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資料1 平成21年度に重点的に推進すべき研究開発
平成21年度に重点的に推進すべき研究開発について(案) ① 計算科学技術の飛躍的発展による研究開発の革新 ○次世代スーパーコンピュータの開発・利用 世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」の開発・整備 及びこれを最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及等を総 合的に推進する。 ○イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの 研究開発 産業界のニーズに的確に対応した複雑・大規模シミュレーション ソフトウェアの研究開発を行う。 ③ 世界トップレベルの基礎研究シーズの実用化への橋渡し ○高機能・超低消費電力コンピューティングのためのデバイス ・システム基盤技術の研究開発 IT機器の高機能化と低消費電力化の両立を可能とする、革新的なス ピンデバイス及び大容量・高速ストレージ基盤技術の研究開発を行う。 ○高信頼ソフトウェアの技術開発プログラム 大規模・複雑化しているシステムの信頼性を高めるため、革新的な基 盤ソフトウェア開発を行う。 ・ソフトウェア構築状況の可視化技術の開発普及 ソフトウェアが適正な手順で構築されているかを把握可能とす るソフトウェアタグの開発・普及を行う。 資料1 ② 情報科学技術を用いた科学技術・学術研究の基盤構築 ○情報基盤戦略活用プログラム 数多くの研究機関に分散する計算資源やWeb上に分散する 情報を融合させ、研究等に効率的に利用することを可能と するための基盤技術開発を行う。 ・e-サイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェア の研究開発 規模や処理能力が異なるコンピュータを組織や階層をまた いで利用可能とするシステムソフトやグリッドソフトの研究 開発を行う。 ・革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフ ト ウェアの開発 情報爆発時代における超巨大情報の戦略的活用を可能 とする、新たな原理に基づく超高性能データベース基盤ソ フトウェアの研究開発を行う。 ・ Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発(新規) Web上の情報(動画、画像等)を効率よく収集・分析し、 研究等に活用するための基盤技術開発を行う。 ④ 次世代を担う高度IT人材の戦略的な育成 ○先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム ○デジタルミュージアムの実現に向けた研究開発の推進(新規) 文化等を五感でインタラクティブに鑑賞・体験するシステムを構築する ための技術の研究開発を行う。 世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを 有し、企業等において先導的役割を担う人材の育成拠点 形成の支援を行う。 1 「次世代スーパーコンピュータ」プロジェクト 目的: 目的: 世界最先端・最高性能の次世代スーパーコンピュータの開発・整備及び利用技術の開発・普及 世界最先端・最高性能の次世代スーパーコンピュータの開発・整備及び利用技術の開発・普及 概要: 概要: 理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつある計算科学技術をさらに発展させるため、 理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつある計算科学技術をさらに発展させるため、 長期的な国家戦略を持って取り組むべき重要技術(国家基幹技術)である「次世代スーパーコンピュータ」を平成22年度の 長期的な国家戦略を持って取り組むべき重要技術(国家基幹技術)である「次世代スーパーコンピュータ」を平成22年度の 稼働(平成24年の完成)を目指して開発する。 稼働(平成24年の完成)を目指して開発する。 今後とも我が国が科学技術・学術研究、産業、医・薬など広汎な分野で世界をリードし続けるべく、 今後とも我が国が科学技術・学術研究、産業、医・薬など広汎な分野で世界をリードし続けるべく、 (1)世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ (1)世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ (注) (注) 」の開発・整備 」の開発・整備 (注) (注) 10ペタFLOPS級 10ペタFLOPS級 (1ペタFLOPS:1秒間に1千兆回の計算) (1ペタFLOPS:1秒間に1千兆回の計算) (2)次世代スーパーコンピュータを最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及 (2)次世代スーパーコンピュータを最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及 (3)上記(1)を中核とする世界最高水準のスーパーコンピューティング研究教育拠点(COE)の形成 (3)上記(1)を中核とする世界最高水準のスーパーコンピューティング研究教育拠点(COE)の形成 を文部科学省のイニシアティブにより、開発主体(理化学研究所)を中心に産学官の密接な連携の下、一体的に推進する。 を文部科学省のイニシアティブにより、開発主体(理化学研究所)を中心に産学官の密接な連携の下、一体的に推進する。 さらに、施設の利用・促進のあり方として、戦略的な利用等を推進する。 さらに、施設の利用・促進のあり方として、戦略的な利用等を推進する。 (1)研究開発 システム ソフトウェア ○平成20年度事業内容 ・LSI、基板、冷却部等の論理設計 及び物理設計 ・共有ファイルの詳細設計を実施 等 ・LSI、基板、冷却部等の設計を完了し、試作、評価を開始 ・共有ファイルの詳細設計を完了し、そのソフトウェア部分の 製作に着手 等 ・グランドチャレンジアプリケーション の研究開発を実施 ・グランドチャレンジアプリケーションの研究開発を引き続き 実施 ・計算機棟の建設の本格化 ・研究棟の設計を完了し、建設に着工 (2)利活用の検討 建屋の建設 利活用 ○平成21年度事業内容(予定) ・次世代スーパーコンピュータ作業部会 において共用のあり方について検討 ・計算機棟、研究棟の建設を引き続き実施 ・ 戦略プログラムの検討(新規) ・ フォーラムの開催(新規) 2 開発スケジュール 平成18年度 (2006) 平成19年度 (2007) 平成20年度 (2008) 平成21年度 (2009) 平成22年度 (2010) 平成23年度 (2011) 稼動▲ 演算部 (スカラ部、ベクトル部) 概念設計 詳細設計 詳細設計 試作・評価 平成24年度 (2012) 完成▲ 製造・据付調整 製造・据付調整 システム 制御フロントエンド (トータルシステム ソフトウェア) 基本設計 基本設計 共有ファイル 基本設計 基本設計 アプリケーション) グ(ランドチャレンジ ソフトウェア 次世代ナノ統合 シミュレーション 施設 研究棟 製作・評価 詳細設計 詳細設計 実証 実証 開発・製作・評価 開発・製作・評価 設計 設計 性能チューニング・高度化 性能チューニング・高度化 製造・据付調整 製造・据付調整 開発・製作・評価 開発・製作・評価 次世代生命体統合 シミュレーション 計算機棟 詳細設計 詳細設計 実証 実証 建設 建設 設計 設計 建設 建設 3 次世代IT基盤構築のための研究開発 イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発 課題: (平成20年度予算額 500百万円) 平成20年度~24年度 平成17~19年度に実施した「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発プロジェクト」等においては、大学が有する各種ソフトウェアを活用し、産学連携による研究開発 により戦略的基盤ソフトウェアを数多く輩出してきた。一方、これら大学等の有するソフトウェアはイノベーションを起こす種として、産業界等からの期待が依然強く、イノベーショ ン創出に直結するものづくり分野を中心にシミュレーションソフトウェアの研究開発を行うことが求められている。 研究開発の概要: 研究開発の中核となる機関を中心に、緊密な産学連携体制を構築し て、ものづくり分野を中心とした、高性能・精緻化した最先端の複雑・大 規模シミュレーションソフトウェアの研究開発を行う。 [ソフトウェアの研究開発] ソフトウェアの 革新的性能向上 ・ 既存ソフトより選定 具体的には、大学等のシーズの活用に加えて、産業界からのニーズ に対応した研究開発を行う。産業界のニーズを反映する ために、人材の派遣やソフトウェアの仕様の共同作成、実証実 験の実施など、研究開発の全過程を通じて、産業界の関与を明確化し た研究開発を行う。 なお、作成したソフトウェアについては、最終的にはフリーソフトウェア として、広く一般に公開する。 研究開発体制: ・ 年間数本程度 独創的ソフト ウェアの開発 ウェアの開発 ・既存ソフトの高度化・メンテナンス ・ 全国の大学・独法・企業等か らシーズを集約 ・コミュニティの形成 ・商用ライセンスの積極的付与 ・ 産業界の意向を踏まえた選定 ・講習会・成果発表の実施 ・ 年間数本程度 人材育成 超高速計算機等 [利活用・普及] ※プロジェクト終了後の拠点機能維持・管理 体制について検討する。 (コンソーシアムの形成 ・ライセンス料の徴収等) 信頼性の高いソフトウェアの開発(最終的にはフリーウェアとして広く公開) 新幹線周りの 空力騒音減解析 自動車の非定常空力解析 ガスタービン燃焼器の 燃焼解析 公募により中核となる機関を選定し、5カ年間実施する。 <7/14~8/15の期間公募を実施> 実用化に向けた取組み: (1)ソフトウェアの開発 ○独創的ソフトウェアの開発 応募申請時に、中核機関の候補が、大学、独法、企業等の有するソフトウェア資産を広く調査し、産業界のニーズと産業イノベーションの効果、科学技術上のインパクトやソフトウェア のフリーウェアとしての提供可能性等を考慮しつつ開発すべきソフトウェア候補を提案することで、産業界のニーズを反映したソフトウェアの開発を推進する。 ○ソフトウェアの革新的性能向上に係る研究開発 上記に加え、開発すべきソフトウェア候補を提案する際の視点として、超高速計算機等での活用可能性を重視する。 (2)ソフトウェアの利活用・普及 ○本施策で開発するソフトウェアについては、ユーザーの獲得・形成に向けて、開発したソフトウェアに関する講習会や成果発表等の開催等の取組を実施する。 ○CREST等の既存プロジェクトで開発してきたソフトウェアのうち、本施策の対象とならなかったものについては、中核機関にソフトウェアのメンテナンス体制を構築し、 産業界での利活用・普及を継続するための取組を実施する。 ○プロジェクト終了後のソフトウェアの維持・管理体制の構築に向け、安定的運営体制の確立方策について検討する。 4 次世代IT基盤構築の ための研究開発 e-サイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェア の研究開発 平成20年度予算額 340百万円 平成20年度~23年度 課題: ① 研究室レベルのPCクラスタ、大学・研究機関等のスーパーコンピュータ、次世代スーパーコンピュータといった様々なコンピュータからなる重層的な環境において、より処理能力 の高いコンピュータを活用しようとした場合に、アプリケーションプログラムの書き換え等が必要となり、スムーズな移行が困難である。 ② 異なる組織や遠隔地の研究者が、データやソフトウェアを共有して共同研究を行おうとする場合に、PCクラスタやスーパーコンピュータ等の間のデータ共有やコンピュータの効率 的かつ柔軟な活用等が求められている。 研究開発の概要: e-サイエンス基盤(ITを活用した科学技術の研究開発のための計算科学基盤)を実 現し、全国に分散する様々なコンピュータを、ユーザがそのニーズに応じてシームレス に利活用することを可能とするため、以下のようなソフトウェアを開発する。 ① 様々なコンピュータにおいて、プログラムを改変せずに各コンピュータで最適に実行 するためのコンパイラ、ライブラリ等のシステムソフトウェア ② PCクラスタやスーパーコンピュータ等の間で、データ共有やコンピュータの効率的な 活用等を可能とするグリッドソフトウェア し 化 アプリケーション 率 フト 効 ソ を 開発技術 発 テム 開 ス 発 ョン シ シ する 究開 ー 化 研 リケ 容易 アの プ ア 行を ウェ 移 e-サイエンス基盤の構築 次世代スーパー コンピュータ 大学・研究機関 等のスーパー コンピュータ PCクラスタ等 研究開発体制: 公募により選定された①東京大学(研究代表者:石川裕教授)及び②NII(研究代表 者:三浦謙一教授)を研究拠点とし、研究開発や普及活動を4年間実施する。 計算資源 利用技術 PCクラスタ等の効率的活用等 を可能とするグリッド ソフトウェアの研究開発 実用化に向けた取組み: (1)開発段階 ・ユーザのニーズを取込み、仕様設計、プロトタイプの実装を行うとともに、ユーザによる有用性の検証を行う体制を構築し、実用化が期待できるソフトウェアを開発する。 ・開発段階から大学の情報基盤センターに設置された高性能計算機やストレージを実証評価基盤として使用し、開発に反映させる。 (2)開発後 ・開発したソフトウェアは、フリーソフトウェアとして公開し、広く研究者等の利用を促進する。 ・ソフトウェアを継続的に保守・更新する体制を本事業に参画した機関の間で構築する。 ・研究開発段階から継続して、計算機メーカやソフトウェアベンダ等の企業が参画するコンソーシアムを通じて情報提供と意見交換を行うことで、開発したソフトウェアの製品化・ 保守・更新を促進する(①)。 ・講演会や講習会を開催し、大学やユーザ企業による、開発したソフトウェアを用いてe-サイエンス基盤を活用する研究開発を促進する。 5 次世代IT基盤構築の ための研究開発 革新的実行原理に基づく超高性能データベース 基盤ソフトウェアの開発 研究開発の概要: 平成20年度予算額 120百万円 平成19年度~23年度 非順序型データベースエンジンとは 爆発的に増大し続ける情報の戦略的活用に不 可欠な非順序型実行原理に基づく超高性能データ ベースエンジンを開発するため、以下の研究開発 を実施する。 ○ 「非順序型データベース実行原理」の確立 【特 徴】 • 超大量非同期IO発行機構(大量のデータ要求を同時に発行できる機能) • 実行時動的IOスケジュール機構(大量に発行されたデータ要求を最適に処理するため の機能) • ストレージ駆動型アウトオブオーダ実行機構(到着した順序でデータの解析処理をする ことができる機能) ○ 「非順序型データベース実行原理」に基づく データベース基盤ソフトウェアの設計・実装 ○ 実アプリケーションによる有効性の実証 ① ② ③ ④ ⑤ ①②③④⑤⑥ ⑥ 時間 ① ② ③ ④ ⑤ ①②③④⑤⑥ 研究開発体制: 公募により選定された東京大学生産技術研究 所(研究代表者:喜連川優教授)を研究拠点に、 日立製作所との産学連携体制を構築。 進捗状況: ・ 平成20年6月までに非順序型 実行原理を模擬する小規模実験 を実施したところ、性能向上が期 待されることが確認できた。 時間 ⑥ 従来型データベースエンジン 新型データベースエンジン(OoODE) 実用化に向けた取組み: ・ CSTPの科学技術連携施策群の下で他のプロジェクトと連携し、本成果が有効な領域を検証するとともに、 改良すべき点がある場合にはその反映を検討することで、本成果の円滑な実用化が期待できる。そのた めに、平成21年度中に情報解析指向のデータベース処理において約10倍の性能向上が期待できるデー タベースエンジンを開発する。 ・ 非順序型データベースエンジンの開発と並行して製品化の検討を進め、なるべく早い段階に参画企業に よる非順序型データベースエンジンの製品化に向けた作業(例えば、耐久試験、デバッギング、製品パッ ケージの整備)を行い、市場動向を踏まえて製品化を行う予定。 6 次世代IT基盤構築の ための研究開発 Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発 課題: ・ Web上には実世界の様々な事象が反映されると同時に膨大 な情報が蓄積されており、貴重な文化資産として形成している。 それらWeb情報は、学術、文化及び社会活動等において、非 常に有益であり、収集・分析による高度利用が多様な分野で 求められている。 ・ 米国ではInternet Archiveというアーカイブ基盤が運用されて いるが、最新データの反映は非常に遅く、また、全文検索・分 析機能は提供されていない。また、最新データについては Google等で検索できるが、過去のデータは検索できない。 学術研究 への活用 経済活動 への活用 文化・社会生活 への活用 :本課題の実施内容 Web情報の 分析技術の開発 ・ 日本で検索サービスを行おうとした場合、著作権法上の複 製・翻案に当たるため、不可能であった。また、研究開発にお いても、同様の行為が著作権法上の複製・翻案に当たるおそ れがあることから、研究開発は低調である。 ・ 「e-Society基盤ソフトウェア(平成15年~平成19年度)」にお いて研究開発した「Web情報の分析技術」及び「クローリング 技術」の対象は主としてテキストデータを対象としており、動画、 画像、音声等の多様な情報の収集・分析を可能にするため、 更なるソフトウェアの開発が必要である。 技術の利用 Web情報の分析 Web情報(文書、画像、動画、論文等) のアーカイブ基盤 技術開発の基礎データとして 収集するWeb情報のアーカイブ 政府系機関の Web情報 (国会図書館) 関係機関による運 営委員会において 研究開発に反映す べきニーズや将来 のアーカイブ基盤 構築の方向性につ いて検討 大学・研究機関等のWeb情報 東大:過去9年分のWeb情報 技術の利用 Web情報のクローリング技術の開発 研究開発の概要: 研究開発体制: Web上の情報を活用し、大学や研究機関等における科学技術・学術研究 の基盤及び企業におけるマーケティング等の経済活動の基盤等となるアー カイブ基盤の実現に資するため、以下の研究開発を行う。 競争的資金制度の下、公募により中核拠点を選定し、産学官連携体 制により実施する。 ○テキストデータを始め、動画、画像及び音声データを含むWeb上の情報を 効率よく収集するためのクローリング技術(ソフトウェア)の開発。 ○蓄積したWeb情報(テキスト、動画、画像、音声等)を科学技術・学術研究 の基盤として利用するために必要な分析技術(ソフトウェア)の開発。 ○上記技術の開発のために必要なWeb情報の収集。 実用化に向けた取組み: 研究開発段階から、Web情報アーカイブ基盤の構築に前向きな研究機 関等による運営委員会を設置し、①技術の研究開発に反映させるべき 各研究開発機関のニーズや、②将来のアーカイブ基盤の構築や運用等 の方向性について検討する。 7 次世代IT基盤構築の ための研究開発 高機能・超低消費電力コンピューティングのためのデバイス・システム 平成20年度予算額 基盤技術の研究開発 425百万円 平成19年度~23年度 研究開発の概要: 革新的技術であるスピントロニクス技術を活用し、高機能・超低消費電 力コンピューティングを実現させる基盤技術を確立するため、以下の新 たな技術について、一体的に研究開発を実施する。 < 研究開発スケジュール > 高機能・低消費電力コンピューティングの基盤技術を実現 ・ 消費電力/速度比が現状の1/1000のロジックインメモリの開発 ・ 5Tbits/inch2の基本方式の提案及び消費電力/記憶容量比が現状の1/20のストレージ システムの開発 ○次世代高機能・低消費電力スピンデバイス基盤技術の開発 革新的なナノスピン材料・素子の創成と、高速・不揮発ロジックイ ンメモリを開発する。 ナノスピン材料・スピン素子の開発 ○超高速大容量ストレージシステムの開発 不揮発性メモリを用いた新しい回路の試作・評価 スピントロニクス技術を利用したテラビット級次世代垂直記録技 術と、超高速並列階層型サブシステムを開発する。 高機能・超低消費電力ロジックインメモリの試作・評価 テラビット級次世代垂直記録の材料・デバイス開発 研究開発体制: 新たな並列階層化技術による高速ストレージシステムの方式実証 次世代垂直記録ストレージシステムの開発 東北大学を中核拠点として、日立製作所、東芝、富士通、富士電機デ バイステクノロジー、アルバック、東京大学との産学連携体制を構築。 進捗状況: ・ 平成19年度は、スピン素子の加工プロセスの検討やストレージシス テムの技術的課題の検討等を計画通り実施した。 ・ 平成20年度は平成19年度の成果を受け、回路設計や課題の解決 手法の検討等を実施。 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 実用化に向けた取組み: ・ 技術的に実用化が可能であることを示すために、平成21年度以降に ロジックインメモリ及びストレージの試作を行う。 ・ 事業終了後は、参画企業においてロジックインメモリ及びストレージの 量産化技術の開発等により、製品化につなげる。 8 次世代IT基盤構築の ための研究開発 ソフトウェア構築状況の可視化技術の開発普及 研究課題の概要: ソフトウェア構築状況可視化の概念 ソフトウェア構築状況の可視化技術を実現する ための「ソフトウェアタグ」を開発するため、以下 の研究開発を実施。 平成20年度予算額 80百万円 平成19年度~23年度 開 発 者 構 築 状 況 デ ー タ の 自 動 収 集 1 .発 注 構 築 デ ー タ 3 .タ グ 化 2 .構 築 ○どのようなデータが「ソフトウェアタグ」に 入っていれば信頼できるかを ソフトウェア発 注者の立場で広く検討し、設計する。 復 号 さ れ た 構 築 デ ー タ 4 .納 品 ・検 収 発 注 者 公 開 デ ー タ ソ フ トウ ェ ア 製 品 暗 号 化 デ ー タ 5 .監 査 ソ フ トウ ェ ア タ グ 監 査 人 ○ ソ フ ト ウェ ア タ グ で 収 集した構築状況の データを可視化及び暗号化する技術。 構築データ 収集・分析技術 ソフトウェア タグ化技術 ソフトウェア ソフトウェア トレーサビリティ トレーサビリティ システム確立 システム確立 ソフトウェア 監査 技術 ソフトウェアタグ 規格 化 ソフトウェアタグ 規格化 ソフトウェアタグ の設計 構築データ 共有技術 研究開発体制: 公募により選定された奈良先端科学技術大学 院大学(研究代表者:松本健一教授)を研究拠 点として実施する。 商用化準備 啓発 活動 実証的ソフトウェア工学 平成19年度 平成20年度 平成21年度 デファクトスタンダードの獲得 事業開始 平成22年度 平成23年度 ソフトウェアタグの商用化・ ロードマップ ○「ソフトウェアタグ」から構築状況を読み取り、 ソフトウェア構築の健全性を評価する監査 技術。 平成24年度以降 (注)* 実証的(エンピリカル)ソフトウェア工学:収集したデータに基づく科学的なソフトウェア生産性や品質評価技術。 * トレーサビリティ:製品の製造や流通の各過程が、必要に応じて検証できること。 進捗状況: ・ 平成19年度においてはソフトウェアタグの設計に必要 な調査(収集するデータ項目、情報の可視化方法等)を 実施。 ・ 平成20年度は引き続き設計に必要な調査を行うとと もに、ソフトウェアタグの設計を行う。 実用化に向けた取組み: 平成19年度に、本プロジェクトの一貫として、デンソー、富士通研究所、日立製作所、 IPA、JAXA、日本電気、NTTデータ、シャープ、SRA先端技術研究所、東証、東芝が 参加するソフトウェアタグ規格技術委員会を立ち上げた。この枠組みにより、実際に使 用する発注者、開発者、政府機関等、様々な機関からのニーズをソフトウェアタグの 開発に反映することで、実用化の促進につなげる。 9 デジタル・ミュージアムの実現に向けた研究開発の推進(新規) 平成21年度~平成25年度 概要:産学官の研究機関及び博物館等によるコンソーシアムを公募し、五感に訴えるよりリアルなコンテンツを3次元空間中に 時系列で構築し、利用者に提示し、更に利用者の状況をリアルタイムにセンシングすることによりコンテンツが利用者の反応に その場で応答するようなデジタルミュージアムのプロトタイプの研究開発を行う。 研究開発の課題 文化財保存・展示側の課題 グローバルな課題 ・研究分野間の壁の打破 現状は、要素技術開発が個々に推進され、 利用者のニーズに適応したシステム的効 果や分野融合による新技術創造が難しい ・劣化・損壊のない展示 ・文化財の特性・利用者のニーズに応じた臨 場感のある展示方法・コンテンツの開拓 ・利用者層の拡大 ・当該分野の技術競争力向上 ・言葉の壁を越える文化交流の推進 要素技術開発 デジタルミュージアムの実現のた めの研究開発 産 学 コンソーシアム 形成 官 統合 技術開発 3次元映像技術(革新的技 術)、センシング技術等に基 づく五感インタフェースによ る高度な疑似体験システム 構築技術確立 例:文化資産等の鑑賞体験、科学教育等への応用 博物館・美術館等 コンテンツ・ホルダー 政策的サポート ・入場制限が必要な古墳等重要文 化資産内部の臨場感空間による再 現 ・空間、事象、芸術等のグループ共 有体験型鑑賞 ・科学教育等への臨場感視聴覚教 育の活用 波及効果 ○文化/教育面 •日本文化の保存・継承・海外発信 •擬似体験学習による教育促進 •simulation技術向上(研究、医療) •高齢者・障害者の豊かな生活 ○経済面 •コンテンツ産業振興 •博物館・観光地等の活性化 興味を喚起する展示による来客増 コンテンツの保存・展示における費用 対効果向上 •商品提示のバーチャル化等によ る販売の効率化・市場拡大 10 研究開発するシステムの例 • -オーダーメイド鑑賞- 有形の文化資産をデジタル化し、鑑賞者の見たい角度や大きさで表示し、自由に触らせ る等、好みで鑑賞させる。 ※青字:3年後デモ可能、赤字:5年後デモ可能 – 例.キトラ古墳の再現 機能: 古墳内部の超高精細・広画角な 映像表示、音響再生 技術課題: ・実物の超高精細映像・3D形状 データ獲得 ・全天周超高精細映像表示 ・背景形状特性に応じた音響的 臨場感生成 機能: 鑑賞者が小さくなって古墳内部 に入る感覚創出 技術課題: 認知心理学に基づく映像等の提示 機能: 空間中に引出を3D表示し、鑑賞者の 選択に応じて情報を表示 技術課題: ・映像等からの鑑賞者の位置・動作検出 ・引出を開ける感覚の提示(多感覚連携) ・引き出しの3D映像表示 機能: 鑑賞者の向きにより、異な る壁画を鑑賞者の目前に 表示(東を向くと青龍、 西を向くと白虎、南を向くと 朱雀、北を向くと玄武の壁 画が出現etc.) 技術課題: ・鑑賞者の位置・向き検出 ・壁画の超高精細映像撮像 ・壁画の3D凹凸形状計測 ・高精細立体投影 白虎の図 http://www.nara-np.co.jp/special/kitora/naibu.html 機能: 鑑賞者が壁画映像に手を触れると 壁画の材質・凹凸を感じる 技術課題: ・映像等からの鑑賞者の手位置検出 ・触覚デバイス付手袋による触覚提示 機能: 鑑賞者が壁画を引っ張ると壁画が拡大/縮小表示 技術課題: ・映像等からの鑑賞者の手位置検出 ・映像のリアルタイム拡大/縮小表示 ・映像の3D表示 11 先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム 平成20年度予算額:828百万円 大学間及び産学の壁を越えて潜在力を結集し、教育内容・体制を強化することにより、世界最高水準のIT人材として求められる 専門的スキルを有するとともに、社会情勢の変化等に先見性をもって対処し、企業等において先導的役割を担う人材を育成する教 育拠点の形成を支援する。また、全国の拠点で多様なプログラムが展開され、その開発・実施を通じて得られた成果について、そ れを効率的に全国へ普及・展開するために、教材の共同開発、洗練、編集、ガイドラインの策定、国際シンポジウムの開催、ポー タルサイトの構築などを行う拠点間教材等洗練事業を展開する。 高度ソフトウェア人材(H18より6拠点) 高度ソフトウェア人材(H18より6拠点) 高度セキュリティ人材(H19より2拠点) 高度セキュリティ人材(H19より2拠点) 人材育成拠点 連携 大学院 (情報系) 連携 大学院 (理工学系) 携 連 産業界 産業界 連携 文部科学省 文部科学省 各拠点による 各拠点による 実問題の登録等 実問題の登録等 大学院 (経済系) 拠点大学 企業 拠点代表機関 大学教員 研究者 拠点代表大学を中心に行う洗練事業 産業界 産業界 大学院 (法律系) 拠点間教材等洗練事業(H20より) 拠点間教材等洗練事業(H20より) 洗練された 洗練された 教材の提供等 教材の提供等 教材の共同開発 教材の共同開発 教材の洗練・編集 教材の洗練・編集 ガイドラインの策定 ガイドラインの策定 ポータルサイトの構築 ポータルサイトの構築 連携・支援の強化 ◎財政支援(1拠点8千万円~1億2千万円)〔4年間継続支援〕 ◎プログラム推進のための検討・・・「先導的情報通信人材育成推進委員会」(ソフトウェア分野) 普及・展開活動 普及・展開活動 汎用性のある 汎用性のある 教材の提供等 教材の提供等 「先導的情報セキュリティ人材育成推進委員会」(情報セキュリティ分野) 政 政府 府提 提言 言 反映・実現 ・平成19年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付けについて(総合科学技術会議) この施策で得られた知見を、我が国の技術力及び国際競争力の向上に結びつけるために、教育方法を体系化し、 教育コンテンツの流通を促すべきである。 ・セキュアジャパン2007(情報セキュリティ政策会議) 高度なセキュリティ人材の育成を目的とするプログラムを開発・実施する拠点形成の支援を行うともに、 プログラムの開発・実施を通じて得られた教育用教材等の成果の他大学等への普及・展開の実施を推進する。 全国の大学・企業等 12