...

第1章 - 山形県ホームページ

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

第1章 - 山形県ホームページ
第1章
平成26年度の男女共同参画に関する主な動きと取組み
県では、平成 13 年3月に山形県男女共同参画計画を策定(計画期間:平成 13∼22 年度)し、
男女共同参画による豊かな地域社会を築くための取組みを進めて参りました。平成 23 年3月には、
新たな山形県男女共同参画計画を策定し、さらなる推進に努めております。
第1章では、平成 26 年9月に開設した「マザーズジョブサポート山形」の概要、女性の活躍推進
事業、男女共同参画社会づくりに関する表彰、ワーク・ライフ・バランスの実践拡大に向けた取組
み、DV 防止に向けた意識啓発の強化についてなど、平成 26 年度の男女共同参画に関する主な動き
と取組みを御紹介します。
1.マザーズジョブサポート山形の開設
1
概
要
平成 26 年9月 22 日、山形テルサ1階ハローワークプラザやま
がた内にマザーズジョブサポート山形を開設しました。
この施設は、結婚・出産・育児その他の理由で離職している女
性の就職希望や、仕事をしながらの子育ての不安、求職中の託児
の問題等の相談に応じるなど、仕事と育児の両立に向けた支援を、
山形労働局が設置しているハローワークマザーズコーナーとの連
携のもと、一人ひとりのニーズに応じてワンストップで支援する
〔オープニングセレモニーの様子〕
ことにより、女性のさらなる就労促進を図ることを目的としています。
2
主な機能
(1)相談員(マザーズ・コンシェルジュ)の配置による総合相談
離職してからのブランクに対する不安や、お子さんの預け先
に悩みを抱えていらっしゃる方などの相談に対応する相談窓口
を設置し、一人ひとりの状況や気持ちに寄り添いながら対応し
ています。
〔相談窓口の様子〕
(2)各種セミナーの開催
自分にあった働き方や仕事と子育ての両立に関する講座
などを開催し、就職に向けた意識の高揚を図っています。
参加者からは、
「普段の生活の中で、自分自身について
考える機会がなかったので、良い機会になった」や、「同
じ悩みを持つ方のお話を聞けてよかった」などの声が聞か
れ、様々なきっかけや気づきを提供しています。
〔セミナーの様子〕
(3)保育ルーム「にこにこ」の運営
保育ルームを設置し、相談中や就職面接時等における託児サ
ービスの提供を行っています。
また、保育ルームに実際に子どもを預ける体験を通して、子
どもを預けながら働くことに対する不安の解消にもつなげてい
ます。
〔保育ルームの様子〕
(4)特別相談事業の実施
関係機関と連携し、多様なニーズに対応するため、以下の特別相談事業も実施しています
(各月1回)
。
〇山形県看護協会による巡回相談
○山形県福祉人材センターによる保育士・介護士等就職相談
○山形県母子寡婦福祉連合会によるひとり親家庭就業支援相談
3
利用状況
平成 26 年9月の開設から平成 27 年2月末までの間に延べ 550 名以上の方に相談窓口を利用い
ただいております。今後も、利用しやすい施設になるよう取組みを進めていきます。
-1-
2.女性の活躍促進
(1)輝く女性応援会議 in 山形
すべての女性が輝く社会を目指し、政府主
導で 2014 年3月にキックオフした「輝く女性
応援会議」が山形市で開催され、310 名の参加
者が集いました。
会議では、吉村知事のあいさつ、岡田内閣
府副大臣の基調講演に続き、県内の農業やサ
ービス業などさまざまな分野で活躍する女性
や、輝く女性を応援する方から、これまでの
体験や思いを事例発表していただくとともに、
〔内閣府岡田大臣、吉村知事、パネリストの皆様〕
【日時】平成 26 年7月 30 日(月)
「すべての女性が輝く社会」の実現に必要な
14:00∼16:00
ものは何かについて、パネルディスカッション
【会場】パレスグランデール(山形市)
形式で考えました。
最後に吉村知事が「山形県では女性も男性も共に働き、共に育むことができる社会、一人ひ
とりが、社会においても家庭に幸せを感じることができる社会を目指し、女性が輝く社会の実
現につなげていきます。
」と、高らかに「山形県輝く女性応援宣言」を宣言し、大きな盛り上がり
の中で閉会しました。
山形県輝く女性応援宣言
山形県ではこれまでも、ワーク・ライフ・バランスの推進、仕事と子育ての両立支援、再就職支援など、県民一
人ひとりがいきいきと暮らしていける環境づくりに努めてまいりました。本日の「輝く女性応援会議 in 山形」
の開催を受けて、山形県民は一丸となって、さらに力強く、女性も男性も共に働き、共に育むことのできる社会、
一人ひとりが社会においても家庭においても幸せを感じることのできる社会を目指し、女性が輝く社会の実現に
つなげていくことを、ここに宣言いたします。
(2)6次産業化女性起業応援セミナー
本県の基幹産業である農業分野での女性の活躍を推
進するため、6次産業化の実践事例の紹介と専門家へ
のビジネス相談により、女性が農業を起点としたビジ
ネスを創出するための契機とすることを目的に開催し
ました。
当日は第一部で実践事例紹介、第二部でビジネス相
談会を行い、実践事例紹介では、商品名を決定する際
の商標権の確認や、酒類販売等の際の免許の取得、パ
ッケージの重要性など、創業時に直面する具体的な課
題やアドバイスについて発表がありました。ビジネス
相談会では、商品パッケージや加工技術、飲食店開業
の手続き(食品営業許可)や専門家派遣等、活発な質
問が行われました。
-2-
〔事例発表の様子〕
【日時】平成 26 年7月 23 日(水)
13:30∼16:30
【会場】甑葉プラザ(村山市)
(3)女性の活躍推進シンポジウム
女性が活き活きと活躍できる場の拡大に向け、女性
の力を活かす企業マネジメントを中小企業で推進する
ための手法や、企業経営に与える効果等について学ぶ
場を提供することにより、
「女性活躍推進」が企業の経
営戦略であることの理解を深め、女性をはじめ多様な
人材が活躍できる職場環境づくりを推進することを目
的として「女性の活躍推進シンポジウム」を開催しま
した。
〔基調講演の様子〕
【内容】
《第1部》
【日時】平成 26 年 11 月 27 日(木)
山形県ワーク・ライフ・バランス優良企業知事表彰式
山形労働局均等・両立推進企業表彰式
13:00∼16:40
【会場】山形グランドホテル(山形市)
《第2部》
①基調講演
講 師
内閣府少子化危機突破タスクフォース政
策推進チームリーダー
渥美 由喜 氏(㈱東レ経営研究所)
テーマ
「女性の力で業績向上!」
②事例報告・パネルディスカッション
事例報告 松文産業株式会社鶴岡工場(鶴岡市)
総務部総務課長 佐藤 廣一 氏
〔パネルディスカッションの様子〕
山形信用金庫(山形市)
総務部総務課長人事担当兼秘書役 堀 明彦 氏
コーディネーター 渥美 由喜 氏
《第3部》
ワークショップ(ワールドカフェ方式)
テーマ「あなたが思う女性が活躍しやすい職場環境づくりとは」
参加人数:13 名
【成果】
《基調講演》
女性活躍の必要性をはじめ、ダイバーシティの阻害要因(管理職と女性自身の意識改革)
、
フォローしあえる職場づくりなどをトピックに講演が行われ、多くの参加者から好評を得
た。
《事例報告・パネルディスカッション》
参加者から女性活躍推進の必要性を感じてもらい、身近な取組みとして自社の取組みに
反映できるよう、企業規模や取組みの内容等を考慮し、事例報告企業を選定した。
-3-
3.地域における男女共同参画の推進
(1)山形県男女共同参画社会づくり功労者等知事表彰
男女共同参画社会づくりに特に顕著な功績のあった個人若
しくは団体又は仕事や地域活動等様々な分野でチャレンジ
し活躍している個人若しくは団体を顕彰し、その功績を称え、
男女共同参画社会づくりに対する県民の一層の関心を高め、
男女共同参画社会の形成の促進を図るため、「山形県男女共
同参画社会づくり功労者等知事表彰」を実施しました。平成
26 年度は、功労者表彰1団体、チャレンジ賞1名、2団体が
〔吉村知事と受賞者〕
受賞され、平成 26 年 10 月 19 日に開催された「チェリア・フェスティバル山形 2014」にて表彰式が
執り行われました。
受賞者概要(功労者表彰)
やまがたじょせい い
功労者表彰は、男女共同参画社会づくりに積極的に取り組み、その功績が
特に顕著であると認められる個人・団体を表彰するものです。
し
山形女性医師ネットワーク(山形市)
女性医師が育児等を理由に離職せざるえない現状を、個人的問題としてではなく社会的な課題と
して捉え、課題解決のため女性医師の仕事と生活の支援を精力的に展開している。
医学生・研修医・医師を対象として講演会や対話活動を行うとともに、キャリアカウンセリング
を行い、仕事・進路・生活の悩みの相談を行うなど、若い女性医師の仕事を続けたいという意思を
尊重し、幅広い支援活動を行っている。
受賞者概要(チャレンジ賞)
たなか
ま
い
チャレンジ賞は、仕事や地域活動等、様々な分野でチャレンジし活躍して
いる個人・団体を表彰するものです。
こ
田中 麻衣子氏(山形市)
県外から山形を盛り上げる活動をしようと任意団体であるGLY Projectを立ち上げる。
その後、行政との連携により活動範囲を広げ、GLY OFFICE を発足させ、山形の商品をPRする企画
等を成功させるなど、地域課題を具体的な取組みへと転換する活動を精力的に進めてきた。
GLY OFFICE からヤマガタ未来ラボに名称を変更し、県外在住の若者がUJIターンを検討するた
めの情報提供や、Uターンを悩む人へのキャリアカウンセリングの実施などのUIターン支援、県
外在住の若者が「やまがた応援団」として活動する機会の創出など、県外在住の若者が山形県と関
わりを持続する仕組みづくりに取り組んでいる。
あ さ ひ ま ち しょくせいかつかいぜんすいしんきょう ぎ か い
朝日町 食 生 活 改善 推 進 協 議会(朝日町)
長年にわたり、
「男子厨房に入るべし」を合言葉とした男女の区別のない食の改善の推進に努め、
「男の料理の実践講座」を 10 年にわたり継続実施しており、家庭の中にこそ、男女共同参画の基
本があることを町内に発信している。
また、子ども達が親子の食育活動を体験することで、男女における家事の助け合い意識を育み、
次世代社会を担う子ども達の男女共同参画意識の育成に積極的に取り組んでいる。
マリンバピアチェーレ(山形市)
マリンバ演奏を通して、子育て支援や子供の情操教育等の社会貢献活動に積極的に取り組んでい
る。山形県では例の少ない 0 歳から参加できるコンサート「音楽と絵本の贈りもの」を開催してい
る。それに合わせて「赤ちゃんサロン」を設け、母子の交流や保育士による各種の子育て支援情報
を提供している。また音楽を楽しみながら、ともすれば孤立しがちな育児中のお母さん方の不安感、
負担感を解消すべく環境整備に取り組んでいる。
-4-
4.ワーク・ライフ・バランスの実践拡大に向けた取組み
(1)山形いきいき子育て応援企業制度概要
山形県では「女性の活躍推進」
「仕事と家庭の両立支援」に取り組む企業を、『山形いきいき子育
て応援企業』として県が認定し、サポートする取組みを行っています。平成 27 年 1 月末現在、県内
605 社の企業等の皆様に登録いただいております。
◇登録・認定要件◇
知事は、
(1)∼(3)の要件を全て満たす企業等を「山形いきいき子育て応援企業」として登録・
認定する。
(1)以下のいずれかに該当すること
【宣言企業】
認定基準のうち、2つ以上に取り組む計画がある企業
【実践(ゴールド)企業】
認定基準のうち、2つ以上に取り組んでいる企業
【優秀(ダイヤモンド)企業】
認定基準のうち、4つ以上に取り組んでいる企業
<認定基準>
Ⅰ 女性の活躍推進
Ⅱ 仕事と家庭の両立支援
Ⅲ 出産・育児・介護等により退職した女性の再雇用等
Ⅳ 男女がともに働きやすい職場づくり
Ⅴ 県民の子育て支援・若者応援・地域貢献
(2)ワーク・ライフ・バランス推進員を設置すること
(3)事業主又は役員が暴力団員でないこと、もしくは暴力団
又は暴力団員と密接な関係を有しないこと
◇認定企業へのサポート◇
奨励金の交付(1回のみ)※
県産業活性化資金優遇金利(初めて女性を管理職に登用した場合)
宣言企業
奨励金の交付(2回目以降)※
県産業活性化支援資金優遇金利(融資利率年 1.8%→1.6%に優遇)
県競争入札参加資格者名簿(建設工事)発注者別評価点を2点加点
ダイヤモンド企業盾の交付
知事との新聞紙面対談(3社/年)
※ 奨励金のメニュー
(1)女性を管理職に登用した場合 (2)男性の育児休業取得者が出た場合
(3)結婚・出産・育児等で退職した社員を再雇用した場合 <26 年度終了>
(4)介護休業取得者が出た場合
-5-
実践
(ゴールド)
優秀
企業
(ダイヤモ
ンド)企業
◇優秀(ダイヤモンド)企業一覧(平成 27 年1月末現在)※敬称略、順不同◇
企業・法人名
市町村
企業・法人名
市町村
AISOHO 企業組合
山形市
日東ベスト株式会社
学校法人羽陽学園
山形市
丸七建設株式会社
山形市
特定医療法人敬愛会尾花沢病院
山形市
株式会社黒田組
河北町
山形市
モガミフーズ株式会社
河北町
弘栄設備工業株式会社
山形市
一般財団法人
米沢市
株式会社東北消防設備
山形市
エヌ・デーソフトウェア株式会社
南陽市
東北電化工業株式会社
山形市
キャド・キャム株式会社
鶴岡市
株式会社日本政策金融公庫山形支店
山形市
株式会社荘内銀行
鶴岡市
株式会社 ユニバーサル山形
山形市
株式会社エデュケイションジェイムズ
英会話
株式会社NTT東日本−東北
山形支
店
社会福祉法人恩賜財団済生会山形済生
病院
寒河江市
天童市
尾花沢市
三友堂病院
株式会社プレステージ・インターナショナ
ル山形 BPO ガーデン
酒田市
(2)山形いきいき子育て応援企業「ダイヤモンド企業」知事対談
「女性の活躍推進」
「仕事と家庭の両立支援」の取組みが特に進んでいる「ダイヤモンド企業」に
認定されている本県のトップランナー企業3
社と知事の対談が行われました。
まず始めに、知事からワーク・ライフ・バラ
ンスについて県の施策の方向性が示されまし
た。各企業の代表からは、具体的な取組みや今
後の展望など熱い思いが語られました。この対
談を通じて、ワーク・ライフ・バランスに積極
的に取り組む先進企業にはトップが社員を大
切にし、それが充実した制度へと繋がり、社員
〔吉村知事、対談参加者、コーディネーター〕
が安心して働けることで、業績アップへと繋がる好循環が生まれていることがわかりました。
県としてもそうした考え方を他の企業でも取り入れることができるよう広く周知し、支援してい
きます。
【参加企業】
㈱東北電化工業 代表取締役社長 會津 圭一郎 氏
㈱プレステージ・インターナショナル山形 BPO ガーデン 代表取締役 玉上 進一 氏
㈱ユニバーサル山形 代表取締役 土屋 和彦 氏
【コーディネーター】
山形大学人文学部 教授 國方 敬司 氏
-6-
(3)山形県ワーク・ライフ・バランス優良企業知事表彰
仕事と生活の調和がとれた社会の実現に向け
て積極的に取り組み、成果が認められる企業を表彰
することにより、県内企業の自主的な取組みをより
一層促進し、県民の意識啓発を推進するため、「山
形県ワーク・ライフ・バランス優良企業」知事表彰
を実施しました。平成 26 年度は、3社が受賞され、
平成 26 年 11 月 27 日に山形グランドホテルにて開
催された「女性の活躍推進シンポジウム」の中で表
〔吉村知事と受賞者〕
彰式が執り行われました。
受賞企業概要(記載内容は受賞時点)
かぶしきがいしゃ
エヌ・デーソフトウェア株式会社
〔所在地〕南陽市〔業種〕情報通信業〔従業員〕445 人
〔主な取組み内容〕
○経営者自ら女性の活躍推進についての必要性を唱え、具体的な取組みの着手を明言し、平成 24
年に初めて女性従業員を管理職に登用している。
○平成 25 年 10 月に「女性活躍推進プロジェクト」の第1回会議を開催し、名称を「PANDA プロ
ジェクト(Positive Action ND Activity の略)に決定、定期的に会議を開催し、より働
きやすい職場環境づくりなどについて話し合うなど、従業員側も女性の活躍推進に向けた
取組みを進めている。
○有給休暇取得促進のため、部署ごとに取得率の統計を取り従業員に周知している。
とくていいりょうほうじんけいあいかい
特定医療法人敬愛会
〔所在地〕尾花沢市〔業種〕医療福祉業〔従業員〕322 人
〔主な取組み内容〕
○平成 24 年、平成 26 年に男性職員が育児休業を取得。
○子どもの看護休暇を時間単位かつ有給で取得できる。
○子育てや介護のため職員が希望した場合は、早番・遅番・土日勤務等のない臨時職員として勤
務を継続することができ、いつでも正職員に戻ることができる。
○職員用意見箱の設置、年2回アンケート調査の実施等により、従業員の希望を聞く仕組みを設
け、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる。
いっぱんざいだんほうじんさんゆうどうびょういん
一般財団法人三友堂 病 院
〔所在地〕米沢市〔業種〕医療福祉業〔従業員〕593 人
〔主な取組み内容〕
○仕事と家庭の両立を支援するため、法人内に WLB 推進プロジェクト委員会を設置し、課題抽出、
課題解決に取り組むとともに、法人内通信等により、職員の意識啓発を推進している。
○平成 20 年より短時間正職員制度を導入し、柔軟な勤務体系に対応するなど働きやすい職場環境
づくりに取り組んでおり、現在 35 名の職員がこの制度を利用している。
○時間外労働が多い職場については毎月運営会議で実績を公表、現状分析と改善内容を検討し時
間外労働の縮減につとめている。
○職員の子育てを支援するため、平成 26 年 10 月に 24 時間利用できる法人独自の保育施設「ちび
っこ広場めんご」を開設。
-7-
5.山形県男女共同参画センター・チェリアの取組み
(1)山形県男女共同参画センター・チェリアの概要
山形県男女共同参画センターは、男女が社会の対等な構成員として、社会のあらゆる分野に共同
参画する豊かな社会「男女共同参画社会」の実現をめざす活動交流拠点として、平成 13 年4月1日
より遊学館(山形市)内に開設しました。
愛称である「チェリア」は、チェリー(さくらんぼ)とエリア(場所)の組
合せによる造語です。さくらんぼは山形県の名産であり、また二つの実が一緒
になっている形が男女仲良く並んで男女共同参画を表現しているように見える
ことからセンターのシンボルマークにもなっております。
チェリアシンボルマーク
<チェリアの主な取組み>
①
女性の人材育成・チャレンジ機会の拡大事業
地域における男女共同参画の推進者となる女性リーダーを育成するエンパワーメントセミナー
としてのチェリア塾の開催や講師派遣、研修派遣事業を実施しています。
②
学習・研修・普及啓発事業
民間団体・グループが実施する男女共同参画に関する講座等の開催経費に助成金を交付する県
民企画事業や男性にとっての男女共同参画促進のための男性セミナーの開催等を実施しています。
③
地域との連携強化、団体活動支援・交流事業
登録団体・グループの発表など県民の参加と交流を目的としたチェリアフェスティバルや県内
4ブロックにおいて各地域が主体となって企画、実施する地域講座等を実施しています。
④
相談事業
一般相談、専門相談(弁護士による法律相談、臨床心理士によるこころの相談)
、就職支援のた
めのキャリア・カウンセリングを行っています。
⑤
情報収集・提供事業
広報誌「チェリア」の発行やホームページによる情報提供を行っています。
⑥
調査・研究事業
各種調査、団体研究への指導及び各種研究を行っています。
(2)平成 26 年度の主な実施事業
○ チェリア恒例の祭典「チェリアフェスティバル山形 2014」を開催!
チェリアフェスティバルは男女共同参画社会づくりを目指し
て活躍している団体・グループの活動発表や県民の皆様との交
流のため、毎年 10 月の第3日曜日に実施しています。今年度は
「いいね!だれもが主役
ささえあう未来へ」をテーマに、10
月 19 日(日)に遊学館で開催されました。
チェリア登録団体から選ばれた実行委員の企画により、講演
会や団体・グループによるワークショップ、活動発表、男女共
同参画社会づくり功労者等知事表彰など今年も盛りだくさんの
内容で、当日は、延べ 3,156 人のご来場をいただきました。
-8-
講演するにしゃんた氏
<にしゃんた氏による講演会>
「みんな地球家族∼わかちあう仕事も家庭も喜びも∼」と題して、男性や女性、高齢者や若者、障
がい者や健常者、そして日本で暮らす外国人に至るまで、多様性に富んだ日本社会であるからこそ、
支え合って生きていくことの大切さを理解しようとのお話をいただきました。
<団体・グループの活動発表>
ワークショップ6企画、展示発表8団
講演するにしゃんた氏
体、ふれあいコーナー10 団体、アトラク
ション参加1団体と多くの団体が日頃の
活動の成果を発表しました。
ふれあいコーナーの様子
○ 「チェリア塾基本コース」を村山地域・庄内地域で開講
男女共同参画に関する基本的な知識と考え方を身につけ、地域で男女共同参画社会づくりを推進す
るために、地域社会の課題を捉え、問題解決に向けて行動できる女性リーダーを育成する「チェリア
塾・基本コース」を、村山地域と庄内地域で開講しました。塾生の満足度や理解度も高く、講座修了
後はさっそく仲間づくりへと一歩踏み出しました。
講師:髙木直氏(チェリア館長)・渡辺美穂氏(NWEC)・
小倉泰憲氏(山形大学)・遠藤恵子氏(せんだい男
女共同参画財団)
・伊藤眞知子氏(東北公益文科大
学)・中島幸子氏、西山さつき氏(NPO 法人レジリ
エンス)
・平尾清氏(東北公益文科大学)
・廣瀬隆人
氏(宇都宮大学)
・県若者支援・男女共同参画課
内容:・男女共同参画の基礎知識
少人数での講座でしたが、お互い
に顔を見ながらの受講で、仲間づ
くりもスムーズに進みました。
・山形県における男女共同参画の取組み
・男女共同参画社会の実態・課題の把握
・リーダーのためのコミュニケーション、自分も相手も尊重するコミュニケーション
・ジェンダーや人権の基礎知識
・バランスの取れる新しい働き方のトレンドを学ぶ など
○ 男性セミナーの開催
今年の「男女共同参画週間」
(6/23∼6/29)のキャッチフ
レーズは、男性も長時間労働を減らし女性と共に家事や育児
に関わりましょうという主旨で「家事場のパパヂカラ」とな
りました。その最終日の6月 29 日(日)
、男性セミナーとし
て遊学館において「家事場のパパヂカラ応援フォーラム」と
題して、様々なライフステージにおけるパパヂカラを考える
パネルディスカッションを開催しました。
子育てに積極的に参加している男性、管理職として職場の第
コーディネーターとパネラーの方々
一線で働く女性を支える夫、共働きの妻をサポートしてきた夫のこれからの生き方等、それぞれの生
活体験の中から「パパヂカラのあり方」を検証しました。
-9-
○ 地域ネットワーク活動の促進
県内4地域に形成された男女共同参画地域ネットワーク活動の活性化を図り、性別や年齢に関わら
ず多様な人々が自治会や地域活動などに参画し、地域という身近な生活の場での男女共同参画を促進
するため、各地域におけるネットワーク活動を支援しました。
■村山地域
2月 28 日(土)遊学館を会場に、チェリアに登録している女性団体等による情報交換並びに講演・
研修会を行いました。研修会では、NPO 法人イコールネット仙台代表理事の宗片恵美子氏から「女性の
視点で防災・減災に取組む∼東日本大震災の経験と教訓から∼」と題して講演をいただき、災害時だ
からこそ女性リーダーが必要であること、家族や地域・仕事・健康面など女性が抱える問題をどうす
れば軽減できるかなど改めて考えさせられました。
■最上地域
最上地域では、新庄最上地域で男女共同参画活動を推進しよう
と活動している、地域づくり応援団「キラッとO∼RA☆DA」
主催、山形県男女共同参画センター・チェリア共催で、1月 25 日
(日)「ゆめりあ」を会場に、山形大学准教授村松真氏を講師に「も
がみの未来のつくり方」と題した講演会を開催しました。地域存
続のためには、そこに暮らす人が自分たちの問題として考え、決
断し、行動することが大事との話に、参加者も心に深く響いてい
た様子でした。
■置賜地域
置賜地域では、南陽市の 12 女性団体で構成される「えくぼ女性ネットワーク会議」の主催で、10
月4日(土)
「えくぼプラザ」を会場に、
「えくぼ女性ネットワークまつり 2014」を開催しました。第
1部では、各団体による展示や屋台のほか、おばあちゃんの読み聞かせや男女共同参画社会啓発紙芝
居など、子育てサポーターの協力も得て多くの市民の方に楽しんでいただきました。
第2部では、南陽市出身で元フェンシング五輪選手、現在山形県スポーツ指導員である池田めぐみ
氏を講師に、
「笑顔で人は強くなる」と題した講演会を開催し、参加した方々は深い感動を得た様子で
した。
○ チェリア de カフェ
男女共同参画への関心を高め、活動への参加のきっかけ作りとして、県内4地域(村山、最上、置
賜、庄内)において、地域の団体と連携したチェリア de カフェを開催しました。
また、チェリア会場では、チェリアの賑わいづくりを目的に、
公募で選ばれた実行委員の企画運営による原則月1回のチェリア
de カフェを平成 18 年から開催してきましたが、平成 27 年1月を
もって 100 回目を迎えたことからいったん幕を閉じることとし、
最終回は「大井戸端会議」と銘打って歴代の館長や関係者にも参
加していただいて盛大に開催しました。
現実行委員を中心に、自主的にこれまでのような活動を継続し
ていこうということで今後に繋げていくこととなりました。
-10-
寸劇やかるたとりも楽しかったよ!
○ 中学生用男女共同参画啓発パンフレットの作成・配布
男女共同参画社会を推進していくためには、中学・高校期の男女共同参画の意識醸成が重要である
ことから、中学生を対象として学習授業の教材としても活用できるパンフレットを作成し、県内全中
学校の第1学年生を対象に配布しました。
-11-
6.DV未然防止に向けた意識啓発の強化
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、一般的には「配偶者や恋人など親密な関係にある、
またはあった人から加えられる暴力」をいいます。平成 26 年1月に施行されたいわゆる DV 防止法
は名称も「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」となり、同居する交際相手
からの暴力に保護対象を広げる改正となりました。
県では平成 23 年3月に新たな「山形県DV被害者支援基本計画」を策定し、男女が互いに人権を
尊重し、暴力のない社会の実現に向けた取組みを行っております。以下では県及び県男女共同参画
センター・チェリアの平成 26 年度の主な取組みをご紹介します。
(1)デートDV防止出前講座の実施
若年層での DV 事案の未然防止、意識啓発のため、平成 24 年度から県内公立・私立高等学校、短
期大学、大学等の生徒を対象に「デートDV防止出前講座」を実施しています。講師の方の講話、
DVD での事例紹介、ロールプレイ等も交えながら学んでいただきました。
【事業実施回数】
高等学校
大学・短大
専門学校
計
平成 24 年度
5
3
―
8
平成 25 年度
8
1
―
9
平成 26 年度
7
3
2
12
【デートDV防止出前講座の様子】
講師の話に耳を傾ける生徒
ロールプレイに参加する生徒
(2)∼女性に対する暴力をなくす運動∼パープル・リボンキャンペーン
パープルリボンキャンペーンとは、パープル(紫)色のリボンを身につけることで、
「暴力のない
世界にしたい」という想いや、被害者に対する理解・支援を行う運動です。今年も、県庁ロビー、
総合支庁、さらに県内各市町村で啓発ポスターの掲示やパープルリボンブローチの配布、パネル展
示など女性に対する暴力をなくす運動の啓発に取り組みました。
チェリアでは、11 月 12 日から 22 日の間パープルリボンブローチを襟元などにつけていただくキ
ャンペーンを実施するとともに、同じ会場にツリーを設置し、来場された皆さんからパープルリボ
ンのオーナメントを飾って頂くことで、今回のパープルリボンプロジェクトのシンボルにしました。
-12-
多くの方にパープルリボンのオーナ
メントを飾っていただきました
遊学館1F ギャラリーでのパープル
リボンプロジェクト展示の様子
-13-
7.全国知事会提言
女性も男性も共に働き共に育むことができる社会
∼ 女性の活躍ウーマノミクスで日本を変える ∼
(1)取組みの背景
全国の知事が協力して、男女共同参画について総合的に調査・研究等を行い、適切な施策を強力
に推進するため、全国知事会に男女共同参画プロジェクトチームが設置されています。
本県吉村知事は、平成 24 年7月から当プロジェクトチームのリーダーに任命され、今年度も各都
道府県知事と協力し「女性も男性も共に働き共に育むことができる社会∼女性の活躍ウーマノミク
スで日本を変える」とした提言書を取りまとめ、平成 26 年 8 月に内閣府、厚生労働省、経済産業省
へ提言活動を行いました。
(2)提言の内容
提言1 働きやすい環境の整備
(1)企業におけるワーク・ライフ・バランスの推進
①時間外労働を抑制するための制度改革
・諸外国に比べ労働時間の長い現状を改革するため、時間外労働に一定の上限時間を設定
・時間外手当の単価を更にアップすることで、時間外労働の抑制と生産性の向上を図る
②優良企業の「見える化」
・企業の取組みを推進し支援するため、ワーク・ライフ・バランスへの取組みが業績をプ
ラスにし、人材確保・育成も順調な実践企業に関する情報の収集と公開(次世代育成支
援対策推進法による一般事業主行動計画を活用した、優良企業の具体的取組み内容の公
表など)
(2)就業継続のための支援の取組み
①スムーズな復職に向け、育児休業中の女性の不安解消のため、企業が実施する育児休業
中のスキル維持のための研修への支援拡充
②次世代育成支援対策法に基づき新たに設けられる「特例認定」について、長時間労働の
縮減や女性の管理職拡大等の取組みに関する要件を付与すると同時に、優遇税制などの
効果的な企業負担軽減措置を適用する新制度の創設
③企業における短時間勤務の正社員制度の導入に向けた取組み促進(アドバイザー派遣な
ど)
④中小企業が育休代替職員を雇用した場合において、中小企業両立支援助成金制度の支給
額の増額や、人件費増加分に対応する優遇税制の創設
⑤100 人以下の中小企業を対象として、現行のくるみん制度の認定要件や手続きを簡素化し
つつ、社会保険料負担の軽減などの優遇措置を盛り込んだ新たな認定制度の創設
⑥女性の就業継続のロールモデルやメンターの育成に対する支援
⑦職場風土を醸成するため、経営者・管理職の意識改革に向けた取組み推進
⑧テレワークなど場所と時間に縛られない、多様で柔軟な働き方の推進に向け、地方の企
業における導入に対する支援の拡大
(3)再就業のための支援の取組み
①女性の再就職に向けた相談窓口の拡充や起業支援のため、都道府県が地域の実情にあわ
-14-
せて独自に取組んでいる事業への支援
②女性の再就職支援強化のため、544 箇所全てのハローワークへのマザーズコーナーの設
置
③キャリアブランクが長い人も柔軟に利用できるような職業訓練制度の構築や、有資格者
を対象とした復帰制度の創設、主婦インターンシップ制度の受入れ枠の拡大など再就業
支援に向けた支援措置の充実強化
(4)男性の家事、育児参画の推進
①子どもの誕生後の一定の期間について、父親が育児に参画するための特別な休暇である
男性の育児参画制度(有給)の創設
②男性従業者に育児休業取得の対象者がいる場合は数値目標設定を一般事業主行動計画策
定で義務化するとともに、育児休業取得実績の公表推進
③長時間労働の縮減に向けた取組み強化(提言Ⅰ−1再掲)
提言2 女性の活躍促進
(1)指導的地位に占める女性割合の増加を図る
①行政や企業における女性登用の数値目標の達成状況の公表
中小企業の実情に配慮した上で、
「202030」の目標達成に向け、取組みを加速させるため
に数値目標を設定し、達成状況公表を義務化
②企業における女性の活躍状況などの見える化とモデル企業の実例発信の強化
・中小企業における女性登用先進企業の情報に関する、国からの具体的かつ積極的な発信
・企業における女性管理職登用の状況と具体的な取組み内容についての「見える化」の推
進
(2)女性人材の積極的な育成
①女性が活躍するフィールド拡大に向けた施策の充実
・中学・高校・大学の各段階での、キャリア教育及びキャリアとライフのビジョンを考え
る機会の充実
・理工系など女性の少ない高等教育分野への進路選択拡大に向け、理系分野で活躍してい
る女性と女子中高生の交流会の実施や理系研究施設の体験入学などを、全ての国立大学
や国立高等専門学校において毎年継続して実施すること
提言3 女性の就労意欲を高める社会システムの構築
○税法上の控除制度(103 万円の壁)社会保険制度の適用要件(130 万円の壁)扶養手当等の
あり方などを総合的に見直すなど、男女共に働き、共に子育てをし、家庭を築いていける
仕組みの構築
提言4 「日本の未来を創る女性活躍応援基金」の創設
○地方公共団体の主体的な取組みを加速するため、地域の実情に合わせた独自の施策展開を
継続的に支援する「日本の未来を創る女性活躍応援基金」の創設
-15-
Fly UP