...

平成26年度成果報告書 - 中部経済産業局

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

平成26年度成果報告書 - 中部経済産業局
平 成 2 6 年 度 デ ザ イン を 通じ た 意 匠 • 商 標 制 度 の 普 及 事 業
平 成 2 3 年 度 デ ザ イ ン を 通 じ た 意 匠・商 標 制 度 の 普 及 事 業
∼ デ ザ イ ン を モ ノ づ くり の 武 器 に し ようリ・デ ザ イ ン 編 ∼
事業成果報告書
主催 : 中部経済産業局
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業
平成 26 年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業について
・事業の目的
本事業では、中部知的財産戦略本部における
「第3期中部知的財産戦略推進計画」に基づき、
とくに、中部地域の中小企業等における知的財産を活用したデザイン・ブランド化、知的財産
経営の導入・定着の促進、知的財産の重要性の理解向上といった課題解決のため、
「ステップ
アップ」
と
「コミュニケーション」による支援を展開し、中部地域における知的財産による取り組
みの進展と、デザインの普及・振興に関する総合的な啓発を推進する。
・事業テーマ「デザインを通じた意匠•商標制度の普及」
本事業によるリ・デザイン事業を通じて、産地・メーカー・流通・デザイン関係者の方々に、
分かりやすく意匠・商標制度を普及することをテーマとする。今回は既存の商品を活用し、
再デザイン(リ・デザイン)をすることで、自社の本来の強みを再発見し、活用し、売れる商品
開発を目指す。
・事業のワークショップについて
流通プロデューサー、産地等メーカー、
デザイナーの3者によるワークショップを通じて、
埋もれた商品・サービスを発掘し、中部地域の地域資源を活用した埋もれた商品のリ・デザイ
ン事業を実施。
商品の企画段階から、商品が使われるシーン、商品の売り方などを考えながら、
テストマーケテ
ィングを通じ、売れるモノづくりを目指していく。
[統括プロデューサー]
下川 一哉(しもかわ・かず や)氏
1963年、佐賀県生まれ。
1988年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
同年、
日経マグロウヒル(現・日経BP社)入社。
日経イベント編集、
日経ストアデザイン編集などを経て、
1994年に日経デザイン編集に配属。1999年より副編集長。
2008年より編集長。2014年3月31日に日経BP社を退社、意と匠研究所を設立。
2012年7月よりNPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト筆頭副代表理事、
2014年7月より同代表理事
01
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業
リ・デ ザ イン 事 業 の 概 要
[担当プロデューサー]
開発する新商品テーマ
鶴田 浩
・リアルスタイル代表取締役
「売れるモノづくり」
・www.real-style.jp
中 部 地 域 の 地 域 資 源を活 用した 商 品 のリ・デ
ザイン事業を実施。商品の企画段階から、商品
が使われるシーン、商品の売り方などを考えな
がら、売れるリ・デザイン商品を目指していく。
講習会
(9 /16 )
2
本事業と
意匠・商標制度について解説。
本事業の魅力と参加目的等を説明し、特
許庁講師が事例等を交え、意匠権・商標
制度についてわかりやすく解説。
1963年、愛知県生まれ。
大学卒業後、建築現場監督からはじめ設計監理業務を経
て建築・空間プロデューサーとして従事。その間、米国・EU
諸国・アフリカを1年放浪の旅に出、日本の素晴らしさに
気づく。2002年独立し、地域の生活文化の向上をめざした
提案型スタイルショップ「REALStyle」を名古屋にオープ
ン。2005年Designers Week inNagoyaの立ち上げに参
画。更に 10年後の日本のものづくりの為に 2006年NPO
メイド・イン・ジャパン・プロジェクトを立ち上げ、全国のも
のづくりネットワークを構築に尽力している。
マッチング
(10 /14 )
3
氏
・MIJP愛知支部代表
・www.sa-style.jp/
・Kitamura Japan
1969年生まれ
2 0 0 3 年 7月セレクトインテリアショップ S H I O G A M A
APARTMENT STYLEを名古屋市天白区にオープン。
2004年9月セレクトインテリアショップSumikaを愛知県豊
田市T-FACE内にオープン。
2007年8月株式会社良間を設立
2009年12月カリモク60専門店、大須DECOを名古屋中区
大須にオープン『地元の人の生活空間をかっこよくするお
手伝いをするのが我々の社会的役割的』をモットーに意
識のある仲間と日々仕事にはげむ。
1979年、名古屋生まれ
ワークショップ
(10月∼1月)
発掘とリ・デザイン
パートナーを発見!
!マッチング
既存商品の発掘とリ・デザインの
ためのワークショップ。
プロデューサーと参加申込者との審議に
工場・現場訪問などを行い、3者の相互
施。
等をブラッシュアップ。
より、本事業を行う3者のマッチングを実
北村 圭介
氏
・良間代表
・MIJP副代表理事
地域資源を活用した
1
伊藤 隆一
氏
理解を深めた上で、企画し、既存の商品
代表取締役
川端 康人
氏
・AISC代表
・インテリアエッセンス代表
S62年安井家具㈱へ入社。H13年11月ファニチャードーム
名 古 屋 新 本 店 勤 務。6 0 0 坪 のセレクトフロアの マネー
ジャー任務。
卒業後は家業である大正12年創業の寝具メーカーに入社
H16 年 2 月退社、同月、会社設立、同年 3 月に名古屋市中川
開発と営業職を経て、2009年、代表取締役に就任。
区にショップ・
『インテリアエッセンス』をオープン。ライフ
まくらをはじめとする寝具の企画・製造・販売を一貫して行い スタイルの提案から販売・納品・施工まで、全て担当スタッ
フが一貫して行なう形態のインテリアショップオーナー。H
「まくらのキタムラ」のブランディングを担う。
18年、NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト理事就任。
NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト愛知支部代表
H22年ナゴヤデザインウィーク実行委員任務。H23年AISC
(アイチインテリアショップコミュニティ)初代代表に就任。
大学在籍中にアメリカで語学留学
4
テストマーケティング
(2/7 ∼2/22 )
リ・デザインした商品を
テストマーケティング
担 当プ ロ デュー サ ー の 指 導 の もとテ
成果発表会
5
( 2 /25 )
ブラッシュアップを重ね商品化!
ワークショップを通じて発掘しリ・デザイン
ストマ ーケティング。ユ ー ザ ー 評 価 か
した商品を多くの人々が集まる会場にてプ
指 す。
目指す。
ら商 品 を 改 良 、売 れるモノづくりを目
レゼンテーションし、
さらなる売れる商品を
02
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業
モノづくりにおけるデザイン活用、意匠権によるデザイン保護など、
普段は聞けないモノづくり現場の話が満載!
!
開催日
9月16日(火)
開催場所
ウインクあいち
トークテーマ
トークテーマ
「デザインを活用した売れるモノづくり」
「デザインに欠かせない意匠・商標制度」
下川 一 哉
氏
・NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト代表理事
・日経BP社 日経デザイン元編集長
2008∼12年度特許庁「意匠出願動向調査‐マクロ調査」委員、2008
年度経済産業省産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委
員会委員。また、JIDビエンナーレ審査員、SDA賞審査員、JCDA賞審
査員、JPDA賞審査員ほかも務める。今回の講演では、
「デザインを活
用した売れるモノづくり 中小企業編」
と題して、3点のポイントから
解説していただいた。1つはプロデュースのススメ、2つめがデザイ
ンの見極めのススメとしてデザイン戦略の必要性、
そして3つめは知
財活用のススメとしてマーケティングと知財の接点を丁寧に説明さ
れた。
そして知財保護の必要性から石坂氏への講演へとつなげた。
石坂 陽子
氏
参加者数
・特許庁 審査第一部 生活意匠
平成13年入庁、意匠審査のほか、意匠課、総務部普及支援課、
企画調査課において、登録意匠の情報提供や出願動向調査な
どを担当。
デザイナー
51
メーカー
14 名[12 社]
ショップ
5 名[3 社 ]
けの分岐点を見極めるためのヒントを、そして3つめは商標に
その他
25 名
ついて説明した。
この後意匠・商標登録のレクチャーを実施し
2
石坂氏講演
3
意匠・商標登録の
レクチャー&トークセッション
4
交流会
7 名[6 社 ]
意匠や商標制度(知的財産制度)がなぜ必要か、
どのような時
に利用すべきか、そして2つ目めのどう行動すべきか、使い分
下川氏講演
名
今回の講演では、
「モノづくりに欠かせない意匠・商標制度」
と題して3つのポイントに分けて解説していただいた。1つは
1
た。
03
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業
マッチング参加者への説明とリ・デザイン商品の方向性を決定
マッチング参加者説明会
1
開催日
今後の進め方についての説明
マッチング結果の発表や事業の進め方等について説明。
参加者の声
10月 14日(火) 開催場所 中部経済産業局
2
流通プロデューサーと各チームのミーティング
プロデューサーを交えてブレストを行い、
リ・デザイン商品に
ついての方向性を検討。
3
各チームでのミーティング
具体的に何をリ・デザインするのかのミーティングを行い、今後
のスケジュールを検討。
産地等メーカー
新東株式会社
石川 大輔 氏
鬼瓦を使った商品開発をしたい。
瓦の技術や文化を伝えていきたい。
産地等メーカー
株式会社カラフルコンテナ
冨 岡万輝 氏
コンテナを使った新しい商品開発をした
産地等メーカー
山田木管工業所
山田 等 氏
額を使った新しい商品開発をしたい。
い。デザインを活用したブランディングをし
デザインを活用したい。
産地等メーカー
家田紙工株式会社
産地等メーカー
角鍬商店
既存商品の技術や販路を使って新商品を
パッケージを変更したい。
たい。
家田 学氏
作りた い。季 節 に関 係 なく売 れる商 品を
作りたい。
野田 卓志 氏
CIやブランディングをしたい。
04
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
マッチングチームのご紹介
チーム1
チーム2
チーム3
チーム4
チーム5
シオガマアパートメントスタイル
角鍬商店
ときわパック株式会社
小野デザイン事務所
学生街である塩 口の一人暮らしの男性をター
ゲットにしたセレクトインテリアショップ。
日本のものづくりのよさを伝えながら、かっこい
い生活を提案している。
関市にある江戸末期創業の老舗佃煮屋。販路を
広げたく、パッケージデザインからCI、ブランディ
ングまでデザインを活用したいと考えていた。
貼 箱メーカーとしての 可 能 性を見 つ けるた め
に、事業者やデザイナーと協業しながら商品開
発の過程で新しい事業のヒントを見つけたい。
建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど
異なるデザインを提案できる自由なアイデアを
通し、新 た な 価 値 を 総 合 的 に 提 案してい きた
い。
シオガマアパートメントスタイル
山田木管工業所
学生街である塩 口の一人暮らしの男性をター
ゲットにしたセレクトインテリアショップ。
日本のものづくりのよさを伝えながら、かっこい
い生活を提案している。
「お客様と共に日本の壁を楽しくしたい。」をコンセ
プトに事業展開。今回は、市場に受け入れられるデ
ザイン性の高い商品を作りたいとの思いで応募。
リアル・スタイル株式会社
株式会社カラフルコンテナ
株式会社ライフファクトリー
建築から家具・小物までトータルに提案するイン
テリアショップ。オリジナル家具を中心に商品開発
も多数携わる。
コンテナ屋から見ると鉄のBOXである海上用輸
送コンテナを、倉 庫 用、店 舗 用、事 務 所 用 にデ
ザインを活用してプロモーションしたい。
遮熱機能があるインテリアパネルを、デザイン
を活用して販売していきたい。
建築リフォーム業との相乗効果を発揮したい。
リアル・スタイル株式会社
家田紙工
小野デザイン事務所
建築から家具・小物までトータルに提案するイン
テリアショップ。オリジナル家具を中心に商品開発
も多数携わる。
手漉き和紙で水を使い窓をデコレーションでき
る商品があるが冬季しか売れない現状があり、
リ・デザインすることで、季節に影響されない核
となれるような製品を作りたい。
建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど
異なるデザインを提案できる自由なアイデアを
通し、新 た な 価 値を総 合 的 に 提 案していきた
い。
インテリアエッセンス
新東株式会社
RW 稲波伸行
天 然 木 の 素 材 感を生 かした 無 垢 材オイル 仕 上
げの家具を中心に、ライフスタイルが楽しくなる
ようなアイテムをセレクトしたライフスタイル
ショップ。
鬼瓦は住宅様式の変化により、需要が減少してい
る。そんななか、鬼瓦を作る鬼師の新たな活躍の
場を設けながら、現代の生活空間にあう商品開
発をして、瓦を身近に感じていただきたい。
稲波伸行を中心とする地域資源活用型のデザイ
ン事 務 所。グラフィックデ ザインを中 心 に、プロ
ジェク卜の卜一タルプロデユ一スまで行っている。
05
チーム 1:鮎の佃煮のリ・デザイン
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
チーム1 プロセス
鮎の甘露煮のリ・デザイン
商品企画、打ち合わせ
小野デザイン事務所
シオガマアパートメントスタイル
ワークショップ
11.27 試作打ち合わせ
プロトタイプ
1.06 サンプル完成
20
10.22 工場見学
角鍬商店
ときわパック株式会社
お 召し上がり方
このままでも美味しく召し上がれますが、真空パックのまま沸騰直前
のお湯で 10 分ほど湯煎をしてからお召し上がり頂くとよりいっそう
美味しくお召し上がり頂けます。。
柔らかく、
お召し上がり易く、
たき上がりのお味が得られます。
鮎は、一口サイズに切ると食べ易くなります。
おそばに
お酒のおつまみに
230
白いご飯に、
お茶漬けに
名称
つくだ煮
原材料名
鮎、醤油(小麦、大豆を含む)
砂糖、酒、味醂、生姜、カラメル色素
内容量
1尾
賞味期限
欄外箱下部に記載
保存方法
高温多湿での保存を避けてください。
開封後はお早めにお召し上がりください。
製造者
有限会社 角鍬商店
代表取締役 5 代目 野田卓志
岐阜県関市本町 8 丁目 36 番地
TEL. 0575-22-0556(代)
*カラメル色素は醤油の原材料として含まれています。
*鮎の周りに白い成分が出ている場合がありますが、鮎の
脂肪分ですので、品質に問題はありません。
2015
1
4
3
5
2016
6
7
2017
8
2018
9
2019
10 11 12
0.56
2
15
賞味期限
15
15φ
85
85
84
-after甘露煮の作り方から梱包、販路までをヒアリング。今後の方向性を打合せ。
角鍬商店の将来像やCI、ブランディングの方向性を再検討し
パッケージをどのように変えることで、どのような結果が得られるかを話し合う。
パッケージデザインから表記の問題点や店頭での販売の仕方を検討。
岐阜県関市で江戸末期創業の老舗佃煮屋である角鍬商店は、現代の食生活の変化などで佃
煮全体の売上が落ち込むなか、自店舗以外の販路を開拓したいと考えていたが、30年以上変
鮎の甘露煮を
自慢できる土産に!
わらないパッケージでは、商品価値が十分には伝わらないのではないか、
と悩んでいた。
そこで、パッケージのみならず、角鍬商店の販路開拓のために必要なブランディングを含めた
30年以上変わらないデザイン開発をすることになった。
-before既存の鮎の甘露煮のパッケージ
06
チーム 1:鮎の佃煮のリ・デザイン
チーム1 開発商品
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
鮎の甘露煮のリ・デザイン
コンセプト
展示しやすく、高級感があり
1匹から購入できる「鮎の甘露煮」
チームコメント
地元では知名度のある鮎の甘露煮だが、全国的には岐阜の鮎の甘露煮は
知名度が低い。そこで知名度を上げながら名古屋や東京、そして海外にま
で日本の食文化を広げることができるようと、検討を重ねた野心的なパー
ケージ。パッケージ開発に伴い、販売価格も調整し直した。
今後は、高山市の高級ホテルや六本木のメイドインジャパンを集めたラ
イフスタイルショップや岐阜県内のインテリアショップなどへ営業していく
予定。また、チームとして三匹入りや五匹入りの鮎の箱の開発もしていく予
定である。
今後の課題
①パッケージだけでなく、会社案内やHPの整備などが急務だと考えている。
②岐阜の土産品として販売するための複数匹入りの箱が欲しい。
③鮎の甘露煮を伝えるツールが必要だと感じた。
テストマーケティングでは、1匹900円(税別)もかかわらず20匹以上販売し、手ごたえをつかんだ。
07
チーム 2:業務用コンテナのリ・デザイン
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
チーム2 プロセス
業務用コンテナのリ・デザイン
商品企画、打ち合わせ
10.23 コンテナ見学
株式会社カラフルコンテナ
株式会社ライフファクトリー
リアル・スタイル株式会社
ワークショップ
11.27 テーマ打ち合わせ
プロトタイプ
2.4 試作品製作
-afterリ・デザインするコンテナを倉庫で確認。その後、購買ターゲットとブランディング
の方向について検討した。
コンセプトや内装、外装、コストの最終確認。テストマーケティングの方法も確認。
男の大人の隠れ家として、コンセプトを立案。
従来のコンテナを、デザインを活用して倉庫や店舗、事務所等に販売したい。
コンテナを
文字通り
カラフルに!
ワクワクを!
そのためにどのようなターゲットに何を伝えるか、を検討した。今回は、大人の
男性をターゲットにおしゃれな仮想空間としてリ・デザイン。
コンテナ内にも家具を搬入して、
「HANARE」
として提案。受注時の見積もりから
納期までのスケジュールも仮想提案した。
-before通常の中古コンテナ
08
チーム 2:業務用コンテナのリ・デザイン
チーム2 開発商品
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
業務用コンテナのリ・デザイン
コンセプト
大人の隠れ家「HANA・LE」
チームコメント
今回は、
コンセプトはすぐに決まったが、試作のコスト削減にずいぶん時間
がかった。また、効果的なマーケティング手法が見つからずどのように販売
していくかが、今後の課題になった。ただ、テストマーケティングができたこ
とで、
このようなコンセプトのコンテナの需要があることがわかった。
今後、
どの地域でどんな購買層をターゲットとして、
どのようなストーリーで
プロモーションを行っていくか、検討してチームとして販売して行きたい。
今後の課題
①価格設定の調整がまだ必要だと感じる。
②HP以外のいつも見ることができる常設展示がしたい。
③購入ターゲットを低コストで見つけるマーケティング方法が必要と感じた。
リアルスタイル名古屋東店で、テストマーケティングを実施。興味を持つ既婚男性が目立った。
09
チーム 3:額縁のリ・デザイン
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
額縁のリ・デザイン
チーム3 プロセス
商品企画、打ち合わせ
10.22 テーマ打ち合わせ
山田木管工業所
シオガマアパートメントスタイル
ワークショップ
1.22
12.6 サンプル確認
試作確認
プロトタイプ
2.10 試作品製作
-after様々なアイデア商品を開発している事業者の現場で、多数のアイデアを絞る。
打ち合わせをしながら、サンプルを確認。テストマーケティングの会場をまわるこ
とで、店舗の雰囲気を感じとれた。
店舗での反応も上々。
「お客様と共に日本の壁を楽しくしたい。」をコンセプトに事業を行っている山田木管工業所は社
長のアイデアは豊富だが、販路を見据えた商品開発が課題であった。
コアターゲットへ
ウォールアートを
提案
今回はインテリアショップオーナーをプロデューサーに迎え、インテリアショップで販売できるス
トーリー性のある額の開発を目指した。1つはロンドンの路線バスの行き先表示の布をインテリ
アとして飾る若者が一部でいることに注目してバスサインフレームを、もう一つは子供のテストを
額に飾ることができる百点額を開発した。
商品に対して店舗スタッフが「ストーリーやウンチクを語れる」付加価値をつけることを目指した。
現在ある商品
-before10
チーム 3:額縁のリ・デザイン
チーム3 開発商品
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
バスサインフレーム&百点額
コンセプト
バスサインフレ ームは、インテリアが 好きなコアな
ターゲットを想 定、百 点 額 は、お 父さん が 欲しい なあ、
という機 能を付 けたありそうで な い 額 の 使 い 方を提 案
した 。
チームコメント
アイデアマンである山田木管の山田社長はほとんどの額のアイデアを実
践していたので、既存の技術を使いながら、顧客ターゲット層を変えて、イ
ンテリアショップに来店する感度の高い顧客に向けて、新しい提案をする
ことで、
リ・デザイン商品を完成させた。
今後、百点額はコストダウンを目指しもう少し気軽に購入できる価格帯に
したい。また、バスサインフレームは量産しながら販路を広げて行きたい。
展示会にも積極的に出店して行きたい。
今後の課題
①バスサインフレームと百点額ともにさらなる販売価格を下げたい。
②バスサインフレームは、一部のマニア向け商品のため、説明用のツール
が必要だと感じた。
③HP以外の販路を探す必要があり展示会に出展し、感触を探りたい。
百点額は、横から絵などを出し入れしやすいのが特徴。今回開発の家田紙工の「nature」なども飾りやすい。
商品の特徴から接客がしやすかった。逆にバスサインフレームは、予備知識のない方への説明が難しかった。
11
チーム4:既存展開している和紙を使った雑貨のリ・デザイン
チーム4 プロセス
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
既存展開している和紙雑貨のコンセプトからリ・デザイン
商品企画、打ち合わせ
10.24 工場訪問
ワークショップ
家田紙工
小野デザイン事務所
リアル・スタイル株式会社
プロトタイプ
11.06 試作開始
2.3 試作品製作
-after家田紙工の工場見学。外部から見た和紙の可能性を探る。
デザイナーがアイデアを複数提案。そこから方向性と可能性の確認。
海外のディストリビューターや、国内の展示会でのヒアリングも実施。
大ヒット商品「スノーフレーク」は雪の結晶をモチーフにした和紙雑貨であり、日本よりも海外
で売れている家田紙工のヒット商品である。
しかしこの商品には冬季以外は販売が鈍化すると
既存商品の
コンセプトを
変える
いう悩みがあった。
この繊細な和紙の技術を使った通年販売できる商品開発をめざし、今回は
リ・デザインした。
デザイナーが複数のアイデアをプレゼンし、家田社長がそのアイデアを各方面でヒアリングし
た。特にスノーフレークを販売している海外のディストリビューターの意見をとり入れ、自然の
素材を形どる「nature」シリーズが完成した。
-before従来の和紙雑貨のスノーフレーク。雪の結晶のため冬
季に販売が集中するという悩みがあった。
12
チーム 4:既存展開している和紙を使った雑貨のリ・デザイン
チーム4 開発商品
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
n a t u r e ∼自然をもモチーフにした 和 紙 雑 貨シリーズ ∼
コンセプト
和紙を使った、グリーティングカード&
ウインドウデコレーション
チームコメント
今回のリ・デザインは、家田社長の明快なコンセプトや目標があり海外の
ディストリビューターの意見などを得てからの方向性が決まれば、あとは
安心して商品開発ができた。
デザインの前にコンセプトが重要ということを改めて感じた。
今後は、
このチームで複数の商品展開をしながら、まずは海外展開をして
行きたい。また既存の国内流通にも積極的に案内して行きたい。
今後の課題
①パッケージの開発が間に合わなかったので、今後早急に作成する
②商品のバリエーションを増やしていく。
③使い方の提案を楽しくわかりやすく全世界に伝じるようにしたい
テストマーケティングの販売は数点であったが、海外や国内の展示会の反応も上々で今後に期待できるものであった。
13
チーム 5:鬼瓦のリ・デザイン
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
チーム5 プロセス
商品企画、打ち合わせ
10.28 工場見学
新東株式会社
鬼瓦のリ・デザイン
RW 稲波伸行
インテリアエッセンス
ワークショップ
プロトタイプ
11.4 打ち合わせ、ワークショップ
11.28 サンプル確認
-after新東株式会社や鬼瓦の工房で見学。
鬼瓦をインテリアとして使うための課題や、ブランディング、マーケティング方法を
検討。
家の守り神である鬼瓦の神聖な雰囲気を壊すことなくインテリアとしても使えるよ
うなテイストにリ・デザイン。
鬼瓦(おにがわら)は瓦屋根に設置されていたものであるが、近年の瓦を使った住宅の減少に
鬼瓦を
インテリア小物
として
リ・デザイン
よって伝統や文化が風化しつつある。今回はこの鬼瓦をインテリア小物としてリ・デザインする
ことで、鬼瓦や鬼瓦を作る鬼師の認知向上を目指し、そこから瓦の良さを伝えていくためのプ
ロジェクトとした。
-before従来の鬼瓦。
14
チーム 5:鬼瓦のリ・デザイン
チーム5 開発商品
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
鬼瓦のリ・デザイン
コンセプト
鬼瓦が本来の役割である家を守ることを、
「鬼瓦家守」というブランドネームで
インテリア小物として現代生活で提案
チームコメント
瓦文化が縮小の中、鬼瓦を作る技術と文化を継承させるためにどのよう
な形なら現代生活に鬼瓦が溶け込めるか、を様々な角度で検討した。
家守というコンセプトと都市生活者を結びつけることでマンションなどの
集合住宅でも使えるインテリア小物としてリデザインした。
今後の展望としては、建材ルートで評価が高いので、B to Bに力を入れる。
また海外展開では、日本の伝統工芸品というポジショニングでブランディ
ングしていく。
今回のテストマーケティングの会場となったインテリアショップルートで
は、展示会に出展して、販路を増やしていく予定。
今後の課題
①商品コンセプトや鬼瓦文化を伝えるツールが必要
②商品ラインナップの充実
③高付加価値で世界に1つだけのオリジナル鬼瓦の開発をしたい
テスト販売での感触は好評とのことであったが、販売は1台のみであった。
しかし事業者のSNSで8件の引き合いが合った。
15
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
成果発表と
「デザインを活用した売れるモノづくり」についての講演を開催!
!
成果発表会
タイムスケジュール
成果発表会
開催日
2月25日(水)
15:00
開催場所
ウインクあいち
15:15
主旨説明
成果発表会
16:05
全5チームが実際に販売につながる
商品として新たにリ・デザインした商品を発表
下川氏による講演
渡邉氏による講演
16:30
基調講演
トークセッション
※下川氏・渡邉氏・各プロデューサー
「デザインを活用したモノづくり」
と
「リ・デザインに欠かせない意匠・
商標制度」
下川氏の講演では、モノづくりに関しての考えるべきコンセプト、ネー
ミング、デザインの話をされた。HP、パッケージ、広報物から知財登録
下川 一哉 氏
1 『高級感あふれる鮎の甘露煮』
まで同時進行することが円滑な商品につながることを話された。
後半の渡邉知子氏の講演では、中小企業だからこそ知財保護が必要
なことを具体例で示された。また成果発表者の開発商品について簡
2 『コンテナ』
単で具体的な知財保護のアドバイスをされた。
講師:渡邉知子氏
弁理士、特定侵害訴訟代理人/渡邉知子国際特許事務所 代表
日本大学芸術美術学科ビジュアルコミュニケーションデザイン専攻卒業。
3 『バスサインフレーム&百点額』
通商産業技官として特許庁入庁後、意匠審査官として審査に従事、1997年弁理士登録、
4 『nature』
参加者数
50
5 『鬼瓦』
名
デザイナー
7 名[6 社 ]
メーカー
16 名[15 社]
ショップ
6 名[5 社 ]
その他
21 名
全5チームが、アイデアを凝らした、
リ・デザインした商品を発表。各チームのデザ
イナー、産地等メーカー、ショップが協働して企画し試作した商品について工夫した
点や苦労した点などの思いを込めてプレゼンテーション。テストマーケティングをし
たことで、完成度の高い商品が披露された。
渡邉 知子 氏
日高国際特許事務所を経て、2012年渡邉知子国際特許事務所設立。
トークセッション(統括)
下川氏、渡邉氏、担当プロデューサーによるトークセッ
ションを実施。成果発表報告を受けて今後の販売の方向
性や、意匠、商標等知財を生かした戦略について討議し
た。今回は商品の完成度が高く知財の保護についても質
問が相次いだ。
中小企業だからこそ、知財の保護が重要という渡邉氏の
言葉に参加者は納得するばかりであった。
16
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
ウェブ サ イト 履 歴
2014.08.15
平成26年度「デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業」サイトオープン。
「講習会(事業説明会)」への申込み受付を開始。
2014.10.04
『講習会(事業説明会)のご報告』をサイトに掲載。
2014.10.17
『マッチングについての報告』をサイトに掲載。
2015.01.20
2015.03.01
サイトにて
『事業成果報告・講演会』への 申込み受付を開始。
「成果発表会についてのご報告」をサイトに掲載。
17
平成26年度 デザインを通じた意匠•商標制度の普及事業
統括プロデューサーのコメント
日本 の モノづくりに 必 要 な 長 期 視 点と知 財 戦 略
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業
本 事 業も4 年目に 入った 。昨 年よりさらに 高 い 完 成 度 の 商 品を、流 通プロデュー
サー、メーカー、デ ザイナーがそれぞ れ の 専 門 知 識 や 人 脈を生 かし、プレゼンに
持ち込ん だ 。昨 年よりも深く流 通 業 者を巻き込 むことを意 図した 結 果、今 回 はプ
ロ デュー サ ー に ショップ オ ー ナ ー を 起 用し、そ の 店 舗 で 2 週 間 の テストマ ー ケ
ティングを実施した。テストマーケティングを実施することで、商品開発期間が昨
年より短くなった が、逆 に 試 作 品どまりで な い、本 物 の 商 品 開 発 ができたと感じ
ている。メーカーの 方 の 努 力 には 感 服 するば かりである。また 売 れそうな 商 品 開
発 ができたことで、本 来 の目的である知 的 財 産 権 の 保 護 にも積 極 的 な 姿 勢 が 多
[統括プロデューサー]
下川 一哉
• NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト 代表理事
• 株式会社意と匠研究所 代表取締役
[担当プロデューサー]
NPO法人 メイド・イン・ジャパン・プロジェクト
川端 康人
・AISC代表
・インテリアエッセンス 代表
伊藤 隆一
め からとりい れ た 商 品 開 発 を 今 後も期 待した い。さらにこの 事 業で 培った 人 脈
・MIJP愛知支部代表
・Kitamura japan 代表取締役
下川 一哉
[業務委託者]
鶴田 浩
数 見られ た 。この 成 果を今 後 に 生 か すた め に にもデ ザインや 知 的 財 産 権をはじ
しながら、総括とする。
経済産業省 中部経済産業局
・NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト 副代表理事
・リアル・スタイル株式会社 代表取締役
・株式会社良間 代表取締役
やノウハウを生 かしな がら今 後ますますの 完 成 度 の 高 い 売 れる商 品 開 発を期 待
[事業主催]
北村 圭介
平成26年度 デザインを通じた意匠・商標制度の普及事業 ホームページ・報告書
アートディレクション・デザイン・編集・撮影
株式会社ホームページショップ
18
平成26年度 デザインを通じた意匠 • 商標制度の普及事業 事業成果報告書
Fly UP