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店舗、復活 への道筋 - COOP

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店舗、復活 への道筋 - COOP
シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
52週MDの考え方を定着させよう!
∼作・演・調の役割を検証する
リ エ ア
(株)REA
すず き てつ お
代表取締役 鈴 木 哲 男 氏
生協は52週MDに
本気で取り組んでいるのか?
生協は勉強熱心な人が多い。今まで、多くの理論や技術にいち早
く飛びつき、一生懸命に取り入れようとしてきた。だが、失礼なが
ら店舗業績を見る限り、役に立っているようには思えない。
52週MDもその一つだ。今、多くの企業が52週MDに関心をもっ
ており、まさにブームといってよいだろう。ありがたいことに研修
鈴木哲男 氏
やコンサルティングの依頼は引きも切らないが、ブームはいつまで
も続かないと思う。その間に、どれだけの企業(生協)がその本質
を理解し、自分のものにすることができるだろうか。
それでも一部の企業では確実に業績を上げているという事実もあ
るのだ。同じことを話して、同じようにやっても、なぜ差が生じる
のだろうか。①技術面、②考え方、③組織・風土面に分けてまとめ
てみる。
①の技術面では、どこも大きな差はない。ある面、年数や経験次
第であり、生協でも技術的に優れている人(特にパート職員)はた
くさんいる。
であるとしたら、②の考え方の問題であり、きちんと理解してい
るところとそうでないところの差である。52週MDも、まだ相当に
誤解がある。例えば、「重点商品を売場の前面で陳列する」「エンド
<著者プロフィール>
(株)イトーヨーカ堂本
部 RE(リテイル・エン
ジニアリング)部にて、
数多くの新店・改装店
等の店舗企画に携わる。
1990年3月、同社を退
社し、(株)リテイル・
エンジニアリング・アソ
シエイツ(REA)を設立。
現在、流通業を中心と
した企業コンサルティ
ングで活躍中。著書に
『売場改革の処方箋』
『 攻 め の 店 舗 「 力 」』
(共に商業界)、『生協
「力」強化マニュアル』
『52週マーチャンダイ
ジング』(コープ出版)
など多数。
や平台で単品大量陳列をする」「毎週、売場を変更する」など、時
には言い出しっぺの私でも驚くような解釈が出てくる。なぜ、素直
に学べないのか。
仏教用語に、「守・破・離」という言葉があるそうだ。まず、教
えを素直にまねる、学ぶ(守)。忠実に実行していくうちに、不具
生協運営資料 2011.9 39
シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
合があれば修正・変更する(破)。さらに、このことを継続してい
くうちに最初(元)の考え方から離れていき、それこそ、オリジ
ナルなものが生まれる(離)。なのに、守る前に、やり切る前に、
変更して、時には自分の都合で変えていくことはないか(なかっ
たか)。
③の組織・風土面では、言う人はいても、やる人が少なく、やっ
たとしても“やらせる”土壌が弱いように思う。「PDCAを回す」
という割には、リサーチは熱心に行ない、P(プラン)を緻密に練
り、D(ドゥ)はいち早く行なうも徹底できず、C(チェック)は
不十分で、A(アクション)は諦めが早い。
生協で52週MDを組織内に定着させているのは、仕組みを悩みな
がら築いてきたコープさっぽろくらいで、他生協では物にできてい
ないように思う。だからといって、コープさっぽろでも安閑として
いられない。それは、競合企業の追随が激しいからだ。
52週MDは、まさに「寄ってたかってやるシステム」といってよ
い。その定義は、「毎週の重点商品を中心に商品計画と販売計画、
販促計画を連動する組織的仕組みづくり」である。つまり、商品部
では企業(生協)の経営理念を実現するために、良い「商品計画
(作)」を作って提案しているのか。販売部(店舗運営部)では、作
を100%実現するような良い「販売計画(演)」を作っているのか。
販売促進部(営業企画部など)では、それらをお客(組合員)に伝
える、良い「販促計画(調)」を作っているのかという、一連の流
れの集大成であるのだ。
だから「52週MD」は、変わったことでも、特別なことでもない。
以前、「52週MDを導入してうまくいっている企業(店)はどこで
すか」という質問を受けたことがあった。私の答えは「業績の良い
企業は52週MDをやっている。悪い企業は、やっていない」という
ものであった。これは、52週MDを必要以上に称賛したり、評価し
ているのではなく、当たり前のことを当たり前にやることの大切さ
を言ったものだ。
売場から見る、生協の52週MDの到達点
チェーンストアは本部の作が良くなければ店は演じにくい宿命に
ある。なのに、作が大して良くないのに、「標準化」と称して店に
押しつけてきた。また、店は地域特性を振りかざし(時に自分勝手
な都合も)、作を演じ切ってこなかった。だから、日本には良いチ
ェーンストアが育ってこなかったと、私は思っている。
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シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
まず、何よりも良い作をつくることが重要である。生協の作は良
い作になっているか。調はその役割を果たしているか。また、それ
らを監視する、奨励する組織風土になっているか。ともすると、演
じる側にコスト削減や値下げロス削減などを強いることで、結果と
して売場レベルを落とすことはなかったか。
生協の売場の事実から、作・演・調レベルや組織風土を考えてみ
る。資料1は、「売場で気付く、コープと優良企業との違い」であ
る。ストアコンパリゾンを継続して行なうことで、あえて、生協の
特徴を浮き彫りにしてみた(もちろん、全ての店ではない)。
(1)調査しにくいコープ
なぜ、調査しにくいのか。売場で気が付いたことをまとめると、
①主力商品のフェース数が狭く、陳列量が少ない
売場面積が狭い店が多いということもあるが、多くの商品を
詰め込んでいることで、結果、ピアノの鍵盤のように各商品の
フェース数がほぼ同じでおとなしい、目立たない売り場になっ
ている。原因は、作で主力商品
※1
を拡大することは提案して
も、縮小することを提案していないからではないか。
②重点商品の陳列場所が定まっていない
陳列場所には、主通路沿い(第1マグネット)やその突き当
り(第2マグネット)エンド・テーブル(第3マグネット)が
あるが、重点商品
※2
以外の商品が良い場所にあり、結果、重
点商品が目立たないことが多い。原因は、作で展開開始時期は
提案しても、終束時期を決めていないからではないか。
※1 「主力商品」の定
義とは、「年間(期間)
を通して、常にコンスタ
ントに売れている商品ベ
スト5」のこと(鈴木作
成)。
※2 「重点商品」の定
義とは、「数ある商品の
中から、今週(今日、今)
、
特に重点的に販売すべき
商品」のこと(鈴木作成)
。
生協運営資料 2011.9 41
シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
③POPが多い、POPが小さい
①とも関係するが、フェースが狭ければPOPは必然的に小
さくなり、数は多くなる。さらに最近では、「コトPOP」と称
した手書きPOPも多くなっている。この結果、さらにPOPが
多くなって、売場がゴチャゴチャしているように見え、肝心の
商品より「コトPOP」が目立っている店もある。お客は(組
合員)はPOPを見て商品をイメージするだろうから、POPは
とても大切であることは間違いない。ただ、POPを増やせば、
作るコスト、取り付ける・取り外すコストもかかる。あくまで
も商品が主役であり、商品特長を伝えるためにPOPがあるこ
とを忘れていないだろうか。まず、「POPの取り付け原則」※3
を厳守すべきだ。
生協の店は調査しにくい店が多いと言える。私は、「調査し
にくい店は買いにくい店であり、買いにくい店は作業しにくい
店、そして、作業しにくい店はたとえ売れてもロスが多くて、
儲からない店」と考えている。果たしてこの考えが自店に当て
はまらないか、チェックして欲しい。
(2)先取り型のコープ
5月のGWに、早々と「果実酒を作ろう」を展開していた生協の
店があった。展開商品は梅びん、はちみつ、氷砂糖、リカー、らっ
きょうとらっきょう酢で、小梅も青梅も、南高梅もなかった(梅は
6月上旬∼中旬)。他企業でも早々と展開している店もあったが、
テーマは「らっきょう漬」のほうが良い。むしろその時期は飲料や
菓子、水筒やラップなどの商品で「行楽テーマ」を優先すべきであ
ろう。あるいは、実需に近い冷水筒やガラス器などを「涼味」テー
マで提案すべきである。
早くから展開したほうが先に買ってくれるという期待もあるのだ
ろうが、限られた売場の中で早く展開すれば展開期間は長くなり、
他の商品(テーマ)を展開する機会が失われる。1人時当たりの生
産性向上の取り組みの話は聞くが、作業時間のことばかりで、売場
を有効に活用するという話は少ない。
店舗事業の根幹は、ヒト(人)、モノ(設備)、カネ(商品)とい
う資産をいかにバランスよく運用していくかである。もっと乱暴に
言えば、「どっちが得か」という選択と集中の問題であり、それは
適正規模とも関係する。組織を挙げて、最大効果を追求する意識が
問われている。
42
※3「POPの取り付け
原則」(鈴木作成)
1.商品自身に語らせる
こと
2.商品自身が語り得な
いもののみPOPをつけ
る(広告商品や新商品な
ど)
3.POPをつける場合、
安い商品はより安く見え
るPOP、良い商品はよ
り良く見えるPOPをつ
ける
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生協店舗、復活への道筋 <第9回>
原則を守らない、守れない組織風土はないか?
(3)非定番重視型のコープ
ある生協の店で、中華フェア実施時に定番ゴンドラから商品を抜
き出し、エンドや催事場などの非定番のところに陳列していた例が
あった(加工食品)。また、重点商品なのに、定番冷ケース内では
商品のフェースを広げたり、陳列量を増やすことをせず、平ケース
のみで展開していた(うなぎの蒲焼)。以上の例は、重点商品を拡
販する場合、非定番の場所を重視し、定番は変更せずに非定番で展
開すると考えているようだ。
このような誤解があると、次のような質問につながる。「私の店
は小型店なのでエンドや平台(非定番)が少なく、重点商品は売れ
ない」、あるいは「重点商品は小型店でもやるのか」と。行なうべ
きは、重点商品と決めたら、まず定番で売れる体制をつくることだ。
そのために、品切れを起こさないようにフェースを拡大し、陳列量
を増やす。そして、その次に非定番の場所でも展開するという決ま
りがある、これを「IP>PP>VPの原則」※4 という。
(4)PB重視型のコープ
政策(コンセプト)の問題なので、PB重視が良いとか悪いとか
いうのではない。ただ、生協店舗におけるPBの売上構成比は20%
くらいと思われるのに、エンドや平台、催事場ではPBの露出度が
高く、NBがかすんで見える。NBの新商品は春と秋に発売される
ことが多いのに、生協の店の目立つ場所には、それがあまり出てこ
ない。コープ商品が一番良いと思っているのか、NBを評価してい
ないのか。
PBを売る場合、イオンでは、①PBのみでまとめる、②PBとNB
※4 VMD(ビジュアル
MD)基本原則。最重要
となるのは、商品デザイ
ンや色、サイズなどの属
性による基本陳列、IP
(アイテムプレゼンテー
ション)であり、次に中
心商品の周辺にどんな商
品配置し、お客を誘導す
る役割を担うPP(ポイ
ント・オブ・プレゼンテ
ーション)、そして最後
に、売場(店舗)全体の
品揃えや特長を示すディ
スプレイ、VP(ビジュ
アルプレゼンテーショ
ン)の順になること。
の比較をする、③PBとNBを組み合わせるなど、PB、NBの各々の
良さを訴求している。①は、新商品を発売する場合(NBも同じ)、
②は、価格の違いや商品の特徴を強調する場合、③はメニュー提案
や関連陳列をする場合(NBのレギュラーコーヒーとPBのミルクな
ど)などにより、PBの役割が違ってくるようだ。
生協では、コープ商品を「生協の理念の表現」として位置付けて
いるようだが、他企業のPBでも、かつてのように粗製乱造ではな
く、価値を高めるために定期的な見直しが行なわれている(セブ
ン&アイなど)。PBは「選ばれた商品」だと思うが、売場には数多
生協運営資料 2011.9 43
シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
くのNB商品の中から、バイヤーの意思で「選ばれたNB商品」が
陳列されているはずだ。生協の店舗では、「コープフェア」や「コ
ープの○○企画」など、テーマの前にコープ名が入ることが多いが、
「バイヤーのおすすめNBフェア」があってもよいのではないか。
(5)下限価格(小量目)強調型のコープ
これも、(4)同様、本来であれば政策問題であり、良い悪いはな
い。しかし生協の場合、通常価格が高いまま、チラシ広告や店内販
促で一時的、断片的に低価格を打ち出すことが多いように思う。あ
る店でNBのカレールウを定番で158円(エンドには出ていなかった
のでまるで目立たない)、別の生協ではレジ前のワゴンを使って、
タイムサービスで177円と(通常198円∼238円くらい)超低価格で
販売していた。目的が競合対策なのか、お客(組合員)ご奉仕なの
か分からないが、全店、全部門の政策になっていない。これでは、
無駄な無理な値引きにしかならない。価格を一時的に下げることは
誰でもできる。目指すべきはEDLPという理念を振りかざすより、
全商品がまず、そこそこ安いことだろう。
また、小量目(ミニ、使い切りサイズ、1人前など)の扱いの多
さは生協の特徴でもある。ただし、ある店舗では、昼時間帯のデリ
カ売場に、わかめご飯100円、ミニ焼きそば150円、ミニかつ丼258
円などの小量目があるのはいいが、一番売れる中心価格、中心量目
の商品が少なかった。聞けば、「ご年配の組合員が多いから」「少し
でも低価格の商品を提供したいから」など、生協らしい優しさ・
思いやり精神を持った回答だった。もちろんサラリーマンが昼食
時に弁当以外にあともう一品買う小量目の商品があれば喜ぶだろう
が。
52週MDでは、主力商品および重点商品の中心価格(量目、単品、
ブランド)を重視している。一番売れる商品をフェースを取って、
陳列量を増やして品切れしないようにすることがお客(組合員)に
一番喜ばれると考えているからだ。作の提案の中で、「中心」※5を
明確にしているだろうか。いろいろたくさん商品があるからいいの
ではなく、「これはなくては困る商品」をまず、提案する必要があ
る。
(6)作と演の信頼不足のコープ
生協に限らず、チェーンストアは総じて店と本部の仲が良くない。
店にいた時は、さんざん本部の問題(「店の地域性を認めてくれな
44
※5 「中心」の定義と
は、「年間(期間)を通
しての売筋商品であり、
開店から閉店まで絶対に
品切れさせてはいけない
商品」のこと。作業優先
№1商品であり、利益貢
献№1商品でもある(鈴
木作成)
。
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生協店舗、復活への道筋 <第9回>
い」など)を指摘していた職員が、いざ、本部に配属されると、逆
に店の問題(「店は本部の提案をやってくれない」など)を指摘す
るようになる。
調の役割を担うSV(スーパーバイザー)が他店の成功事例を店
に紹介しても、「あの店は競合店が少ないから売れる」
「店スタッフ
の能力が高いから」など、素直にまねて学ぼうとしない。良いこと
が陽の目を見ないで埋もれていることが多い。
本部内で52週MDプロジェクトチームを発足させ、全店導入する
ための推進マニュアルを作っても、当事者以外は関心が薄く、組織
内で定着することが少ない。このことは52週MD特有のものではな
く、過去、単品管理ブーム、作業改善ブーム、コトPOPブームで
も同じような道をたどっていたように思う。
52週MDをブームに終わらせては困る。前述したように「チェー
ンストアの基本原則」であり、「チェーンストアの営業のバイブル」
そのものなのだから。これができなければ、店舗事業で飯は食えな
いと思った方がよい。
良き信頼関係を構築するには、まず良い作を作ることである。良
い作とは、それを店が実施すると、「売上が上がって、利益が出る
情報(指示書、提案書)」のことと考えたらどうか。良い作であれ
ば、店は必ず実施する、やり切ると思う。実施した店が成績を伸ば
したのに、それでもやらない店があれば、叱ってもよし、怒っても
よいだろう。これが信頼関係である。
生協のトップ・幹部はやっても褒めない、やらなくても怒らない
ことはないか(特に後者)
。
資料2は、ある企業で実施した、52週MD導入後の「重点商品情
報(仮称)」活用率実態調査である。ここでいう「活用率25%」と
は、4つ提案があってその内1つ実施したという意味だ。
導入1年目には、情報(作)を見なかったり、活用していないこ
とが多かった。これは、売上が上がらない不振店によく見られる特
徴である。2年目に入り、売場では「作」を「演」じられるように
なり、売上を伸ばした部門も出てきた。本部も店もこのことに自信
を深め、3年目には、さらに良い「作」づくりが行なわれ、店舗は
それを演じ切ることで、また売上が上がるという好循環を組織にも
たらした。このことは私にとっても、52週MDの理論体系を作る上
で、貴重な体験になった。
生協運営資料 2011.9 45
シリーズ
生協店舗、復活への道筋 <第9回>
「重点商品」を切り口に
良い組織風土をつくろう
「作」は技術問題であり、考え方を理解しデータや事実を集めて
分析し、企画力を磨くことで「作」のレベルは上がる。
「演」は、技術問題(陳列、調理、演出など)だけでなく、コミ
ュニケーション問題も重要である。すでに売場の約8割以上を占め
るパート社員に、ミーティングの場で、できるだけ分かりやすく
「作」話し、理解し、納得してもらえるかは最低限のコミュニケーシ
ョンである。
「ボリュームを出して」
「品切れしないように気を付けて」
「積極的に発注して」など、言語明瞭で意味不明な言葉がまだ飛び交
っている。コミュニケーション問題が解決することで、パート社員の
生活実感に基づく提案が多数生まれる土壌が育つのだ。納得できなか
ったり、やらされ感では、作を超える優良事例など出るわけがない。
パート職員から、①重点商品を話だけではなく、食べてみたり、
使ってみたりする機会が欲しい。②「壁(掲示板)に張ってあるの
で後で見ておいて」と言われたが、見るだけでいいのか。③上司が
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生協店舗、復活への道筋 <第9回>
本部と違うことを言うので混乱する、などの要望や意見がいまだに
多くあるのが現状である。
「調」はシステム問題である。例えば、組織内における位置づけ
で、販売促進部(営業企画部など)は、チラシ広告作成のための商
品部と業者との取り次ぎ屋に限定するのか、あるいは商品部に企画
のガイドラインを提示した上、各部の案をコーディネートする部署
にするのかで、仕事の仕方がまるで違う。
また、スーパーバイザー(SV)を本部と店のパイプ役で終わら
せるのか、あるいは、チェックリストや基準書を活用し、店と本部
に対する監督者にするか、さらに売上やコスト、利益責任を持たせ、
店の経営指導者的にするかによっては、効果が変わってくる。特に
SV組織がどこの企業でもうまく機能していないとしたら、その役
割・目標・評価があいまいだからである。資料3は「52週MDのマ
ニュアル例」である。この資料は重点商品に関するルール(バイヤ
ー編)であり、その他、SV編、店長編、売場主任編、パート社員
編などがある。
ここでは、作に関するルールを定め、常に良い作づくりを目指す
行動基準が書かれている。さらに、調に関するルールの中には、検
証と改善方法が明記されている。52週MDを組織内に定着させるた
めには、作・演・調のおのおのの責任が明確になり、その役割を果
たすと同時に、目標に向かって寄ってたかって行動を起こせるかど
うかにある。今までの生協の店舗事業の弱点は、まさにこの点にあ
るのではないか。頭脳や技術レベルは一定以上なのに。
生協運営資料 2011.9 47
シリーズ
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生協店舗、復活への道筋 <第9回>
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