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電気刺激装置を使ったりハビリ 筋肉への信号を増幅する 「アイビス」が
岡島康友 れている。 本体の大きさは手のひら大程度で、約 3 00g。 もう一度動かしたい リハビリの最新情報 おか じま ・やすとも 195 5年 生 ま れ 回 年底廊義盛大 リテーシ ョン 杏 林 大 学 医 学 学医学部卒業。 専門はリハ ビ 部 付属 病 院 リハビリテ ーシ ョ の電気信号が増強され、 ン科 ( 市新川6 東京都三剛山 ' ms 肉を動かす。繰り返すう 2) て増幅し 、動かしたい筋 以前から行われてきた、電気を利用する 。 リハビリ ψに加え 、 最近 、新しいタイフの電気刺激装置が注目されています。 本体 なった電気信号を感知し 激装置﹂は 、 麻 鮒 のある 部 位に一定期間、 一定日の電気を流して筋肉を刺激します。 ﹁ 磁 気 刺 激 装 置 ﹂ は、電流によ って発生 した総気 を頭に中 Jてて 、頭 報 什 越 し に 脳 の長而を桜 っている ﹁ 大 脳 皮 質﹂ を刺激 屯気刺激装院を使 ったリハビリ 筋肉への信号を増幅する ﹁ アイビス ﹂が注目されている ﹁ 脳 宇 中﹂ などが起こると 、 その後退佐 'u するものです。 よ 、 アイビス こ で、通称﹁IVES ( 以ド キ 屯制御屯気刺激装世﹂という析しい装川也 そして、円以近注目されて いるのが﹁筋 で手や脚に・桝抑が伐ることがあります。 -桝抑の回復にはリハビリテーションが垂 医療現場では電気を使ったい ろ 裂で、 そのト刀法はさまざまです。 古川H 羽 MV 包僅 神経のネ ットワークの混 対 以fJ21:j i 号が伝わったりする 。そ ー : 、 肉が動く 。 と呼ばれています。 一部の医療機関では、 ることで、動かしたい筋 いろな装置がリハビリテーションで前用 なって、動かし たい筋肉 2008年から使用されています。 という指令が電気信号と さ れ て い ま す 。例えば、 ﹁低周波電気刺 アイピスの働き 弱くなった信号を増幅して φ 動 かした い筋肉 +を動かす 体を動かすとき、脳からはク動け 。と いう指令が 、動かしたい筋肉に送られま す 。指 令は、電気信号として神経を通り、 筋肉に伝えられます。 それに よ って 、筋 肉が収縮して体を動かします。 麻痩がある状態とは 企V 脳が障害を受けると、電気信号を伝え 乱は徐々に消滅するとさ アイビスは、 本体、コード、 3つの電極から成る。 別の筋肉 る州 経 も 障 害 さ れ ま す。すると、屯気信 号が弱くなったり、神経のネットワ ー ク が混乱して別の筋肉に電気信号が伝わっ たりします。その結果、動かしたい筋肉 が動きにくい 、動かないなどの麻抑となっ て現れます。 -アイピスを使用すると アイピスは、筋肉への弱くなった屯気 信号を拾い、筋肉を動かすことができる 脳から出された“動け" アイビスは筋肉への弱く 54 き ょ うの健康 55 怯さにまで明帆して筋肉に伝えます。 アイビスによ って動かし たい筋肉を繰 り返し動かすことで、脳から動かしたい -健康な人の場合 2009. 5 2 0 0 9 . 5 きょうの健康 ちに、動かしたい筋肉へ 出 日 タ マ 軍1 . のため、動かしたい筋肉 が動かしにくか ったり、 動かなくなる 。 初 〈 別の筋肉 混乱する 気信号が弱くなったり、 神経のネットワ ークが混 j 動かしたい 白 目 Iß I~ ¥ 1/ 乱 して別の筋肉に電気信 筋肉ぷ司、h 神経が障害されると、電 の 脳や、電気信号を伝える ・脳卒中などで麻癒がある人の場合 ; 〈初\~ に伝わり、筋肉が収縮す 筋肉 . i1<!..... 1 I I I I I f l IBn~ 動くて-J ~I 動かしたい 出 目 ・ 司│ 目 弘 に 動作の仕組みとアイピスの働き * I nte gr atedVol i t i onalcon t r o lE lec tr i c alSt imul at o r の路。 筋肉への電気信号が増強され、 動かしゃ すくなることがあります。混乱していた 神経のネットワークも、徐々に消滅した り、電気信号が動かしたい筋肉へと伝わ るように整理されていきます。 アイビスの使用日的と方法 アイビスを外しても、ある程度 同じ動きができる状態を目指す 筋肉や神経が鍛えられて、アイピスを 使わなくてもある程度動くようになれば、 アイピスを使用せずにリハビリテーショ ンを継続します。そして、さらなる回復 を目指します。 アイピスを使用したリハビリテl て、電源を入れた状態で動かします。 一般 噌﹄、 アイピスは入院して使うほか、自宅で う感度や増強する強さを忠者さんの状態 体を動かすことは、リハビリテーション この装置は、主に手のリハビリテーシ に合った適切なレベルに調整していく必 使用することも可能です。ただし、医療 ョンを目的として使則します。予に用い 要があります。そのため、自宅で使用す を続ける意欲の向上にもつながります。 る場合は、動かしたい筋肉の上に、プラ る場合も、定期的な受診が欠かせません 。 国立病院機構村山医療 センター 臨床研究センター{室長 工学博士 村岡慶裕 スとマイナス、感電しないように電気を (印歳代前半・男性) アイビスは、脳卒中の発症から 6か月 以内の、なるべく早期に使用したほうが、 効果が大きいと考えられます。しかし、 臨床治験においては、回復が難しいとさ れていた発症後6か月以上の患者さんで、 アイピスを使用して麻癖が改善した例も 約叩例ありました。今回はそのような例 をご紹介します。 した Aさんは、アイビスを使ったリハビ リテ ーションを開始しました。作業療法 士の指導の下で、アイビスを使って、毎 日朝と夕方の叩分間ずつ、右手 でプラ ス チック製のコップをつかんで移動したり、 木の棒をつかんで穴に差し込むなどの訓 練を行いました。 アイビスを使ったリハビリテー ショ ン の開始から、 2 週間後には手指 の屈伸運動にか かった時間が約 旧秒になり、 4 週間後には約8 秒 、 6週間後に は約7秒と改善 していきました。 6か月前に脳梗塞が起こり、 右手に麻痩が残ったAさん また、電極を決まった位置に正しく貼る 機関にある専用の装置で、電気信号を拾 シヨンは、1か月間ほど集中して試します。 常時使用することも可能。 逃がす﹁アlス﹂の3 つの電極を貼りつけ 。どのように使用するのか また、アイビスを使って思いどおりに 姑る 。本体はベルトなどに掛けることができるため、 ※この内容はさまざまな事例を参考に作成した例であり、特定の事例を取り上げたものではありません。 l し1 条件となる。アイビスがうまく適用できても、それに アイビスの使用には、筋肉への電気信号があることが よる麻擁の回復の効果には個人差がある。 今後の 普及が期待されます。 の忠者さんの麻布伴を改善するためにも、 とし て開発されましたが、-人でも多く います。 アイピスは、麻ぃ抑 の回復をH的 まざまな装置の 研究、開発が進められて 患者さんの安望に応えられるように、さ 現在、アイビス以外にも、防害のある 門とする医療機関で相談してください 。 場合は、近くのリハビリテ ーションを専 を使 ったリハビリ テーションを希望する 医療機関で行われているので、アイピス 治療は、リハビリテーションに特化した 非常に限られ て います 。通常、こうした ないので、治療が受けられる医療機関が しかし、アイピスは市販化されて問も ションにも健康保険が適用されます。 あれば、 アイピスを使 ったリハビリテー 適 則 さ れ ま す 。 も ち ろ ん、この期間で 体に、発症後間日以内までは健康保険が 脳卒中の場合、リ ハビリテ ーション自 きるといえます。 には個人差があります ( 右 の 表 参 照 一 。 ) ルえ層﹂、 麻枠が比較的軽い人や脳卒中の発 白河' u 症から間もない人などは、 効果が期待で さない場合があり、 適する場合でも効果 アイピスには、使用が迎する場合と適 アイビスの対象と効果 筋肉への電気信号がある人や 麻揮が比較的軽い人などが対象 ことを学ぶ 必要もあります。 ・筋肉への電気信号 │・ベースメ ーカーや がある │ 植え込み型除細動 器を使用している -麻揮が比較的軽い 麻揮が比較的重い -発症からあまり 時闘がたっていな リハビリ ψ法が登場 筋肉への電気信号を増幅するアイビスを使った ク Aさんは、 6か月前に脳梗塞を発症し、 その後遺症で右手に麻癖が残りました。 右手の麻痩は、手指の屈伸運動を繰り返 すと、同時にほかの筋肉も動いてしまい、 ぎこちなくなるというものでした。この とき、手指の屈伸運動を旧回繰り返すの にかかった時聞は、約百秒でした。 リハビリテーションの専門病院に転院 適さない場合 │ 適する勺合 56 ょ う の健康 2009. 5 き I2009.5 57 きょうの健康 本体から出ている 3つの電極を動かしたい筋肉の上に