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パソコンの仕組み
技術講座 パソコンの仕組み メモリーはパソコンの中で作業領域として使われる。CPU の動作と密接に関連している使わ れ方の概念と、 装置としての伝送方法の両方を解説する。(大原 雄介=テクニカルライター) 第2回 メモリーの使われ方とアクセスの仕組み パソコンのメモリー(メインメモ チップをはんだ付けした「メモリー memory module) 」と呼ばれている。 リー)は、CPU で実行するプログラ モジュール」の形でメインメモリー DIMM にはさまざまな規格があり、 ムやデータの置き場所として使われ を実装している。板状の両面に異な 数年単位で世代交代している。2013 る。一部の携帯型を除いた大半のパ る信号が流れる接続端子を配置して 年時点では「DDR3」タイプが主流だ。 ソコンは、DRAM(dynamic RAM) いることから「DIMM(dual in-line メモリーチップ クロック信号に同期して動作する SDRAM(synchronous DRAM) の チ ッ プ。2013 年 の 主 流 は DDR3 規格。 その前は DDR2 規 格が主流だった。 次ページへ スタブ抵抗 DDR3 DIMM 高速に駆動する伝送路で信号の反射を抑えるための部品。 安定して伝送するために規格として設けられている。 切り欠き 規格の異なるメモリーを挿し間違 えないように設けられた切り込み。 DDR3 のモジュールと DDR2 の モジュールでは、接続端子のピン の幅が同じでも切り欠きの位置が 異なる。 接続端子 マザーボードにあるメモリースロ ッ ト と の 接 続 部 分。DDR3 は 240 ピン。DDR2 も同じ 240 ピ ンだが、電気的には互換性がない。 SPD(serial presence detect) 使用しているチップの種類や容量、アクセスタイミングなどの情報 を保持しているチップ。パソコンは起動時に SPD の情報を読み込 んで、メモリーを使えるようにセットアップする。 終端抵抗 DDR3 のモジュールは、信号の伝送路 が「一筆書き」のような形式になっている。 終端抵抗はその末端で信号を抑える部品。 DDR3 SO-DIMM ノートパソコン用 DDR3 SO-DIMM スロット 写真は 2 スロットあるうち、下 側のスロットにモジュールを取 り付けた状態。上側のスロット は空いている。SO-DIMM の接 続端子は間隔が狭い。奥まで押 し込んで下げると固定できる。 ノートパソコンでは、 「SODIMM」と呼ぶ形状が使わ れる。デスクトップパソコ ン用の DIMM より小さい。 形状が異なるだけで、転送 速度は DIMM と同じだ。 デスクトップパソコン用 DDR3 DIMM スロット デスクトップパソコンでは、細長いスロットにメモリーを 取り付ける。この例では 1 枚だけ挿しているが、2 枚 1 組 で取り付けるのが一般的だ。 日経パソコン 2013.7.22 89