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秋田県持続性の高い農業生産方式の 導入に関する指針 平成25年11月

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秋田県持続性の高い農業生産方式の 導入に関する指針 平成25年11月
秋田県持続性の高い農業生産方式の
導入に関する指針
平成25年11月
秋 田 県 農 林 水 産 部
(白紙ページ)
目
Ⅰ
次
持続性の高い農業の推進について
------------------------------------------------ 4
1.環境と調和した持続性の高い農業の推進
--------------------------------------------------------------- 4
2.持続的農業の基本的な考え方
3.持続的農業の研究及び推進
------------------------------------------------------------------ 5
--------------------------------------------------- 6
4.持続的農業の定着化のための技術確立
5.持続的農業に取り組もうとする農業者等への支援
--------------------------------------------- 8
6.持続性の高い農業生産方式を構成する技術
Ⅱ
------------------------------------ 7
秋田県持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針
第1 持続性の高い農業生産方式の導入の促進を図るための措置
第2 持続性の高い農業生産方式の取り組みに関する事項
水
---------------------------------------------------------------------------------------- 19
稲
(1) 県内一円:グライ土
---------------------------------------------------------------------- 20
(2) 県 北 部 :灰色低地土、多湿黒ボク土
-------------------------------------------- 22
(3) 県中央部・県南部:灰色低地土、多湿黒ボク土
2
---------------------------- 18
------------------------------------- 19
第3 持続性の高い農業生産方式の作物ごとの内容
1
------------------- 14
畑 作 物 (県内一円)
---------------------------------- 24
------------------------------------------------------------------- 26
(1) 大
豆
------------------------------------------------------------------------------------- 26
(2) 麦
類
------------------------------------------------------------------------------------- 27
3
野
菜 (県内一円)
------------------------------------------------------------------- 28
(1)-① 果菜類 (さや類含む) :砂丘未熟土
②
果菜類 (さや類含む) :黒ボク土
③
果菜類 (さや類含む) :褐色低地土
(2)-① 葉・茎菜類 :砂丘未熟土
②
葉・茎菜類 :黒ボク土
③
葉・茎菜類 :褐色低地土
------------------------------------- 28
---------------------------------------- 29
------------------------------------- 30
------------------------------------------------------- 31
---------------------------------------------------------- 32
------------------------------------------------------- 33
1
(3)-① 根菜類 :砂丘未熟土
4
②
根菜類 :黒ボク土
③
根菜類 :褐色低地土
果
------------------------------------------------------------- 34
---------------------------------------------------------------- 35
------------------------------------------------------------- 36
---------------------------------------------------------------------------------------- 37
樹
(1) り ん ご
------------------------------------------------------------------------------------- 37
(2) ぶ ど う
------------------------------------------------------------------------------------- 38
(3) な
し
------------------------------------------------------------------------------------- 40
(4) おうとう
------------------------------------------------------------------------------------- 41
(5) も
も
------------------------------------------------------------------------------------- 42
(6) 参
考
------------------------------------------------------------------------------------- 43
5
花
き
---------------------------------------------------------------------------------------- 45
(1) 露地栽培
------------------------------------------------------------------------------------- 45
(2) 施設栽培
------------------------------------------------------------------------------------- 47
---------------------------------------------- 49
6
持続性の高い農業生産方式の適用一覧表
7
主要作物における農薬および化学肥料の使用目安
Ⅲ
---------------------------------- 50
認 定 要 領
秋田県持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画認定要領
別添様式・別記様式
Ⅳ
--------------------- 52
------------------------------------------------------------------------------- 60
関 係 法 令 等
○ 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律
--------------------------- 76
○ 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律施行令
○ 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律施行規則
------------------ 79
--------------- 80
○ 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律の施行について
○ エコファーマーの位置づけについて
------ 82
--------------------------------------------------- 94
2
Ⅰ
持続性の高い農業の推進について
3
Ⅰ
持続性の高い農業の推進について
1.環境と調和した持続性の高い農業の推進
ヨーロッパ諸国等においては、農業に起因すると考えられる硝酸性窒素等による地下水
の汚染が顕在化し、また、米国においては、農地からの土壌の流亡が深刻な課題となって
おります。
我が国は降水量が多く森林にも恵まれているといった自然条件や水源涵養機能を有す
る水田での稲作農業が中心であることなどから、畑作農業がその大宋を占める欧米諸国と
は事情は大きく異なるものの、化学肥料、農薬等の過剰な使用や家畜ふん尿の不適切な処
理が環境へ悪影響を及ぼすという懸念が生じており、生産者自身の環境に対する意識向上
と負荷軽減への具体的な努力が求められています。
また近年は、地球規模の温暖化など環境問題が深刻化し、これまでの経済活動や消費生
活、それらを支えてきた社会システムの見直しが必要とされている中で、農業が将来にわ
たりその多様な機能を発揮していくためには、農業生産のあり方について、環境と調和し
つつ持続的な生産を行うことが可能であるという農業本来の特質を十分生かせるような
ものとすることが重要であります。
このため、従来から土づくりや化学肥料・農薬の使用の低減を図ってきたところですが、
このような農業生産方式への農業者段階における取り組みは、いまだ不十分であり、土づ
くりの減退、化学肥料や農薬への過度の依存による農地の生産力の低下、営農環境の悪化
といった状況も一部に見られています。
また、消費者ニーズの自然、安全、健康志向などの高まりから、化学肥料や農薬の使用
を控えて安心して食べることのできる農産物等への関心が一層高まっています。
このようなことから、農業が本来有する自然循環機能を生かすとともに、土づくりを基
本として化学肥料、農薬使用の低減等による環境への負荷の軽減に配慮した「持続性の高
い農業(持続的農業)」の普及浸透を図ることとが重要な課題となっています。
2.持続的農業の基本的な考え方
農業は、基礎的な食料の安定供給という本来的な役割に加え、元来、環境と最も調和し
た産業として水と緑豊かな国土の形成とその保全に貢献しています。
国は、平成 11 年 7 月 16 日に公布・施行された「食料・農業・農村基本法」第三条(多
面的機能の発揮)、第四条(農業の持続的な発展)及び第三十二条(自然循環機能の維持
増進)を受け、環境3法として「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持
続農業法)」
、
「肥料取締法の一部を改正する法律(肥料取締改正法)」、
「家畜排せつ物の管
理の適正化及び利用の促進に関する法律(家畜排せつ物法)
」を 7 月 28 日に公布しまし
た。
そのうち、持続農業法は、環境と調和した持続的な農業に取り組むうえで、農業者が導
4
入すべき望ましい生産方式を気象、土壌条件等を考慮し、都道府県が独自の導入指針を策
定することとしています。
この法律で持続性の高い農業生産方式とは、「土壌の性質に由来する農地の生産力の維
持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる合理的な農業の生産方式」とさ
れており、次の(1)~(3)の技術すべてを用いて行われるものを言います。
(持続農業法第2
条)
(1) たい肥等有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効果
が高いもの(土づくりの技術)
(2) 肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させ
る効果が高いもの(化学肥料を減ずる技術)
(3) 有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減
少させる効果が高いもの(化学農薬を減ずる技術)
3.持続的農業の研究及び推進
1)当面の推進方向
◎
これまでの試験研究で得られた成果を踏まえ、土壌診断や作物の生育栄養診断等に
基づく合理的な施肥体系や、緩効性肥料等を用いた施肥技術等の普及・推進
◎
適正な病害虫防除を行うための発生予察技術の精度を向上させるとともに、生態系
に対するより負荷の少ない性フェロモン等の農薬や、天敵、きっ抗微生物、対抗植
物等を利用した総合的病害虫防除体系や新雑草防除体系の開発・普及
◎
特に水稲においては、無代かき栽培や不耕起栽培及び育苗箱全量施肥栽培や農薬の
側条施用技術等の開発・普及
◎
畜産部門においては、家畜排せつ物の効率的なたい肥化技術の開発・普及
2)中・長期的な推進方向
健康で豊かな食生活にとって農畜産物の安定供給、高品質化のほか、食品としての安
全性確保が最も重要であります。
試験研究の分野において持続的農業を推進するには、それぞれの地域の気象や土壌条
件などの栽培環境や有機物の施用を考慮し、化学肥料や農薬などの投入量を低く抑えた
場合にも、高品質な農産物の安定的生産が可能となる技術を開発する必要があります。
また、家畜排せつ物の適切な処理と利用を促進するため、地域内のリサイクルシステ
ムの確立と耕種農家等の利用に配慮したたい肥のペレット化等の技術の確立を図る必
要があります。
5
4.持続的農業の定着化のための技術確立
持続的農業は我が国農業の重要な課題であり、その普及、定着化のために、生産者に
対しては生産性の低下を招くことなく、収量等の維持を図るための栽培技術情報を提供
し、一方、消費者には持続的農業の趣旨を理解してもらい、この農法が信頼できる食料
生産であるとの認識を深めることが重要であります。
このため、生産者へ持続的農業に関する既存の技術情報を積極的に提供するとともに、
新たな技術開発・普及に努める必要があります。
1)施肥管理技術
肥料は、農作物により吸収された土壌の養分を補給し、農業生産の維持及び増進を図
る上で欠かすことのできない資材であり、その的確な使用が肝要であることから、これ
までも作物ごとの施肥基準を定め、効率的かつ適正な使用を推進してきたところです。
しかしながら、生産性の向上を追求するなかで、便利で、かつ速効性のある化学肥料
への安易な依存により、土壌のもつ本来の生産力の脆弱化や化学肥料の流亡による水質
等の汚染が懸念されております。
そこで、有機物の活用を重点にした地力の増進対策と併せて化学肥料の適正な使用を
推進し、作物の特性や土壌条件に応じた効率的かつ環境への負荷の少ない施肥管理の推
進を図る必要があります。
2)病害虫及び雑草防除技術
病害虫や雑草の防除は、農業生産の安定、生産性の向上、農作物の品質向上等の面で
極めて重要となっております。防除対策として農薬は必要不可欠な資材であり、農薬取
締法に基づき、安全性に関するさまざまな審査を経て登録、使用されています。
一方、近年、消費者ニーズの多様化に併い農薬の残留や環境への影響等について社会
的な関心も高まってきていることから、病害虫等の発生生態に基づいた耕種的な防除や
天敵利用による生物的な防除法等と農薬による防除を組み合わせ、農薬の使用を必要最
小限にとどめた総合的な防除体系の確立と普及に努める必要があります。
6
5.持続的農業に取り組もうとする農業者等への支援
持続農業法では、持続性の高い農業生産方式を導入しようとする農業者が作成する導入
計画を県が認定することとしており、この計画の認定農業者に対し、農業改良資金の貸付
や農業機械の取得に係る課税の特例措置といった支援措置を講ずることとしております。
[持続的農業の推進図]
環境と調和した持続性の高い農業の確立
持続的農業の展開
安全で、安心な農畜産物の生産拡大
県 の 持 続 性 の 高 い 農 業 生 産 方 式 の 導 入 に 関 す る 指針
県(本庁、地域振興局(農林部農業振興普及課)
、試験研究機関)
連 携
助 言
業
指 導
認 定
申 請
農
者
指 導
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画
7
支 援
市 町 村
農業団体
6.持続性の高い農業生産方式を構成する技術
持続農業法第2条に基づき農林水産省令で定められている技術の具体的内容と導入上
の留意事項については、次のとおりです。(平成 11 年 10 月 25 日付け 11 農産第 6789 号
農産園芸局長施行通達)
(1)たい肥その他の有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を
改善する効果が高い技術
① たい肥等有機質資材施用技術
土壌診断(可給態窒素含有量及び土壌有機物含有量を含む土壌の性質の調査・分析)
を行い、その結果に基づき、たい肥等有機質資材であって窒素成分と炭素成分のバラ
ンスのとれたもの(炭素窒素比(C/N比)がおおむね 10 から 150 の範囲となるも
の)を施用する技術をいう。
たい肥等有機質資材の範囲としては、たい肥のほか、稲わら、作物残さなどが含ま
れるものと考えられるが、樹皮及びおがくずについては、炭素窒素比が大きく、作物
の生育に障害を与えるおそれがあるので含まれない。
また、施用する種類や量については、土壌診断の結果に基づく適正なものと考えら
れるものとし、過剰な施用や未熟なたい肥の施用により、作物の生育を悪化させ、又
は地下水の汚染等環境に負荷を与えることのないよう留意する必要がある。
② 緑肥作物利用技術
土壌診断(可給態窒素含有量及び土壌有機物含有量を含む土壌の性質の調査・分析)
を行い、その結果に基づき、緑肥作物(農地に有機物や養分を供給するために栽培さ
れる作物)を栽培して、農地にすき込む技術をいう。
緑肥作物の種類は限定しないものの、有機物や養分に富み、農地にすき込むもので
あり、地域に適合したものを選択することが必要である。
また、本技術の導入に併せて合理的な輪作体系の確立を図ることが望ましい。
なお、選択した緑肥作物の種類によっては、対抗植物としての効果を有するものが
あり、この場合は、法第2条第3号の技術である「対抗植物利用技術」を同時に導入
しているものとみなす。
(2)肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減
少させる効果が高い技術
① 局所施肥技術
肥料を作物の根の周辺に局所的に施用する技術をいい、水稲作における側条施肥も
これに含まれる。
本技術の導入においては、肥料による作物への濃度障害を回避する観点から、農作
物の種類、肥料の種類等に応じて施肥する位置等を調整する必要がある。
8
また、労働時間の軽減を図る観点から、側条施肥田植機や畝立マルチ施肥機等局所
施肥と同時に他の生産工程を行う農業機械を積極的かつ効率的に利用することが望
ましい。
② 肥効調節型肥料施用技術
本技術は、普通肥料のうち、いわゆる被覆肥料、化学合成緩効性肥料及び硝酸化成
抑制剤入り肥料を施用する技術をいう。
本技術の導入においては、これらの肥効調節型肥料の種類により肥効パターンが異
なることを十分考慮し、農作物の種類、土壌条件及び気象条件に応じて肥料の種類を
選択する必要がある。
③ 有機質肥料施用技術
有機質(動植物質のものに限る。
)を原料として使用する肥料を施用する技術をいう。
施用する種類や量については、土壌診断の結果、農作物の種類、含有する肥料成分
量等を勘案して適正と考えられるものとし、過剰な施用や未熟なたい肥の施用により、
作物の生育や品質を悪化させ、又は環境に著しい負荷を与えることのないよう留意す
る必要がある。
なお、本技術で利用される肥料には、いわゆる有機入り化成肥料も含まれるが、上
記の二つの技術が、化学肥料の使用を3割程度低減することが可能であることを考慮
すれば、有機質由来のものが原料ベースで3割以上含まれているものを使用すること
が望ましい。
(3)有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使
用を減少させる効果が高い技術
① 温湯種子消毒技術
種子を温湯に浸漬することにより、当該種子に付着した有害動植物を駆除する技術
をいう。
本技術の導入においては、浸漬する温度や時間により防除効果や発芽率等が変動す
ることから、適切な条件の下で行うことが必要である。
② 機械除草技術
有害植物(有害動物の発生を助長する植物を含む。
)を機械的方法により駆除する技
術をいう。
本技術の導入においては、除草用機械による除草を効率的に行えるよう、農作物の
栽植様式の調節やほ場の規模に応じた機械の種類の選択を行うことが必要である。
なお、本技術には、畦畔における有害動物の発生を助長する植物を機械的方法によ
り駆除する技術が含まれる。
③ 除草用動物利用技術
有害植物を駆除するための小動物の農地における放し飼いを行う技術をいう。
9
具体的には、アイガモ又はコイを利用した水稲作が想定されるが、このほか、都道
府県試験場等で駆除効果が明らかとされた小動物を利用するものも含まれる。
本技術の導入においては、除草用動物が野犬等の外敵の被害を受けないよう、柵等
で保護するなど適切な条件で行うことが必要である。
④ 生物農薬利用技術
農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)第1条の2第2項の天敵であって、同法第2
条第1項又は第 15 条の2第1項の登録を受けたものを利用する技術をいい、捕食性
昆虫、寄生性昆虫のほか、拮抗細菌、拮抗糸状菌等を導入する技術及びバンカー植物
(天敵の増殖又は密度の維持に資する植物をいう。
)を栽培する技術等が含まれる。
本技術の導入においては、害虫の発生密度や施設内の温度湿度等により防除効果が
変動することから、適切な条件の下で行うことが必要である。
⑤ 対抗植物利用技術
土壌中の有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する効果を有する植物を栽培
する技術をいう。対抗植物の種類は限定しないものの、都道府県農業試験場等で防除
効果が明らかにされ、地域の特性に適合したものを選択することが必要である。
また、本技術の導入において、対抗植物の防除効果は特異性が高いことから、防除
対象とする線虫等有害動植物の種類に応じて、その種類を選択することが必要である
とともに合理的な輪作体系の確立を図ることが望ましい。
なお、対抗植物には、有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する植物のみで
なく、有害動植物の土壌中における密度を下げる等の効果が期待される非寄生植物も
含まれる。
⑥ 抵抗性品種栽培・台木利用技術
有害動植物に対して抵抗性を持つ品種に属する農作物を栽培し、又は当該農作物を
台木として利用する技術をいう。
抵抗性品種・台木の種類は限定しないものの、都道府県農業試験場等で防除効果が
明らかにされ、防除対象とする有害動植物の種類や地域の特性に適合したものを選択
することが必要である。
⑦ 土壌還元消毒技術
土壌中の酸素の濃度を低下させることにより、土壌中の有害動植物を駆除する技術
をいう。
具体的には、畑において、有機物を施用するとともに、土壌中の水分を十分高めた
上で、資材により被覆した状態を継続する技術のほか、都道府県農業試験場等で防除
効果が明らかにされた技術が含まれる。
なお、土壌を被覆する資材については、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等
の環境負荷を与える恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われる
よう指導する必要がある。また、施用する有機物については、肥料成分を含有してい
10
ることから、過剰な施肥につながらないよう留意する必要がある。
⑧ 熱利用土壌消毒技術
土壌に熱を加えてその温度を上昇させることにより、土壌中の有害動植物を駆除す
る技術をいう。
具体的には、太陽熱土壌消毒技術、熱水土壌消毒技術及び蒸気土壌消毒技術である。
本技術の導入においては、気候条件や土壌条件等により防除効果が変動することか
ら、地域の特性に適合したものを選択することが必要である。
なお、土壌に熱を加える前にその表面を資材で被覆する場合については、適正に処
理せずに廃棄すると、大気汚染等を引き起こす恐れがある資材もあることから、その
使用後の処理が適正に行われるよう指導する必要がある。
⑨ 光利用技術
有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため、有害動植物を誘引し、若し
くは忌避させ、又はその生理的機能を抑制する効果を有する光を利用する技術をいう。
具体的には、シルバーフィルム等の反射資材、粘着資材、非散布型農薬含有テープ、
黄色灯及び紫外線除去フィルムを利用する技術である。
なお、粘着資材の利用と生物農薬利用技術を組み合わせて行う場合は、粘着資材で
天敵を捕殺しないよう注意する必要がある。
⑩ 被覆栽培技術
農作物を有害動植物の付着を防止するための資材で被覆する技術をいう。
具体的には、べたかけ栽培技術、雨よけ栽培技術、トンネル栽培技術、袋かけ栽培
技術、防虫ネットによる被覆栽培技術等である。
本技術の導入において、有害動植物による被害を予防する観点から、最適な被覆資
材の選択、被覆状態の維持を行うことが必要である。
なお、本技術に用いられる資材は、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等を引
き起こす恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われるよう指導す
る必要がある。
⑪ フェロモン剤利用技術
農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とする薬剤であって、
農薬取締法第2条第1項又は第 15 条の2第1項の登録を受けたものを利用する技術
をいう。
本技術の導入において、害虫の発生密度やほ場の規模等により防除効果が変動する
ことから、適切な条件で行うことが必要であるとともに、併せて発生予察を行うこと
が望ましい。
⑫ マルチ栽培技術
土壌の表面を有害動植物のまん延を防止するための資材で被覆する技術をいう。
本技術の導入においては、まん延防止効果を維持する観点から、最適な被覆資材の
11
選択、被覆状態の維持を行うことが必要である。
また、本技術には、わら類、被覆植物によるマルチ栽培技術も含まれる。
なお、本技術に用いられる資材は、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等を引
き起こす恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われるよう指導す
る必要がある。
12
Ⅱ
秋田県持続性の高い農業生産方式
の導入に関する指針
13
Ⅱ 秋田県持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針
第1 持続性の高い農業生産方式の導入の促進を図るための措置
1 土壌診断に基づく適正な施肥設計
たい肥等の有機質資材やその他肥料の適切な施用を行うためには、土壌診断を実施し、
その結果に基づき施用量を設定することが必要である。
土壌診断を実施する場合は、地域振興局農林部農業振興普及課及び農業協同組合等の
土壌診断体制や民間分析機関等を活用する。施用量の決定等に関しては、普及指導員等
のアドバイスを受けることが望ましい。
(1)たい肥施用に際しての留意点
主原料の種類により、たい肥中の三要素成分の肥料代替率(例えばカリでは、たい肥
中の全カリ量のなかで作物が吸収利用可能なカリ量の比率)が異なるため、たい肥の
種類や他に施用する肥料とのバランスを考慮せずに、一定量を連用するとほ場に過剰
な養分が投入される可能性がある。参考までに、たい肥の主原料の違いによる三要素
成分の肥料代替率を表1に示す。
(表1)たい肥の主原料の違いによる三要素成分の肥料代替率 ※1
たい肥の種類
窒素
リン酸
カリ
鶏糞たい肥
約 45%
約 65%
約 90%
豚糞たい肥
約 25%
90%以上
約 90%
90%以上
約 90%
牛糞たい肥
0% ※2
2009 年秋田県農業試験場・果樹試験場・畜産試験場・秋田県立大学調べ
秋田県内で生産されている家畜排泄物を主原料とし、年間の生産量が 1,000t 以上の
たい肥製造施設 12 カ所のたい肥について調査
※1 肥料代替率:例えばカリでは、たい肥中の全カリ量のなかで作物が吸収利用
可能なカリ量の比率
※2 牛糞たい肥は約5年連用すると土壌由来窒素吸収量が増える事例あり。
たい肥の施用に際しては、利用可能な三要素成分量を把握して施用量を決める必要が
ある。たい肥 1t 当たりの窒素・リン酸・カリの肥料代替量を表2に示す。肥料代替量
とは、たい肥中の養分で作物が吸収利用可能な養分量を示し、この量だけ慣行の化学
肥料を減ずることができる。
14
(表2)たい肥 1t 当たりの窒素・リン酸・カリの肥料代替量 ※1
たい肥 1t 当たりの肥料代替量
堆肥
銘柄
主原料
kg
副資材
窒素(N)
―
リン酸
カリ
(P2O5)
(K2O)
水田
畑
10.8
13.1
28
39
A
鶏糞
B
鶏糞
籾殻・わら
1.3
0.3
21
20
C
鶏糞
籾殻・わら
0.9
0.2
19
8
D
豚糞
木質系
7.6
7.2
66
31
E
豚糞・鶏糞
籾殻・わら
4.9
4.3
40
19
F
牛糞
籾殻・わら・木質系
0.1
0.0
5
11
G
牛糞
籾殻・わら・木質系
0.1
0.2
7
17
H
牛糞
籾殻・わら・木質系
0.1
0.2
4
6
I
牛糞
籾殻・わら・木質系
0.1
0.2
10
9
J
牛糞・豚糞
籾殻・わら
1.3
1.0
20
25
K
牛糞・豚糞
籾殻・わら・木質系
1.5
1.4
22
23
L
牛糞・豚糞
籾殻・わら・木質系
1.2
1.1
15
16
2009 年秋田県農業試験場・果樹試験場・畜産試験場・秋田県立大学調べ
秋田県内で生産されている家畜排泄物を主原料とし、年間の生産量が 1,000t 以上の
たい肥製造施設 12 カ所のたい肥について調査
※1 肥料代替量:たい肥中の養分で作物が吸収利用可能な養分量を示し、この量
だけ慣行の化学肥料を減ずることができる。
たい肥に含まれる三要素の有効成分のバランスは、作物毎に必要なバランスと異なる
場合が多い。具体的には、窒素のみを考慮して、たい肥の施用量を決めると、他の要
素が過剰になる場合がある。そこで、窒素、リン酸、カリのいずれかの成分が必要と
される施用量を超えないように、たい肥施用量を決める。
たい肥等の有機質資材の施用には土壌物理化学性の改善効果もあるため、養分量に基
づき施用量を極端に削減することは、土づくりの観点からは好ましいことではない。
施用するたい肥を養分量の少ないたい肥(稲わらたい肥、バークたい肥等)に変更す
15
ることや、緑肥作物を利用することで、土壌有機物の減少が生じないようにする。稲
わらたい肥とバークたい肥の養分含有量と肥料代替量の例を表3に示す。
(表3)稲わらたい肥とバークたい肥の養分含有量と肥料代替量の例
肥料代替率 現物 1t 当たりの肥料代替量
養分含量例
たい肥
の種類
水分
(%)
CN
比
(現物%)
(%)
窒
リ
カ
石
苦
窒 リ カ
窒
リ
カ
石
苦
素
ン
リ
灰
土
素 ン リ
素
ン
リ
灰
土
0.7
0.6
酸
稲わら
たい肥
バーク
たい肥
(kg)
酸
酸
75 19 0.41 0.19 0.44 0.07 0.06 30 50 90 1.2
1.0
4.0
61 36 0.47 0.33 0.28 2.10 0.90 0 50 90 0.0
1.7
2.5 21.0 9.0
神奈川県 平成 21 年度施肥基準 表 8-6 を改編
(2)緑肥作物利用に際しての留意点
緑肥作物の肥効は、緑肥作物の生育ステージ、鋤込み時期及び緑肥作物の種類等によ
って左右される。緑肥の養分含有量と肥料代替量の例を表4に示す。なお、緑肥作物
を栽培作物と同一のほ場で作付けして鋤込むと養分供給は期待できないが、窒素固定
能を有する緑肥作物の場合は窒素供給が期待できる。緑肥作物の利用に際しては、地
域振興局農林部農業振興普及課や試験研究機関等のアドバイスを受けることが望まし
い。
(表4)緑肥の養分含有量と肥料代替量の例
肥料代替率 現物 1t 当たりの肥料代替量
養分含量例
水
作物名 分
(%)
CN
比
(現物%)
(%)
(kg)
窒
リ
カ
石
苦
窒 リ カ
窒
リ
カ
石
苦
素
ン
リ
灰
土
素 ン リ
素
ン
リ
灰
土
酸
酸
酸
レンゲ
77 18 0.55 0.12 0.30 0.32 0.12 30 50 90 1.7
0.6
2.7
3.2
1.2
ソルゴー
80 22 0.28 0.10 0.78 0.06 0.10 20 50 90 0.6
0.5
7.0
0.6
1.0
78 17 0.42 0.11 0.68 0.15 0.09 30 50 90 1.3
0.6
6.1
1.5
0.9
81 12 0.38 0.11 0.19 0.29 0.11 30 50 90 1.1
0.6
1.7
2.9
1.1
イタリアンライ
グラス
トウモロコシ
神奈川県 平成 21 年度施肥基準 表 8-6 を改編
16
(3)適正な養分量に応じた施肥設計
持続農業法に基づく持続性の高い農業生産方式では、農地の土壌残存養分量を適正な
水準に長期的に維持することが重要である。このため、たい肥やその他有機質資材、有
機質肥料、化学肥料といった複数の肥料を施用する場合は、土壌診断により土壌残存養
分量を調査し、かつ、たい肥や各肥料由来の養分量を把握した上で、それらの施用量を
決めることが肝要となる。
適正な養分量に応じた施肥設計のイメージ
たい肥
化学肥料
成分量減
たい肥
有機質肥料
化学肥料
化学肥料
適正な養分量
有機質肥料
土壌残存養分
土壌残存養分
持続性の高い農業生産方式
慣行
2 きめ細かな施肥の実施
局所施肥を的確に実施するためには、畝を正確に成型できる土壌の物理性の確保、農
作物の栽植様式に合わせた施肥機による肥料繰り出し量の調節等が技術的に重要な要素
となる。
また、肥効調節型肥料の利用にあたっては、肥効発現の速度の程度が異なるものが多
数流通しているため、普及指導員や農協営農指導員等のアドバイスを受けながら、栽培
する農作物の吸肥特性に合致した適切な肥料の選択が必要である。
3 発生予察に基づく的確な防除の実施
持続性の高い農業生産方式のうち化学農薬を減少させる効果が高い技術を実施するう
えで、県病害虫防除所が定期的に提供している病害虫発生予察情報の利用が重要である。
県では、秋田農林水産情報「こまちチャンネル」
(こまちチャンネルホームページ)や
地域振興局農林部農業振興普及課等を通じて情報を提供しているので、これらの情報を
積極的に活用するとともに試験場、病害虫防除所、地域振興局農林部農業振興普及課等
の職員のアドバイスを受けることが望ましい。
17
第2 持続性の高い農業生産方式の取り組みに関する事項
1 土壌の性質の総合的な改善
たい肥等有機質資材の施用は、土壌の性質の総合的な改善を行う最も有効な手法であ
るとされているが、土壌の物理性の根本的な改善や酸度矯正のためには、たい肥の施用
だけで不十分な場合もあり、これが適切に行われない場合は持続性の高い農業生産方式
の効果的な実施に困難を来すことも想定される。
このため、重粘土地域の水田では、補助暗渠等による排水対策を行う。また、火山灰
土地域においては、生育障害を避けるため、石灰質肥料の施用による酸度の改善を行う。
なお、県内の各地力増進地域において地力増進対策指針が定められている場合にあっ
ては、持続性の高い農業生産方式に取り組む農業者は同対策指針の内容に即した改善方
策を行うことが必要である。
2 栽培技術実証圃等の活用
持続性の高い農業生産方式については、地域振興局農林部農業振興普及課等が設置す
る栽培技術実証圃や普及指導員による濃密指導等により普及に努めていくこととしてい
る。これらの実証圃等で開催される現地講習会などに積極的に参加し、技術指導を受け
ながら、持続的農業に取り組むことが望ましい。
3 必要な機械、資材等及び資金の調達
持続性の高い農業生産方式の導入には、新たな営農用機械や資材等の整備が必要とな
る場合がある。
これらの機械・資材は、慣行の生産方式の実施に用いるものと比較して、高価なもの
もあり、その利用に関しても高度な技術が要求されるものであることから、個々の農業
者の経営内容や技術水準を見極めつつ、導入を行うことが必要である。
また、これらの農業機械、資材等を整備する場合には、取り組みの初期段階における
経営的な負担の軽減を図る観点から、必要に応じて、農業改良資金やその他の融資制度
を積極的に活用することが適当である。
4 補助事業の積極的な活用
持続性の高い農業生産方式に地域全体で取り組む場合には、たい肥製造施設・たい肥
舎等共同利用施設の建設や集団営農用機械の取得等による生産条件の整備を推進するこ
とが重要である。
これらを総合的に実施するための関係補助事業が制度として設けられていることから、
必要に応じ、県、市町村等の指導を受けながら積極的に活用することが適当である。
18
第3
1
持続性の高い農業生産方式の作物ごとの内容
水
稲
本県の水田は約 9 割が低地の沖積平野に分布している。また、低地水田の半分がグ
ライ土に分類され、黒泥土、泥炭土を含めると、水田面積の約 6 割が排水不良田とな
っている。地域別にみると、米代川流域にはやや粗い土壌が多く分布し、雄物川、子
吉川流域には粘土含量が高く土壌窒素供給量も大きい土壌が多い。
したがって、気象条件、土壌条件などを考慮し、適品種の作付けを心がけ、稲わら
やたい肥等の有機物を適正に投入して地力の維持増進を図るとともに排水性を向上さ
せ、土壌診断に基づいた土づくり肥料の施用により総合的な土づくりを行う。
施肥技術については、肥効調節型肥料の育苗箱全量施肥や側条施肥などにより施肥
効率を高め、環境負荷をできるだけ軽減しながら、収量の維持と品質・食味の向上を
図る必要がある。
防除技術では、発生予察に基づいた病害虫の効率的な防除に努めるとともに機械除
草や被覆資材、草食動物を用いた雑草防除を併用することにより除草剤使用回数の削
減を図る。
本県では、減農薬防除体系である「あきたecoらいす」防除体系の普及に努めて
いる。本防除体系は、農林水産技術センター農業試験場が独自に開発した「いもち・
斑点米カメムシ類省力型防除体系」
(いもち病防除として育苗期防除の徹底による本田
防除の削減と斑点米カメムシ類防除として出穂期 10 日後頃に残効性の高い剤の一回
防除による体系)を発展させたものである。本防除体系では、農薬の使用成分回数が
県慣行栽培の 50%以上削減となるので、持続性の高い農業生産方式の導入に際しては、
県慣行栽培の 20%以上削減を目安として、本防除体系を準用しても差し支えない。
19
(1) 県内一円:グライ土
グライ土は、一般に土性が細粒質のものが多く、排水不良で土壌は還元的になりや
すいが、保肥力が高く、土壌有機物の消耗や養分の流亡も少ないため、肥沃で土壌
窒素の発現量も多い。従って、稲わらなど未熟な有機物の施用は土壌の還元を助長
することから、地温の上昇に伴い根が還元障害を受けやすくなるため、十分な排水
対策を行うことが重要である。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいたたい肥等の適正な施用を基本とする。 (10a当たり)
施用技術 ・牛ふんたい肥(窒素成分約 0.3~0.7%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・豚ぷんたい肥(窒素成分約 0.3~1.5%、C/N比約 10~20) 0.5~0.6t 程度
・稲わらたい肥(窒素成分約 0.2~0.5%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・稲 わ ら(窒素成分約 0.4~0.6%、C/N比約 50~120) 0.4~0.6t 程度
○畑後輪換田での大豆、牧草等作物残渣のすき込み
別表1
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術
基肥と追肥の合計窒素成分量を 10~20%低減する。
別表2
○肥効調節型肥料による育苗箱全量施肥
基肥と追肥の合計窒素成分量を 30~40%低減する。
○側条施肥と追肥を組み合わせた施肥体系
別表3
基肥の全量を側条施肥し、施肥効率を高める。
基肥窒素量を 10~20%低減する。
・標準施肥量
○有機質肥料の基肥施用
動物質や植物質などに由来する肥料であり、窒素成分の
おおむね3割以上が有機質であること。
慣行の農薬成
化学農薬 ○温湯種子消毒技術
低減技術 ○機械的方法による雑草防除
分回数の 20%
○アイガモ等除草用小動物の利用による雑草防除
以上削減
○生物農薬利用技術
○輪作による病害虫・雑草の低減(対抗植物の作付け含む)
大豆や麦など水稲以外の土地利用型作物を2~4年ごと
に作付けする。
○紙マルチ等被覆資材の利用による雑草防除
○「あきたecoらいす」防除体系の準用
そ の 他 ・ 稲わらをすき込む場合は、土壌中における腐熟化を促進するため、土づく
留意事項
り肥料の施用を実施する。
・ 腐熟していない牛ふんたい肥や豚ぷんたい肥等は、グライ土等の排水不良
田では施用しない。
・ 転作作物残さのすき込み後の復田初年目では、施肥窒素成分量を 50%以上
低減する。
・ 「あきたecoらいす」防除体系を準用する技術は、国が定める持続性の
高い農業生産方式に該当しない。
20
(別表 1)肥効調節型肥料の施用量
施肥区分
肥
料 タ イ プ
基
肥 窒 素 施 用 量
全層施肥
70~100 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 80~90%量
調節型肥料を窒素成分で
50~70%配合した肥料
側条施肥
40~70 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 70~90%量
調節型肥料を窒素成分で
*40 日タイプは8葉期の肥料切れを防止する。
70 日タイプは穂肥までの追肥を省略できる。
40~70%配合した肥料
(別表 2)育苗箱全量施肥の施用量
肥
料 タ イ プ
基
肥 窒 素 施 用 量
60~100 日のシグモイドタイプの (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 60~70%量
育苗箱全量施肥専用の肥効調節型
肥料
(別表 3)側条施肥の施用量
施肥区分
追
基 肥 窒 素 施 用 量
肥 時 期 ・ 量
全 量 を 土 壌 型 別 基 肥 窒 素 量 の 生育・栄養診断によるが、幼穂形成期、または、
側条施肥 80~90%量
減数分裂期の窒素2kg/10aを基本とする。
21
(2) 県北部:灰色低地土、多湿黒ボク土
灰色低地土は、比較的地下水位が低く、また、土性が粗い傾向にあることから、排
水は良好であるが、保肥力は低い場合が多い。従って、初期生育は比較的安定して
いるが、凋落的な生育経過をとりやすく、有機物や土壌改良資材施用による土壌の
改良対策に留意する必要がある。
多湿黒ボク土は、地形的に高い場所に位置し、土壌の母材が火山灰であることから、
石灰、苦土などの塩基類やリン酸などが不足している場合が多く、また、窒素の吸
着力が弱い。従って、初期生育は、灰色低地土に比べて遅くなりやすいことから、
有機物や土壌改良資材、リン酸の施用などによる総合的な土づくりが必要である。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいたたい肥等の適正な施用を基本とする。 (10a当たり)
施用技術 ・牛ふんたい肥(窒素成分約 0.3~0.7%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・豚ぷんたい肥(窒素成分約 0.3~1.5%、C/N比約 10~20) 0.5~0.6t 程度
・稲わらたい肥(窒素成分約 0.2~0.5%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・稲 わ ら(窒素成分約 0.4~0.6%、C/N比約 50~120) 0.4~0.6t 程度
○畑後輪換田での大豆、牧草等作物残渣のすき込み
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
別表1
低減技術
基肥と追肥の合計窒素成分量を 10~20%低減する。
○肥効調節型肥料による育苗箱全量施肥
別表2
基肥と追肥の合計窒素成分量を 10~30%低減する。
○全層施肥・側条施肥と追肥を組み合わせた施肥体系
別表3
全層施肥と側条施肥を組み合わせ、施肥効率を高める。
全層施肥は、慣行基肥窒素量の 50~70%低減する。
側条施肥は、慣行基肥窒素量の 30~50%低減する。
○有機質肥料の基肥施用
・標準施肥量
動物質や植物質などに由来する肥料であり、窒素成分の
おおむね3割以上が有機質であること。
化学農薬 ○温湯種子消毒技術
慣行の農薬成
低減技術 ○機械的方法による雑草防除
分回数の 20%
○アイガモ等除草用小動物の利用による雑草防除
以上削減
○生物農薬利用技術
○輪作による病害虫・雑草の低減(対抗植物の作付け含む)
大豆や麦など水稲以外の土地利用型作物を2~4年ごと
に作付けする。
○紙マルチ等被覆資材の利用による雑草防除
○「あきたecoらいす」防除体系の準用
そ の 他 ・ 稲わらをすき込む場合は、土壌中における腐熟化を促進するため、土づく
留意事項
り肥料の施用を実施する。
・ 転作作物残さのすき込み後の復田初年目では、施肥窒素成分量を 50%以上
低減する。
・ 「あきたecoらいす」防除体系を準用する技術は、国が定める持続性の
高い農業生産方式に該当しない。
22
(別表 1)肥効調節型肥料の施用量
施肥区分
全層施肥
側条施肥
肥
料 タ イ プ
基
肥 窒 素 施 用 量
70~100 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 80~90%量
調節型肥料を窒素成分で
50~70%配合した肥料
40~70 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 70~90%量
調節型肥料を窒素成分で
*40 日タイプは8葉期の肥料切れを防止する。
40~70%配合した肥料
70 日タイプは穂肥までの追肥を省略できる。
(別表 2)育苗箱全量施肥の施用量
肥料タイプ
土壌区分
60~100 日のシグ 灰色低地土
モイドタイプの育
苗箱全量施肥専用 多湿黒ボク土
の肥効調節型肥料
基
肥 窒 素 施 用 量
(各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 80~90%量
(各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 70~80%量
(別表 3)側条施肥の施用量
施肥区分
追
基 肥 窒 素 施 用 量
肥 時 期 ・ 量
全層施肥と ・ 全層施肥は、土壌型別基肥 生育・栄養診断によるが、幼穂形成期、ま
側条施肥の
窒素量の 30~50%量
たは、減数分裂期の窒素2kg/10aを基本
組合せ
・ 側条施肥は、土壌型別基肥 とする。
窒素量の 50~70%量
23
(3)県中央部・県南部:灰色低地土、多湿黒ボク土
灰色低地土は、比較的地下水位が低く、また、土性が粗い傾向にあることから、排
水は良好であるが、保肥力は低い場合が多い。従って、初期生育は比較的安定して
いるが、凋落的な生育経過をとりやすく、有機物や土壌改良資材施用による土壌の
改良対策に留意する必要がある。
多湿黒ボク土は、地形的に高い場所に位置し、土壌の母材が火山灰であることから、
石灰、苦土などの塩基類やリン酸などが不足している場合が多く、また、窒素の吸
着力が弱い。従って、初期生育は、灰色低地土に比べて遅くなりやすいことから、
有機物や土壌改良資材、リン酸の施用などによる総合的な土づくりが必要である。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいたたい肥等の適正な施用を基本とする。 (10a当たり)
施用技術 ・牛ふんたい肥(窒素成分約 0.3~0.7%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・豚ぷんたい肥(窒素成分約 0.3~1.5%、C/N比約 10~20) 0.5~0.6t 程度
・稲わらたい肥(窒素成分約 0.2~0.5%、C/N比約 10~20) 1t 程度
・稲 わ ら(窒素成分約 0.4~0.6%、C/N比約 50~120) 0.4~0.6t 程度
○畑後輪換田での大豆、牧草等作物残渣のすき込み
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
別表1
低減技術
基肥と追肥の合計窒素成分量を 10~20%低減する。
○肥効調節型肥料による育苗箱全量施肥
別表2
基肥と追肥の合計窒素成分量を 10~30%低減する。
別表3
○側条施肥と追肥を組み合わせた施肥体系
基肥の全量を側条施肥し、施肥効率を高める。
基肥窒素量を 10~20%低減する。
○有機質肥料の基肥施用
・標準施肥量
動物質や植物質などに由来する肥料であり、窒素成分の
おおむね3割以上が有機質であること。
化学農薬 ○温湯種子消毒技術
慣行の農薬成
低減技術 ○機械的方法による雑草防除
分回数の 20%
○アイガモ等除草用小動物の利用による雑草防除
以上削減
○生物農薬利用技術
○輪作による病害虫・雑草の低減(対抗植物の作付け含む)
大豆や麦など水稲以外の土地利用型作物を2~4年ごと
に作付けする。
○紙マルチ等被覆資材の利用による雑草防除
○「あきたecoらいす」防除体系の準用
そ の 他 ・ 稲わらをすき込む場合は、土壌中における腐熟化を促進するため、土づく
留意事項
り肥料の施用を実施する。
・ 転作作物残さのすき込み後の復田初年目では、施肥窒素成分量を 50%以上
低減する。
・ 「あきたecoらいす」防除体系を準用する技術は、国が定める持続性の
高い農業生産方式に該当しない。
24
(別表 1)肥効調節型肥料の施用量
施肥区分
全層施肥
側条施肥
肥
料 タ イ プ
基
肥 窒 素 施 用 量
70~100 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 80~90%量
調節型肥料を窒素成分で
50~70%配合した肥料
40~70 日タイプの肥効 (各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 70~90%量
調節型肥料を窒素成分で
*40 日タイプは8葉期の肥料切れを防止する。
40~70%配合した肥料
70 日タイプは穂肥までの追肥を省略できる。
(別表 2)育苗箱全量施肥の施用量
肥料タイプ
土壌区分
60~100 日のシグ 灰色低地土
モイドタイプの育
苗箱全量施肥専用 多湿黒ボク土
の肥効調節型肥料
基
肥 窒 素 施 用 量
(各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 80~90%量
(各地域の基肥+追肥合計窒素量)の 70~80%量
(別表 3)側条施肥の施用量
施肥区分
追
基 肥 窒 素 施 用 量
肥 時 期 ・ 量
全 量 を 土 壌 型 別 基 肥 窒 素 量 の 生育・栄養診断によるが、幼穂形成期、または、
側条施肥 80~90%量
減数分裂期の窒素2kg/10aを基本とする。
25
2
畑 作 物(県内一円)
(1) 大
豆
畑作物の安定生産のためには、土づくりが不可欠であるが、特に地力の低い土壌で
はたい肥等による地力増強が必要である。たい肥の施用は、根粒菌の着性を良好に
することから牛ふんたい肥や豚ぷんたい肥など窒素発現が緩やかな有機物を適正に
施用する。窒素発現量の多い鶏ふんなどの施用や多肥は根粒の着性を阻害するので
避ける。
施肥量は土壌の肥沃度に応じて調節し、地力が高い場合は基肥を減じるほか、生育
量に応じて追肥量も加減する必要がある。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいたたい肥等の適正な施用を基本とする。 (10a当たり)
施用技術 ・牛ふんたい肥(窒素成分約 0.3~0.7%、C/N比約 10~20) 1.5t程度
・豚ぷんたい肥(窒素成分約 0.3~1.5%、C/N比約 10~20) 0.5~0.6t程度
・稲わらたい肥(窒素成分約 0.2~0.5%、C/N比約 10~20) 1~2t程度
・稲 わ ら(窒素成分約 0.4~0.6%、C/N比約 50~120) 0.4~0.6t程度
○緑肥作物の作付とすき込み
ライ麦やエン麦などイネ科作物
2~4t
化学肥料 ○肥効調節型肥料を追肥する技術
・窒素7~8kg
低減技術
培土期に肥効調節型肥料(LP70 など)を施用。
/10a
○局所施肥と追肥を組み合わせた施肥体系
・基肥窒素成分
基肥の全量を播種時に側条施肥し施肥効率を高める。
量を慣行の 20
追肥を組み合わせる。
~30%低減す
る。
○有機質肥料の基肥施用
・標準施肥量
動物質や植物質などに由来する肥料であり、窒素成分の
おおむね3割以上が有機質であること。
化学農薬 ○機械的方法による雑草防除
慣行の農薬成
低減技術 ○輪作による病害虫・雑草の低減(対抗植物の作付け含む) 分回数の 20%
麦や水稲など大豆以外の土地利用型作物を2~3年ごと 以上削減
に作付けする。
○抵抗性品種栽培技術
そ の 他 ・ 水田で作付けする場合は、排水対策を十分に行う。
留意事項
26
(2) 麦
類
畑作物の安定生産のためには、土づくりが不可欠であるが、特に地力の低い土壌で
はたい肥等による地力増強が必要である。たい肥の施用は、牛ふんたい肥や豚ぷん
たい肥などを適正に施用し、窒素発現量の多い鶏ふんなどは好ましくないので避け
る。
施肥量は土壌の肥沃度に応じて調節し、地力が高い場合は基肥を減じるほか、生育
量に応じて追肥窒素量も加減する必要がある。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいたたい肥等の適正な施用を基本とする。 (10a当たり)
施用技術 ・牛ふんたい肥(窒素成分約 0.3~0.7%、C/N比約 10~20) 1.5t程度
・豚ぷんたい肥(窒素成分約 0.3~1.5%、C/N比約 10~20) 0.5~0.6t程度
・発酵鶏ふんたい肥(窒素成分約2%、C/N比約 10~20) 0.3~0.4t程度
・稲わらたい肥(窒素成分約 0.2~0.5%、C/N比約 10~20) 1~2t程度
・稲 わ ら(窒素成分約 0.4~0.6%、C/N比約 50~120) 0.4~0.6t程度
○緑肥作物の作付とすき込み
大豆など豆科作物
1~2t
化学肥料 ○局所施肥と追肥を組み合わせた施肥体系
・基肥窒素成分
低減技術
基肥の全量を播種時に側条施肥し施肥効率を高める。
量を慣行 20~
追肥を組み合わせる。
30 % 低 減 す
る。
融雪後追肥0~3kg/10a
減数分裂期0~3kg/10a
○有機質肥料の基肥施用
・標準施肥量
動物質や植物質などに由来する肥料であり、窒素成分の
おおむね3割以上が有機質であること。
化学農薬 ○温湯種子消毒技術
慣行の農薬成
低減技術 ○機械的方法による雑草防除
分回数の 20%
○輪作による病害虫・雑草の低減(対抗植物の作付け含む) 以上削減
大豆や水稲など麦以外の土地利用型作物を2~4年ごと
に作付けする。
そ の 他 ・ 水田で作付けする場合は、排水対策を十分に行う。
留意事項
27
3
野
菜(県内一円)
(1)-① 果菜類(さや類含む)
:砂丘未熟土
主に沿岸部に分布し、保肥力・保水力が弱く養分含量に乏しい砂質土壌では、一部
多肥栽培の傾向がみられる。主にメロン等が栽培されているが、連作が多くなって
いる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料を組み合わせて、化学肥料の施用量の低
減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
使用の目安
2~4t/10a
(但し、さや類
1~2t/10a)
1t/10a
○緑肥作物の栽培、鍬込み
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
20%以上削減
○有機質肥料の施用
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵昆虫、天敵微生物) 慣 行 の 農 薬 成 分
○対抗植物栽培(マリーゴールド等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培・台木利用技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
28
(1)-② 果菜類(さや類含む)
:黒ボク土
野菜畑の多くを占める火山灰土壌では、ほとんどの果菜類が栽培されているが、連
作や施設栽培の一部では土壌養分の蓄積がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料を組み合わせて、化学肥料の施用量の低
減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
使用の目安
2~4t/10a
(但し、さや類
1~2t/10a)
1t/10a
○緑肥作物の栽培、鍬込み
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵昆虫、天敵微生物) 慣 行 の 農 薬 成 分
○対抗植物栽培(マリーゴールド等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培・台木利用技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
29
(1)-③ 果菜類(さや類含む)
:褐色低地土
主に沿岸及び内陸部に分布し、腐植含量が比較的少ない土壌である。ほとんどの果
菜類が栽培されているが、連作や施設栽培の一部では土壌養分の蓄積がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料を組み合わせて、化学肥料の施用量の低
減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
使用の目安
2~4t/10a
(但し、さや類
1~2t/10a)
1t/10a
○緑肥作物の栽培、鍬込み
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵昆虫、天敵微生物) 慣 行 の 農 薬 成 分
○対抗植物栽培(マリーゴールド等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培・台木利用技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
30
(2)-① 葉・茎菜類:砂丘未熟土
主に沿岸部に分布し、保肥力・保水力が弱く養分含量に乏しい砂質土壌では、連作
や一部多肥栽培が行われている。主にネギ、アスパラガスなどが栽培されているが、
連作が多くなっている。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥により、化学肥
料の施用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
1~2t/10a
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
0.5~1t/10a
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵微生物)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
31
(2)-② 葉・茎菜類:黒ボク土
野菜畑の多くを占める火山灰土壌では、ほとんどの葉・茎菜類が栽培されているが、
連作や施設栽培の一部では土壌養分の蓄積がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥により、化学肥
料の施用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
1~2t/10a
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
0.5~1t/10a
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
20%以上削減
○有機質肥料の施用
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵微生物)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
32
(2)-③ 葉・茎菜類:褐色低地土
主に沿岸及び内陸部に分布し、腐植含量が比較的少ない土壌である。ほとんどの
葉・茎菜類が栽培されているが、連作や施設栽培の一部では土壌養分の蓄積がみら
れる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の施用、緑肥作物の導入
により土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥につい
てはたい肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥により、化学肥
料の施用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、生物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、
マルチ栽培等の導入により病害虫および雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報
にもとづく効率的防除を実施することにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
1~2t/10a
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
0.5~1t/10a
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(拮抗微生物、BT剤、天敵微生物)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○土壌還元消毒技術
○熱利用土壌消毒技術(太陽熱消毒等)
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(UVカットフィルム、防虫網等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
33
(3)-① 根菜類:砂丘未熟土
主に沿岸部に分布し、保肥力・保水力が弱く養分含量に乏しい砂質土壌では、主に
ダイコン、ナガイモなどが栽培されているが、連作や一部多肥栽培がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の前作への施用により、
土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥についてはた
い肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥等により、化学肥料の
施用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、連作障害を回避するため輪作を行うとともに、生
物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、マルチ栽培等の導入により病害虫お
よび雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報にもとづく効率的防除を実施するこ
とにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
使用の目安
1~2t/10a
(前作に施用)
0.5~1t/10a
(前作に施用)
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(BT剤、天敵微生物等)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(防虫網、トンネル被覆等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
34
(3)-② 根菜類:黒ボク土
野菜畑の多くを占める火山灰土壌では、ほとんどの根菜類が栽培されているが、連
作や一部多肥栽培がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の前作への施用により、
土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥についてはた
い肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥により、化学肥料の施
用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、連作障害を回避するため輪作を行うとともに、生
物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、マルチ栽培等の導入により病害虫お
よび雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報にもとづく効率的防除を実施するこ
とにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
使用の目安
1~2t/10a
(前作に施用)
0.5~1t/10a
(前作に施用)
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(BT剤、天敵微生物等)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(防虫網、トンネル被覆等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
35
(3)-③ 根菜類:褐色低地土
主に沿岸及び内陸部に分布し、腐植含量が比較的少ない土壌である。ほとんどの根
菜類が栽培されているが、連作や一部では多肥栽培がみられる。
土壌管理としては、完熟した稲わらたい肥や家畜糞たい肥の前作への施用により、
土壌の健全化(土壌の物理性や化学性等の改善)を図る。また、施肥についてはた
い肥や肥効調節型肥料、有機質肥料の組み合わせや局所施肥等により、化学肥料の
施用量の低減を図る。
病虫害及び雑草対策については、連作障害を回避するため輪作を行うとともに、生
物農薬やフェロモン剤、対抗植物、被覆栽培、マルチ栽培等の導入により病害虫お
よび雑草の発生を抑制し、併せて発生予察情報にもとづく効率的防除を実施するこ
とにより、農薬の散布回数の節減を図る。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ○土壌診断に基づいた適切な有機質資材
施用技術 (たい肥、堆厩肥技術等)の施用
○緑肥作物の栽培、鍬込み
使用の目安
1~2t/10a
(前作に施用)
0.5~1t/10a
(前作に施用)
化学肥料 ○肥効調節型肥料の基肥施用
低減技術 ○局所施肥
慣行の窒素量の
○有機質肥料の施用
20%以上削減
○堆・厩肥の利用
化学農薬 ○機械除草技術
低減技術 ○生物農薬(BT剤、天敵微生物等)
慣行の農薬成分
○対抗植物栽培(マリーゴールド、葉ダイコン等)
回数の 20%以上
○抵抗性品種栽培技術
削減
○忌避資材の利用(光反射テープ等)
○被覆栽培(防虫網、トンネル被覆等)
○フェロモン(交信撹乱剤)
○マルチ栽培(シルバーマルチ、黒マルチ、
グリーンマルチ、生分解性マルチ等)
そ の 他 ○たい肥の施用量は、稲わらたい肥(窒素成分 0.4%、C/N比 20)の施用を
留意事項
前提としている。
他の堆厩肥を施用する場合は窒素成分量に基づき補正する。
○輪作の実施
○各作物に適用できる生産方式は 49 ページの「持続性の高い農業生産方式の
適用一覧表」を参照すること。
36
4
果
樹
(1) りんご
本県のりんごは、全県各地で栽培されていることから、土壌区分や土壌診断結果を
もとに、家畜糞たい肥や稲わらたい肥の施用量を決め、土壌の地力向上と性質の改
善を図る。また、有機質肥料利用による化学肥料の代替えを進め、生産の安定と品
質の向上を図る。
化学農薬の低減としては、フェロモン剤、生物農薬と袋かけによる殺虫、殺菌剤の
節減、それに機械除草による除草剤の節減を基本として実施し、併せて高度の発生
予察による病害虫防除を徹底する。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○たい肥等有機質資材施用技術
0.5t/10a
※鹿角北秋田台地段
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施 丘地(黒ボク土)
※県南部扇状地及び
用を基準とする。
河岸段丘地
(黒ボク土)
○緑肥作物利用技術
・イネ科牧草等を草生栽培し、刈草は樹冠下へ敷草する。 ※水田転換土
1t/10a
※主要河川流域
(褐色低地土)
※丘陵傾斜地
(褐色森林土)
化学肥料 ○局所施肥技術
化学肥料窒素成
低減技術 ○肥効調節型肥料施用技術
分量
○有機質肥料施用技術
8kg/10a以下
・有機質肥料を施用する。
化学農薬 ○機械除草技術 (対象病害虫等:雑草)
低減技術 ○生物農薬利用技術
慣行の農薬成分
(対象病害虫:ハマキムシ類、シャクトリムシ類、
回数の 20%以上
ケムシ類等) 削減
○抵抗性台木利用技術(対象病害虫:リンゴワタムシ等)
○被覆栽培技術(袋かけ)
(対象病害虫等:輪紋病、炭疽病、すす斑病、すす点病)
○フェロモン剤利用技術
(対象病害虫等:シンクイムシ類、ハマキムシ類)
○マルチ栽培技術(対象病害虫等:雑草)
そ の 他 ○たい肥を施用した場合は、肥効として期待できる窒素成分量を年間の肥料
留意事項
施用量から削減する。
○たい肥や肥料の施用に際しては樹勢を診断し、施用量を加減する。
37
(2) ぶどう
本県のぶどうは、県南を中心に全県的に栽培されていることから、土壌区分や土壌
診断結果をもとに、家畜糞たい肥や稲わらたい肥の施用量を決め、土壌の地力向上
と性質の改善を図る。また、有機質肥料利用による化学肥料の代替えを進め、生産
の安定と品質の向上を図る。
化学農薬の低減としては、生物農薬や袋かけ、雨よけによる殺虫、殺菌剤の節減、
それに機械除草による除草剤の節減を基本として実施し、併せて高度の発生予察に
よる病害虫防除を徹底する。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○たい肥等有機質資材施用技術
0.5t/10a
※鹿角北秋田台地段
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施 丘地(黒ボク土)
※県南部扇状地及び
用を基準とする。"
河岸段丘地
(黒ボク土)
○緑肥作物利用技術
・イネ科牧草等を草生栽培し、刈草は樹冠下へ敷草する。 ※水田転換土
1t/10a
※主要河川流域
(褐色低地土)
※丘陵傾斜地
(褐色森林土)
1.5t/10a
※県中央部等沿岸地
域(砂丘未熟土)
化学肥料 ○局所施肥技術
低減技術 ○肥効調節型肥料施用技術
○有機質肥料施用技術
・有機質肥料を施用する。
化学肥料窒素成
分量
8kg/10a以下
※鹿角北秋田台地段
丘地(黒ボク土)
※県南部扇状地及び
河岸段丘地(黒ボク
土)
※水田転換土
※主要河川流域
(褐色低地土)
12kg/10a
※県中央部等沿岸地
域(砂丘未熟土)
38
化学農薬 ○機械除草技術 (対象病害虫等:雑草)
低減技術 ○生物農薬利用技術
慣行の農薬成分
(対象病害虫:ハマキムシ類、シャクトリムシ類、
回数の 20%以上
ケムシ類等) 削減
○抵抗性台木利用技術(対象病害虫:フィロキセラ等)
○被覆栽培技術(袋かけ、雨よけ)
(対象病害虫等:晩腐病、べと病、灰色かび病)
○フェロモン剤利用技術(対象病害虫等:ハマキムシ類)
○マルチ栽培技術(対象病害虫等:雑草)
そ の 他 ○たい肥を施用した場合は、肥効として期待できる窒素成分量を年間の肥料
留意事項
施用量から削減する。
○たい肥や肥料の施用に際しては樹勢を診断し、施用量を加減する。
39
(3) な
し
本県では、日本なしが主に沿岸部、西洋なしが県南部に栽培されている。土壌区分
や土壌診断結果をもとに、家畜糞たい肥や稲わらたい肥の施用量を決め、土壌の地
力向上と性質の改善を図る。また、有機質肥料利用による化学肥料の代替えを進め、
生産の安定と品質の向上を図る。
化学農薬の低減としては、フェロモン剤、生物農薬と袋かけによる殺虫、殺菌剤の
節減、それに病害虫防除を機械除草による除草剤の節減を基本として実施し、併せ
て高度の発生予察による徹底する。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○たい肥等有機質資材施用技術
1t/10a
※黒ボク土等
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施
用を基準とする。"
1.5t/10a
※県中央部等沿岸地
○緑肥作物利用技術
・イネ科牧草等を草生栽培し、刈草は樹冠下へ敷草する。
化学肥料 ○局所施肥技術
低減技術 ○肥効調節型肥料施用技術
○有機質肥料施用技術
・有機質肥料を施用する。
域(砂丘未熟土)
化学肥料窒素成
分量
12kg/10a以下
※黒ボク土等
14kg/10a
※県中央部等沿岸地
域(砂丘未熟土)
化学農薬 ○機械除草技術 (対象病害虫等:雑草)
低減技術 ○生物農薬利用技術
慣行の農薬成分
(対象病害虫:ハマキムシ類、シャクトリムシ類、
回数の 20%以上
ケムシ類等) 削減
○抵抗性品種栽培・台木利用技術
○被覆栽培技術(袋かけ、雨よけ)
(対象病害虫等:輪紋病、黒斑病、炭疽病)
○フェロモン剤利用技術
(対象病害虫等:シンンクイムシ類、ハマキムシ類)
○マルチ栽培技術(対象病害虫等:雑草)
そ の 他 ○たい肥を施用した場合は、肥効として期待できる窒素成分量を年間の肥料
留意事項
施用量から削減する。
○たい肥や肥料の施用に際しては樹勢を診断し、施用量を加減する。
40
(4) おうとう
おうとうは主に県南部に栽培されている。土壌区分や土壌診断結果をもとに、家畜
糞たい肥や稲わらたい肥の施用量を決め、土壌の地力向上と性質の改善を図る。ま
た、有機質肥料利用による化学肥料の代替えを進め、生産の安定と品質の向上を図
る。
化学農薬の低減としては、フェロモン剤、生物農薬や雨よけによる殺虫、殺菌剤の
節減、それに機械除草による除草剤の節減を基本として実施し、併せて高度の発生
予察による病害虫防除を徹底する。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○たい肥等有機質資材施用技術
1t/10a
※県南部扇状地及び
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施 河岸段丘地(黒ボク
土)
用を基準とする。"
※水田転換土等
○緑肥作物利用技術
1.5t/10a
・イネ科牧草等を草生栽培し、刈草は樹冠下へ敷草する。 ※県南部等主要河川
流域(褐色低地土)
2t/10a
※県南部丘陵傾斜地
(褐色森林土)
化学肥料 ○局所施肥技術
低減技術 ○肥効調節型肥料施用技術
○有機質肥料施用技術
・有機質肥料を施用する。
化学肥料窒素成
分量
12kg/10a以下
化学農薬 ○生物農薬利用技術
低減技術
(対象病害虫:ハマキムシ類、シャクトリムシ類、
慣行の農薬成分
ケムシ類等) 回数の 20%以上
○フェロモン剤利用技術(対象病害虫等:コスカシバ)
削減
○被覆栽培技術(雨よけ)
(対象病害虫等:灰星病、黒斑病)
○マルチ栽培技術(対象病害虫等:雑草)
○機械除草技術 (対象病害虫等:雑草)
そ の 他 ○たい肥を施用した場合は、肥効として期待できる窒素成分量を年間の肥料
留意事項
施用量から削減する。
○たい肥や肥料の施用に際しては樹勢を診断し、施用量を加減する。
41
(5) もも
ももは県北部や県南部で栽培面積が急増している。土壌区分や土壌診断結果をもと
に、家畜糞たい肥や稲わらたい肥の施用量を決め、土壌の地力向上と性質の改善を
図る。また、有機質肥料利用による化学肥料の代替えを進め、生産の安定と品質の
向上を図る。
化学農薬の低減としては、フェロモン剤、生物農薬や袋かけによる殺虫、殺菌剤
の節減、それに機械除草による除草剤の節減を基本として実施し、併せて高度の発
生予察による病害虫防除を徹底する。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ○たい肥等有機質資材施用技術
1t/10a
※鹿角北秋田台地段
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施 丘地(黒ボク土)
※県南部扇状地及び
用を基準とする。"
河岸段丘地(黒ボク
土)
○緑肥作物利用技術
・イネ科牧草等を草生栽培し、刈草は樹冠下へ敷草する。 ※水田転換土等
1.5t/10a
※県南部等主要河川
流域(褐色低地土)
2t/10a
※県南部等丘陵傾斜
地(褐色森林土)
化学肥料 ○局所施肥技術
低減技術 ○肥効調節型肥料施用技術
○有機質肥料施用技術
・有機質肥料を施用する。
化学肥料窒素成
分量
12kg/10a以下
化学農薬 ○機械除草技術 (対象病害虫等:雑草)
低減技術 ○生物農薬利用技術
慣行の農薬成分
(対象病害虫:ハマキムシ類、シャクトリムシ類、
回数の 20%以上
ケムシ類等) 削減
○抵抗性品種栽培・台木利用技術
○被覆栽培技術(袋かけ)
(対象病害虫等:せん孔細菌病、灰星病)
○フェロモン剤利用技術
(対象病害虫等:シンクイムシ類、ハマキムシ類、
コスカシバ、モモハモグリガ)
○マルチ栽培技術(対象病害虫等:雑草)
そ の 他 ○たい肥を施用した場合は、肥効として期待できる窒素成分量を年間の肥料
留意事項
施用量から削減する。
○たい肥や肥料の施用に際しては樹勢を診断し、施用量を加減する。
42
(6) 参
考
① たい肥等の施用上の留意点
・良く腐熱した資材を使用し、過剰な施用にならないように注意する。
・原料として豚ぷんや牛ふんを主体にした堆肥、又はそれらに籾がら、稲わら等を
副資材に使用した堆肥で、窒素含有量1%、C/N比が 10~20 程度のもの(肥
効として期待できる窒素量 20%)を標準に施用する。
・次表を参考に肥効として期待できる堆肥中の窒素成分量を見積もり、年間の窒素
施用量が概ね、標準的施用量の範囲になるようにする。
・施用にあたっては、樹勢の状況を判断し、強すぎる場合には施用を控える。
対象地域
(市町名)
樹種
鹿角市
小坂町
大館市
北秋田市等
県 中 央 部 砂丘未熟土 能代市
等沿岸
八峰町
秋田市
潟上市等
県 中 央 部 褐色森林土 能代市
及び
三種町
県南部等
秋田市
丘陵傾斜
由利本荘市
地
横手市
湯沢市等
県 南 部 扇 黒ボク土 大仙市
状地及び
横手市等
河岸段丘
りんご
ぶどう
なし
もも
ぶどう
なし
地域
県北部
土壌
黒ボク土
県南全域
水田転換土 県南全域
県南部等
河川流域
褐色低地土 大仙市
横手市等
たい肥中の
標準的な
肥効が期待
年間窒素
できる窒素量
施用量
(t/10a) (kgN/10a) (kgN/10a)
0.5
1
10
0.5
1
10
1.0
2
15
1.0
2
15
1.5
3
15
2.0
4
18
たい肥
施用量
りんご
ぶどう
おうとう
もも
1.0
1.0
2.0
2.0
2
2
4
4
10
10
15
15
りんご
ぶどう
おうとう
もも
りんご
ぶどう
おうとう
もも
りんご
ぶどう
おうとう
もも
0.5
0.5
1.0
1.0
0.5
0.5
1.0
1.0
1.0
1.0
1.5
1.5
1
1
2
2
1
1
2
2
2
2
3
3
8
10
15
15
8
15
15
15
10
10
15
15
43
② 有機質肥料の使用方針
・基肥を中心にして有機質肥料で代替えし化成肥料の使用量を低減する。
・年間窒素施用量のうち基肥の割合はりんごでは 60%、ぶどう、なしでは砂質土
壌 60%、その他土壌 80%とする。
・有機質肥料としては比較的分解が早く速効性の油粕、魚粕、発酵鶏ふん等を標準
とする。
44
5
花
き
(1) 露地栽培
水田転作や砂質畑を利用した露地栽培では、土壌の性質や構造改善に加え化学肥料
の低減化に向け、家畜糞たい肥の施用を主体とした生産方式を推進すると共に、肥
効調節型肥料の利用や生育ステージに応じた効率的な肥培管理により、生産の安定
と品質の向上を目指す必要がある。
また、花きには特有の品質基準があるものの、環境保全を優先した栽培方式への転
換を推進するため、病害虫の発生予察情報に基づく効果的な防除による農薬使用量
の節減、除草剤使用を低減化するマルチ栽培の徹底等に努める。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
たい肥等 ・キク類、新テッポウユリ、リンドウ、枝物類等
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施
用を基準とする。
・緑肥利用技術
化学肥料 ・キク類等共通
低減技術 ① 土壌分析を励行し、残存養分量に応じて基肥量を決定
するほか、有機物入り肥料や緩効性肥料の施用に努め
る。
② 土壌改良資材も有機資材を主体とし、主要成分に関わ
る場合は、施肥量を減ずる。
③ 肥料の流亡を防ぐと共に、基肥の肥効期間を継続させ
るため、黒マルチやわらマルチを行う。
④ 輪ギクの8月出荷においては、早期活着と初期生育の
向上による草丈確保のため、定植後から小型ビニールト
ンネルを被覆する一方、長桿性品種の導入に配慮する。
⑤ 切り花の草丈は土壌水分の影響も受けるため、各生育
ステージにおいて適正な潅水操作を行う。
化学農薬 ・キク類等共通
低減技術 ① 病害虫の発生予察情報や天候推移に応じ、効率的な農
薬散布に努めると共に、作用機作の異なる薬剤のローテ
ーションとする。
対象病害虫名
・キク類:ハダニ類、アザミウマ類、白さび病
・ユリ類:葉枯れ病
② 生育初期の農薬散布回数の節減化に向け、定植前は粒
剤の施用とする。
③ 除草剤の施用を削減するため、マルチ資材の活用を図
る。
④ 水田転作では明・暗渠で圃場の除排水に努める他、高
畝により根腐れ病等を防ぐ。
45
使用の目安
3~5t/10a
慣行の窒素成分
量の 20%以上削
減
(化学肥料窒素成
分量 20kg/10a
以下)
慣行の農薬成分
回数の 20%以上
削減
(農薬散布回数
3~5回/月)
⑤ 光利用技術
そ の 他
留意事項
① 家畜糞たい肥を施用した場合や、消雪用に石灰窒素を散布した時は、窒素
の肥効相当量を全体量から削減する。
② 水田転作では圃場の選定に当たり排水の良否、養魚場の有無を確認する。
③ 連作は出来るだけ回避し、水田地帯においては防風ネットの設置に努め
る。
④ 品種の導入に当たっては、耐病虫性や草丈確保の難易性に十分配慮する。
⑤ 黒マルチ等は、微生物や光で崩壊する資材を利用する。
⑥ 圃場周辺の除草を行う。
46
(2) 施設栽培
花きの施設栽培においては化学肥料の低減化に向け、家畜糞たい肥や市販有機資材
の施用を主体とした土づくりのほか、培養液の循環を目指しながら、切り花では養
液土耕栽培及びロックウール栽培、鉢物では底面給水やエブアンドフロー等、先進
技術による持続型の生産方式を推進する。
また、農薬散布も環境保全に配慮した栽培方式へ転換することとし、粘着板の設置
による効果的な防除や、ハウス開口部を寒冷紗で覆う等の耕種的対策で、農薬の散
布回数削減に努める。
なお、土耕栽培では蒸気や太陽熱による土壌消毒の他、マルチングの励行で除草剤
等の農薬使用を減ずる。
区
分
持続性の高い農業生産方式の内容
使用の目安
たい肥等 ・キク、バラ、カーネーション、シクラメン、ストック等 家畜糞たい肥
施用技術 ・よく腐熟した家畜糞たい肥
3~5t/10a
(窒素成分量:現物1%程度、C/N比:10~20)の施 市販有機資材
用を基準とする。
300kg/10a
・緑肥利用技術
化学肥料 ・切り花、鉢物類
低減技術 ① 切り花では養液土耕栽培とロックウール栽培、鉢物で 慣 行 の 窒 素 成 分
は底面給水やエブアンドフロー等の生産方式とし培養 量の 20%以上削
減
液は循環再利用する。
② 土壌(培養液)と植物体を分析し、その診断に応じて
施肥量を決定する他、有機物入り肥料や緩効性肥料の施 (窒素成分量
キクの養液土耕
用に努める。
③ 土壌改良資材も有機資材を主体とし、主要成分に関わ 10kg/10a以下)
る場合は施肥量を減ずる。
④ 肥料の流亡を防ぐと共に、基肥の肥効期間を継続させ
るため切り花ではマルチングを行う。
⑤ 切り花ギクでは、無摘心栽培等で生産サイクルを短縮
する。
化学農薬 ・切り花、鉢物共通
低減技術 ① 病害虫の発生予察情報や天候推移に応じ、効率的な農 慣 行 の 農 薬 成 分
薬散布に努めると共に、作用機作の異なる薬剤の交互散 回数の 20%以上
削減
布とする他、生物農薬(天敵)利用を推進する。
対象病害虫名
(農薬散布回数
・キク類:ハダニ類、アザミウマ類、白さび病
・バラ類:ハダニ類、うどんこ病、べと病
2~3回/月)
・鉢物類:ダニ類、灰色かび病
② 耕種的には、輪作体系やハウス開口部を寒冷紗で覆う
等の対策で、農薬の散布回数削減に努める。
③ 土耕栽培では、蒸気や太陽熱による土壌消毒の他、マ
ルチングの励行で除草剤と土壌消毒剤の使用量を軽減
する。
47
そ の 他
留意事項
④ また、生育初期の農薬散布回数節減化に向け定植前は
粒剤を施用し、燻煙剤も活用する。
⑤ べと病や灰色かび病対策として、換気扇の設置等を推
進する。
⑥ 抵抗性品種栽培技術
⑦ 台木利用技術
⑧ 土壌還元消毒
⑨ 光利用技術(タバコガなど)
① 連作は出来るだけ回避し、輪作体系の確立に努める。
② 品種の導入に当たっては耐病虫性に十分配慮する。
③ 黒マルチ等は、微生物や光で崩壊する資材を利用する。
④ 施設周辺の除草を行う。品質保持剤の廃液は適正に処理すること。
48
6
持続性の高い農業生産方式の適用一覧表
持続性の高い
農業生産方式
水稲
大豆
麦
オクラ
カボチャ
キュウリ
果
シシトウ
菜
スイカ
類
スイートコーン
ズッキーニ
さ
トマト
や
ミニトマト
類
ナス
含
ピーマン
む
メロン
エダマメ
サヤインゲン
ソラマメ
アスパラガス
ウド
キャベツ
コマツナ
シュンギク
野
食用菊
菜
チンゲンサイ
葉 なばな類
・ ニラ
茎 ネギ
菜 ハクサイ
類 パセリ
ブロッコリー
ホウレンソウ
ミョウガ
モロヘイヤ
レタス
セリ
ニンニク
ゴボウ
ダイコン
根 ニンジン
菜 サトイモ
類 バレイショ
ヤマノイモ
ナガイモ
リンゴ
ブドウ
果
ナシ
樹
おうとう
モモ
露地栽培
花き
施設栽培
畑
作
物
(
)
た
い
肥
等
施
用
緑
肥
作
物
利
用
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化学肥料
低減技術
局
所
施
肥
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肥
効
調
節
型
肥
料
施
用
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有
機
質
肥
料
施
用
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化学農薬低減技術
温
湯
種
子
消
毒
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機
械
除
草
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除
草
用
動
物
利
用
生
物
農
薬
利
用
対
抗
植
物
利
用
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49
○
抵
抗
性
品
種
栽
培
・
台
木
利
用
土
壌
還
元
消
毒
フ
光
利
用
被
覆
栽
培
ロ
モ
ン
剤
利
用
マ
ル
チ
栽
培
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熱
利
用
土
壌
消
毒
ェ
作物名
たい肥等
施用技術
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7
主要作物における農薬および化学肥料の使用目安
化学肥料
【化学肥料(窒素成分)の施用量】
作物名
作型
水稲
大豆
オクラ
カボチャ
キュウリ
(
果
シシトウ
菜
スイカ
類
スイートコーン
ズッキーニ
さ
トマト
や
ミニトマト
類
ナス
含
ピーマン
む
メロン
露地
ハウス促成
ハウス抑制
)
エダマメ
早生
中生
晩生
サヤインゲン
ソラマメ
アスパラガス
ウド
キャベツ
コマツナ
シュンギク
食用菊
チンゲンサイ
葉
なばな類
・
ニラ
茎
ネギ
菜
ハクサイ
類
パセリ
ブロッコリー
ホウレンソウ
ミョウガ
モロヘイヤ
レタス
セリ
ニンニク
ゴボウ
ダイコン
根 ニンジン
菜 サトイモ
類 バレイショ
ヤマノイモ
ナガイモ
リンゴ
ブドウ
果
モモ
樹
日本なし
おうとう
野
菜
露地
ハウス促成
(単位:kg/10a)
県慣行 ※1
8.0
2.0
28.0
17.0
40.0
32.0
20.0
29.0
9.0
29.0
21.0
32.0
32.0
30.0
33.0
14.0
7.0
4.0
2.0
19.0
20.0
40.0
27.0
20.0
27.0
10.0
14.0
25.0
16.0
18.0
24.0
27.0
23.0
27.0
28.0
10.0
10.0
30.0
20.0
12.0
31.0
21.0
13.0
18.0
20.0
14.0
27.0
27.0
10.0
14.0
14.5
20.0
15.0
使用の目安
※2
※2
22.4 以下
13.6
32.0
25.6
16.0
23.2
7.2
23.2
16.8
25.6
25.6
24.0
26.4
11.2
5.6
3.2
1.6
15.2
16.0
32.0
21.6
16.0
21.6
8.0
11.2
20.0
12.8
14.4
19.2
21.6
18.4
21.6
22.4
8.0
8.0
24.0
16.0
9.6
24.8
16.8
10.4
14.4
16.0
11.2
21.6
21.6
8.0
※2
※2
※2
※2
化学合成農薬
【化学合成農薬の延べ
有効成分回数】
(単位:回)
県慣行 ※1
20
8
11
12
30
16
21
10
23
8
9
25
20
16
15
16
8
8
8
10
6
18
14
8
14
4
5
17
6
4
6
23
15
8
8
6
6
4
8
2
17
8
10
7
6
10
14
14
39
29
32
38
27
使用の目安
16 以下
6
8
9
24
12
16
8
18
6
7
20
16
12
12
12
6
6
6
8
4
14
11
6
11
3
4
13
4
3
4
18
12
6
6
4
4
3
6
1
13
6
8
5
4
8
11
11
31
23
25
30
21
※1 県慣行の数値は秋田県特別栽培農産物認証基準の別表1からの引用となる。
※2 指針Ⅱ第3に記載されている各作物の使用目安を参照すること。
50
Ⅲ
認
定
51
要
領
秋田県持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画認定要領
農
産-2789
平成12年 2月28日 制定
農
畜-1075
平成15年 4月 1日 改正
農
畜-1230
平成17年 4月 1日 改正
農
畜-4463
平成20年 3月21日 改正
水
田-1442
平成22年10月13日 改正
水
田-101
平成23年 4月 1日 改正
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画(以下、導入計画という。
)の認定につい
ては、
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年法律第110号。
以下、法という。
)及び持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律施行規則(平
成11年農林水産省令第69号。以下、施行規則という。)によるほか、この要領によるも
のとする。
第1 目 的
持続性の高い農業生産方式に取り組もうとする農業者が法第4条第1項に基づき作成
した導入計画について、その内容が県の持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針
(以下、導入指針という。
)に即したものであり、かつ、その計画の達成が確実であると
認められる場合に、知事は法第4条第3項に基づき、その計画の認定を行い、その計画
が着実に達成されるよう導入計画の認定を受けた農業者(以下、認定農業者という。
)に
対し、支援措置等を講ずること等によって、環境と調和した持続性の高い農業生産方式
の普及、定着の促進を図ることを目的とする。
第2 定 義
1
持続性の高い農業生産方式
法第2条で定める技術の全てを用いて行われるものとするほか、それぞれの技術に
ついては、施行規則第1条に定められたものとする。
2
導入指針
52
法第3条1項に基づき県が定めたものとする。
3
導入計画
(1)法第4条2項に定められた事項を内容とし、施行規則第2条の様式とする。
(別記
様式1号)
(2)導入計画を作成することができる者は、農業を営む者(以下、農業者という。
)と
する。
第3 導入計画の作成及び申請
1
導入計画の作成
(1)導入計画の作成を行おうとする農業者は、地域振興局農林部等の指導・助言を受
け、導入計画を作成するものとする。
(2)導入計画の目標年は原則として5年後とし、対象作物の特性、導入技術の難易度、
作付体系等を勘案して適切な期間を設定するものとする。
(3)地域振興局農林部は、導入計画の作成指導に際して、別記様式第3号にて水田総
合利用課に照会することができる。水田総合利用課は、必要に応じて、スーパーバ
イザーおよび試験研究機関等に助言を求め、地域振興局農林部に助言を行うものと
する。
2
導入計画の認定申請
(1)導入計画の認定を申請しようとする農業者は、作成した計画書に次の書類を添付
し、別添様式1により地域振興局農林部長へ提出するものとする。
① 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の位置を判別するこ
とができる地図
② 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の土壌診断結果
(2)導入計画の認定の申請を受けた地域振興局農林部長は、意見書(別記様式2号)
を作成するものとする。
第4 導入計画の認定
1
導入計画の認定審査
(1)地域振興局農林部長は、導入計画の適正かつ円滑な審査を図るため、持続性の高
い農業生産方式の導入に関する計画認定審査委員会(以下、認定審査委員会とい
う。)を設置するものとする。
(2)審査委員長は、地域振興局農林部長をもって充て、審査委員は次に掲げる機関に
所属する職員をもって構成するものとし、審査委員長は、必要に応じて審査委員会
を招集するものとする。
① 地域振興局農林部農業振興普及課
② その他審査委員長が特に必要と認める者
53
(3)審査委員長は、審査委員会に幹事会を置き、幹事長及び幹事をあらかじめ指名し、
必要に応じて招集することができる。
(4)幹事会は、審査委員長から指示された案件について審議し、その決定事項等を審
査委員長に報告しなければならない。
(5)
(4)により報告を受けた審査委員長は、幹事会の審査が十分と認めた場合におい
て、幹事会の決定をもって審査委員長の決定とすることができる。
(6)審査委員長が緊急を要すると認める場合、または審査委員会等を招集する必要が
ないと認める事案については、審査委員又は幹事の持ち回り合議による審査を行う
ことができる。
(7)審査委員長又は幹事長は、必要に応じて審査委員又は幹事以外の出席を求めるこ
とができる。
2
導入計画の認定基準
認定審査会において導入計画を認定する際は、施行規則第4条に掲げる全ての基準
を満たす場合に行うものとする。
3
導入計画の認定通知及び報告
(1)申請のあった農業者への通知
地域振興局農林部長は、導入計画を認定した場合は、申請のあった農業者へ別添様
式2により通知するものとする。
また、導入計画を認定しなかった場合は、申請のあった農業者へ別添様式3により
通知するものとする。
(2)関係機関等への通知及び報告
地域振興局農林部長は、認定農業者が営農及び住所を有する市町村長、農業協同組
合長等へ別添様式4により通知するものとする。
また、水田総合利用課長へは、別添様式5により報告するものとする。第3の1の
(3)に基づき、水田総合利用課に照会した導入計画を認定した場合は、別記様式
第3号を添付するものとする。
4
導入計画の変更
認定農業者が導入計画を変更する場合は、第3に準じて変更計画の認定を受けなけ
ればならない。
また、地域振興局農林部長は、第4の3に準じて、申請のあった農業者への通知、
関係機関等への通知及び報告を行うものとする。
第5 認定農業者への指導及び報告の徴収
(1)導入計画の達成に関する指導
地域振興局農林部長は、認定農業者へ導入計画に従って持続性の高い農業生産方式
の導入している状況等を記録した作業日誌等の記帳を指導するものとする。
54
地域振興局農林部長は、市町村、農業協同組合の協力を得ながら、認定農業者が認
定導入計画を達成するよう積極的に必要な指導・助言に努めるものとする。
(2)認定農業者からの報告の徴収
地域振興局農林部長は、認定農業者へ認定導入計画に従って持続性の高い農業生産
方式の導入を行っていないなどその達成状況等を確認する必要がある場合は、(1)
の作業日誌等の提出を求めることができるものとする。
地域振興局農林部長は、認定期間の満了に伴い、法第9条に基づき、計画の実施状
況について別添様式7により報告を求めるものとする。
(3) 導入計画の認定の取り消し
地域振興局農林部長は、認定農業者が認定導入計画に従って持続性の高い農業生産
方式の導入を行っていないと明らかに認められ、指導による改善が困難と判断した
場合には、法第5条第2項に基づき、その認定を取り消し、当該農業者へ別添様式
6により通知するものとする。
なお、報告については第4の3に準じて行うものとする。
附
則
この要領は、平成12年 2月28日から施行
平成15年 4月 1日に改正
平成17年 4月 1日に改正
平成20年 3月21日に改正
平成22年10月13日に改正
平成23年 4月 1日に改正
55
○導入計画の申請及び認定手続き
水田総合利用課
園芸振興課
スーパーバイザー
認定審査委員会
試験研究機関等
助
言
付議
申
請
申請者
助
言
水田総合利用課
地域振興局農林部
認定通知
指
農業振興普及課
認定の報告
導
指導の依頼
指
導
市町村
農
協
56
第2の1に関する技術(法第2条、施行規則第1条)
1 たい肥等有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効果が高い
もの
一 たい肥等有機質資材施用技術
(土壌有機物含有量、可給態窒素含有量その他の土壌の性質について調査を行い、そ
の結果に基づき、たい肥その他の有機質資材であって炭素窒素比がおおむね 10 から
150 の範囲にあるものを農地に施用する技術をいう。)
二 緑肥作物利用技術(緑肥作物は限定されていない)
(土壌有機物含有量、可給態窒素含有量その他の土壌の性質について調査を行い、
その結果に基づき、緑肥作物を栽培して、農地にすき込む技術をいう。)
2 肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させる効果
が高いもの
一 局所施肥技術
(肥料を作物の根の周辺に集中的に施用する技術をいう。)
二 肥効調節型肥料施用技術
(肥料取締法第2条第2項に規定する普通肥料のうち、アセトアルデヒド縮合尿素、
イソプチルアルデヒド縮合尿素、オキサミド、被覆加里肥料、被覆窒素肥料、被覆複
合肥料、ホルムアルデヒド加工尿素肥料若しくは硫酸グアニル尿素、これらの肥料の
1種以上が原料として配合されるもの又は土壌中における硝酸化成を抑制する材料
が使用されたものを施用する技術をいう。)
三 有機質肥料施用技術
(有機質(動植物質のものに限る。)を原料として使用する肥料を施用する技術をい
う。)
3 有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減少させ
る効果が高いもの
一 温湯種子消毒技術
(種子を温湯に浸漬することにより、当該種子に付着した有害動植物を駆除する技術
をいう。)
二 機械除草技術
(有害植物を機械的方法により駆除する技術をいう。)
三 除草用動物利用技術
(有害植物を駆除するための小動物の農地における放し飼いを行う技術をいう。
)
57
四 生物農薬利用技術
(農薬取締法第1条の2第2項の天敵であって、同法第2条第1項又は第15条の2
第1項の登録を受けたものを利用する技術をいう。
)
五 対抗植物利用技術
(土壌中の有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する効果を有する植物を栽培
する技術をいう。)
六 抵抗性品種栽培・台木利用技術
(有害動植物に対して抵抗性を持つ品種に属する農作物を栽培し、又は当該農作物を
台木として利用する技術をいう。)
七 土壌還元消毒技術
(土壌中の酸素の濃度を低下させることにより、土壌中の有害動植物を駆除する技術
をいう。)
八 熱利用土壌消毒技術
(土壌に対して熱を加え、温度を上昇させることにより、土壌中の有害動植物を駆除
する技術をいう。)
九 光利用技術
(有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため、有害動植物を誘引し、若し
くは忌避させ、又はその生理的機能を抑制する効果を有する光を利用する技術をい
う。)
十 被覆栽培技術
(農作物を有害動植物の付着を防止するための資材で被覆する技術をいう。雨よけ、
トンネル、袋かけ、べたかけ栽培など)
十一 フェロモン剤利用技術
(農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とする薬剤であっ
て、農薬取締法第2条第1項又は第15条の2第1項の登録を受けたものを使用する
技術をいう。)
十二 マルチ栽培技術
(土壌の表面を有害動植物のまん延を防止するための資材で被覆する技術をいう。)
58
第4の2に定める認定基準(施行規則第4条)
1
導入計画が県導入指針に照らし適切なものであること。
2
導入しようとする農業生産方式に係る農作物の作付面積が、導入計画を作成した農
業者に係る当該農作物と同じ種類の農作物の作付面積の相当部分を占めていること。
3
導入計画の達成される見込みが確実であること。
4
法第4条第2項第2号(施設・機械の導入計画等)及び第3号(土壌の性質につい
ての調査結果等)に掲げる事項が同項第1号(農業生産方式の導入に関する事項)
の目標を達成するため適切なものであること。
施行規則第4条の説明(施行通達第4の5の(2)から抜粋)
1については、具体的には、導入しようとする生産方式が県導入指針で示した作物別・
地域別の持続性の高い農業生産方式の内容に合致していることを要件とする。
2については、具体的には、持続性の高い農業生産方式を導入しようとする作物ごと
に、その農業生産方式による作付面積が、当該作物の作付面積全体のおおむね5割以上
を占めることを要件とする。
3については、具体的には、導入計画が、申請者の技術、経営能力、事業・資金計画
等から総合的に見て実現性が高いことを要件とする。
4については、具体的には、持続性の高い農業生産方式の内容から見て設置する施設
の規模、購入する機械や資材の種類が適切なものであるか等導入計画に記載されている
措置が導入計画に記載されている目標を達成するために適切なものであることを要件と
する。
59
別添様式1
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画認定(変更)申請書
平成
年
月
日
秋田県知事 〇〇 〇〇
申請者 住 所
氏 名
印
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律第4条第1項(第5条第1項)に基づ
き、関係書類を添えて申請します。
(地域振興局 農林部 へ 2部提出)
別添様式2
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画(変更計画)認定通知書
○ ○ -
平成
年
月
日
申請者 住 所
氏 名
秋田県知事 ○○ ○○
平成 年 月 日付けで申請のあった計画(変更計画)について、持続性の高い農業生産方
式の導入 の促進に関する法律(平成11年法律第110号)第4条第3項(第5条第3項)に
基づき認定します。
なお、本計画に基づく持続性の高い農業生産方式の導入実施状況については、作業日誌の記
帳等により、その記録に努めてください。
また、本計画2の(3)「資金調達計画」に制度資金等の調達計画がある場合は、秋田県農業
関係制度資金等地方審査委員会等の審査を経て貸付等の決定を行いますので留意してください。
認定番号
認定の有効期間
例)11○○ECO-1
例)平成○年○月○日から平成○年 3 月 31 日
60
別添様式3
○ ○ -
平成
年
申請者
月
日
住 所
氏 名
○ ○ 地 域 振 興 局 長
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画の審査結果について(通知)
平成 年 月 日付けで申請のあった計画について、持続性の高い農業生産方式の導入の促
進に関す る法律(平成11年法律第110号)第4条第3項に基づき審査したところ、次の理
由により認定でき なかったので通知します。
理 由
1.
2.
別添様式4
○ ○ -
平成
年
市町村長
農業協同組合長
月
日
あて
○ ○ 地 域 振 興 局 長
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画の認定について(通知)
持続性の高い農業生産方式の導入に関する法律(平成11年法律第110号)第4条第3項
に基づき、次の農業者が作成した計画を認定したので通知します。
つきましては、当該計画の達成のため指導等についてよろしくお願いします。
1.計画を認定した農業者の氏名
2.計画を認定した農業者の住所
3.認定した計画の内容
別添計画書のとおり
4.認定番号
例)11○○ECO-1
61
別添様式5
○ ○ -
平成
年
水田総合利用課長
月
日
あて
○ ○ 地域振興局農林部長
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画の認定について(報告)
持続性の高い農業生産方式の導入に関する法律(平成11年法律第110号)第4第3項に
基づき、次の農業者が作成した計画を認定したので報告します。
1.計画を認定した農業者の氏名
2.計画を認定した農業者の住所
3.認定した計画の内容
別添計画書のとおり
4.認定番号
例)11○○ECO-1
別添様式6
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画認定取消通知書
○ ○ -
平成
年
月
日
当該者 住 所
氏 名
秋田県知事 ○○ ○○
平成 年 月 日付け認定番号○○○で認定した導入計画について、持続性の高い農業生産
方式の導入の促進に関する法律(平成11年法律第110号)第5条第2項の規定より認定を
取り消します。
理由
1.
2.
62
別添様式7 【実績様式】
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画実施状況報告書
平成
年
月
日
秋田県知事
○○○○
住所又は所在地
氏名又は名称
認定番号 ◇◇ECO-◆◆
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画の○○年○月○日から○○年○月○日までの
実施状況について、下記のとおり報告します。
記
1.持続性の高い農業生産方式の導入状況
農業経営の状況
水
田
経営面積
労働力
a
農業従事者 男
普 通 畑
樹 園 地
a
人(うち専従者
そ の 他
合
計
a
a
a
人) 女
人(うち専従者
人)
2.作物別の生産方式導入面積
作物名
農 地 の 所 在 地
(
)年目
計 画
a
実 績
a
(注1)複数の作物がある場合は、作物ごとに作成する。
3.導入した生産方式の内容
作物名
収
計画
(
量
導入した生産方式を構成する技術
t/10a
t/10a
kgN/10a
kgN/10a
)年目
kg/10a
実績
(
資材の使用量・回数
kgN/10a
kgN/10a
回
回
)年目
kg/10a
(注1)複数の作物がある場合は、作物ごとに作成する。
(注2)
「資材の使用量・回数」欄についての(
)は、計画時点の使用量及び回数を記入
すること。
4.計画を達成できなかった場合の理由(箇条書き)
5.再認定の申請について(どちらかに○をつけること)
・申請する
・申請しない
63
(別記様式第1号)
整理番号
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画
(目標:平成
年度)
住 所
氏 名
年 齢
1.持続性の高い農業生産方式の導入状況
(1)農業経営の状況
水
田
経営面積
労働力
普 通 畑
a
農業従事者 男
樹 園 地
a
人(うち専従者
そ の 他
合
計
a
a
a
人) 女
人(うち専従者
人)
(注1)
「経営面積」には、借入地面積及び受託地面積を含む
(2)作物別生産方式導入計画
生
産
方
式
導
入
作
物
小
計
そ の 他 作 物
合
計
1年目
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
2年目
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
3年目
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
4年目
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
目標(
年)
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
(注1)目標年は、原則として5年後とすること。
(注2)
「生産方式導入作物」の上段には、導入しようとする農業生産方式に係る農作物の
作付面積を記入し、下段には、当該農作物と同じ種類の農作物の作付面積を記入
すること。
(注3)
「その他作物」には、持続性の高い農業生産方式を導入しない農作物の作付面積の
合計を記入すること。
64
(3)生産方式の内容
作物名
収 量
現状
現行の生産方式と導入する生産方式の内容
有機質資材施用技術
資材の使用の量・回数
t/10a
kgN/10a
t/10a
kgN/10a
kg/10a 化学肥料低減技術
(
kgN/10a
kgN/10a)
(
回
回)
目標
化学農薬低減技術
kg/10a
現状
有機質資材施用技術
t/10a
kgN/10a
t/10a
kgN/10a
kg/10a 化学肥料低減技術
(
kgN/10a
kgN/10a)
(
回
回)
目標
化学農薬低減技術
kg/10a
現状
有機質資材施用技術
t/10a
kgN/10a
t/10a
kgN/10a
kg/10a 化学肥料低減技術
(
kgN/10a
kgN/10a)
(
回
回)
目標
化学農薬低減技術
kg/10a
(注1)「収量」については、「現状」に過去5年間における収量の平均を記入し、「目標」に生産方式の
導入による収量の目標を記入すること。
(注2)「有機質資材施用技術」、「化学肥料低減技術」、「化学農薬低減技術」は、それぞれ、法第2条第
1号、第2号及び第3号に規定する技術をいう。
(注3)「有機質資材施用技術」には、たい肥等の有機質資材の施用時期、施用方法、C/N比等を記入す
ること。また、土壌診断の実施時期についても併せて記入すること。
(注4)「化学肥料低減技術」には、導入する技術の具体的な内容、施用する肥料等を記入すること。
(注5)「化学農薬低減技術」には、導入する技術の具体的な内容、実施時期・実施方法等を記入するこ
と。
(注6)「資材の使用の量・回数」には、以下について記入すること。なお、(
)内には現行の生産
方式における使用の量及び回数を記入すること。
① 有機質資材施用技術においては、1作当たりの施用量及び窒素投入量
② 化学肥料低減技術においては、1作当たりの化学肥料由来の窒素の総投入量
③ 化学農薬低減技術においては、1作当たりの農薬の使用成分回数の合計
65
(4)農業所得の目標
状
現
生産方式導入作物
そ の 他 作 物
合
計
目
標
千円
千円
千円
千円
千円
千円
(注1)
「農業所得」は、販売額から当該生産に要した経費を差し引いた額を記入す
ること。
2.1の目標を達成するために必要な施設の設置、機械の購入その他の措置に関す事項
(1)たい肥等利用計画
たい肥等有機資材の種類
購 入
自 給
備考
現
状
t
t
目
標
t
t
(注1)
「たい肥等有機質資材の種類」には、有機質資材の一般的な名称(例:牛ふんおが
くずたい肥)を記入すること。
(注2)
「備考」には、有機質資材の入手先、主な原料等を記入すること。
(2)機械・施設整備計画
現
種 類 ・ 能 力
状
計
種 類 ・ 能 力
台数
画
台数
実施時期
(注1)
「種類・能力」には、機械・施設の一般的な名称(例:トラクター)及びその能力
の程度(馬力、植付け条数等)を記入すること。
66
(3)資金調達計画
資金使途
資金種類
金
額
償還条件等
実施時期
備
考
千円
合
計
千円
(注1)
「資金使途」には、整備する機械又は施設の一般的な名称を記入すること。
(注2)
「資金種類」には、自己資金、制度資金(資金名を併記)その他の区分を記入する
こと。
(注3)
「金額」には、補助金等の助成措置がある場合には、
(
)書きで外数として記入
すること。
(注4)
「償還条件等」には、償還期間(据置期間を含む。
)及び据置期間を記入すること。
(注5)
「実施時期」には、機械又は施設を導入する年月を記入すること。
3.その他
(注1)土壌の性質を改善するために実施する具体的内容、実施方法等を記入すること。
【添付資料】
1 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の位置を判別することが
できる地図
(各ほ場で栽培する作物名がわかるもの)
2 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の土壌診断結果
67
(別記様式第1号)
【記載要領】
整理番号
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画
(目標:平成
年度) ← 原則5年後
住 所
氏 名
年 齢
1.持続性の高い農業生産方式の導入状況
(1)農業経営の状況
← 現在の経営面積
水
田
経営面積
労働力
普 通 畑
a
樹 園 地
a
農業従事者 男
人(うち専従者
そ の 他
合
計
a
a
a
人) 女
人(うち専従者
人)
(注1)
「経営面積」には、借入地面積及び受託地面積を含む
目標年において、導入した農業生産方式による作付面積が
当該作物の作付面積全体の概ね5割以上を占めること。
(2)作物別生産方式導入計画
生
産
方
式
導
入
作
物
小
(作物名を記入)
水
稲
計
そ の 他 作 物
合
計
1年目
30a
300a
a
a
a
a
a
a
a
a
2年目
90a
300a
a
a
a
a
a
a
a
a
3年目
90a
300a
a
a
a
a
a
a
a
a
4年目
120a
300a
a
a
a
a
a
a
a
a
目標(22 年)
150a
300a
a
a
a
a
a
a
a
a
30a
300a
50a
350a
90a
300a
50a
350a
90a
300a
50a
350a
120a
300a
50a
350a
150a
300a
50a
350a
(注1)目標年は、原則として5年後とすること。
(注2)
「生産方式導入作物」の上段には、導入しようとする農業生産方式に係る農作物の
作付面積を記入し、下段には、当該農作物と同じ種類の農作物の作付面積を記入
すること。
(注3)
「その他作物」には、持続性の高い農業生産方式を導入しない農作物の作付面積の
合計を記入すること。
68
現行の使用量・回数等
(3)生産方式の内容
作 物 名
収 量
現行の生産方式と導入する生産方式の 資材の使用の量・回数
内容
現状
有機質資材施用技術
1 t/10a
牛ふん堆肥施用:11 月
5 kgN/10a
施 用 方 法:機械散布(名称)
0.2 t/10a
570
kg/10a
炭 素 窒 素 比:10~20
1 kgN/10a
化学肥料低減技術
6 kgN/10a
目標
育苗箱施肥
8 kgN/10a
(肥効調節型肥料:シグモイドタイプ)
570
化学農薬低減技術
16 回
kg/10a
アイガモによる雑草防除
20 回
有機質資材施用技術
t/10a
現状
kgN/10a
kg/10a
t/10a
kgN/10a
目標
化学肥料低減技術
kgN/10a
kgN/10a
kg/10a 化学農薬低減技術
回
回数は、薬剤の有効成分数を記入
回
現状
有機質資材施用技術
t/10a
kgN/10a
t/10a
kg/10a
kgN/10a
化学肥料低減技術
kgN/10a
目標
kgN/10a
化学農薬低減技術
回
kg/10a
回
(注1)
「収量」については、「現状」に過去5年間における収量の平均を記入し、「目標」
に生産方式の導入による収量の目標を記入すること。
(注2)
「有機質資材施用技術」、「化学肥料低減技術」、「化学農薬低減技術」は、それぞれ、
法第2条第1号、第2号及び第3号に規定する技術をいう。
(注3)
「有機質資材施用技術」には、たい肥等の有機質資材の施用時期、施用方法、C/N比
等を記入すること。また、土壌診断の実施時期についても併せて記入すること。
(注4)
「化学肥料低減技術」には、導入する技術の具体的な内容、施用する肥料等を記入
すること。
(注5)
「化学農薬低減技術」には、導入する技術の具体的な内容、実施時期・実施方法等
を記入すること。
(注6)
「資材の使用の量・回数」には、以下について記入すること。なお、
(
)内には
現行の生産方式における使用の量及び回数を記入すること。
① 有機質資材施用技術においては、1作当たりの施用量及び窒素投入量
② 化学肥料低減技術においては、1作当たりの化学肥料由来の窒素の総投入量
③ 化学農薬低減技術においては、1作当たりの農薬の使用成分回数の合計
69
(4)農業所得の目標
状
200
100
300
現
生産方式導入作物
そ の 他 作 物
合
計
目
標
500
120
620
千円
千円
千円
千円
千円
千円
(注1)
「農業所得」は、販売額から当該生産に要した経費を差し引いた額を記入す
ること。
2.1の目標を達成するために必要な施設の設置、機械の購入その他の措置に関す事項
(1)たい肥等利用計画
たい肥等有機資材の種類
自 給
現
牛ふんもみがら堆肥
状
0 t
目
牛ふんもみがら堆肥
標
0 t
購 入
備考
6 t 畜産農家
30 t
○○農協
(○○堆肥センター)
(注1)
「たい肥等有機質資材の種類」には、有機質資材の一般的な名称(例:牛ふんおが
くずたい肥)を記入すること。
(注2)
「備考」には、有機質資材の入手先、主な原料等を記入すること。
(2)機械・施設整備計画
現
種 類 ・ 能 力
トラクター 25PS
乗用田植機 4条
状
計
台数
1
1
種 類 ・ 能 力
自走式マニュアスプレッダー
側条施用田植機
画
台数
1
1
実施時期
平成 20 年
平成 21 年
(注1)
「種類・能力」には、機械・施設の一般的な名称(例:トラクター)及びその能力
の程度(馬力、植付け条数等)を記入すること。
70
(3)資金調達計画
資金使途
自走式
マニュア
スプレッダー
側条田植機
5条機
資金種類
自己資金
農業改良資
金
金
額
償還条件等
1,000 千円
3,000 千円
5年
実施時期
平成 20 年
10 月
備
考
平成 21 年
4月
環境保全型農業
導入資金
合
計
4,000 千円
(注1)
「資金使途」には、整備する機械又は施設の一般的な名称を記入すること。
(注2)
「資金種類」には、自己資金、制度資金(資金名を併記)その他の区分を記入する
こと。
(注3)
「金額」には、補助金等の助成措置がある場合には、
(
)書きで外数として記入
すること。
(注4)
「償還条件等」には、償還期間(据置期間を含む。
)及び据置期間を記入すること。
(注5)
「実施時期」には、機械又は施設を導入する年月を記入すること。
3.その他
堆肥の施用とともに、秋のわら鍬こみ、土づくり肥料(ようりん、ケイカル)の施用に
取り組む。
(注1)土壌の性質を改善するために実施する具体的内容、実施方法等を記入すること。
【添付資料】
1 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の位置を判別することが
できる地図
(各ほ場で栽培する作物名がわかるもの)
2 持続性の高い農業生産方式を導入する作物を栽培するほ場の土壌診断結果
71
(別記様式第2号)
意
見
書
平成
秋田県知事
年
月
日
○○ ○○
○○地域振興局農林部長
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律第4条第1項に基づき、次の者から申
請のあった導入計画の認定に当たっての判断資料を次のとおり提出します。
申請者住所
申請者氏名
1 持続性の高い農業生産方式に積極的に取り組む意欲を備えているか
どうか。
A
B
C
2 導入計画が県導入指針に照らし適切かどうか。
A
B
C
作物別生産計画は、適切かどうか。
A
B
C
導入しようとしている農業生産方式は適切かどうか。
A
B
C
3 導入計画にある農業生産方式に係る農作物の作付け面積が当該作物
の作付け面積全体のおおむね5割以上を占めているかどうか。
可
4 導入計画の達成が見込まれるかどうか。
A
B
C
技術を備えているか。または、技術習得の見込みがある
かどうか。
A
B
C
経営能力を備えていると認められるかどうか。
A
B
C
事業・資金計画は適切かどうか。
A
B
C
5 導入計画にある農業生産方式の内容から見て、設置しようとする施
A
設の規模、購入しようとしている機械や資材の種類が適切かどうか。
B
C
6 作業日誌の記帳等により農業生産方式の導入状況等に関する記録は
確実かどうか。
B
C
A
否
その他特記事項
A:適切である
B:条件付きで適切である
72
C:検討を要する
(別記様式第3号)
導入計画の作成指導に際しての照会事項
申請日
認定日
認定番
市町
作付
作物
号
村
面積
名
(年平
作型
収量
資材の使用の量・回数
計画
現状
(kg/10a)
(kg/10a)
均 a)
有機質資材施用技術
生産
方式
73
(注1)照会する事項を塗りつぶし等によりマーキングする。
(注2)当該導入計画を認定後に、認定番号を記入する。
計画
その他
化学肥料低減技術
現状
(t/
(kgN/
(t/
(kgN/
10a)
10a)
10a)
10a)
生産
方式
計画
現状
(kgN/
(kgN/
10a)
10a)
化学農薬低減技術
生産
方式
計画
現状
(回)
(回)
特記事項
(別記様式第3号)
【記載要領】
導入計画の作成指導に際しての照会事項
申請日
認定日
認定番
市町
作付
作物
号
村
面積
名
作型
(年平
収量
資材の使用の量・回数
計画
現状
(kg/10a)
(kg/10a)
均 a)
有機質資材施用技術
生産
方式
平成×
平成×
22○○
○○
×年×
×年○
ECO-○
市
月×日
月○日
○
2
○○
露地
100
120
74
(注1)照会する事項を塗りつぶし等によりマーキングする。
(注2)当該導入計画を認定後に、認定番号を記入する。
鶏糞
計画
化学肥料低減技術
現状
(t/
(kgN/
(t/
(kgN/
10a)
10a)
10a)
10a)
1.3
10
1
その他
8
生産
方式
有機
たい
質肥
肥
料
計画
現状
(kgN/
(kgN/
10a)
10a)
6
8
化学農薬低減技術
生産
方式
機械
除草
計画
現状
(回)
(回)
8
10
特記事項
Ⅳ
関 係 法 令 等
75
○ 持続性の
持続性の高い農業生産方式の
農業生産方式の導入の
導入の促進に
促進に関する法律
する法律
制
定:平成 11 年 7 月 28 日法律第 110 号
最終改正:平成 23 年8月 30 日法律第 105 号
(目的)
第1条
この法律は、持続性の高い農業生産方式の導入を促進するための措置を講ずるこ
とにより、環境と調和のとれた農業生産の確保を図り、もって農業の健全な発展に寄与
することを目的とする。
(定義)
第2条
この法律において 「持続性の高い農業生産方式」 とは、土壌の性質に由来する農
地の生産力の維持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる合理的な農業
の生産方式であって、次に掲げる技術のすべてを用いて行われるものをいう。
一
たい肥その他の有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効
果が高いものとして農林水産省令で定めるもの
二
肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させる効
果が高いものとして農林水産省令で定めるもの
三
有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減少さ
せる効果が高いものとして農林水産省令で定めるもの
(導入指針)
第3条
都道府県は、当該都道府県における持続性の高い農業生産方式の導入に関する指
針(以下 「導入指針」 という。)を定めるものとする。
2
導入指針においては、都道府県における主要な種類の農作物について、都道府県の区
域又は自然的条件を考慮して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、当該農作物
及び地域の特性に即し、次に掲げる事項を定めることができる。
一
導入すべき持続性の高い農業生産方式の内容
二
前号に該当する農業生産方式の導入の促進を図るための措置に関する事項
3
導入指針においては、前項各号に掲げる事項のほか、同項第1号に該当する農業生産
方式の導入を促進するために必要な事項を定めるよう努めるものとする。
4
都道府県は、情勢の推移により必要が生じたときは、導入指針を変更することができ
る。
5
都道府県は、導入指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表な
ければならない。
76
(導入計画の認定)
第4条
農業を営む者は、農林水産省令で定めるところにより、持続性の高い農業生産方
式の導入に関する計画(以下 「導入計画」 という。)を作成し、これを都道府県知事に提
出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2
導入計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一
持続性の高い農業生産方式の導入に関する目標
二
前号の目標を達成するために必要な施設の設置、機械の購入その他の措置に関する
事項
三
3
その他農林水産省令で定める事項
都道府県知事は、第1項の認定の申請があった場合において、その導入計画が導入指
針に照らし適切なものであることその他の農林水産省令で定める基準に適合するもの
であると認めるときは、その認定をするものとする。
(導入計画の変更等)
第5条 前条第1項の認定を受けた者(以下 「認定農業者」 という。)は、当該認定に係る
導入計画を変更しようとするときは、都道府県知事の認定を受けなければならない。
2
都道府県知事は、認定農業者が前条第1項の認定に係る導入計画(前項の規定による
変更の認定があったときは、その変更後のもの。 以下 「認定導入計画」 という。)に従
って持続性の高い農業生産方式の導入を行っていないと認めるときは、その認定を取
り消すことができる。
3
前条第3項の規定は、第1項の認定について準用する。
(農業改良資金融通法の特例)
第6条 農業改良資金助成法(昭和 31 年法律第 102 号)第2条の農業改良資金(同法第4
条の特定地域資金を除く。
)のうち政令で定める種類の資金であって、認定農業者が認定
導入計画に従って持続性の高い農業生産方式を導入するのに必要なものについての同法
第4条中「10 年(地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域として農林
水産大臣が指定するものにおいて農業改良措置を実施するのに必要な資金(以下この条
において「特定地域資金」という。
)にあつては、12 年)
」とあるのは、
「12 年」とする。
第7条 削除
(援助)
第8条
国及び都道府県は、認定導入計画の達成のために必要な助言、指導、資金の融通
のあっせんその他の援助を行うよう努めるものとする。
77
(報告徴収)
第9条
都道府県知事は、認定農業者に対し、認定導入計画の実施状況について報告を求
めることができる。
(罰則)
第 10 条 前条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、10 万円以下の罰金に
処する。
2
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は
人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は
人に対して同項の刑を科する。
附
則
この法律は、公布の日から起算して3月を越えない範囲内において政令で定める日から
施行する。
附
則 (平成 14 年 5 月 29 日法律第 51 号) 抄
(施行期日)
第1条
この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。
附
則 (平成 19 年 3 月 30 日法律第 6 号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成 19 年 4 月 1 日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第 157 条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条に
おいて同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることと
される場合 におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお
従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第 158 条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政
令で定める。
附
則 (平成 22 年4月9日法律第 23 号) 抄
(施行期日)
第1条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める
日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
78
第3条中農業信用保証保険法第 66 条第1項及び第 68 条から第 70 条までの改正規
1
定並びに附則第 14 条の規定
公布の日
(政令への委任)
第 14 条
附則第2条から第4条まで及び第8条に定めるもののほか、この法律の施行に関
し必要な経過措置は、政令で定める。
附
則 (平成 23 年8月 30 日法律第 105 号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第 81 条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条にお
いて同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によること
とされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、
なお従前の例による。
(政令への委任)
第 82 条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に
関する経過措置を含む。
)は、政令で定める。
○ 持続性の
持続性の高い農業生産方式の
農業生産方式の導入の
導入の促進に
促進に関する法律施行令
する法律施行令
制
定:平成 11 年 10 月 22 日政令第 334 号
最終改正:平成 22 年 4月 23 日政令第 127 号
1
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(以下 「法」 という。)第6条
の政令で定める種類の資金は、農林水産大臣が定める基準に基づき、農業者が、化学
的に合成された農薬、肥料及び土壌改良資材を原則として使用しない農業又はその地
域において通常行われる有害動植物の防除若しくは施肥と比較して化学的に合成され
た農薬若しくは肥料の使用を減少させる農業を導入し、かつ、その農業の生産行程の
総合的な改善を行う生産方式を導入するために必要な資金とする。
2
前項に規定する資金に係る法第六条の政令で定める期間は、12 年以内とする。
附
則
この政令は、法の施行の日(平成 11 年 10 月 25 日)から施行する。
附
則 (平成 14 年6月 21 日政令第 222 号) 抄
79
この政令は、農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成
法等の一部を改正する法律の施行の日(平成 14 年7月1日)から施行する。
附
則 (平成 22 年4月 23 日政令第 127 号) 抄
この政令は、改正法の施行の日(平成 22 年 10 月1日)から施行する。
○ 持続性の
持続性の高い農業生産方式の
農業生産方式の導入の
導入の促進に
促進に関する法律施行規則
する法律施行規則
制
定:平成 11 年農林水産省令第 69 号
最終改正:平成 25 年農林水産省令第 66 号
(持続性の高い農業生産方式に係る技術)
第1条 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(以下 「法」 という。)第2
条第1号の農林水産省令で定める技術は、次に掲げるものとする。
一
たい肥等有機質資材施用技術 (土壌有機物含有量、可給態窒素含有量その他の土壌
の性質について調査を行い、その結果に基づき、たい肥その他の有機質資材であって
炭素窒素比がおおむね 10 から 150 の範囲にあるものを農地に施用する技術をいう。 )
二
緑肥作物利用技術(土壌有機物含有量、可給態窒素含有量その他の土壌の性質につ
いて調査を行い、その結果に基づき、緑肥作物を栽培して、農地にすき込む技術をい
う。)
2
法第2条第2号の農林水産省令で定める技術は、次に掲げるものとする。
一
局所施肥技術(肥料を作物の根の周辺に集中的に施用する技術をいう。)
二
肥効調節型肥料施用技術(肥料取締法 (昭和 25 年法律第 127 号)第2条第2項に
規定する普通肥料のうち、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿
素、オキサミド、石灰窒素、被覆加里肥料、被覆窒素肥料、被覆複合肥料、ホルムア
ルデヒド加工尿素肥料若しくは硫酸グアニル尿素、これらの肥料の1種以上が原料と
して配合されるもの又は土壌中における硝酸化成を抑制する材料が使用されたもの
を施用する技術をいう。)
三
有機質肥料施用技術(有機質(動植物質のものに限る。)を原料として使用する肥料
を施用する技術をいう。)
3
一
法第2条第3号の農林水産省令で定める技術は、次に掲げるものとする。
温湯種子消毒技術(種子を温湯に浸潰することにより、当該種子に付着した有害動
植物を駆除する技術をいう。)
二
機械除草技術(有害植物を機械的方法により駆除する技術をいう。)
三
除草用動物利用技術(有害植物を駆除するための小動物の農地における放し飼いを
80
行う技術をいう。)
生物農薬利用技術(農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)第1条の2第2項の天敵
四
であって、同法第2条第1項又は第 15 条の2第1項の登録を受けたものを利用する
技術をいう。)
五
対抗植物利用技術(土壌中の有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する効果
を有する植物を栽培する技術をいう。)
六
抵抗性品種栽培・台木利用技術(有害動植物に対して抵抗性を持つ品種に属する農
作物を栽培し、又は当該農作物を台木として利用する技術をいう。)
七
土壌還元消毒技術(土壌中の酸素の濃度を低下させることにより、土壌中の有害動
植物を駆除する技術をいう。)
ハ
熱利用土壌消毒技術(土壌に熱を加えてその温度を上昇させることにより、土壌中
の有害動植物を駆除する技術をいう。)
九
光利用技術(有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため、有害動植物を
誘引し、若しくは忌避させ、又はその生理的機能を抑制する効果を有する光を利用す
る技術をいう。)
十
被覆栽培技術(農作物を有害動植物の付着を防止するための資材で被覆する技術を
いう。)
十一
フェロモン剤利用技術(農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有
効成分とする薬剤であって、農薬取締法第2条第1項又は第 15 条の2第1項の登録
を受けたものを使用する技術をいう。)
十二
マルチ栽培技術(土壌の表面を有害動植物のまん延を防止するための資材で被覆
する技術をいう。)
(導入計画の認定申請手続き)
第2条 法第4条第1項の導入計画は、別記様式により作成するものとする。
(導入計画の記載事項)
第3条 法第4条第2項第3号の農林水産省令で定める事項は、次のとおりとする。
一
持続性の高い農業生産方式を導入しようとする農地の土壌の性質についての調査の
結果
二
導入指針に土壌の性質を改善するために実施することが必要な措置に関する事項が
定められている場合にあっては、当該措置の実施に関する事項
(導入計画の認定基準)
第4条 法第4条第3項(法第5条第3項において準用する場合を含む。)の農林水産省令
で定める基準は、次のとおりとする。
81
一
導入計画が導入指針に照らし適切なものであること。
二
導入しようとする農業生産方式に係る農作物の作付面積が、導入計画を作成した農
業者に係る当該農作物と同じ種類の農作物の作付面積の相当部分を占めていること。
三
導入計画の達成される見込みが確実であること。
四
法第4条第2項第2号及び第3号に掲げる事項が同項第1号の目標を達成するため
適切なものであること。
附
則
この省令は、法の施行の日 (平成 11 年 10 月 25 日) から施行する。
附
則
(平成 18 年 3 月 16 日農林水産省令第 11 号)
この省令は、公布の日から施行する。
附
則
(平成 19 年 3 月 19 日農林水産省令第 10 号)
この省令は、公布の日から施行する。
附
則
(平成 25 年 10 月 8 日農林水産省令第 66 号)
この省令は、公布の日から施行する。
○ 持続性の
持続性の高い農業生産方式の
農業生産方式の導入の
導入の促進に
促進に関する法律
する法律の
法律の施行について
施行について
制
定:平成 11 年 10 月 25 日農産第 6789 号農産園芸局長通知
最終改正:平成 22 年 10 月 1 日 22 生産第 3916 号生産局長通知
第1 法制定の背景
農業は、食料の供給の機能のほか、国土や環境の保全といった多面的機能を有しており、
このような機能を将来にわたって発揮していくことが必要である。 本法に先だって公
布・施行された食料・農業・農村基本法 (平成 11 年法律第 106 号) においては、我が国
農業の持続的な発展を図るため、農業の 「自然循環機能の維持増進」 が不可欠である旨明
記されている。
しかしながら、農業の生産面についてみると、近年、たい肥等の施用量が著しく低下し
てきている等土づくりがおろそかになる一方で、化学肥料・農薬への過度の依存による営
農環境の悪化がみられるなど、環境と調和のとれた持続的な農業生産が立ち行かない事態
も生じてきている。
また、農産物の消費面についてみると、有機農産物等化学肥料・農薬の使用を控えた農
82
産物に対する消費者・実需者のニーズが高まってきている。
こうした状況に対処するためには、家畜排せつ物等の有効利用により得られるたい肥等
を活用した土づくりと化学肥料・農薬の使用の低減を行う農業生産方式の浸透を図ること
が急務となっている。
農林水産省としては、従来から 「環境保全型農業」 の取組を推進し、土づくりや化学肥
料・農薬の使用の低減の促進を図ってきたところであるが、このような農業生産方式に対
する農業者の取組は、いまだ不十分な状況となっている。
また、国際的にも、化学肥料・農薬の使用の節減等を行う持続的な農業を推進すること
が農業政策として重視されてきており、近年、OECD加盟国を中心として有機農業等の
推進に関する仕組みが相次いで整備されてきている。
以上を踏まえ、環境と調和のとれた持続的な農業生産を推進していくためには、
①
どのような生産方式を導入することが望ましいかということについて、都道府県が地
域の実状を踏まえて、農業者が理解しやすい具体的な形で提示し、個々の農業者の取
組に当たっての目標を明確にするとともに、
②
このような農業生産方式を導入する農業者に対し、適切な支援措置を講ずるための、
新たな枠組みの創設が不可欠であるとの観点から、本法が制定されることとなったもので
ある。
第2 審議の経緯
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案」 は、平成 11 年2月 26 日に
「肥料取締法の一部を改正する法律案」 とともに、第 145 回国会提出法案として閣議決定
され、その後、閣議決定された 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法
律案」 を加えて、いわゆる 「環境3法」 として、国会に上程された。 これらの法案は、ま
ず、先議院である参議院で審議され、その後、衆議院で審議されたが、いずれにおいても
全会一致で可決され、平成 11 年7月 28 日付けで公布されたところである。
なお、参議院農林水産委員会においては、本法案の採決に当たって、
①
農業の公益的機能を適正に評価する手法を確立し、国民の理解と支持を踏まえ、環境
と調和のとれた持続的な農業への総合的な支援策の検討に取り組むこと
②
地域の特性に即した技術開発・指導体制強化への取組を進めること
③
集団的に生産方式の導入が進むよう支援の充実と誘導策の強化を図ること
等を内容とする附帯決議が行われている。
第3 今後の推進の方向
本法の目的として掲げている環境と調和のとれた農業生産の確保を図るためには、本法
に基づく金融・税制上の支援措置のみならず、持続性の高い農業生産方式の導入の取組を
幅広く支援していくことが肝要である。
83
このような観点から、本法の制定と併せて、特に、地域における集団的な取組を支援す
るため、関連する予算措置の充実を図ったところである。 今後は、これらの予算措置を活
用した普及指導センター、市町村等による展示ほの設置、技術の習得のための研修会の開
催等を積極的に実施するとともに、こうした生産方式により生産された農産物である旨を
示すこと等によって、このような取組に対する消費者等の幅広い支持を得ていくことが必
要である。
さらには、本法が、上述のように 「環境3法」 の一つとして制定されたことを踏まえ、
耕種農業と畜産農業の連携の一層の強化を図りつつ、家畜排せつ物の有効利用によるたい
肥化を促進するとともに、このようなたい肥の円滑な流通を通じて、本法の目指す土づく
りを核とした生産方式の導入が促進されるよう努めることが重要である。
第4 定義
この通達中の用語は、法の用語の例による。
第5 持続性の高い農業生産方式
1
趣旨
本法に基づく支援措置の対象となる 「持続性の高い農業生産方式」 とは、土壌の性質
に由来する農地の生産力の維持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる
合理的な農業の生産方式である。 すなわち、土づくりのための有機質資材の施用、肥料
の施用及び有害動植物の防除に関する技術のうち土壌の性質を改善する効果が高いもの、
化学的に合成された肥料の施用を減少させる効果が高いもの及び化学的に合成された農
薬の使用を減少させる効果が高いもののすべてを用いて行われるものである(法第2
条)。
この生産方式は、①たい肥等の活用により、農業生産の基盤である農地について、土
壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図るものであること(農地の生産力の持
続性)
、②化学的に合成された肥料・農薬の使用を減少させる技術の利用により、農業生
産に伴う環境負荷の低減を通じ、良好な営農環境の確保に資するものであること (良好
な営農環境の持続性)、③その生産物の量や質の水準を従来の生産方式の水準から低下さ
せるようなものではなく、かつ、経営的な合理性を有しているものであること(生産物
の量及び質の持続性、経済的な持続性)という性格を備えており、将来にわたって農業
生産を持続的に行うことができる効果が特に高いものであると位置付けられる。
2
持続性の高い農業生産方式を構成する技術
(1)たい肥その他の有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効
果が高い技術
施行規則第1条第1項において、
ア
たい肥等有機質資材施用技術
84
イ
緑肥作物利用技術
を定めている。
たい肥等の有機質資材に合まれる有機物は、土壌の物理的、化学的及び生物学的性
質を良好に保ち、また、可給態窒素等の養分を作物等に持続的に供給するために極め
て重要な役割を果たすものである。したがって、土壌診断を行った上で、窒素成分と
炭素成分のバランスがとれた有機質資材を施用することは、土壌有機物含有量、可給
態窒素含有量その他の土壌の性質を総合的に改善する効果が高いものである。
(2)肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させる効
果が高い技術
施行規則第1条第2項において、
ア
局所施肥技術
イ
肥効調節型肥料施用技術
ウ
有機質肥料施用技術
を定めている。
これらの技術は化学肥料の施用効率を著しく高めるか、化学肥料の施用に代替する
ものであることから、化学肥料の施用を減少させる効果が高いものである。
これらの技術の導入により、通常行われる施肥と比較して、化学肥料の施用を3割
程度減少させることが期待される。
(3)有害動植物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減少さ
せる効果が高い技術
施行規則第1条第3項において、
ア
温湯種子消毒技術
イ
機械除草技術
ウ
除草用動物利用技術
工
生物農薬利用技術
オ
対抗植物利用技術
カ
抵抗性品種栽培・台木利用技術
キ
土壌還元消毒技術
ク
熱利用土壌消毒技術
ケ
光利用技術
コ
被覆栽培技術
サ
フェロモン剤利用技術
シ
マルチ栽培技術
を定めている。
これらの技術は、化学的に合成された農薬の使用に代替する防除技術であることか
ら、その使用を減少させる効果が高いものである。
85
これらの技術の導入により、防除対象とする有害動植物の防除に使用される化学的
に合成された農薬の使用が代替され、通常行われる防除と比較して有意にその使用を
減少させることが期待される。
なお、上記の技術の具体的な内容及び導入上の留意事項については、別記のとおり
である。
第6 導入指針
1
趣旨
法第3条第1項に基づいて都道府県が定める持続性の高い農業生産方式の導入に関
する指針(以下 「導入指針」 という。)は、当該都道府県における土壌条件、気象条件
等を踏まえて適切に区分した地域ごとに、その地域及び作物の特性に即した、当該生産
方式の具体的な内容等を明確に示すものである。
また、導入指針は、農業者が目標とすべき作物別・地域別の具体的な生産方式を明ら
かにするものであり、農業者が本法に基づく支援措置を受けるために必要となる持続性
の高い農業生産方式の導入に関する計画(以下 「導入計画」 という。)の作成及びその
認定の前提となるものであることから、すべての都道府県において定めることとされて
いる。
2
導入指針の策定
持続性の高い農業生産方式の対象となる主要な種類の農作物の選定に当たっては、作
付面積、収穫量、生産額その他都道府県の農業における位置付け等を総合的に勘案し、
できる限り幅広く対象を捉えることが適当である。
また、当該生産方式を定める区域の区分に当たっては、気象、地形及び土壌の性質と
いった自然的条件に配慮するものとする。
なお、農業者による当該生産方式の導入を促進する上での目安となるものとするため、
必要に応じ、当該生産方式を導入した場合における標準的な化学的に合成された肥料・
農薬の低減の程度、割合等を併せて示すことができる。
3
導入指針の変更
導入指針は、土づくり、施肥又は防除に関する技術の研究開発の進展その他必要が生
じた場合には、これを変更することができることとされている。(法第3条第3項)
4
導入指針の公表
導入指針は、農業者が目指すべき生産方式の具体的内容等を示すものであり、農業者
が容易に知り得るようにしておかなければならないことから、都道府県は、導入指針を
定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならないこととさ
れている。
(法第3条第4項)。
この場合、都道府県の公報等により公表するとともに、市町村に通知する等により関
係農業者及び関係農業団体等に対する周知徹底を図ることが適当である。
86
5
その他の農業関連計画との調和
導入指針は、農業経営基盤強化促進法(昭和 55 年法律第 65 号)に基づく都道府県基
本方針、その他の法律の規定による地域の農業の振興に関する計画との調和が保たれた
ものとする必要があるため、これらに十分留意して策定することが適当である。
6
他部局との連携
都道府県の担当部局は、持続性の高い農業生産方式が環境基本法(平成5年法律第 91
号)第2条第1項に規定する 「環境への負荷」 の低減に資する効果をも有することにか
んがみ、導入指針を策定する際には、できる限り、環境への負荷の低減が図られるよう
配慮するとともに、その策定及び変更に当たっては、あらかじめ当該都道府県の環境保
全担当部局と協議することが適当である。
7
市町村との連携
都道府県は、導入指針が地域の特性に即した実効性のあるものとするため、必要に応
じ、地域の農業者、農業協同組合、市町村等の関係者・関係団体から意見を聴くことが
適当である。
第7 導入計画の認定
1
趣旨
持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画(以下 「導入計画」 という。)は、農
業者が持続性の高い農業生産方式の導入を行うに当たり、金融・税制上の特例措置を受
けようとするときに作成されるものであり、当該計画について都道府県知事の認定を受
けることにより、このような特例措置を受けることができることとしたものである。
2
導入計画の作成者
導入計画を作成することができる者は、
①
一般的な技術と比べて技術水準の高いモデル性を有する農業生産方式を実施する
のにふさわしい技術力を有し、かつ、
②
個々の経営における作物の種類、栽培するほ場、導入する技術等の要素の選定に関
し、自ら決定するだけの判断力を有する者であること
が必要であり、農業経営の主体である者、すなわち 「農業を営む者」 と考えられる。(法
第4条第1項)
3
導入計画の作成等
導入計画の提出先は、持続性の高い農業生産方式を導入しようとする農地を管轄する
都道府県知事あてとする。
普及指導センターは、導入計画を作成しようとする農業者に対し必要な指導・助言を
積極的に行うことが望ましい。
4
導入計画の認定基準
導入計画の認定は、
87
①
導入計画が導入指針に照らし適切なものであること(施行規則第4条第1号)、
②
目標とされている持続性の高い農業生産方式に係る作付面積が相当部分を占めて
いること(施行規則第4条第2号)
、
③
導入計画の達成される見込みが確実であること(施行規則第4条第3号)、
④
法第4条第2項第2号及び第3号に掲げる事項が同項第1号の目標を達成するた
め適切なものであること(施行規則第4条第4号)
というすべての基準を満たす場合に行うこととされている。
施行規則第4条第2項においては、具体的に、持続性の高い農業生産方式を導入しよ
うとする作物ごとに、その農業生産方式による作付面積が、当該作物の作付面積全体の
おおむね5割以上を占めることを要件とすることとされている。
5
導入計画の変更
認定農業者は、認定導入計画を変更しようとするときは、都道府県知事の認定を受け
なければならないこととされている。(法第5条第1項)
この場合、法第4条第3項の規定は、変更後の導入計画の認定について準用すること
とする。(法第5条第3項)
6
認定導入計画の取消し
都道府県知事は、認定農業者が認定導入計画に従って持続性の高い農業生産方式の導
入を行っていないと認められる場合には、その認定を取り消すことができることとされ
ている。(法第5条第2項)
ただし、このような場合であっても、都道府県知事は本法の趣旨にかんがみ、認定導
入計画を達成するよう積極的に必要な助言・指導に努めるとともに、達成が困難と思わ
れる場合においては必要に応じて導入計画の変更について指導を行うなど、個々の事情
を踏まえて対応することが肝要である。
第8 農業改良資金融通法の特例措置
持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律施行令(平成 11 年政令第 334 号)
に掲げる資金は、農業者が導入計画の認定を受けて持続性の高い農業生産方式を導入する
際に必要な資金を貸し付けるものである。 持続性の高い農業生産方式を導入しようとす
る場合には、当該生産方式がたい肥等の活用による土づくりと化学肥料・農薬の使用を減
少させる技術のすべてを併せて行う生産方式であり、複数の技術の導入に対応した機械、
施設等を必要とすることから、償還期間(据置期間を含む)を 10 年以内から 12 年以内
に延長することとしている。(法第6条)
第9 その他
1
援助
都道府県においては、認定農業者による認定導入計画の達成を促進するため、普及指導
88
センターによる導入計画の策定の指導・助言、普及指導員の巡回による技術指導等に努め
るものされている。(法第8条)
2
市町村との連携
本法において、導入指針の策定、農業者が作成した導入計画の認定等は、都道府県の事
務とされており、市町村の役割について特段の規定が設けられていない。これは、持続性
の高い農業生産方式の内容については、技術的要素が大きく、土づくりや施肥・防除に関
する専門的知見が必要となることから、都道府県の普及指導センターの専門的知識と経験
を活用することが最も適当であること等を踏まえたものである。
しかしながら、本法の円滑な運用を図るためには、補助事業の活用等による啓発指導、
たい肥化施設等共同利用施設の整備等による農業者への支援等市町村の果たすべき役割
も大きいものであることから、引き続き市町村の理解と積極的な協力が得られるよう特段
のご配慮をお願いする。
(別 記)
法第2条に基づき農林水産省令で定める技術の具体的内容及び導入上の留意事項について
1
たい肥その他の有機質資材の施用に関する技術であって、土壌の性質を改善する効果
が高い技術
(1)たい肥等有機質資材施用技術
土壌診断(可給態窒素含有量及び土壌有機物含有量を含む土壌の性質の調査・分析)
を行い、その結果に基づき、たい肥等有機質資材であって窒素成分と炭素成分のバラン
スのとれたもの(炭素窒素比(C/N比)がおおむね 10 から 150 の範囲となるもの)
を施用する技術をいう。
たい肥等有機質資材の範囲としては、たい肥のほか、稲わら、作物残さ等が含まれる
ものと考えられるが、樹皮及びおがくずについては、炭素窒素比が大きく、作物の生育
に障害を与えるおそれがあるので含まれない。
また、施用する種類や量については、土壌診断の結果に基づく適正なものと考えられ
るものとし、過剰な施用や未熟なたい肥の施用により、作物の生育を悪化させ、又は地
下水の汚染等環境に負荷を与えることのないよう留意する必要がある。
(2)緑肥作物利用技術
土壌診断(可給態窒素含有量及び土壌有機物含有量を含む土壌の性質の調査・分析)
を行い、その結果に基づき、緑肥作物(農地に有機物や養分を供給するために栽培され
る作物)を栽培して、農地にすき込む技術をいう。
緑肥作物の種類は限定しないものの、有機物や養分に富み、農地にすき込むものであ
り、地域に適合したものを選択することが必要である。
89
また、本技術の導入に併せて合理的な輪作体系の確立を図ることが望ましい。
なお、選択した緑肥作物の種類によっては、対抗植物としての効果を有するものがあ
り、この場合は、法第2条第3号の技術である 「対抗植物利用技術」 を同時に導入して
いるものとみなす。
2
肥料の施用に関する技術であって、化学的に合成された肥料の施用を減少させる効果
が高い技術
(1)局所施肥技術
肥料を作物の根の周辺に局所的に施用する技術をいい、水稲作における側条施肥もこ
れに含まれる。
本技術の導入においては、肥料による作物への濃度障害を回避する観点から、農作物
の種類、肥料の種類等に応じて施肥する位置等を調整する必要がある。
また、労働時間の軽減を図る観点から、側条施肥田植機や畝立マルチ施肥機等局所施
肥と同時に他の生産工程を行う農業機械を積極的かつ効率的に利用することが望まし
い。
(2)肥効調節型肥料施用技術
本技術は、普通肥料のうち、いわゆる被覆肥料、化学合成緩効性肥料及び硝酸化成抑
制剤入り肥料を施用する技術をいう。
本技術の導入においては、これらの肥効調節型肥料の種類により肥効パターンが異な
ることを十分考慮し、農作物の種類、土壌条件及び気象条件に応じて肥料の種類を選択
する必要がある。
(3)有機質肥料施用技術
有機質(動植物質のものに限る)を原料として使用する肥料を施用する技術をいう。
施用する種類や量については、土壌診断の結果、農作物の種類、含有する肥料成分量
等を勘案して適正と考えられるものとし、過剰な施用や未熟なたい肥の施用により、作
物の生育や品質を悪化させ、又は環境に著しい負荷を与えることのないよう留意する必
要がある。
なお、本技術で利用される肥料には、いわゆる有機入り化成肥料も含まれるが、上記
の二つの技術が、化学肥料の使用を3割程度低減することが可能であることを考慮すれ
ば、有機質由来のものが原料ベースで3割以上含まれているものを使用することが望ま
しい。
3
有害動殖物の防除に関する技術であって、化学的に合成された農薬の使用を減少させ
る効果が高いもの
(1)温湯種子消毒技術
種子を温湯に浸漬することにより、当該種子に付着した有害動植物を駆除する技術を
90
いう。
本技術の導入においては、浸漬する温度や時間により防除効果や発芽率等が変動する
ことから、適切な条件の下で行うことが必要である。
(2)機械除草技術
有害植物(有害動物の発生を助長する植物を含む)を機械的方法により駆除する技術
をいう。
本技術の導入においては、除草用機械による除草を効率的に行えるよう、農作物の栽
植様式の調節やほ場の規模に応じた機械の種類の選択を行うことが必要である。
なお、本技術には、畦畔における有害動物の発生を助長する植物を機械的方法により
駆除する技術が含まれる。
(3)除草用動物利用技術
有害植物を駆除するための小動物の農地における放し飼いを行う技術をいう。
具体的には、アイガモ又はコイを利用した水稲作が想定されるが、このほか、都道府
県農業試験場等で駆除効果が明らかとされた小動物を利用するものも含まれる。
本技術の導入においては、除草用動物が野犬等の外敵の被害を受けないよう、柵等で
保護するなど適切な条件で行うことが必要である。
(4)生物農薬利用技術
農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)第1条の2第2項の天敵であって、同法第2条
第1項又は第 15 条の2第1項の登録を受けたものを利用する技術をいい、捕食性昆虫、
寄生性昆虫のほか、拮抗細菌、拮抗糸状菌等を導入する技術及びバンカー植物(天敵の
増殖又は密度の維持に資する植物をいう。)を栽培する技術等が含まれる。
本技術の導入においては、害虫の発生密度や施設内の温度湿度等により防除効果が変
動することから、適切な条件の下で行うことが必要である。
(5)対抗植物利用技術
土壌中の有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する効果を有する植物を栽培す
る技術をいう。
対抗植物の種類は限定しないものの、都道府県農業試験場等で防除効果が明らかにさ
れ、地域の特性に適合したものを選択することが必要である。
また本技術の導入においては、対抗植物の防除効果は特異性が高いことから、防除対
象とする線虫等有害動植物の種類に応じて、その種類を選択することが必要であるとと
もに、合理的な輪作体系の確立を図ることが望ましい。
なお、対抗植物には、有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止する植物のみでな
く、有害動植物の土壌中における密度を下げる等の効果が期待される非寄生植物も含ま
れる。
(6)抵抗性品種栽培・台木利用技術
有害動植物に対して抵抗性を持つ品種に属する農作物を栽培し、又は当該農作物を台
91
木として利用する技術をいう。
抵抗性品種・台木の種類は限定しないものの、都道府県農業試験場等で防除効果が明
らかにされ、防除対象とする有害動植物の種類や地域の特性に適合したものを選択する
ことが必要である。
(7)土壌還元消毒技術
土壌中の酸素の濃度を低下させることにより、土壌中の有害動植物を駆除する技術を
いう。
具体的には、畑において、有機物を施用するとともに、土壌中の水分を十分高めた上
で、資材により被覆した状態を継続する技術のほか、都道府県農業試験場等で防除効果
が明らかにされた技術が含まれる。
なお、土壌を被覆する資材については、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等の
環境負荷を与える恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われるよう
指導する必要がある。 また、施用する有機物については、肥料成分を含有していること
から、過剰な施肥につながらないよう留意する必要がある。
(8)熱利用土壌消毒技術
土壌に熱を加えてその温度を上昇させることにより、土壌中の有害動植物を駆除する
技術をいう。
具体的には、太陽熱土壌消毒技術、熱水土壌消毒技術及び蒸気土壌消毒技術である。
本技術の導入においては、気候条件や土壌条件等により防除効果が変動することから、
地域の特性に適合したものを選択することが必要である。
なお、土壌に熱を加える前にその表面を資材で被覆する場合については、適正に処理
せずに廃棄すると、大気汚染等を引き起こす恐れがある資材もあることから、その使用
後の処理が適正に行われるよう指導する必要がある。
(9)光利用技術
有害動植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため、有害動植物を誘引し、若しく
は忌避させ、又はその生理的機能を抑制する効果を有する光を利用する技術をいう。
具体的には、シルバーフィルム等の反射資材、粘着資材、非散布型農薬含有テープ、
黄色灯及び紫外線除去フィルムを利用する技術である。
なお、粘着資材の利用と生物農薬利用技術を組み合わせて行う場合は、粘着資材で天
敵を捕殺しないよう注意する必要がある。
(10)被覆栽培技術
農作物を有害動植物の付着を防止するための資材で被覆する技術をいう。
具体的には、べたかけ栽培技術、雨よけ栽培技術、トンネル栽培技術、袋かけ栽培技
術、防虫ネットによる被覆栽培技術等である。
本技術の導入において、有害動植物による被害を予防する観点から、最適な被覆資材
の選択、被覆状態の維持を行うことが必要である。
92
なお、本技術に用いられる資材は、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等を引き
起こす恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われるよう指導する必
要がある。
(11)フェロモン剤利用技術
農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とする薬剤であって、
農薬取締法第2条第1項又は第 15 条の2第1項の登録を受けたものを利用する技術を
いう。
本技術の導入において、害虫の発生密度やほ場の規模等により防除効果が変動するこ
とから、適切な条件で行うことが必要であるとともに、併せて発生予察を行うことが望
ましい。
(12)マルチ栽培技術
土壌の表面を有害動植物のまん延を防止するための資材で被覆する技術をいう。
本技術の導入においては、まん延防止効果を維持する観点から、最適な被覆資材の選
択、被覆状態の維持を行うことが必要である。
また、本技術には、わら類、被覆植物によるマルチ栽培技術も含まれる。
なお、本技術に用いられる資材は、適正に処理せずに廃棄すると、大気汚染等を引き
起こす恐れがある資材もあることから、使用後の処理が適正に行われるよう指導する必
要がある。
93
○エコファーマーの
○エコファーマーの位置づけ
位置づけについて
づけについて
エコファーマーとは、平成 11 年 7 月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の
促進に関する法律(持続農業法)」第 4 条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に
関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農
業者(認定農業者)の愛称名のことである。
本県では、秋田県持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針(導入指針)に基づいて
認定が行われており、化学肥料窒素成分量と化学農薬成分回数を慣行の約 20%以上削減を
基礎的要件としている。したがって、導入指針に基づき、有機農業(※1)に取り組んで
いる農業者、特別栽培農産物(※2)の生産に取り組んでいる農業者等もエコファーマー
として認定される。
各取組の該当範囲のイメージ
あきたeco
ecoらいす
あきた
ecoらいす
特別栽培
有機農業
農産物
化学農薬成分回数の削減割合
100%
50%
エコファーマー
20%
0%
0%
20%
50%
100%
化学肥料成分の削減割合
※1 上記の有機農業とは、有機農業推進法第二条の定義に基づき、化学的に合成された
肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本と
して、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用
いて行われる農業とする。
※2 特別栽培農産物とは、化学合成された農薬・肥料を慣行栽培の半分以下に抑えて作
られた農産物である。
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