつどう)の秘仏本尊であ
る木造如意輪観音半跏像は、黒漆塗(くろうるしぬ) りの春
日厨子(かすがずし)の中に安置されており、二臂(にひ)で
あることと左足を踏み下げるところ に特徴がある。頭上に
髻(もとどり)を高く結い上げ、天冠台(てんかんだい)を表し
頭部正面に観音の標識 である阿弥陀如来の小像をのせ
る。目は玉眼(ぎょくがん)で水晶を嵌入(かんにゅう)してい
る。
右手に如意宝珠(にょいほうじゅ)をつけた蓮華を持ち、左
手は垂下して掌(たなごころ)を仰いで五指を伸ば す。左足
を踏み下げて、右足を半跏(はんか)として岩(いわ)座(ざ)の
上に坐す姿は、石山寺本堂(国 宝)の丈六仏(じょうろくぶ
つ)の本尊(重要文化財)とほぼ同様である。
檜の寄木造、内刳(うちぐ)りを施す構造で、全身の表面に
漆箔(しっぱく)を施している。
頭体の各部はよく均斉がとれ、丸い面相に目をやや伏し
目に表し、なで肩で、 衣文(えもん)の彫り口も浅く定朝様
(じょうちょうよう)の洗練された作風であるが、きりっとした表
情や体 部の肉取りならびに着衣に見られる写実的な表現
などから勘案すると、制作は、 平安時代後期の12世紀後
半と考えられ、数少ない石山寺式如意輪観音像の優品 と
して、彫刻史上貴重である。
(平成 15 年4月 16 日指定)
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