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ローターバッハ。
Success STORIES Success STORIES 日本ローターバッハ株式会社 日本ローターバッハ株式会社 世界中のエンジニアが認めるデバッガ、 ローターバッハ。 ARMもNios IIもお任せあれ。 るメーカーの数は少なくなってしまいましたが、 2013 年 8 月に発売しました。まだまだ知名度が 一時期は日本を含めて多くのメーカーが携帯市 足りないみたいなので、機会があるごとにご紹 場に参入していましたから、ARM プロセッサの 介していきたいと思っています。 広がりに伴い当社製品のユーザーにも広がって アルテラ小山:今もありましたけど、ロー ドイツに本社を置くローターバッハが提供するデバッグツール「TRACE32 PowerTools」シリーズは、欧米では 80%から 90%に いき、そこでローターバッハを使ったエンジニ ターバッハさんの製品って価格が高いという評 近いシェアを誇るなど、業界標準のツールとして、ハードウェアエンジニアからソフトウェアエンジニアまで幅広いユーザーに支持 アの方々が次のプロジェクトでも当社の製品を 判を聞くことがあるんですが、実際のところは されている。高い安定性や豊富な機能とともに、さまざまなアーキテクチャをサポートしているのが特徴である。今回はカスタム・ 選んでくださったり、口コミで広めてくださっ どうなんですか? ロジック・ソリューションのリーダー企業である日本アルテラからお二人をお招きし、 「アルテラ SoC」および「Nios® II」プロセッサ た。そういった背景があるのかなと。 の開発環境をテーマに座談会を行った。 しかにありますね。お客様には申し訳ないんで 日本でもシェアを拡大中 日本アルテラ株式会社 すね。例えば、どんなコンパイラでも使えるよ うにするとか、さまざまな OS プラットフォー ローターバッハ香川:国内には日系のツール ムに対応するなど、お客様の多様な環境で使っ ベンダーさんがいらっしゃいますので、正直な ていただけるように機能面の拡充を図っていま ところシェアに関してはワールドワイドほど大 す。軽くてサクサクと動き、動作も大変安定し JTAG ツールに相当します。デバッグツールと きくはありません。それでも、モバイル端末や ていますので、価格だけではなくそういった点 してはデファクトスタンダード(事実上の標 基地局などの開発ではずいぶん使われていると も評価していただければと思っています。 準)的な存在で、海外では「デバッグツールと 感じています。それと実数は把握しきれていま アルテラ小山:ちなみに、当社の「Cyclone® いえばローターバッハ」と言われるぐらいに浸 せんが、レンタルで使われているお客様もかな V SoC」が搭載された「Helio」 (アルティマ社製) 透しています。 りいらっしゃるとみています。 という開発ボードを対象にしたこの構成(次 小山 崇之 氏 アルテラ萩原:アルテラ SoC のお客様といろ 世界的に多くのシェアを獲得している理由は どこにあるとお考えですか? ローターバッハ いう独自アーキテクチャのプロセッサのほかに、 ARM® Cortex®-A9 MPCore プロセッサと FPGA と を組み合わせた「アルテラ SoC」ファミリを展 本日はカスタム・ロジック・ソリューション を手がける日本アルテラのお二方を交えて、デ バッグ環境を中心にお話を伺いたいと思います。 開しており、私はそうしたプロセッサ製品やテ クノロジーのマーケティングを担当しています。 はじめにローターバッハの製品について簡単 に紹介してください。 ロ ー タ ー バ ッ ハ 香 川: ロ ー タ ー バ ッ ハ は ローターバッハ香川:価格は非公開というわ 知度はかなり高いと感じます。例えば、以前は けではないのですが、デバッグ機能だけの場合 ローターバッハ香川:いろいろな理由がある モバイル端末を担当していた人がローターバッ と思いますが、安定性と品質が高いこと、本体 ハさんの経験があり、今は基地局の開発に移っ とプローブとを分けたモジュラー形式なので末 ていて、引き続きローターバッハさんのデバッ 永く使えること、無限に近いトレースを取得で グツールを使っている、といった話はよく聞き きる「リアルタイムストリーミング」やトレー ます。 スと消費電力との相関を把握できる「エネル ローターバッハ香川:ただ、弊社はプロセッ ギープロファイリング」などの優れた機能を搭 サ の 市 場 に は 浸 透 し て い る ん で す が、ARM 載していること、さらに、お客様のご要望に応 Cortex-M 系に代表されるマイコン市場は開拓中 じて数多くの OS やコンパイラに対応してきた なんですよ。マイコン専用に開発された国産の こと、などが評価された結果なのかな、と考え デバッグツールと比べてしまうと、どうしても ています。 価格的に高く見えるんですかね。 1979 年にドイツで創業し、日本法人の設立は た Nios II やアルテラ SoC の技術サポートを担当 2003 年 で す。 主 力 と な る 製 品 が「TRACE32 ローターバッハ中村:もうひとつシェアが伸 ローターバッハ中村:実はマイコン市場も頑 アルテラ小山:アルテラでは、FPGA ロジック しています。どちらかというと導入までの技術 PowerTools」シ リ ー ズ で、 マ イ ク ロ プ ロ セ ッ びた理由には、携帯系の開発があったんだろう 張ろうということで、ARM Cortex-M 系を対象 を使って実装する「Nios II( ニオス・ツー)」と サポートが主体です。そのほかに DSP コアの技 サを用いたシステムの開発に使う、いわゆる と思っています。今でこそ携帯端末を開発す にした廉価版のデバッガμTrace for Cortex-M を ARM PARTNERS SUCCESS ページ 図)でいくらぐらいなんですか? いろとお話をすると、ローターバッハさんの認 アルテラ萩原:私は、小山から名前の挙がっ まずは簡単に自己紹介をお願いします。 34 術サポートも担当しています。 すが、価格が下がりにくいということはありま 日本市場の状況はいかがですか? マーケティング部 プロダクト・マーケティング・マネージャ デバッグツールといえば ローターバッハ香川:高いというご指摘はた 日本ローターバッハ株式会社 営業 技術サポート 香川 貴人 氏 ARM PARTNERS SUCCESS 35 Success STORIES Success STORIES 日本ローターバッハ株式会社 日本ローターバッハ株式会社 ださい。 ローターバッハ香川:ARM Cortex-A9 MPCore 日本ローターバッハ株式会社 技術 アルテラ小山:なるほど。国産のデバッグ アルテラ小山:現在は ARM Cortex-A9 MPCore をデュアルコア構成で搭載した Arria V SoC(コ SoC および「Arria® V SoC」はTRACE32 PowerTools 特徴を紹介すると、アルテラ SoC の FPGA 部分 ターバッハのツールも使えるんでしょ?」とい ア 周 波 数 最 高 1.05GHz)と Cyclone V SoC( 同 シリーズで対応済みですし、冒頭でも名前の挙 に Nios II プ ロ セ ッ サ を 実 装 し た 場 合 に、ARM うお問い合わせをいただいたときには、一般的 950MHz)を出荷していますが、さらに高性能 がったNios IIプロセッサにももちろん対応してい Cortex-A9 MPCore プロセッサと Nios II プロセッ な開発用途であればもちろん使い慣れたデバッ 化 し た Arria 10 SoC( 同 1.5GHz を 予 定 )を 発 表 ます。 サとを同時にデバッグすることができるんです。 ガを使っていただいてかまいません、とお答え 済みです。また、フラグシップデバイスとして、 アルテラ小山:Nios II で動作する RTOS(ITRON ライセンスとしては ARM Cortex-A9 MPCore 用 しています。 ARM Cortex-A53 MPCore をクワッドコアで搭載 系 OS)の TRACE32 でのサポート機能の組込み と Nios II」用 と の 2 本 が 必 要 で す が、TRACE32 をお願いできませんかって最初にローターバッ PowerTools はひとつでかまいません。 日本アルテラ株式会社 ハさんにお話を持っていったときのエピソード 応用技術部 エンベデッド& DSP テクノロジ・スペシャリスト FAE 萩原 尚 氏 お客様からご要望があれば対応しますから。 自動車など成長市場への 浸透を図る 今後の取り組みをお聞かせください。 アルテラ小山:それは素晴らしい。アルテラ にアピールしていきたいと思っています。プ Stratix 10 SoC のレジスタを定義するとか、そ てられている内蔵 DRAM コントローラの制御 SoC で、ARM Cortex-A9 MPCore プ ロ セ ッ サ を ロセッサでいうと、今までは ARM 系ではなく ういうところですね。すぐにサポートできる レジスタなどを、単なるレジスタビットマッ メインプロセッサとして使いながら、サブプロ フリースケールさんやインフィニオンさんが と思います。 プとしてではなく、レジスタの名称やビット セッサとして Nios II を搭載したいというお客様 中心でした。日本の自動車メーカーやサプライ が、 標 準 機 能 と し て 提 供 さ れ て い る RTOS サ MPCore プロセッサを内蔵したアルテラ SoC と の役割としてデバッガ画面に表示することも もいらっしゃいますので、是非そういった応用 ヤーさんに対して当社の認知度を高めつつ、ソ ポートや Flash プログラミング機能、ターゲッ いう製品ファミリの拡充を進めていますが、従 できるようになっています。メモリマップ内 に提案していきたいと思います。 リューションを広げていけたらなと。 ト CPU が変わっても陳腐化しないモジュラー 来からの Nios II プロセッサにも引き続き取り のレジスタにマウスカーソルを重ねるだけで 形 式 の デ バ ッ ガ ハ ー ド ウ ェ ア か ら 考 え る と、 組んでいきます。たとえば、2014 年 5 月に発表 レジスタ情報がポップアップ表示されますの アルテラでは「ARM Development Studio 5 十分にリーズナブルな範囲だと思います。 した「MAX® 10 FPGA」という安価な FPGA にも で、デバッグを効率的に進められるのではな Nios II は実装可能です。その意味でも Nios II を いかと思います。 同時デバッグも可能 次に、アルテラ製品への対応状況を教えてく ています。 アルテラ萩原:実はアルテラ SoC の内部には、 Ethernet や USB などのペリフェラルの制御レジ アルテラ小山:アルテラでも自動車市場はと それであればユーザーも安心ですね。最後に 一言ずついただけますか? ア ル テ ラ 小 山: 先 ほ ど も 紹 介 し ま し た が、 ても重要と考えていて、車載用途にも是非アル ARM Cortex-A9 MPCore をデュアルで搭載した (DS-5™) Altera Edition」というデバッグツール テラ SoC を使っていただきたいと考えています。 アルテラ SoC のデバッグツールとしては、純 を出しています。ローターバッハの TRACE32 ところで、自動車というと機能安全への対応が 正 と し て 位 置 づ け ら れ る DS-5 Altera Edition PowerTools と は ど の よ う な 関 係 に な る の で 求められ、当社でも「認証済みファンクショナ に加えて、世界的にユーザーの多い TRACE32 すか? ル・セーフティ・データ・パッケージ」という PowerTools も使えますので、お客様は安心し リソースを提供しているのですが、何か取り組 て開発に取り組んでいただけるのではないかと みは行っていますか? 思っています。また、知り合いのよしみという ローターバッハ香川:アルテラさんのアル スタが何千個も入っているんです。一般的には アルテラ小山:DS-5 Altera Edition は ARM テラ SoC に関しては、メモリマップに割り当 データシートと見比べながらレジスタダンプを DS-5 を ベ ー ス に Cortex-A9 MPCore プ ロ セ ッ 追わなければなりませんから、とても便利な機 サと FPGA 部分との連動機能などを追加したア ローターバッハ中村:DO-178C と ISO26262 わけではありませんが、ローターバッハさんと 能だと思います。 ルテラ SoC 専用のデバッグツールです。当社 の要求を満たすアプリ開発に TRACE32 のコー はいろいろなイベントで一緒にプロモーション ア ル テ ラ 小 山: 今 の お 話 は、 当 社 が「HPS としてはアルテラ SoC をデバイスだけではな ドカバレッジ機能をご利用いただくくため などを進めていければと願っています。 (ハード・プロセッサ・システム)」と呼んでい くて開発環境を含めてきちんと提供しようと の 一 助 と な る「TRACE32 Tool Qualification ローターバッハ香川:ARM Cortex-A9 MPCore る ARM Cortex-A9 MPCore プロセッサ部分のペ い う 位 置 づ け で、 ま ず は DS-5 Altera Edition Support-Kit」という無償オプションを発表済 プロセッサと Nios II プロセッサとのマルチコア リフェラルが対象ですが、ユーザーが FPGA 上 をご紹介していますが、決してこれだけです みで、間もなく正式にリリースされる予定で デバッグを実現している点はあらためて強調し にレジスタを定義した場合もそうした見せ方は べ て の ニ ー ズ を 満 た す と は 考 え て い ま せ ん。 す。どういうツールを使ってどうやってカバ ておきたいところです。それぞれで異なる OS できるんですか? お客様のニーズや開発ステージによっては レッジを取得したか、という情報を資料とし を動かすヘテロジニアスな環境でも丸ごとサ ロ ー タ ー バ ッ ハ さ ん の TRACE32 PowerTools てきちんと残しておきたいというお客様向け ポートします、というのが、アルテラさんのソ ユーザーレジスタの定義ファイルをテキスト を使っていただくといった形になると思って のキットで、ソースコードと TRACE32 評価用 リューションを対象にした当社の強みだと思っ か XML で記述して与えてやれば問題ありま います。 のテストスイートからなる既製のパッケージ ています。 ロ ー タ ー バ ッ ハ 香 川: も ち ろ ん で き ま す。 せん。 図:アルティマ社製「Helio」 (左)と「TRACE32 PowerTools」 (右)。 ARM PARTNERS SUCCESS ロ ー タ ー バ ッ ハ 香 川:A R M C o r t e x - A 5 3 MPCore にはすでに対応済みですから、あとは ブレークも可能です。 アルテラ小山:アルテラでは ARM Cortex-A9 サポートしていただいているのは本当に助かっ バッハさんとすでにお話が進んでいるとアメリ カ本社からは聞いています。 たデバッグもできますか? ローターバッハ香川:はい、同時実行や同時 新しいデバイスのサポートについても、ローター ローターバッハ香川:個人的には自動車市場 て対応していただいたんですよね。 ローターバッハ中村:弊社はベンダーさんや アルテラ小山:両方のプロセッサを連動させ した「Stratix® 10 SoC」も開発中です。これらの ツールよりは確かに若干高いかもしれません Cortex-A9 と Nios II の 36 能です。これはすべてのソフトウェアエンジニ アの方が関わる部分ではありませんので「ロー 答えたら、「じゃあ、サポートしておきます」っ れぞれこのぐらいです(メモを見せる)。 せんね。機会があれば試させてください。 ローターバッハ香川:もうひとつ機能的な か?」と訊かれたので「それなりにいます」と とトレースメモリ 2GB を追加した場合とで、そ る「デバイスドライバ」のデバッグに役立つ機 プロセッサを搭載したアルテラさんのCyclone V があるんですが、「Nios II ユーザーは何人います 中村 信也 氏 ツールの対応予定はいかがですか? 出せるので、そのまま持っていけるかもしれま アルテラ萩原:DS-5 Altera Edition でしかでき アルテラ小山:ユーザー定義レジスタは、当 ないデバッグって FPGA との連携のところなん 社の開発ツール「QSYS」から XML 形式で吐き ですが、FPGA ハードウェアを制御する、いわゆ として提供されます。 今後のご発展を祈念しています。本日は興味 アルテラの今後のロードマップと、デバッグ 深いお話をありがとうございました。 ARM PARTNERS SUCCESS 37