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2014春休み報告書

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2014春休み報告書
心援隊
春休み 疎開 ・ 保養プロジェクト
ご報告
2014.3.25 ~ 4.1
NGO 心援隊とは
2011 年 3 月 11 日の東日本大震災の被害にあわれた方々に対し、安定・継続した支援を行っていくために「心援隊」
というチームを立ち上げ、その中でも「福島」を中心に見据えて活動をしています。
情報を届け、義援金や活動資金を集めるためのチャリティーイベント、関西での受け入れや避難・移住のサポート、
また現地において確実で効果的な活動を行っているチームへの寄付など、状況や必要性に応じてその都度最良と思わ
れる支援を行って参りました。
震災・原発事故から 3 年が経った現在も引き続き、心援隊は『放射能から子どもたちの命を守る』ことを目的に、
避難・移住のサポート、そして、疎開・保養プロジェクトを行って参ります。
活動にかける想い : 『避難 ・ 移住』 へのこだわり
心援隊は、放射能から子どもたちを守るためには少しでも放射線量の低い地で生活することが最善だと考えています
しかし現在、福島を始め東北、そして関東のホットスポットには「避難したいけどできない」という状況に置かれて
いるご家族が少なくありません。
子どもたちの命のためには、避難の必要性を理解していても、さまざまな事情で今すぐには避難することができない
ご家族の心に寄り添い、その壁を少しでも取り除くお手伝いができればと思っています。
春休み 疎開保養プロジェクト ご報告
2014 年 3 月 25 日~ 4 月 1 日 (7 泊 8 日 ) の日程で、『春休み 疎開・保養プロジェクト』を開催しました。
参加家族は、福島県、宮城県、千葉県、埼玉県からの 4 家族 (1 家族は都合によりキャンセル )、子ども 8 人・大人
5 人の計 13 人でした。
その内 1 家族は昨年の『夏休み 疎開・保養プロジェクト』参加者であり、今回は具体的に大阪移住の下見を兼ねて
参加されました。心援隊のプロジェクトでは原則としてリピーターは受け付けていませんが、移住への大きな一歩
になると考え二度目の参加をしていただきました。
また一組はお父さんの参加も叶い、一家全員で大阪滞在を楽しまれたと共に、移住について夫婦でしっかり考えるこ
とができたようです。
3 月 25 日 ( 火 ) 到着~クリスタルホテル南千里へ
参加家族のみなさんには心援隊の事務所に集合していただきます。一組だけ身内のご不幸があり急遽参加を断念されまし
たが、東北・関東から 4 家族が集まりました。
今回の子どもたちは、1 ~ 6 歳で全員が未就学児。到着してすぐスタッフや他の子ども達と打ち解け遊び出す子もいれば、
春休み 疎開保養プロジェクト ご報告 1
少しはにかみ屋さんの子も。かわいい子ども達、そして親御さん達と
の一週間の始まりです。
全員が揃ってから、スタッフ・家族さんの自己紹介、プロジェクトの
スケジュールや注意事項、お願いなどをお伝えし、説明が終わると全
員で電車に乗ってホテルまで移動します。これまでの移動に疲れたの
かすぐに眠ってしまう子もいれば、新しくできたばかりのお友達とお
しゃべりしたり、窓の外を一生懸命眺めている子もいました。
南千里駅に着くとすぐそこがお世話になるクリスタルホテルさんです。
ホテルのロビーでスタッフの皆様にご挨拶をし、説明を受け、部屋の
鍵をいただきます。スタッフの皆様も、家族さんの到着を楽しみにし
て待っていてくださりました。部屋に到着すると、子ども達はお気に
入りの場所を探したり、嬉しそうにベッドではしゃいでいました。
しばらく休憩したら夕食の時間。
もちろん安心・安全な食材が使われ
た愛情たっぷりのご飯です。子どもによって食べる量が違うので、残さないようにみん
なで工夫してシェアをして食べていただきます。移動してお腹がすいたのか、みんなた
くさん食べていました。
初日はこれで終了です。ゆっくり休んでいただいたら、翌日からいろいろなプログラム
を組んでいます。家族さんたちにとって、このプロジェクトが有意義なものであるように
と願いながら、ホテルを後にしました。 3 月 26 日 ( 水 ) たこ焼きパーティー&先輩移住者との交流会
最初のプログラムは、心援隊自慢のたこ焼きパーティーです。
朝からボランティアスタッフに集まってもらい、たこ焼き作りの準備を始めます。お腹を
空かせた家族さんが集まってくる頃には、たくさんのたこ焼きができあがりました。
たこの入ったノーマルたこ焼き、子どもに人気のチーズやウィンナー、大人向けのキムチや
たくあんなど、いろいろな種類のたこ焼きがテーブルに並びます。
みんなで手を合わせて「いただきます」をしたら、やけどをしないように気を付けながら、いろんな味のたこ焼きを楽しん
でくれました。毎度のことですが、親御さんからは「おいしく焼けるコツが知りたい!」という声が上がります。
お腹がいっぱいになったら、大人は交流会、子ども達は遊びに移ります。いつもなら外の公
園で竹トンボをするのですが、この日はあいにくの雨。竹トンボ名人が機転を利かせて、室
内でできる遊びを考えてくださいました。
一枚のチラシからできるパズルに、子ども達は夢中。集中してパズルを完成させています。
そのあとには、ボランティアスタッフからバルーンのプレゼント。剣やお花などたくさん作
ってもらって子ども達はご機嫌でした。
子ども達が遊んでいる間、大人たちは交流会です。心援隊を通じて福島・東京から大阪に避
難された 3 家族のママたちから、具体的な体験談や移住した時、その後の気持ちなどを話していただきました。参加家族さ
んたちからも、いろいろと気になることや不安なことを聞いていました。移住を強く考えておられる家族にとって具体的な
話を聞けるいい機会となったようで、スタッフに対してもいろいろと質問をいただきました。
3 月 27 日 ( 木 ) 森源太さんライブ&お医者さまとのお話会
3 日目は、心援隊発足当時からずっと応援をしてくださっている長崎出身のシンガーソング
ライター・森源太さんに歓迎ライブをしていただきました。
心援隊の気持ちを代弁するような『大丈夫』、長崎弁で歌う『こまかころんごと』、新曲の
『ライスシャワー』、震災の後に思いを込めて作った『あの日』など、いろいろなお話を交え
ながらライブが進み、最後の曲は『生命 ( いのち )』。「生まれてくれて 生きてきてくれて
出会ってくれて 心から 心から ありがとう…」子ども達がが生まれた時のこと、今までの
ことを振り返ってでしょうか、親御さんたちが全員わが子をギュッと抱きしめ、静かに涙を
流していました。
春休み 疎開保養プロジェクト ご報告 2
ママの涙をそっと拭う優しい女の子も。スタッフの目にもうっすら涙が浮かんでいました。
雰囲気をガラッと変えて、アンコールでは、手や足を動かしながらの「みんなつながってる」
家族さんもスタッフのまねをして手踊りをしたり、ハグをしたり、キスをしたり。涙の後は
笑顔の時間となりました。
ライブの後には、みんなで風船遊び。2 チームに分かれて、どちらが長くパスを続けられるか
勝負です。大人も子どもも夢中になり、人見知りをしていた子ども達も満面の笑顔を見せてく
れました。
そのあとは、子どもたちは公園へ。風船遊びでテンションが上がったのか、みんなとて
もご機嫌で楽しそうでした。子ども同士で小さなけんかがあったりスタッフに叱られた
りすることもありましたが、遊具やおもちゃを貸し合って仲良く遊んでいました。
その間大人たちは、関東から避難されたお医者さまを囲んでの交流会です。医者として
そして子を持つ一人の父親として、原発事故以降の考えや悩み、選択したことやその理
由などを話していただきました。今回はパパの参加もあり、当事者の男性の意見はとて
も貴重です。
ママたちも、旦那さんをはじめ周囲との考え方の違いなどについての悩みを色々と話し
ておられました。
3 月 28 日 ( 金 ) リラックスタイム
内容の濃い 2 日間を過ごしていただいた後は、心身ともにリラックス
していただくために、ホテルからの直通バスに乗り『源気温泉 万博
おゆば』へ向かいます。
たくさんの種類があるお風呂でゆっくり過ごしていただき、お湯につ
かりながら、パパ&ママたちが、日頃思っている悩みなどを打ち明け
る時間にもなりました。
温泉でゆっくりした後は、子どもたちはかき氷やソフトクリームの時
間。普段は体への影響を考え白砂糖を控えてる家族も多いですが、この日は特別にママたちの許可を
もらっておいしそうに食べていました。
帰りのバスでは、窓から見える、ようやく咲き始めた桜に子どもも大人も釘付けになっていました。
ゆっくり、のんびりできる一日になったようです。
3 月 29 日 ( 土 ) 外遊び&ありがとうのお話会
4 日目の午前中には、近くの公園でプチお花見。桜や梅が咲いていて、
みんなで花の香りをかいだり花びらを拾ったりと小さなお花見を楽し
みました。広場に到着したら、子ども達はやはり嬉しそうに遊び出し
ます。親御さんも、我が子が外で走り回り、遊具で遊び、花を摘んで
いる姿にとても嬉しそうでした。
そんな中、びっくりする再会がありました。2 年前の『夏休み 疎開・保養プロジェクト』に参加さ
れ、大阪に移住された家族さんが、たまたまその公園に遊びに来ておられました。近くに住んでおら
れるとのことで、公園にもよく遊びに来られるそうです。
子ども達もすっかり大きくなっていましたが、懐かし
い顔に思い出がよみがえりました。早速参加家族さん
に紹介すると、その場で交流会が始まりました。ご自
身の悩みや決断を、一緒に来られていたご主人も交え
てお話ししていただきました。
「移住をして、子どもたちを安心して遊ばせてあげら
れます」子どもたちが遊ぶ姿を見ながらの、ママの強
い一言が印象的でした。子ども達はすぐにみんなの中
に溶け込み一緒に砂場で遊んでいました。
春休み 疎開保養プロジェクト ご報告 3
午後からは、今回初のプログラムとなる、ありがとうのお話会です。『ありがとうカウンター』を全国
に広めておられる内田達雄さんにお話をしていただきました。
「何かあったらありがとう」「何もなくてもありがとう」「何があってもありがとう」この 3 つの「あり
がとう」があるとカウンターを押します。この『ありがとうカウンター』が 1 万回になると奇跡が起
こるということで、数々の奇跡の話をしていただきました。
子ども達にちゃんと伝わるか心配もありましたが、うまくコミュニケーションを取りながらわかりや
すく伝えていただき、ふだんは少しやんちゃな子たちも真剣に耳を傾けてました。
お話の後に、家族さん全員とスタッフに『ありがとうカウンター』をプレゼントしていただきました。
子どもたちは早速いろんなありがとう探しをしていました。
内田さんから講演 CD や手作りの本もプレゼントしていただき、みんなで記念撮影。
また、心援隊を応援してくれているいろんな方々から「保養にこられた家族さんの力になりますように」と、デトックスの
ためのものや水を浄化させたりお守りにもなる竹炭などをお預かりしていたので、使い方と支援していただいた方々からの
思いを伝えてお渡しさせていただきました。
3 月 30 日 ( 日 ) キッズプラザ大阪へプチ遠足
早いもので、プログラムとしては最後の日。この日はキッズプラザ大阪へ
の遠足。『ありがとうカウンター』を持って、電車に乗って出発です。
到着したら、まずは世界の文化が体験できるコーナーで、いろんな国の衣
装を着てみます。ママたちはかわいい姿を一生懸命写していました。
ほかにも子ども達の楽しめる仕掛けがたくさん。ここからはそれぞれの家
族で自由時間で楽しんでいただきました。
思う存分楽しんだ後は、隣の公園でお花見です。心配された雨も止んでい
て桜は満開でした。「いっぱい『ありがとう』って言ったから雨が止んだ
のかなぁ?」「願いが叶うって、すごいね!」子ども達のキラキラ
した会話が聞こえてきました。
そんな子ども達ですが、桜より遊具に夢中です。ジャングルジムや
いろんな滑り台、水たまりのできた砂場など、広い公園を駆け回っ
て遊んでいました。親御さんたちも外で楽しそうに遊ぶ我が子の姿
を見ることができて幸せそうにされていました。最後に桜をバック
に集合写真。子ども達の笑顔がたくさん見られた一日でした。
3 月 31 日 ( 月 ) フリータイム&面談&お別れ夕食会
最終日は夕方まではフリータイム。移住希望の場所の下見や公園での外遊び、西の野菜やお土産を買いに行ったりと、思い
思いの時間を過ごされたようです。
夕方には、一組ずつ家族さんのお部屋にお邪魔し、今後心援隊がどういったお手伝いが出来るのかなどお話ししました。受
け入れ可能な地域の移住情報など、希望があったご家族には資料をお渡ししました。
この一週間で移住への思いを強くされた方、また、表情が明るく変わられた方などいらっしゃいました。家族さんにとって、
少しでも意味のあるプロジェクトであれば幸いです。
そのあとは最後の夕食。心援隊のコアスタッフも一緒に席に着き、おいしいご飯をみんなでいただきました。子ども達には、
特別にケーキのデザートまでいただきました。
最後に大きな声で「ごちそうさま」と、レストランの皆さんへの「ありがとう」を伝えることができました。
春休み 疎開保養プロジェクト ご報告 4
4 月 1 日 ( 火 ) 出発の朝
ポカポカした陽気に桜が一気に咲き、新しい生活を始めた人
たちを祝福しているようでした。この日の朝で、心援隊の
『疎開・保養プロジェクト』は全て終了します。
先輩移住家族もお見送りに来てくれました。チェックアウト
の時間になると、支度を整えた家族さんがフロントに到着し
ました。第一声は「帰りたくない~!」心援隊とさよならし
たくない、ホテルの人たちと一緒にいたい。本当に嬉しいわ
がままです。
さみしさをぐっとこらえ、毎日たくさんお世話になったホテルの皆さんへお礼の色紙を渡しました。
プロジェクト中に 2 人の女の子がホテルマンになりたいという夢を持ちました。ホテルのスタッフの
皆さんは、家族さんの顔と名前をすぐに覚えてくださり、何かと気遣いながら毎日あたたかく接して
くださいました。この朝にもいろんな方が声をかけてくださいました。
最後にホテルの皆さんと一緒に写真を撮って、もう一度お礼を言って、終了です。さみしいですが
家族さんにとってはこの日からが新しいスタート。
輝き方はそれぞれですが、とてもキラキラした子ども達。この子達の未来が、明るく笑顔に溢れたも
のでありますように、希望に満ちたものでありますようにと、ただただ祈るばかりです。
最後に
最後になりましたが、今回もたくさんの方のご支援を受けてこのプロジェクトを開催することができました。
毎日の宿泊・食事などを特別価格で提供してくださり、なおかつ心づくしのおもてなしをしてくださったクリスタル
ホテル南千里のスタッフの皆さま、そして、各プログラムごとにお世話になった、森源太さま、竹とんぼ名人佐藤さ
ま、先輩移住者のお医者さま、ありがとうカウンター・内田さま、先輩移住家族の皆さま、ご寄付いただいた皆さま、
各方面につないでくださった皆さま、家族さんのためにと一生懸命動いてくださったボランティアの皆さま、様々な
形で応援してくださった皆さま。本当にありがとうございました!心から感謝いたします !!
今回参加された家族さんは地元での子育てに不安を感じておられます。3 年という年月が過ぎた今だからこそ「今ま
で動けなかった」という後悔や抱える事情・悩みはより大きく、複雑かもしれません。
3 年たった今でも、心援隊の思いは「とにかく子ども守りたいねん」 そのために何ができるのかを本気で考え、親御さんにとって辛いことであっても、たとえ嫌われたとしても、子ども
達のためであればはっきり伝えさせていただいています。
プロジェクトが終わってから、全ての家族さんから連絡をいただきました。子ども達の心身の保養以上に親御さん達
の心に大きな変化があったようで「移住に向けて舵を切りました」などと嬉しい言葉がたくさんありました。具体的
に移住に向けての道を歩み始め、引き続きできるお手伝いを約束させていただいた家族さんもいらっしゃいます。
小さな子ども達自身では、自分の生きていく環境を決めることはできません。だからこそ、親が子どもを守ると決意
すること、それが大事だと思い、活動を続けさせていただいています。
今後とも、心援隊の活動に、ご理解・ご支援のほどをよろしくお願いいたします!
春休み 疎開・保養プロジェクトにご協力ありがとうございました! ( 順不同 )
協賛:クリスタルホテル南千里様 ネットワーク『地球村』様 Valentine DanceAid 様 パドマ幼稚園様 へっころ谷様
まごころ日和マッサージ様 ティグレ連合会様
社会福祉法人とよかわ様 美容室 Luft 様 ナリスビューティースタジオ With 様
協力:シンガーソングライター森源太様 『ありがとうカウンター』内田様 北摂ファイン様
箕面アジェンダ 21 の会様 みのおエコクラブ様 日本志喜彩塾様 チームまっぺあ様
ご寄付のお願い
心援隊の持続可能な活動のためにご支援をお願いいたします
いただいたご寄付は、放射能から子どもたちの命を守るために
大切に使わせていただきます
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◎ゆうちょ銀行 普通14150-6851901
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春休み 疎開保養プロジェクト ご報告 5
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