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講演資料
水素社会に向けた取り組み
ー 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) ー
Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program
水素エネルギー社会形成研究会
2016年11月1日
内閣府SIP「エネルギーキャリア」 プログラムディレクター
東京ガス(株)顧問
村木 茂
水素社会に向けた国の動向
 政府は水素の活用を国策と捉え、水素社会実現に向けた方向性を明示。
 安倍首相は成長戦略第2弾において、燃料電池自動車用水素タンク・水素ステーションに係る規制
の一挙見直しを表明。
 エネルギー基本計画への水素の位置付け、ロードマップの策定、次年度予算の概算要求への反映
等、精力的な政策が展開されている。
2013
2014
FCV(燃料電池自動車)を中心とした水素社会実現を促進する研究会(自民党議員連盟+官庁+企業)
2013/6
経済産業省 水素・燃料電池推進戦略協議会
2013/12
自民党 資源・エネルギー戦略調査会・水素社会推進委員会
写真:内閣広報室
2014/2
2014/4
エネルギー
基本計画
2014/6
2016/3改定
水素・燃料電池
戦略ロードマップ
(経済産業省)
(政府)
「気候変動対策と経済成長を両立させる鍵はイノベーション」
その一つが「CO2フリー社会向けた水素の製造・貯蔵・輸送技術」
(2015/10/30 COP21首脳会合における安倍総理大臣スピーチ)
水素を新たな二次エネルギーとして位置づけた。
将来の二次エネルギーでは、電気、熱に加え、
水素が中心的役割を担うことが期待される。
2
エネルギー基本計画
「将来の二次エネルギーでは、電気、熱に加え、水素が中心的役割を担うことが期待される。」
第1次
(2003)
第2次
(2007)
水素輸送船や有機ハイドライド、アンモニア等の化学物質や液化
水素への変換を含む先端技術等による水素の大量貯蔵・長距離
輸送など、水素の製造から貯蔵・輸送に関わる技術開発等を今か
ら着実に進める。
•
•
2020年には140万台、2030年には530万台の導入を目標
業務・産業分野についても、早期の実用化・普及拡大に向けて、技
術開発を推進
•
四大都市圏を中心に2015年内に100ヶ所程度の水素ステーショ
ンの整備
•
(FCVを含む)次世代自動車については、2030年までに新車販売
に占める割合を5割から7割とすることを目指す。
普及初期においては、比較的安定した水素需要が見込まれる燃
料電池バスや燃料電池フォークリフト等の早期の実用化が重要
水素製造・
貯蔵・輸送
燃料電池
水素
ステーション
第3次
(2010)
FCV
第4次
(2014)
•
水素発電
•
•
水素発電(混焼発電、将来の専焼発電)について、技術開発を含
めて戦略的な取組を着実に進める
3
水素・燃料電池戦略ロードマップ概要
2020年
2030年
2040年
フェーズ1
フェーズ2
フェーズ3
水素利用の飛躍的拡大
(燃料電池の社会への本格的実装)
水素発電の本格導入/
大規模な水素供給システムの確立
トータルでのCO2フリー
水素供給システムの確立
09年 家庭用燃料電池/14年FCV市場投入
17年 業務・産業用燃料電池:市場投入
2020年頃
・エネファーム自立化(PEFC80万円/SOFC100万円)
・ハイブリッド車の燃料代と同等以下の水素
価格の実現
・FCV4万台程度:水素ステーション160箇所程度
2025年頃
・ボリュームゾーン向けのFCVの投入、及び同車
格のハイブリッド車同等の価格競争力を有する
車両価格の実現
・FCV20万台程度:水素ステーション320箇所程度
→2020年代後半に自立化
2030年頃
・FCV80万台程度
日本の市場規模 2030年 1兆円程度
2050年 8兆円程度
開発・実証の加速化
水素供給国との戦略的協力
関係の構築
需要拡大を見据えた安価な
水素価格の実現
2020年代後半
・海外からの水素価格
(プラント引渡価格)30円/Nm3
2030年頃
・海外での未利用エネ由来
水素の製造、輸送・貯蔵
の本格化
・発電事業用水素発電:
本格導入
水素供給体制の
構築見直しを踏まえた
計画的な開発・実証
2040年頃
・CCSや国内外の再エネの
活用との組合わせによる
CO2フリー水素の製造、
輸送・貯蔵の本格化
出典:資源エネルギー庁 水素・燃料電池ロードマップ概要より抜粋・再描画
4
自治体での取り組み
福島県
新エネ社会構想による福島復興を目指し、2020
五輪まで世界最大級の水素工場を建設する計画
兵庫県神戸市
北海道苫前町、室蘭市
・再生可能エネルギーを水素
に変換し、貯蔵・利用する構想
・製鉄所の水素を使い電力の
一部をまかなう構想
水素エネルギーと再生可能エネルギーを拡大
する「水素スマートシティ神戸構想」を推進
東京都
岡山県
2020五輪で、選手村のエネルギー
の一部を水素でまかなう構想
水島コンビナートを水素の供給拠点に
するための水素利活用研究会を設置
神奈川県川崎市、横浜市
・川崎臨海部に於いて水素供給グ
リッドを構築する「水素エネルギー
フロンティア構想」を検討中
・風力電力由来の水素にて、FC
フォークリフト実証。下水バイオガス
を使ったマルチエネルギー構想
山口県周南市
周南コンビナートで発生する
水素で、電力の一部をまか
なう取り組みを開始
福岡市
愛知県
下水からつくった
水素をFCVに供給
する実証を開始
長崎県五島市
離島沖の風力発電の余った電力で水
素を製造・貯蔵利用する構想
2025年度末までに、自治体として
最大規模となる水素ST100カ所を
整備する計画
北九州市
大阪府
製鉄所で発生する水素を使
い、一般住宅の電力の一部を
まかなう実証を開始
関西空港施設への水素供給実証を
行うスマート愛ランド構想「水素グ
リッドプロジェクト」を検討中
5
水素エネルギーの意義と課題
● 水素は、地球上に最も多く賦存する元素
(ただし単体では存在せず、水や炭化水素等の化合物に含まれる)
●CO2フリーなエネルギーチェーン形成が可能
水
H2O
H2
利用
水素
H2
再生可能エネ
製造
• 再生可能エネルギー以外の一次エネルギー(化石燃料、ウラン)は有限な資源
• 温室効果ガスの80%削減(2050年)とエネルギー供給のセキュリティ強化に向けて、
再生可能エネルギーと水素を活用した新たなエネルギーチェーンの構築が不可欠
強い太陽光、良い風況、化石燃料+CCSの地域は、日本はじめ需要地とは距離が離れている
電力海底ケーブル、水素パイプラインは高コスト
エネルギー密度が高く、長距離輸送、貯蔵が可能な水素エネルギーキャリアが必要
液化水素、有機ハイドライド(メチルシクロヘキサン)、アンモニアをキャリア候補として選択
6
SIPとは
•SIP(戦略的イノベーション創造プログラム:Cross-ministerial
Strategic Innovation Promotion Program)とは内閣府総合科
学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠
や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベー
ション実現のために創設した国家プロジェクト
•国⺠にとって真に重要な社会的課題や、⽇本経済再⽣に寄与
できるような世界を先導する11の課題に取り組む
•各課題を強⼒にリードする11名のプログラムディレクター(PD)
を中⼼に省庁連携・産学官連携を図り、基礎研究から実⽤化・
事業化までを⾒据えて一気通貫で研究開発を推進
•各課題は5年の研究開発計画を⽴案。2014年に設⽴され3年
⽬を迎える
7
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の対象課題、PD、28年度配分額
革新的燃焼技術 (配分額 19.0億円)
杉山雅則 トヨタ自動車 パワートレーン先行技術領域長
乗用車用内燃機関の最大熱効率を50%に向上する革新的燃焼技術
(現在は40%程度)を持続的な産学連携体制の構築により実現し、産
業競争力の強化と共に、世界トップクラスの内燃機関研究者の育成、
省エネおよびCO2削減に寄与。
革新的構造材料 (配分額 37.58億円)
岸 輝雄 新構造材料技術研究組合 理事長
東京大学名誉教授、物質・材料研究機構名誉顧問
軽量で耐熱・耐環境性等に優れた画期的な材料の開発及び航空機
等への実機適用を加速し、省エネ、CO2削減に寄与。併せて、日本の
部素材産業の競争力を維持・強化。
次世代海洋資源調査技術 (配分額 46.58億円)
次世代パワーエレクトロニクス (配分額 24.1億円)
大森達夫 三菱電機 開発本部 主席技監
SiC、GaN等の次世代材料によって、現行パワーエレクトロニクスの性能の
大幅な向上(損失1/2、体積1/4)を図り、省エネ、再生可能エネルギー
の導入拡大に寄与。併せて、大規模市場を創出、世界シェアを拡大。
エネルギーキャリア (配分額 34.9億円)
水素
村木 茂 東京ガス 常勤顧問
再生可能エネルギー等を起源とする水素を活用し、クリーンかつ経
済的でセキュリティレベルも高い社会を構築し、世界に向けて発信。
自動走行システム (配分額 27.13億円)
浦辺徹郎 東京大学名誉教授、国際資源開発研修センター 顧問
銅、亜鉛、レアメタル等を含む、海底熱水鉱床、コバルトリッ
チクラスト等の海洋資源を高効率に調査する技術を世界に先駆
けて確立し、海洋資源調査産業を創出。
葛巻清吾 トヨタ自動車 CSTO(Chief Safety Technology Officer)補佐
高度な自動走行システムの実現に向け、産学官共同で取り組む
べき課題につき、研究開発を推進。関係者と連携し、高齢者な
ど交通制約者に優しい公共バスシステム等を確立。事故や渋滞
を抜本的に削減、移動の利便性を飛躍的に向上。
インフラ維持管理・更新・マネジメント技術 (配分額 31.56億円)
レジリエントな防災・減災機能の強化 (配分額 23.3億円)
藤野陽三 横浜国立大学 先端科学高等研究院 上席特別教授
インフラ高齢化による重大事故リスクの顕在化・維持費用の不足が
懸念される中、予防保全による維持管理水準の向上を低コストで実
現。併せて、継続的な維持管理市場を創造するとともに、海外展開
を推進。
重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保 (配分額 25.5億円)
後藤厚宏 情報セキュリティ大学院大学 研究科長・教授
制御・通信機器の真贋判定技術(機器やソフトウェアの真正性・完全性を
確認する技術)を含めた動作監視・解析技術と防御技術を研究開発し、
重要インフラ産業の国際競争力強化と2020年東京オリンピック・パ
ラリン
ピック競技大会の安定的運営に貢献。
革新的設計生産技術 (配分額 21.9億円)
佐々木直哉 日立製作所 研究開発グループ 技師長
地域の企業や個人のアイデアやノウハウを活かし、時間的・地理
的制約を打破する新たなものづくりスタイルを確立。企業・個人
ユーザニーズに迅速に応える高付加価値な製品設計・製造を可能
とし、産業・地域の競争力を強化。
中島正愛 京都大学防災研究所 教授
大地震・津波、豪雨・竜巻、火山等の自然災害に備え、官民挙げて
災害情報をリアルタイムで共有する仕組みを構築、予防力、予
測力の向上と対応力の強化を実現。
次世代農林水産業創造技術 (配分額 29.25億円)
野口 伸 北海道大学大学院農学研究科 教授
農政改革と一体的に、農業のスマート化、農林水産物の高付加
価値化の技術革新を実現し、新規就農者、農業・農村の所得の
増大に寄与。併せて、生活の質の向上、企業との連携による関
連産業の拡大、世界の食料問題の解決に貢献。
9
全体概要 ~ 「エネルギーキャリア」課題の取組み
〈CO2 フリー水素バリューチェーンの構築〉
天然ガス
石油
石炭
輸送(エネルギーキャリア)
製造
改質/ガス化
H2
液化水素
LH2 (液化:-253℃)
有機ハイドライド
再生可能
エネルギー
CO2固定
H
H
H22
2
(メチルシクロヘキサン)
MCH(常温常圧で液体)
(水素輸送重量6%)
CH3
H2
気化
トルエン
3H2
CH3
(水素輸送重量18%)
燃料電池自動車
発電
燃料電池
脱水素
アンモニア直接燃焼
ガスタービン
MCH
NH3
電気・熱による アンモニア
(液化:常圧-33℃もしくは
8.5気圧(20℃))
水素製造
利用
直接利用
アンモニア
燃料電池 工業炉
水素は様々なエネルギー源から製造可能で、燃料にも電気にもなる。
(大幅なCO2排出削減が可能)
10
● 水素は低熱量の気体であり、輸送・貯蔵が困難。水素を大量に輸送する技術
(エネルギーキャリア)や水素をエネルギー源として利用する関連技術の開発が重要。
●
計画の概要 ~ビジョン~
水素の「製造」、「輸送・貯蔵(キャリア)」、「利用」に関する技術開発を産官学の連携、
ALL JAPANによる取り組みを強力に推進することにより、2030年までに日本が革新的で
低炭素な水素エネルギー社会を実現し、水素関連産業で世界市場をリードすることを⽬指す。
2015-2020
2020-2030
2030-
• 燃料電池自動車、燃料 • 左記の普及拡大
電池コージェネの普及
• 水素発電の導入
開始
• 大規模水素発電
• CO2フリー水素の大量
導入
• 安価なCO2フリー水素の
製造技術、エネルギーキャ
• 水素・エネルギーキャリ
リアとその利用技術の開
アによる高効率発電の
発
実証
• 2020オリンピック・パラリ
• より大規模な実証
ンピックを契機とした水素
タウン(仮称)実証
• 日本の水素関連
産業が世界市場で活躍
水素技術実証
検討会
水素タウン実証で、2030年以降の本格的な水
素社会を先取りして実現するプランを検討する。
10
水素関連研究・技術開発の全体俯瞰図(H28年度)
【水素・エネルギーキャリア導入シナリオの検討】
水素が社会に導入される条件の明確化および導入シナリオ策定。技術⽬標の妥当性確認や戦略策定に活用。
水素源
化石燃料
製鉄所、製油所
石油化学プラント
油田、ガス田
炭田、褐炭等
水素製造
<改質技術>
副生水素
ガス化
水素利用
キャリア転換・輸送・貯蔵システム
家庭用燃料電池
オンサイト改質
<気体水素>
燃料電池自動車
気体水素輸送
(高圧力化)
業務・産業用燃料電池
水素ステーション
水蒸気改質
FC ゴミ収集車
<メタン>
水
+
再生可能
エネルギー
大規模水力
ウインドファーム
洋上風力
太陽熱、太陽光等
<水分解技術>
固体高分子水電解
中性の水を用いた
水分解
アルカリ水電解
高温水蒸気電解
(SOEC)
次世代水電解
(1)太陽熱を利用した
水素製造
担
当
SIPテーマ
1.高温太陽熱供給
システム
文部科学省
2.熱利用水素製造
経済産業省
(エネ庁除)
経済産業省
(エネ庁)
環境省
高効率メタン化システム
FC フォークリフト
<液化水素>
液化水素の利用技術
貯蔵システム
(タンク・液水ポンプ)
8.液化水素ローディングシステム
開発とルール整備
<有機ハイドライド(MCH)>
再エネ由来
水素ステーション
水素タービン
9.水素エンジン技術開発
有機ハイドライドの利用技術
シリカ膜脱水素技術
<アンモニア>
7.有機ハイドライトを用いた
水素供給技術の開発
溶融塩電解合成
分解し
水素として利用
省エネルギーな
革新的アンモニア合成
4.アンモニア水素ステーション基盤技術
アンモニアの製造・利用技術
3.CO2フリー水素利用アン
モニア合成システム開発
直接利用
5.アンモニア燃料電池
6.アンモニア直接燃焼
エネルギーキャリアの基礎基盤技術
10.エネルギーキャリアの安全性評価
11
【基準策定】 内閣府(SIP): 液化水素荷役時のルール整備
経済産業省:高圧ガス保安法
総務省(消防庁):消防法
国土交通省:液化水素運搬船の安全基準の整備・国際基準化、燃料電池船の安全ガイドライン策定
全体概要 ~運営体制~
【内閣府】
プログラムディレクター(PD)
村木 茂:東京ガス株式会社 常勤顧問
SIPエネルギーキャリア推進委員会
サブプログラムディレクター(サブPD):PDを補佐
秋鹿 研一
塩沢 文朗
東京工業大学 名誉教授
放送大学 客員教授
住友化学(株)
主幹
(H26年度:2回, H27年度:3回,H28年度:1回)
内閣府・経済産業省連携戦略会議
(H26年度:3回, H27年度:2回,H28年度:2回)
内閣府、経済産業省、JST、NEDO
事務局(内閣府・経済産業省)
(管理法人)
水素関連研究開発に関す
る情報・意見交換会
プログラム会議
(H26年度:1回, H27年度:2回)
SIP及びNEDO事業の関
連する研究者を一堂に集めた
ボトムアップの意見交換
研究開発計画策定等の実務的議論を実施
村木PD(議長)、サブPD、外部専門家、関係官庁、内閣府、事務局(JST)
運営・評価委員会
(H26年度:4回、H27年度:3回)
公募の審査および
テーマ進捗評価等
【研究者】
10テーマ
知財委員会
(H26年度:1回, H27年度:2回)
成果発表・特許出願
等の方針決定・調整
研究開発テーマ
戦略策定WG
(H26年度:3回, H27年度:6回)
水素技術実証検討会
(H26年度:2回, H27年度:2回)
CO2フリー水素
バリューチェーン構築に
向けたシナリオ策定の検討
オリンピック・パラリンピック
を契機としたデモン
ストレーション案の検討
各キャリアの課題分析
デモンストレーション案策定
研究開発テーマ
・・・・・・・・・・・・・・・・
(平成27年6月)
研究開発テーマ
12
研究開発テーマ一覧 (平成28年度)
水素関連
研究開発テーマ
アンモニア関連
研究開発テーマ
① 高温太陽熱
供給システム
(研究責任者)
加藤 之貴(東京工業大学)
有機ハイドライド関連
研究開発テーマ
追加検討
製造
アンモニアをはじめとした
エネルギーキャリア実用化調査
② 熱利用水素製造
(研究責任者)
坂場 成昭
(日本原子力研究開発機構)
⑧ 液化水素用ローディング
システム開発とルール整備
③ CO2フリー水素利用
アンモニア合成
システム開発
キャリア転換・輸送・貯蔵
(研究責任者)
千田 哲也
(日本船舶技術研究協会)
(研究責任者)
藤村 靖(日揮)
④ アンモニア水素
ステーション基盤技術
利用
(研究責任者)
小島 由継(広島大学)
⑨ 水素エンジン技術開発
⑤ アンモニア燃料電池
⑥ アンモニア直接燃焼
(研究責任者)
餝 雅英(川崎重工業)
(研究責任者)
江口 浩一(京都大学)
(研究責任者)
小林 秀昭(東北大学)
⑦ 有機ハイドライドを
用いた水素供給
技術の開発
(研究責任者)
壱岐 英
(JXエネルギー)
⑩ エネルギーキャリアの安全性評価研究
(研究責任者)
三宅 淳巳(横浜国⽴大学)
13
主な成果 (1)
アンモニア燃料電池
(2015年7月22日、プレス発表)
世界最大級(200 W)SOFCショートスタック(アンモニア直接
アンモニア燃料電池スタック
世界最大級
供給方式)を製造し、発電実験を実施。その結果、純水素を
燃料とした場合と同等の発電性能が得られた。
(システムメーカーの参画:IHI)
最終年度
✔ 世界初となる1 kW級発電システム実証による実用化評価
アンモニア直接燃焼(2015年9月17日、プレス発表)
アンモニア直接燃焼発電機
50 kW級ガスタービンにて、メタン-アンモニアの混焼発電および
アンモニア専焼発電に世界で初めて成功。NOXも脱硝装置で
処理可能な運転条件を見出した。
世界初
(電力会社の参画:中国電力、東北電力、中部電力)
最終年度
✔ 世界初となる2 MW級発電実証による実用化および大型化評価
14
主な成果 (2)
水素燃焼技術開発(2015年12月21日、プレス発表)
低NOX水素専焼ガスタービン燃焼器
100%の水素を燃料とした水素専焼ガスタービンの実現に向けて
不可欠である水や蒸気を用いないドライ専焼で低NOX燃焼が可能
な技術を開発し、燃焼試験にて低NOX性能を確認した。
低NOX
(ガスタービンの基盤技術開発を終了)
アンモニア水素ステーション基盤技術(2016年7月19日、プレス発表)
世界で初めてアンモニアを原料とした燃料電池自動車用の高純度
水素の製造が可能となった。(実証システムの1/10スケール)
ブレイクスルーした技術
✔ 高活性高耐久性アンモニア分解触媒の開発
世界初
✔ 分解後の残存アンモニア濃度を0.1ppm以下にでき、再生
が容易なアンモニア除去材料の開発
✔ 水素純度 99.97%を達成できる精製技術
最終年度
✔ 世界初となる10Nm3/h 脱水素・精製システム実証による実用化評価
15
アンモニアをはじめとしたエネルギーキャリア実用化調査
アンモニアを中心に今後約30年のタイムフレームで (ア)~(カ)に関するコストとエネルギー効率の調査・
分析を行う。また、水素エネルギー利用発電の単価についても調査・分析を行う。
日揮
エネ経研
(外注先)
海外
エネルギー総合工学研究所(新規参画)
・エンジニアリング会社の知見とデータを活用
・アンモニアの価格調査は外注
(ア)
CO2フリー水素製造
H2
・トータルシステム導入シナリオ調査研究のデータを活用
(イ)
・天然ガス,石炭(+CCS)
・再⽣可能エネルギー
キャリア転換
NH3/LH2/MCH
アンモニア (NH3)
・液化水素 (LH2)
・有機ハイドライド (MCH)
(ウ)
積地基地
・貯蔵タンク
・ローディング
※液水,MCHは参考データ
日本
発
電
単
価
NH3
(エ)
海上輸送
水素導入規模 (1)3億Nm3/年 (2)25億Nm3/年
水素エネルギー
利⽤発電
H2
NH3
・アンモニア専焼
・混焼(※)
・水素専焼
(※) NH3-天然ガス,NH3-微粉炭,水素-天然ガスなど
東北大学、電力会社、IHI
検討に参画:発電についての知見等の活用,議論
(カ)
再水素化・精製
LH2
MCH
NH3
(オ)
LH2
MCH
揚地基地
・貯蔵タンク
・ローディング
※ 必要に応じて、産業技術総合研究所(LCA)の参画も検討
2030年以降の水素エネルギー導入・普及状況を想定し、
今から10年後、20年後、30年後に必要な研究開発内容
を整理する
16
海外調査と国際連携に向けた現状の取組み
■ 海外調査
ヨーロッパ(オランダ・ドイツ)
<平成 28年 7月~(8⽇間)>
訪問国
アメリカ合衆国
<平成 27年 9月~(8⽇間)>
企業 Shell、Air Liquid、Linde
訪問先
企業 Air Products、Air Liquid
・DWV
ドイツ水素・燃料電池協会
機関
・NOW
ドイツ水素・燃料電池国家機構
諸外国
南アフリカ共和国(情報交換)
訪問国
訪問先
■ 国際連携
太陽熱を用いた水素製造に関する情報交換や
連携の要請
✔ 2月末頃にテクニカルチームを日本に派遣予定
✔ 国際的なシンポジウムの開催を要望
海外企業
<今後の予定>
Royal Dutch Shell(情報交換) 来年2月末頃、産総研福島にて視察・意見交換
(オランダのハーグに本拠を置くオランダとイギリスの企業)
✔ 液化水素とアンモニアを中心とした実用化に向けた
情報交換
Saudi Aramco(情報交換)
(サウジアラビア王国の国営石油会社)
✔ CO2フリー水素利用アンモニアのバリューチェーン
に関する情報交換
オーストラリア(実証提案)
再エネ由来の水素を用いたアンモニア利用の
共同実施提案
✔ 実証プロジェクトのスキームに関する提案が有り、
共同FSに着手
<今後の予定>
年度内を⽬途に実証計画案を策定
17
CO2フリー水素利用アンモニアバリューチェーン
日本政府・企業
国際協力プロジェクト
海外政府・企業
✔ CO2フリー水素由来アンモニア利用
✔ 太陽エネルギー利用によるCO2フリー
水素およびアンモニア製造
太陽エネルギー利用
アンモニアタービン
電気
海上輸送
アンモニア燃料電池
アンモニア製造
電気
アンモニア水素ステーション
H2
NH3 ⇒H2
NH3
水分解
水素製造
電
気
熱
H2
CO2フリー
<既存のアンモニアプラントを活用した検討> 水素供給
CO2フリー
アンモニア供給
NH3
太陽エネルギー利用水素製造
H2
第1フェーズ:数MWクラス
第2フェーズ:数百MWクラス
18
水素社会実現を目指す基本スキーム
太陽熱
キャリア転換
(MCH、アンモニア)
液化水素
ローディングシステム
凡例
:SIP「エネルギーキャリア」の取組み
19
水素技術実証検討会で提案したオリパラ実証案(例)
① 晴海水素タウン
(仮称)
ダイニング
商業施設
エネファーム
PEFC
FCバス、FCV
分譲住宅
電力専用線
水素
PEFC
SOFCトリジェネ
水素パイプライン
サ付住宅
晴海水素
ステーション
水電解
エネファーム
SOFC
分譲住宅
水素貯蔵・
非常用電源
水素
PEFC
賃貸住宅
PV
水電解
大会運営施設
(大会後は商業施設?)
サ付住宅・・・サービス付高齢者住宅
FCボート
3つの水素STATIONS
② 日本科学未来館
内部検討のために作成した資料
であり、地権者・関係者等と調整
しているものではありません。
➀ PR ステーション
【エネルギー会社のメインステージ】
② カー ステーション
【自動車会社のメインステージ】
③ ソーシャル ステーション
【研究者のメインステージ】
20
Fly UP