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平田地域まちづくり計画
平田地域まちづくり計画 平成17年12月 平 田 地 域 協 議 会 目 次 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.平田地域の特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 3.平田地域の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 4.まちづくり計画の構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・14 [ひとづくり編] Ⅰ.世代を超えた人材育成によるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・15 Ⅱ.中山間地域・海岸地域の魅力を最大限に活かしたコミ ュニティづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・18 [まちづくり編] Ⅲ.新エネルギー開発を核とした環境・経済・交流のまち づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・22 Ⅳ.中ノ島商業集積地−木綿街道−商店街等を核とした 東部都市拠点づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・25 Ⅴ.総合医療センターを核とした保健・福祉・医療が一体 となった福祉拠点づくり 平田地域まちづくり計画イメージ図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・27 ・・・・・・・・・・・・・・・・・30 5.平田地域協議会の取組状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・31 6.平田地域協議会委員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・32 1.はじめに 平田地域まちづくり計画は、「21世紀 出雲の國つくり計画」を基本としながら、平田地域の特 性と魅力が最大限発揮できるよう、また当地域の活性化と発展が新市全域の総合的発展につな がるよう、旧平田市が策定した各種計画を検証し、実効性を重視しながらも夢と希望あふれるまち づくりをめざすという視点のもと作成しました。 平田地域協議会では、まちづくり計画を策定するにあたり、まず、住民の視点から地域の現状 と課題を検証するため、各地域における課題・要望やまちづくりのイメージなどを取りまとめてまい りました。 その中で、住民の不安や要望事項として特に多かったものは、①広域幹線道路整備に関する こと、②雇用の場の確保など地域産業の活性化に関すること、③生活道路の改良整備に関するこ と、④地域伝統芸能の継承やコミュニティの維持に関すること、⑤河川や道路清掃に対する環境 保全活動に関すること、⑥学校の統廃合や公民館の機能拡充に関すること、⑦鳥獣被害対策に 関すること、などでありました。 これらの要望・課題の中には、広域幹線道路網整備、企業誘致の推進、河下港の整備促進、 中心市街地活性化、平田船川・湯谷川河川改修事業の整備促進など、合併前から国・県に事業 化や財政支援を切望していた経緯があるものもあり、これらの要望などが合併後の新市において もひきつづき強力に推進され、事業の実現に向かって前進していくことに大きな期待を寄せてい ます。 また、新しい「出雲市」の一員としてスタートをきることとなった「平田」は、新市中心部と松江市 街地との交通の要衝にあり、中心市街地整備、企業誘致の促進、良質な住宅環境の整備を進め ながら「新市の東部都市拠点」としての役割が期待されています。この「東部都市拠点」にふさわし い力強い地域を創っていくためにも、生活・産業基盤などのさらなる強化、周辺部において危惧さ れる地域間格差の是正、住民一人ひとりが多様な価値観を認め合い、それらが実現できるような 内にも外にも開かれた社会の構築など、この地域に住む人々が明るく活力ある生活を営めるよう な地域づくりが必要となってきます。そのためには、行政のみでなく、また住民だけでもなく、双方 が良好な信頼関係のもと、同じまちづくりテーマに向かって「協働」していくことが大切です。 行政と住民による協働のまちづくりを実践することにより、住民一人ひとりに夢と希望が芽生え、 この地域が「ひともまちも温かいまち」となっていくことを期待しています。 平成17年12月2日 平田地域協議会 会長 - 1 - 常 松 吉 幸 2.平田地域の特性 〔地域の沿革〕 平田地域は、県の東北部島根半島の西に位置し、地形は東西に長く、北部の北山山脈の北側は日本 海に急傾斜し、南側はゆるやかな丘陵が平野部に向かっており、南部は斐伊川の流砂によって形成され た沖積平野がまとまった平坦地をなしています。 明治の初期には、宍道湖に注ぐ平田船川を介し、船での運搬による木綿の集積地として栄えていました が、鉄道の普及や国道の整備が進む中、県内の2大都市である松江と出雲との間に位置しながら、鉄道も 国道もなかった本地域は、やや発展に立ち遅れた感がありました。 昭和の大合併の最中、旧平田市は、農工都市として昭和30年1月に県内8番目の市として誕生しました。 昭和30年代こそ予算編成や執行が国の強力な監督の下におかれる「財政再建団体」に指定されましたが、 財政再建団体を脱却した昭和42年以後は、農業生産基盤を支える「農業基盤総合整備パイロット事業」、 昭和50年からの平田船川・湯谷川の「治水事業」、市街地を周回する環状線や本町通りの拡幅をはじめと する「都市計画事業」など、現在の平田地域の産業や生活の基盤となる、いわゆる「三大事業」に全力が注 がれました。 近年では、文化交流拠点となる図書館・文化館 や平田本陣記念館、山陰最大のアイススケートリ ンクとなる宍道湖公園湖遊館をはじめとする各種 施設の整備など、住民の生活質感の向上を図る ための事業にも重点が置かれ、市町村合併をめ ざした平成15年からは、「地域の将来を見据え合 併前までにその足がかりをつくっておかなければ ならない事業」として、新エネルギー開発、企業誘 致、中心市街地整備、CATV 網整備を4大プロジ ェクトに掲げ、「平田はひとつ」をキャッチフレーズ に官民一体となった取組みが進められてきまし た。 宍道湖の豊かな自然を背景に建設された 宍道湖公園 湖遊館 新エネルギー開発・企業誘致については、十六 島から北山一帯への風力発電所の建設、東部工業 団地への木質バイオマス発電実証プラント建設(環 境省モデル事業)など、民間事業者が主体となった 事業が着手される運びとなり、今後、新エネルギー 関連の積極的な企業投資が、この地域に誘導され ることに大きな期待を寄せています。 また、水素社会構築へ向け産・学・官共同で設立 された「出雲の國水素社会プロジェクト研究会」は、 NPO法人21世紀出雲産業文化支援センターに参 画し、引き続き水素エネルギー実証事業支援などを 島根半島の強い風を利用し、民間事業者が 建設を予定している風力発電所 〔イメージ〕 行いながら地球温暖化防止の先導的地域をめざし ていくこととなっています。 - 2 - 中心市街地整備については、第三セクター中ノ 島ニューシティプラザ㈱による物販施設「ぶらり」と 温浴施設「ゆらり」がオープンし、3ヶ月で10万人を、 その後も平成17年7月に25万人の来場客数を記 録し、中心市街地への賑わいの創出と周辺商業施 設などへの集客に好影響を与えています。この中ノ 島新市街地と本町などの既存商店街との結節点に 位置する木綿街道は、その歴史的街並みを保存・ 活用するため官民一体となった整備が進められ、そ の中心となる木綿街道交流館の建設と住民団体の 酒蔵、醤油蔵など伝統的な妻入り土蔵造商家 が建ち並ぶ木綿街道 まちづくり活動への取組みにより、この地域へのま すますの集客が期待されています。 CATV網整備については、第三セクターひらたC ATV㈱が事業主体となって平田エリア全域へのケ ーブルテレビ網を敷設し、テレビ難視聴地域の解消、 高速インターネット環境の構築、有線放送電話の代 替施設として大きな役割を担うことになりました。今 後、ITを活用した市民暮らし支援システムの構築な ど、総務省から指定を受けた「テレトピア計画」に基 づくさまざまなシステムの導入により、最先端の設備 による地域情報化の実現が図られることが期待され ています。 地域情報化の核として期待されるひらたCATV 平田市制50周年となる平成16年度、平田市制は幕を閉じ、新出雲市の一員として新たなスタートを切る こととなりましたが、平田地域は、新市建設計画「21世紀 出雲の國つくり計画」に掲げられた「良好な住環 境を備えた、県都を結ぶ東部拠点」として、今後その役割に大きな期待が寄せられています。 〔人口〕 地域の人口は28,055人(H17国勢調査結果 30km 速報)で、島根県全体の3.8%を占めています。 20km 人口推移は減少で推移しており、前回 H12 国勢調 10km 査に比し、951人(3.3%)の減となっています。 H12年時点での年齢別人口割合は、年少人口 平田 ○ 15%、生産年齢人口60.6%、高齢者人口24. 4%と、高齢人口が年少人口を10%近く上回る年 出雲市役所 ○ 齢構成となっています。 一方、世帯数は7,911世帯(H17国勢調査結 果速報)で、H12国勢調査に比し107世帯の増と なっており、核家族化の進行による世帯の分散傾 向が顕著となっています。 地理的概況 - 3 - 県庁 ○ 人口が減少している傾向にはあるものの、平田市街地を中心とした一般的な生活・経済圏と捉える半径 20km 圏内に約11万世帯35万人が暮らし、また、約2万の事業所とその総従業者数約18万人という商圏、 就労環境など職・住という現実的な側面から、平田地域は定住において恵まれた地理的条件を有している 地域であるといえます。 〔農業〕 平田地域は稲作を中心とした農業の盛んな地域であります が、近年農家人口世帯数、農業粗生産額とも減少傾向にあり、 また農業の兼業化が顕著であることから停滞傾向を強めてい ると同時に、営農者の高齢化や、後継者不足が深刻で、農地 の維持管理が大きな課題となっています。 一方、平田地域の特産である柿、ブロッコリー、青ネギ、花 卉、畜産などについては、新たな消費者ニーズの発掘に向け た施策展開がみられるようになり、今後、転作作物の高付加価 値化や集団営農による生産効率化、農業経営の法人化、新し 平田の代表的特産品 富有柿 い担い手育成など、一層の農業活性化に向けた施策が求めら れています。 〔水産業〕 水産業は、沿岸・沖合漁業を中心に展開しており、北浜地区 においては小型底曳網、大型定置網、一本釣などの漁業のほ か、出雲国風土記にも記載があり江戸時代には藩主に献上し たという歴史をもつ高品質で有名な十六島海苔(岩海苔)の収 穫が盛んです。佐香地区においてはアマダイ延縄、イカ釣、小 型定置網の漁業が中心となっています。内水面漁業としては、 宍道湖におけるシジミ漁が盛んであり、漁獲量も非常に多いこ とから地域の代表的な特産品となっています。今後、漁港改修 整備や栽培漁業の推進などを図り、水産業の一層の活性化に 宍道湖のシジミ漁 向けた施策展開が期待されています。 〔商業〕 平成11年における平田地域の商店数は537店舗で、従 業員1人あたりの販売額16.5百万円は島根県の26.9百 万円に比し10.4百万円程度下回っているものの、店舗数 と商品販売額の推移をみると商品販売額は昭和60年から 徐々に増加に転じています。 既存商店街の活力低下が顕在化する中、平成16年に 中心市街地活性化基本計画とTMO構想が策定され、中ノ 島新市街地や本町商店街などの都市基盤の再構築や空 き店舗対策、イベント行事などのソフト事業が展開されてお り、商機能の活性化に向けた取組みが行われています。 - 4 - 中ノ島イベント「八百万神酒まつり」 〔観光〕 眼のお薬師さまとして古くから信仰をあつめる「一畑 薬師」、ここで修行をしたという弁慶が一夜で鳥取県の 大山寺から鐘楼の鐘(重要文化財)を持ち運んだという 伝説をもつ「鰐淵寺」、郷土の作家小村大雲・落合朗風 の作品や一式飾などを収蔵した「平田本陣記念館」の ほか、汽水・淡水域に生息する生き物の生態を楽しみ ながら学ぶことができる体験学習型水族館「宍道湖自 然館ゴビウス」などを中心に、年間120万人の観光客が 参拝客で賑う一畑薬師 平田地域を訪れています。 海、川、湖などの平田地域の豊かな地域資源の活用により、大観光地とは異なる自然や伝統文化、ある いは人とのふれあいを高める観光開発とネットワーク化を基本とし、多様化・高度化する観光客ニーズに呼 応しながら、滞在型、通年型観光の推進を図るための基盤整備を進めていく必要があります。特に、松江 市では国道431号沿いに大規模集客施設が相次いで整備され、また、大社地域では歴史民俗博物館の 整備が進んでいることから、松江−大社の宍道湖北岸観光ルートについて、近隣と連携しながらこの流れ を平田地域にうまく取り込むための施策展開が必要となっています。 〔交通〕 東の松江市と西の出雲地域・大社地域を結ぶ宍道湖・中海圏の幹線道路として国道431号(湖北線)が 横断し、そこから斐伊川を挟んで南側に3本の県道が伸びています。このため、山陰自動車道の宍道ICや 国道54号線の宍道町の起点まで、平田地域中心部から約10km(車で15分)と、県内外の都市圏へのアク セスに便利な環境となっています。 今後、新市中心部と県都松江市を結ぶ重要路線としての国道431号の改良(境港出雲道路の整備)、 山陰自動車道整備にあわせた河下港からの南北アクセス道路の整備など、広域幹線道路網の整備が必 要となっています。 地域内交通としては、平成11年10月から「生活バス」を 運行しており、平田の特産などをモチーフとしたユニークな デザインがなされ「郊外では停留所以外の場所でも手を上 げれば止まってくれるバス」として親しまれています。 また、一畑電気鉄道が宍道湖の北岸を松江−平田−出 雲・出雲大社間の宍道湖畔を結んでおり、通勤・通学など、 地元の生活路線として欠かせない交通手段であるとともに、 出雲大社・一畑薬師への参拝鉄道としての役割も果たして います。現在の利用客数は、モータリゼーションの進展を 背景に減少傾向にあり、昭和42年には年間589万人であ った利用客数も、平成5年には年間170万人まで落ち込 み、昭和49年から国、県、沿線市町から受けていた欠損 市民に親しまれている平田生活バス 補助も平成9年度限りで打ち切られたことから、今後の路 線維持の方策が検討されています。 - 5 - 航空路は、平田地域から南へ約8km(車で10分)に島根県東部の空の玄関口として重要な「出雲空港」 があり、出雲∼東京間で100分、出雲∼大阪間で60分と大都市への往来が容易な環境にあります。 また、本空港は臨時の国際線ゲートも整備されており、近年、韓国や中国などへのチャーター便運航を 積極的に行うなど、山陰地方における東アジアの玄関窓口として、国際定期路線便誘致への取組みも活 発化しています。 海運網は、平成12年、地域の振興と活性化が期 待できる地方港湾として河下港が「特定地域振興重 要港湾」として選定され、「河下港港湾振興ビジョ ン」に基づき、出雲圏域の海の玄関口として観光・ 商業の活性化と地域交流の拡大を図っていくことと なっています。 また、民間による旅客船の就航計画もあることか ら、出雲空港、山陰自動車道斐川インターチェンジ、 河下港を結ぶ道路を整備することにより、陸―海― 空をつなぐ県東部の物流・交流・交通の拠点として 県東部の拠点港として期待される河下港 も期待されています。 〔消防・救急・防災〕 平田地域の南半は斐伊川下流部のデルタ地帯 であり、災害の中でも河川氾濫などの水害が極め て多い地域です。平田船川・湯谷川の河川改修事 業の進捗によりその被害は減少しつつあるものの、 上流部では依然として床下浸水などの被害がある ことから、引き続き積極的に河川改修を推進すると ともに、きめ細かく各河川を監視できる体制の整備 が求められています。また、地すべり、がけ崩れや 土石流が発生する危険箇所も多数存在することか 災害、緊急時に備える平田消防署 ら、砂防施設の整備についても引き続き実施して いく必要があります。 消防組織は、昭和30年から平田市消防本部が市単独消防として消防・防災・救急活動を行ってきました が、市町村合併により出雲市消防本部平田消防署となりました。地域の防災活動を担う各地区消防団にお いては、近年の社会情勢からも団員の確保の困難化が深刻な課題となっています。 また、有線放送電話に代り、災害時における情報伝達手段としてケーブルテレビ文字放送や緊急テロッ プにより住民に情報提供していくことになりましたが、住民からは防災行政無線など音声告知による迅速か つ確実な情報提供手段が切望されており、今後新市全体の中でその方策について検討していくこととなっ ています。 〔保健・福祉・医療〕 旧平田市立病院は、合併により出雲市総合医療センターに名称を改め、出雲圏域内における2次医療 機関として、3次医療機関である島根県立中央病院や島根大学医学部との連携・役割分担を図りながら、 - 6 - 新出雲市の保健・福祉・医療のネットワークを構築していくこととなっています。 今後は、亜急性期∼慢性期医療への対応やリハビリテーション医療の充実などを図り、保健・福祉・医療 の連携を重視した体制づくりをめざしながら、新市における福祉拠点として、この総合医療センターを中心 に各種施設整備を図っていくこととなっています。 高齢者保健福祉施設などでは、介護老人福祉施設が2施設、介護老人保健施設が1施設、介護療養型 医療施設が1施設の合計4施設があり、今後の高齢化の進展から、福祉施設に頼った従来型の制度だけ ではなく、地域社会において高齢者や障害者の社会参加を促し、生きがいづくりにつながるようなシステム を構築していくことが求められています。 T 子育て環境については、平田地域には1つの公 立保育所、4つの認可保育所、1つの無認可保育 所、1つの児童館、6つの放課後児童クラブのほか、 子育て支援センターやひらたファミリーサポートセン ター、各地区11箇所の子育てサークルなどがあり、 「子育ての社会化」を理念とした「いずも次世代育成 支援行動計画」に基づき、地域全体で子育てを行 える環境づくりをめざしていきます。 各種子育て事業の中心となる子育て支援センター 〔教育〕 平田地域の教育施設は、幼稚園3園、小学校13 校、中学校3校、高等学校1校、光人塾があります。 少子化を背景に小中学校の児童・生徒の減少が みられますが、そのような中にあっても「総合的な学 習の時間」の実施を契機に、地域ぐるみで将来を担 う児童・生徒を育成していく取組みを行うとともに、 「新しい学校づくり」を基調に、ヒューマニズムにあふ れた対人教育の実践や子供たちの個性と能力を大 きく開花させる学校教育を実践しています。 塩津小学校を舞台とした映画「白い船」では、子 映画「白い船」の舞台となった塩津小学校 どもたちとフェリーとの交流を通じ、日本海や島根半 島の美しさとそこに住む人々の温かさや教育のあり 方を全国に発信しました。 全ての小中学校が学校・学級紹介、地域案内、 研究発表などのホームページを生徒と先生たちが 作成、配信するなどの取組みが行われており、鰐淵 小学校猪目分校の「カジカガエルの観察飼育活 動」は学研ホームページコンテストでも入賞を果たし ています。 また、地域教育の一環として、各地区の公民館単 位での課外教育活動が活発化しており、地域住民 や地域教育支援ボランティア、青年会議所などの各 「カジカガエルの観察飼育」を行う鰐淵小学校猪目分校 - 7 - 団体が学校と連携しながら積極的な活動を展開しています。今後も子供たちが地域とのふれあいを通して、 地域愛の醸成や豊かな感受性・創造性を育むことができるよう、支援していくことが必要です。 〔文化・スポーツ〕 長い歳月の中で育まれてきた平田の伝統文化は、 ふるさとを愛する人々の手によって今も大切に受け継 がれています。中でも、厚い民衆信仰の歴史を持つ 埼田神社の青獅子舞、宇賀神社の獅子舞、多久神 社のささら舞は、県の無形民俗文化財に指定されて います。また、200年来伝わる民俗芸術の一式飾、鰐 淵寺ゆかりの弁慶まつり、江戸時代から続く華やかな 仮装船行列の七夕まつりなどの独自の伝承行事や、 老杉と紅葉に包まれた開基1400年の古刹・鰐淵寺、 眼下に宍道湖を望む開基1100年の霊場・一畑薬師、 県指定無形民俗文化財「埼田神社青獅子舞」 そして弥生・古墳時代を伝える猪目洞窟遺跡や歴代 松江藩主の大名宿を移築復元した平田本陣記念館 など、山陰を代表する貴重な史跡や文化遺産も数多 く残っています。 平田地域の代表的な文化施設としては、平田図書 館や平田文化館(プラタナスホール)などがあり、地域 の学術・芸術文化の振興に向けた拠点施設として位 置付けられています。 また体育施設としては、平田体育館や平田スポー ツ公園、平田愛宕山野球場、宍道湖公園湖遊館など があり、地域のスポーツ振興に向けた拠点施設として 市民学習の拠点「平田図書館・学習館」 位置付けられています。 項目 【参考】 新市における 平田地域の占める割合 新出雲市(A) 土 地 世 帯 数 人 口 平田地域(B) B/A 26.2% 16.8% 19.2% 19.9% 26.4% 22.0% 17.9% 15.5% 16.0% 27.5% 31.6% 27.0% 51.1% 17.2% 10.2% 16.2% 21.5% 調査年 543 k㎡ 142 k㎡ H14.10.1 47,129 世帯 7,911 世帯 H17.10.1 146,225 人 28,055 人 H17.10.1 総 数 75,347 人 14,999 人 第1次産業 6,427 人 1,699 人 就業者数 H12.10.1 第2次産業 23,900 人 5,257 人 第3次産業 45,020 人 8,043 人 事業所従業者 64,690 人 10,058 人 H13.10.1 市町村内総生産 4,217 億円 674 億円 H14 農家人口 37,544 人 10,312 人 H12.2.1 耕地面積 5,549 ha 1,754 ha H12.2.1 農林水産 農業産出額 115 億円 31 億円 H14 漁 獲 量 2,478 t 1,266 t H14 工業製品出荷額等 1,160 億円 200 億円 H14 年間商品販売額 3,151 億円 322 億円 H13 観光客入込客数 6,422,733 人 1,043,428 人 H14 実延長 2,554 km 549 km H15.4.1 道路整備状況 改良率 49.6 % 48.9 % 舗装率 77.6 % 79.6 % 汚水処理施設整備率 47.8 % 60.6 % H15.3.31 参考:島根県統計書 ※世帯数、人口はH17国勢調査結果速報による - 8 - 3.平田地域の課題 まちづくり計画の策定にあたり、地域協議会および各地域自治協会に対し地域における課題や意見を 取りまとめ、まず地域の現状を把握することとしました。その上で各課題を克服するための方策を検討し、ま ちづくり計画が住民ニーズを反映させた実効性のある計画となるよう取り組んできました。 以下、取りまとめた課題などについて新市建設計画に示される6つの基本目標に整理し、掲載します。 1.まちが輝き地域を興す産業創造都市 ① 21 世紀出雲の産業創出 〔新エネルギー(風力発電)を活用した観光振興について〕 ・恵まれた自然環境を最大限に生かした U・I ターンのための一時宿泊施設の整備 ・風力発電事業を実施するために整備した作業用道路の有効活用 ・環境をテーマとした公園の整備 ・地元の食材を出雲の國ブランドとして販売できる施設の整備 ② 農林水産業、商工業が一体となった地場産業の振興と発展 〔中心市街地活性化事業の推進について〕 ・中心市街地活性化計画や TMO 構想に基づく商店街の活性化 ・木綿街道イベントなど住民が主体となって実施する各種イベント事業への支援充実 〔地域内雇用創出の推進について〕 ・東部工業団地を中心とした雇用の場の創出 〔シカ等被害対策および森林保全について〕 ・シカ、ヌートリアなどの有害鳥獣による農林業生産作物の被害防止 ・県の支援を受けながら農地や森林の維持・保全対策の推進 〔グリーンツーリズムへの推進について〕 ・農業、漁業体験や民宿(空家活用)、伝統芸能鑑賞などによる都市と農村の交流事業=グリーンツーリズ ムの積極的な推進 〔農業用水の確保について〕 ・中海干拓事業の中止に伴う農業用水などの不足に対する対策 ・舟川導水路(なまずの尾)の早期改修 ③ 特産品開発、生産振興による出雲の國産業ブランドの確立 〔地場産物のブランド化と販売網の拡充について〕 ・行政、商工会議所、JAなどが連携し、唐川特産のお茶や三津のわかめなどの地元産物のブランド化や 販売網拡充への支援 2.夢を育み未来をひらく人材育成都市 ① 21 世紀出雲を担う子どもの育成支援の充実 〔少子化克服のための結婚支援について〕 ・独身男性の結婚支援、嫁不足対策 ② 生きる力と夢を育む教育体制の充実 〔小学校の存続について〕 - 9 - ・地区の再編を考慮した小学校の統廃合と校区設定 〔小中学校の改修について〕 ・老朽化した学校施設の年次的改修 〔子どもと地域のかかわりについて〕 ・学校行事への地域参加や小学校と公民館の連携を密にする取組みの実施 ・地域全体が一体的に活動できる機会とその助成制度の創設 〔体育館の建設について〕 ・老朽化した平田体育館に代わる体育施設の新設 〔旧佐香中学校の活用について〕 ・旧佐香中学校校舎の今後の活用策 ③ 生涯にわたる教育、学習活動の充実 〔伝統文化の継承について〕 ・埼田神社青獅子舞、多久神社ささら舞、一式飾りなどの県・市の指定文化財その他地域固有の神 楽や祭事などの伝統文化を継承するために必要な舞具・衣装の修理、後継者育成に対する行政支 援 〔伝統文化を活用した地域イベントおこしについて〕 ・木綿街道、一式飾りなどの特徴ある伝統芸能を観光資源として活用 ・ぶらり広場に日本最大の一式飾併設展示館や常設舞台の設置 ・平田伝統芸能まつりの定期的開催 〔公民館の施設移転について〕 ・平田公民館を平田地区コミュニティ施設として旧教育会館への移設と職員体制の整備 ・公民館の年次的改修とIT基礎技能研修を実施するためのパソコンやインターネット環境の整備 〔教育研修施設の整備について〕 ・サンレイク∼湖遊館∼ゴビウスなどの教育・研修施設の充実 ・次世代人材育成のための総合教育センターなど、研修施設の整備 〔生涯学習の充実について〕 ・団塊の世代のための学習機会の創設 〔県立高校、専門学校の誘致について〕 ・県立定時制高校や地場特産品を使った料理専門学校などの誘致 ④ コミュニティ活動と住民参画の推進 〔市政座談会の開催について〕 ・年1回の市政座談会の開催 〔広報誌いずもについて〕 ・広報誌の紙面を2市4町の旧エリアの区分により掲載 〔地域活動に対する支援について〕 ・行政協力業務委託金や自治振興交付金などのコミュニティ助成制度の継続実施 ・各地域コミュニティが独自で行っている各種イベントや地域内施設の管理に対する支援 3.人を結び地域を結ぶ交流拠点都市 ① 新市の中心都市機能の充実 - 10 - ② 新市の魅力を発揮する広域交通網の整備 〔境港出雲道路や出雲平田線など出雲市中心部へのアクセス道路整備について〕 ・国道 431 号東林木バイパスの事業促進と平田地域内ルートの早期決定 ・出雲平田線の整備促進 〔河下港より山陰道へのアクセス道路の建設促進について〕 ・河下港から山陰自動車道へのアクセス道路(南北道)の早期整備 〔出雲∼河下間のトンネルの開通について〕 ・河下港の発展と観光ルート開発のための出雲∼河下間のトンネル整備 ③ 新市の一体化を促進する地域内幹線道の整備 〔県道の改良整備・新設について〕 ・十六島直江停車場線の小津町入口から十六島終点までの拡幅 ・斐川一畑大社線 (Ⅰ) 美保隧道の拡幅整備、相代∼塩津間の行き止まり状況の解消 (Ⅱ) 坂浦∼一畑の延長と坂浦∼佐香小学校間の道路拡充 (Ⅲ) 河下∼猪目間の整備拡充 (Ⅳ) 地合∼坂浦の拡幅整備 ・鰐淵寺線の奥宇賀町地内から口宇賀町地内の歩道整備 ・十六島地区の災害時における迂回路の整備 ・小伊津ヶ丘団地付近から小伊津なぎさ公園手前付近に向けての県道新設 〔市道の改良整備・新設について〕 ・鰐淵1、2号線の改良整備(採石業者の大型トラックの往来による陥没箇所多数あり) ・灘分東西幹線1号の全線舗装改良整備(合併前の陳情採択案件への早急な対応) ・平田松江幹線の西田小学校から万田町中西地区までの歩道を本庄町廻田池まで延長 ・桃山町新宇賀橋付近の平田市街地から平田本陣記念館への直行進入路の整備(平田本陣記念館 への観光客誘導と利便性追求のため) ・多久谷畑線、多久線の整備促進(辺地道路事業) ・布崎∼浜線のうち岡田町地内の全面的な改良整備 ・伊野本線から国道431号への接続箇所の改良整備 〔交通渋滞の解消とバイパスの建設について〕 ・国道 431 号跨線橋付近(鹿園寺)から線路沿い(南側)を並行し平田新田に至るバイパスの建設 〔外島大橋の幅員拡張について〕 ・国道9号方面から湖遊館、ゴビウス、宍道湖グリーンパークへ大型バスが通行できるよう船川外島大 橋の幅員拡張 〔道路清掃について〕 ・全市一斉道路清掃の実施により発生した草、土、ごみを行政で処理 〔急傾斜地地すべり対策の促進について〕 ・唐川、別所地内や北浜における急傾斜地の地すべり防止対策事業の促進 〔交番設置について〕 ・中ノ島温泉地におけるバイク騒音対策としての交番設置 〔防犯用水銀灯の設置などによる子どもの安全管理について〕 - 11 - ・交通安全指導やあいさつ運動、下校時のパトロールなど住民の取組みにあわせ、通学路危険箇所 への街路灯(防犯灯)の設置 ④ 新市公共交通ネットワークの構築 〔交通網整備について〕 ・一畑電車の利用促進と利便性向上、住宅開発の条件整備のため、増便と出雲市駅∼一畑口間へ 新駅を増設 ・生活バスの利便性向上のためのダイヤ改正 ⑤ 情報を共有できる高度情報通信社会の実現 〔テレトピア計画の推進について〕 ・CATV 網を活用した防災システム、生涯学習システム、産業観光活性化システムなどの構築 4.歴史が織りなす観光神話都市 ① 古代出雲文化遺産による出雲の顔づくり 〔鰐淵寺の観光客誘致について〕 ・鰐淵寺の駐車場の拡張と第一駐車場のトイレの水洗化 ② 出雲の豊かな自然資源の活用と水と森の空間整備 〔観光マップ作成について〕 ・地域の名産品の場所、販売方法、イベント、手作り工房などを季節ごとに紹介できる住民参加型の 観光マップの作成 ③ 出雲の國観光ネットワークの整備と拡充 〔広域観光ルートの確立について〕 ・松江、平田、出雲、大社などを結ぶ広域観光ルートの確立 ④ 世界に向けた出雲の國ブランドの開発・発信 〔中村1号墳のその後の発掘研究と開発について〕 ・旅伏山山麓の開発にあわせた中村1号墳の研究開発、整備 〔大船山の総合整備について〕 ・湯の平温泉の開発、烏帽子岩への遊歩道整備による歴史と自然を生かした神名樋山の総合整備 5.潤いとやすらぎが生まれる環境先進都市 ① 環境先進都市出雲の國の構築 〔海・湖・川のあるまちづくりについて〕 ・海辺、湖畔の自然を壊さない開発と海、湖との楽しい関わりを持ちながら生活できるような環境整備、 川の遊びが学べるような護岸整備 〔下水道普及率の向上について〕 ・漁業集落排水事業の推進や合併処理浄化槽への助成制度拡充などによる下水道普及率の向上 ② 安心、安全の 21 世紀防災都市の整備 〔湯谷川治水工事の着工、推進について〕 ・湯谷川の水害に対する抜本的な対策(湯谷川排水機場の整備計画も並行して実施) ③ ゆとりと潤いのある居住空間の整備 〔居住環境の整備について〕 - 12 - ・平田地域に都市機能を備えた大規模で魅力ある住宅(高層住宅やニュータウン)建設 ・土地に関わる規制緩和の実施による宅地開発や民間賃貸住宅建設の促進 〔空き家の活用について〕 ・出雲市街地、松江へも勤務できる位置にあり住居を構えるには出雲市の中では最も便利がよいこと から、空き家を住宅に活用するなどの検討が必要 〔主要河川の清掃について〕 ・主要排水河川(論田川、山王川)の水草除去などの行政実施 〔既設公営住宅の環境整備について〕 ・明川、牧戸、浜、中ノ島、西平田などの好条件地域を中心とした住宅地開発の推進 ・建設以来相当の年数が経過した公営住宅の若者向け改装 〔各地区への公園、遊び場などの造成について〕 ・海岸部における子ども、高齢者の交流の場の確保のための公園や遊び場を各地区に整備 〔水道施設の整備改善について〕 ・本管が細く年数がたっている水道施設の早急な改良整備 6.健やかな暮らしを支える健康文化都市 ① 出雲の國健康・医療・福祉ネットワークの構築 〔地域福祉センターの建設について〕 ・旧自動車学校を地域福祉センターまたは障害者支援センター機能を持つ施設へ建て替え、総合医 療センター、福祉館、子育て支援センターなどとあわせた福祉拠点を整備 ② 生涯にわたる健康づくりの推進 〔ニュースポーツ施設としての多目的広場の整備について〕 ・ペタンク、ゲートボール、グラウンドゴルフなどのニュースポーツを楽しめる多目的広場の整備 〔健康福祉フェスティバルの復活開催について〕 ・社会福祉協議会、各福祉団体が連携しての「健康福祉フェスティバル」の復活開催 〔メンタルヘルスの充実について〕 ・ストレスなどを要因とする心の病に対し、広くケアできる体制の充実と環境整備 ③ 新市の地域特性を活かした医療、リハビリ体制の充実 ④ ぬくもりのある福祉サービスの充実 〔ボランティア精神の高揚とボランティア活動の発展について〕 ・ボランティア施策の推進 〔介護予防事業の充実について〕 ・各集落にある集会所を活用した高齢者のサロン事業の展開 〔平田老人会連合会への補助事業、委託事業の継続について〕 ・高齢者の「生きがいと健康・体力づくり」をテーマに、閉じこもり防止、介護予防、介護支援をねらいと した「お茶の間バス」の継続 〔出雲市シルバー人材センター平田支部事務所などの移転、改装について〕 ・出雲市シルバー人材センター平田支部の事務所、会員研修室、作業場を旧平田一式飾展示館へ 移転するに伴う改装費の支援 - 13 - 4.まちづくり計画の構成 先に検証した地域のさまざまな課題を克服しながら地域のまちづくりを実践していくため、本計 画の目標を「ひともまちも温かい平田づくり」とし、この目標を実現するためのまちづくりイメ ージを「ひとづくり編」と「まちづくり編」に分類しながら計画を構築します。 ひとづくり編では、主に平田地域に住む人たちがのびのびと、生き生きと暮らしながらも、平田地 域のみならず出雲市全体の活性化のために一人ひとりがその力を発揮できるよう、住民の意識高 揚、住民活動の充実のための施策や取組みを集約します。 一方、まちづくり編では、地域活性化のための起爆剤となるような広範囲にわたる地域整備に 重点をおき、10年後の平田地域が輝きを増すよう、夢と希望のある事業を展開し、住民との協働 によりさらに相乗効果が生まれるような取組みを集約します。 地域活性化の中にあっても、この平田地域を「都会のミニ版」として整備するのではなく、この地 域が持つ田舎の良さ、田舎の特性を大切にしながら、ひと・まちづくりを推進していきます。 ひとづくり編 まちづくり編 ひともまちも温かい平田づくり Ⅰ.世代を超えた人材育成によるまちづくり Ⅱ.中山間地域・海岸地域の魅力を最大限に活かした コミュニティづくり Ⅲ.新エネルギー開発を核とした 環境・経済・交流のまちづくり Ⅳ.中ノ島商業集積地−木綿街道−商店街等を核とした 東部都市拠点づくり Ⅴ.総合医療センターを核とした 保健・福祉・医療が一体となった福祉拠点づくり - 14 - [∼ひとづくり編∼] Ⅰ.世代を超えた人材育成によるまちづくり 1.まちづくりの目標・方針 平田地域に住む人々のまちづくりに対する意識の高揚がまちづくりを支える原動 力となるよう、 「まちづくりは人づくりから」をモットーに、それぞれの世代の価値 観をお互いに認め合いながら、子育て、学校教育、生涯学習、ボランティア活動、 芸術文化活動、スポーツ振興などさまざまな分野における人材育成やその支援を充 実させ、「人こそが平田の財産」となるようなまちづくりを実践していきます。 2.まちづくり活動の構成 ◆ 行政に期待する取組み (1)子育て環境 の充実 ・保育環境の充実 ひらた保育所の整備、保育会への運営費補助 ・幼稚園でも保育所でも同じ教育・保育が受けられる環境づくり 東部・中央部幼児教育施設整備、幼稚園バス、預かり保育、私立幼稚園運営 費補助 ・地域全体で子育てができる体制づくり 各地区子育てサークルへの支援拡充 ・放課後児童クラブの整備促進 檜山地区への新設、平田と北浜の施設整備 ・子育てに関する情報提供や相談事業の充実と児童虐待防止ネットワーク の構築 子育て支援センター、ファミリーサポートセンター運営費など (2)教育環境 の充実 ・小学校校舎の年次的整備 小学校校舎等整備事業 ・中学校校舎の改修整備 中学校校舎等整備事業 ・旧佐香中学校の有効活用 ・スクールサポーター、幼稚園サポーター配置 ・光人塾の継続的運営 情緒障害児等発達支援事業 ・給食センターの機能充実 学校給食共同調理場の整備、地産地消の推進 (3)生涯学習 の推進 ・民間主体の住民活動に対する支援制度の充実 市民活動支援事業など - 15 - ・生涯学習・コミュニティ活動拠点としての公民館の整備拡充 老朽化した公民館・コミュニティセンターの計画的整備 ・IT講習などができる環境の整備 公民館へのパソコン配置など ・生涯学習施設の機能拡充 勤労青少年ホーム改修、ふれんどりーハウス夢工房・陶芸場の整備、文化館 プラタナスホールの改修 ・ボランティア意識の高揚を促す啓発活動の実施と指導者の育成 生涯学習ボランティアの育成など ・CATV を活用した行政情報、生活情報、保健医療福祉情報、ボランティ ア情報など日常生活で利用する幅広い情報を各家庭で容易に入手できる システムの構築 CATV 公共施設ネットワーク、電子申請システムなど ・青少年育成への支援 青少年育成協議会補助、子ども会活動補助など ・地域における人権同和教育の推進 各地区同和教育推進協議会への活動助成 ・公民館、幼稚園、保育所、老人ホームを隣接して整備することによる世 代間交流の促進 地域住民の憩いの場となる公園などの整備 (4)スポーツの 振興 ・各種スポーツ施設の充実 湖遊館スケートリンク・製氷設備および館内冷房設備改修、野球場のナイター 設備・電光掲示板整備・バックネット補強、体育館の新築移転、テニスコートの 改修、愛宕山プール建替など ・休閑地などを利用した高齢者スポーツ施設への活用 ・スポーツ振興のための各種支援の充実 各種スポーツ教室などへ優秀な指導者を派遣する費用を助成、各スポーツ少 年団の活動・研修費用の助成、スポーツ教室開催にあたっての講師補助員謝 金やスポーツ用品の購入経費の助成、一畑薬師マラソン大会の運営経費助 成など (5)芸術文化 の振興 (6)国際交流 の推進 ・民間主体の芸術文化活動に対する支援制度の充実 平田文化祭、平田美術展への活動助成 ・民間主体の国際交流活動に対する支援制度の充実 唐川国際ワークキャンプ、国際交流センター事業への助成など ・ドイツ:ザールシュテット市との姉妹都市締結に向けた努力 平田国際交流センターと協力しながらドイツ:ザールシュテット市との姉妹都市 締結に向けた交流の促進 (7)男女共同 参画の推進 ・女性の発言能力や知識を高めるための研修機会の提供などによる人材育 成 - 16 - 条例・行動計画を策定し、啓発活動や講演会などを実施 ◆ 地域自らが実践する取組み (1)子育て環境 の充実 ・子どもたちのための農園の開放、読み聞かせボランティアへの参加 ・子育てサポーターや子育てサークルへの参加、子育て支援ネットワーク の構築による地域全体での子育て体制の構築 ・子育て支援への積極的な参加 ・地域教育支援ボランティアへの積極的な参加 (2)教育環境 ・PTA や各種団体による校庭や側溝清掃などの奉仕活動の実施 の充実 (3)生涯学習 の推進 ・地域活性化に資する各種イベントや取組みの企画、実施 ・住民主体の IT 講習ボランティア組織の設立と住民による IT 講習の実施 ・インターネットやケーブルテレビを活用し、子どもたちや地域住民がビ デオカメラで保存した地域の自然、景観、歴史、伝統文化を全国に発信 ・日本語ボランティアなど各種ボランティア活動への積極的な参加 ・ケーブルテレビ番組を活用し、学校の様子や地域の様子を家庭へ発信 ・子ども安全パトロールなどの実施 ・あいさつ運動(愛の一声運動)の実施 ・家庭や地域における人権啓発活動の実践 ・地域と小学校、幼稚園などの連携強化 ・中学生、高校生のまちづくり座談会の実施 ・各種生涯学習施設の利活用 (4)スポーツの 振興 (5)芸術文化 ・スポーツイベントなどへの積極的な参加 ・スポーツ大会運営に必要なボランティアスタッフへの積極的な参加 ・文化芸術活動への積極的な参加 の振興 (6)国際交流 の推進 (7)男女共同 参画の推進 ・ドイツ:ザールシュテットとの交流、カナダ中学生派遣事業、中国普陀 山マラソン交流などの実施 ・懇話会など政策決定の場への積極的な参加、研修学習機会への積極的な 参加 - 17 - [∼ひとづくり編∼] Ⅱ.中山間地域・海岸地域の魅力を最大限に活かした コミュニティづくり 1.まちづくりの目標・方針 島根半島の中山間地域や海岸地域では、少子高齢化や若者の流出などによりコミ ュニティ維持そのものが困難な状況となっていますが、コミュニティの維持活性化 も図りながら、豊富な農林水産品を活かした特産品の開発や伝統行事・祭事の継承 などの活用など、地域住民の創意工夫により田舎らしい賑わいを創出し、交流・観 光客を誘致しながら地域の活力を増大させていくような取組みを実施していきま す。また、これらの地域では、依然として生活道路・水道・下水道などのインフラ 整備が立ち遅れている状況にあることから、暮らしやすい住環境づくりをめざし、 市街地との地域間格差を是正するための環境整備が積極的に実施されることを期待 します。 2.まちづくり活動の構成 ◆ 行政に期待する取組み (1)伝統文化の 保存継承 (2)コミュニティ 活性化 (3)農業の振興 ・郷土芸能の保存継承やコミュニティ活動に対する支援の充実 各地区にある獅子舞、神楽などの伝統芸能の保存継承支援 ・コミュニティ支援その他地域を維持するために必要な予算の確保 自治協会、公民館などの活動支援 ・地域農業活性化に向けた支援 立ち上がる産地育成支援事業、地域農業特別対策事業など ・地場産物のブランド化と特産品の開発促進 行政、JA が連携し、柿、ブロッコリーなど地域内農産物のブランド化や販路拡 充への支援 ・農業担い手の育成 集落営農・農業生産法人への支援、結婚促進支援 ・農業基盤整備の促進 【国】国営農業用水再編対策事業、【県】土地改良事業(美談)、論田排水機 場のポンプ取替、山王川排水路工、汐留堰、漁船係留施設、揚水機場の整 備など ・休耕田などの保全対策 中山間地域における休耕田、耕作放棄地を整備、管理するために市民が主 体となって取り組む事業に対する支援 - 18 - (4)漁業の振興 ・漁業振興のための支援 【県】小伊津漁港、十六島漁港の整備、【市】塩津漁港、釜浦漁港の整備、漁 業振興(漁場造成事業)、漁港・漁村維持活性化などを目的とした事業費助 成、アマダイ・ヒラメなどの中間育成とあわび稚貝・赤ウニ種苗魚介類の放流 ・地場産物のブランド化と特産品の開発促進 行政、漁協が連携し、十六島のり、アマダイなど地域内水産物のブランド化や 販路拡充への支援 ・水産業担い手育成事業 漁業生産法人への支援 (5)森林保全 対策 ・森林、田畑の荒廃対策 森林病害虫等防除事業 ・シカの徹底した駆除 駆除事業の実施、防護柵・捕獲柵などの設置支援(イノシシ・シカ・カラスなど) ・豊かな森づくり 造林や植林などによる豊かなふるさとの森再生 (6)生活道路 の整備 ・地合町から大社日御碕を結ぶ海岸道路の整備、市街路整備、地域内生活 道路・河川の環境整備 斐川一畑大社線、鰐淵寺線、後川薬師線、平田大社自転車道線などの整備 促進、辺地道路整備、生活環境道路改良事業ほか (7)河川改修 の促進 ・治水対策の推進 【県】平田船川・湯谷川河川改修事業、【市】湯谷川河川改修移転代替地整 備、生活環境下水路改良事業 (8)上下水道 整備 ・市町村設置型浄化槽整備事業や漁業集落排水事業などの実施による平田 地域の全戸水洗化の実現 公共下水道整備事業、河下港整備推進事業(下水道整備)、漁業集落排水事 業、合併処理浄化槽設置整備、市町村設置型 ・水道未普及地域および未給水地域の解消と施設の老朽化に伴う整備 【県】島根県水道用水供給事業第 2 期拡張事業、【市】上水道整備事業、簡易 水道整備事業 (9)防災安全 ・交通安全のための環境整備、啓発 ガードレール・カーブミラーの設置、交通安全対策協議会・交通安全シルバー クラブへの助成 ・山間部の通学路などへの防犯灯の設置 町内会が設置する防犯灯に対する助成 ・各地域自主防災組織の養成および支援 消防団のほか、地区にある自衛消防隊組織に対する支援 ・災害に強いまちづくりの推進 通信指令施設一元化事業、防災備品備蓄整備事業、砂防事業の実施、地す べり対策・防止事業の実施 - 19 - ・防災行政無線や CATV 音声告知放送システムの導入など音声による災害 情報の伝達手段の構築 防災無線、CATV 音声告知放送など音声による災害・緊急情報の伝達システ ムの構築 (10)地域情報化 の推進 ・携帯電話不感地域の解消 地合町など、海岸や中山間における携帯電話不感地域解消のための鉄塔建 設 ・テレトピア計画の実践 テレトピアシステム(地域活性化システム、生涯学習システム、市民暮らしシス テム)の年次的整備 (11)景観の保全 ・築地松、棚田などの農村風景、海岸線や宍道湖沿岸の自然景観、歴史的 街並み景観などの保全対策 各地区にある公園・集会所の草刈など地域美化活動への支援、地域自ら実 施する花や緑による景観向上運動への支援 ◆ 地域自らが実践する取組み (1)伝統文化の 保存継承 (2)コミュニティ 活性化 (3)農業の振興 ・とんど行事、祭りなどの継承活動や神楽などの郷土芸能の後継者育成お よび保存 ・地区民体育祭、文化祭の開催や地域美化活動の積極的な実施 ・コミュニティ活動クラブの強化拡充 ・地産地消の推進(地元の食材を利用、提供、販売) ・地元特産品の開発(お茶などのブランド化・特産化など)、販売場所お よび飲食場所の設置 ・お茶、竹墨、つわぶきその他地域特産品や竹細工・工芸品の直売所を地 域内に確保し、加工販売を行うなどによるコミュニティビジネスとしての 事業化 ・統一ブランドによる農産物土産品などの開発 (4)漁業の振興 ・地産地消の推進(地元の食材を利用、提供、販売) ・地元特産品の開発(水産品のブランド化・特産化など)、販売場所およ び飲食場所の設置 ・統一ブランドによる海産物土産品などの開発 (5)森林保全 対策 ・休耕田をハーブ園に整備し、ハーブ栽培や日時計などを設置(からかわ ハーブ園) ・森林保全に向けた住民活動の推進 (6)生活道路 ・整備促進のための組織強化 の整備 (7)河川改修 ・整備促進のための組織強化 の促進 - 20 - (8)上下水道 ・全戸水洗化へ向けての住民協力 整備 (9)防災安全 ・交通安全運動などへの積極的な参加 ・町内会による危険箇所の点検、防犯灯の設置 ・日常の防火意識の啓発と予防に対する学習、消防協力隊(消防団など) の火災、災害の初期活動の強化 ・自治協会などによる危険箇所の日常点検、有事における災害弱者への連 絡 (10)地域情報化 の推進 ・IT 講習ボランティアの育成 ・CATV 番組制作の協力 (11)景観の保全 ・地域住民による地域の清浄活動 ・地域環境の整備とマナーアップ作戦の展開、ごみゼロ社会の実現による 「きれいな地域づくり」 伊野社中による出雲神楽の上演 出雲平野の伝統的景観「築地松」 - 21 - [∼まちづくり編∼] Ⅲ.新エネルギー開発を核とした 環境・経済・交流のまちづくり 1.まちづくりの目標・方針 島根半島に建設される風力発電所群「新出雲風力発電所(仮称)」を核とした環境・ 観光エリア整備、海の玄関口としての河下港、陸の玄関口となる山陰自動車道斐川 IC、空の玄関口となる出雲空港の一体的整備に伴い、さまざまな住民活動を折り まぜながら、新エネルギー開発を核とした環境・経済・交流が一体となったまちづ くりをめざします。 2.まちづくり活動の構成 ◆ 行政に期待する取組み (1)新エネルギー ・公用車、バス、住宅その他公共施設、街路灯などへの燃料電池や太陽光 の活用 発電の導入 ・風力発電事業地の公園化、自然環境をテーマにした環境学習機会の充実 ・風力発電事業関連道を活用した半島道路の整備と山林の活用 (2)リサイクル・ 環境保全 ・廃食油燃料化によるリサイクルモデル地域 廃食油のバス燃料への再利用事業など ・リサイクル、ごみ減量化などによる環境施策の充実・拡充 ビール瓶・空き缶などの資源ごみを効率よく回収するための市民によるリサイ クル活動の支援、公共事業資材へのリサイクル商品の積極的活用 ・サンレイク、ゴビウスなど宍道湖周辺エリアの研修・学習機関との連携 促進 宍道湖西岸の環境学習施設の充実および環境教育・啓発活動の推進、自然 環境調査研究の実施 ・環境学習・活動、住民活動への支援協力 地域における環境学習の推進 (3)広域幹線道路 の整備 ・出雲−平田間の幹線ルートの整備 地域高規格道路「境港出雲道路」の一部として国道 431 号東林木バイパスの 整備促進と東林木バイパス以東の早期ルート決定、【県】出雲平田線の改良 整備 ・河下港−出雲空港−山陰自動車道を結ぶアクセス道路の整備 【県】寺町瑞穂大橋線、いとがわや橋改良事業、西代城の前線などの整備、 河下港→斐川インター線、斐川一畑大社線の整備 ・平田−松江間ルートの整備 - 22 - 大型農道の整備 (4)河下港整備 ・五千トン岸壁と沖防波堤の整備 【県】河下港改修事業、河下港港湾環境(緑地工施設)整備事業 ・河下港−隠岐の定期航路開設への支援 (5)交通対策 ・新交通ネットワーク構築における平田生活バスの継続と活用 (6)企業誘致の ・雇用の場の創出 推進 東部工業団地や河下臨海工業団地への水素関連企業の誘致および河下港 の整備促進 (7)観光振興 ・特産品や観光情報をインターネットや CATV を活用し地域内外へ発信で きるシステムの構築 ・県観光連盟と共同による全国への広域観光宣伝 観光協会およびイベント団体補助(河下盆踊り、弁慶まつりなど) ・各拠点の宣伝およびルート案内板設置(サイン計画)、案内パンフレッ トの作成 歴史探訪ルートとして史跡マップを作成するなど、広域観光ルートを構築 ・UI ターン希望者が田舎暮らしを体験できる滞在型施設の整備 ・各種の観光施設の環境整備 鰐淵寺、河下海水浴場などの清掃 ・自然資源をフルに活用した体験型観光の整備 中山間地、海岸部の特性を活かしたコミュニティビジネスの推進 ・学校(修学)旅行の誘致 ◆ 地域自らが実践する取組み (1)新エネルギー ・風力発電施設など新エネルギー関連施設の建設(民間事業者) の活用 ・新エネルギー利用技術の研究開発、製品化(民間事業者) ・一般家庭での燃料電池設置の普及 ・新エネルギーに関する啓発活動参加 (2)リサイクル・ 環境保全 ・廃食油の燃料化に対する意識向上、廃食油の回収に積極的に協力 ・一般家庭でのリサイクル、ごみ減量化などを推進し、地域ぐるみで環境 施策へ協力 ・鋳物廃棄物などを活用したリサイクル商品の開発(民間事業者) ・環境学習・活動への積極的な親子参加 ・小学生やボランティア団体による宍道湖へのヨシの栽培 ・カジカガエルの観察研究による猪目川の環境保全(猪目分校) ・サケの飼育放流による唐川川の環境保全(鰐淵小学校) (3)広域幹線道路 ・整備促進のための組織強化 の整備 (4)河下港整備 ・河下港高速船就航への受け皿作り - 23 - (5)交通対策 ・一畑電車、生活バスの積極的な利用 (6)企業誘致の ・行政に対する積極的な企業情報の提供 推進 (7)観光振興 ・弁慶祭り、河下盆踊り大会、弁慶うぉーくなどの地域イベントの実施、 参加、協力など ・地域の名産品の場所、販売方法、地域イベント、手作り工房紹介など、 季節ごと MAP を住民が主体となって作成 ・地域環境の整備とマナーアップ作戦の展開、ごみゼロ社会の実現による 「きれいな地域づくり」 ・海のレジャー産業開発 ・農業漁業体験学習や観光農園の整備 ・唐川新茶まつりなど地域特産品を生かしたコミュニティビジネスの展開 新緑の唐川で毎年実施される新茶まつり バイオマス・ガス化プラント 〔イメージ〕 弁慶伝説が伝わる鰐淵寺で開催される 「武蔵坊弁慶まつり」 - 24 - [∼まちづくり編∼] Ⅳ.中ノ島商業集積地−木綿街道−商店街等を核とした 東部都市拠点づくり 1.まちづくりの目標・方針 中ノ島商業集積地、木綿街道、本町や市場など既存商店街等を新市の東部都市拠 点の核として位置づけ、商業活性化、観光客誘致などを行いながら住民活動を中心 とした中心市街地の賑わいを創出していきます。 特に、昔の面影を残す「木綿街道」は、中ノ島温浴施設等と本町商店街の結節点 に位置し、その歴史的街並みの保存と活用が双方の交流を活発にし、中心市街地エ リアの充実において重要な役割を担うことから、木綿街道交流館や空き家を活用し ながら、各種イベントの実施や特産品の販売などにより中心市街地の賑わいを創出 します。 また、平田本陣記念館や愛宕山公園など、環状線の外に向かっても歩きながらゆ ったりと街並みが体感できるよう、沿線に特産品市場などを整備した遊歩道を整備 し、中心市街地の賑わいを広げていきます。 2.まちづくり活動の構成 ◆ 行政に期待する取組み (1)平田環状線 ・県外客に対する平田環状道路からの誘導看板や史跡看板の整備 の整備 (2)宅地開発 ・豊かな居住環境に囲まれた住宅(団地)づくり 牧戸住宅、西郷団地の整備など ・自然環境や交通条件を活かした優良な宅地開発や住宅団地の整備促進 (3)愛宕山公園 の整備 ・愛宕山公園利用増進のための環境整備など 階段や樹木の手入れなど利用促進のための環境整備と中ノ島商業集積地へ のアクセス整備 (4)中心市街地 の活性化 ・出雲大社(国道 431 号)−山陰自動車道斐川 IC−出雲空港への中心市 街地からのアクセス道路の整備 ・自家用車での観光、買物などに対応できるよう現在の車道、歩道への駐 車スペースの設置 ・中ノ島温浴施設付近への平田一式飾の設置および地域伝統芸能が定期的 に開催できる舞台の設置 一式飾り競技大会、技術伝承など ・木綿街道イベントなど地域の魅力を住民が主体となって PR していく地 域活性化イベントへのさらなる支援 - 25 - 木綿街道エンジョイウィーク・交流イベント、酒文化と神楽による中ノ島ゆらり・ ぶらりへの観光客誘致イベント、平田まつり、七夕仮装船行列、花火、コンサ ートなどへの支援、温泉ゆらりを核に健康と美容という観点から全国規模の女 子ハーフマラソンを誘致 (5)商工業の 活性化 ・空き家を利用した無料休憩所の設置または空き家改装に伴う補助制度の 充実と空き民家情報のUIターン希望者への情報提供 地域商工業活性化補助金ほか (6)景観の保全 ・湯谷川沿岸の居住空間と景観づくり ・景観と環境が調和した街並み・川並みづくりの推進 片原・新町界隈の街並みおよび灘町周辺の川並みの環境整備 ・年数を重ねて地域の街並みや歴史になじむような建造物などに対するま ちづくり景観賞の創設 ◆ 地域自らが実践する取組み (1)平田環状線 ・沿道の環境美化への取組み の整備 (2)宅地開発 ・行政機関への情報提供 (3)愛宕山公園 ・平田本陣記念館や愛宕山と中心市街地を結ぶウォーキングコースの開発 の整備 と環境整備 ・川や湖とかかわりがあるウォーキングコースの設定 (4)中心市街地 の活性化 ・商工会議所(TMO)による中心市街地活性化事業の推進 ・無形民俗文化財「平田一式飾」の保存継承 ・木綿街道観光ボランティアガイドの養成 ・木綿街道地区のゆるやかな住民協定の締結 ・木綿街道沿いの古い町屋の街並みに調和した復元や改修により、自然素 材を使用した古民家再生への取組み ・町の歴史勉強会 ・歴史に残る木綿街道の三・八市の復活などイベントへの取組み ・神楽などの伝統芸能を継承する団体の積極的な参加 ・七夕仮装船による祭りへの参加、イベントスタッフ参加 (5)商工業の 活性化 ・市場、北本町、南本町の3商店街が連携した販促事業の実施 ・商店街の事業主を中心とした活性化対策協議会の設立 ・デザイン専門学校生などとの連携による古民家再生(美術工芸作品展示 場など)や商品、パッケージデザインの共同開発 (6)景観の保全 ・街並みや川並みの学習、環境美化活動の実施 - 26 - [∼まちづくり編∼] Ⅴ.総合医療センターを核とした保健・福祉・医療が 一体となった福祉拠点づくり 1.まちづくりの目標・方針 総合医療センターと健康増進、福祉推進関係施設との緊密な連携により、高齢者・ 障害者を地域全体で支えることのできる福祉拠点を整備し、住民の福祉ボランティ ア活動などの力を得ながら、保健・福祉・医療が一体的となった誰もが元気で安心 して暮らせるまちづくりをめざします。 また、住み慣れた地域で住民が相互に支えあえるふれあいのある地域社会を実現 するため、在宅での暮らしを支援する福祉サービスの充実や、住民の社会福祉活動 の組織化などにより地域福祉の推進を図っていきます。 2.まちづくり活動の構成 ◆ 行政に期待する取組み (1)福祉拠点 の整備 ・総合医療センターを中心とする保健・福祉・医療の拠点づくり 総合医療センターの機能拡充にあわせ、健康増進機能、福祉推進機能をも つ拠点施設の整備による高齢者・障害者を地域全体で支えることができる体 制の整備 ・総合医療センターの機能拡充 電子カルテシステムの導入、総合リハビリテーション機能整備、病棟・総合検 診センター施設整備など (2)地域福祉 の推進 ・地域の高齢者をそれぞれの地域で支えるための支援制度の創設、福祉サ ポーター養成のための行政支援 お年寄りの一人暮らしや老夫婦のみの世帯を地域の人たちでお互いに支え あう「市民総ヘルパー体制」の創設 ・CATV、インターネットの活用により保健・福祉・医療に関する情報を 家庭で入手でき、在宅で健康相談ができるネットワークシステムを構築 市民からの介護や福祉についての制度のお知らせや在宅で各種相談が受け られるよう CATV ネットワークを活用したシステムの導入 ・社会福祉協議会や老人クラブ、NPO 法人との連携による地域福祉の支援 機能の充実 (3)高齢者福祉 の推進 ・高齢者への緊急通報体制の充実 現行の緊急通報システムの広域対応化。消防本部に直接連絡が入るようなシ ステムへと変更することによる24時間安心体制の確立 ・高齢者福祉施設の整備 - 27 - 介護老人福祉施設、痴呆性老人デイサービスセンター ・介護予防事業として、田舎流デイサービスやお茶の間バスなどの継承お よび充実 ・介護予防サービスや地域リハビリテーションの推進、マネージメント機 能の強化などによる介護予防の充実 在宅介護支援センターの運営、介護予防教室の実施など ・高齢者の生きがいと健康づくり 老人クラブを中心に、お年よりの知識と経験を生かせる仕組みづくりの構築と そのための支援、老人クラブの育成、ニュースポーツを通じた高齢者の健康 増進 (4)障害者福祉 の推進 ・障害者グループホームの整備 共同作業所、通所授産施設などの整備による障害者の地域における自立支 援 ・障害者福祉サービスの充実 ミニデイ・福祉バス (5)健康対策 ・総合医療センター、島根大学医学部、島根看護短大と連携し、予防医療、食 育を通しての住民健康意識の向上 成人保健事業の推進、食育を通じた健康事業の推進 ・がん検診、人間ドックなど住民が健康診査を受けやすい検診とフォロー 体制の整備 ・健康の保持増進のために生活の中に運動が定着するよう支援 中高年を対象とした生活運動習慣の定着、フィットネスボランティアの養成 ◆ 地域自らが実践する取組み (1)福祉拠点 ・民間医療機関との連携強化 の整備 (2)地域福祉 ・福祉サポーター(ボランティア)の養成 の推進 (3)高齢者福祉 の推進 ・高齢者の持つ豊富な知識と経験による地域子育て支援への参加 ・介護研修の実施 ・老人の知識と経験が発揮できる分野への積極的な活動参加 ・独居高齢者への訪問活動の実施 ・災害時における高齢者避難誘導体制の構築 (5)障害者福祉 ・地域における障害者支援 の推進 (6)健康対策 ・検診の推進(受診率の向上) ・地元特産品を生かした食育への取組み ・スローフードへの取組み - 28 - ・健康づくり運動の展開(食生活など) ・生活に運動が定着するような機運の向上 総合医療センター お茶の間バス - 29 - 水素ステーションの建設 平田地域まちづくり計画イメージ図 ・新エネルギー研究開発、製品化 ・公用車、市営バス、病院その他公共施設や 住宅、街路灯への燃料電池、太陽光発電の導 入 など 地合漁港 坂浦漁港(小伊津分港) ● ● 小伊津漁港(本港) ● 日 本 海 三津漁港(小伊津分港) ● 新出雲風力発電所の誘致 ・漁村コミュニティビジネス ・環境型公園・学習施設の整備 の推進(朝市など) ・宿泊施設や UI ターン希望者向 ・道路河川等周辺環境整備 ・伝統芸能保存、継承 など け滞在型施設の整備 ・半島道路の整備と山林活用 など ●一畑薬師 東部工業団地への水素関 斐川一畑大社線 唯浦漁港 ● 塩津漁港 釜浦漁港 ● ・中山間コミュニティビジネスの推進 連企業の誘致、木質バイ オマス・ガス化プラント の設置 など (野菜、果物、竹炭など) ● 小伊津港線 ・道路河川等周辺環境整備 ・伝統芸能保存、継承 など ●東部工業団地 島根ゴルフ倶楽部 ● ● サンレイク 東部都市拠点の核づくり ●伊野灘港 ・中ノ島商業集積−木綿街道−既存商店街 ・河下港の整備促進 ● 十六島漁港 ・河下臨海工業団地への 水素関連企業誘致 ・河下港−隠岐定期航路 開設 など の活性化 ●境川漁港 ・空き家、空き店舗活用の推進 十六島直江停車場線 河下港 ● 設の充実 ・木綿街道のゆるやかな住民協定の締結、 平田船川 古民家再生、街並み保存、ボランティアガ ・優良な住宅(団地)の造成 ・環境教育・啓発活動の推進 ・自然環境調査研究 など 国道 431 宍 道 湖 湯谷川 中ノ島商業集積 鰐淵寺線 ● 猪目漁港 ● 宍道湖自然館ゴビウス ● 湖遊館 イドの養成 ・平田本陣、愛宕山へのウォーキングコー ス開発 など 斐川一畑大社線 ・宍道湖西岸エリアの環境学習施 ・一式飾等伝統芸能の保存継承 ● 木綿街道 斐 伊 川 ● ・中山間コミュニティビジネスの推進 (竹炭、唐川茶など) ・道路河川等周辺環境整備 ・シカ等被害対策 ・伝統芸能保存、継承 河下港−平田市街地−出雲空港への アクセス道路整備 ●総合医療センター など 平田荘原線 十六島直江停車場線 ●鰐淵寺 出雲平田線 地域高規格道路「境港出雲道路」の建設促進 山陰自動車道 斐川ICへ ・東林木以東のルートの早期決定 ・河下港∼山陰自動車道アクセス道路の建設促進 福祉拠点整備 ・総合医療センターを核とした保健・福祉・ ● 出雲空港 医療の拠点づくり ・市民総ヘルパー体制の構築 ・健康福祉フェスティバルの開催 ・田舎流デイサービス、お茶の間バスの充実 ・福祉サポーター(ボランティア)の養成 ・健康づくり運動の展開 ・元気老人の活躍の場づくり など 大阪へ60分 東京へ100分 - 30 - - 30 T 5.平田地域協議会の取組状況 月 日 項 目 内 平成 17 年 第1回平田地域協議会開催 4月 7日 容 ① 概要説明 ②正副会長選出 平田支所 会長:常松吉幸 副会長:河瀬京子 5月 23 日 コミュニティ団体による地域 各地区自治協会および公民館へ調査 活動等調査 6月 場所等 平田支所 依頼 2日 第1回地域協議会連絡会議開 市長概要説明 本庁 催 6月 10 日 地域協議会委員への意見照会 地域協議会委員に対し、 「平田地域活 平田支所 性化のための要望事項」を聴取 7月 22 日 第2回平田地域協議会開催 まちづくり計画についての概要説明 平田支所 および地域課題・要望について意見 交換 7月 28 日 まちづくりイメージ調査 地域協議会委員に対し、 「まちづくり 平田支所 イメージ」を聴取 8月 10 日 第2回地域協議会連絡会議開 市長・支所長、正副会長 大社町 催 8月 12 日 第3回平田地域協議会開催 9月 地域課題、要望およびまちづくりイ 平田支所 メージについての意見交換 5日 まちづくり計画案に対する意 地域協議会委員に対し、事務局で作 見聴取 平田支所 成したまちづくり計画案に関する意 見を聴取 まちづくり計画案について意見交換 平田支所 9月 13 日 第4回平田地域協議会開催 9月 21 日 まちづくり事業要望調査 まちづくり計画の達成に向けた個別 平田支所 事業の調査(委員、支所各課) 10月 6日 第5回平田地域協議会開催 まちづくり計画案について意見交換 平田支所 (事業調査) 10月19日 第6回平田地域協議会開催 グランドデザインについての意見聴 平田支所 取 10月27日 正副会長会議 グランドデザインの意見書協議 10月31日 グランドデザイン意見書提出 11月25日 第7回平田地域協議会開催 平田支所 本庁 ・グランドデザイン意見結果報告 ・まちづくり計画の最終校正 12月 2日 第3回地域協議会連絡会議開 平田地域まちづくり計画提出 催 - 31 - 平田支所 本庁 6.平田地域協議会委員名簿 会 長 常 松 吉 幸 財)平田体育・公園・文化振興財団理事 副会長 河 瀬 京 子 元平田市公平委員会委員長 委 荒 木 国 夫 西田地区自治協会長 〃 遠 藤 防 子 元平田市教育委員 〃 大 島 治 平田商工会議所会頭 〃 岡 名 誉 久多美地区自治協会長 〃 落 合 孝 悦 平田市漁業協同組合参事 〃 金 森 興一朗 佐香地区自治協会長 〃 金 森 利 吉 檜山地区自治協会長 〃 川 瀬 英 出雲市社会福祉協議会事務局長 〃 河 原 基 平田消防団団長 〃 高 砂 明 弘 国富地区自治協会長 〃 高 橋 和 美 元平田市民合併協議会委員 〃 錦 織 明 吉 鰐淵地区自治協会長 〃 西 谷 正 文 元平田市教育委員長 〃 原 田 清 造 平田地区自治協会長 〃 原 田 ゆきえ 元平田市民合併協議会委員 〃 平 田 明 子 前ひらたネットステーション代表 〃 福 田 雄 一 東地区自治協会長 〃 牧 野 昭 雄 NPO法人ひらたスポーツ・文化振興機構理事長 〃 三 島 義 弘 平田地域自治区土木委員会会長 〃 三 代 晴 美 JA いずも常務理事 〃 矢 田 義 規 平田老人クラブ連合会会長 〃 山 口 弥 社)平田青年会議所理事長 〃 山 崎 興 伊野地区自治協会長 〃 湯 浅 昇 灘分地区自治協会長 〃 渡 部 勇 北浜地区自治協会長 員 ■事務局 義 平田支所 理 事 加 田 幹 男 平田支所理事 次 長 野 津 建 一 平田支所次長(税務課長取扱) 課 長 秋 国 英 雄 地域振興課課長 課長補佐 持 田 俊 司 地域振興課課長補佐(地域振興係長取扱) 副主幹 小 村 真咲美 地域振興課地域振興係 主 任 山 稔 之 地域振興課地域振興係 副主任 岩 拓 地域振興課地域振興係 副主任 岡 敬一郎 地域振興課地域振興係 [退任] 本 平成 17 年5月まで 西尾美紀委員(前:西田地区自治協会長)、岩成喜好委員(前:伊野地区自治協会長) - 32 - 平成17年12月 平田地域協議会事務局 平田支所地域振興課 地域振興係 電話(0853)63-5508