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2007 年児童労働反対世界デー 農業における児童労働に取り組む新しい
ILO/07/30 – Page 1 2007 年6月8日(金) 報道解禁 2007 年6月 11 日(月)GMT23 時 日本時間翌 12 日(火)午前8時 ILO/07/30 2007 年児童労働反対世界デー 農業における児童労働に取り組む新しい世界規模のパートナーシップ 【ジュネーブ発ILOニュース】ILOは本日、農業分野の五つの主な国際機関と力を 合わせ、農業における児童労働に取り組む新しい画期的な世界規模のパートナーシップを 構築しました。 ILOの年次総会の最中に署名されて誕生したこの新しいパートナーシップは、ILO、 国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国際農業研究協議グルー プ(CGIAR)の国際食糧政策研究所(IFPRI)、国際農業生産者連盟(IFAP)、 国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)といったメンバーで構成されています。 フアン・ソマビアILO事務局長は、次のように語っています。「この国際農業機関と のパートナーシップを大いに歓迎する。児童労働撤廃に向けた世界的な運動の強化は、児 童労働問題を諸機関の使命や政策の主流に据え、共に取り組むことによってのみ可能だか らである。協調的な努力を通じて、2016 年までに最悪の形態の児童労働をなくす目標を達 成できよう。」 世界的に、働く子どもの数がずば抜けて多い産業は農業で、児童労働全体の推計7割を 占め、うち1億 3,200 万人が5∼14 歳の少年少女と推計されます。これらの子ども達は私 たちが消費する飲食料品の生産を手助けし、その労働は穀物、カカオ、コーヒー、果物、 砂糖、パーム油、米、茶、たばこ、野菜など各種農作物の生産に用いられています。家畜 の飼育や牧畜、木綿や綿実といった他の農業原材料の生産に従事している子どももいます。 農業は最も危険な産業の一つであり、子どもにとっては特に危険です。農業に従事する 大人と同じ危険にさらされた場合、心身が発達の途上にあり、職業経験が不足している子 ども達のリスクはさらに大きくなります。ILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)の 推計によれば、5歳の幼い時期から働き始める子どももおり、一部農村地域では 10 歳未満 の児童が児童労働者の2割を占める場合もあります。 ILOは同時に、子どもの農作業がすべて悪いわけでも、関連するILO条約(第 138 号または第 182 号)の定める撤廃すべき労働に当たるわけでもないことを強調しています。 年齢に適した、学業や遊ぶ時間に支障のない作業は農村における通常の成育環境の一部で あると言うことができます。 多くの子どもが生命や手足、健康や一般的な福祉を脅かしかねない作業を行っています。 毒性の強い殺虫剤の混合・取扱い・使用から危険な切断用具の利用、高温・寒冷といった 極端な気温のもとでの労働、重機や強力な農機具の操作、長時間労働など、子ども達が直 面している危険は多種多様です。 児童労働は適正な教育の機会を制限し、教育不足や乏しい教育は、より良い未来に向け た希望を減らします。農業で見られる児童労働の多くが世界全体の最貧困層の3分の2を 構成する農村世帯で見られるため、問題はさらに深刻です。 ILO/07/30 – Page 2 農業で働く少女は特別の負担を抱えています。児童労働に従事する女の子はしばしば農 業労働力として顕在化せず、田畑での作業に出かける前や帰ってきてから家事を行うこと が多いため、特に不利な立場に置かれています。長時間労働は心身を疲弊させ、児童労働 に従事する少女の健康や福祉に悪影響を与えます。 新しいパートナーシップの主な協力分野には、以下における政策及び活動が含まれてい ます。 ★児童が危険な農作業を行わないことの確保を中心とした、農業における児童労働に対す る法の適用の促進 ★農村の暮らしの向上、及び児童労働問題を国の農業政策・事業計画の主流に据えること ★都市と農村・男女間の教育格差の縮小 ★農業及び農村部における若者の雇用機会の促進 「これらの機関は、農業担当省庁及び農業諮問サービスにおいて国家レベルの意思決定 や政策策定に携わる人々とのつながりを作り、農家や農業労働者、それぞれの社会とのよ り強力な結びつきの構築におけるユニークな導線を提供すると思う」とILOのミシェル ・ジャンカニシュIPEC部長は説明し、「現地レベルのプロジェクトにおける協力拡充 の機会の点で、このパートナーシップは特に素晴らしく、農業で働くこれらの子ども達、 その家族、地域社会の支援における実に大きな前進である」と語っています。 ILO児童労働撤廃国際計画(IPEC) 児童労働に関する国際労働機関(ILO)の目標はあらゆる形態の児童労働を世界から 漸進的に消滅させることです。とりわけ危険な労働や商業的性的搾取、人身取引、あらゆ る形態の奴隷労働を含む最悪の形態の児童労働は優先的に撤廃すべきです。 ILOは、児童労働問題の主流化と統合を奨励するため、児童労働の撤廃を加盟国の社 会経済開発及び貧困削減戦略にマクロレベルで戦略的に配置することを試みています。そ の活動において、ILOはその児童労働撤廃国際計画(IPEC)を通じて、問題の規模 と性質の評価とモニタリング、組織能力の強化、国内政策の開発と実行に対する支援提供 の必要性を強調しています。IPECの経験上、生活できる選択肢を与えられた親や家族 が子どもを職場から除去することを望むのは明らかです。そこで、ILOの戦略はますま す貧困緩和に重点を置いてきています。これには様々な活動分野がありますが、とりわけ 親に対するディーセント・ワーク(適切で人間らしい仕事)の機会の促進、そして教育と 法の執行のための機構メカニズムの拡充改善を通じて行われています。したがって、IP ECの活動はミレニアム開発目標、貧困削減戦略文書、「万人に教育をイニシアチブ」と いった各種開発枠組みにぴったりと適合し、それらを支援するものとなっています。 世界デーに関する詳細はジュネーブのILO広報局(TEL: 41-22-799-7912・英語)で入 手できるほか、IPECのホームページ(http://www.ilo.org/childlabour・英語)でご覧にな れます。日本における世界デー・イベントの詳細及び児童労働に関する一般的な情報はI LO駐日事務所のホームページ(http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ index.htm)でもご覧になれます。